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Effects of indomethacin on osteoclastic boneresor.ption during extraction wound 'healing in rats

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Academic year: 2021

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博 士 ( 歯 学 ) BernardoT.Acob

学 位 論 文 題 名

   Effects of indomethacin on osteoclastic bone resor.ption during extraction wound 'healing in rats

ラット抜歯創治癒過程における破骨細胞性骨吸収に     お よ ぼす イ ンド メ サシ ン の影 響に つ いて

学位論文内容の要旨

緒    言

  破骨 細 胞は 骨 の吸収に際 し重要な役割 を演じており 、その誘導や分 化 に は 種々 の 制御 因子が 関与している。 プロスタグラ ンディンはこ れらの 因 子 のー つ で、 局所に おける破骨細胞 性骨吸収に関 する主要な促 進因子 と 考 えら れ てい る。イ ンドメサシンは 非ステロイド 系の抗炎症剤 のーつ で あ り、 プ ロス タグラ ンディンの生合 成を阻害する 作用を有し、 骨の吸 収を 抑制するもの と考えられてvゝる。しかしな がら、インドメサシンが 破 骨 細胞 の 構造 や機能 におよぼす基本 的な影響につ いては、ほと んど報 告 が 無く 未 だ不 明な点 が少なくない。 一方、破骨細 胞性骨吸収の 検索に 際 し ては 、 多数 の破骨 細胞を観察する 必要があるが 、ラット臼歯 抜歯創 に お いて は 、そ の治癒 過程の比較的初 期より多数の 破骨細胞が出 現し、

活 発 に骨 を 吸収 するこ とが知られてお り、破骨細胞 性骨吸収を検 索する 場と して適当な実 験モデルと考 えられる。

  そこ で 著者 は 、破骨細胞 性骨吸収にお よぼすインド メサシンの基本 的 な 影 響を 明 らか にする 目的で、治癒過 程の比較的初 期より多数の 破骨細 胞 に よる 活 発な 骨吸収 のみられるラッ ト臼歯抜歯創 治癒過程に着 目し、

イ ン ドメ サ シン 投与ラ ットの抜歯創治 癒過程におけ る根問中隔の 吸収部 を 中 心 に 病 理 組 織 学 的 、 組 織 計 量 学 的 な ら び に 電 顕 的 に 検 索 し た 。     材料と 方法

1.実 験動物

  実 験 に は ウ イ ス タ ー 系 雄 性 ラ ッ ト 、 体 重 約130g、116匹 を 用い 、 対 照 群 とイ ン ドメ サシ ン 投与 群 (以 下IM投 与群 と 略す )の2群に分け、 左 側 上 顎第 一 臼歯 を抜去 した。IM投与群に おいては、イ ンドメサシン初 回

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投与6時間後に抜歯した。IM投与群にはインドメサシンを、1%メチル セ ルロー スに溶 解し 、体重lKgあたりSmgを腹腔内に12時間おきに屠 殺時まで投与した。抜歯後、1〜28日まで経時的に屠殺し、抜歯創を含 む上顎骨を摘出した。

2.組織学的検索

  摘出し た上顎 骨は10%中性ホルマリンにて固定、10%EDTAにて脱灰 後、通法に従いパラフインに包埋し、4Pmの連続切片を作成した。標 本には、HE染色、アザン・マロリー染色、酒石酸耐性酸性フオスフアタ ー ゼ染色(TRAP)など を施し 、抜歯創を中心に病理組織学的、組織化 学的に検索した。

3.組織計量学的検索

  組織学的変化をより客観的に把握するため、抜歯創の根問中隔の骨 量、および破骨細胞数の変化について組織計量学的に検索した。破骨細 胞 お よ び その 前 駆 細 胞 の 同定 に はTRAP染色 標本を 用い計 測した 。 4.電顕的検索

  電顕的検索には抜歯後1、3、5日の試料を用い、2.5%グルタールア ルデヒド‑4%パラホルムアルデヒド混合液にて12時間前固定、1矚四酸化 オスミウムにて2時間後固定した後、未脱灰のまま通法に従いEpon812に 包埋し、超薄切片を作成した。超薄切片には酢酸ウラニル・クエン酸鉛 染色、リンタングステン酸染色などを施し、根問中隔骨表面に密着して いる破骨細胞を電顕的に検索するとともに、電顕計量学的に細胞全体、

核、細胞質、ruffled border、およびclear zoneの面積を計測した。

結果およぴ考察

1.組織学的および組織計量学的検索

  IM投与群では、体重の増加は対照群に比べ少ないものの経時的に増加 する傾向を示し、IM投与による全身的な影響は軽度であると思われた。

  病理組織学的に、IM投与群では、対照群に比べ全般に抜歯創治癒過程 の遅延が認められた。IM投与群では、抜歯創の比較的初期にみられる根 問中隔の骨吸収の障害がみられた。すなわち、破骨細胞の数は対照群に 比し有意に少なく、僅かにみられた破骨細胞は対照群に比べ小型のもの が多く、細胞膜も不明瞭であった。

また、IM投与群では、抜歯窩内の肉芽組織の形成は不良で、抜歯窩内 および抜歯窩外側の骨新生の遅延が認められたが、経時的に新生骨の増 加がみられ、抜歯後28日では抜歯窩は新生骨で充たされていた。組織計 量学的には、IM投与群で|ま、根問中隔の骨吸収率Iよ対照群に比べ有意に 低い値を示した。また、TRAP陽性細胞数も対照群に比べ有意に減少し ていた。

このような所見は、IM投与による抜歯創の治癒過程の遅延には、抜歯 創の治癒過程の比較的初期にみられる根問中隔の骨吸収の障害が大きな 要因となること、およぴ、骨吸収の障害は破骨細胞の数の減少に基づく

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ことを示唆するものと思われた。また、このような破骨細胞の数の減少 は、IM投与により破骨細胞の誘導や分化の過程に障害が生じていること を示唆するものと思われた。

2.電顕的検索

  IM投与群では、破骨細胞は対照群に比べ全般に小型で、細胞質内に は少数のミトコンドリアやりボゾームなどがみられるにすぎず、細胞内 小 器官の 発達は 不良で あっ た。IM投与群 の破骨 細胞で は、ruffled borderの発達は不良で、その突起は全般に太く、短く、数も少ない傾向 を示していた。さらに、ruffled border直下の骨質の粗鬆化と骨結晶の遊 離の傾向は対照群に比ベ減少していた。また、IM投与群では、比較的 良く発達したruffledborderを有する破骨細胞においては、その突起間 や、細胞質内の一部に密集した結晶物が認められたが、リンタングステ ン酸染色標本では、結晶物の脱灰、消失した後に、ruffled borderの突起 間および細胞質内の一部に、対照群では観察されないりンタングステン 酸に染色性を示す物質が集塊状に認められた。また、電顕計量学的に は、IM投与群では、破骨細胞の細胞質の大きさおよびruffled borderの 占 め る 領 域 の 広 さ は 対 照 群 に 比 べ 小 さ い 値 を 示 し て い た 。 このような所見は、IM投与群の破骨細胞においては、骨吸収機能の障 害が生じていること、すなわち、骨の無機質および有機質の分解過程に 関与している酵素などの、合成あるいぼ分泌障害が生じていることを示 唆するものと思われた。また、このような骨吸収機能の障害|ま、破骨細 胞の細胞小器官やruffled borderなどの構造的変化に基づくものと思われ た。

‐    結 語

  破骨細胞性骨吸収におよぼすインドメサシンの影響を明らかにする目 的で、インドメサシン投与ラットの抜歯創治癒過程における根問中隔の 骨吸収部を中心に病理組織学的、組織計量学的ならびに電顕的に検索し たところ以下の結果が得られた。

1、インドメサシン投与により抜歯創の治癒過程の遅延が認められた。

2、インドメサシン投与により、根問中隔の骨吸収の障害が明らかにな ったが、このような変化は破骨細胞の数の減少、および個々の破骨細胞 の微細構造的変化に基づく、骨吸収機能の障害によるものと思われた。

3、このような変化には、インドメサシンによるプロスタグランディン の合成障害が関与しているものと思われた。

(4)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

   Effects of indomethacin on osteoclastic bone resorption during extraction wound healing in rats

ラット抜歯創治癒過程における破骨細胞性骨吸収に     お よ ぼ す イ ン ド メ サ シ ン の 影 響 に つ い て

  破 骨 細 胞 は 骨 の 吸 収 に 際 し 重 要 な 役 割 を 演 じ て おり 、 そ の 誘 導 や 分 化 に は 種 々 の 制 御 因 子 が 関 与 し て い る 。 プ ロ ス タ グラ ン デ イ ン は こ れ ら の 因 子 の ー つ で 、 局 所 に お け る 破 骨 細 胞 性 骨 吸 収に 関 す る 主 要 な 促 進 因 子 と 考 え ら れ て い る 。 イ ン ド メ サ シ ン は 非 ス テロ イ ド 系 の 抗 炎 症 剤 の ー つ で あ り 、 プ ロ ス タ グ ラ ン デ イ ン の 生 合 成 を阻 害 す る 作 用 を 有 し 、 骨 の 吸 収 を 抑 制 す る も の と 考 え ら れ て い る が 、イ ン ド メ サ シ ン が 破 骨 細 胞 の 構 造 や 機 能 に お よ ぼ す 基 本 的 な 影 響 に つい て は 、 ほ と ん ど 報 告 が 無 く 未 だ 不 明 な 点 が 少 な く な い 。 本 論 文 提 出者 は 、 破 骨 細 胞 性 骨 吸 収 に お よ ぼ す イ ン ド メ サ シ ン の 基 本 的 な 影 響 を明 ら か に す る 目 的 で 、 治 癒 過 程 の 比 較 的 初 期 よ り 多 数 の 破 骨 細 胞 に よる 活 発 な 骨 吸 収 の み ら れ る ラ ッ ト 臼 歯 抜 歯 創 治 癒 過 程 に 着 目 し 、 イ ンド メ サ シ ン 投 与 ラ ッ ト の 抜 歯 創 治 癒 過 程 に お け る 中 隔 歯 槽 骨 の 骨 吸 収部 を 中 心 に 形 態 学 的 に 検 索 し た 。

  実 験 に はWistar系 雄 性ラ ッ ト ( 体 重 約100g)を 用 い、 こ れ を 対 照 群 と イ ン ド メ サ シ ン 投 与 群 ( 以 下IM投 与 群 と 略 す ) の2群 に 分 け 、 左 側 上 顎 第1臼 歯 を 抜 去 し た 。IM投 与 群 に お い て は 、 イ ン ド メ サ シ ン 初 回 投

璋稔 章 宮田 本 雨脇 松 授授 授 教教 教 査査 査 主副 副

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与6時間後に抜歯した。インドメサシンは、1%メチルセルロースに溶 解 し、体 重lkgあたりSmgを腹腔内に12時間おきに屠殺時まで投与し た。抜歯後、経時的に屠殺し、抜歯創を含む上顎骨を摘出し、中隔歯 槽骨を中心に病理組織学的、組織化学的、組織計畳学的ならびに電顕 的に検索した。

  IM投与群では、全身的な影響は軽度であったが、病理組織学的に、

対照群に比べ抜歯創治癒過程の遅延が認められた。とくに、IM投与群 では、中隔歯槽骨部にみられた破骨細胞の数は対照群に比し有意に少 なく、抜歯創の治癒過程の比較的初期にみられる中隔歯槽骨の骨吸収 の障害が認められた。また、IM投与群では、抜歯窩内の肉芽組織の形 成 は不良 で、抜歯窩内および抜歯窩外側の骨新生の遅延が認められ た。経時的に新生骨の増加がみられ、抜歯後28日では抜歯窩は新生骨 で充たされていたが骨量は少なかった。このような所見より、IM投与 による抜歯創の治癒過程の遅延には、抜歯創の治癒過程の比較的初期 にみられる中隔歯槽骨の骨吸収の障害が大きな要因となること、およ び、中隔歯槽骨の骨吸収の障害は破骨細胞の数の減少に基づくものと 考察している。さらに組織計量学的検索により、IM投与群では、中隔 歯槽骨の骨吸収率は対照群に比べ有意に低く、中隔歯槽骨部にみられ たTRAP陽性細胞数も対照群に比べ有意に減少しており、IM投与により 破骨細胞の誘導や分化の過程に障害が生じていることが示唆された。

  電顕的 には、IM投与群では、破骨細胞は対照群に比べ全般に小型 で 、細胞 小器宮の発達は不良であった。IM投与群の破骨細胞では、

ruffled borderの発達は不良で、その突起は全般に太く、短く、数も少な い傾向を示しており、ruffled border直下の骨質の粗鬆化と骨結晶の遊離 の傾向は対照群に比べ減少していた。また、IM投与群では、比較的良 く発達したruffledborderを有する破骨細胞においても、その突起間 や、細胞質内の一部に密集した結晶物が認められたが、リンタングス テン酸染色標本では、結晶物が脱灰、消失した後に、ruffled borderの突 起間および細胞質内の一部に、対照群では観察されないりンタングス

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テ ン 酸 に 染 色 性 を 示 す 物 質 が 集 塊 状 に 認 め ら れ た 。   このような所見より、IM投与群の破骨細胞において|ま、骨吸収機能 の障害が生じていること、すなわち、骨の無機質および有機質の分解 過程に関与している酵素などの合成あるぃは分泌障害が生じているこ と、また、このような骨吸収機能の障害は破骨細胞の細胞小器官や ruffled borderなどの構造的変化に基づくものと考察している。以上の ような観察所見より、インドメサシン投与による抜歯創の治癒過程の 遅延には、抜歯創の治癒過程の比較的初期にみられる中隔歯槽骨の骨 吸収の障害が大きな要因となること、およびこのような骨吸収の障害 は、破骨細胞の数の減少および個々の破骨細胞の微細構造的変化に基 づく骨吸収機能の障害によるものと結論しており、さらにこのような 変化には、インドメサシンによるプロスタグランディンの合成障害が 関与しているものと考察している。

  論文の審査は、審査員全員により口頭で行われた。論文提出者によ る要旨の説明の後、論文の内容および関連事項について質問がなされ たが、いずれの質問にも明快な回答が得られた。

  本研究は破骨細胞性骨吸収に及ぽすインドメサシンの基本的な影響 について、組織学的、組織計量学的検索に加えて微細構造的および電 顕計量学的な手法を駆使して詳細に検討し、抜歯創における骨吸収の 障害を明らかにし、このような障害が破骨細胞の数の減少および個々 の破骨細胞の微細構造的変化に基づく、骨吸収機能の障害によること を明らかにした点が評価された。また本研究は破骨細胞の構造と機能 について、その制御因子との関連性のもとに検索しており、その成果 は 今 後 の 研 究 に も 重 要 な 示 唆 を 与 え る も の と 思 わ れ た 。   以上のように本研究の業績は、単に口腔病理学の分野のみならず、

関連領域にも寄与するところ大であり、博士(歯学)の学位を授与す るに価するものと認められた。

参照

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