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斜面住宅地における戸建て住宅の居住更新に関する研究 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)斜面住宅地における戸建て住宅の居住更新に関する研究 高峰 真麻. 1. 研究の背景と目的. 中腹A. 人口減少社会を迎えたわが国において、都市部でも 生活利便性の低い既成住宅地では、住宅需要の減退に. 調査対象地区. よる空家・空宅地の増加とともに、居住世帯の高齢化. 町会境界線. 中腹B. 山手. 及び不在住化に伴う管理能力の低下が進んでおり、住 宅・宅地の劣化による住環境の悪化が問題となってい る。これに対し、増加する空家・空宅地の保全管理を. 平地. 図りつつ、居住密度の低下に応じた住宅地の再編を誘 導する仕組みづくりが急務となている。. 中腹C. 既往研究では、このような居住収縮斜面住宅地を対. スケール(等高線間隔は2M). 方位. 象とした住宅・宅地の利用動態の分析を通じ、戸建て. 0. 住宅は他の建て方の住宅と比べてストックの回転が鈍. 50 100. 200. 300M. エリア区分 平地 中腹A 中腹B 中腹C 山手 (町会数) (8町会) (2町会) (4町会) (5町会) (1町会) 画地数 528画地 188画地 317画地 351画地 182画地 準グロス面積 10.3ha 3.6ha 5.3ha 6.0ha 3.5ha 住棟数 383棟 151棟 250棟 272棟 134棟 住棟数密度 37.1棟/ha 41.9棟/ha 47.6棟/ha 45.6棟/ha 37.9棟/ha 住戸数 931戸 186戸 300戸 372戸 152戸 住戸数密度 90.1戸/ha 51.6戸/ha 57.1戸/ha 62.4戸/ha 43.0戸/ha 車両進入困難画地 54画地 65画地 180画地 186画地 85画地 車両進入困難画地率 10.2% 34.6% 56.8% 53.1% 46.7%. いことが指摘されている。これに対し、空家や空宅地 の増加が進む一方で、新たな世帯の転入によって住宅・ 宅地の居住利用が更新されるケースが一定見られ、そ の実態を明らかにすることは、将来の住宅地の再編の. 計 1566画地 28.7ha 1190棟 41.5棟/ha 1832戸 63.9戸/ha 570画地 36.4%. あり方を検討する上で有効と考えられる。. 図 1. 調査対象地区の概要. 従って本研究では、居住収縮の進行する斜面住宅地. 盤が脆弱ながらも居住密度は高く、 「中腹 C」は 5 つのエ. を対象として、戸建て住宅への転入層と転入先住宅の. リアの中で最も急峻な地形条件にある。 「山手」は、最. 立地特性との関係、またそれらを取り次いだ仲介者を. も上方に位置するものの、急峻な箇所での宅地造成は. 明らかにし、当地区への転入プロセスの特徴を把握す. あまり見られず、居住密度も低い。. ることで、戸建て住宅ストックを流動させる方策を検. 2-2. 調査方法. 討することを目的とする。. 本研究では、2011 年 11 月時点で当地区に立地する. 2. 研究の方法. 居住世帯のある戸建て住宅 800 戸(空家を含まない). 2-1. 調査対象地区の概要. のうち、2003 年以降に新たな世帯が転入した 88 戸. 本研究では、北九州市八幡東区枝光一区 (2011 年人. (11.0%) を分析対象とする。. 1). 口:3,016 人、 世 帯 :1,315 世 帯、 高 齢 化 率:39.0% ). 対象世帯の特定にあたっては、既往研究で作成され. を調査対象地区とする。当地区は、1901 年の八幡製. た住情報データベースの照合から世帯主名が変わった. 鉄所の操業以降、工場労働者の住宅需要を受けて形. 住宅を調べた上で、地元役員等の照会を行い、転入の. 成された斜面住宅地であり、地区のグロス面積は約. 事実を確認した(12 月) 。うち、7 戸は呼び寄せ同居の. 44.8ha、標高 5m ~ 110m にかけて約 1,200 棟の住宅. 後に世帯主が変わったものである。. が立地し、 うち戸建て住宅が 900 棟(約 75%) を占める。. 次に、分析対象 88 戸について、住情報データベー. また、当地区は地形条件から図 1 に示す5つのエリ. スと地元役員等への聞き取り調査から、転入世帯及び. アに分類されている 。 「平地」は、戦災復興区画整理事. 住宅の属性(世帯型、住宅立地特性、所有関係、物件. 業により宅地基盤が比較的整っており、共同住宅が多. の取得方法等)を把握し分析を行った。続いて、調査. いことから住戸密度も高い。これに対して中腹や山手. 承諾が得られた 39 世帯を対象に転入に至るプロセス. のエリアは道路基盤が脆弱であるが、 「中腹 A」は他の. に関するヒアリング調査を行い(12 月) 、転入のパター. 中腹エリアに比べ道路条件が良い。 「中腹 B」は道路基. ンを分類し考察を行った。. 2). 36-1.

(2) 3. 対象地区における戸建て住宅と居住世帯の構成. まず、新築持家を見ると、世帯型は壮年世帯が 6 割. 3-1.戸建て住宅利用の変化(2003 年ー 2011 年). を占め、接道条件は 1 例を除いて全て車輛進入可であ. まず調査対象地区において、現在立地している戸建. る。また、取得方法は宅建業者の仲介が多いが、親か. て住宅 900 戸(空家を含む)の 2003 年から 2011 年の. らの土地相続や親族による物件仲介も数例ある。. 利用変化を図 2 に示す。2011 年時点の空家数は全体の. 次に中古持家を見ると、壮年世帯は約 7 割が車輌進. 1 割強にあたり、そのうち約半数がこの 8 年間で新規. 入可であり、取得方法は宅建業者による仲介と相続で. に空家化したものである。一方、 新たな転入世帯があっ. ある。相続による転入は接道条件の悪い住宅で起きて. た戸建て住宅は全体の 1 割近くであり、期間中に空家. いるものの、宅建業者の仲介により、接道条件の良い. 化した戸建て住宅の 4 割強、未利用地化した宅地の約. 住宅へ転入する世帯が多いと考えられる。これに対し. 1 割が再び入居を果たしている。また、宅地の接道条. 中年世帯は全て山手・中腹に集中し、そのうち大半が. 件別に見ると、空家の割合は車輌進入不可が可の約 2. 車輛進入不可である。取得方法は、相続や知人、親族. 倍にあたるが、転入居の割合は中古入居で比較すると. の仲介による転入が大半を占める。高齢世帯は、中腹・. 車輌進入不可の方が若干高い。車の寄付きが悪い宅地. 山手に集中しているが、車両進入可が比較的多い。こ. にも一定の住宅需要があることは注目される。. れは、高齢期の中でも夫婦世帯が多いため、住宅の立. 3-2. 戸建て住宅のエリア分布. 地環境を改善するために転入したケースが多いと考え. 次に、戸建て住宅の転入世帯、継続居住世帯と空家. られる。また取得方法は、宅建業者の仲介は無く、全. のエリア分布を表 1 に示す。戸建て住宅数に対する転. て知人や親族による仲介や相続である。. 入世帯の割合は、平地に比べ中腹・山手で若干高くなっ. 最後に借家を見ると、中腹・山手が全体の 8 割を占 空家 転入居. ているが、転入世帯の全エリアへの均等な分布が見ら 進入可の住宅への転入世帯の割合が最も多い。これは、. 2.6. 車両進入不可. 最も上方のエリアにあたるものの急峻な箇所での宅地. 車両進入可. れる。一方接道条件別では差異が見られ、山手は車輌. 造成が少ないため、画地面積の大きな住宅が多く、接. 5.5. 2.8. 7.4. 7.3. 7.7. 道条件の良いストックは需要を失わないと言える。こ. 0. れとは逆に、中腹 C では車輌進入不可での空家と転入. 継続空家. 継続居住. 1.2. 0.3. 40. 新規空家. 世帯の割合はともにエリア間で最も高く、当地区で最. 391. 75.4. 9.2 20. 空家. 509. 80.7. 60. 転入居. 新築入居. 80 継続居住 建替え 継続居住. 中古入居. 100[%]. 継続居住. 戸建て住宅利用の変化 2003 年ー 2011 年. も急峻な地形条件に立地し、かつ接道条件も悪い住宅. ※「車両進入可否」 は宅地の全面道路への車両の進入可否を示す。 ※ 「空家」 は転用空家 (住宅以外の目的で利用されているケース) を含む。また、 「継続入居」 は一時空家(短期の入院や入所等の理由から一時的に不在となっている空家) を含む。. であっても、流通する要因があるものと考えられる。 3-3. 戸建て住宅居住者の世帯型別比較. 図 2.戸建て住宅利用の変化(2003 年ー 2011 年). 次に、戸建住宅に居住している世帯を、現在の世帯. 表 1. 戸建て住宅のエリア分布. 単位:住戸数. 居住世帯のある住宅. 型別(2011 年時点)で比較する(表 2) 。世帯主の年齢. エリア. 継続居住世帯. 転入世帯(2003年以降入居). 車両進入 可. が 25 歳〜 44 歳の世帯を「壮年世帯」 、45 歳〜 64 歳の 世帯を「中年世帯」 、65 歳以上の世帯を「高齢世帯」 、. 山手. と分類する。継続居住世帯では、壮年世帯の数が極め. 中腹C. て少なく、高齢世帯が約 7 割を占めるのに対し、転入. 中腹B. 世帯では、壮年世帯と中年世帯が約 7 割を占め、高齢. 中腹A. 世帯が約 3 割を占める。高齢化の進む当地区において、. 平地. 壮年世帯等の若い世帯の転入が一定量見られること. 全体. 空家. 車両進入 不可. 車両進入 可. 合計. 車両進入 不可. 車両進入 可. 90. 46. 44. 11. 9. 2. 16. 8. 8. 117. 76.9%. 39.3%. 37.6%. 9.4%. 7.7%. 1.7%. 13.7%. 6.8%. 6.8%. 100.0%. 174. 97. 77. 23. 7. 16. 28. 6. 22. 225. 77.3%. 43.1%. 34.2%. 10.2%. 3.1%. 7.1%. 12.4%. 2.7%. 9.8%. 100.0%. 161. 55. 106. 19. 11. 8. 22. 4. 18. 202. 79.7%. 27.2%. 52.5%. 9.4%. 5.4%. 4.0%. 10.9%. 2.0%. 8.9%. 100.0%. 93. 56. 37. 14. 7. 7. 12. 6. 6. 119. 78.2%. 47.1%. 31.1%. 11.8%. 5.9%. 5.9%. 10.1%. 5.0%. 5.0%. 100.0%. 194. 163. 31. 21. 17. 4. 22. 17. 5. 237. 81.9%. 68.8%. 13.1%. 8.9%. 7.2%. 1.7%. 9.3%. 7.2%. 2.1%. 100.0%. 712. 417. 295. 88. 51. 37. 100. 41. 59. 900. 79.1%. 46.3%. 32.8%. 9.8%. 5.7%. 4.1%. 11.1%. 4.6%. 6.6%. 100.0%. 表 2. 戸建て住宅居住者の世帯型別比較. は、注目すべき点である。. 車両進入 不可. 単位:世帯数. 現在の世帯型(2011年時点). 4.戸建て住宅転入世帯の住宅所有関係別分析. 入居形態. 次に、転入世帯 88 世帯のうち、住宅所有関係が把. 継続居住世帯. 握できた 82 世帯について分析を行う。転入世帯の世. 転入世帯(2003年以降入居). 帯構成を表 3、転入世帯のエリア分布を表 4、転入先. 全体. 住宅の取得方法と物件情報の仲介者を表 5 に示す。. 転入率. 壮年期. 中年期. 高齢期 家族. 夫婦のみ. 18. 173. 159. 140. 157. 65. 712. 2.5%. 24.3%. 22.3%. 19.7%. 22.1%. 9.1%. 2.5%. 29. 33. 5. 10. 10. 1. 88. 33.0%. 37.5%. 5.7%. 11.4%. 11.4%. 1.1%. 33.0%. 47. 206. 164. 150. 167. 66. 800. 5.9%. 25.8%. 20.5%. 18.8%. 20.9%. 8.3%. 2.5%. 61.7%. 16.0%. 3.0%. 6.7%. 6.0%. 1.5%. 11.0%. ※転入率は全入居世帯に対する転入世帯の割合を示す。. 36-2. 合計. 不明. 単身.

(3) めており、車輛進入不可がその大半である。取得方法. たため」があげられ、これらは中年世帯や高齢世帯に. は、知人や親族による仲介が大半を占め、中でも高齢. 多く、以前の借家住宅の家賃負担から戸建てを取得す. 単身世帯の知人の仲介による借家への転入が目立つ。. るケースと、立地環境の改善を求めて平地に移るケー. 5.転入世帯の住宅選好特性. スの 2 つに分けられる。借家においては、より良い子. 最後に、聞き取り調査を行った 39 世帯について分. 育て環境や居住環境を求めて集合住宅から戸建てに移. 析を行う。調査世帯の構成については表 3 に示す。. る壮年・中年世帯と、立地環境の改善を求めて住まい. まず、転入理由を図 3 に示す。新築持家では、 「子育. を移す高齢単身世帯に分けられる。. てのため」 「親世帯の近くに住むため」が多く、これら. 次に、持家入居の場合の土地・建物の取得額と借家. の世帯は、子供が生まれてすぐの壮年世帯が親世帯の. 入居の場合の一ヶ月の家賃を図 4 に示す。39 世帯のう. 近くに戸建て住宅を取得するケースである。次に中古. ち、回答の得られた世帯のみを記す。まず、持家の場. 持家を見ると、 「子育てのため」 「以前の住宅が狭いも. 合の土地・建物の価格を見る。世帯主年齢が 30 〜 40. しくは古いため」が多く、これは以前住んでいた借家. 代の壮年世帯においては価格で大きなばらつきが見ら. で一定期間子育てを行った中年世帯が、住宅の狭さや. れるのに対し、40 代以降の中年世帯、高齢世帯では、. 古さを改善するために戸建て住宅を取得するケースが. 土地・建物合わせて 2 千万円以内に集中している。借. 多いためと考えられる。次に多い理由は、 「住居費負担. 家の一ヶ月の家賃においては、壮年世帯、中年世帯で. を軽減するため」 「平地に移るため」 「車庫が欲しかっ. は、3 〜 6 万円の間でばらつきが見られるものの、高. 表 3. 転入世帯の世帯構成. 齢世帯においては 2 〜 3 万円の間に集中している。. 物 件. 転入時の 世帯主年齢. 親と子と孫 (3世代). 壮年期 新 築 持. 中年期 高齢期. 3 20.0% 1 6.7% 1 (1) 5.6%. 合計 壮年期 中. 持 家. 中年期 高齢期. 2 4.8%. 合計 壮年期. 借 家. 親と子 (2世代). 夫婦のみ. 8 (6) 88.9%. 1 11.1%. 2 66.7% 10 66.7% 13 86.7% 14 77.8% 1 11.1% 28 66.7% 7 70.0% 4 57.1%. 1 (1) 33.3% 2 13.3%. 中年期. (4) (9). (4) (2). 1 5.6% 6 (4) 66.7% 7 16.7% 2 (1) 20.0% 1 (1) 14.3%. 高齢期. 11 44.0%. 合計. 3 12.0%. 次に、以前の住まい場所と転入先住宅の取得方法を. 合計. 単身. 3 (2) 100.0%. 家. 古. 単位:世帯数. 転入時の家族構成. 1 6.7% 2 (1) 11.1% 2 22.2% 5 11.9% 1 10.0% 2 28.6% 8 (3) 100.0% 11 44.0%. 図 5 に示す。まず、持家においては、宅建業者による. 9 (6) 100.0% 3 (2) 100.0% 3 (1) 100.0% 15 (9) 100.0% 15 (4) 100.0% 18 (11) 100.0% 9 (4) 100.0% 42 (19) 100.0% 10 (5) 100.0% 7 (3) 100.0% 8 (3) 100.0% 25 (11) 100.0%. 仲介により遠方からの転入が多くを占めるが、知人や 親族の仲介では近隣からの転入が多い。また借家にお いては、知人や親族の仲介のみであるが、持家と同じ く比較的近隣からの転入が多い。 以上を踏まえて、当地区への転入世帯を「居住性重 視型」 「立地性重視型」 「経済性重視型」の大きく 3 つに 分類できると考えられる(図 6) 。まず「居住性重視型」 はライフステージに合わせて借家から戸建て持家に移 り変わる世帯が多くを占める。この場合、接道条件の 良い住宅が多いため住宅市場でのストック価値が高 く、経済的にゆとりのある世帯の転入が見られる。次. ※ () 内は、聞き取り調査世帯の数を示す。. に「立地性重視型」だが、これは高齢世帯、中でも高齢. 表 4. 転入世帯のエリア分布 物 件. 転入時の 世帯主年齢 壮年期. 新 築 持 家. 高齢期. 壮年期. 古 持 家. 高齢期. 壮年期. 家. 車両進入可 車両進入不可. 4 44.4%. 1 33.3% 5 33.3% 6 40.0%. 1 33.3% 5 33.3% 6 40.0%. 中年期. 合計. 借. 中腹・山手. 中年期. 合計. 中. 平地. 4 44.4%. 中年期 高齢期 合計. 2 22.2% 8 19.0% 3 30.0% 1 14.3% 1 12.5% 5 20.0%. 表 5. 転入先住宅の取得方法と物件情報の仲介者. 単位:世帯数. 1 11.1% 7 16.7% 3 30.0% 1 14.3% 1 12.5% 5 20.0%. 1 11.1% 1 2.4%. 車両進入可 車両進入不可. 5 55.6% 3 100.0% 2 66.7% 10 66.7% 9 60.0% 18 100.0% 7 77.8% 34 81.0% 7 70.0% 6 85.7% 7 87.5% 20 80.0%. 4 44.4% 3 100.0% 2 66.7% 9 60.0% 4 26.7% 8 44.4% 5 55.6% 17 40.5% 4 40.0% 1 14.3% 3 37.5% 8 32.0%. 1 11.1%. 1 6.7% 5 33.3% 10 55.6% 2 22.2% 17 40.5% 3 30.0% 5 71.4% 4 50.0% 12 48.0%. 物 件. 合計. 9 100.0% 3 100.0% 3 100.0% 15 100.0% 15 100.0% 18 100.0% 9 100.0% 42 100.0% 10 100.0% 7 100.0% 8 100.0% 25 100.0%. 転入時の 世帯主年齢 壮年期. 新 築 持 家. 高齢期. 壮年期. 古 持 家. 中年期. 壮年期. 家. 中年期. 親族の仲介. 親から相続. 単位:世帯数. 自宅への 戻り入居. 2 22.2%. 不明. 1 11.1% 3 100.0%. 3 100.0% 9 60.0% 8 53.3% 7 38.9%. 15 35.7% 1 10.0% 2 28.6%. 高齢期 合計. 36-3. 知人の仲介. 6 66.7%. 高齢期 合計. 借. 宅建業者 の仲介. 中年期. 合計. 中. 購入または賃貸. 3 12.0%. 2 13.3%. 1 5.6% 1 11.1% 2 4.8% 4 40.0% 2 28.6% 4 50.0% 10 40.0%. 2 11.1% 2 22.2% 4 9.5% 2 20.0%. 1 12.5% 3 12.0%. 3 20.0% 7 46.7% 6 33.3% 3 33.3% 16 38.1%. 1 6.7%. 2 11.1% 3 33.3% 3 7.1%. 2 4.8% 3 30.0% 3 42.9% 3 37.5% 9 36.0%. 合計. 9 100.0% 3 100.0% 3 100.0% 15 100.0% 15 100.0% 18 100.0% 9 100.0% 42 100.0% 10 100.0% 7 100.0% 8 100.0% 25 100.0%.

(4) 夫婦世帯が平地を求めてファミリー住宅から移る世帯. 条件別では山手が車輌進入可の割合が最も多い。また. である。この場合、借家入居も比較的多い。最後に「経. 世帯別では、壮年世帯と中年世帯が約 7 割を占める。. 済性重視型」だが、これは主に住居費軽減のため戸建. 3) 「新築持家」と「中古持家の壮年世帯」は、宅建業者. てを取得する世帯と借家として戸建てに移る世帯であ. の仲介により接道条件の良い住宅への転入が見られる. る。この場合、 中腹・山手の接道条件の悪い住宅が多く、. が、 「中古持家の中年世帯、高齢世帯」 と「借家」 は知人、. 知人や親族の仲介による転入が多くを占める。この経. 親族の仲介により中腹・山手の接道条件の悪い宅地へ. 済重視型の転入が当地区において約半数ある。現在は、. 転入する世帯が比較的多い。. 限られた世帯が、大家や地域を良く知る人物から住宅. 4) 「新築持家」は子育てのため親世帯の近くに戸建てを. の情報を聞き、他の住宅と比較することなく、そのま. 取得することが多く、 「中古持家」は借家で一定期間子. ま転入するケースが多い。この情報を地域で把握し、. 育てを行った中年世帯が、住宅の狭さ・古さを改善す. 地域の内外に解放する仕組みをつくることで、より多. るため戸建てを取得する世帯、住居費負担を軽減する. くの世帯が住宅市場にはない物件の情報を得る事がで. ために借家から戸建てを取得する世帯が多い。. き、ストックの流通が促進されると考えられる。. 5)転入先住宅の立地条件、住宅の取得方法から、転入. 6. まとめ. 世帯を「居住性重視型」 「立地性重視型」 「経済性重視型」. 本研究では、以下のことが明らかになった。. に分類できる。. 1)2003 年から 2011 年の戸建て住宅の利用変化は、. 高齢化、過疎化が進む地区の保全・再編のためには、. 期間中に空家化した戸建て住宅の 4 割強、未利用地化. 転入世帯による住宅ストックの居住更新が今後重要で. した宅地の約 1 割が再び入居している。転入居の割合. あると考えられる。今後の課題としては、知人の仲介. は、中古入居で比較すると車輛進入不可が若干高い。. による転入が一定を占める当地区において、住宅市場. 2)転入世帯は全エリアへの均等な分布がみられ、接道. にはない住宅の情報を地域の内外に解放する仕組を検. 子育てのため. 4. 立 通勤・以前の住宅の ち退きのため. 4. 2. 以前の住宅が狭いもしくは古いため 平地に移るため. 注 1)住民基本台帳による 2010 年 9 月 30 日時点の人口、世帯数及び年齢別人口の集計結果 による。また、この集計は、上本町 1,2 丁目及び山王 1 〜 4 丁目での集計であり、枝 光一区全体での集計値とは若干異なる。 2) 既往研究により対象地区を 5 エリアに区分。 謝辞 本研究に当たり枝光一区町内会長、枝光一区民生委員ならびに枝光南まちづくり協議会 の方々に多大なご協力を頂きました。ここに記して深謝いたします。 参考文献 1) まちなか斜面地の保全・再編誘導まちづくりに関する検討調査 報告書 枝光南まちづくり協議会・九州大学志賀研究室 平成 18 年度全国都市再生プロジェク ト推進調査 2) 居住収縮が進行する斜面住宅地における住宅・宅地の利用動態 その1〜その3 志賀勉・他 平成 21 年度日本建築学会大会学術講演梗概集. 7. 4 2. 討することが挙げられる。. 13. 4. 住居費負担を軽減するため. 3 4. 車庫が しかったため 欲. 7. 親世帯の近くに住むため(子育て) 親世帯の近くに住むため(介護). 2 1. 子供世帯の近くに住むため. 2. 親世帯と同居するため. 2.  親が亡くなったため(相続). 2 新築持家.  り入居 戻 0. 中古持家. 5. 借家. 山手. 世帯. 10. 居住性重視型. 15. ※転入理由については、1 世帯において複数回答としている。. 図 3. 聞き取り調査世帯の転入理由 5000 [ 千万 ]. 6 [万]. ・接道条件 : 良. ・接道条件 : 不 良. 4. 借家. 持家. 3000. 3 2. 1000. 立地性重視型 ・宅建業の仲介 による転入  ・接道条件 : 良. 中腹. 2000. 1. 20. 30. 40. 50. 土地・建物の価格 (持地の場合). 60. 70. 中腹 建物の価格 平地 (借地の場合). 80[ 歳 ]. 0 20. 30. 40. 中腹 平地. 50. 1 ヶ月の家賃. 60. 70. 平地. 80[ 歳 ]. 中腹 平地. 転入の特徴. 図 4. 土地・建物の取得額と家賃 宅建業者 の仲介. ・知人または親族の仲介 による転入 . 5. 4000. 0. 経済性重視型. ・宅建業の仲介 による転入 . 6. 1. 8. 3. 持家. 子育てのため戸建てを取得する世帯 居住性重視型. 借家. 立地性重視型 平地に移るため戸建てを取得する世帯. 相続 住居費軽減のため戸建てを取得する世帯. 同地区内. 隣接地区内. 八幡東区内. 北九州市内. 福岡県内. 経済性重視型. 福岡県外. 借家として戸建てに移る世帯. 以前の住まい場所. 図 5. 以前の住まい場所と転入先住宅の取得方法. 図 6. 転入世帯の分類とその特徴. 36-4. ・以前は借家(集合住宅)→一時取得 ・親世帯の近くに戸建てを取得することが多い(約半数) ・新築が4割弱. 前の住宅に不満を感じ戸建てを取得する世帯. 2. 親族 の仲介. 世帯層 ・壮年世帯から中年世帯. 4. 知人 の仲介. 道路. ・中年世帯から高齢世帯(夫婦) ・以前は借家(戸建てまたは集合住宅)→一時取得 ・主に高齢世帯(夫婦) ・以前は持家 ・主に中年世帯から高齢世帯 ・以前は借家(集合住宅)→一時取得 ・壮年世帯、中年世帯、高齢単身世帯.

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図 1. 調査対象地区の概要

参照

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