1.はじめに このところ,IoT の積極的な活用が企業のマー ケティング活動にもたらす新たな可能性につい て,さまざまな観点から議論されるようになって きた.また,2000 年頃から関心を集めるように なった価値共創概念をベースとするマーケティン グについても多くの研究知見が蓄積されてきてお り(Vargo and Lusch, 2004; Grönroos 2012),こ うした潮流が相俟って,現在では,企業と消費者 との価値共創プロセスをより効果的に創造,管理
■ 研 究 論 文 ®
するツールとして IoT をいかに活用していくか に高い関心が寄せられ始めている(Porter and Hepplemann, 2014).IoT を含む ICT の活用がさ らに進めば,消費者が製品やサービスをどのよう な状況でどのように使用しているのかを示すデー タ(以下「使用文脈データ」と呼ぶ.使用文脈に ついては次節で詳述する)は,今以上の頻度で, 今以上に容易に収集されることになると予想され る. これまでの技術環境においては,一部の製品カ テゴリーを除き,いったん製品が売れてしまうと 企業が使用文脈データを入手する手段は非常に限 られていた.例えば,アンケート調査法や日誌調 査法などを用いた自己申告型の調査が広く行われ
Abstract : The purpose of this article is to empirically examine affective reactions of consumers to inter-firm sharing of their use-context data in value co-creation (VCC) settings. Reviewing literatures on VCC based marketing and discussing ethical dimensions of inter-firm data sharing in VCC, empirical data were analyzed to compare degrees of consumer-perceived discomfort in the three data use situations (i.e. internal utilization, inter-firm data sharing for VCC and transfer to third parties outside the VCC). The results indicated that, for reducing the discomfort level of consumers, firms should clarify consumers’ merits of inter-firm sharing of consumer data and communicate them to the consumers.
Keywords : inter-firm sharing of data, use-context data, value co-creation, marketing research ethics
明治大学 福田 康典
*Meiji University Yasunori FUKUTA
Inter-firm sharing of Use-context Data in Value Co-creation:
From A Perspective of Ethics in Marketing Research
価値共創における
使用文脈データの企業間共有:
マーケティング・リサーチ倫理の視点から
ていたが,回答者と回答内容の双方における偏り は不可避であり,リアルタイムで正確な使用文脈 の把握を行うことは実質的に不可能であった.消 費行動がそのままデータの提供行動へと結びつく IoT ベースのマーケティング・リサーチは,こう したリサーチ上の困難を克服し,企業による自社 製品の使用文脈のより正確で適時的な理解を可能 にしてきている. こうしたマーケティング・リサーチ上の新たな 可能性は,消費者ニーズの充足を旗頭とするマー ケティング,とりわけ,企業と消費者との使用文 脈におけるインタラクションを基点に展開される 価値共創ベースのマーケティングにおいて,肯定 的に受け止められてきた.使用文脈についての理 解は,消費者と共により充実した価値を創り出す ための基盤となるため,こうした理解をもたらす リサーチは,マーケティング成果に対して好まし い影響を及ぼすものと捉えられてきたのである. そのうえ最近は,価値共創概念が多種多様な企業 を含むネットワークのレベルで論じられるように なってきており,そうした価値共創ネットワーク の中で企業同士が使用文脈データの共有を図るこ とが,より高いマーケティング成果につながると 考えられるようになってきている(Vargo et al., 2008; Frow and Payne, 2011; Akaka et al., 2012). 一方,これを消費者の視点から見ると,使用文 脈データが収集され,価値共創という名のもとに 企業間で共有されるということは,自分の生活の 一部を詳らかにしてしまうデータがコントロール の効かない場所でやり取りされているという解釈 になるのかもしれない.消費者がこれに強い拒否 反応を示すのであれば,そうした共有は,それが たとえより優れた価値共創のためであったとして も,次節で説明するような倫理上の問題を抱え込 むことになる.しかし残念ながら,こうした議論 の基礎となる情報,つまり価値共創という脈絡の 中でなされる企業間でのデータ共有に対して消費 者がどのような反応を示すのかについての実態は ほとんど分かっていないというのが現状である. 本研究では,こうした点に鑑み,実証研究を通じ てこうした実態の一面を明らかにすることを目的 としている. なお,本研究の構成は以下に示す通りである. 最初に,価値共創をベースとしたマーケティング 論の台頭を振り返りながらマーケティング研究の 中で使用文脈や使用文脈データが注目されるよう になってきた背景を明らかにし,価値共創の文脈 では企業間での使用文脈データの共有が生じやす い点やそうした共有の持つ倫理上の問題について 若干の考察を行った.続く節では,2016 年 3 月 に実施したアンケート調査で得られた実証的デー タの解析結果をもとに,価値共創の脈絡の中で行 われるデータ共有が消費者の知覚する不快感に対 してどのような影響を有しているのかを探索的に 考察した.最後に,今回の実証研究の結果が持つ 含意と今後の研究課題について検討を行った. 2.価値共創と使用文脈データの共有 2.1 価値共創ベース・マーケティングの台頭と 使用文脈への注目 マーケティングに関わる伝統的な研究枠組みに は交換価値の最大化に焦点を置くものが多く見ら れる.そこで想定されているマーケティングの主 たる役割は,消費者が銘柄選択をする時点で知覚 する価値を高めて多くの競合するブランドの中か らその企業の製品が選ばれるようにすることであ る と 考 え ら れ て き た(Vargo and Lusch, 2004; Vargo et al., 2008).価値が生み出されるプロセス は,当然,生産や流通,販売など交換に先立って 企業が行う諸活動の中にあると考えられ,企業は 価値を創造する主体として,消費者はそうした過 程で生み出された価値を文字通り消費する主体と して位置づけられてきた(Porter, 1985; Gummerus, 2013). しかし,こうした枠組みは,1980 年代以降,サー ビス・マーケティング研究や産業財マーケティン グの研究の中でたびたび批判されるようになり, 2000 年に入ると,サービス・ドミナント・ロジッ クやサービス・サイエンスといった注目度の高い アプローチの中で,その問題点が明示されるよう
になる.それは,伝統的なマーケティングが交換 事象や消費者の銘柄選択に対して注意を払い過ぎ ており,消費者の価値創造者としての役割を過小 評価しているというものであった(Vargo and Lusch, 2004; Grönroos, 2007).そして,マーケティ ング研究の焦点を,価値を創造する企業と価値を 消費する消費者との間の交換という事象に置くの ではなく,企業と消費者が相互作用を通じて共に 価値を生み出していく価値共創という事象に置く ような研究が提唱されるようになった. 価値共創という概念は,企業ばかりでなく消費 者も価値を創造しているということを単に示唆し ているだけではない.Grönroos(2012)によると, 価値共創とは,製品やサービスが実際に使用され る状況において消費者と企業が相互作用できるよ うな仕組みが構築され,その相互作用を介して企 業の有する資源と消費者の有する資源とが統合さ れるプロセスを指している1).つまり,この概念 の中で注目されている価値は,消費者が実際に製 品を使用することで初めて生み出されるものであ り,その価値を規定するものには,企業の提供す る製品の属性だけでなく,それを消費する消費者 の知識や技能,その価値を生み出すために組み合 わせて使用される他の製品やサービス,そしてそ うした製品が使用されるタイミングや状況といっ たものも含まれることを示唆しているのである (Vargo et al., 2008).こうした実際に製品が使用 され価値共創がなされる場のことをここでは使用 文脈と呼び,これに関わるデータのことを使用文 脈データと呼ぶことにする. 価値共創をマーケティングの中核概念とするこ とで,マーケティングの学術的及び実務的な焦点 は交換時点(あるいはそれにつながるまでの心理 的過程)から使用文脈に移行し始めている.競争 の場の捉え方も,購買決定を行う過程を中心とし たものから,その製品を使用している時空間を中 心としたものへと変わっていき,当然,競争優位 性の獲得において必要されるデータとは何かとい う認識も変化してきている.消費者が銘柄選択の 際に何を想起し何を購入したかに関わるデータよ りも,実際に価値共創の場で起こったことに関す るデータ,つまり消費者が製品やサービスをどの ような状況でどのように使用しているのかを示す 使用文脈データの方が,競争優位性を生み出すた めには重要になってくると思われる. IoT は企業のそうした使用文脈の理解に対して 大きな可能性をもたらしている.多くの有形財の 場合,生産と消費の同時性という特性を持つサー ビス財の場合とは違って,使用時点でのデータを 集める仕組みを構築することは技術的に困難で あった.しかし,冷蔵庫や車だけでなくシューズ や枕までもがセンサーと通信と制御の機能を持つ ようになったことで,有形財の場合でも企業はそ うした仕組みを構築することが可能になり始めて いる.このことは,IoT とそれを使って収集され る使用文脈データが,単に製品機能の高度化や拡 張をもたらすだけでなく,競争の場や競争のあり 方さえも変容させているということを示唆してい るのである. 2.2 使用文脈データの企業間共有とその倫理的 問題 価値共創概念はこれまで様々なアプローチの中 で議論されてきたが,近年,その捉え方に大きな 変化が見られる.導入当初は,企業と消費者の二 者間に見られる相互作用をベースに概念化される ことが多かったが,次第に,多種多様な資源保有 者によって構成されるネットワークとして捉えら れるようになってきた(Payne et al., 2008; Lusch et al. 2010).例えば,サービス・システムズ・ネッ トワーク(Mele and Polese, 2011)や,サービス・ エコ・システム(Akaka et al., 2012),あるいは サービス・ドミナント・ネットワーク(Löbler, 2013)といった多くの概念が,価値共創に対する ネットワーク・ベースの捉え方を示している.ま た,それらの多くは,全体とその構成要素の関係 性を論じている多くの理論と同様に,ネットワー クを構成する主体間での情報共有がネットワーク 全体のパフォーマンスを向上させるという認識で も一致している(Vargo et al., 2008; Frow and
Payne, 2011; Akaka et al., 2012).つまり,価値 共創という文脈の中で関連性を持つ企業同士は, 消費者の使用文脈データを共有することでより高 い水準の価値共創を生み出すことができるとされ ているのだ. ネットワークとしての価値共創と企業間での データ共有とが概念的に結びつきやすいというこ とは,価値共創を資源統合モデルで概念化すると 分 か り や す い(Kleinaltenkamp et al., 2012; Paredes et al., 2014).資源統合モデルでは,価 値を創造するプロセスを利用可能な資源の結合過 程と捉える.特定の製品は価値を創造するために 組み合わされる資源の 1 つと見なされ,使用文脈 とは消費者がそうした外在する資源を他の資源と 組み合わせて価値を生み出していく場であると概 念化される.ここで注意すべきは,こうした資源 の価値創造における貢献度が,資源固有のもので はなく,他の資源との組み合わせによって規定さ れるという点である.つまり,資源とは事物の固 有の特質なのではなく,利用可能性というつなが りの中での資源の組み合わせによって帯びる性質 なのであり,資源は「ある(be)」のではなく「な る(become)」のである(Peters et al., 2014, p. 254).このことは,自社製品の使用文脈が他社の 製品の使用文脈と強く関わり合いを持っていると いうこと,換言するならば,それらの製品の使用 文脈はより高次の使用文脈に包含されているとい うことなのであり,相互に干渉しあう関係にある ということを示唆している.それゆえに,使用文 脈を理解するという行為の中には,概念的にも実 質的にも,自社製品の利用実態の理解だけでなく 他社製品の利用実態を把握することも含まれてお り,使用文脈データの企業間共有という事象が生 じやすくなるのである. IoT 活用のより発展した形が,モノとモノ,機 器と機器との直接的な連係であるとするならば (小林,2015),実社会においても今後,こうした 使用文脈データの企業間共有は頻繁になされるよ うになるであろう2).しかし,こうしたデータ共 有は常に消費者にとって望ましい結果だけを生み 出し続けるわけではない.企業が自社製品の使用 文脈を知るということは,同時に,消費者にとっ てみれば自らの生活の一端を知られるということ でもある.ましてや,それが複数の企業間で共有 されるということになると,消費者にとっては自 分のデータがコントロールの効かない場所で利用 されるかもしれないという不安やリスクを感じる こともあるだろう.仮に消費者がこうした点に強 い不快感を持っているとすると,企業間でのデー タ共有は倫理的な問題としての性質を帯びてくる と考えられる.最近は,製品からベネフィットを 享受するということと,その使用文脈に関わる データが企業の意図に従って収集され利用される こととが不可分になりつつある.こうした不可分 性の増大は 2 つの側面で構成されているといえよ う,1 つはネットワーク化されることを前提とし た製品機能が増えてきたため,使用文脈データの 提供と利用に同意しなければそうした機能が享受 できないという状況が増えてきたという側面であ る.もう 1 つは,利用規約の部分で生じる不可分 性である.ウェブ接続の仕組みを持った製品では, 使用文脈データを収集,利用することがプライバ シー・ポリシーの中に謳われており,それを含む 利用規約に同意しなければその製品の全てあるい は一部の機能が使用できないことになっているも のも多い.つまり,製品からのベネフィットを享 受しようとするならば,仮にデータの収集や利用 の面で同意できない点があったとしても同意せざ るを得ない側面が出てきているのである.これら は,製品の使用と調査への協力が完全に分離して いた伝統的なリサーチ方法には見られない特徴で ある.こうした状況下であるとすると,消費者が 仮にデータの企業間共有に不快感を覚えたとして も,その消費者は製品を使用するためにその不快 感を我慢し続けなければならないことになる.一 方で利用することを人質に取りながらもう一方で 「嫌なら使わなければよい」という論理は通りに くく,企業は,そうした不快感を可能な限り除去 していくというプライバシーの保護とは別の倫理 上の責任を引き受けなければならなくなると思わ
れる3). こうした問題については,マーケティング・リ サーチ倫理の既存の枠組みで議論できる部分もあ るが,それらの多くは,使用文脈データを収集す る企業とそのデータの提供者である消費者との二 者 間 関 係 を ベ ー ス と し た 枠 組 み で あ り(e.g., Aaker et al., 2010; McDaniel and Gates, 2013), 企業間のデータ共有という事象への適用は難し い.また,そうした共有が一方で価値共創という 部分でのプラスの側面を持つだけに,換言すれば, そうした共有によって消費者も何らかのメリット を受け取る可能性があるだけに,第三者への単純 な情報拡散とは異なった枠組みが必要になるだろ う.しかし,そうした枠組み作りの前に,まずは こうした状況での消費者の認識や反応について, その実態を把握することが何よりも重要になる. 次節ではこうした問題意識のもと,実証的データ に対する探索的な検討を通じて,価値共創という 脈略で行われるデータの企業間共有に対して消費 者がどのような反応を示すのかを考察する. 3.実証研究 3.1 概要 2016 年 3 月に実施したアンケート調査の結果 をもとに,以下の 3 つの点について考察を行った. 1 点目は,IoT 等を通じて企業が使用文脈データ を収集し利用しているという現状について,情報 の提供者となる一般の消費者がどのような認識や 関心を有しているのかという点である.3.2 項で は,単純集計の結果をもとにこの点について簡単 な検討を行っている.2 点目は,使用文脈データ の企業間共有が消費者の知覚不快感に対してどの ような影響を及ぼしているか,換言すれば,デー タ共有に対して消費者が知覚する不快感の程度は 他の用途に対する不快感の程度と差があるのかと いう点である.これについては,3.3 項の中で反 復測定分散分析を使いデータの使用状況ごとに測 定された不快感得点の平均比較を行っている.そ して 3 点目は,3.3 項で示された反応傾向が性別 や年齢に関わらず全般的に見られるのか,それと もデモグラフィックな区分上で偏って見られるの かという点である.この点については,3.4 項の 中で,先の分散分析モデルに回答者の性別と年齢 を追加する形で混合デザイン型の分散分析を実施 し,これらのデモグラフィック変数の影響につい て考察を行っている. 調査は,インターネット調査会社「マーシュ」 の調査プラットフォームを利用しその登録モニ ターに対して実施された.有効サンプルサイズは 500 で,性別(男女の 2 カテゴリー)と年齢(20 歳代から 60 歳代までの 5 カテゴリー)を組み合 わせた 10 カテゴリー(例えば「20 代の男性」「50 代の女性」など)毎に有効回答数が 50 になるま で調査が行われた4).回答者の居住地域は広範囲 に渡っており,職業に関しても特段の偏りは見ら れなかった.回答者の居住地域と職業に関する度 数分布表は本論文末にある補足資料の中に示され ている. 3.2 使用文脈データが企業によって収集・利用 されていることに関する認識や関心 まず,消費者が使用文脈データのマーケティン グ・リサーチについてどのような認識や意見を有 しているのかについて単純集計の結果をもとに考 察した.なお,質問内容や回答選択肢,各回答結 果の度数等については,補足資料の中に詳細が記 載されている. インターネットに接続する機能を持った製品や インターネットを介して受けるようなサービスを 使用する際に,その使用文脈に関わるデータが企 業に収集され利用されている(あるいはその可能 性がある)ということについてどの程度認知され ているか確認した結果,回答者全体のうち 6 割弱 (58.4%)の人が収集・利用の実態についてきち んと理解していなかった.また,IoT という言葉 を知っているかどうかについて集計した結果, 「まったく知らない」(55.8%)と「聞いたことは あるが内容は分からない」(27.4%)を合わせると 83.2% となり,IoT という言葉の理解もあまり広 まっていないという結果が得られた.収集された
律の範囲内であれば,企業がどのようにそれを利 用しても構わない」と思うかどうかについて聞い たところ,「まったくそう思わない」(33.8%)と「ど ちらかというとそう思わない」(42.6%)という否 定的な回答が全体の 76.4% を占めた.こうした結 果からは,消費者が,企業のデータ取り扱いにつ いて高い信頼を寄せているとはいいがたい状況に あり,法律とは別に守るべきルールがあると考え ていることが読み取れる. こうした点を考えると,使用文脈データのマー ケティング・リサーチに関わる問題は潜在的な状 態にあり,A.S. Pentland が指摘しているように, 今後消費者の理解が広がり,そのうえで何らかの 大きなトラブルが起これば,一気に社会的な大問 題になりかねない.そして,いったん大きな社会 問題となると,企業だけでなく消費者にとっても, ひいては社会にとっても大きな損失を生み出すこ と に な る の で あ る(Pentland and Berinato, 2014).消費者にとっても企業にとってもより好 ましい価値共創を実現していくためには,そして ICT の発展がもたらすメリットを社会全体が享 受するためには,使用文脈データに関するマーケ ティング・リサーチのあり方をそれが問題化する 前に倫理的な観点から議論することが重要である と思われる. 3.3 使用文脈データの企業間共有が消費者の知 覚不快感に及ぼす影響 次に,いくつかのデータ使用状況下で測定され た消費者の知覚不快感得点の比較を通じて6),価 値共創における使用文脈データの企業間共有が消 費者にどのように受け止められているのかを検討 した.なお,以下で説明する独立変数の操作化及 び知覚不快感得点の測定において用いられたリー ド文や質問内容,回答結果の概要については,補 足資料の中に詳細が示されている. 本調査では,回答者に以下の 2 点を想定しても らった:①スマートテレビのようなインターネッ トへの接続機能を有しているテレビ7)を自宅で使 用している,②テレビの機能をフルに利用するた データを消費者自らが管理するための仕組みの1 つである「オプトアウト」についてもその認知度 を調査したところ,58.2% が「まったく知らない」 と回答し,「聞いたことはあるが内容は分からな い」(26.8%)と合わせると 85.0% の人がその内容 を知らないと回答している. 次に,そうしたネットワーク製品を使用する際 に収集されるデータの内容や使い道についてどの 程度気にしているのかを集計した.その結果,「一 度も気にしたことはない」が 29.8%,「どちらか といえば気にしないことの方が多い」が 46.4% で, 合計すると全体の四分の三を超える人が企業の行 うリサーチ活動の内容にあまり関心を持っていな い実情が明らかとなった.こうした関心の低さは プライバシー・ポリシーの利用実態からもうかが える.プライバシー・ポリシーとは,企業による データの収集・利用に関してその範囲や内容が記 載されている文書であり,使用承諾書の中の項目 の一つとしてあるいはプライバシー・ポリシーと して独立して提示されている.回答者全体のうち, 26.0% の人がこのプライバシー・ポリシーを「こ れまで一度も読んだことはない」と回答し,「読 まないことの方が多い」と回答した人(53.8%) を加えるとおよそ 8 割(79.8%)の回答者が収集 されるデータの内容やデータの使われ方について 購入時に確認しない傾向にあると回答してい る5). こうした点をまとめると,企業がネットワーク 製品を通じて使用文脈に関するデータを収集しさ まざまな形で利用しているということについて消 費者は十分な理解を有しておらず,またそうした 際に行われているマーケティング・リサーチの内 容について,それほど気にしていないという傾向 が示されたと言えよう. 一方,企業によるデータの取り扱いについて, 「消費者が不快な気分になると予想されるような データの使い方はしない」と思うかどうかを聞い たところ,「まったくそう思わない」(24.0%)と「ど ちらかというとそう思わない」(39.4%)を合わせ た否定的な回答が全体の 63.4% であった.また「法
と価値共創外提供のそれとの比較は,同じ外部譲 渡でもそれが価値共創に関わるか否かで知覚不快 感に差があるのかどうかを示唆している.以下で は,こうした手続きを通じて得られた実証的デー タの解析結果について考察を行っていく. 各水準の不快感得点の標本平均と標本標準偏差 が表 1 の上部に示されている.知覚不快感が最も 低かった水準は収集企業内利用であり,価値共創 内共有がその次にきて,最も不快感の高かった水 準は価値共創外提供であった.これらの平均差が 統計的に有意なものであるかどうかは,この不快 感得点を従属変数とする反復測定分散分析を通じ て考察した. 分析結果の解釈に先立ち,Mauchly の球面性 検定を行った結果,1%有意水準で球面性の仮定 は棄却された(Mauchlyʼs W=0.607; Approx. |2 (2)=248.841, p<0.001(両側)).このため,主効 果9)の検定には Greenhouse-Geisser のイプシロン (f=0.718)で自由度を調整した検定値を採用し た.これに基づくと使用状況の主効果について 0.1% 有意水準で統計的に有意な結果が得られた (F(1.435, 716.298)=108.778, p<0.001(両側)). つまり,データの使い方が異なると消費者の知覚 する不快感も異なってくる,換言すれば,データ の使い方が不快感に対して有意な影響を有してい るということが確認された.また,その影響の大 きさを示す効果量として偏 h2 乗値(partial eta squared)を算出したところ,その値は 0.179 で めに利用規約に同意したが,そこには,収集した 使用文脈データ(つまりテレビの使い方に関する データ)をこのテレビ・メーカーの製品開発や販 売促進に利用すること,パートナー企業と共同利 用すること,そしてその他の第三者に提供する場 合があることなどが明記されていた.こうした想 定の中で,独立変数となる「使用文脈データの使 い方」として 3 つのデータ使用状況を設定した. 使用状況の第 1 水準は,データの収集主体である テレビ・メーカーが自社のマーケティング活動の ためにそのデータを利用する状況である.以下で は「収集企業内利用」と呼ぶ.この水準では,収 集された使用文脈データは収集した企業の外部に 提供されることはなく,収集企業の内部でのみ利 用される.第 2 水準は,テレビと機能的な関連性 を持つ製品(今回の調査では DVD レコーダー) との連係を高めるために,収集したデータがパー トナー企業と共有される状況である.以下「価値 共創内共有」と呼ぶ.この水準が本研究の主たる ターゲットであり,価値共創という脈絡の中で複 数の企業が使用文脈データを共有する状況を指し ている.3 つ目の使用水準は,テレビの機能とは 直接関係のない製品やサービスを扱う企業に使用 文脈データが提供される状況である.例えば,ど の時間帯にどのような内容のテレビ番組を見てい るのかはその人の興味関心を知る重要な手掛かり になるため,テレビとは機能的なつながりのない 製品やサービスを提供している企業(例えば旅行 代理店など)にも利用価値がある.以下ではこう した水準を「価値共創外提供」と呼ぶこととする. 今回は,この 3 つの使用状況水準ごとに回答者 が感じる不快感の程度を 10 点満点の単極尺度8) で回答してもらい,その平均差を反復測定分散分 析および混合デザイン分散分析を通じて考察し た.価値共創内共有も価値共創外提供もともに データの外部譲渡に該当するので,これらの水準 の知覚不快感の平均値が収集企業内利用のそれと の間に有意な差を持つかどうかは,そうしたデー タの外部譲渡がもたらす影響について示唆を有し ている.また,価値共創内共有の際の知覚不快感 表 1 水準毎の平均及び水準間の平均差 *** 0.1% 水準で有意(両側)であった(多重比較の調整: Bonferroni) 収集企業内利用 価値共創内共有 価値共創外提供 標本平均 (標準偏差) 4.29 (3.084) (3.166)4.88 (3.465)5.95 収集企業内利用との差: 推定周辺平均差 (標準誤差) 0.588*** (0.081) (0.143)1.658*** 価値共創内共有との差: 推定周辺平均差 (標準誤差) -0.588*** (0.081) (0.108)1.070*** 価値共創外提供との差: 推定周辺平均差 (標準誤差) -1.658*** (0.143) (0.108)-1.070***
あった.これは一般に採用されている Cohen の 基 準 で 効 果 大 と さ れ る 0.14 を 上 回 っ て い る (Cohen, 1988).こうした結果から,使用状況の 違いが知覚不快感に及ぼす影響の大きさは,比較 的大きなものであるということが確認された. 次に,どの水準間に有意な差が見られるかを確 認するために多重比較を行った.表 1 の中段から 下段にかけて示されている 3×3 行列のセル内に は,その結果である推定周辺平均(estimated marginal means)の差,標準誤差,およびその 有意確率(Bonferroni 補正値)が示されている. まず,「収集企業内利用」と「価値共創内共有」 の水準ペアについてみると,推定周辺平均値差の 絶対値は 0.588 で,Bonferroni 法による多重比較 の結果,0.1% 水準において統計的に有意な効果 が見られた(差の 95% 信頼区間[-0.784, -0.392], [0.392, 0.784]).同様に,「収集企業内利用」と「価 値共創外提供」の水準ペアを比較したところ,そ の差の絶対値は 1.658 で,こちらも 0.1% 水準で 統計的に有意な効果が確認された(差の 95% 信 頼区間[-2.003, -1.313],[1.313, 2.003]).つまり, 消費者から集めた使用文脈データをその収集企業 自らが利用する場合に比べて,いかなる脈絡であ れ,そうしたデータの収集に直接かかわっていな い別の主体に譲渡する場合の方が,消費者は有意 に高い不快感を知覚しているという結果が示され た. では,こうした外部譲渡が及ぼすネガティブな 影響は,それが価値共創の名において行われる場 合と価値共創に関係なく行われる場合で違いが見 られるのか.この点について,価値共創内共有と 価値共創外提供の水準ペアを比較した結果,推定 周辺平均の差の絶対値は 1.070 であり,これも Bonferroni 法のもとで 0.1% 水準での統計的有意 差が確認された(差の 95% 信頼区間[-1.330, -0.810], [0.810, 1.330]).つまり,同じ外部譲渡 であっても,価値共創内共有の方が価値共創外提 供よりも知覚される不快感は低くなるということ が統計的に確認された. 3.4 反応傾向とデモグラフィック・グループ 次に,前節で考察したような消費者の反応傾向 が性別や年齢に関わりなく全般的に見られるの か,それともデモグラフィック・グループごとに 異なる反応傾向を示すのかについて検討を行っ た.具体的には,「性別」(男女の 2 水準)と「年 齢」(20 歳代~60 歳代の 5 水準)を規定要因とし て先に考察した分散分析モデルにそれぞれ組み込 み,二要因混合デザイン分散分析を通じてその影 響力を考察した. 表 2 は使用状況のそれぞれの水準における男女 それぞれの標本統計量を示したものである.また, 図 1 は,それらをもとに算出された水準ペアごと の推定周辺平均をプロットした図である.水準ご との不快感を表している図内の 3 本の線が男性 (左側)よりも女性(右側)の方が若干の広がり を見せているもののその差はわずかであり,男女 ともに共通して,収集企業内利用から価値共創内 共有,そして価値共創外提供へと使用状況が変わ るにつれ,知覚不快感の平均値が高い値を示して いることが確認できる. 表 2 知覚不快感の標本統計量 (性別 2 水準×使用状況 3 水準) 収集企業内利用 価値共創内共有 価値共創外提供 <男性> 平均(標準偏差) 4.32 (3.235) (3.267)4.74 (3.504)5.87 <女性> 平均(標準偏差) 4.26 (2.930) (3.062)5.01 (3.430)6.02 図 1 推定周辺平均値のプロット図(表 2 から展開)
そこで,3.3 項で示したデータの使用状況によ る知覚不快感の違いが,性別に関係なく見られる かどうかを統計的に検討するためにデータの使用 状況と性別という 2 つの要因の交互作用効果10)を 考察した.Mauchly の球面性検定の結果を踏ま えたうえで(Mauchlyʼs W=0.603, Approx. |(2)2 =251.077, p<0.001(両側),f=0.716)交互作用 効果を検定した結果,統計的に有意な交互作用効 果は確認されなかった(F(1.432, 713.157)=1.111, p>0.1(両側)).つまり,3.3 項で考察した 3 つ のデータの使用状況に対する不快感の感じ方は性 別によって条件づけられてはおらず,男性にも女 性にも同じように 3.3 項で見たような反応傾向が 見られるということが確認されたのである. 同様に,年齢による違いについても検討を行っ た11).表 3 には各水準組の標本統計量が,図 2 に はそれらのもとに算出した推定周辺平均のプロッ トが示されている.性別同様,どの年齢層におい 表 3 知覚不快感の標本統計量 (年齢 5 水準×使用状況 3 水準) 収集企業内利用 価値共創内共有 価値共創外提供 <20歳代> 平均(標準偏差) 3.72 (3.078) (3.261)4.46 (3.640)5.62 <30歳代> 平均(標準偏差) 4.04 (3.203) (3.283)4.46 (3.751)5.48 <40歳代> 平均(標準偏差) 4.44 (2.928) (3.031)5.08 (3.240)6.19 <50歳代> 平均(標準偏差) 4.61 (2.964) (3.043)5.03 (3.315)6.23 <60歳代> 平均(標準偏差) 4.63 (3.193) (3.167)5.35 (3.340)6.21 図 2 推定周辺平均値のプロット図(表 3 から展開) ても知覚不快感が収集企業内利用,価値共創内共 有,そして価値共創外提供の順に高くなっている ことが図と表の双方から確認できる. そこで,混合デザイン分散分析を通じて,3.3 項で見たような使用状況と不快感の関係が,どの 年齢層にも共通してみられるのかどうかを考察し た.Mauchly の球面性検定の結果を踏まえたう えで(Mauchlyʼs W=0.605, Approx. |(2)=2 248.603, p<0.001(両側)),f=0.717)年齢とデー タの使用状況との間の交互作用効果に関する検定 を行った結果,両者の間に統計的に有意な交互作 用効果は確認されなかった(F(5.735, 709.664) =0.377, p>0.1(両側)).つまり,今回考察した 3 つの使用状況に対する反応傾向(つまり不快感 の感じ方)は,年齢層に関わらず同じ傾向が見ら れることが確認された. 3.5 小括 本節では,実証的データの統計的処理を通じて, 価値共創下での使用文脈データの企業間共有がど の程度の不快感を消費者に感じさせるのかについ て考察を行ってきた.3.3 項では,3 つのデータ 使用状況を設定して,価値共創下での企業間共有 がもたらす不快感を相対的に評価した.その結果, 価値共創内共有に知覚される不快感は,収集企業 内利用へ感じる不快感よりも高く,価値共創外利 用へ感じる不快感よりも低いということが確認さ れた.換言するならば,価値共創内共有は価値共 創外提供と同様にデータの外部譲渡という特徴を 持つため収集企業内利用に比べると高い不快感を 持たれているものの,価値共創とは全く関連性を 持たない外部企業に対して譲渡されるようなケー スに比べると価値共創という脈絡の中で行われる 方がその不快感の程度は軽減されているという反 応のパターンが確認された.続く 3.4 項では,こ うした反応傾向の一般性について確認した.混合 デザイン分散分析における交互作用効果がともに 有意な結果を示さなかったことから,3.3 項で見 てきたような不快感の感じ方に,性別や年齢によ る差は見られず,デモグラフィック・グループ上
では一般性の高い傾向であったということが確認 された. 4.むすび 本研究では,これまで比較的ポジティブな面か ら論じられることの多かった価値共創における消 費者データの企業間共有について,その倫理的な 問題に着目し,研究枠組みの構築に向けた基盤づ くりとして探索的な実証研究を行った.データ解 析の結果,消費者は,いかなる脈絡であっても自 分のデータが収集した企業以外に広まるような使 われ方に対して,高い不快感を知覚するものの, それが価値共創の脈略でなされる場合,その不快 感は軽減されるということが確認された.また, こうした反応は,特定のデモグラフィック・グ ループに偏って見られるのではなく,広く一般に 見られるという点も確認された. 今回の研究は,価値共創外提供からのこの不快 感の軽減分が存在していることを定量的に示した だけであり,こうした軽減がどのような理由に よって生み出されているのかは,フォローアッ プ・インタビューやテキスト・データの解析等を 通じてこれから明らかにしていく必要がある.し かし,価値共創時のデータ共有に対する消費者の 反応がこれまでほとんど議論されてこなかった点 を考えると,こうした事象の一端を定量的に把握 できた点は本研究の学術的貢献と言えるかもしれ ない. この不快感の減少分が,より高いベネフィット を得るために消費者が払う意思のある犠牲の大き さに比例していると考えられるなら,価値共創の 名のもとに行われる企業間のデータ共有が倫理的 な問題へ発展するかどうかは,消費者がその価値 共創に対して明確な期待が描けるかどうかによっ て大きく左右されると言えるかもしれない.もし, 消費者が価値共創という名のもとに明確なメリッ トを期待できなければ,それに払う意思のある犠 牲も小さくなり,価値共創外提供とほぼ同じよう な不快感を生み出してしまうだろう.企業間での 使用文脈データの共有が共創される価値を本当の 意味で高めるためには,価値共創に参加する消費 者とのコミュニケーション・パスを整備し,彼ら の期待形成を支援するような仕組みが必要になっ てくると思われる. なお,本研究で用いたデータは,テレビという 製品カテゴリーを例に具体的な状況設定を行った うえで測定したものであり,これは,使用文脈デー タのマーケティング・リサーチがなされるさまざ まな状況の一例でしかない.今回の分析結果がそ うした限られた状況下で得られたものである点を 念頭に置き,より多くの製品カテゴリーにおいて 今回と同様の結果が見られるのか,慎重に考察結 果の一般化作業を行っていかなければならない. また,本研究では,価値共創のために行われる使 用文脈データの企業間共有がもたらす問題をマー ケティング・リサーチとそれに対する消費者の心 理的反応という側面から考察してきたが,それは この問題を考える際の 1 つの切り口に過ぎない. 消費者の心理的反応に関する考察の精緻化を図る だけでなく,使用文脈データの所有権や裁量権, 企業間でのデータ共有に関わるルール,あるいは 消費者が企業間で共有されるデータを統制するた めの仕組みやインターフェイスなどについても考 察を進め,最終的にはいかなるデータ共有の在り 方が価値共創ベースのマーケティングの実施にお いて望ましいのかを議論するための研究枠組みが 構築されなければならない.今後は,こうした点 を念頭に研究を展開していきたい. 注 1)価値共創をどう捉えるかについて明確なコンセンサス はないが,「共に創る」という部分の解釈の仕方に注目 すると 2 つの立場に大別することができる(Grönroos, 2012; Grönroos and Voima, 2013).1 つは,企業と消 費者の両者が相互作用プロセスの中で価値を創り出し ていくことを価値共創と呼んでおり,相互作用の存在 は共創の前提であるとする立場である.もう 1 つは, こうした相互作用を前提とする価値共創だけでなく, 企業が価値提案として製品やサービスを提供し,消費 者が単独でそれを使用しながら価値を生み出すという 逐次的なつながりも価値共創概念の中に含めるという
立場である.本研究では,より厳密な立場であると考 えられる前者の立場をとっている. 2)こうした価値共創の名のもとでなされるデータの企業 間共有の具体的な事例については,例えば小林(2015) や三菱総合研究所(2015)などを参照のこと. 3)企業間での使用文脈データの共有に対して消費者が強 い拒否反応を示した場合,こうした倫理的な問題のほ かに,価値共創をベースとしたマーケティングそのも のが大いなる矛盾を抱えてしまうことも考えられる. 企業が使用文脈データの企業間共有を通じて成し遂げ ようとしているのは,より魅力的な価値共創の場を作 り上げることであり,それは何より消費者からのポジ ティブな反応を得るためである.しかし,そのことが 一方で強いネガティブな反応を生み出しているとする ならば,データ共有のそうした両面性に対応しなけれ ばならなくなるだろう. 4)性別や年齢による偏りが出ないようにし,性別や年齢 による回答傾向の比較を行うために,このような層別 標本抽出法を採用した. 5)プライバシー・ポリシーは,企業の個人情報の取り扱 い方針を知る数少ない情報の1つであるが,それを読 んでから製品を購入するかどうかを決めるという手続 きをとる消費者は非常に少ない.こうした傾向は, Orito et al. (2008)や Murata et al.(2014)など過去 に行われた研究でも一貫して観察されている. 6)本研究では,比較に際して反復測定分散分析及び二要 因混合デザイン分散分析を採用している.これらの手 法 に 関 し て は, 芝・ 南 風 原(1990),Field(2013), Coolican(2014)などを参照されたい. 7)今回の調査では,その対象者が 20 歳代から 60 歳代ま での男女と広範囲に及んでいることから,どの年齢層・ 性別でも利用しておりイメージのしやすい製品カテゴ リーとしてテレビを選択した.無論,スマートテレビ は IoT の一例でしかなく,むすびの節で指摘している ように,今回の結果の一般化には慎重な態度が必要で ある. 8)今回は全く不快に感じない場合を 0 点,この上なくな く不快に感じる場合を 10 点と設定してもらい,その範 囲の中の整数で不快感の程度を回答してもらった. 9)主効果(main effect)とは,独立変数が他の要因とは 独立した形で従属変数に対して及ぼす効果のことを言 い,ここでは,データの使われ方という独立変数が消 費者の知覚不快感という従属変数に及ぼす影響を指し ている. 10)二要因分散分析における交互作用効果(interaction ef-fect)とは,一方の要因の効果がもう一方の別の要因 の水準毎に異なるかどうかを示している(芝・南風原, 1990).今回の分析でいうと,データの使用状況の知覚 不快感に対する主効果が有意であったことはすでに示 されているが,その効果が性別の各水準(つまり男性 か女性か)によって違いがあるかどうかを交互作用効 果の検定を通じて考察している.同様に,後述するデー タの使用状況と年齢層の交互作用効果は,データの使 用状況の効果が年齢層によって違いがあるかどうかを 考察するために検討している. 11)今回は横断的な調査データを使っての考察だったため, 年齢という要因と世代(あるいはコーホート)という 要因の違いを明確にすることができなかった.しかし, 企業のリサーチやデータ共有が IoT を含む ICT の発展 と切り離せない点を考慮すると,単純な年齢の影響と いうよりも,ライフサイクルのどの段階でどのような IT 環境が身近に存在していたのかなど,世代の面での 影響が大きいように思われる.この点を考察するため に,今後はこのテーマに関してコーホート分析の適用 が必要であると思われる. 参考文献 小林啓倫(2015)『IoT ビジネスモデル革命』朝日新聞出版. 芝祐順・南風原朝和(1990)『行動科学における統計解析法』 東京大学出版会. 三菱総研研究所(2015)『IoT まるわかり』日経文庫. Aaker, D.A. et al. (2010) Marketing Research, 11th
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補足資料 この資料には,本研究で行われた調査の質問内容,回答 選択肢,そして回答結果の概要(度数,割合,基本統計量 など)が示されている. ネットワーク製品を購入・使用する際に,企業によって収集されるデ ータの内容やその使われ方に関する情報が記載されている注意事項 (一般に利用規約やホームページなどに書かれています.以下,「プ ライバシー・ポリシー」と呼びます)を読むことはありますか?(択 一回答) これまで一度も読んだことはない 130 (26.0%) どちらかといえば読まないことの方が多い 269 (53.8%) どちらかといえば読むことの方が多い 82 (16.4%) そうしたものを購入する際はいつも読んでいる 19 (3.8%) ほとんどの企業は,たとえ法律の範囲内であっても,消費者が不快な 気分になると予想されるようなデータの使い方はしないと思う.(択 一回答) まったくそう思わない 120 (24.0%) どちらかというとそう思わない 197 (39.4%) インターネットに接続する機能を持った製品,あるいはインターネッ トを介して受けるようなサービス(以下,このような製品やサービス を「ネットワーク製品」と呼びます)をご使用になる際に,その製品 やサービスを提供している企業によって使用文脈データが収集され ている(あるいは収集される可能性がある)ということについてご存 知でしたか?(択一回答) 全く知らなかったし,想像もしていなかった 136 (27.2%) 知らなかったが,たぶんそうではないかと想像 はしていた 156 (31.2%) 知ってはいたが,詳しいことは知らなかった 176 (35.2%) かなり詳細な点まで知っていた 32 (6.4%) 「IoT(Internet of Things)」という言葉を知っていますか?(択一 回答) まったく知らない 279 (55.8%) 聞いたことはあるが内容は分からない 137 (27.4%) おおよその内容は分かる 72 (14.4%) かなり詳しい部分まで知っている 12 (2.4%) 企業と消費者との間の情報や広告のやり取りという文脈の中で使わ れる「オプトアウト(Opt-out)」という言葉を知っていますか?(択 一回答) まったく知らない 291 (58.2%) 聞いたことはあるが内容は分からない 134 (26.8%) おおよその内容は分かる 62 (12.4%) かなり詳しい部分まで知っている 13 (2.6%) ネットワーク製品を購入・使用する際に,どのような情報が企業によ って収集され,それがどのような目的のために利用されるのかといっ たことを気にすることはありますか?(択一回答) これまで一度も気にしたことはない 149 (29.8%) どちらかといえば気にしないことの方が多い 232 (46.4%) どちらかといえば気にすることの方が多い 99 (19.8%) そうしたものを購入する際はいつも気にしている 20 (4.0%) <リード文> インターネットに接続する機能を持ったテレビを現 在ご自宅で使用されていると仮定してください.以下では,あなた(複 数人でご使用の場合はその方々を含む)がテレビをどのように視聴し ているのかに関するデータを「テレビ使用文脈データ」と呼ぶことに します.なお,テレビの利用規約には,収集したあなたのテレビ使用 文脈データをこのテレビ・メーカーの製品開発や販売促進に利用する こと,パートナー企業と共同利用すること,そして第三者に提供する 場合があることなどが明記されており,テレビをフル機能で利用する ために,あなたはこれに同意しているとします. <使用状況:収集企業内利用> あなたのテレビ使用文脈データが, このテレビ・メーカーの製造している様々な製品の開発や販売促進の ために利用されているとします.こうした利用のされ方についてどの ようにお感じになりますか?全く不快に感じない場合を0点,この上 なく不快に感じる場合を10点として評価してください. 知覚不快感の平均値(標準偏差) 4.29 (3.084) <使用状況:価値共創内共有> あなたの所有している録画機器 (例:DVD レコーダーなど)のメーカーがこのテレビ・メーカーと パートナー関係を結んでおり,あなたのテレビ使用文脈データを両社 が共有することによって,単独の製品では遂行できないような機能 (例:あなたの視聴履歴をもとに視聴頻度の高い番組を自動的に録画 し番組の見逃しを回避するような機能など)を提供しているとしま す.このようにテレビと他の機能的に関連した製品との連係を高める ために,あなたのテレビ使用文脈データがいくつかのパートナー企業 によって共有されているとします.こうした利用のされ方についてど のようにお感じになられますか?全く不快に感じない場合を0 点,こ の上なく不快に感じる場合を10 点として評価してください. 知覚不快感の平均値(標準偏差) 4.88 (3.166) <使用状況:価値共創外提供> 電子メールやダイレクトメールを通 じて,少し前にテレビで見た旅番組と同じ場所のツアー情報が旅行代 理店から送られてきたり,よく見る子供向け番組のキャラクターのイ ベント情報がイベント会社から送られてきたりするようになったと します.もし,このようなテレビの機能とは直接的な関係を持たない 製品やサービスを提供している企業にあなたのテレビ使用文脈デー タが提供されていたとすると,こうした利用のされ方についてどのよ うにお感じになられますか?全く不快に感じない場合を0 点,この上 なく不快に感じる場合を10 点として評価してください. 知覚不快感の平均値(標準偏差) 5.95 (3.465) 現在の職業をお選びください.(択一回答) 会社員(経営者 や役員も含む) 157 (31.4%) 専業主婦・主夫 112 (22.4%) 公務員 13 (2.6%) 学生 14 (2.8%) 派遣・契約社員,パ ート,アルバイト 94 (18.8%) 無職・定年退職 62 (12.4%) 自営業・農林水 産業 30 (6.0%) その他 4 (0.8%) 自由業 14 (2.8%) お住まいの都道府県をお選びください.(択一回答) 北海道地方 23 (4.6%) 関西地方 85 (17.0%) 東北地方 22 (4.4) 中国地方 25 (5.0%) 関東地方 228 (45.6%) 四国地方 11 (2.2%) 中部地方 71 (14.2%) 九州沖縄地方 35 (7.0%) 経営37-2:研究論文R:福田康典.indd 62 2017/03/31 10:17:14
価値共創における使用文脈データの企業間共有:マーケティング・リサーチ倫理の視点から 63 ネットワーク製品を購入・使用する際に,企業によって収集されるデ ータの内容やその使われ方に関する情報が記載されている注意事項 (一般に利用規約やホームページなどに書かれています.以下,「プ ライバシー・ポリシー」と呼びます)を読むことはありますか?(択 一回答) これまで一度も読んだことはない 130 (26.0%) どちらかといえば読まないことの方が多い 269 (53.8%) どちらかといえば読むことの方が多い 82 (16.4%) そうしたものを購入する際はいつも読んでいる 19 (3.8%) ほとんどの企業は,たとえ法律の範囲内であっても,消費者が不快な 気分になると予想されるようなデータの使い方はしないと思う.(択 一回答) まったくそう思わない 120 (24.0%) どちらかというとそう思わない 197 (39.4%) どちらかというとそう思う 138 (27.6%) 非常にそう思う 45 (9.0%) 収集された使用文脈データは収集した企業のものなので,法律の範囲 内であれば,企業がどのようにそれを利用しても構わない.(択一回 答) まったくそう思わない 169 (33.8%) どちらかというとそう思わない 213 (42.6%) どちらかというとそう思う 96 (19.2%) 非常にそう思う 22 (4.4%) インターネットに接続する機能を持った製品,あるいはインターネッ トを介して受けるようなサービス(以下,このような製品やサービス を「ネットワーク製品」と呼びます)をご使用になる際に,その製品 やサービスを提供している企業によって使用文脈データが収集され ている(あるいは収集される可能性がある)ということについてご存 知でしたか?(択一回答) 全く知らなかったし,想像もしていなかった 136 (27.2%) 知らなかったが,たぶんそうではないかと想像 はしていた 156 (31.2%) 知ってはいたが,詳しいことは知らなかった 176 (35.2%) かなり詳細な点まで知っていた 32 (6.4%) 「IoT(Internet of Things)」という言葉を知っていますか?(択一 回答) まったく知らない 279 (55.8%) 聞いたことはあるが内容は分からない 137 (27.4%) おおよその内容は分かる 72 (14.4%) かなり詳しい部分まで知っている 12 (2.4%) 企業と消費者との間の情報や広告のやり取りという文脈の中で使わ れる「オプトアウト(Opt-out)」という言葉を知っていますか?(択 一回答) まったく知らない 291 (58.2%) 聞いたことはあるが内容は分からない 134 (26.8%) おおよその内容は分かる 62 (12.4%) かなり詳しい部分まで知っている 13 (2.6%) ネットワーク製品を購入・使用する際に,どのような情報が企業によ って収集され,それがどのような目的のために利用されるのかといっ たことを気にすることはありますか?(択一回答) これまで一度も気にしたことはない 149 (29.8%) どちらかといえば気にしないことの方が多い 232 (46.4%) どちらかといえば気にすることの方が多い 99 (19.8%) そうしたものを購入する際はいつも気にしている 20 (4.0%) <リード文> インターネットに接続する機能を持ったテレビを現 在ご自宅で使用されていると仮定してください.以下では,あなた(複 数人でご使用の場合はその方々を含む)がテレビをどのように視聴し ているのかに関するデータを「テレビ使用文脈データ」と呼ぶことに します.なお,テレビの利用規約には,収集したあなたのテレビ使用 文脈データをこのテレビ・メーカーの製品開発や販売促進に利用する こと,パートナー企業と共同利用すること,そして第三者に提供する 場合があることなどが明記されており,テレビをフル機能で利用する ために,あなたはこれに同意しているとします. <使用状況:収集企業内利用> あなたのテレビ使用文脈データが, このテレビ・メーカーの製造している様々な製品の開発や販売促進の ために利用されているとします.こうした利用のされ方についてどの ようにお感じになりますか?全く不快に感じない場合を0点,この上 なく不快に感じる場合を10点として評価してください. 知覚不快感の平均値(標準偏差) 4.29 (3.084) <使用状況:価値共創内共有> あなたの所有している録画機器 (例:DVD レコーダーなど)のメーカーがこのテレビ・メーカーと パートナー関係を結んでおり,あなたのテレビ使用文脈データを両社 が共有することによって,単独の製品では遂行できないような機能 (例:あなたの視聴履歴をもとに視聴頻度の高い番組を自動的に録画 し番組の見逃しを回避するような機能など)を提供しているとしま す.このようにテレビと他の機能的に関連した製品との連係を高める ために,あなたのテレビ使用文脈データがいくつかのパートナー企業 によって共有されているとします.こうした利用のされ方についてど のようにお感じになられますか?全く不快に感じない場合を0 点,こ の上なく不快に感じる場合を10 点として評価してください. 知覚不快感の平均値(標準偏差) 4.88 (3.166) <使用状況:価値共創外提供> 電子メールやダイレクトメールを通 じて,少し前にテレビで見た旅番組と同じ場所のツアー情報が旅行代 理店から送られてきたり,よく見る子供向け番組のキャラクターのイ ベント情報がイベント会社から送られてきたりするようになったと します.もし,このようなテレビの機能とは直接的な関係を持たない 製品やサービスを提供している企業にあなたのテレビ使用文脈デー タが提供されていたとすると,こうした利用のされ方についてどのよ うにお感じになられますか?全く不快に感じない場合を0 点,この上 なく不快に感じる場合を10 点として評価してください. 知覚不快感の平均値(標準偏差) 5.95 (3.465) 現在の職業をお選びください.(択一回答) 会社員(経営者 や役員も含む) 157 (31.4%) 専業主婦・主夫 112 (22.4%) 公務員 13 (2.6%) 学生 14 (2.8%) 派遣・契約社員,パ ート,アルバイト 94 (18.8%) 無職・定年退職 62 (12.4%) 自営業・農林水 産業 30 (6.0%) その他 4 (0.8%) 自由業 14 (2.8%) お住まいの都道府県をお選びください.(択一回答) 北海道地方 23 (4.6%) 関西地方 85 (17.0%) 東北地方 22 (4.4) 中国地方 25 (5.0%) 関東地方 228 (45.6%) 四国地方 11 (2.2%) 中部地方 71 (14.2%) 九州沖縄地方 35 (7.0%) ネットワーク製品を購入・使用する際に,企業によって収集されるデ ータの内容やその使われ方に関する情報が記載されている注意事項 (一般に利用規約やホームページなどに書かれています.以下,「プ ライバシー・ポリシー」と呼びます)を読むことはありますか?(択 一回答) これまで一度も読んだことはない 130 (26.0%) どちらかといえば読まないことの方が多い 269 (53.8%) どちらかといえば読むことの方が多い 82 (16.4%) そうしたものを購入する際はいつも読んでいる 19 (3.8%) ほとんどの企業は,たとえ法律の範囲内であっても,消費者が不快な 気分になると予想されるようなデータの使い方はしないと思う.(択 一回答) まったくそう思わない 120 (24.0%) どちらかというとそう思わない 197 (39.4%) どちらかというとそう思う 138 (27.6%) 非常にそう思う 45 (9.0%) 収集された使用文脈データは収集した企業のものなので,法律の範囲 内であれば,企業がどのようにそれを利用しても構わない.(択一回 答) まったくそう思わない 169 (33.8%) どちらかというとそう思わない 213 (42.6%) どちらかというとそう思う 96 (19.2%) 非常にそう思う 22 (4.4%) インターネットに接続する機能を持った製品,あるいはインターネッ トを介して受けるようなサービス(以下,このような製品やサービス を「ネットワーク製品」と呼びます)をご使用になる際に,その製品 やサービスを提供している企業によって使用文脈データが収集され ている(あるいは収集される可能性がある)ということについてご存 知でしたか?(択一回答) 全く知らなかったし,想像もしていなかった 136 (27.2%) 知らなかったが,たぶんそうではないかと想像 はしていた 156 (31.2%) 知ってはいたが,詳しいことは知らなかった 176 (35.2%) かなり詳細な点まで知っていた 32 (6.4%) 「IoT(Internet of Things)」という言葉を知っていますか?(択一 回答) まったく知らない 279 (55.8%) 聞いたことはあるが内容は分からない 137 (27.4%) おおよその内容は分かる 72 (14.4%) かなり詳しい部分まで知っている 12 (2.4%) 企業と消費者との間の情報や広告のやり取りという文脈の中で使わ れる「オプトアウト(Opt-out)」という言葉を知っていますか?(択 一回答) まったく知らない 291 (58.2%) 聞いたことはあるが内容は分からない 134 (26.8%) おおよその内容は分かる 62 (12.4%) かなり詳しい部分まで知っている 13 (2.6%) ネットワーク製品を購入・使用する際に,どのような情報が企業によ って収集され,それがどのような目的のために利用されるのかといっ たことを気にすることはありますか?(択一回答) これまで一度も気にしたことはない 149 (29.8%) どちらかといえば気にしないことの方が多い 232 (46.4%) どちらかといえば気にすることの方が多い 99 (19.8%) そうしたものを購入する際はいつも気にしている 20 (4.0%) <リード文> インターネットに接続する機能を持ったテレビを現 在ご自宅で使用されていると仮定してください.以下では,あなた(複 数人でご使用の場合はその方々を含む)がテレビをどのように視聴し ているのかに関するデータを「テレビ使用文脈データ」と呼ぶことに します.なお,テレビの利用規約には,収集したあなたのテレビ使用 文脈データをこのテレビ・メーカーの製品開発や販売促進に利用する こと,パートナー企業と共同利用すること,そして第三者に提供する 場合があることなどが明記されており,テレビをフル機能で利用する ために,あなたはこれに同意しているとします. <使用状況:収集企業内利用> あなたのテレビ使用文脈データが, このテレビ・メーカーの製造している様々な製品の開発や販売促進の ために利用されているとします.こうした利用のされ方についてどの ようにお感じになりますか?全く不快に感じない場合を0点,この上 なく不快に感じる場合を10点として評価してください. 知覚不快感の平均値(標準偏差) 4.29 (3.084) <使用状況:価値共創内共有> あなたの所有している録画機器 (例:DVD レコーダーなど)のメーカーがこのテレビ・メーカーと パートナー関係を結んでおり,あなたのテレビ使用文脈データを両社 が共有することによって,単独の製品では遂行できないような機能 (例:あなたの視聴履歴をもとに視聴頻度の高い番組を自動的に録画 し番組の見逃しを回避するような機能など)を提供しているとしま す.このようにテレビと他の機能的に関連した製品との連係を高める ために,あなたのテレビ使用文脈データがいくつかのパートナー企業 によって共有されているとします.こうした利用のされ方についてど のようにお感じになられますか?全く不快に感じない場合を0 点,こ の上なく不快に感じる場合を10 点として評価してください. 知覚不快感の平均値(標準偏差) 4.88 (3.166) <使用状況:価値共創外提供> 電子メールやダイレクトメールを通 じて,少し前にテレビで見た旅番組と同じ場所のツアー情報が旅行代 理店から送られてきたり,よく見る子供向け番組のキャラクターのイ ベント情報がイベント会社から送られてきたりするようになったと します.もし,このようなテレビの機能とは直接的な関係を持たない 製品やサービスを提供している企業にあなたのテレビ使用文脈デー タが提供されていたとすると,こうした利用のされ方についてどのよ うにお感じになられますか?全く不快に感じない場合を0 点,この上 なく不快に感じる場合を10 点として評価してください. 知覚不快感の平均値(標準偏差) 5.95 (3.465) 現在の職業をお選びください.(択一回答) 会社員(経営者 や役員も含む) 157 (31.4%) 専業主婦・主夫 112 (22.4%) 公務員 13 (2.6%) 学生 14 (2.8%) 派遣・契約社員,パ ート,アルバイト 94 (18.8%) 無職・定年退職 62 (12.4%) 自営業・農林水 産業 30 (6.0%) その他 4 (0.8%) 自由業 14 (2.8%) 北海道地方 23 (4.6%) 関西地方 85 (17.0%) 東北地方 22 (4.4) 中国地方 25 (5.0%) 関東地方 228 (45.6%) 四国地方 11 (2.2%) 中部地方 71 (14.2%) 九州沖縄地方 35 (7.0%)