博 士 ( 獣 医 学 ) シ モ ン ア ヨ イ ー ラ
学位論文題名
Genetic analysis and transcriptome profile characterizlngpathogeneSlSOfhOStreSponSetO ●
SendaiVlruSinfeCtionlnmlCe
(マウスにおけるセンダイウイルス感染に対する宿主応答の病因を 特徴 づけ る遺伝 学的 解析とトランスクリプトームプロフんイル)
学位論文内容の要旨
セ ン ダ イ ウ イ ル ス (SeV) はげ っ歯 類に 感染 し呼 吸器 疾患 を引 き起 こす 病 原体 であ り、
specific pathogenーfreeの対象病原体とし ても最も重要なもののーつである。実験用近交系 マウ スに おい てはSeV感 染に 対し 感受 性系 統と 抵抗 性 系統 が存在すること知られており、感 受性系統の代表としてDBA/2(D2)、抵抗性系統の代表としてC57BL/6(B6)が知られている。
本研 究で はこ の而 系統 に おい てSeV感 染の 感受 性/ 抵 抗性 の原因を探る目的から、第一章で は遺 伝学 的解 析か ら、 第 二章 ではSeV感染 後の 肺細 胞 のト ランスクリプトームプロファイリ ングから感受性/抵抗性をもたらす病因解析を行った。
第 一章 では 、D2とB6を 交配 して 得ら れたFlに 更にD2を 交配 して 得ら れた 戻し 交 配交雑子 108匹 にSeVを 感染 させ 、 その 感受性/抵抗 性(体重が40%減少するか否か)を表現型として quantitative trait locus (QTL)解析 を行 った 。そ の結 果、 単独 で有 意なQTLと して 第4染 色 体 にSe V1が 検 出 さ れ た 。 更 に 、 す べ て の マ イ ク ロサ テラ イト 座位 につ いてepistatic interaction解 析を 行っ た結 果、 有意なepistatic interactionが存在するQTLとして第3染色 体のSe V2と第14染色体のSe V3を検出することができた。そこで108匹の戻し交配交雑子をこ れら3つのQTLsの遺 伝子 型の 組み 合わせで分類すると、D2とB6のSeV感染に対する感受性/抵 抗性の形質を90%以上説明することができた。
第 二章 では 、D2及びB6マウ スにSeVを感 染さ せた 後 、肺 洗浄液の細胞分析、肺の病理学的 診断 、及 び肺 細胞 に発 現 する サイトカイン 、ケモカイン、及びそれらの受容体の転写産物の プロ ファ イリ ング を行 っ た。 その結果、D2マウスにおいては、B6マウスに比べてマクロファ ージ 、好 中球 、リ ンパ 球 など が多く浸出し 、病理標本ではより強い肺炎が確認されるととも に、肺においてはinterleukin(IL)ー1ロ、エL−2、ILー6、インターフェロンーV、tumor necrosis f actor‑ば、granulocyte macrophage colony stimulating factorなどの転写産物の発現が 上昇 して いた 。こ れら の 所見 はD2マウスに おいて高サイトカイン血症、あるいはサイトカイ ンス トー ムが 引き 起こ さ れ、 これ がD2マウ スのSeV感 染に 対する高感受性の要因となってい るこ とが 示唆 され た。 第 一章 で検 出さ れた3つ のQTLs領域 に存在する責任遺伝子のD2型の多 型がこれらの症状を引き起こしていることが示唆される。
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学位論文審査の要 旨 主査
副査 副査 副査
教授 教授 准教授 准教授
安居院 大橋 佐々木 今内
高志 和彦 宣哉 覚
学位論文題名
Genetic analysis and transcriptome profile characterizing pathogenesis of host response to ●
Sendai vlruSinf 色CtionlnmlCe
(マウスにおけるセンダイウイルス感染に対する宿主応答の病因を 特 徴づ ける遺伝学的解析とトランスクリプトームプロフんイル)
セ ン ダ イ ウ イ ル ス(SeV)は げ っ 歯 類 に 感 染 し 呼 吸 器 疾 患 を 引 き 起 こ す 病 原 体 で あ り 、 specific pathogen―freeの 対 象 病 原体 と し ても 最 も 重要 な も のの ー っで ある。 実験用近 交 系 マ ウ ス に お い て はSeV感 染 に 対 し 感 受 性系 統 と 抵抗 性 系 統が 存 在 す るこ と が 知ら れ て お り 、 感 受 性 系 統 の 代 表 と し てDBA/2 (D2)、 抵 抗 性 系 統 の 代 表 と し てC57BL/6 (B6)が知 ら れ てい る 。 申請 者 は この 両 系 統に お い てSeV感染 の 感 受 性/ 抵 抗 性の 原 因を探る 目的か ら、
第 一 章 で は 遺 伝 学 的 解 析 か ら 、 第 二 章 で はSeV感 染後 の 肺 洗浄 液 の ト ラン ス ク リプ ト ー ム プ ロ フ ァ イ リ ン グ か ら 感 受 性 / 抵 抗 性 を も た ら す 病 因 解 析 を 行 っ た 。 第 一 章 で は 、D2とB6を 交 配 し て 得 ら れ たFlに 更 にD2を 交 配 し て 得 ら れ た 戻 し 交 配 交 雑 子108匹 にSeVを 感 染 さ せ 、 そ の 感 受 性 / 抵 抗 性 を 表 現 型 と し てquantitative trait locus (QTL)解 析 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 単 独 で 有 意 なQTLと し て 第4染 色 体 に 駘 ぬ が 検 出 さ れ た 。 更 に 、 す べ て の マ イ ク ロ サ テ ラ イト 座 位 にっ い てepistatic interaction解析 を 行 っ た 結 果 、 有 意 なepistatic interactionが 存 在 す るQTLと し て 第3染 色 体 の 艶 瑠 と 第14染 色 体 の 駘 旧 を 検 出 す る こ と が で き た 。 そ こ で108匹 の 戻 し 交 配 交 雑 子 を こ れ ら 3つ のQTLsの 遺 伝 子 型 の 組 み 合 わ せ で 分 類 す る と 、D2とB6のSeV感 染 に 対 す る 感 受 性 / 抵抗性 の形質を90y0以上説 明するこ とがで きた。
第 二 章 で は 、D2及 びB6マ ウ ス にSeVを 感 染 さ せ た 後 、 肺 洗 浄 液 の 細 胞 分 析 、 肺 の 病 理 学 的 診 断 、 及 び 肺 洗 浄 液 に 発 現 す る サ イ ト カ イ ン 、 ケ モ カ イ ン 、 及 びそ れ ら の受 容 体 の 転 写 産 物 の プ ロ フ ァ イ リ ン グ を 行 っ た 。 そ の 結 果 、D2マ ウ ス に お い て は 、B6マ ウ ス に 比 べ て マ ク ロ フ ァ ー ジ 、 好 中 球 、 リ ン パ 球 な ど が 多 く 浸 出 し 、 病 理 標本 で は より 強 い 肺 炎が 確 認 され る とともに 、肺に おしヽて はinterleukin (IL)―1ロ、IL―2、ILー6、インタ ーーフウロンーV、tumor necrosis factor―05、granulocyte macrophage colony stimulating
factor
などの転写産物の発現が上昇していた。これらの所見はD2 マウスにおいてサイ トカインストーム(高サイトカイン血症)が引き起こされ、これがD2 マウスのSeV 感 染に対する高感受性の要因とをっていることが示唆された。