越塚 登
東京⼤大学教授、トロンフォーラム、
YRPユビキタス・ネットワーキング研究所副所⻑⾧長
2015
T
RON
Symposium
Session
歩⾏行行者移動⽀支援とオープンデータ
2015
年年
12
⽉月
11
⽇日(⾦金金)
█
⽇日時
:
█ 12⽉月11⽇日 13:00 -‐‑‒ 14:30█
概要
:
█ 歩⾏行行者移動⽀支援サービスは、「ユニバーサル社会」の実現に向けた取組の⼀一 環として、⾝身体的状況、年年齢、⾔言語等を問わず、「いつでも、どこでも、だ れでも」社会参加や就労、観光などに必要となる「移動経路路」、「交通⼿手 段」、「⽬目的地」等の情報を⼊入⼿手することができる環境を全国的に整備して いくことを⽬目的としています。本セッションでは、歩⾏行行者移動⽀支援の実現に 向けた取組を議論論し、特にそれにオープンデータがいかに有効であるかを議 論論します。█
コーディネータ
:
█ 越塚登(東京⼤大学⼤大学院情報学環教授)█
登壇者
:
█ 植⽥田雅俊(国⼟土交通省省 総合政策局総務課(併)政策統括官付政策企画官 (総合交通体系担当)) █ 中島秀敏(国⼟土地理理院 地理理地殻活動研究センター 地理理地殻活動総括研究 官) █ 島村秀樹(株式会社パスコ 中央事業部 取締役事業部⻑⾧長) █ 川野辺彰久(⽇日本電信電話株式会社 NTTサービスエボリューション研究所 プロアクティブナビゲーションプロジェクト 主幹研究員)「歩⾏行行者移動⽀支援とオープンデータ」
PART 1 イントロダクション
歩⾏行行者移動⽀支援
これと地図を組み合わせると
、
デジタルバリアフ
リーマップになる
(1)
5
⽇日本の⾼高齢化の進展状況
7
できるだけコストをかけずに
⾼高齢者
、
障がい者が
ハード+
ソフト
の⼒力力
オープンデータによるシビックテックの⼒力力
9
これと地図を組み合わせると
、
デジタルバリアフ
リーマップになる
(2)
11
█
⾝身体的状況
、
年年齢
、
⾔言語等を問わず
、
「いつでも
、
どこでも
、
だれでも」移動等
に関する情報を⼊入⼿手することを可能にする
。
⾃自律律移動⽀支援プロジェクトの理理念念
█
IoT技術を活⽤用し
、
利利⽤用者の特性に応じてパーソナライズされた移動⽀支
援を提供
█ルート選択
:
例例「
8
度度以上の横断勾配は必ず避ける」
█注意喚起
:
例例「歩道と⾞車車道が分離離されていない場合は注意喚起」
█
国⼟土交通省省の「歩⾏行行空間ネットワークデータ」を利利⽤用し
、
主に⾞車車椅⼦子利利⽤用者の⽅方の誘導を対象としている
█動線データ
à ルート選択及び注意喚起に利利⽤用
█施設データ/出⼊入⼝口情報
à ポータルサイト「ココシル」と連携
⾃自律律移動⽀支援システム
u 赤:段差10cm以上 u 紫:幅員1m以下 u 青:横断勾配8度以上 u 緑:縦断勾配8度以上 バリアフリー・マップ ユーザ・プロファイル ルート選択+注意喚起13
15
デジタルデータは
いろいろな表現に変換できる
█
⾳音声による運⾏行行情報提供
█ 1回タッチで⾳音声をもう⼀一度度再⽣生 █ 上下スワイプ(三本指)項⽬目切切り替え、右スワイプで選択、左スワイプで戻る█
運⾏行行情報
█ 列列⾞車車運⾏行行情報を読み上げ█
バス位置情報
█ バス停を指定するとあと何分で到着するかを通知█
電⾞車車位置情報
█ ⼭山⼿手線の駅においてあと何分で到着する予定かを通知視覚障害者向け情報サービス “SaSys”
19
⾃自律律移動⽀支援実現に必要な
3つの環境整備
① 地図
② 測位
これと地図を組み合わせると
、
デジタルバリアフ
リーマップになる
(3)
環境整備1:地図
(歩⾏行行空間ネットワークデータ)
21█
バリア情報を含んだ歩⾏行行経路路の空間配置及び歩⾏行行経路路の状況を表すデータ
█ 特に「道レイヤー」にフォーカスして、 国⼟土交通省省が整備したバリアフリー・マップと⾔言える█
国⼟土交通省省が仕様策定
█ 歩⾏行行空間ネットワークデータ整備仕様案(平成22年年9⽉月) █ http://www.mlit.go.jp/common/000124059.pdf█
本プロジェクトでは
、
このデータを利利⽤用して構築したバリアフリーナビによる
サービスを提供
歩⾏行行空間ネットワークデータ
23
█
道のデータ(歩⾏行行空間ネットワーク)
█ 環境内の地点を表すノードと、その間のリンクで表現された動線の情報 █ リンクには、バリア情報を含む、属性情報を定義█
施設のデータ
█ 公共施設/病院/公共⽤用トイレ/指定避難所の情報 █ バリアフリー対応状況を含む、属性情報を定義█
出⼊入⼝口のデータ
█ 公共施設等の出⼊入⼝口の情報 █ バリアフリー対応状況を含む、属性情報を定義█
描画地図
█ 基盤地図データ上に歩⾏行行空間ネットワークデータ、施設データを重ねて表⽰示させた地図█
基盤地図
█ ネットワークデータの整備対象エリアの基盤地図歩⾏行行空間ネットワークデータの概要
属性 具体的な内容 移動支援システムでの利用 経路の種類 u 歩道/歩行者専用道路/園路/歩車共存道路/横断歩道/ 横断歩道の路面標示の無い交差点の道路/動く歩道/自由通 路/踏切/エレベーター/エスカレーター/階段/スロープ /不明から選択 u 経路選択・注意喚起に利用 u 案内文に利用 供用開始日・時間 u 開始日、終了日、開始時間、終了時間、曜日を表現 u 経路選択に利用 有効幅員 u 1.0m未満/1.5m未満/2.0m未満/2.0m 以上/不明か ら選択 u 最小となる地点の位置を表現 u 経路選択・注意喚起に利用 縦断勾配 u 数値で表現 u 最大となる地点の位置を表現 u 車椅子走行可/電動車椅子のみ走行可/車椅子走行不可か ら選択 u 経路選択・注意喚起に利用 横断勾配 u 整数値で表現 u 最大となる地点の位置を表現 u 経路選択・注意喚起に利用 路面状況 u 通行に問題なし/土/砂利/その他/不明から選択 u 池袋では未使用 段差 u 2cm未満/5cm未満/10cm未満/10cm以上/不明から 選択 u 最大となる地点の位置を表現 u 経路選択・注意喚起に利用 階段段数 u 最小および最大の階段段数を表現 u 池袋では未使用 25
リンク属性として表現されるバリア情報①
属性 具体的な内容 移動支援システムでの利用 手すり u なし/右側にあり/左側にあり/両側にあり/不 明から選択 u 池袋では未使用 屋根 u なし/あり/不明から選択 u 池袋では未使用 蓋のない溝、水路 u なし/あり/不明から選択 u 池袋では未使用 バス停 u なし/あり/不明から選択 u 地点の位置を表現 u 池袋では未使用 視覚障害者誘導用ブ ロック u 設置なし/縦断方向に敷設され視覚障害者の誘導が可能、/不明から選択 u 池袋では未使用 補助施設 u なし/車イスステップ付きエスカレーター/階段 昇降機/段差解消機/音声案内装置/その他の補助 施設/不明から選択 u 地点の位置を表現 u 池袋では未使用 エレベーター u 障害対応なし/点字・音声あり/車イス対応/ 1・2 両方/不明 u 地点の位置を表現 u 池袋では未使用
リンク属性として表現されるバリア情報②
属性 具体的な内容 移動支援システムでの利用 信号 u 信号なし/時差式信号あり/押しボタン式信号 あり/これら以外の信号/その他から選択 u 音響なし/音響あり/不明から選択 u 地点の位置を表現 u 池袋では未使用 交通量 u 日交通量を整数で表記 u 池袋では未使用 主な利用者 u 歩行者/車両から選択 u 池袋では未使用 通り/交差点名称 u 通称名を表現 u 案内に利用 エスコートゾーン u なし/あり/不明から選択 u 池袋では未使用 27
リンク属性として表現されるバリア情報③
これと地図を組み合わせると
、
デジタルバリアフ
リーマップになる
(4)
環境整備2:測位
汎⽤用的に論論理理的な場所を
指定できる「場所ID」が必要
ucode
モノや場所の性質
、
緯度度・経度度は
“ID” ではなく “属性” として扱う
ITU-‐‑‒T SG16における国際標準成⽴立立
█
概要
█ ucodeが国際標準に採⽤用される
█
勧告化項⽬目
█ ITU-‐‑‒T H.642.1
u Multimedia information access triggered by
tag-‐‑‒based identification-‐‑‒Part 1: Identification scheme
█ ITU-‐‑‒T H.642.2
u Multimedia information access triggered by
tag-‐‑‒based identification-‐‑‒Part 2: Registration procedures for identifier
█
⼿手続き
█ 2012年年5⽉月29⽇日 AAP最終コメント締切切、成
国⼟土地理理院:「場所情報コード」
国⼟土地理理院:「場所情報コードを活⽤用した位置情報サービスの実現」 http://www.gsi.go.jp/common/000055759.pdfより
現状の屋内測位インフラの状況
場所情報基盤 ucode/BLE ucode/NFC 各サービス提供者が設置した ビーコンタグを、各サービス 提供者が使う他のサービス提 供者がビーコンタグを利利⽤用す る仕組みが含まれていないパブリックタグ情報共有基盤
33 A社 B社 パブリックタグ情報共有基盤 場所情報コード(ucode)タグ Wifi測位 QRiPhone Android Windows
(5)
オープンデータ
Open Data
⾃自由に使える
、
再利利⽤用できる
、
誰でも使える
、
再配布できる
政府⾃自治体
等
がもつ膨⼤大な情報を
オープンデータとして開放
政府⾃自治体の⾏行行政の透明化
経済成⻑⾧長に資することが期待
US Open Government
█
オープンガバメントは
、
透明でオー
プンな政府を実現するための政策と
その背景となる概念念
█
3つの基本原則
█ ①透明性 █ ②市⺠民参加 █ ③政府内および官⺠民の連携█
オバマ⼤大統領領が就任時に発表し
、
そ
の⽅方針を表明した
。
█
政府
、
公共のオープン化
37█
連邦政府が公開するデータ(統計データを含む)に関して
、
以下の4点を最⼤大化
することを定めている
。
█ そのためのガイドラインを各組織が作成することを求めている。█
quality(品質)
█
objectivity(客観性)
█
utility(有⽤用性)
█
integrity(健全性)
█
既に
、
2002年年で
、
データ公開のガイドラインが法制度度化されている
。
39
█
“Directive 2003/98/EC of the European Parliament and of the
Council of of 17 November 2003 on the re-‐‑‒use of public sector
information”
█ 【要約】EU加盟国の政府や⾃自治体が保有する情報やデータ(ドキュメント)は、国家機密等の情報 を除き、公開したものは基本的に無料料/⾮非常に低廉な対価で、⾮非差別に、著作権などをクリアし、わ かりやすい利利⽤用条件で、誰でも使えるように公開することを義務つけている。█
2013年年になり
、
適⽤用範囲に
、
博物館や図書館などが含まれるようになった
。
• http://eur-‐‑‒lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2003:345:0090:0096:EN:PDF欧州のOpen Data推進の法制度度(2003)
オープン・ガバメント取組みをしている国数
オープンデータを提供している国数
120
以上
2013 Lough Erne G8 Leaders' Communique
█
G8としてオープンデータ憲章を定め
、
各国が合意
█
遅くとも2015年年末までにオープンデータ憲章及びその技術的な別添を実施
█
国別⾏行行動計画を2013年年末までに策定
、
2014年年の次回会合で進捗レビュー
█
国際的な⼟土地取引や天然資源採取に関する透明性確保のためにオープンデータが
重要
█
援助透明性に関する共通基準を2015年年までに実施し
、
開発援助についても説明
責任を果たす
G8コミュニケにおける合意内容
45
█
原則としてデータを公開
█
⾼高品質なデータをタイムリーに提供
█
できるだけ多くのデータを
、
できるだけ多様でオープンな形式で公開
█
ガバナンス改善のためにデータや基準
、
プロセスに関する透明性を確保
█
データ公開によって次世代イノベーターを育成
G8 オープンデータ憲章
外務省「オープンデータ憲章(概要)」 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/page23_000044.html(6)
今⽇日のセッション概要
█
⽇日時
:
█ 12⽉月11⽇日 13:00 -‐‑‒ 14:30█
概要
:
█ 歩⾏行行者移動⽀支援サービスは、「ユニバーサル社会」の実現に向けた取組の⼀一 環として、⾝身体的状況、年年齢、⾔言語等を問わず、「いつでも、どこでも、だ れでも」社会参加や就労、観光などに必要となる「移動経路路」、「交通⼿手 段」、「⽬目的地」等の情報を⼊入⼿手することができる環境を全国的に整備して いくことを⽬目的としています。本セッションでは、歩⾏行行者移動⽀支援の実現に 向けた取組を議論論し、特にそれにオープンデータがいかに有効であるかを議 論論します。█
コーディネータ
:
█ 越塚登(東京⼤大学⼤大学院情報学環教授)█
登壇者
:
█ 植⽥田雅俊(国⼟土交通省省 総合政策局総務課(併)政策統括官付政策企画官 (総合交通体系担当)) █ 中島秀敏(国⼟土地理理院 地理理地殻活動研究センター 地理理地殻活動総括研究 官) █ 島村秀樹(株式会社パスコ 中央事業部 取締役事業部⻑⾧長) █ 川野辺彰久(⽇日本電信電話株式会社 NTTサービスエボリューション研究所 プロアクティブナビゲーションプロジェクト 主幹研究員)「歩⾏行行者移動⽀支援とオープンデータ」
越塚 登
PART 2
歩⾏行行者移動⽀支援への最近の取組
バリアフリーマップ
施設などのバリアフリー情報が記された地図
多⽬目的トイレ
、
スロープ
、
エレベータ等の情報
(1)
バリアフリーマップを作る
IoT技術により場所を認識識する
インフラ整備は進んでいる
場所認識識インフラ⾯面での進歩 従来のGPS、Wifi測位の7m精度度からBTLEマーカーの導⼊入により精度度は2m程度度に ヒューマンスケールのナビゲーションが現実的に 視覚障害者誘導やロボット⾞車車いすのガイドには、局所でより⾼高い精度度 が必要で、路路⾯面埋め込みのタグ等の標準化も今後望まれるだろう3次元点群データから
歩⾏行行空間ネットワークデータを整備
精度度のあるデータから段差や幅員の情報を抽出し、歩⾏行行者が移動できる箇所を
ネットワークデータとして整備
従来の⼿手作業によるデータ作成から測量量データを⽤用いたネットワークデータ⽣生
成に
53█
3次元点群データ及び道路路構造化データから⾼高さ情報を取得して
、
3次元歩⾏行行空
間ネットワークデータを整備
歩⾏行行空間ネットワークデータの作成
確認しながらネットワークデータを作成
3次元点群データから
3次元モデル
臨臨場感のある仮想空間の作成も可能に
█
測量量結果から3次元モデルを作成し
、
テク
スチャを貼り付けることで臨臨場感のある
データを作成
-‐‑‒ 57 -‐‑‒
ネットワークデータ整備実施地域:池袋(地上)
池袋駅地区バリアフ
リー基本構想
平成23年年4⽉月 豊島区
(2)
バリアフリーマップの課題
█
初期コスト
█ データ調査・作成⾃自体に、まとまった費⽤用・時間・⼈人⼿手が必要█
メンテナンス・コスト
█ 歩⾏行行者の移動する空間は頻繁に変化するため、修正等を⾏行行うためには定常的なコストがかかる█
⾏行行政上の難しさ
█ 補助などで⼀一時的な予算は付けられデータ整備できても、定常的な予算がつかないとメンテナンスで きなくなる █ メンテナンス間隔が伸びて現実とのギャップが⼤大きくなると、多くの⾃自治体は責任問題を意識識しデー タ公開をやめる⽅方向に動くバリアフリーマップの課題
61
█
国⼟土交通省省の仕様にしたがってデータ整備を⾏行行う場合
█ データ計測費⽤用 : 10万円 / 1km █ 移動⽀支援実験で実際に測量量会社でデータ作成する場合の相場█
⽇日本の道の延⻑⾧長
◊
合計126万キロ
█ ⼀一般国道 : 67,297.5 km █ 都道府県道 : 142,368.6 km █ 市町村道 : 1,052,698.5 km█
単純計算で
、
1260億円
█ 実際には、⼤大きな道では歩道の両側、横断歩道等を合わせた延⻑⾧長となるため、これよりも⼤大きくなる歩⾏行行空間ネットワークデータの整備費⽤用
█
⼀一度度ではなく
、
定期的に調査を⾏行行なわなければならない
█
東京ユビキタス計画・銀座の例例
█ 地下と地上を繋ぐバリアフリールート(エレベータなど)が、頻繁に変更更 u 2010年年度度 : 三越銀座の改装に伴う⼤大規模な動線変更更 u 2013年年度度 : 歌舞伎座の階層に伴う⼤大規模な動線変更更 █ 細かなバリア状況は、実際には頻繁に変化していると考えられる u 「変化があること」をリアルタイムに認識識することは難しい歩⾏行行空間ネットワークデータの整備費⽤用
63
█
さらに移動⽀支援で重要となる施設や地下街の動線を合わせると
、
さらなるコスト
█
千代⽥田区の歩⾏行行空間ネットワークデータの例例
█ ⾚赤線 : 屋外(主要な道路路のみ) u ノード数 : 13087 u リンク数 : 14334 u 総延⻑⾧長 : 230365.9m █ ⻘青線 : 屋内(主に地下鉄駅構内) u ノード数 : 6592 u リンク数 : 7633 u 総延⻑⾧長 : 55159.5m █ 公共性の⾼高い駅構内を含めるだけで 数割はコスト増加する試算歩⾏行行空間ネットワークデータの整備費⽤用
そこで
(3)
オープンバリアフリーマップ
オープン・アプローチ
に
よる
バリアフリー・マップ整備
⾏行行政
、
ボランティア
、
利利⽤用者が協⼒力力して
、
歩⾏行行空間のバリア情報を継続的
に整備していける仕組みを作りたい
67
█
「単⽅方向のアプローチ」の限界
█ 国が整備し、⺠民間が利利⽤用するというユースケースを想定しており、それから外れる場合の仕組みは整 備されていない█
具体例例
█ サービス提供者や利利⽤用者がデータに間違いを発⾒見見したとしても、フィードバックする⼿手段がない u 銀座の実証実験では、そのままでは使えないため、国のデータを個別に⼿手直しながら実験を⾏行行っている █ 施設情報として提供される情報が、公共機関に限定されている u 公共機関だけを⽬目的地にするわけにはいかないので、銀座の実証実験では、ココシル銀座とマッシュアップして実 験を⾏行行なっている█
⾏行行政以外がデータ整備に貢献できる仕組みが必要
双⽅方向のプラットフォーム化を
1
6
/
0
1
/
0
9
█
現在のデータ仕様の硬直性
█ 現在の仕様は、様々な地域や案件での要求を「全て満たすように」作成された仕様
█ 多くの場合、必要以上に細かく複雑なデータ整備が要求され、コスト調整ができない
█
利利⽤用者やボランティアが
、
貢献可能なモデルであることが必要
SNS型オープンバリアフリーマップ
利利⽤用者やボランティアが⾃自ら書き込める
新しいバリアフリーマップに
█
ユーザ登録することで情報の加筆修正が可能
█ 利利⽤用者やボランティアが⾃自ら書き込める仕組み█
歩⾏行行空間ネットワークデータを登録可能
█ 池袋に関しては、作成したデータを登録済み█
バリアフリー情報として下記の情報を登録可能
█ エレベーター █ バリアフリー対応トイレ █ 段差 █ 勾配 █ 幅員SNS型オープンバリアフリーマップ
71
73
オープンバリアフリーマップの情報がアプリ内に反映
情報に応じて経路路が変更更
75
(4)
場所情報システム「ココシル」
█
観光スポット
、
店舗情報など場所の
情報をチェック
█ ココシルに登録されている観光スポット・ 店舗・施設などを、カテゴリやキーワード を指定して検索索█
「まち」の旬なイベントもチェック
█ 店舗・施設から発信される、お買い得情報、 期間限定イベント、季節に応じた⾒見見どころ などをチェック可能█
気になる場所を⾃自動でお知らせ
█ 「まち」に設置されたココシルマーカーに 近づくと⾃自動的にその場所(周辺)の情報 が表⽰示 77█
バリア情報を考慮したナビゲーション
█ 現在地から⽬目的地までユーザ属性に応じて適切切な経路路を案内 █ オープンバリアフリーマップの情報を反映してナビゲーション █ エレベータ等のバリアフリー施設情報や段差などのバリア情報を経路路案内に反映█
地上・地下をシームレスにナビゲーション情報を提⽰示可能
█ 地上においてはGPS、WiFi等の位置検出 █ 地下においてはココシルマーカーによる位置検出「ココシル」バリアフリーナビ
ココシルマーカー:ココシル屋内測位インフラ
█
ココシルマーカー
█ ⼩小さなマーカーからucodeを電波 (Bluetooth LE)で発信 █ 近付くだけで、スマートフォンアプリに情 報が出てくる █ バッテリ式ココシルマーカーは電池で1年年以 上持つ █ WiFi測位より精度度が⾼高く、最⾼高精度度2m程度度 u WiFi測位の精度度は7m程度度█
池袋駅地下通路路にココシルマーカー
を設置
█
位置情報を元にナビゲーションや場
所の情報を提供
█
スマートフォンによるナビゲーション
█ 現時点で最も普及しているタイプで3次元データを作成しなくても利利⽤用可能なため、⽐比較的広範囲に
情報提供が可能
█ 先に述べた⾃自律律移動⽀支援システムをベースに開発
█
Google Glassによる AR型ナビゲーション
█ スマホ⾒見見ながら歩く必要がない新たな誘導⽅方法としてウェアラブルデバイスを⽤用いたシステムを開発
█
3次元地図によるナビゲーション
█ 臨臨場感のある3次元モデルによる案内
スマートフォンによるナビゲーション
81
スマートフォンによるナビゲーション
健常者へのルート案内
車椅子でのルート案内
83
█
臨臨場感のある表⽰示
█
現場に⾏行行く前から道の状況を把握しやすい
3次元モデルによるナビゲーション
(5)
ココシル防災情報ステーション
スマホを持たない⼈人へのサービスと
してのサイネージ
87
█
スマートフォンを持たない⽅方に対しての情報提供⼿手段として⼤大型のディスプレイ
による案内システムを開発
█
平常時における施設案内に加え
、
災害時に避難情報の提供が可能
ココシル防災情報ステーション
サイネージ型ステーションでの施設案内平常時の情報提供1: 周辺施設の案内
█
地上および
、
地下の施設の案内
█ 周辺施設の検索索し、施設の位置情報と現在 地からの経路路情報を提⽰示█
列列⾞車車の運⾏行行情報
、
お知らせや書き込
み等を表⽰示
█
外国語の⾔言語切切替
█ 施設情報等は機械翻訳により多⾔言語で情報 提供可能平常時の情報提供2: 経路路案内、運⾏行行情報案内
89
多国語による情報提供
災害時の情報提供
█
災害情報の表⽰示
█ メッセージをWebインタフェースから書き 込むことが可能█
⼀一時滞在施設の案内
█ 施設の場所の案内 █ 受⼊入状況の提供などの案内を提供可能█
避難訓練で試験的に実施(後述)
91多⾔言語による情報提供
日本語で登録したメッセージを自動的に機械翻訳し、
多言語による情報提供が可能
93
█
開催⽇日時
█ 2015年年2⽉月5⽇日(⽊木) 9:00-‐‑‒11:00█
開催場所
█ 池袋駅周辺█
実施概要
█ 参加⼈人数: 約700名 █ 防災情報ステーション(デジタルサイネージ)での情報提供 u 豊島区の訓練シナリオを元に、サイネージに情報を提供 • 災害時にスマートフォンや携帯電話を持っていない(または使えない)⼈人にも、⼀一時避難施設に関するリアルタ イムな状況を提供。 u 多国語での情報提供 • ⽇日本語以外に、英語、中国語、韓国語での情報提供を実施 • 外国語は機械翻訳にて情報を提供 █ スマートフォンアプリでの施設案内 u ⼀一時避難施設の場所を案内 u 経路路案内を地図上にて実施帰宅宅困難者対策訓練
帰宅宅困難者対策訓練
█
防災情報ステーションと同じ情報を提供可能
█
⼀一時滞在施設の開設状況にあわせて
、
利利⽤用可能な施設を地図上に表⽰示
█
施設へのナビゲーションを⾏行行うことも可能
(6)
オープンデータ
アイディアソン・
ハッカソンとは?
多様な⼈人々からのアイディアの具現化を⾏行行うための場の提供し
、
課題解決
のきっかけを得る⼿手法
オープンな場を提供することで多様
性を⽣生み出す
多様性がイノベーションの源泉
オープンデータカタログサイト
99http://toshima-opendata.ubin.jp/
オープンデータを提供することで
具体的なサービスイメージの
検討が可能に
掲載したオープンデータ(抜粋)
█
G空間情報
█ 3次元地図(FBX形式) u 池袋駅周辺 █ 3次元歩⾏行行空間ネットワークデータ u 池袋駅周辺█
施設情報
█ 街区公園 █ 観光スポット █ 公衆トイレ █ 教育施設 █ 飲⾷食店のバリアフリー情報█
防災関連情報
█ AED設置施設 █ 震災時の避難場所 █ ⾵風⽔水害時の避難場所 █ 広域避難地 █ 標⾼高マップ █ 津波ハザードマップ █ 洪⽔水ハザードマップ10 1
3次元地図を活⽤用したオープンデータ
アイディアソン・ハッカソン開催概要
█
池袋アイディアソン
█ 開催⽇日時 u 2015/03/05(⽊木) 18:30-‐‑‒20:00 █ 開催場所 u 豊島区⺠民センター第2会議室 █ 趣旨 u 池袋駅周辺の3次元地図、ネットワークデータと、区 が管理理する施設や緊急避難場所に関するオープンデー タを利利⽤用して、池袋駅周辺の効率率率的な案内⽅方法や移動 ⽀支援、災害時の避難⽀支援に関するアイデアを出し合う █ 想定する分野 u 移動⽀支援・施設案内・防災・観光など█
ハッカソン
█ 開催⽇日時 u 2014/03/14 13:00〜~16:30 █ 開催場所 u 東京⼤大学ダイワユビキタス学術研究館 █ 概要 u アイデアソンにより出されたアイデアと、 本実証において公開されたオープンデータを利利⽤用して、 事前にアプリケーションやサービスのプロトタイプを 構築 u 当⽇日はその結果を持ち寄り、プレゼンテーションで実 施し、優れた作品に表彰池袋アイディアソンの様子
ベストアイディアは
外国⼈人によるアイディア
「(欧⽶米の)外国⼈人は1階以外のレストランには⼊入らない(⼊入り慣れてい
ない)」という⽇日本⼈人にはない気付き
10 3ハッカソンで提案されたアプリ
• 目的地までに存在する店舗やコンビニなどのランドマー
クをたどりながら、段階的に案内するナビゲーション。
• 歩行空間ネットワークデータとGoogle Maps APIを組み
合わせて作成。 ランドマークを利用したナビアプリ • 三笠艦内の要所の状況を見られるVR(仮想現実)型ア プリケーション。 • 望遠鏡型の端末をのぞき込んで利用する。 • 三笠の3次元地図データとアイデアソン時に提案者が撮 影した360度カメラの画像から作成。
三笠ビューア
• 時間帯を細切れにした施設予約システム。 • 豊島区が公開した施設情報を利用して作成。 豊島区をノマドのパラダイスにする • 豊島区内にある樹木を季節ごとのアイコンにより表現。 写真や口コミによる情報共有を目指す。 • 豊島区が公開した樹木情報を利用して作成。 まちぶら∼豊島区季節別散歩コースおすすめ • 端末のカメラ映像を共有し、目的地まで誘導するアプリ ケーション。 • 豊島区が公開した商業地情報を利用して作成。 外国人をガイドするアプリ • 音楽に合わせてカレーのパッケージ画像や写真が流れて くるアプリケーション。 • 横須賀市が公開した横須賀海軍カレーガイドマップを利 用して作成。 横須賀海軍カレー宣伝アプリオレンジの2つは池袋アイディアソンのベストアイディア、
グッドアイディアから具体的に開発したアプリ
歩⾏行行者移動⽀支援アイデアソン・ハッカソン@本郷
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