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第66回日本消化器外科学会総会抄録集

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RV1-1   NOTES から派生したショートタイプ軟性内視鏡を用いる

single-incision multiport laparo-endoscopic surgery

阿部 展次1

,

竹内 弘久1

,

大木亜津子1

,

青木 久恵1

,

森  俊幸1

,

杉山 政則1 1.杏林大学医学部消化器・一般外科 【背景と目的】NOTES胆摘の動物実験を経て消化管用軟性内視鏡の腹腔内手術 への有用性を確信,ショートタイプの軟性内視鏡を開発した.本発表では単孔式 腹腔鏡下手術において本軟性内視鏡観察/処置を付加するsingle-incisionmultiport laparo-endoscopic(SIMPLE)surgeryを供覧する(胆摘). 【新規軟性内視鏡】前方送水機構を有する消化管処置用シングルチャンネル軟性内視鏡 を改変,有効長60cmのショートタイプ軟性内視鏡を開発. 【対象】体重40-50kgのブタ5頭. 【SIMPLE胆摘法】SILSポート留置下で胆摘を施行.気腹後にショートタイプ軟性内視 鏡を腹腔内へ挿入,反転観察下で2本の5mmトロッカーをSILSポートに留置.胆 嚢底部牽引はミニループリトラクターを使用.Critical view of safetyを意識し,胆嚢

/動静脈pedicle周囲を軟性内視鏡経由のフック型デバイスや腹腔鏡用鉗子で剥離, 胆嚢頸部からpedicleを完全にencirculation.5mmトロッカーからクリップアプライ ヤーを挿入,pedicleを一括,あるいは胆嚢管と胆嚢動静脈を個別にクリッピングし切 離.胆嚢床からの胆嚢剥離は通常の腹腔鏡手技や軟性内視鏡経由ムコゼクトームで施行. 【結果】胆嚢頸部からpedicleのencirculationは全頭で可能.全頭で胆摘完遂,手術 時間は平均で55分(34-73分). 【結論】軟性内視鏡をショートタイプにすることによって腹腔内処置の操作性が向上し た.本軟性内視鏡を単孔式腹腔鏡下手術に使用することでフレキシブルな視野が得ら れ,洗浄や吸引,チャンネル機構は単孔式腹腔鏡下手術にpositiveな修飾を加えた.ま た,胆嚢剥離操作は単孔式腹腔鏡下手術操作よりも軟性内視鏡経由のデバイスで行った 方が容易である.SIMPLE surgeryはNOTESから派生したものであるが,NOTESと 単孔式腹腔鏡下手術のbridgeとして位置づけられ,双方の弱点を補う手術法として有 用と考えられる.

RV1-2  胆道・膵臓手術における単孔式腹腔鏡下手術の試み

岡本 辰哉1

,

黒木  保1

,

足立 智彦1

,

金高 賢悟1

,

高槻 光寿1

,

日高 匡章1

,

江口  晋 1

,

兼松 隆之1 1.長崎大学大学院移植・消化器外科学 (はじめに)単孔式腹腔鏡下手術の臨床応用は急速に進んでいる.しかし従来の腹腔鏡手術と 比較すると,制限された術創から行うため手術手技が独特であり高難度手術となる場合も多 い.我々は2009年7月より単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を導入してきた.現在では総胆管截 石術および脾温存膵尾部切除術にまで単孔式腹腔鏡下手術を応用している.今回それらの手術 手技の要点および結果について報告する. (対象)2009年7月から2010年11月までに施行した単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術は29例で あった.平均年齢は66.0歳,男女比は17対12であった.対象疾患は胆嚢結石症が26例, 胆嚢腺筋症が1例,胆嚢ポリープが2例であった.単孔式腹腔鏡下総胆管截石術,単孔式腹 腔鏡下脾温存膵尾部切除は各々1例であった. (手術手技) ①胆嚢摘出術:臍に1.5cmの縦切開をおき2トロッカー単孔式腹腔鏡下手術を行う.底部は 自作したSliding knotで把持し糸を右季弓下から体外へ誘導,その右下方より穿刺挿入した

Mini loop retractorで頸部を把持する.この糸とMini loop retractorの協調操作で術野を 展開する(マリオネット法). ②総胆管截石術:臍創にSILSポートを装着し手術を行う.鉗子類は従来のものを使用し,鉗 子操作はパラレル法で行う.総胆管切開部からの胆道鏡挿入は容易であり,胆管の縫合閉鎖は ストレスなく施行可能である. ③脾温存膵尾部切除:臍創にSILSポートを装着し手術を行う.術野を確保するためpenrose drainを利用し胃のhangingを行う.脾動静脈を膵実質より剥離し,実質切離は自動縫合器 を使用.Mini loop retractorで切離膵断端を把持することで適度なcounter tractionが得ら れ安全に手術を行うことが可能である. (結果) ①胆嚢摘出術:従来法移行例は3例で,いずれも炎症性癒着が原因であった.合併症は1例に 臍感染を認めた.手術平均時間は134.9分,平均出血量は29ml,術後平均在院日数は5.7日 であった. ②総胆管截石術:手術時間は240分,出血量は20mlであった.術後在院日数は8日で術後 合併症は認めなかった. ③脾温存膵尾部切除:手術時間は345分,出血量は20mlであった.術後在院日数は13日で 術後合併症は認めなかった. (考察)単孔式腹腔鏡下手術はその特性を理解し独自の工夫を施すことで,安全性を損なうこと なく従来法と同様の視野・手技で進行が可能であった.整容性が高い単孔式腹腔鏡下手術は, 胆道・膵臓手術においても今後更に発展していくものと考える.

RV1-3  単孔式腹腔鏡下肝部分切除術の検討

岡田 克也1

,

宮澤 光男1

,

合川 公康1

,

利光 靖子1

,

岡本 光順1

,

山口 茂樹1

,

小山  勇1 1.埼玉医科大学国際医療センター 消化器病センター 【背景】単孔式腹腔鏡下手術は,スコープや鉗子などの手術器具を1カ所の切開創から 挿入して行う術式で,整容上の利点や低侵襲性などから,胆嚢摘出術において急速に普 及しつつある.我々は,本術式の低侵襲性が肝切除に対しても優位に作用すると考えて いる.今回は,当科における単孔式腹腔鏡下肝切除術(S-LapH)の手技を供覧し,そ の安全性と有用性を検討した.【方法】2008年1月より2010年12月まで,当科で施 行した腹腔鏡下肝切除(胸腔鏡下・腹腔鏡補助下を含む)30例中S-LapHを施行した5 例を対象とした.症例の内訳は,男性4例,女性1例,平均年齢69歳(52-90),肝障 害度A;2例,B;2例,C;1例であった.疾患の内訳は,肝細胞癌3例,転移性肝癌1 例,肝内分泌腫瘍1例であった.S-LapHの適応としてとして,腫瘍が肝表面に突出 しかつ比較的腹側に位置するもの,長径が3cm以下,単発であるものとした.腫瘍径 は,平均1.7cm(0.9-3.0),局在はS3;2例,S4;1例,S5;1例,S8;1例であった.手術 は,臍部よりSILSポートを挿入し,3ポートアプローチにより行った.腫瘍位置を同 定,肝切離ラインをマーキングした.肝実質切離は低電圧バイポーラー鉗子により肝実 質をクラッシュしながら,脈管を同定し,バイクランプにより脈管をシーリング,切離 した.断面からの出血には,吸引付モノポラー低電圧凝固装置を用いた.全症例,ポー ト追加はなく,ドレーンは留置しなかった.【結果】手術時間は平均168分(141-235), 出血量は平均4ml(0-10)であった.術後疼痛管理は第3病日で終了し,その後,除痛 薬投与の必要はなかった.術後在院日数は5.6日(3-11),手術関連合併症は認められな かった.術後2週目におけるフォローアップにおいて,創部痛,腹水貯留,肝機能悪化 などの合併症はいずれの症例も認められなかった.【考察】S-LapHは鉗子同士の干渉 など操作性が問題となるが,症例によっては肝障害度B,C症例に対しても安全に肝切 除を施行でき,高度肝障害併存肝腫瘍に対する治療法の一つとなり得ると考えられた.

RV1-4  単孔式腹腔鏡下肝切除術の経験

朝隈 光弘1

,

米田 浩二1

,

宮本 好晴1

,

廣川 文鋭1

,

清水徹之介1

,

井上 義博1

,

山名 秀典1

,

林  道廣1

,

谷川 允彦1 1.大阪医科大学附属病院消化器外科 (背景)当科では53例の腹腔鏡下(補助下を含む)肝切除術を経験してきた.また, 2009年6月より手袋法を用いて単孔式腹腔鏡下手術を導入し,現在までに胆嚢摘出術 63例,胆摘+総胆管結石3例,虫垂切除術3例,結腸切除術4例,胃固定術1例, 肝切除術3例,計77例に行った.3例の単孔式肝切除の経験から,単孔式肝切除につ いて考察する.(症例)1. 41才女性,後区域に位置する,腹壁に浸潤した,75×45mm大 の腫瘍として当科に紹介された.患者を左側臥位とし,右腋窩線上臍のレベルに2.0cm の単一創で手袋法にて行った.肝切離面はほぼ平面であり,切離には主にLCSを用い た.(手術時間225分:出血量50ml)2. 63才女性,S3の転移性肝癌で,外側区域切除 を施行した.肝切離に関しては表面は主にLCSを用い,グリソンと左肝静脈の処理は 自動縫合器を用いた.(手術時間270分:出血量330ml)3. 66才男性S3の肝辺縁に位 置する転移性肝腫瘍,肝部分切除を施行した.本症例は切離面が曲面となり,LCSと ソフト凝固を用いた.(手術時間235分:出血量120ml)全例追加のポートを用いるこ となく終了した.各症例のビデオを供覧する.(考察)単孔式腹腔鏡下手術はあくまで も手術方法の一つである.特に,肝切除に関しては通常の腹腔鏡下手術も未だ標準化さ れたとは言い難く,適応拡大には慎重であるべきであると考える.我々の腹腔鏡下肝切 除術の経験から,肝切離面が平面であることが単孔式肝切除には重要であると考え,そ のような症例から開始した.症例1は腹壁浸潤を伴った後区域の放線菌症の症例であ るが,切離面が平面であること以外にも,体位による重力の利用,腹壁浸潤のため牽引 が不要であったこと,などの要因で安全に施行し得た.その経験と通常の腹腔鏡下外側 区域切除の経験をもとに症例2を施行した.外側区域切除も切離面はほぼ平面,かつ 臍部から直線的アプローチが可能であり,さらに自動縫合器を用いることで単純化可能 で今後標準化に向けて努力していきたい.一方で,症例3のごとく切離面積,切除肝 重量は小さくても,切離面が曲面となるような症例は,困難を感じた.今後,どのよう な症例に対し単孔式アプローチが可能であるか,経験を蓄積した上で適応を拡大してい くべきであると考える.

(3)

RV1-5  ニードルデバイスを用いた単孔式腹腔鏡下手術:肝臓外科領域へ

の適応拡大

田邉  稔1

,

河地 茂行1

,

板野  理1

,

篠田 昌宏1

,

和田 則仁1

,

相浦 浩一1

,

上田 政和 1

,

北川 雄光1 1.慶應義塾大学医学部外科 【背景・目的】単孔式腹腔鏡下手術(TANKO)では,使用できる器具の数や挿入方向 に制限があるため術野展開が難しく,また器具同士の干渉も問題となる.細径のニード ルデバイスは傷跡を残さず腹壁の任意の部位から穿刺可能であり,TANKOの弱点を 克服するために極めて有用である.われわれは,各種ニードルデバイスをTANKOに 導入し,肝臓外科領域の手術へ適応拡大を行ったので報告する.【体内組立式ニードル リトラクター】教室で考案した体内組立型ニードルリトラクターは,13ゲージで傷跡 を残さず腹壁の任意の場所から穿刺可能,オリジナル綿球をSILS portから挿入し, ニードルの先端に強固に固定して組み立てる.助手が同器具を操作することで,肝臓の 脱転,胆嚢や十二指腸の圧排・牽引,肝門脈管の微細な圧排・展開など,多種多様な手 術操作が可能になる.術者は切離・剥離や止血操作に専念することで,より複雑な手技 を行うことが出来る様になった.これまで肝十二指腸靱帯内の神経鞘腫切除(1例),肝 切除(6例)に同器具を用いたTANKOを施行した.肝十二指腸靱帯内の神経鞘腫切 除では,腫瘍が胆管,肝動脈,門脈に密着していたが,ニードルリトラクターにより微 細な術野展開,剥離を行うことが出来た.肝切除術では,ニードルリトラクターにより 肝切離面を的確な位置に移動して展開,超音波吸引装置とバイポーラー止血,自動縫合 器を用いて肝切離を行い,通常の腹腔鏡下肝切除と比べて同等の手技を行うことが可能 になった. 【肝癌アブレーション】腫瘍焼灼のための針状プローブ(ラジオ波,マイク ロ波)は,臍とは別の腫瘍焼灼に最適な部位から傷跡を残さずに穿刺することが出来 る.これをTANKO手術に用いれば,肝臓の深部,背側,上葉(S7,8)など,通常の 腹腔鏡下手術では困難な部位の腫瘍でも治療が可能になる.本術式の適応は,体外超音 波で描出不良な腫瘍(経皮穿刺困難),消化管に隣接した肝下面表在性腫瘍(消化管熱傷 の危険性),肝表面に存在する腫瘍(直接穿刺による播種の危険性)などである.これま で6例の肝細胞癌症例に本術式を施行し,局所根治が得られた. 【結語】全例が合併 症無く術後短期で退院可能であった.ニードルデバイスの工夫により,TANKO手術 の肝臓外科領域への適応拡大が可能となった.

RV2-1  新型マルチチャンネルポートと針状鉗子を使用した単孔式内視

鏡手術

金平 永二1

,

陳  孟鳳1

,

宮内 邦浩1

,

塩澤 邦久1

,

栗田  淳1

,

亀井  文1

,

上野聡一郎 1 1.上尾中央総合病院外科 筆者らは単孔式手術用4チャンネルポートおよび2ミリ径の把持鉗子を開発し,積極 的に単孔式内視鏡下手術に使用している.今回はそれぞれの器具を紹介し,ビデオにて 手技を示す.【ポートの開発】フラップ式小開創器の蓋にバルブ付きスリーブを4本設 置し,単孔式内視鏡手術用に改良した.チャンネルを4か所に設け,メインチャンネ ルの中心間距離は29mmを確保できた.住友ベークライト社と共同開発.【針状鉗子 の開発】鋼精製過程で剛性を強める工夫を行い,しなりの少ない2ミリの把持鉗子を 開発した.ニチオン社と共同開発.【臨床手術成績】新型マルチチャンネルポートと針 状把持鉗子を使用した単孔式内視鏡手術を15例に行った.内訳は胆嚢摘除12例,胃 局所切除3例であった.当科では以前から針状把持鉗子補助による単孔式内視鏡下手

術-POP(plus one puncture)を行っているため,このシリーズでも踏襲した.全症例

で2ないし2.5cmの臍部縦切開にて新型マルチチャンネルポートの挿入が可能であっ た.頭側のチャンネル2か所から5mmポートを挿入し,送気,排煙,および器具と 腹壁の摩擦軽減目的で使用した.ほかに使用した主な器具は,湾曲把持鉗子と50cm 長の30度硬性斜視鏡である.胆嚢摘除では平均手術時間71分で,全症例を単孔式で 完遂した.胃切除では12mm対応チャンネルから自動縫合器の使用が可能であった. 4チャンネルポートに関しては,初期症例でバルブ破損が発生したためバルブの材質と 形状を改良した.スリーブからの汎用クリップの挿入にやや難点が見られた.従来の市 販ポートに比べ,器具の干渉が少なく,手術の安全性と迅速性向上に寄与する可能性が うかがわれた.2ミリ針状把持鉗子に関しては,剛性は十分と考えられ,止血のための 血管把持や,臓器展開,臓器牽引,糸結びなどに使用できた.いわゆるTanko-POPに おける有力な器具となると考えられた.

RV2-2  単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術における三点支持のための 4 ポート

手技の工夫

吉野 健史1

,

小林  晶1

,

横山 大受1

,

神頭  聡1

,

坂元 克考1

,

小西小百合1

,

濱洲 晋哉1

,

上原 正弘1

,

西躰 隆太1

,

間中  大 1 1.京都桂病院消化器センター・外科 腹腔鏡下胆嚢摘出術は,近年更なる低侵襲化を目指して単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術(以 下TANKO-C)が導入され,広まりつつある.ただ,手技の煩雑性,新しい器材の導 入が必要であるなどの理由から,依然として手技の定型化には至っておらず,まだま だ改良の余地があるのが現状である.当院でも2009年6月にTANKO-Cを導入し, 術者のストレスが少なく,かつ安全に手術可能になるように工夫をしてきた.従来の TANKO-Cは,臍から3ポートを挿入し,エンドループなどで胆嚢を吊り上げたり, 鈎による肝臓の圧排などにより,視野確保の方法をとっていたが,視野展開,操作性に 関しては十分満足できるものとは言い難い.これを解決する方法として,操作用鉗子を 1本追加することで,最適な三点支持を常に確保することを考え,単孔からの4ポート 手術を施行している.また,ワイヤー鉗子を挿入する創を無くすことで,真のsingle incisionとなり,さらなる低侵襲化につながると考えた.以上を踏まえた上で,現在は 臍部に2.5cmの切開をおき,ラッププロテクターで創縁を保護し,グローブポートよ り4本のポート(操作用3本,5mmフレキシブルカメラ用1本)を留置して,手術 を行なうようにしている.ラッププロテクター,グローブポートを用いることにより, 腹腔内の気密性を維持し,また状況に応じて5mmポートから12mmポートへの変更 も容易に可能である.臍部より3本の操作用ポートを留置することで,常に切開部に 三点支持が可能となり,必要に応じた視野展開ができ,テンションをかけやすく,良好 な視野のもと安全に手術を行えている.鉗子同士の干渉を緩和するために,胆嚢底部の 吊り上げ用に1本のロティキュレーター鉗子を用いることにより広い作業空間を確保 し,術者の操作用鉗子は既存の手術器具を用い,従来の手技に近い手術が可能であり, コスト面,安全面からも利点が多いと考える.本術式により,多少の手術時間の延長が みられたものの,安全に施行可能であり,美容上も優れた手技といえる.単孔部の作成 を含め,その実手技を供覧する.

RV2-3  後期臨床研修医に対する単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術の教育と術

者経験

西野 拓磨1

,

飯田  敦1

,

森川 充洋1

,

小練 研司1

,

永野 秀樹1

,

村上  真1

,

廣野 靖夫1

,

五井 孝憲1

,

片山 寛次1

,

山口 明夫 1 1.福井大学医学部附属病院消化器外科 【はじめに】単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術<以下SPS Lap-C>が導入され,後期臨床研 修医に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術<以下Lap-C>の術者への適応が問題となっている. 我々の適応と経験を報告する.【適応】SPS Lap-Cを含め,各種腹腔鏡下手術のスコピ スト経験,Lap-C術者経験,さらに手術手技勉強会やシュミレータートレーニングで の操作を考慮し,解剖認識,手術手技理解,鉗子操作の的確さ,さらに手術手技習得 意欲を考慮し指導医が判断.【方法】臍内下半12mm切開によるSPS Lap-C.スコピ ストは初期あるいは後期臨床研修医.指導医は対面し常に両手でアシストできる状態. 【結果】指導医の下,若手の教官<消化器外科学会専門医>に続き,後期研修医の中にも 安全に手術を完遂できる医師を養成できた.手術時間113-122min,出血量0gと若手 教官<124-128min>と有意差なし.演者<後期研修医1年目>の動画を供覧する.【考 察】外科学会,消化器外科学会の専門医制度に従ったカリキュラムの中で手術指導を行 ない,術者を養成している.手術技術の変遷にも関わらず,手術手技教育は先達から受 け継がれた方法が基本である.段階的に個人に合った指導を行なうことで,安全に高度 な技術を患者に提供できる外科医を養成できるものと考える.【結語】手術手技が高度 化,複雑化する中でも,段階を踏んで指導医の判断,指導の下に従来どおり手術手技教 育が安全に行なえている.

(4)

RV2-4  単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術の検討

小林  隆1

,

蛭川 浩史1

,

添野 真嗣1

,

内藤 哲也1

,

松岡 弘泰1

,

多田 哲也1

,

畠山 勝義 2 1.立川綜合病院消化器センター外科, 2.新潟大学大学院消化器・一般外科学分野 【目的】2009年8月より単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を導入し,2010年11月まで40 例に施行した.当科の手技,並びに成績を報告する. 【適応】当初は,炎症が軽度までの胆嚢結石症,もしくは無症候性の胆石症,胆嚢良性 腫瘍を適応とした.20例目からはPTGBD後の症例についても適応とした. 【手術手技】体位は開脚位とし,術者が患者の左側,助手兼スコピストが股間に位置. 皮膚切開は約2.5cmの臍部縦切開で行った.第1例目から第9例目までは皮下を広 く剥離し,単一創から3本の5mmポートを挿入した.更にlong typeのループリト ラクターを臍部の創から,もしくは右季肋下からミニループリトラクターを挿入し胆嚢 底部を把持し牽引した.基本的に従来の腹腔鏡下胆嚢摘出用の鉗子を用いたが,症例に よってはロティキュレーター鉗子を使用した.カメラは5mmのフレキシブルスコー プ使用.胆嚢剥離は従来通りフック型電気メス,ソノサージもしくはハーモニックス カルペルを使用した.従来法と同様にCritical view of safetyを得ることを心がけた. 摘出胆嚢はバックで回収した.また,10例目からはSILS Port™ (COVIDIEN)を臍 部に使用し,右季肋下からミニループリトラクターを追加して使用している.最近では long typeの電気メス,ソノサージを導入した.これにより手元での干渉が減り,操作 性が格段に向上した. 【症例と結果】2009年8月より2010年11月までの40例の内訳は胆石症38例(症 候性36例,無症候性2例),胆嚢ポリープ2例(2例ともコレステロールポリープ). 男性:19例,女性21例.平均年齢63歳.平均手術時間125分.平均出血量35ml. 単孔式で完遂した症例は36例(90%),1ポート追加した症例は3例,開腹移行は1 例であった.ポートを追加した理由は炎症が高度で胆嚢,胆嚢管を損傷した症例が1 例ずつ,鉗子が届かず追加した症例が1例であった.開腹移行例は出血による止血困 難症例で開腹して止血した症例であった.ドレーン留置は6例に行った.術後合併症 は1例で皮下膿瘍を認めるのみであった.術後平均在院期間3.9日. 【まとめ】当科において単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を40例経験した.従来の4ポート による腹腔鏡下胆嚢摘出術と比較して,基本的には同様の手技で手術が可能であった. しかし,高度炎症例の1例で出血による開腹移行症例を経験した.今後症例を重ね, 適応,安全性,成績についてさらなる検討が必要と考えられた.

RV2-5  腹腔鏡下胆嚢摘出術∼4 孔式 VS 単孔式∼

浅野 之夫1

,

堀口 明彦1

,

石原  慎1

,

伊東 昌広1

,

古澤 浩一1

,

津田 一樹1

,

伊藤良太郎 1

,

山田 智洋1

,

宮川 秀一1 1.藤田保健衛生大学病院胆膵外科 <はじめに>良性胆嚢病変には腹腔鏡下胆嚢摘出術(LaparoscopicCholecystectomy

以下Lap-Cと略す)がGolden Standardな術式である.しかし,最近では医療機器

の進歩に伴い,単一の創より手術を行う単孔式鏡視下胆嚢摘出術(以下TANKO-LC と略す)が導入され,適応が拡がりつつある.当科でも2009年6月よりTANKO-LC を導入し症例を重ねてきている.そこで,これまでに施行したTANKO-LCについ て同時期に行ったLap-Cと比較しその安全性について比較検討した.<対象>当科 にて2009年6月から2010年12月までに施行したTANKO-LC 73例とLap-C 67例を対象とした.<結果>疾患は全例胆石症で,平均年齢はTANKO-LCが55.2 歳,Lap-Cが52.3歳であった.男女比は36:41と33:34であった.平均手術時間は 119.5分と99.2分であった.平均出血量は3.9gと6.3gであった.平均在院日数は 4.0日と4.7日であった.術中偶発症,術後合併症はともに認めなかった.<考察> TANKO-LCはLap-Cに比べ,整容性には長けるものの,鉗子同士の干渉や奥行きの 把握が困難などの欠点がある.教室での検討結果でも,手術時間の延長が認められた. しかし,出血量や残院日数はLap-Cとほぼ同等であった.症例を積み重ね,腹腔内外 での鉗子やカメラの位置関係を理解し,TANKO-LCの特性をより把握すれば,手術時 間の短縮も十分に可能と思われる.TANKO-LCはLap-Cとほぼ同等に安全性を確保 できると考えられた.

RV2-6  当科における単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術 (SILS) の従来法との比

較と今後の課題

矢野 智之1

,

山田 秀久1 1.清田病院外科 【目的】臍部単一創で行う単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術(SILS)は整容性に優れ, 現在第 一選択術式である腹腔鏡下胆嚢摘出術(従来法)にとってかわる可能性を有している. 一方で,鉗子同士あるいは鉗子と内視鏡の干渉,手術視野の立体的構築の困難性など SILS特有の問題点が挙げられる.当科での手術方法を供覧するとともに,2007.7月か ら従来法で施行した群(LC群)と2009.10月の単孔式導入以降のSILS群(S群)で 手術時間, 出血量, 術後在院日数,合併症について比較, 検討し今後の課題について 言及する.【手術方法】当科でのSILSは現時点では5mm軟性鏡およびSILSポート を用いて施行している.フック型電気メスを用いて胆嚢下面より剥離を開始し,次いで 胆嚢前面の剥離を行いcritical viewを確認し,胆嚢管および胆嚢動脈に5mmクリッ プをかけて切断している.セミクロス法とパラレル法を状況に応じて使い分け,動脈は 超音波凝固装置で処理することもある.胆嚢が腫大した症例やcritical viewの確認が 困難な症例では肝床部の先行剥離を行っている.【対象】従来法は75例で, 大腸癌等, 同時手術で重複切除した3症例は今回の検討から除外し72例で検討した.SILSは63 例(重複で1例除外).平均年齢はLC,S群の順に59.9,59.5歳.性別は男/女の順で それぞれ37/35,31/31であった.手術時間は72.6分,95.5分.出血は10g,15.3g. 術後平均在院日数は6.3日,5.9日であった. LC群では術前PTGBD,PTGBA症例 を各5,7例認め,S群では各3,2例認めた.開腹移行はLC群で1例認めた.術 後合併症はLC群で肺炎, 創し開, 術後副腎機能低下, 瘢痕ヘルニア,ST-T変化 (spasm)を各1例認めた. S群では創感染1例とヘルニア1例を認めた.【結語】単 孔式手術は従来法と比較して手術時間を要しているものの出血, 在院日数は有意差な く経過していた.炎症の乏しい症例では単創にこだわりながら十分に標準化が可能と考 えられるが,PTGBA,PTGBD症例を含む炎症の強い症例では手術時間が著明に延長 する傾向にあり,追加deviceの使用などを含めて再検討が必要と考えられた.

RV3-1  単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術―スポンジチューブ法・イージーア

クセス法

山本 純也1

,

二又 泰彦1

,

中島 啓輔1

,

中村 吉孝1

,

佐田 正之 2 1.福岡輝栄会病院外科, 2.佐田厚生会佐田病院外科 【はじめに】単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を300例 に試み,292例(97.3%)に施行しえた.とても整容 的で創部痛も少なく術後経過も良好であるが,症 例を重ねるたびに,Critical view(胆嚢管・胆嚢動 脈)やSafe dissection triangle(Rouviere溝・右 肝管・総肝管・総胆管・胆嚢管)の重要性を実感し ている.われわれが行っている2つの手術法(ス ポンジチューブ法とイージーアクセス法)の手術手 技・手術成績について述べる. 【方法】スポンジチューブ法は,臍部に1.5cmの縦切開を加え,創にスポンジチューブ を3本挿入し,それぞれに5mmトロッカーを3本挿入する.内視鏡はロングスコー プ(斜視30°,直径5.5cm,長さ50cm)を使用している.助手は右季肋部にニードル型 補助器具(ミニループリトラクターII,ミニラップ)を挿入し胆嚢底部を把持する.術 者は右手に先端屈曲型把持鉗子,左手に電極付洗浄・吸引器を用いて通常とは逆手で操 作を行う. イージーアクセス法は,補助器具を用いない臍部創のみの手術方法である.臍部創は 2cmとし,イージーアクセス(ハッコ―社)を用いて5mmイージートロッカーを4 本挿入する.ロングスコープを挿入し腹腔内を観察し,助手は43cmのロング把持鉗子 にて胆嚢底部を把持する.術者はスポンジチューブ法に準ずる. 【まとめ】単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術は,自分に合った手術器具を用いて,自分がしや すい手術法で行えば良いと考える.安全に手術を完遂させることが第一であり,できる だけ胆嚢壁寄りに剥離を進め,可能な限りCritical viewやSafe dissection triangle

(5)

RV3-2  順行性胆嚢剥離で可能になった"単孔式"腹腔鏡下胆嚢摘出術

松本 哲平1

,

豊田 秀一 1

,

石川 奈美1

,

楠本 正博1

,

土居布加志1 1.互恵会 大阪回生病院外科 単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術は高い整容性により2009年以降急速に普及している術式で ある.しかしながら現状としてはミニループリトラクター™や2mm鉗子など臍切 開部以外に皮膚切開を置き,胆嚢を把持するデバイスを使用する【Reduced Incision surgery】が主流であり純粋な【単孔式】手術とは言いがたい.もちろん安全に手術を 行うために必要であれば【単孔式】にこだわるべきではなく,実際当院でも導入当初は ミニループリトラクターを使用していた.しかし順行性胆嚢剥離【Dome-Down Technique】を導入後その手技に習熟し,かつ使用するデバイスを工夫することで臍部 からの3ポートのみで手術時間の延長なく安全に手術を行うことが可能となったため 実際の手術手技とその成績について供覧する. 当院では2009年4月より単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を導入し2010年11月まで20 例に施行してきた.導入当初は通常の腹腔鏡下手術と同様にCritical Viewをだし胆嚢 管,胆嚢動脈の切離を先行して行っていたが,単孔式腹腔鏡手術における鉗子の自由度 の制限という欠点を考慮し,3例目より順行性胆嚢剥離【Dome-Down Technique】を 導入した.術者はCross over techniqueを基本とし,術者右手が胆嚢底部を把持し画 面左手前に牽引し,左手が右手前から左奥の方向に向かって順行性剥離を連続させてい く.この操作によって把持鉗子が術野から離れる方向に胆嚢を牽引し剥離鉗子は進行方 向に沿った剥離が行えるためカメラ,鉗子間の干渉を最小限とすることが可能となる. また50cm長の30度硬性鏡を使用し,カメラが術者鉗子の右側から覗きこむ術野を 維持することで体内外の干渉をほぼなくすことが可能になった.これらの手技を定型 化することで手術時間は平均70分と通常の腹腔鏡下胆嚢摘出術と比較して差がなく, Critical Viewを確認できる安全な手術を行うことが可能となった.

RV3-3  当院の EZ アクセス・ポートを用いた単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術

高木  剛1

,

中瀬 有遠 1

,

福本 兼久1

,

宮垣 拓也1 1.西陣病院外科 単孔式腹腔鏡下手術は,マルチチャンネルポート法ないしマルチトロッカー法にて行わ れているが,当院は「八光」と共同開発したEZアクセス(2010年10月に薬事申請・ 承認済)を用いたEZアクセス・ポートによるマルチチャンネルポート法で2010年4 月から単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を定型化して行っている.その手法の有用性をビデオ にて供覧する. 方法は,臍縦2cm切開後にラッププロテクターミニ(八光)を創部に留置し,それに当 院開発のEZアクセスを装着する.EZアクセスに5mmトロッカーを3本穿刺して単 孔式腹腔鏡下手術を行う.鉗子は従来の腹腔鏡下手術で使用する再滅菌可能なストレー ト鉗子を用い,カメラは5mmのフレキシブルビデオスコープ(オリンパス社)を用い ている. 手術手順は,従来のラパコレと同様にCritical viewの露出を行い,胆嚢動脈や胆嚢 管は従来のラパコレで用いるクリップやエネルギーデバイスなどを使用して切離した. 胆嚢炎後の癒着症例や胆嚢管が肥厚し剥離・切離困難症例でも,5mmトロッカーを 12mmに変更して剥離やサイズの大きなクリップなどを用いて安全に処理した.胆嚢 の摘出は,壁損傷を認めなければ,回収袋などを用いずに直接創部から摘出することが 可能である. 単孔式腹腔鏡下手術の場合,トロッカー間の距離に制限があるため,ある程度の両手元 の干渉は回避できない.しかし,マルチチャンネルポート法での本手技は,両手元の干 渉は少なくこれまでに行ってきたマルチチャンネルポート法での手技よりストレス軽減 を図ることができた.

RV3-4  単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術に有用な手術手技

中原 雅浩1

,

福田 敏勝1

,

田中 飛鳥1

,

濵岡 道則1

,

田口 和浩1

,

高橋  元1

,

倉西 文仁1

,

則行 敏生1

,

住谷 大輔1

,

山木  実 1 1.広島県厚生連尾道総合病院外科 [はじめに]整容性の面で優れた単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術は視野が不十分であり,操 作鉗子の自由度が少ないために従来の腹腔鏡下胆嚢摘出術に比べると難易度は高いと思 われる.そこで,この手術をより容易にかつ安全に行うために我々が行っている手術手 技をビデオで紹介する.また,今まで経験した140症例の臨床病理学的特徴,手術時 間,出血量,合併症の有無を検討した.また専修医の行った27症例に対しても同様の 検討を行い,その手術手技の有用性を確認した. [手術手技]1)アプローチはマルチ・トロカール法.2)胆嚢の把持はミニループリトラ クターTMを使用.3)実際の手術手順を以下に示す.最初に胆嚢右側の体部から底部 での胆嚢と肝との剥離を開始,これを可及的に行い胆嚢をなるだけ肝床部から剥離す る.続いて胆嚢左側の剥離を行う.これにより頸部が十分牽引されてくる.そのためク リティカル・ビューが十分確保され,安全に胆嚢管,胆嚢動脈の処理が行える.[結果] 症例は140例.平均年齢は62歳,内訳は男性61例,女性79例.単孔式の完遂症例 は132例(94%)であり,非完遂例のうち3例は急性胆嚢炎症例であった.平均手術 時間120分,出血量(中央値)10gで,従来の4孔式の121分,26gと比較しても有 意差はなかった.術後合併症は臍感染を2例,胆汁漏を1例認めた.また,同様の手 技で現在まで専修医が27例単孔式胆嚢摘出術を行ったが,手術時間,出血量に著変な く安全に手術が完遂された.[考察]我々の行っている手術手技で,単孔式胆嚢摘出術 の難易度は下がっていると思われる.今後,更なる有用な手術器具の出現により,単孔 式胆嚢摘出術が胆石症に対するはスタンダードの術式になると考える.

RV3-5  単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術におけるバイポーラ鉗子の使用法

亀山 哲章1

,

冨田 眞人1

,

三橋 宏章1

,

松本 伸明1

,

大渕  徹1

,

香月 優亮1 1.国際親善総合病院 外科 単孔式腹腔鏡手術において,日本では胆嚢摘出術が最も多く行われている術式である が,当院では,平成21年5月より単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術(TANKO-C)を導入 し,12月10日までに113例を経験している.同時期に行われた腹腔鏡下胆嚢摘出術 (LAP-C)はほぼ同数であり,TANKO-Cの比率は約50%であった. 現在では,術者によっては明らかな胆嚢癌を除くすべての胆嚢摘出術をTANKO-Cの 適応としており,腹部手術既往は適応除外とはしていない(胃癌術後症例2例,回腸導 管術後1例).また術者別では,日本内視鏡外科学会技術認定医が86%,他の外科医が 10%,後期レジデントが4%であった.技術認定医以外は症例を選んで行っており,そ の際は技術認定医が助手として指導している. 当院ではpure TANKO-C(93%)を基本とし,術中の状況により,適宜ミニループリト ラクターを使用している.技術的な特徴としては,メリーランド型バイポーラ鉗子を多 用することであり,これにより把持・剥離・凝固・切開が1本で可能となるため,結 果として鉗子の入れ替え頻度を極めて少なくすることが可能となる.バイポーラ鉗子に よる切開を使用している術者は少ないが,腹腔鏡手術,特に単孔式腹腔鏡手術において は,非常に有用であり,これを用いることにより鉗子の入れ替え頻度を少なくすること が出来る. ポートから目的臓器までの間がLAP-Cに比べ観察困難であるTANKO-Cでは,鉗子 の入れ替え頻度を減らすことがブラインド部分での鉗子による臓器損傷を防ぐ最良の方 法だと思われる. 単孔式腹腔鏡手術を安全に行うには,ブラインド部分での臓器損傷を未然に防ぐ必要が あり,バイポーラ鉗子を用いた手技が適していると考えており,手術ビデオを供覧し, TANKO-Cにおけるメリーランド型バイポーラ鉗子の使用法を提示する.

(6)

RV4-1  当科における結腸癌に対する腹腔鏡下手術の適応

中西 正芳1

,

國場 幸均1

,

村山 康利1

,

栗生 宜明1

,

市川 大輔1

,

藤原  斉1

,

岡本 和真 1

,

落合登志哉1

,

園山 輝久1

,

 英吾1 1.京都府立医科大学医学部消化器外科学部門 当科では2007年6月より腹腔鏡下手術の適応を拡大し,RS領域を含む結腸癌に対し てはSE N2までを対象としている.さらに一部のSI症例,bulky tumorも腹腔鏡下 手術の適応に含め,開腹既往のある症例についても婦人科手術や虫垂切除は全例適応と し,癌に対する根治術後の症例も原則として適応としている. 2007年6月から2010年5月までに腹腔鏡下に切除した結腸癌症例は291例であっ た.占拠部位は虫垂5例,盲腸27例,上行結腸48例,横行結腸26例,下行結腸14 例,S状結腸116例,RS 55例であった.病理学的進行度はstage 0: 24例, Ⅰ: 82 例, Ⅱ: 85例, Ⅲa: 48例, Ⅲb: 23例, Ⅳ: 29例,病理学的根治度はA: 261例, B: 2例,C: 28例であった. 平均観察期間は603.0±310.1日とまだ短期であるが,再発症例はstage 0: 0例(0%), Ⅰ: 3例(3.6%), Ⅱ: 7例(8.2%), Ⅲa: 8例(16.6%), Ⅲb: 10例(43.5%)であっ た.原病死症例は16例(5.5%),その病理進行度別内訳はstageⅠ: 1例(1.2%), Ⅱ: 0例(0%), Ⅲa: 4例(8.3%), Ⅲb: 3例(13.0%), Ⅳ: 8例(27.6%)であった. またこの間に開腹コンバートとなった症例は13例(4.4%)であり,その理由は他臓器 浸潤が7例,癒着が4例,腹膜播種と出血が各1例であった.開腹既往例や他臓器浸 潤を疑う症例も適応としているため,腹腔鏡で腹腔内を観察した上で開腹にコンバート する症例が大半であった. 当科における手術適応は再発率や生存率から根治性の面で妥当であると考えられるが, さらに長期成績の検討が必要である.他臓器浸潤例や開腹既往例については腹腔鏡下で 観察してコンバートするか決定している.軽度の腹壁浸潤や小腸浸潤は腹腔鏡下手術の 適応となりうるが,高度の膀胱浸潤や尿管浸潤など根治性や安全性が損なわれる可能性 がある症例では積極的にコンバートを考慮するようにしている.進行癌では原発巣や腫 大したリンパ節を鉗子で把持しないように愛護的な操作を行うことが重要であり,愛護 的な操作で切除が困難な症例では積極的に開腹へのコンバートを考慮すべきである.特 に中間リンパ節に腫大を認める症例では注意が必要である. 当科において腹腔鏡下に施行しえた症例,開腹にコンバートした症例のビデオを供覧 し,どの程度までの癒着や他臓器浸潤が腹腔鏡下手術の対象になるかについて検討 する.

RV4-2  結腸癌の腹腔鏡下手術の適応の現状について

山本  稔1

,

早川 哲史1

,

田中 守嗣1

,

牛込  創1

,

小森 徹也1

,

齊藤 健太1

,

佐藤 崇文 1

,

野澤 雅之1

,

宮井 博隆1

,

清水 保延1 1.豊田会刈谷豊田総合病院外科 【緒言】結腸癌における腹腔鏡手術は定型化が進みその有用性より適応が拡大され,進 行癌にもついても積極的に導入されつつある.当院においても結腸癌に対して十分なイ ンフォームドコンセントの下,積極的に腹腔鏡手術を適応している.そこで当院のおけ る腹腔鏡手術の適応率の現状について部位別にRetrospectiveに検討した.また,部位 別ごとの定型化についてビデオにて供覧する. 【対象】2007年1月から2010年10月までに当院にて結腸癌(直腸RS癌も含む)に て手術を施行した402例を対象とした. 【結果】402例中腹腔鏡下手術を施行した症例は290例(72.1%)であった.部位別で は盲腸癌33例中23例(69.7%),上行結腸癌97例中68例(70.1%),横行結腸47 例中27例(57.4%),下行結腸癌32例中20例(62.5%),S状結腸癌115例中80例 (69.6%),直腸RS癌69例中62例(89.9%),虫垂癌2例中2例(100%),その他(複 数部位など)11例中8例(72.7%)であり,直腸RS癌が高率で横行結腸において腹腔 鏡下手術の適応が低率であった.しかし,年次別の推移でみると横行結腸癌についても 腹腔鏡手術は2007年13例中7例(53.8%),2008年23例中11例(47.8%),2009 年11例中9例(81.8%)と適応率は変移していた. StageⅢ以上の進行癌に対する腹腔鏡の適応は65.4%で部位別では盲腸癌87.5%,上 行結腸癌54.8%,横行結腸27.8%,下行結腸癌69.2%,S状結腸癌68.9%,直腸RS 癌92.6%であった. 【考察】術式としては,5孔式で内側アプローチを基本とし,層構造を保持したアプロー チなどを定型化して導入することで適応を拡大している.部位別の定型化として,回盲 部切除,横行結腸切除,直腸高位前方切除術を中心にビデオにて報告する.

RV4-3  当科における腹腔鏡補助下結腸切除術の適応の妥当性に関する

検討

古畑 智久1

,

沖田 憲司1

,

西舘 敏彦1

,

山口 洋志1

,

信岡 隆幸1

,

目黒  誠1

,

木村 康利1

,

水口  徹1

,

佐々木一晃1

,

平田 公一 1 1.札幌医科大学医学部外科学第一講座 【目的】腹腔鏡補助下結腸切除術の適応は,術前診断でT4,N3以外の全ての症例を腹 腔鏡補助下結腸切除術の適応としている.この適応にて術式を決定した期間における, 腹腔鏡下手術施行率と術後合併症発生率から適応の妥当性について検討することを目的 とした.【対象と方法】2006年1月∼2010年9月に当科において施行された結腸癌 手術227例を対象とした.病期別,深達度別,リンパ節転移別,部位別の腹腔鏡下手術 施行率,手術時間,術中出血量,郭清リンパ節個数から現状を把握し,術後合併症につ いては,縫合不全,術後腸閉塞,創感染発生率について検討した.【手術手技】手術は, 基本的には4ポートで行い,腸管の授動は内側アプローチ,再建はV∼Sは機能的 端々吻合,S∼RSはDSTで行っている.最近,早期癌症例に関しては,単孔式内視 鏡手術を導入している.【結果】腹腔鏡下手術は,192例85.9%に施行されおり,開腹 手術への移行は2例1.0%であった.病期別では,0: 100%,1: 92.9%,2: 81.7%,3: 87.7%,4: 65.7%,深達度別では,M: 100%,SM: 100%,MP: 92%,SS: 87.6%,SE: 69.2%,SI: 50%,リンパ節転移別では,N0: 86.4%,N1: 86.6%,N2: 61.1%,部位別 では,V: 71.4%,C: 88.9%,A: 68.2%,T: 76%,D: 77.8%,S: 87.8%,RS: 83.3%で あった.平均手術時間は,開腹下(Op)361分,腔鏡下(LAC)238.3分であり,平均術 中出血量は,Op: 780ml,LAC: 119.4mlであった.郭清リンパ節個数は,Op: 20.5,

LAC: 12.6であった.縫合不全は,Op: 5.7%,LAC: 0.5%,創感染は,Op: 5.7%,

LAC: 3.6%,術後腸閉塞は,Op: 5.7%,LAC: 2.1%であった.【考察】Opでは,より

進行した結腸癌症例が選択されており,そのため手術時間が長く,出血量が多くなって おり,さらに術後合併症発生率も高くなっているものと考えられた.【結語】我々の施 設において定めた腹腔鏡補助下結腸切除術の適応基準は,少なくとも短期予後について は良好なことから,妥当であるものと考えられた.

RV4-4  当院における腹腔鏡下結腸癌手術の適応と手術成績・長期予後

松村 直樹1

,

徳村 弘実1

,

松村  勝1

,

安本 明浩1

,

武藤 満完1

,

野村 良平1

,

西條 文人1

,

武者 宏昭1

,

高橋 賢一2

,

舟山 裕士 2 1.東北労災病院外科・内視鏡下手術センター, 2.東北労災病院 外科・大腸肛門病セ ンター 当院では,1992年12月より腹腔鏡下大腸癌手術を開始した.開始当初は,早期大腸癌 に適応を限っていたが,徐々にStage I,D2郭清に拡大し,2000年以降は進行癌に適 応拡大しMP以深の症例に対しては原則的にD3郭清を行っている.結腸癌に対する 腹腔鏡下手術の適応除外は6cm超の巨大腫瘍,腸閉塞合併例,多臓器浸潤例,遠隔転 移例,郭清時切離する血管根部のリンパ節転移例としている.腹腔鏡下結腸癌手術の術 者の条件として,開腹大腸癌手術術者30例以上,腹腔鏡下胆嚢摘出術術者50例以上, 腹腔鏡下大腸癌手術助手30例以上とし,最初はD1∼2の適応症例を行い,習熟度に 合わせてD3郭清を経験する.これまでの腹腔鏡下結腸癌手術症例は,盲腸癌55例, 上行結腸癌107例,横行結腸癌63例,下行結腸癌21例,S状結腸癌182例,直腸

S状部癌47例で合計476例であった.Stage別では,Stage 0:35例,Stage I:200例,

Stage II:121例,Stage IIIa:84例,Stage IIIb:30例,Stage IV:16例であった.平均手 術時間は右側結腸:231分,横行結腸:267分,下行結腸:275分S状結腸:232分,直腸 S状部:242分であった.手術手技の定型化と手技の習熟により,最近の手術時間は右側 結腸: 189.9分,横行結腸: 234分,S状結腸:199分,直腸S状部:213分と短縮化の傾 向が見られた.開腹移行は11例(2.3%)に認めた.開腹移行の理由として,癒着,多臓 器浸潤(卵巣)・リンパ節多発転移判明例,肥満による術野展開の困難,出血(クリッ プの脱落),尿管損傷であった.出血,尿管損傷例は,術者の経験数が少ないlearning curveの時期に発生していた.縫合不全例は6例(1.2%)であった.手術手技の定型化 のポイントは,術者は当然として,助手の鉗子(持ち位置,牽引の方向),スコープの距 離や斜視鏡の角度に至るそれぞれの役割とピットフォールの詳細をマニュアル化して周 知していることである.Power Pointでマニュアルを作成し,動画をハイパーリンクさ せることでわかりやすくしている.今回,マニュアルとしている手技のコツを提示する とともに,手術成績と予後を短中期の術後5年以内の209例,術後5年経過の267 症例を検討し,Stage別の予後を提示する.

(7)

RV4-5  高度進行大腸癌に対する腹腔鏡補助下手術の適応

渡邊 雄介1

,

奥村 幹夫1

,

真鍋 達也1

,

当間 宏樹1

,

植木  隆1

,

清水 周次1

,

田中 雅夫 1 1.九州大学病院第1外科 近年,腹腔鏡補助下大腸切除術は低侵襲手術として一般的な普及に至っている.術後の 疼痛軽減・整容性から拡大視効果による精緻な手術手技,良好な視野の確保・共有がメ リットとして挙げられている.当科では,1993年から腹腔鏡補助下大腸癌手術を開始 し,現在では全大腸癌手術症例の内90%以上に対して腹腔鏡補助下手術を行ってお り,2010年8月までに計498例に施行した.腫瘍の占居部位は盲腸癌10%,上行結 腸癌14%,横行結腸癌11%,下行結腸癌4%,S状結腸癌27%,直腸S状部癌15%, 高位直腸癌9%,低位直腸癌10%であった.腫瘍の術後深達度はM27例,SM148 例,MP72例,SS/A179例,SE/SI/A17例であった.

5年間無再発生存率は,StageI 98.4 %,StageII 90 %,StageIII 79.4 %と開腹手術に 比較し同等もしくは良好な結果であった. 当科の腹腔鏡補助下手術の適応は1993年からM/SM癌よりはじまり,現在では,SE 症例やA直腸症例にも拡大を適応している. 高度進行大腸癌に対する手技上のポイントとして,①体位変換の工夫による術野の展 開,②腫瘍を直接把持せず腫瘍細胞の散布防止を念頭にした術野の展開,③止血力の高 いデバイスを駆使して十分な腫瘍切離縁の確保に努める,などが挙げられる. N2リンパ節転移症例や後腹膜浸潤を伴う高度進行大腸癌に対する腹腔鏡補助下大腸切 除術のビデオを供覧し,当科の手術手技を概説する.

RV4-6  最大径 5cm 以上の大腸癌に対する腹腔鏡下手術の安全性

内藤  剛1,2

,

鹿郷 昌之1

,

渡辺 和宏 1

,

木内  誠1

,

森川 孝則2

,

三浦  康1

,

柴田  近 1

,

小山  淳3

,

土屋  誉3

,

佐々木 巌1 1.東北大学大学院生体調節外科学, 2.東北大学大学院消化器外科学, 3.仙台市医療セ ンター仙台オープン病院消化器外科・一般外科 【背景】進行結腸癌に対する腹腔鏡下手術(LAC)の有用性はその低侵襲性のみなら ず,腫瘍学的にも徐々に認められつつある.技術的にも内側アプローチが一般的とな り,いわゆるnon-touch isolation techniqueに近い手技であること,また郭清の質も 開腹手術と比較して遜色ないことが報告され,その長期成績でも腹腔鏡下手術の有用性 が示されつつある.しかし腫瘍径が大きい場合や他臓器浸潤がある大腸癌においてはや はりLAC施行が困難な場合が多い.我々は基本的には術前検査にて腫瘍径5cmを 超える場合や他臓器浸潤が疑われる症例の場合は開腹手術を選択することとしている が,実際切除標本において最大径が5cmを超えるものも多く存在した.今回我々は腫 瘍最大径が5cmを超える進行大腸癌に対するLAC施行例の短期手術成績ならびに長 期成績を検討しその妥当性を検討した.【対象と方法】2007年までのLAC施行408 例中,切除標本で腫瘍最大径が50mm以上の大腸癌は38例,その内絨毛腺癌は深達 度が浅い割に腫瘍径が大きいことが多く,通常の腺癌とは比較が困難なため除外とし, 病理学的に腫瘍深達度がSS以深の26例を対象とした.これらの症例において手術短 期成績ならびに再発の有無,予後を検討した.【結果】腫瘍径の中央値は60mm,最大 は90mmであった.腫瘍局在は右側結腸が9例,横行結腸3例,左側結腸9例,直 腸5例であった.開腹移行例は2例あり内1例は骨盤腔内で腫瘍径が大きく術野展 開ができなかったため開腹移行となった.平均手術時間は171分,出血量は46mlで あり5cm以下の大腸癌と差はなかった.組織学的深達度はSS/Aが24例,SEが2 例であった.LN転移陽性例は11例(42.3%)であり内4例はN2であった.一方腫 瘍径5cm未満ではLN転移陽性例は23%であった.合併症は認めなかった.再発は 2例にのみ認め,いずれも肝転移であった.内1例は術後26ヶ月で再発死している. 死亡例はこの一例のみであった.【結論】一般に腫瘍径が大きい大腸癌は鉗子での操作 が困難なこと,広範囲なLN転移例が多いこと,術前診断できていない他臓器浸潤な どがあることなどの理由のため腹腔鏡下手術は推奨されない.しかし今回の検討では 90mm程度までの大腸癌であれば手術短期成績や予後の面からもLACの有用性が示 される可能性があると考える.

RV5-1  横行結腸癌に対する内視鏡下手術の適応

中尾 光宏1

,

硲  彰一1

,

吉村  清1

,

吉野 茂文1

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岡  正朗 1 1.山口大学医学部消化器・腫瘍外科学 【はじめに】進行癌に対しても腹腔鏡手術が行われるようになったが横行結腸癌では D3郭清において中結腸静脈や胃結腸静脈幹のバリエーションが多い点など術者の熟練 度に左右されるところがあり,標準術式となるにはいたっていない.今回,横行結腸癌 に対するD3郭清の手技のポイントを供覧し,現在の適応について報告する. 【対象】当科では過去12年間に71例の横行結腸症例のうち44例に対して腹腔鏡手術 を行った.適応は他臓器浸潤のないN1までの症例としている. 【手技のポイント】上腸間膜静脈(SMV)の郭清を頭側に進めると副右結腸静脈や中結 腸静脈を認め,Henleの胃結腸静脈幹を形成するが,ここはバリエーションが多いの で尾側からの郭清はここまでとし,後の頭側からの視野と合わせて十分に解剖を確認す る.視野を頭側に移し,胃結腸間膜を切離して網嚢にいたる.膵下縁で横行結腸間膜前 葉を切離するとSMVが露出し,中結腸静脈を始めとする静脈系の解剖が明らかとな るので,この時点で結腸に向かう静脈を切離する. 【結果】腹腔鏡下に開始した44例のうち肥満が原因による開腹移行例が初期の頃に3 例あった.腺腫が5例,癌症例のStage別ではStage0,Ⅰ,Ⅱ,Ⅲa,Ⅲb,Ⅳが, それぞれ9,10,12,2,1,2(例)であった.D3郭清は全て遂行され,全症例で根治 度Aの手術が施行された(StageⅣの2例を除く).StageⅢaの2例はH21年以 降,StageⅢbの1例はH22年以降に施行した.術後合併症は創感染を3例,腸閉 塞を3例(1例は解除術施行),吻合部狭窄を1例に認めた.深達度SS,N0,Stage Ⅱの1症例で術後に肝転移を認めた. 【結語】横行結腸の進行癌に対する腹腔鏡手術は適応外,または小開腹を先行もしくは 追加し手術を行う施設は多い.しかし,慎重な剥離操作と頭尾側からの視野を協調させ ることでD3郭清は可能である.当院でも経験を積むことで適応を拡大し,他臓器浸 潤のないN1までの症例(主リンパ節に明らかな転移を認めない症例)に対し腹腔鏡手 術を行っている.現在までに腹腔鏡操作に起因する合併症や再発は認めておらず,横行 結腸の進行癌においても腹腔鏡手術はよい適応と考える.

RV5-2  横行結腸癌に対する腹腔鏡下手術の適応,定型化への取り組み

西澤 雄介1

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杉藤 正典1

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小林 昭広1

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伊藤 雅明1

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甲田 貴丸1

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中嶋健太郎1

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齋藤 典男1 1.国立がん研究センター東病院下腹部外科(大腸骨盤外科) 【背景】大腸癌において腹腔鏡手術は重要な治療選択肢として位置づけられ,StageⅣ に対する有用性の検討も始まろうとしている.一方で横行結腸癌の腹腔鏡手術は難易度 が高いとされ,国内外での臨床試験では対象部位から除外されてきた.腹腔鏡手術が標 準化されるには,部位を問わず,開腹手術と同等以上の治療成績が求められる.進行癌 に対しては3群郭清が標準治療であり,横行結腸癌症例も例外ではなく乗り越えるべき 課題であるといえる. 【当院での取り組み】当院では腹腔鏡手術を導入した1995年2月から,横行結腸癌に対 しても積極的に適応としてきた.2010年3月までの111例を対象に,5年毎に前期, 中期,後期と分けた各期での周術期合併症検討,また5年以上の経過観察を終えた治癒 切除症例49例を対象に長期成績を検討した. 【成績】前期の合併症は開腹移行1例,早期腸閉塞症4例であった.中期では開腹移行 2例,縫合不全2例,早期腸閉塞症3例,吻合部狭窄3例,術後出血3例であった. 後期では開腹移行5例,早期腸閉塞症3例,吻合部狭窄1例,術後出血3例,下痢3 例であった.5年以上経過観察された治癒切除例での無病生存率(%)はstageⅠ:Ⅱ:Ⅲ aで100:92.3:83.3であり,同時期の治癒切除大腸癌全体での無病生存率stageⅠ:Ⅱ:Ⅲ a=97:84:69に劣る結果ではなかった. 【横行結腸癌に対する3群郭清の課題と実際(ビデオ供覧)】 ①限られた空間での視野展開:上腹部の限られた空間での視野展開には助手の2本の鉗 子を用た横行結腸間膜の展開に工夫が必要であり,これによりはじめて血管の透見され ない間膜の厚い症例に対しても中枢郭清が可能となる. ②支配血管根部と周囲臓器の関係:中枢郭清の開始視野,間膜の切開開始線の定型化は 他部位の手術同様に重要である.メルクマールとなる構造物は十二指腸水平脚および

Treitz靭帯である.十二指腸水平脚とTreitz靭帯を結ぶ仮想線より尾側でSMAおよび

SMVからの結腸枝は分岐することから,間膜切開開始線は決定される. ③支配血管のvariation :不用意な出血を防ぐためにも,胃結腸静脈管(gastro-colic trunk:GCT)を露出し,副中結腸静脈の確実な処理が重要である(腹腔鏡手術における 拡大視効果). 【結論】直腸癌を含めて標準化がなされつつある腹腔鏡手術において,最後に残された聖 域ともいうべき横行結腸癌に対しても定型化が急務である.

参照

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