1
> 3 5 6 3 1〜
3
禽 近臥 棚 .紺 鮎弊 那 8号 200
植物病原性細菌を用いたクズの生物防除
野 々村 照雄 *・林 美世絵 *・泉 美里 *・楼谷 保之*・豊 田 秀吉 *
●近世 ^一年出単部雌羊糾 (
)1‑が急激 に繁殖 し始め、
bt oaa Puerari
Ⅰ
. あ るクズ ( al生態系に様 々な悪影智 を及ぼ している0本キ ャン 地球環境問題 や生物種の保全が世 界中で注 目さ パ ス内においては、絶滅危快種 (レ ッドリス トに
0
挙げ られている生物磯)に指定 された
1
唖程の勅 なが ら、現在 、その成果は乏 し く、深刻な一歩 を 物種 が確認 されてお り、例えば、昆虫燐ではオオ 辿 っている。 また、私達 が生活 している身近な場 ムラサキ、べ二 イ トトンボ、 イ トア メンボな どが 面で も、環境問題や生凄 系の悪化 を認識す るこ と 絶滅 危快種 として指定 されてい る1')。 この よ うな がで きる.近怨大学奈 良キ i・ソパ スは 自然に囲 ま 勤物種の個体群密度が クズの繁殖 に よって急速 に れた緑盤かな場所 に存在 しているOしか しなが ら、 減少 している と考 え られ る。 そ こで、筆者 らは、5月中旬頃 か ら11月にかけてマ メ科植物の一種で 本学キ ャンバ ス内での絶滅危倶種の保全や封観の
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緒言
れ、その解決策 が早急 に誹 じられているC しか し
32 軒 'L村 僻雌 ・杯 美 ut絵 ・良
保全を 円的 とした全学的研究 を展開することとし た。 その節 1段階 として、植物病理学の立場 か ら 繁殖旺盛な クズを防除す るため、微生物 を用いた 防除 (生物防除)を試み るこ ととした。 自然 界で は クズに病原性 を示す数唖の微生物が存在 し' '
…、 自然 界に存在 す る微生物 を用 いた雑 草防除
は
「環境 にや さ しい ソフ トだ珪素 」 と考 え られ る. そ こで筆者 らは、 クズに強 い病原性 を示す微生物 を 分離 した後、その細菌の細菌学的諸性質を検討す る とともに
、
野外で生息 しているクズ茎 に細菌旅 を注入接種 し、生物防除幣材 としての適 用を検討 することとした。Ⅱ.材料および方法
1.クズ葉か らの病原性細菌の分離
近畿大学奈 良キ ャンパス内では クズのIEE盛な繁 茂が 見 られる (図 1A)。 そこで本実験 では、 クズ 薬 か ら琉 点性 の病斑 を示 した細菌 を分離 す るた め 、 比校 的 新 しい病王妊部 を 切 り取 り、 水洗 後 、
tf 分
、 l
7 ンチホル ミンで 170
J'エ ク ノーJレで1 t
X'分表面滅菌 し
、
滅菌水で数回洗浄 した。 次に、そ れ らを乳鉢内で摩砕 し、L寒天培地 (5g
酵母エ キ ス、10g
パ ク トトリプ トン、1 0g
塩化ナ トリウム お よび
15%
寒 天 ) に塗 抹 植菌 した 後 、 30℃で3
日間培頚 したo コロニー色や形状 を‑Eにi‑ら種規の細菌 を単離 した。 また、 これ らの分離細
美盟 ・慣 '6 保之 ・盟lll 秀吉
菌 に ついて はMPL‑01、MPL‑02、MPL‑03、 Mph‑04およびMPL‑05と命名 し、以下の実験 に 使用 した。
2.
病原性細菌の同定常法Tlに従って細菌学的許性質を検討す るため、
透過 aJ.稲 子顕微鏡 (でEM)での形,tE観察 、 グラL.
ム熟 色、OF培地 (10g グJL,コー ス、 2g ペ プ トン
、・ 5 g
塩化ナ トリウム、04 .
9'1プロムモチモ ー ルプル‑お よび0.3%寒天 )を用 いたブ ドウ糖 発酵性試験、IDテ ス ト、幣化性試験、ペ クチン . セルロー ス ・デンプ ン分解性試験 お よびオキ シダ ーゼ活性試験 を行った。a )
グラム染色細菌 懸濁液を スラ イドガラ ス上で塗抹夙乾 させ た後、 火炎固定 を行 った。 次に グラム娘色液 (保 存液A:クリスタル紫 7gを
9 t 5
Mエ ク ノー.J L]0 ,0 mL
に溶解 した もの、保 存旅B :フ ェ /‑ル5gを水100川
1に溶解 した もの)で約1
分間染 色 した後、洗浄を行い、碓紙で余分な水分を取 り除いた。 ル ゴール液 (ヨウ素 ・ヨウ化カ リウム液)を滴下 し、
1
分間1‑#旺 した後、水洗を行い、
縫紋 で余 分な水 分を取 り除 いた。 次に、紫の 色素がな くなるまで 連続的 にアル コールを滴下 し、水洗を行 った。最 後に、サ フラニン染色液 (サ フラニン・ 5g
を9う%エ ク ノー ル
1001 1
11に溶解 し、 使用の際、 これ を 10倍希釈す る。)で10
秒間毅 色 し、水洗後、検錠図1.近横大学奈良キ ャンパス内でのクズの繁茂 (A)とクズ葉に形成 された斑点性病斑 (B) 病斑部か ら
5
つの細菌( C‑ G)
が分離 された。33 植物病原性細菌を用いたクズの生物防除
を行 った。
b)OF
培地を用いたブ ドウ糖発酵性試験試験管に
OF
培地 を5ml
ずつ分注 し、半数の試 験 管 には厚 さ1cm
にな るよ うに流動パ ラフ ィン を重層 した。 それぞれ 1本ずつを 1組 として、刺 増感 した025
℃で培糞 した後、培地 が黄色 に変化 した場 合は発声的分解、開放系の培地のみが萌 色 に変化 した場合は酸化的発酵 と判断 した。C)lDテス ト
ブ ドウ糖 発 酵 性 梓 菌 同定 用 にはIDテ ス ト ・
NF20
(日水製薬杜興) をブ ドウ糖非発酵性梓菌 同定用 にはIDテス ト・NF1 8
(日水製薬社製)杏 使用 し、生化学的性状 を検討 した。 まず、細菌液 の調整 を行 うために、被検菌を30
℃で一晩振 とう 培糞 した後 、遠心分離 したoIDテ ス ト・NF20
を 用 いる場 合は細菌密度を3. 0×1 0
・'細菌/mlに、I D テ ス ト・NF1 8
を用 い る場合は細菌密度 を1. 5×
1 0
H細菌/mlに調整 した。次に、調整 した細菌液を 滅菌 ピペ ッ トを用 いて吸 い とげ、NF
プ レー トの 各検定 ホール に0. 1 ml
ずつ注入 したO注入後、指 定C)9項 目には流動パ ラフ ィンを3 5 ‑
.層 にな る ように重層 し空気を遮断 した後、NF20
は1 8‑20
時間、NF18
は22‑24
時間、37℃の温度 条件下 で反応 させた。d)資化性試験
カゼ イソ ・キ トサンお よびデンプン添加
M9
最 少寒天培地 を用 いて、 各分離細菌の資化能につい て検討 した。e)分解性試験
各分離細菌のペ クチン ・デンプソおよびセル ロ ースの分解能 を検討するため、分離細菌 を
30
℃で‑‑・晩振 とう培兼 した後、遠心分離 し、細菌密度 を
1. 0×1 0
17細菌/ m
lに調整 した。 次に、細菌懸濁液 をM9
最少寒天培地 に塗抹植菌 し、30
℃で5
日間 培雀 した後、ハ ロー (透 明帯)形成の有無 を観察した 。
f)オキシダーゼ活性試験
1%
テ トラメチルパ ラフ ェニ レンジア ミン水溶 液 を数滴澄み込 ませた試薬 に白金耳を用 いて菌体 を塗 りつけた。 また、塗布後、1 0
秒以内に渡紫色 に変化するか否かで活性の有無 を判断 した。3.
クズ葉への分離細菌の接種得 られた
5
つの分離細菌 をそれぞれ1. 0×1 . 00
細 菌/mlに調整 し、 クズ薬 への接種 を試みた。 まず、滅 歯針 (
1
本、5
本および1 0
本)で薬面上 を 傷つけ、細菌液を接稚する方法を行 った。さらに、クズ茎への針接種 およびカーボランダムを用 いた 唱導接鹿 を行 った。
4.
クズ葉 における病撒観察得 られた
5
つの分離細菌を用い、 クズ葉 に接種 した後 、病徴進展を観察 した。 まず、葉脈 に注射 針を差 し込み、導管に細菌液を直接注入 し、25
℃ の 温 度 条 件 下 で培 逢 した 。 また 、 細 菌 密 度 を1. 0×1 0
‑・細菌/ ml .
、10×1 0
ホ細菌/n rl
およびユ0× . 1 0
1細菌0 /lr州こ凋啓 した後、接種 に使用 した05.1 6
Sリボ ゾームDNA
領域の解析既報h■の
16
Sリポ ゾームDNA
領域 に基づ いて2
機 構 の プ ラ イマ ー(16S Forwar dl5' ‑ GRAGAGTTTGATCMTGGC‑ 3'
、16S Rever s e:5'‑GGTTACCTTGTTACGATT‑
3'
) を作製 した。PCR
条件 は、熱変性94
℃、 1
分、アニー リング51
℃、 1
分、伸長72
℃、
1分、25
サ イクルで行われた。 さ らに、得 られたPCR
増幅産物 を電気泳動 にて確認 した後、その増幅産 物 をpCR4‑ TOPO
ベ クター( I nvi, r r ogen
社製 ) に挿入 し、塩基配列の決定 を行 った。6.
分離細菌の宿主範囲の検定クズ と同 じマ メ科 に属する植物 (インゲン、エ ン ドウお よび レンゲ)を用 い、上記 と同 じ方法で 接種検定 を行 った。
7.
野外で繁茂するクズへの分叔細菌の接種 a)単独接種5
つり分 離細 菌 とか さ枯病 菌 (Pseudomonas syigernap. v
paelcl)hsoioa を供試 し、3
種類の方 汰 (針接種、チ ップ接種および脱脂綿)を用 いて、単独接種 を試みた。分離細菌 をそれぞれL培地 で 一晩振 とう培式 した後
、150 0p .0 rm
で1
分間遠 心分離 し、 リン酸緩衝液で懸濁 した。 次に トーマ 氏血球盤 を用いて、細菌密度を1. 0×1 0
L細菌O/ ml
に調整 した。針接種 は シ リンジに細菌 液 を入れ、クズ茎 に直接注入 した.チ ップ接種はチ ップに菌 液を入れた後、クズ茎 にチ ップを直接差 し込んだO 脱脂綿接種 は クズ茎の先端 を切断 した後、細菌液
を含 ませた脱脂綿 で切 り口を包んだ。
b)混合接種
野 々村 照雌 .林 剃 Lt絵.淡 央里 .怖谷 保之 .掛u 秀藷
5
つの分離細菌 とか さ枯病菌 を用い、それぞれ 経時的観察 を行 った。 その結果、培養温度20℃、2
機構ずつ混合させ、クズ茎 に針接種 した.また、 25℃では、培頚後3日日までに褐色の病斑 が観察 これ らに供試 した細菌は、菌密度 を10×10 ■細o されたが、接健後3
日目を経過す ると褐色 した柄 菌/mlに調整 した後、混 合した。Ⅲ.結果および考察
1.クズ葉か らの細菌分離
本実験では、L一培地 を使用 し、本キ ャンバ ス内 で採取 した図1Bに示す ような戊点性病斑 の観察 された クズ集 を供試 し、それ らの病斑部 か らクズ に強 い病原性 を示 す微生物の分離 を試みた。 その 結果、 コロニーの色、形状 および^.きさが異なる 細菌が分離 され、その うち高頻度 ・高密度 に分離 された 5億頬の細菌 をMPL‑Ol(図 1C)、MPL‑
02(図 1D)、MPL103(図 1E)、MPL‑04(図
斑の開園が黄 化 し、接種後
5
日日を経過す る と病 斑はほ とん ど広が らなか った。 しか し、培慈温度 30℃では、援越後5日日までの病斑の広が りが激 しく、5
日目を経過 する と次 々に薬の枯死が観察 された (図2)。以上の結果か ら、 これ ら分離細菌 の発病最適温度は30℃であることが示唆 された。1F)およびMP ‑1,05(図1G)と命 名 し、以後の
0
実験 に使用 した。
2.
分軌細菌の同定得 られた 5つの分離細菌 を 1種頬ずつ用いて、
細菌学的諸性質a)検討 を行 ったoMPL‑01および
10
B
(
[[ ヽ′̲...
濫 5
MPL‑02は、ブ ドウ糖非発酵性 グラム陰性菌であ $ 1匹 ったため、1Dテ ス ト・NF‑20を用 いた。 その結
i
t rcescens
03、MPL1 ‑ はブ ドウ糖 発酵性
、l ・NFl18 グラム陰性菌であ ったため Dテス ト
ll R ha neaa
ama と同定 された。 また、MPL 04お よびMPL 05
S Eera
果、MPL101は qlLtailis、MPLl02は
0
C 10
‑
を用 いたo その結 果、MPL‑03は nas P
o Pseu od na
ho s
t
4
an0
‑
mo はX mo small
pと同定された。
ona P dseuom cepac
i
a、MP
LMPL‑05は s
ia il h 、
3.
クズ葉への針接種得 られた
5
つの分離細菌 を用い、薬面上 に直接 0 細菌懸濁液を滴下接種す る方法 を行 ったが、病徴15 10
5
接種後の日数 (日) が現 れなか ったため、滅菌針 で葉面上 を脇 つけ、
図
2.
針接種 によるクズ葉 での病斑部の広が り.細菌懸濁液を接種す ることとした。 すなわち、接
A
は増董温度20℃、B
は培養温度25℃、C 種針 を1
本、5
本および10本 と本数 を変 え、街を は培養温度30℃を示 す。 また、接種針1
( ●)
、接種針5
本本 (▲)お よび接種針
つけた後、細菌液の接種 を試みた ところ病斑 の広 が りに顕著な差異が観察 された。また、20℃では、
針の本数 が多 くなるほ ど、病徴の直径 も大 き くな ったが、25℃、30℃では針 の本数 と病斑 の直径 に相関関係はなかった。 次に分離細菌の発病堤通
10後瓜
本 (■) を用 いて クズ葉 に傷 をつ けた 細菌液 を接種 し、経時的 に斑点病斑の が日ソ を 戟 秦 した
温度を検討す るために、 クズ薬面上 に針接種 を行
4.
生育段階の異なるクズ葉を用いた接種検定 った後、20℃、25℃お よび30℃の温度条件下 で 生育段階の異な るクズの若 い葉 と成長 した葉 を 34植物病原性知 歯を )●lJいた クズの生物防除 35
用いて針接種を行 った。その結果、若 い薬の方が 顕著な病徴を示 し、痕終的に落葉 に至 った。 この ことか ら、若い葵への接種のフナが クズの防除には 効果的であ ると考 え られた。 次にカーボ ランダム を用いた噴謀接種 を行 った (図
3A)
O その結果 、 クズ茎 では変化は見 られなか ったが、 クズ薬では 壌脈 が褐変化 し (3B、3 C)、菓面上 に浮 き上が っ た (3D)。 また、 クズ典の下部 に注射針 を用 い、細菌掛 萄液 を注入 した。その結果、 クズ茎の上部 に行 くほ ど病徴が激 し くな り (図4A)、接健後 4 日目には蕗輩す るまでに至 った
( 4B、4C、4 D)
。 また、主葉脈 か ら側葉脈に病徴が広が ってい くこ とも観察で きた。一方、下部では、斐面上 に褐 色 した病班 がで きた後、その間辺に黄化が観察 され た。 また、茎 で も褐変化が観察 され、 もろ くな っ た。 次に、 クズ茎 を ユ時間細菌懸濁液に没放 した 後、病徴の変化 を観察 した ところ、薬 と茎 で褐色 がみ られ、楼種 後 4日Rには茎 が折 れ曲が った。薬 への接種 よ りも病徴か顕著 に現 れた こ とか ら、
茎へ直接 、細菌懸濁練を注入で きれば、有効であ る と考 え られた。
5.1 6
Sリボ ゾームDNA
領域の解析分離細 歯
MPL‑ 04
の1 6
Sリポ ゾームDNA
領域 の解析 を 行 ったo その結果、S t e no
tro pho mo nas
図3
. 噴霧接種 によるクズ葉 および茎 での病徴mat♪ ii lohla ( nhmoa Xa to n smatpula) loi'i・
と(A).葉では褐変化 (BとC)が観察 され、 99.3%の相同性が確認 された。 これは、細菌学的 葉脈が葉面上 に浮 き上 が った (Dの矢印)0
噴霧接種後
5
日目の写真。 諸性質に よって同定 された細菌 と一致 した。図 4. クズ茎への細菌注入接種 による病徴 (A) . クズ茎の下部 か ら注射針 を用 い、細菌液 を注入 したo クズ茎 の上部 で病徴 が激 しく、接種後 4日目に落 葉 した。また、クズ葉は主脈か ら側脈にそ って病徴 が広が った ( B
、C、D )
036 TT,村 q. 林・L .g触 ・ 英世絵 ・泉
6.
分離細菌の宿主範囲検定分離細菌の宿主範朋 を検定す るため、 クズ と同 じて メf:ト植物に尻す る インゲン、エン ドウ
お
よび レンゲに棲位を試みたO その結果、いずれの分離 細菌 をて ノf:トに針接健 して も病徴は観察 されなか った。 今後、 さらに、他のマ メ科植物 への接種 を 行い、生物防除幣材 としての有効性 を検討 していく予定であ る。
7.
野外で繁茂するクズへの分離細菌の接種 a)単独接種得 られた らつの分離細菌 とか さ枯病菌 を用 い、
3髄頬の方法を用いて 単独楼鹿 を試みた。 その結 果、針接穂 とチ ・,プ楼唖では、棲唖後/
1、2
EE]l に茎部接種部位で壊死が観察 され、脱脂綿接雌 で は、接種後、茎部先端模様 部位 で褐変化が観察された。さ らに、気温の高い夏期に針接種 した場 合、
植物体の枯死や蕗繋が観察 され、発病率の高い傾 向にあ った。
b)混合接種
うつの分離細菌 とか さ枯病菌を用い、 2種類o) 分離細菌 を混 合 した後、 クズ茎に針接種 した。 そ の結果、 どの組 み合わせにおいて も、発病率 に孤 老 な差昇は観察 されず、単独接 純での発病率 と比 較 して同程度であ った。
以上の結果か ら、筆者 ら0)基礎的研究では、分 離細菌 を使用 し、 クズ基 に直接接種 した後、 クズ を完全に枯死 させ ることに成功 した。 この結果を 基に クズの防除簾 として、簡便かつ迅速 に分離細 菌 を接種で きれば、旺盛 に繁殖増殖す るクズの個 体群密度 を効果的 に減少させ るこ とがで きる と考 え られる。 また、本細菌の実用化のためには、同 時 に、苛性の強化、選択磁性 の検討、安定性 およ び経済性な ど多 くの ことを考慮す る必要 がある。
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