• 検索結果がありません。

馬鈴薯に關する生理、生態學的研究 第1報 芽薯の發生機構に就いて-香川大学学術情報リポジトリ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "馬鈴薯に關する生理、生態學的研究 第1報 芽薯の發生機構に就いて-香川大学学術情報リポジトリ"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

36

慮鈴薯に開すろ生理、生藩学的研究

第1報 芽薯の養生機構に就いて

中 潤 三 郎

PHYSIOLOGICAL AND ECOl.OGICAL STUDIES ONPOTATO PLANTS

PARTl.ESPECIALLY ON THE TUBFRIZATIQN OF THESPROUT ON

POTATO TUBER

BY

JtINZABURO NAKA

[Ⅰ〕緒 言

古くから知ら推ている如く、穴蔵内で長期間貯成された馬鈴蟄塊窒素ゝら、通常の如く穿を新出する肇

なく、肪芽が母塊窒上に直ちに新塊茎を・生ずる所謂芽蓉の形成は、さ程稀有な壌ではない噛1郎0 ̄そ

1ク2)

の極端な場合には、塊登内塊董の形成すら報督されている。ノ 而し七その原因として、従来蓋として光

及び浪分の減退が撃げられている0斯様な現象は北常道に、於いて軋2,3年釆注目せられで居如ミ、

昭和2時庭萬鎗馨春作に紙り、静臥島根、愛知等の諸腺に於いて、前年寄掛こ収癒した塊凱種尊

として植呼を行った際、大南頓に亘って灘謂芽馨の草生を丸尾鈴賓栽線上着通し得ない蚤要な間寧と

な?ている。従って今日早急にその憩生機構に就いて充分の検討を行ひ、以てその後防封栄辱に方傘を

期すべき現況忙ある。 静1国 昭和23ヰ秋期北海道産馬鈴薯塊茎.上に於ける芽磐の形成(品秤組丸) (昭和24年7月20日撮影)

筆者偲偶ヒ芽薯の好試料を儲たので、長明貯蔵申に磯生する芽贅及びその観客の炭水化物、並びに共

時組織の生部勺状態を・、正常寄及びその親薯の其等と比較し2,3の結果を偏たので玄に報告する。

(2)

37

此の研究は聾者が本校々長黒土潤せゐ御配厳に依り、昭和24年4月より7箇月聞に造る北港迫大挙留

車中、選挙部食用作物畢教室数投手島博士の御推奨により、同畢部椒物畢教室数授田川博士の御指導に

よって待ったものの一増持である。備賛助に際して絃植物拳教室の各位より終始御便宜が輿へられ・た。叉

静詞願の紋臥・≡高所技師よりは、同牒に於ける昭和24年春期の芽箇蟄生状況に閲し、程々御教示を賜

つ1た。此魔に記t..て上記緒隠:こ対し深甚の謝意む表する。

〔Ⅱ〕賓瞼材料及び方法

〔A〕 供 試 射 料

書換材料としては昭和23年秋斯北梅道麿紅丸種を・用ひた。 (■き1)正常な芽を簡芽し′たもの

各期間地下貯蔵せるも甲を■5月上旬忙掘出し、7月中旬迄嘗敬呈内で木製曙兼申

∼15mmに生長し‘たもの● (b) 芽馨を・教生した■もの

上記により収穫後7 月中旬迄賢翰室内で木製暗箱中に貯威し、芽藩が/ト尊大一牒拍旨頭大程度に膨大

した.もの。 〔8〕 灘定 法 或(■a) 分 析試 料

分析試料は盈畳法に掠り、髄部と皮督部と釘分けた。即ち各置より約2gの試料を・とり、蔽、ら由ヒ畢天

秤上で其の重富蚤を・測定し■た後J乳鉢に入れ少畳のトルオールを・加へ靡細し水を加へて50。。とした。

之を30分間辞意して浸出した後濾過し水を・加へて100ccとし、名優晋験の供試液とした。 、(b) 分 析 (il)還元糖;上記供覿液3ccをとりミクロ・ベルトラン港(KLEIN;HandhuchderPflanz甲−

analyse1ミ〉:i2)に依って行ひ還元糖は葡萄臍として計算した。

(2)非還元街;供託液25ccをとり25%塩酸5ccを∵加へて2時間煮軌冷知後30%苛性曹達を・以て

中和したる後−100ccとした。之.より3ccを・とり以下還元糖司棟の方法によりその膳畳を求めた。

(3)澱 粉;喝過嘩漆を洗ひ落して200ccとし25%塩酸10ccを加へて3時間煮臥冷却後30%苛

性曹達を以て中和したる後500ccとした。之より3ccを・とり、以‘下達菟冶同様の方法によりその楷盈

を求め常数0.9を1乗じて計算.した。 〔C〕 アミラ・一ゼ作用カ

(11)酵素液;前記の分析に於け’る濾液をと、り、与れを・酵素液として用ひた。

(2)澱粉液;常法庭、より2%可溶性澱粉液を調製した。 く3う 頗衝液1;頗衝液としてはMcIい7EINE杓勝酸一十蝉酸綬衝液pH6.8を収用した。 く4 ベルトラン法により定量した。

(3)

38 (5)披 ′作;印?C容量の硬質硝子饗≡角瓶申陀:2%可静性澱粉液10ccを、とり′、之綻琴衝液抽ぐ 及びトルれ一ル芦,3滴を加′ヽ、藍匠此の申に上記の酵素液10ccを・添加し.よく抜没して400′Gの恒 喝器中に入れ20碑聞役とり出し、その8ccを:・とって:直ちにミクロ。、ベルトラン港により生成じた膳 分を定量した。別に封照試験として各驚験薗毎に同一・の試料を取恋し∴乙は酵素液添加後砥ち軽視 をとり試料中に既存の膳=分を\定盤し■た。上の測定値より封偲借盈∵引去・クた盈庖以てアミう+・ゼ作用 力と見倣した。但し測定は滴定に要した疎準過浦俺酸加盟液の畳を−以てこした。

(d) 遼 透 嘩

各値毎の切片を作りNe山ralIOt(ご0.05%掛こて20分間染色後、庶敏の0.20より0.36Mol溶液に浸潰 し、2時間の後原形質分離の如何む喩鏡し等羽膵液の演慶を以て測定ト‰

(e) 水 分 含 量

各値侮の試料約2gを・とり、秤量管に入れて直ちに化畢天秤上で其の重義底を加定した後、800cの蕗 燥器申に京急一定になる迄床・つて其乞婚乞晩患盈差を求め、前記融強で除し七決兎し尭。 〔Ⅲ〕・、宴 駄∫ 成 綬 覚づ償常忙新芽せる新芽及びその演者内絶食有せられる澱粉.道元街並びに非違尭腰わ各合畳を癒す るに(第1表参畷)、先づ正常芽に於いてこは髄部、皮膚部を・通じ可成の豊中還元準並びに棺ヒ多量の非 還元糖が見られ・る許りでなく、殿忙澱粉か存在も認められた。而してト非還元膳封還元唐の比率鱒、磯部 打砕いて約11野1、皮恩部に於レ、て:約4塗けである0 第、1表 正常に崩芽せる芽及び≡税薯円の:還元額、罪還元額並びに澱粉食堂 (含凱ますべて生重畳1g嘗りのmg電を以て示す)

次に正常芽を有する親琴に・就いて検するに、髄部、乾膠部共に澱粉舎監著しく低く∴文腰部に於いて遣

先櫓、非道兎糖含量共拓僅少で、その非道元臍封還元糖の含蚤比率は約3封1である。他方皮膚部は可

成の畳の還元騎と共に、又稽ヒ多量の非道虎街を含有し、非還元塘封還元糖の比率は約8封1である。

而して葡萄磯準換算し発会淡水化物量は、髄部、皮暦儲を通じ共に、′芽の方が塊竃より著しく多く、

叉蓼透債も同校に親薯より芽ロガが高いが、特佐髄部に於いて其の葦が顛著であり、水分食感碓鰯部、 皮暦部共忙芽の方が大であった。

(4)

39 更にアミラーゼ作用男は磯部、皮澄部共把芽忙於いて欠きい汎親薯の皮播部に於いても執成の作肝 が瓢められた。 一次陀正常芽及びその親薯に就いての詳合童と判北して、異常生育した罫書及びその親藩のそれら請合 畳を唆して第2表に示す如牽結果を得た。 第2表 罫落及び親肇内の濃先取、非道充顆並びに澱粉合意 醍 柔てく 弓 皮 廟

∴.i: −. :■さ

全 但葡萄糖として 非 選 元 嘩 臥霊 水.楯 ′,∧ 二と 炭水北物 充

−、‡、・

妄嘉完「㌔;冠

車中

︰−い・い り.⋮ 郡3隼31546 】 芽 啓 洩 啓 (含熟ますふセ塵雷魚1き‡屠りのm畠墾を以て承ず) 先づ芽頚陀就レて見る紅、濠想された如く磯部、皮鹿部共佐瀬曹な厳粉の蓄積が見られた。叡るに還 元膳及び非還元考密含量は英紙l●正常芽のそれらに比し、、鷹封偲㌢こ於いて低いが」併し非違元唐封還元糖 由比率嫁大であって、例へぼi髄部に於て紛ユ▲6対i∴皮膚部匿於・て「は約20対1であった。 凍に親薯に就い■て見る陀、髄部に於いでは正常芽を・有す、芦敬啓に比も八部‘粉及び還元臍含盈は共に多

やか、非道兎膳は著しく′少い。他方皮暦部に聡いては、僻咋

て少い○都ろ牢非還元街含慮笹碍と多く>、狩って非違元墳封還元唐の比率は約32年対1である0 今葡萄膳に換算した金炭水化物忙就き、芽薯と鶴野とを此較すると、髄部、’皮骨部共に穿薯の方大で あるカ㍉轡把髄部に於いて南軍間拝顔渾孝義が革められる0 尽きく、特琴皮腐鱒に於い■てその差が顛著であ 更にア、ミラーヤ作用カは髄執成腰部共忙親馨の加;大きく、芽琴に輿レ、てこは極めて倦少であ・つた; イ‡Ⅴ〕結 語 4,5) 以上の密醜繹塊より考褒するに、確報如こいて疫躇として用払た正常芽む有する親潜も 賛助結塊より湾へると、再威老化したもので、之ほ勿論牧穫彼の脛過時期より歯然濠想さ叫るとと・ろで あるが、叉本文に示されたその貯綴物質相互間ゐ患的関係からも明這ゝセある。先づ第一に車げられる鮎 ほ、成語β、炭層膚陀通じ共忙著しく澱粉含盈の低い寄で、之こは蔚芽開始㌍:件ひアミラーゼ酵素により、 磯化せられ敬一芽並びに爾後の生活給持の、エネ′しギ一波とLて治安されると共忙、街の一部は更に新芽部 に移動する。而して本管験の供試材料の如く、木製箱中に貯成され■た場合、設境不利の馬新芽の伸長は 限定され、従って痩元臍の滑費僅少である馬、その一川部は非還元額として朝者、特に皮膚組織申に蓄鎖 される。他方新芽中に怠られた還元甥も肪軒不良こ〉票隠下で、その消耗僅少である焉一溺は非還元糖と

(5)

して該部に蓄積される。ニ乙が外観上正常芽をL有する塊蓋の新芽部、並びに磯蓋、1特虹誉の皮骨部に参堂 の非還元腐食畳を見る所以で率らう。繭して特に注意を要する鮎は、外観上正常と見倣される新芽種敵 中に、可成の盈の澱粉の琴横を見る雷である。これ恐らく塊窒よ、り新芽に速達さ釣る還元額仁)消耗が僅少 である希、その→部が非還元膳に韓すると共に.一部は更忙安定型申澱娩とし一て苺鎗されるものでこ此 の新芽が今後正常芽として伸展するか、又は芽・馨として異常塊斐を−形成するか¢?分岐禁錮去、恐らく此の 問忙於ける悔やゝな條件の欒化により決せられるものと思惟さ 次に異常塊吏形成(芽薯)の見られる塊斐隼成一ぢ検するに、先づ最 志すべ沓鮎は、常戯濠温 3) された如く、親藩紺概内の澱粉令息の低下と、芽薯内への異常な澱粉蓄積であって、此の軍賓は田川氏 の報じた馬鈴賓こ次塾長塊義解見られた現象と全く顆似したものであーつて、盛らく後生機構に組し・・こも 両者由に共通鮎のあらうことは想像控難くない。慧し上述の場合・と同株に、肪芽に際し生成せられた還 元膳は新芽融忙達人され、該部で或挙傑藤叉夜風串環境の組合せに鰍?て、瀾粉として溜填せられたも のであらう。偽変に考慮を要す−る射は、此の芽蕃並びにその親藩内の還元蛎、非違元塵並びに座板畳は 組織により、多少の相違は見られるが/、そめ艶封恰好二於いて鱒し 比して、親著相互間に於いては大差む見ないが、芽組織相互間に於小てこは、芽濱の方が低い合盈が見ら れる。而して:非還元姶封道元蛎舎監比率ほ、殆ど例外なく∴琴箇の方が大で参る番は、含有臍分の鮎、 4,5) 或は叉田川氏等の賓験結果より考へて.芽馨は金牌として血應安定した貯滅系む・構成する。此の番は直 に・全段水化物の鮨より見る時、芽薯の方が正常芽を有する塊輩より、何れの組織に於いても拓い合畳む 示している寄茸、厳妃アミラ・一ゼ作用力測定結果からも証せられる。然し此の番茸は麓薯としての偶像 襲失を意味するもわで、直ち忙掘夢、再播臨、その他の爾後の虚選を■必要とする。 次に芽薯腰華の條件む明成する明一手段として∴(1)明。濾(2)噺・乾(3)嗜。墟(4)暗。乾 の四毯環境下に正常芽を・有する親薯を∵置いた魔、(4)の場合に於いて顕著な芽馨の形成が見られ1た。 上記の如く、芽沓は或る蔑軋特忙乾添及び光線示足等¢〉僕件の■卜に於い・こ、朗芽囁に老化馨より牽 生する芽の生長か抑制、並びに故老よりの過剰の紘薪の供給等の組合せにより、新芽耕政内に澱粉の蓄 積を・見る結果蟄生するもので、その草生磯構は二次生長のそれと類似サーるものとノ敵性される。叉寄算昭 和24年春期に於ける静岡地方の菊象健件、並びに使用瞳薯の性情は、芽者教生の輝線件む沸す‘もの一ビ、 同地方に大豊の背嚢の教生む見たのは、慧し止むを得なかづたであらう。而して斯滋な芽馨形成の原因 究明は、叉同時に罵鈴層の塊斐形成磯綺の根本問題に関連し、更に今後の研究む与倹つものである0然し その封策としては、少くとも通気ゐよい冷涼な個魔に貯蔵されてい・た清新なる種馨の後胤並びに有救 貧肥料の施輿に依る囲地の理化畢拘性質の改尊等が挙げられる。 引 用 文 献 1)G喝eγ,C..ぶ.,Boヒ.Gaz・タ4(1912).,515−524・ 2)SleWart,E..C..,Brooklyn Botl・Gard.Memoirs Z(1918),423一叫・426. 3)田Jtr 隆,.生物2(1947),82・−84・・

(6)

41 4)馴l隆,岡持攣羊,酒井隆忠弘 紫野恩蛍2(1948),39−・55 5)田川隆,岡持餐三,北海道馬鈴薯療輝線合嘩合食賽料雨0・5’(1949),1⊥13 R‘sum占 Itisnot

tubcrsleftlongtimein、aCellaI・rhesesproutこtubersare obseIVedin:HokkaidoIeCently・

、Butinthelate splngOf19皇9,the cultivAtion of potatocsinShizuoka,Shima11earld

AichiPr¢王bcturcs′su肋ed heavily fiOmlhe fbImation of q)rOut・・tubersinthepotato

f−ields.

王norder toobtain

presentinvestigationwasundertaken,uSingthcvarietyミくBeni−Ma叩”asmateriall・Judging

蝕6rnthcIeSultsobtained,itis not unreasoilable to>COnSidもⅠ・,thatthe、meChanismof

q)rOut−tuberfoImationisverysimilaItOthat of thc8eCOnd−gγOWthofthepotato tuhers・

Namely,theac¢umulationof、starchin{thespIOuttissue、S,duetotheabundantsupplyof

sugarhOmtheparenttuher一封一dc=heconditioh占0董theab皇enCeOflight and dampness,

tvas由這ertained二Wh去tJ>prlnCipalycaused・thetuberizationofthもse甲血ts,ho☆evもr,1i上・is

参照

関連したドキュメント

This study examines the consciousness and behavior in the dietary condition, sense of taste, and daily life of university students. The influence of a student’s family on this

生活のしづらさを抱えている方に対し、 それ らを解決するために活用する各種の 制度・施 設・機関・設備・資金・物質・

一貫教育ならではの ビッグブラ ザーシステム 。大学生が学生 コーチとして高等部や中学部の

[r]

3 学位の授与に関する事項 4 教育及び研究に関する事項 5 学部学科課程に関する事項 6 学生の入学及び卒業に関する事項 7

を育成することを使命としており、その実現に向けて、すべての学生が卒業時に学部の区別なく共通に

を育成することを使命としており、その実現に向けて、すべての学生が卒業時に学部の区別なく共通に

告—欧米豪の法制度と対比においてー』 , 知的財産の適切な保護に関する調査研究 ,2008,II-1 頁による。.. え ,