令和元年度 学士学位論文梗概 高知工科大学 情報学群
ライブマイグレーションを支援する OpenFlow を用いた仮想ネットワークの実現
1200281
有薗 里奈 【 分散処理OS
研究室 】1
はじめにクラウドコンピューティング環境は,広域分散システ ムとして実現されることが多く,別の計算機へアプリ ケーションプログラム(以下APと略す)の実行環境を 移送することが頻繁に発生している.しかし,移送に よってネットワークの体系が変わるため,通信を続ける ことが困難である.そこで,本研究ではOpenFlowを 用いてライブマイグレーション中に自動でネットワーク の経路制御を行い,移送を意識させずに経路の切り替え を行うことで,通信の途絶を抑制する手法を提案する.
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提案手法2.1 仮想ネットワークにおける移送モデル
本研究では,図1のようなネットワークを想定する.
各データセンタでは扱っているIPアドレスの体系が異 なる.そのため,異なるIPアドレス体系の間で通信を 行う想定で構成する.
図1 想定する仮想ネットワークの構成
2.2 実装
実装した仮想ネットワークの構成を,図 2 に示す.
OpenFlowスイッチはOpen vSwitchを利用し,ホス トマシンの内部に作成した仮想マシンと接続する[1].
二つのホストマシンでの通信をデータセンタ間での通 信に見立て,異なるIPアドレスを持つ環境への移送を OpenFlowコントローラを用いて実際に制御する.移送 が完了した際にOpenFlowコントローラへ終了通知を 出し,移送元への通信の流れを,VPNを利用し移送先 へと切り替える.それにより,異なるデータセンタへ環 境を移送し異なるIPアドレスの体系となっても外部と の通信途絶を抑制できる.
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評価3.1 評価方法
図2に示す評価環境で,以下の二つの場合に対して 評価を行う.
(1) LAN内通信
仮想マシンA,B間でpingによりパケットを発行
図2 評価環境
し,その途中で宛先を仮想マシンAから仮想マシ ンA’へ切り替える.
(2) LAN外からの通信
LAN外にあるマシンと仮想マシンA間でpingに よりパケットを発行し,その途中で宛先を仮想マシ ンAから仮想マシンA’へ切り替える.
切り替えた際にロスしたパケットの数から平均ロス 数を調査し,その数を平均途絶時間として評価する.ま た,調査するにあたり,ネットワークに負荷をかける.
負荷は1ms間隔で移送元マシンと移送先マシンそれぞ れのルータへpingを送り続ける場合と,移送対象マシ ンへpingを送り続ける場合で計測する.
3.2 評価結果と考察
評価結果を表1に示す.仮想マシンA,B同士での 通信の途絶は1msとほぼ途絶時間がない状態で通信を 行っていることがわかった.LAN外からの通信は,どち らの条件でもおよそ400msかかっていることがわかっ た.結果より,通信先を切り替えた場合でもサービスは 正しく運用でき,外部からの通信も移送を意識せずに通 信できる.しかし,ネットワークの負荷がかかるほど途 絶時間が大きくなると考えられる.
表1 評価結果 負荷対象 ルータ マシン
LAN内通信 1 ms 1 ms
LAN外からの通信 320 ms 380 ms
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おわりに本稿では,OpenFlowを用いてライブマイグレーショ ン中に発生する通信途絶の抑制をする手法を提案した.
参考文献
[1] 馬場達也,大上貴充,関山宜孝,高畑知也,”Open- Flow徹底入門-SDNを実現する技術と知識”,翔泳 社,2013年9月.