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宇宙物体登 録実行 にお け る宇 宙物体 と 国家 の関係(二 ・完)

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(1)

宇宙物体登 録実行 にお け る宇 宙物体 と 国家 の関係(二 ・完)

宇 宙 条 約6条 の 責任 国 ・関係 当事 国 に 関す る一 考 察

佐古田 彰

.問 題 の 所 在

二.責 任 国 及 び 関 係 当 事 国 の 基 準 に 関 す る学 説 1.責 任 国 の 基 準

2。 関 係 当 事 国 の 基 準 3.主 要 学 説

4.小 括(以 上 本 誌 第57巻2・3合 併 号(2006年)) 三.宇 宙 物 体 の 登 録 制 度

1.登 録 制 度 の 概 要

2.登 録 の 法 効 果 と登 録 制 度 の 意 義

四.宇 宙 物 体 登 録 実 行 に お け る 登 録 国 と宇 宙 物 体 の 関 係 1.2001年 に打 ち上 げ られ た 物 体 に 関 す る 登 録 実 行 の 分 析 2.日 本 の 登 録 実 行

3.SeaLaunch社 に よ り公 海 上 で打 ち 上 げ ら れ た 物 体 に 関 す る 登 録 実 行 4.そ の 他 の 登 録 実 行

五.結 論(以 上 本 号)

三.宇 宙 物 体 の 登 録 制 度

1.登 録 制 度 の 概 要

(1)2つ の 宇 宙 物 体 登 録 制 度

国 連 に お け る宇 宙 物 体 登 録 制 度 は,正 確 に は2つ の 制 度 か ら成 る。 一 つ は, 1975年 の 登 録 条 約(1976年9月 発 効)に 基 づ く もの で あ り,も う一 つ は,1961

〔183〕

(2)

年 の 国 連 総 会 決 議1721号(XVD「 宇 宙 空 間 の 平 和 利 用 に お け る国 際 協 力 」 のB に基 づ く もの で あ る11ユ)。つ ま り,登 録 条 約 批 准 国 は 条 約 上 の 義 務 と して,そ れ 以 外 の 国連 加 盟 国 は1961年 総 会 決 議 に基 づ き任 意 に,宇 宙 物 体 の 登 録 を 行 う。

こ の2つ の制 度 に よ りす べ て の 宇 宙 物 体 が 登 録 され る こ とが 意 図 され て い る 。 そ の 意 味 で,両 制 度 は補 完 的 な 関係 にあ る112)。

こ の よ う に宇 宙 物 体 の登 録 につ い て2つ の 制 度 が 存 在 し両 者 は法 的 に は別 の も の で あ るが,登 録 条 約 発 効 後 は,各 国 が 提 供 す る登 録 情 報 は,1961年 決 議 に 基 づ く場 合 で あ っ て も多 くの場 合 登 録 条 約 で 義 務 づ け られ た もの と 同 じ で あ り113),登 録 条 約 未 批 准 国 も実 際 上 は 条 約 制 度 に準 拠 した 運 用 を して い る。 ま た,国 連 事 務 局 は,こ れ ら各 国 か らの提 供 情 報 に 加 え て事 務 局 が 独 自 に入 手 し た 情 報 も合 わ せ て整 理 して 公 表 して お り114),こ こ にお い て は条 約 に よ る登 録 情 報 か 決 議 に よ る登 録 情 報 か 区 別 さ れ て い な い 。 以 下 で は,総 会 決 議 に基 づ く 制 度 も事 実 上 包 含 して い る もの と して,条 約 制 度 を 中心 に 説 明 を進 め る。

(2)国 連 登 録 簿 と国 内 登 録 簿

登 録 条 約 は,各 国 が 自 国 内 に設 置 ・保 管 す る登 録 簿 に登 録 し た宇 宙 物 体 に 関 す る一 定 の 情 報 を 国 連 事 務 総 長 に提 供 し(2条1項,4条1項),事 務 総 長 は,

自身 が 保 管 す る登 録 簿 に各 国 か ら提 供 され た そ の 情 報 を記 録 す る(3条1項) とい う仕 組 み を設 け て い る 。 した が っ て,こ の登 録 条 約 に お い て は,各 国 が 保 管 す る 登 録 簿(以 下 「国 内 登 録 簿 」 とす る 。)と 国 連 事 務 総 長 が 保 管 す る登 録 簿(以 下 「国 連 登 録 簿 」 とす る 。)の2種 類 の 登 録 簿 が存 在 す る115)。

111)国 連 宇 宙 空 間 平 和 利 用 委 員 会 法 律 小 委 員 会 「宇 宙 物 体 の 登 録 に お け る 国 家 及 び 国 際 機 構 の 実 行:事 務 局 に よ る 背 景 文 書 」(A/AC.105/C.2/L.255(25January

2005))(以 「2005年 事 務 局 背 景 文 書 」 と す る 。)p.3,para.5.

112)「 同 上 背 景 文 書 」p.3,para.5andp.4.

113)「 同 上 背 景 文 書 」p.5,para.20.

114)国 連 宇 宙 部 サ イ トhttp://www.unoosa.org/oosa/showSearch.do.

115)米 国,ロ シ ア,オ ー ス ト ラ リ ア,英 国,ウ ク ラ イ ナ,ス ウ ェ ー デ ン,南 ア フ リ カ, フ ラ ン ス,カ ナ ダ 及 び ア ル ゼ ン チ ン の 国 内 登 録 制 度 一 般 に つ い て,Hermida, supranote37,pp.98,110,121‑122,133‑134,139,143,148,164,171,234‑237が

用 で あ る 。 た だ し,本 稿 の 関 心 で あ る 登 録 基 準 に つ い て ほ と ん ど 言 及 が な い 。

(3)

宇 宙物 体登 録 実行 にお け る宇 宙物 体 と国家 の 関係(二 ・完) ヱ85 こ の 国 連登 録 制 度 に基 づ き各 国 か ら国 連 事 務 総 長 に対 し提 供 す る情 報 を記 載 し た 文 書(以 下 便 宜 的 に 「登 録 文 書 」 とす る116)。)は,1961年 決 議 に 基 づ く もの はA/AC.105/INF...の 文 書 記 号 が,登 録 条 約 に 基 づ く も の はST/SG/

SER.E/...の 文 書 記 号 が 付 さ れ,配 布 され る。2005年1月1日 現 在,1961年 議 に基 づ く登 録 文 書 は411,登 録 条 約 に 基 づ く登 録 文 書 は462を 数 え る117)。 こ れ らの 登 録 文 書 は,国 連 宇 宙 部 サ イ トで ほ ぼ す べ て入 手 で きる118)。

(3)登 録 国

登 録 条 約 上,「 登 録 国(Stateofregistry)」 と は 国 内登 録 簿 に 宇 宙 物 体 が 登 録 さ れ て い る 『打 上 げ 国 』 と定 義 さ れ る(1条(c),2条1項)。 こ の 定 義 か ら, 条 文 上 は,厳 密 に は,国 連登 録 簿 へ の 記 載 は登 録 国 で あ る こ との 要 件 で は な く, また 条 約 の 定 義 す る 『打 上 げ 国』 に該 当 しな い 国 が 登 録 を行 っ て も登 録 条 約 上 は登 録 国 で は な い と い う こ と に な る が,実 際 の 運 用 で は そ れ ほ ど厳 密 に行 わ れ て い な い よ うで,一 般 に,国 連 に登 録 文 書 を提 出 した 国 が 当該 物 体 の 登 録 国 と

して扱 わ れ て い る。

そ の 『打 上 げ 国』に は,冒 頭 で述 べ た よ う に4つ の 国 が 含 ま れ う る。 した が っ て ま た,『 打 上 げ 国』 は複 数 国 が 該 当 す る こ とが あ り うる が,こ の 場 合,こ ら の 『打 上 げ 国』 は 当該 宇 宙 物 体 を登 録 す る い ず れ か1の 国 を共 同 して 決 定 し な け れ ば な らな い(2条2項)。 実 際 に は,『 打 上 げ 国』 が 複 数 あ る 場 合 で も こ れ らの 国 の 問 で登 録 国 を個 別 に決 定 す る こ とは 少 な く,こ の 点 は後 に分 析 す る よ う に ほ ぼ 慣 行 が 成 立 して い て,結 果 的 に あ る 程 度 二 重 登 録 や 無 登 録 の 発 生 が 抑 え られ て い る 。 た だ し,必 ず し もそ の 慣 行 が 完 全 な もの と は い え ず ま た慣 行

116)こ の 文 書 の 呼 称 は 確 立 し て い な い よ う で,国 連 宇 宙 部 の サ イ トや 報 告 書 な ど で は,「 登 録 文 書(registrationdocument;documentofregistration)」 「通 告 書(notification)」 と 呼 ば れ て い る 。 こ こ で は,国 連 宇 宙 部 サ イ ト(注114)の 宇 宙 物 体 一 覧 で 表 記 さ れ る 「登 録 文 書 」 の 表 現 を 用 い る こ と に す る 。 117)「2005年 事 務 局 背 景 文 書 」(注111)p.4,paras.13‑14.

118)http://www.unoosa.org/oosa/en/SORegister/index.html.た だ し,デ ー タ ベ ー ス が ま だ 整 備 さ れ て い な い よ う で,い く つ か の 文 書 は リ ン ク 先 が 存 在 し な い な

ど 入 手 で き な い 。

(4)

と して成 り立 っ て い な い場 合 もあ る た め,登 録 条 約 で 定 義 され る 『打 上 げ 国 』 に該 当 す る と は い え な い 国 が 登 録 す る こ とが あ り119),ま た 登 録 が 複 数 の 国 ・ 国 際 機 構 に よ っ て行 わ れ る例 も少 な くな い120)。

(4)登 録 情 報 と国 際 標 識 番 号

登 録 条 約 上,登 録 国,す な わ ち 国 内登 録 簿 に宇 宙 物 体 を登 録 した 国 は,国 連 事 務 総 長 に 以 下 の情 報 を提 供 す る こ とが 義 務 づ け られ る(4条1項)。

(a)打 上 げ 国 の 国 名

(b)宇 宙 物 体 の 適 当 な標 識 又 は登 録 番 号 (c)打 上 げが 行 わ れ た 日及 び領 域 又 は場 所 (d)次 の 事 項 を含 む基 本 的 な軌 道 要 素

(i)周 (li)傾 斜 角

遠 地 点 (iv)近 地 点

(e)宇 宙 物 体 の 一 般 的機 能

こ れ ら以 外 に も,登 録 国 は 追 加 情 報 を提 供 す る こ とが で き る(4条2項)。

ま た,登 録 国 は,情 報 提 供 した 物 体 が 地 球 周 回 軌 道 に存 在 し な くな っ た もの に つ い て 事 務 総 長 に 通 報 し な け れ ば な らな い(4条3項)。 た だ,実 際 に は,追 加 情 報 の提 供 は少 な くな い が,地 球 周 回 軌 道 に存 在 しな くな っ た こ と につ い て の 通 報 は 多 くな い 。

こ こで 特 に注 意 す べ き点 は,「(b)宇 宙 物 体 の 適 当 な 標 識 又 は登 録 番 号 」 につ

119)後 述 「四.4.(2)」 のBSB‑1A(1989‑067A)な ど 。

120)2004年 末 現 在 の 二 重 登 録 物 体16個 の 一 覧 が,「2005年 事 務 局 背 景 文 書 」(注111) に 記 載 さ れ て い る(p.20)。 た だ し,こ れ は 登 録 条 約 に 基 づ く登 録 に 限 定 さ れ て お り,1961年 国 連 総 会 決 議 に基 づ く登 録 を含 め る と そ の 数 は遙 か に 多 く な る 。

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宇 宙物体 登 録実 行 にお け る宇 宙物 体 と国家 の 関係(二 ・完) ヱ87 い て で あ る 。 各 国 か ら提 出 され る登 録 文 書 で は,物 体 の一 般 名 称 と共 に,何 種 類 か あ る標 識 番 号 の1つ ま た は 複 数(例 え ば 国 内登 録 番 号)が 付 さ れ る こ と も あ る121)。登 録 条 約 そ の他 の 公 的 な 国 際 制 度 で 正 式 に 採 用 され て い る標 識 ・登 録 番 号 は な い が,国 連 宇 宙 部 は,宇 宙 物 体 の 同定 の便 宜 の た め に,全 宇 宙 物 体 に 共 通 す る登 録 番 号 と して い わ ゆ る 「国 際 標 識 番 号(internationaldesignator)」

を 用 い て い る。 こ の 国 際 標 識 番 号 は,1957年 以 降,宇 宙 空 間 研 究 委 員 会 (CommitteeonSpaceResearch;COSPAR)の た め に ス ペ ー ス ワー ン (WorldWarningAgencyforRocketsandSatellites;SPACEWARN)が 割 り 当 て て い る も の で,SPACEWARNBulletinで 公 表 さ れ る122)。 この 国 際標 識 番 号 は,個 々 の 物 体 に つ い て,打 ち上 げ られ た年,そ の 年 に 打 ち上 げ が 行 わ れ た 時 間 的順 序 及 び 同 時 に打 ち 上 げ られ た物 体 に つ い て の ア ル フ ァベ ッ ト順123) の3つ の情 報 か ら成 っ て い る。 国 連 宇 宙 部 は,各 国 か ら提 出 され る登 録 文 書 に お い て 個 々 の 登 録 物 体 に 国 際 標 識 番 号 が 記 載 さ れ て い る か ど う か に 関 わ りな

く,こ の 国 際標 識 番 号 に よ り宇 宙 物 体 の情 報 管 理 を行 っ て い る 。

宇 宙 関連 の 文 献 ・資 料 で は特 定 の 宇 宙 物 体 に言 及 す る場 合 そ の 一 般 名 称 を用 い る こ とが 一 般 で あ る が,一 般 名 称 は文 献 ・資 料 に よ り異 な る だ け で な くそ の 一 般 名 称 す ら用 い られ な い こ と もあ り

,物 体 を正 確 に 同定 す る こ と は容 易 で な い124)。 ま た,物 体 の 売 却 等 に よ り一 般 名 称 は 変 更 され る こ とが あ り,特 に転

121)「 同 上 背 景 文 書 」p.9,paras.54‑59及 び 同 背 景 文 書 訂 正 版(A/AC.105/C.2/

L.255/Corr.2)。

122)「 同 上 背 景 文 書 」p.9,paras.55‑56.SPACEWARNBulletinのURLは,

http://nssdc.gsfc.nasa.gov/spacewarnで あ る 。 ス ペ ー ス ワ ー ン の 日 本 で の 連 絡 者 は,情 報 通 信 研 究 機 構 理 事 で あ り,日 本 が 登 録 す る 物 体 の 国 際 標 識 番 号 に 関

す る 連 絡 は こ こ を 通 じ て 行 わ れ る 。

123)た だ し,ア ル フ ァ ベ ッ ト の"1"と"0"は 使 用 さ れ な い 。 ま た,後 に 存 在 が 確 認 さ れ た 物 体 に つ い て は,末 尾 の ア ル フ ァベ ッ トが 付 さ れ な い こ とが あ る 。 124)例 え ば,日 本 が 登 録 し て い る 気 象 衛 星 「ひ ま わ り6号 」(2005‑006A)は,

"Hi

mawari6"や"MTSATIR"と も表 記 さ れ る 。 ま た,英 語 圏 以 外 の 国(中 国 な ど)の 宇 宙 物 体 の 場 合,英 語 の 名 称 が 用 い られ る 場 合 と本 国 言 語 表 現 が 英 語 表 記 さ れ る 場 合 と が あ り,ま た 英 語 表 記 の ス ペ ル も文 献 ・資 料 に よ り異 な る こ と も あ る 。 米 国 の 登 録 文 書 は,国 際 標 識 番 号 は付 さ れ る が 一 般 名 称 が 記 載 さ れ な い た め,こ れ も物 体 の 確 実 な 同 定 は 難 しい こ と が あ る 。

(6)

売 が 繰 り返 さ れ る と 元 々 そ れ が ど の 宇 宙 物 体 で あ る の か 同 定 が 困 難 と な る125)。 本 稿 で は,そ の よ う な不 便 を考 慮 して,物 体 を同 定 す る た め 各 物 体 に つ き一 般 名 称 と共 に この 国 際 標 識 番 号 を付 して い る 。

(5)登 録 の対 象

登 録 の 対 象 は,「 宇 宙 物 体(spaceobject)」 で あ る(登 録 条 約2条1項)。

宇 宙 物 体 は,「 宇 宙 物 体 の 構 成 部 分 並 び に打 上 げ機 及 び そ の 部 品 を い う」 と定 義 され る(1条(b))。

打 ち 上 げ られ た 物 体 は,事 実 上2つ の カ テ ゴ リ ー に分 類 さ れ うる 。す な わ ち, 機 能 的 宇 宙 物 体(functionalspaceobjects)と 非 機 能 的(non‑functiona1)あ る い は 旧機 能 的(formerlyfunctiona1)宇 宙 物 体 で あ る。 前 者 に は,衛 星,探 査 用 ロ ケ ッ ト,宇宙 船 及 び宇 宙 基 地 構 成 物 な どが あ り,後 者 に は使 用 済 み ロ ケ ッ

ト段 と機 能 停 止 衛 星(deactivatedsatellites)カsあ る126)。 登 録 条 約 に 基 づ き 登 録 され た全 宇 宙 物 体 の う ち,約56%が 非 機 能 的物 体 で あ り,現 在 地 球 周 回 軌 道 上 ま た は地 球 周 回軌 道 の 外 で 追 跡 さ れ る す べ て の物 体 の う ち約68%が 非 機 能 的物 体 で あ る127)。 実 行 上,す べ て の 非 機 能 的物 体 を登 録 して い る 国 は米 国 と フ ラ ン ス の み で あ る と さ れ る128)。 国 連 宇 宙 部 サ イ トやSPACEWARNBulle‑

tinに は,基 本 的 に機 能 的 物 体 と機 能 停 止 衛 星 の み が 記 載 さ れ て い る129)。

な お,軍 事 衛 星 は 国 連 登 録 簿 に記 載 さ れ な い と され る130)が,軍 事 衛 星 と 国 125)そ の例 と し て,後 掲 注168参 照 。

126)「2005年 事 務 局 背 景 文 書 」(注111)p.5,para.22.国 連 の 用 語 で は,地 球 周 回 軌 道 上 の 機i能的 宇 宙 物 体 を 「衛 星(satellites)」,太 陽 周 回 軌 道 上,太 陽 と 地 球 以 外 の 天 体 の 周 回 軌 道 上 ・地 表 上,及 び 惑 星 間 軌 道 上 の 機 能 的 宇 宙 物 体 を 「 査 用 ロ ケ ッ ト(probes)」,有 人 の 機 能 的 宇 宙 物 体 を 「宇 宙 船(spacecraft)」, 宇 宙 基 地 の 構 成 物(モ ジ ュ ー ル と支i援装 置 を 含 む)を 宇 宙 基 地 構 成 物(space stationcomponents)」 と呼 ぶ,と の こ とで あ る。 「同 上 背 景 文 書 」p.15,n.1.

127)「 同 上 背 景 文 書 」p.5,para23.

128)「 同 上 背 景 文 書 」p.5,para25.た だ し,イ ン ド も最 近 は非 機 能 的物 体 を登 録 す る よ う に な っ て い る よ う で あ る(ST/SG/SERE/424(2003)な ど)。

129)こ れ ら以 外 の 物 体 の デ ー タ(国 際 標 識 番 号 を 含 む)は,SPace40(http://

www.lib.cas.cz/knav/space。40/INDEX1.HTM)で 入 手 で き る 。

130)青 木 節 子 商 業 宇 宙 打 上 げ 形 態 多 様 化 に 伴 う 『打 上 げ 国 』 概 念 再 考 」 『法 学 研 究

(7)

宇 宙物体 登 録実 行 にお け る宇 宙物体 と国家 の 関係(二 ・完) ヱ89 家 との 関係 は 明 白 で あ り登 録 実 行 の 分 析 を 通 じた実 証 を要 す る もの で は な い こ

とか ら,本 稿 の 分 析 に 影 響 は な い 。

2.登 録 の 法効 果 と登 録 制 度 の意 義

こ こで,宇 宙 物 体 の登 録 に伴 う法 効 果 と登 録 制 度 の 意 義 に つ い て,他 の 宇 宙 関係 諸 条 約 との 関 係 も含 め て,簡 単 に ま とめ て お こ う。

宇 宙 物 体 の登 録 に 関 す る基 本 規 定 は宇 宙 条 約8条 第 一 文 で あ り,以 下 の 規 定 で あ る。

宇 宙 空 間 に発 射 され た 物 体 が 登 録 さ れ て い る条 約 の 当事 国 は,そ の 物 体 及 び そ の乗 員 に対 し,そ れ らが 宇 宙 空 間 又 は天 体 上 に あ る 問,管 轄 権 及 び 管 理 の 権 限(jurisdictionandcontrol)を 保 持 す る。」

宇 宙 物 体 登 録 条 約 は,こ の 規 定 に基 づ き作 成 され た もの で あ る131)。

(1)権 利 面 で の 法 効 果 と管 轄 権 及 び 管 理 の権 限

まず,登 録 に伴 う権 利 に つ い て で あ るが,最 も重 要 な 効 果 は,上 述 の,登 国 は 当該 登 録 物 体 に対 し管 轄 権 及 び管 理 の権 限 を保 持 す る こ とが で き る(宇 宙 条 約8条 第 一 文)と い う点 で あ る。 そ の 他,登 録 さ れ た物 体 が 登 録 国 の 領 域 外 で 発 見 され た と きは,そ の登 録 国 に返 還 され る(宇 宙 条 約8条 第 三 文)。 ま た, 登 録 に伴 う権 利 で ない が,登 録 条 約 締 約 国 は,他 の 締 約 国 が 条 約 義 務 を遵 守 し ない 場 合 に抗 議 を 行 い 法 的 請 求 を行 う権 利 や,特 に登 録 条 約6条 に基 づ く援二 要 請 の権 利 を有 す る132)。

(慶 応 大 学)』75巻2号(2002年)84頁 注4。 た だ し,軍 事 用 通 信 衛 星 は=登 録 さ れ る よ う で あ る 。

131)登 録 条 約 前 文5項 参 照 。 ま た,F.G.vonderDunk,"TheRegistrationCon‑

vention:BackgroundandHistoricalContext",4611SL2003,450,p.451.

132)vonderDullk,ibid.,pp.451‑452.

(8)

さて,登 録 と管 轄 権 及 び管 理 の 権 限 との 関 係 で あ る が,物 体 の登 録 は,登 録 を行 っ た 国 が 管 轄 権 及 び管 理 の権 限 を保 持 す る た め の 条 件 か とい う と,条 約 上 は そ う な っ て い な い 。第 一 に,『 打 上 げ 国 』 が複 数 あ る場 合,上 述 の よ う に 『 上 げ 国 』 は合 意 に よ り登 録 国 以外 の 『打 上 げ 国 』 が 管 轄 権 及 び管 理 の 権 限 を行 使 し う る と取 り決 め る こ とが で き る(登 録 条 約2条2項 参 照)か ら,こ の場 合, 登 録 国 で な くて も宇 宙 条 約8条 に 基 づ く管 轄 権 及 び管 理 の 権 限 を保 持 す る こ と が で き る こ とに な る133)。 第 二 に,逆 に 『打 上 げ 国 』 が1国 の み で あ る場 合, 登 録 を しな け れ ば宇 宙 物 体 に対 し管 轄 権 また は管 理 の権 限 を行 使 す る こ とが で

き な い とい う こ と は な い 。 無 登 録 の 宇 宙 物 体 も少 な くな い134)が,こ れ らの 無 登 録 物 体 も当 然 の こ とな が らい ず れ の 国 の管 轄 権 ・管 理 の 権 限 か ら も逃 れ る こ とは な い。 この よ うに,登 録 と管 轄 権 及 び管 理 の権 限 の 保 持 は 必 ず し も関係 づ け られ て お らず,そ の 意 味 で は,登 録 は管 轄 権 及 び管 理 の 権 限 の所 在 を推 定 す る だ け の役 割 しか な い と も い え る135)。

(2)登 録 に 関 す る義 務

登 録 に 関 す る義 務 は,登 録 条 約 にの み 規 定 が あ る 。 な お,登 録 条 約 上 の義 務 は 条 約 を批 准 した 国 の み に課 せ られ る の は 言 う ま で もな い 。

登 録 条 約 上 の 義 務 は,物 体 の 国 内 登 録 簿 へ の 登 録 義 務 と 国連 へ の 情 報 提 供 義 務 が 最 も重 要 で あ り136),こ れ は す で に述 べ た 。 ま た こ れ も述 べ た よ う に,『 打 上 げ 国 』 が複 数 あ る場 合 は登 録 国 を1国 に 決 定 しな け れ ば な らな い 。

133)山 「前 掲 論 文(宇 宙 開 発(1976年))」(注30)67頁;A.Kerrest,"Remarkson

theNotionofLaunchingState",4211SL1999,308,p.309;青 「前 掲 論 文(打 上 げ 国 概 念 再 考(2002年))」(注130)64頁

134)1957年 以 降 打 ち 上 げ ら れ た 約5730個 の 機 能 的 物 体 の う ち,390個 が 無 登 録 で あ る (「2005年 事 務 局 背 景 文 書 」(注111)p.13,para.94)。1976年 以 降 の 無 登 録 の 機 能 的 物 体 の 一 覧 が,同 背 景 文 書 付 属 書V(pp.21‑25)に 記 さ れ て い る 。 135)Cheng,smpranote25("ResponsibilityandLiability"(1994)),p.152.山 前 掲

論 文(宇 宙 開 発(1976年))」(注30)67頁 は,そ の 推 定 す ら 認 め な い 。 136)H.P.vanFeエ1ema,"TheRegistrationConvention",Proceedings,United

Nations/lnternationalinstituteofAirandSPaceLawJ7VorkshoponC砂 α0勿 BuildinginSpaceLaw2002(ST/SPACE/14)(2003),31,p.32.

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宇 宙物体 登 録実行 にお ける宇 宙物体 と国家 の 関係(二 ・完) ヱ9ヱ しか し,実 際 に は先 に触 れ た よ う に無 登 録 物 体 も少 な くな く,特 に非 機 能 的 物 体 につ い て そ う で あ る。 ま た,必 ず し も条 約 の定 め るす べ て の 情 報 が 提 供 さ れ る わ け で も な い137)。 更 に い う と,『 打 上 げ 国 』 が 複 数 あ る 場 合 も登 録 国 を 共 同 し て 決 定 す る例138)は 少 な く,上 述 の よ う に こ の 点 は お お ま か な慣 行 に 従 っ て 各 国毎 の 判 断 で登 録 して お り,無 登 録 や 二 重 登 録 を 回避 す る 制 度 的仕 組 み は な い。 この よ う に,国 連 登 録 制 度 は 十全 に実 施 され て い る とは 言 い難 い 。

(3)他 の 宇 宙 関 係 諸 条 約 と の関 係 で 生 じ う る効 果 ・意 義

登 録 条 約 は,前 文 で4つ の 宇 宙 関 係 諸 条 約 ・規 定 に 言 及 して お り,登 録 制 度 は これ らの規 定 の 実 施 に 資 す る とい う役 割 が 与 え られ て い る。

まず,宇 宙 条 約6条 第 一 文 前 段 の 国 の 国 際 的 責 任 へ の 言 及(前 文2項 前 段) で あ るが,こ れ は本 稿 の 中 心 的 な 関 心 で あ る 。 第 二 の宇 宙 条 約8条(同 後 段, ま た 前 文5項 参 照)と の 関 係 は,す で に述 べ た 。

第 三 の 救 助 返 還 協 定5条3項 へ の 言 及(登 録 条 約 前 文3項)に つ い て で あ る が,こ の 規 定 は,領 域 外 で発 見 され た 物 体 の返 還 を求 め る 際 に 「打 上 げ機 関」139) が 相 手 国 に対 し物 体 識 別 の た め の 資 料 を提 供 す る とい うだ け の規 定 で あ り,登 録 か ら生 じる 直 接 の義 務 ・法 効 果 と は言 い 難 い 。 そ の他 の 協 定 規 定 に は登 録 条 約 は 言 及 して お らず,こ の 規 定 以 外 で は登 録 条 約 と救 助 返 還 協 定 は 文 言 上 関係 づ け られ て い な い 。 た だ,多 くの場 合,登 録 国 と 「打 上 げ 機 関」 は 同 一 で あ ろ

うか ら,実 際 上,協 定 の 定 め る一 定 の 事 態 が 生 じた場 合 に登 録 国 が 「打 上 げ機 関」 と して の権 利 義 務 を 有 す る 国 と し て扱 わ れ る こ とに な ろ う。

最 後 に,賠 償 責 任 条 約 へ の 言 及(前 文4項)で あ る が,同 条 約 は,『打 上 げ 国 』 の賠 償 責 任 を登 録 と関 係 づ け て お らず(2条,5条 参 照),し た が っ て,賠 償

137)例 え ば,「 打 上 げ 国 の 国 名 」 は 普 通 に 考 え る と す べ て の 『打 上 げ 国 』 の 国 名 と な ろ う が,実 際 の 登 録 文 書 に は 登 録 国 名 の み が 記 さ れ た り,こ の 項 目 自体 置 か れ て い な い こ と が 多 い 。 ま た,「 打 上 げ が 行 わ れ た … 領 域 又 は 場 所 」 も 記 載 さ れ な い こ と も少 な くな い(米 国 な ど)。

138)後 述 「四.4.(5)」 参 照 。 139)前 掲 注6参 照 。

(10)

責 任 は 登 録 の 有 無 ・所 在 に 影 響 され な い140)。 もっ と も,宇 宙 物 体 に よ り損 害 が 引 き起 こ さ れ た場 合,ど の 国 に対 し賠 償 責 任 を求 め る か を 判 断 す る た め に は そ の 物 体 の 識 別 が 重 要 で あ る こ と は確 か で あ り,登 録 条 約 前 文 の 規 定 は この こ と を確 認 した もの とい え る 。 また,登 録 国 は,登 録 条 約 と賠 償 責 任 条 約 共 に 同 一 の 定 義 が な さ れ て い る 『打 上 げ 国』 の 一 つ で あ る こ と か ら

,登 録 国 が賠 償 責 任 を負 うべ き国 に含 ま れ る こ と は少 な くと も条 文 上 は 間違 い な く,実 際 上,損 害 を被 っ た 国 は ま ず は 『打 上 げ 国 』 の 一 つ で あ る登 録 国 に賠 償 責 任 を 追 及 す る

こ と と な ろ う。 登 録 は,賠 償 責 任 との 関 係 で実 際 上 こ う い っ た 意 義 を有 す る。

(4)登 録 制 度 の 意 義

以 上 の よ う に,登 録 は,管 轄 権 及 び管 理 の 権 限保 持 の 条 件 で は な い こ と及 び 各 国 の 負 うべ き法 的 義 務 及 び 実 際 上 の負 担 が 相 当 に 大 き い こ とか ら,国 に と っ て登 録 を行 う実 益 に 乏 しい と もい え る。 実 際 に も,登 録 条 約 の 問 題 点 の 大 き な 一 つ と して 批 准 国 が 少 な い こ とが 指 摘 さ れ て い る141)。 とな る と,国 は な ぜ 宇 宙 物 体 の登 録 を行 うの か,ま た 登 録 制 度 の 持 つ 意 義 は何 か が 疑 問 と して 生 じる 。

一 つ に は

,当 該 物 体 に対 す る他 国 に よ る管 轄 権 及 び 管 理 の権 限 の 保 持 な い し 行 使 の 排 除 とい う意 義 が あ ろ う。 第 二 に,管 轄 権 及 び 管 理 の権 限 を保 持 す る 国 の公 示 と い う こ と も考 え られ る 。 第 三 に,実 際 上 の効 果 と して,救 助 返 還 協 定 で の 通 報 相 手 国 と して 予 め公 示 され る とい う こ と も指 摘 で き よ う。

しか し,最 も大 きな 意 義 は,宇 宙 法 秩 序 の 維 持 に 資 す る とい う点 で あ ろ う。

宇 宙 活 動 は 可 動 物 で あ る宇 宙 物 体 を用 い て 行 わ れ る こ とか ら,宇 宙 物 体 の 識 別 は宇 宙 法 秩 序 の た め の何 よ り も前 提 条 件 で あ る。 前 述 し た よ うに,登 録 条 約 上 の 義 務 は 十全 に は履 行 さ れ て い ない 一 方 で,条 約 で 義 務 づ け られ て い る もの 以 外 の 情 報 が提 供 さ れ る こ と も多 い 。 ま た,登 録 条 約 批 准 国 で な くと も多 くの 国

140)Sterns/Tennen,supranote15,p.171;2003年 韓 国 ワ ー ク シ ョ ッ プ 国 連 報 告 書 (A/AC.105/814,p.7,para.43)。 ま た,法 律 小 委 員 会 第43会 期 米 国 発 言 (COPUOS/LEGAL/T.703(5April2004),p.18)参 照 。

141)vonderDunk,supranote131,p.450.ま た,2006年 法 律 小 委 員 会 報 告 書(注 4)P.21,para.133参 照 。

(11)

宇宙 物体登 録 実行 にお け る宇宙 物体 と国家 の関係(二 ・完) 193 は 国 連 総 会 決 議 に基 づ き登 録 を行 っ て い る し,更 に は登 録 国 で な い こ と を前 提 と しつ つ 物 体 の情 報 を提 供 す る 国 も少 な くな い142)。 こ うい っ た 行 動 は,各 の個 別 の 権 利 の取 得 を意 図 して い る とい う よ り は,宇 宙 法 秩 序 の維 持 とい う い わ ば 国 際 的 な公 共 利 益 の観 点 か ら行 わ れ て い る と見 る こ とが で き よ う143)。

いず れ にせ よ,各 国 は,単 に登 録 条 約 上 の権 利 義 務 の観 点 か ら だ け で は な く, 様 々 な 事 情 を考 慮 し て そ れ ぞ れ の判 断 に基 づ き,登 録 を行 っ て い る 。 した が っ て ま た,そ こ に,国 家 は い か な る理 由 で そ の よ う な行 動 を 行 っ た の か を個 別 に 分 析 す る 意 義 を見 い だす こ とが で きる の で あ る 。

四.宇 宙 物体 登 録 実行 に お け る登 録 国 と宇 宙 物体 の 関係144)

で は こ れ か ら,宇 宙 物 体 の登 録 実 行 にお い て,国 は 自 国 とい か な る 関 係 に あ る宇 宙 物 体 を登 録 して い る の か を,明 らか に し よ う。 こ こ で は,ま ず2001年 に 142)例 え ば,ロ シ ア や フ ラ ン ス は,自 国 領 域 か ら打 ち上 げ ら れ た 物 体 で 自 国 が 登 録 国 で な い もの に つ い て も,登 録 文 書 で 情 報 を提 供 し て い る 。 ま た 後 述 す る よ う に(「 四.4.(4)」),イ ン マ ル サ ッ ト衛 星 に つ い て,英 国 も 自 国 の 登 録 国 と し て の 地 位 を 明 確 に 否 定 しつ つ こ の 衛 星 に 関 す る 情 報 を提 供 して い る。

143)登 録 条 約 前 文7項 は,=登 録 制 度 が,物 体 の 識 別 に 資 す る こ と及 び 宇 宙 法 の 適 用 を容 易 に しそ の 発 展 に 寄 与 す る こ と を確 認 し て い る。 ま た,国 連 登 録 実 行 作 業 の 開 始 を提 案 す る に あ た り,共 同 提 案 国(12力 国,後 に2力 国 追 加)は,国 登 録 簿 を 設 置 す べ き 理 由 と して,交 通 管 理(trafficmanagement),安 全(safety) 及 び 宇 宙 物 体 の 識 別,の3点 を 挙 げ て い る(A/AC.105/C.2/L.241(2003),p,1, para.1)。 こ れ らの 事 項 は,各 国 の 個 別 の 利 益 に還 元 し に く い も の も含 ま れ る 。 144)個 々 の 宇 宙 物 体 や 団 体 に 関 す る 以 下 の 記 述 及 び 巻 末 の 表 の デ ー タ は,数 十 の 文 献 ・資 料 ・イ ン タ ー ネ ッ トサ イ トか ら の 断 片 的 情 報 を 繋 ぎ合 わ せ た もの が 多 く 含 ま れ て お り,逐 一 典 拠 を記 す こ とが で き な い 。 これ ら の 情 報 源 の う ち特 に よ

く参 照 し た も の は,国 連 宇 宙 部 サ イ ト(注114)の ほ か,EncycloPediα Astronautica(http://www.astronautix.com/),Space40(supranote

129),Sl)ace‑Launcher.com(http://www.orbireport.com/),G%窺 ε内 亀)ace Page(http://www.skyrocket.de/space/space.htm1),IVASA,NationalSpace

ScienceZ)ataCenter(NSSDC)(http://nssdc.gsfc.nasa.gov/),JAXAサ ト(http://www.jaxa.jp/),『 衛 星 通 信 年 報 』(注106),各 団 体 ・会 社 サ イ ト(打 ち 上 げ 団 体,衛 星 製 造 者,ロ ケ ッ ト製 造 者,通 信 業 者,放 送 業 者 を含 む)及

Wikipedia(http://en.wikipedia.org/wiki/Main ̲Page)で あ る 。 こ れ らの イ ン タ ー ネ ッ トサ イ トは い ず れ も 無 料 で あ り,最 終 の 確 認 は2006年12月 末 日で あ る。

(12)

打 ち上 げ られたすべ ての物体 に関す る登 録実行 を分析 し,そ の分析結 果 を踏 ま えつ つ,日 本 の 登 録 実 行,SeaLaunch社 に よ り打 ち 上 げ られ た 物 体 に 関 す る 登 録 実 行 及 び そ の他 の い くつ か の 登 録 実 行 につ い て 考 察 す る145)。

1.2001年 に打 ち 上 げ ら れ た 物 体 に関 す る登 録 実 行 の 分 析

巻 末 の 表1は,2001年 に打 ち 上 げ られ た す べ て の 宇 宙 物 体(機 能 的 物 体87個 と非 機i能的 物 体460個 の合 計547個)146)に つ い て,国 際 標 識 番 号,一 般 名 称, 登 録 国,打 ち上 げ 日,打 ち上 げ 場 所 の あ る 国,打 ち 上 げ機 製 造 者 の 国 籍 国,当 該 物 体 の製 造 者 の 国 籍 国,及 び,当 該 物 体 の 所 有 ・運 用 団体 の 国籍 国 を記 載 し た も の で あ る147)。

分 析 結 果 は,機 能 的 物 体 と非 機 能 的物 体 で 異 な る148)。

な お,こ うい っ た 情 報 源 の 常 と し て デ ー タ が 不 正 確 で あ っ た り一 致 し な い こ と も あ る が,可 能 な 限 り公 的 な ま た は よ り権 威 あ る情 報 源 や 複 数 の 情 報 源 で 確 認 し た デ ー タ を 選 択 し記 す よ う に した 。

145)な お,こ こ で は 基 本 的 に,登 録 さ れ た 物 体 を扱 う こ と と し,無 登 録 物 体 は 分 析 の 対 象 と して い な い 。 無 登 録 の 理 由 を探 る こ と も登 録 基 準 を よ り明 確 に す る た め に 有 用 で あ るが,無 登 録 の 理 由 は 個 々 の 物 体 に よ り異 な り得 る だ け で な く, 多 く の 場 合 そ の 理 由 が 不 明 で あ る た め 推 測 の 域 を 出 ず,有 意 な 分 析 結 果 が 得 ら れ な い 恐 れ が あ る た め で あ る 。

146)正 確 に は,2001年 に打 ち 上 げ ら れ た も の で あ っ て 国 際 標 識 番 号 が 付 され て い る も の と,国 際 標 識 番 号 の 最 初 の4桁 が"2001"で あ る も の,で あ る。 こ の547 個 の 物 体 の 存 在 は,国 連 宇 宙 部 サ イ ト(注114)及 びSPace40(注129)よ り。

147)こ こ で は,「所 有 ・運 用 」は 「所 有 及 び/又 は 運 用(ownershipand/oroperation)」

の 意 味 で 用 い て い る 。 現 実 に は所 有 と運 用 は 同 一 団 体 に 属 す る こ と が 大 半 で あ り,そ の た め,参 照 した 多 くの 情 報 源 に お い て 所 有 と運 用 は 区 別 され て い な い 。 ま た,産 業 実 務 的 に は 所 有 と運 用 の所 在 に 関 す る正 確 な 情 報 は そ れ ほ ど重 要 で な い よ う で,こ れ も ま た 多 くの 情 報 源 に お い て 所 有 と 運 用 に 関 す る情 報 は 法 的 な 正 確 さ に 欠 け て い る 。 し た が っ て,本 稿 で 用 い られ て い る 「所 有 ・運 用 」 に 関 す る情 報 は,多 少 の 意 味 の 幅 の あ る 法 的 な 正 確 さ に 欠 け る 内 容 が 含 ま れ う る 。 た だ し,こ の 不 正 確 さ は本 稿 の 分 析 結 果 に 影 響 す る ほ どで は な い と思 わ れ る。

148)以 下 で は,「 機i能的 物 体 」 は 国 連 宇 宙 部 サ イ ト(注114)に 掲 載 さ れ て い る もの を,「 非 機 能 的 物 体 」 は そ れ 以 外 の 宇 宙 物 体 で あ っ て 国 際 標 識 番 号 が 付 さ れ て い る も の を 示 す 語 と し て 用 い る 。 こ の 基 準 が,本 稿 の 分 析 に と っ て 最 も 有 用 で あ る 。 機 能 的 物 体 と 非 機 能 的 物 体 の 意 味 に つ い て は す で に 述 べ た が,実 際 に は 個 々 の 物 体 を い ず れ に 分 類 す る か は 容 易 で な く,結 局 は そ の 分 析 の 目的 に よ っ て 個 別 に 決 め る しか な い 。 例 え ば,(a)当 初 は 機 能 的 物 体 で あ っ た が 寿 命 が 尽 き

(13)

宇 宙物体 登 録実行 にお ける宇 宙物 体 と国家 の 関係(二 ・完) 195 (1)機 能 的 宇 宙 物 体 の 登 録 国

まず 機 能 的 物 体 に つ い て で あ るが,登 録 国 と 当該 物 体 の 所 有 ・運 用 団体 の 国 籍 国 と の 間 に はか な り強 い 相 関 関 係 が 認 め られ る。これ を示 す の が,表1の 致F」(F="Functiona1")の 欄 で あ る。 こ の 欄 で は,こ の2国 が 一 致 す る もの に 「○ 」,不 一 致 の もの に 「×」,更 な る分 析 を要 す る もの に 「△ 」 を付 した 。 な お,「 無 」 は無 登 録 で あ り,こ れ は 分析 の 対 象 か ら 除外 して い る。

こ の 一一IAFの 欄 の 示 す よ う に,登 録 さ れ て い る機 能 的 物 体77個 の う ち,○ が 72個,× が1個,△ が4個 で あ る 。 ち な み に,打 ち上 げ場 所 の あ る 国 との 関係 は○ が62個 ×が10個,打 ち上 げ 機i製造 者 の 国 籍 国 との 関係 は ○ が51個 ×が24個, 物 体 製 造 者 の 国 籍 国 との 関 係 は ○ が68個 ×が6個 で あ る 。 こ の よ う に,登 録 国

と所 有 ・運 用 団体 の 国籍 国 と の 間 に は,は っ き り と した 相 関 関係 が 見 られ る 。 物 体 の 所 有 ・運 用 団体 の 国 籍 国 との 関係 に お け る△ と ×の5個 の 物 体 につ い て,も う少 し分 析 を加 え よ う。CORONASF(2001‑032A)(ロ シ ア=登録), JASON(2001‑055A)(米 国1登録)及 びREFLEKTOR(2001‑056E)(米

と ロ シ ァ の 二 重 登 録)は,そ れ ぞ れ,ロ シ ア ・ウ ク ラ イ ナ(そ の他 米 英 な どい くつ か の 国 も参 加),米 仏 及 び米 ロ の 国 際 プ ロ ジ ェ ク トの た め の 物 体 で あ る 。 い ず れ も,所 有 ・運 用 団体 の 国籍 国 の 少 な く と も一 方 の 国 が 登 録 を 行 っ て い る こ とか ら,こ れ らの 例 は,登 録 国 と物 体 の 所 有 ・運 用 団体 国 籍 国 との 間 に相 関 関 係 が あ る と い え る149)。

た な ど に よ り機 能 し な く な っ た もの は,い つ の 時 点 で の 考 察 か に よ り分 類 は 異 な る 。 そ の 他,(b)実 験 の た め 他 の 物 体 の 一 部 と し て 機 能 した が,実 験 終 了 後 切 り離 さ れ 独 立 の 物 体 と な り も は や 機 能 しな く な っ た も の,(c)機 能 させ る 目的 で 打 ち 上 げ ら れ た が,う ま く軌 道 に 乗 らず 一 度 も機 能 し な か っ た もの,(d)宇 宙 空 間 に 打 ち 上 げ られ た が 爆 発 事 故 な ど に よ り無 数 の 破 片 と化 した もの,な ど,様 々 な物 体 が あ り う る 。 宇 宙 部 サ イ トで は い ず れ の 宇 宙 物 体 を 記 載 す る の か の 基 準 を 明 ら か に し て い な い が,実 際 に は(a)〜(c)を記 載 し(d)を記 載 し て い な い 。そ し て, こ れ が 本 稿 の 分 析 に と っ て も最 も有 用 な基 準 と な っ て い る。 以 下 で は,「 機 能 的 物 体 」は 現 在 機 能 中 の 物 体 及 び(a)〜(c)の物 体 を 含 む も の と して,「非 機 能 的 物 体 」 は そ れ 以 外 の 物 体((d)及 び ロ ケ ッ ト残 骸 物 を含 む)と して,用 い る。

149)恐 ら く各 共 同 プ ロ ジ ェ ク トに 関 す る 国 際 協 定 が 存 在 す る と 思 わ れ る が,確 認 で き な か っ た 。 登 録 は,こ れ ら の 協 定 に 基 づ き ま た は 関 係 国 の 間 で 黙 示 的 な 了 解 の 下 で 行 わ れ た の で あ ろ う。 な お,JASONに つ い て,後 述 「4.(5Xb)」 参 照 。

(14)

残 る2個 の うち,ま ずICOF2(2001‑026A)(英 国 と米 国 の 二 重 登 録)で るが,英 国 の登 録 文 書 に よ る と,こ れ は英 国企 業ICOGIobalCommunications 社 を 「所 有 者/運 用 者(Owner/operator)」 とす る通 信 衛 星 で あ る150)。 問 題

は米 国 と の 関 係 で あ る が,米 国 とは 資 本 面 で の 関 係 は な い151)が,こ の衛 星 は 米 国 を 中 心 とす る 北 米 エ リ ァ を サ ー ビ ス の 対 象 と して お り,ま た こ の 衛 星 の

"

primarycontrol"は 米 国 のPanAmSat社 が 行 っ て い る152)こ とか ら,米 国 と は こ うい っ た運 用 面 で の 関 係 が 存 在 す る。

最 後 に,唯 一 ×が 付 され たTURKSAT2A(2001‑O①2A)で あ るが,こ の 衛 星 の 所 有 ・運 用 団体 は,モ ナ コ法 人 で あ るEurasiasat社 で あ る が トル コ が 登 録 を 行 っ て お り153),明 ら か に 上 記 相 関 関 係 は な い 。 た だ,同 社 は,Turk Telecom社(ト ル コ)が75%,こ の 衛 星 の 製 造 者 で あ るAlcatelSpace社(フ ラ ンス)が25%を 出 資 して 設 立 した 法 人 で あ り,ま た この 衛 星 は トル コ国 内 通 信 用 で あ る こ と か ら,モ ナ コ よ りも トル コ と の 関係 が は る か に強 い。 実 際 の と こ ろ,産 業 実 務 上 こ の衛 星 は トル コの 衛 星 と して 扱 わ れ て い る154)。 こ の よ う に,こ の 物 体 は トル コ と資 本 面 及 び運 用 面 で の 関係 が存 在 す る と い え る 。

以 上 の分 析 か ら,次 の 結 果 を導 くこ とが で き よ う。 第 一 に,登 録 は,物 体 の 所 有 ・運 用 を決 定 的 要 素 と して行 わ れ て い る。 した が って,物 体 の 登 録 は,打 ち 上 げ 場 所,打 ち上 げ 機 の 製 造,物 体 の 製 造 に 関係 せ ず,ま た 恐 ら く資 本 関 係

も重 要 で な い 。 特 に,登 録 は打 ち上 げ場 所 と無 関係 で あ る こ と は強 調 され るべ きで あ る。 第 二 に,登 録 は,ほ と ん どの場 合,物 体 の 所 有 ・運 用 団 体 の 国 籍 国 が行 っ て い る。 た だ し,国 籍 国 以 外 の 国 が 登 録 を行 う こ と もあ る。 以 下 で は, こ れ を 「分 析 結 果F」 とす る155)。

150)ST/SG/SERE/398、

151)同 社 は,民 営 化 前 の イ ン マ ル サ ッ トが 子 会 社 と し て ユ995年1月 に 設 立 した 。 152)ICOGIobalCommunications社 サ イ ト(http://www.ico.com/ ̲about/tech/

meo.php)よ り。

153)A/AC.105/INF.413.ト ル コ ・モ ナ コ共 に登 録 条 約 を批 准 し て い な い が,ト ル コ は 最 近,1961年 総 会 決 議 に 基 づ い た 登 録 を行 う よ う に な っ た 。

154)『 衛 星 通 信 年 報 』(注106)197頁 参 照 。

155)登 録 実 行 か ら機 能 的 物 体 につ い て の 登 録 基 準 を 指 摘 す る 論 者 は,確 認 で き た 範

(15)

宇 宙物 体登 録 実行 にお け る宇 宙物 体 と国家 の関係(二 ・完) ヱ97

(2)非 機 能 的 宇 宙 物 体 の 登 録 国

次 に,非 機 能 的 物 体 に つ い て 見 て み よ う。 非 機 能 的 物 体 に つ い て は,登 録 国 と 当該 物 体 の 領 域 打 ち上 げ 国 との 間 に,か な り強 い 相 関 関係 が 認 め られ る。 こ の 相 関 関 係 を示 す の が,表1の 一 致N」(N="Non‑functiona1")の 欄 で あ る。

この 欄 で は,非 機 能 的物 体 の 登 録 国 と領 域 打 ち 上 げ 国 が 一 致 す る もの に 「○ 」, 不 一 致 の もの に 「×」,更 な る 分 析 を要 す る もの に 「△ 」 を付 した 。な お,「 無 」 は無 登 録 で あ り,こ れ は分 析 の 対 象 か ら除 外 して い る。

こ の一一lkNの 欄 の示 す よ う に,登 録 され て い る 非 機 能 的物 体28個 の う ち,○

が26個,△ が2個 で あ り,× は な い。 登 録 国 と領 域 打 ち上 げ 国 と の 間 に は,明 白 な相 関 関 係 が あ る 。

○ で な い 唯 一 の 例 外 は,SeaLaunch社 に よ り公 海 上 で 打 ち上 げ られ た2つ の物 体 で あ り,領 域 打 ち上 げ 国 が 存 在 しな い 。 こ れ ら の物 体 は,い ず れ も米 国 が登 録 を行 って い る 。 た だ,後 述 す る よ う に(「3.」),2003年 以 降米 国 は 同社 の打 ち上 げ た 非 機 能 的 物 体 を登 録 しな くな っ て い る こ と か ら,こ の2件 の 米 国 登 録 は一 時 的 な不 正 規 な行 動 の よ う で あ り,し た が っ て こ れ か ら有 意 な 分 析 結

果 を導 き出 す こ とは で き な い 。

以 上 か ら,非 機 能 的 物 体 に つ い て は,登 録 は領 域 打 ち上 げ 国 が 行 う とい う実 行 が確 立 して い る とい え そ うで あ る。 た だ,こ こ で は取 り上 げ なか っ た が,い

囲 で は 青 木 と内 富 の2人 だ け で あ る 。青 木 は,個 別 具 体 的 に 分 析 して は い な い が,

「国 連 登 録 簿 を 調 査 す る と,多 く の 場 合,… 衛 星 運 営 者/所 有 者 の 国 籍 国 が 登 録 国 と な っ て い る 。」 と結 論 づ け て お り(青 木 「前 掲 論 文(打 上 げ 国 概 念 再 考)」

(注130)82頁 。 ま た,同 前 掲 論 文(宇 宙 の 商 業 利 用)」(注48)255頁 参 照), 本 稿 の 分 析 結 果Fと 同 じ見 解 を 示 し て い る 。 他 方,内 富 は,1999年 に打 ち 上 げ

ら れ た い くつ か の 物 体 の 登 録 実 行 を 分 析 し て,「 一 般 に,打 ち 上 げ ら れ た 宇 宙 物 体 を 所 有 す る 国 民 の 国 が そ の 物 体 を 登 録 す る 。」 と 結 論 づ け る(M.Uchitomi,

"StateResponsibility/Liabilit

yfor̀National'SpaceActivities:TowardsSafe andFairCompetitioninPrivateSpaceActivities",441fSL200J,51,p.57)。

こ れ も基 本 的 に 本 稿 の 分 析 結 果 と重 な る が,運 用 を 除 外 し所 有 を唯 一 の 決 定 的 要 素 と し て い る 点 で,本 稿 と も青 木 の 見 解 と も異 な る 。 登 録 及 び 責 任 と の 関 係 で 所 有 と運 用 を ど う 位 置 づ け る か は,「 五.」 で も 触 れ る が,か な り深 い 論 究 が 必 要 が あ る 。 な お,両 者 と も責 任 国 ・関 係 当 事 国 の 文 脈 で 登 録 実 行 を取 り上 げ て い る点 が 興 味 深 い 。

(16)

ず れ の 例 も領 域 打 ち上 げ 国 は 同 時 に打 ち上 げ 許 可 国 で も あ る こ とか ら,登 録 の 決 定 的 要 素 が 場 所 な の か 許 可 な の か,こ れ らの デ ー タか らは判 断 で きな い 。 そ の判 断 の た め に は領 域 外 打 ち上 げ につ い て の 登 録 実 行 の 蓄 積 と確 立 が 待 た れ る が,現 時 点 で は こ こ で 見 た よ うに 十 分 で は な い 。 加 えて,非 機 能 的 物 体 の 大 半 は 無 登 録 で あ る(460個 の う ち433個156))こ とか ら,非 機 能 的 物 体 の 登 録 実 行 につ い て は っ き り した こ と は分 か ら な い。こ こで は,非 機 能 的物 体 につ い て は, 上 記2国 を含 む と い う理 解 の下 で 登 録 は領 域 打 ち上 げ 国 が 行 う とい う傾 向 が 見 られ る と い う指 摘 に と どめ て お きた い 。 以 下 で は,こ れ を 「分 析 結 果N」 とす る157)。

以 上 の 分 析 結 果Fと 分 析 結 果Nは,他 の様 々 な登 録 実 行 か ら も確 認 で き る。

以 下,い くつ か の 実 行 に つ い て個 別 に見 て い こ う。

2.日 本 の 登 録 実 行

まず,比 較 的 デ ー タ が 入 手 しや す くよ り身 近 で あ る 日本 の登 録 実 行 に つ い て で あ る 。 巻 末 の 表2は,日 本 企 業 に よ る商 用 衛 星 の所 有 ・運 用 が 始 ま っ た1989 年 以 降 に打 ち上 げ られ た,日 本 が 関 係 しか つ 国 連 宇 宙 部 サ イ ト(注114)に 載 さ れ て い る機 能 的 宇 宙 物 体 の 一 覧 で あ る158)。 こ の 一 覧 の示 す よ う に,登 録 国 と物 体 の所 有 ・運 用 団体 の 国籍 国 の 問 に は 極 め て 強 い 相 関 関係 が 見 られ(登 録 され て い る機 能 的物 体76個 の うち ○ が75個,× は な し),日 本 の 登 録 実 行 か

ら も,上 記 の分 析 結 果Fと 同 一 の 結 果 を見 る こ とが で き る。

156)こ の460個 の う ち,イ ン ドか ら打 ち 上 げ ら れ た2001‑049の 非 機 能 的 物 体 が345個 あ り,こ の た め 例 年 と 比 較 し て 突 出 し て 非 機 能 的 物 体 の 数 が 多 く な っ て い る。

た だ,こ れ を 除 い て も,非 機 能 的 物 体 の 無 登録 の 割 合 は 多 い 。

157)非 機i能的 物 体 の 登 録 実 行 に 言 及 す る 文 献 は,確 認 で き た 範 囲 で は 「2005年 事 務 局 背 景 文 書 」(注111)の み で あ る 。 同 背 景 文 書 は,具 体 的 に個 別 の 物 体 に 言 及 す る こ と な く簡 単 に,「 打 ち 上 げ か ら生 じ る非 機 能 的 物 体 の 登 録 は,通 常,打 上 げ サ ー ビ ス を 提 供 す る 国 に よ っ て な さ れ る 。」 と述 べ て お り(p.5,para.25), 基 本 的 に 本 稿 の 分 析 結 果Nに 重 な る と言 え る 。 た だ し,こ の 「サ ー ビ ス を提 供 す る 国 」 の 表 現 は曖 昧 で あ り,私 企 業 が 打 ち 上 げ サ ー ビ ス を提 供 す る 場 合,そ の 私 企 業 と ど の よ う な 関 係 に あ る 国 を指 す の か 分 か らな い 。

158)日 本 は 非 機 能 的 物 体 を登 録 し な い の で,こ こ で は 機 能 的 物 体 の み を 記 載 し た 。

(17)

宇宙 物体登 録 実行 にお け る宇宙 物体 と国家 の関係(二 ・完) ヱ99 とこ ろ で,日 本 は 宇 宙 物 体 の 登 録 に 関 す る法 令 を持 た な い が,関 係15省 庁(当 時)の 以 下 の3つ の 申合 せ に よ り登 録 が 行 わ れ て い る。 す な わ ち,① 登 録 条 約 に 関 す る 国 内措 置 」(1983年3月23日 付),② 民 間通 信 衛 星 の 打 上 げ に伴 う 登 録 条 約 に 関 す る 国 内 措 置 」(1989年3月3日 付)及 び ③ 「日本 放 送 協 会 の 放 送 衛 星 の 打 上 げ に 伴 う=登録 条 約 に 関 す る 国 内措 置 」(1990年2月19日 付)で る159)。① は宇 宙 開 発 事 業 団(NASDA)ま た は宇 宙科 学 研 究 所(い ず れ も 当 時) が 人 工 衛 星 の 打 ち上 げ を行 っ た 場 合 に つ い て,② と③ は外 国機 関 が そ れ ぞ れ 第 一種 電 気 通 信 事 業 者 ま た はNHKの 宇 宙 物 体(通 信 衛 星 ・放 送 衛 星)の 打 ち上 げ を行 っ た 場 合 に つ い て,日 本 が 国 内登 録 及 び 国 連 登 録 を行 うた め の 国 内 手 続 きの 概 略 を 定 め て い る。 こ れ らの 申合 せ も,実 際 上 は上 記 の分 析 結 果Fに 合 致 す る と言 え るが,厳 密 に は これ らの 申合 せ に お い て 日本 と物 体 の 所 有 ・運 用 と

の 関 係 は現 れ て い な い 。

3.SeaLaunch社 に よ り 公 海 上 で 打 ち 上 げ ら れ た 物 体 に 関 す る 登 録 実 行 次 に,領 域 打 ち 上 げ 国 を 持 た な い,SeaLaunch社 に よ り公 海 上 で 打 ち 上 げ ら れ た 物 体 に 関 す る 登 録 実 行 を 見 よ う 。

SeaLaunch社 は,1995年 に,米 国 のBoeing社 が40%,ロ シ ア のRSC‑

Energiaが25%,ノ ル ウ ェ ー のKvaernerASA社 が20%,及 び ウ ク ラ イ ナ の SDOYuzhnoye/POYuzhmashが15%を 出 資 し て 設 立 し た 国 際 ジ ョ イ ン トベ

ン チ ャ ー で あ る160)。 設 立 当 初 は 英 国(ケ イ マ ン 島)法 人 で あ っ た が,2000年 4月 か ら米 国 法 人 と な っ て い る 。 打 ち 上 げ に 使 用 さ れ る 船 舶 は 司 令 船 と打 ち 上 げ 船 の2隻 で あ り,い ず れ も リ ベ リ ア 船 籍 で あ る 。 本 部 と 母 港 は 米 国 カ リ フ ォ

159)こ れ らの 文 書 は,宇 宙 航 空 研 究 開 発 機 構(JAXA)法 務 課 か らい た だ い た。 省 庁 再 編 後 及 びNASDA・ 宇 宙 航 空 研 究 所 のJAXAへ の 組 織 替 え後 は,必 要 に 応 じ て こ れ ら の 申 合 せ の 読 み 替 え が な され て い る と の こ とで あ る 。

160)SeaLaunch社 サ イ ト(http://www.sea‑launch.com/organization.htm)よ り。

同 社 に つ い て の 邦 語 文 献 と し て は,神 谷 直 亮 「衛 星 打 ち 上 げ ロ ケ ッ ト最 前 線 」『 星 通 信 研 究 』84号(2000年)50‑59頁 が 有 用 で あ る 。 ま た,青 木 「前 掲 論 文(打 上 げ 国 概 念 再 考)」(注130)71‑77,81‑82頁 参 照 。

(18)

ル ニ ア 州LongBeachに あ り,こ こで 打 ち 上 げ 機 の組 み 立 て を 行 う。 これ らの 2隻 を用 い て,同 社 は,公 海 の 赤 道 上 で 打 ち上 げ を行 う。 打 ち 上 げ許 可 は,英 国 法 人 時代 か ら,米 国 政 府 が 与 え て い る161)。

巻 末 の 表3は,同 社 が 公 海 上 で 打 ち 上 げ た2006年 末 ま で の す べ て の物 体(非 機 能 的物 体 を含 む)の 一 覧 で あ る 。この 表 の示 す 通 り,英 国 法 人 の 時期 を含 め, 機 能 的 物 体 につ い て は 物 体 の所 有 ・運 用 団 体 の 国籍 国 が 登 録 国 で あ り(登 録 物 体14個 中 ○ が13個,× は な し),上 記 分 析 結 果Fに 合 致 す る こ とが 分 か る。他 方, 非 機 能 的物 体 は,1999年 か ら2002年 ま で は 同 時 に打 ち 上 げ られ た 機 能 的物 体 の 登 録 国が 米 国 で あ る場 合 に 限 り米 国が 登 録 して い た が,2003年 か らは す べ て無 登 録 と な っ て い る。 従 前 ま で米 国 が 登 録 して い た理 由 も そ の後 米 国 が 登 録 し な く な っ た理 由 も不 明 で あ るが,実 行 が 一 定 して い な い こ と及 び い ず れ に せ よ現 在 は 無 登 録 で あ る こ とか ら,非 機 能 的物 体 につ い て は こ の登 録 実 行 か ら有 意 な 分 析 結 果 を 導 くこ とは で きな い 。

4.そ の他 の 登 録 実 行

(1)米 国,ロ シ ア及 び 中 国 の登 録 基 準 (a)米 国 の 登 録 基 準

2004年 に 開 始 した 国 連 登 録 実 行 作 業 で は,2006年 末 時 点 で入 手 で きる 国 連 文 書(法 律 小 委 員 会 審 議 録 を含 む)を 見 る 限 り,米 国 の み が 登 録 基 準 を 明 らか に

して い る。

す な わ ち,米 国 の 国 内 登 録 簿 に は,一 般 に米 国 の 民 間 団体 また は政 府 団 体 に よ り所 有 ま た は 運 用 され て い る(ownedoroperated)す べ て の 宇 宙 物 体 が 記 161)SeaLaunch硫 θ幽0%彪6,rev.C(2003),p.11‑6参 照 。SeaLaunch社 設 立 直 後 に 作 成 さ れ た1996年 「米 国 一 ウ ク ラ イ ナ 商 業 宇 宙 打 上 げ協 定 」 の 議 定 書 は,同 社 の 打 ち 上 げ は 米 国 が 許 可 を 与 え る べ き もの で あ る こ と を含 意 し て い る 。 同 社 が 米 国 系 企 業 で あ る こ とが,こ の 協 定 締 結 交 渉 に お け る 大 前 提 で あ っ た 。 こ の 協 定 及 び 議 定 書 の 邦 訳 は,中 央 学 院 大 学 地 方 自 治 研 究 セ ン タ ー 編 原 典 宇 宙 法 』

(丸 善 プ ラ ネ ッ ト,1999年)769頁 以 下 。 な お,同 社 の 設 立 当 初,国 籍 国 で あ る 英 国 は,同 社 が 既 に 米 国 か ら許 可 を 付 与 さ れ て い る こ と か ら,同 社 に 許 可 申請

を促 す こ と を 断 念 した と され る 。 青 木 「同上 論 文 」72頁 。

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