日本経 営 品質賞受 賞企業 にみ る仕 組 みの特徴
出 川
︑¥ 古子は じ め に
1995年 に創 設 され た 日本 経 営 品 質 賞 は,翌1996年 度 に 日本 電 気 株 式 会 社 半 導 体 事 業 グ ル ー プ が 第1号 と して 受 賞 して以 来,2005年 度 まで に表1に 示 す21社 が 受 賞 して い る 。 同 表 に は受 賞 企 業 名 だ け で な くそ れ ぞ れ の企 業 の 最 近3年 間
(2003年 度 〜2005年 度)の 売 上 お よび 利 益1)の 増 減 を示 した 。 企 業 に よ っ て は 業 績 が 悪 化 して い る年 度 もあ る が,悪 化 傾 向 が 長 期 間継 続 して い る 企 業 は見 ら れ ず,概 ね 良 好 な 業 績 を示 して い る と判 断 で き る。
本 稿 で は 受 賞 企 業 の 経 営 品 質 報 告 書 要 約 版2)の 記 述 内容 に 基 づ い て,そ れ ぞ れ の企 業 で 構 築 され て い る色 々 な 仕 組 み や用 い て い る 経 営 指 標 を分析 し,受 賞 企 業 に 共 通 す る 特 徴 や 傾 向 を抽 出 す る こ とを 試 み て い る。 そ の狙 い は,一 般 企 業 等 に と っ て経 営 品 質 を 向 上 させ る た め の仕 組 を検 討 す る際 に有 効 な情 報 を, 受 賞 企 業 の 事 例 か ら明 らか にす る こ とで あ る 。 なお 仕 組 の 分 析 は,日 本 経 営 品 質 賞 の ア セ ス メ ン ト基 準 にお け る"方 法 ・展 開 の カ テ ゴ リー"の 報 告 内 容 に基 づ い て行 う。 また,経 営 指 標 に 関 す る分 析 は,"結 果 の カ テ ゴ リ ー"で あ る 「活 動 結 果 」 に基 づ い て 行 う(表2参 照)。
1)原 則 的 に経常 利 益 を対象 に増 減 を把 握 したが,一 部 未 上場企 業 にお いて,営 業 利 益 しか公 開 されて いな い ところ があ り,こ の場 合 は例外 的 に営業 利益 を対 象 とし て分 析 した 。
2)正 確 には 日本 経 営 品質協 議会 と受 賞企 業 が発行 者 となって発 行す る 「 経営 品質 報 告書(要 約 版)」 で あ る。
〔35〕
表1.日 本 経営 品質 賞受 賞企 業の 最近3年 間の 業績
年度 受 賞 企 業 名
2003年 度 2004年度 2005年度
売 上 利 益 売
上 利 益 売
上 利 益
1996 日本 電気 株 式 会 社 半導 体 事 業 グ ル ー プ3) ○ ○
×○
×○
1997 千 葉 夷 隅 ゴ ル フ ク ラブ(申 小 企業 部 門で の 受賞)
一 一 一 一 『 一1997 アサ ヒ ビー ル株 式会 社 ○ ○ ○ ○
× ×1998 株式会社 日本総合研究所
一 一 一 一 } 一1998 株 式 会社 吉 田オ リジ ナ ル(中 小 企 業 部 門 で の受 賞)
一 一 一 一 一 一1999 富 士 ゼ ロ ックス株 式 会 社 第 一 中央 販 売 本 部4) ○ ○ ○ ○ ○ ○
1999 株 式 会社 リ コー ○ ○ ○ ○
×○
2000 株式会社武蔵野(中 小企業部門での受賞)
一 一 一 一 一 一2000 日 本 ア イ ・ピ ー ・エ ム 株 式 会 社
ゼ ネ ラ ル ・ビ ジ ネ ス 事 業 部5) ○
一○
一 × 一2001 セ イ コ ーエ プ ソ ン株 式 会社 情 報 画 像事 業 部6) ○ ○ ○ ○ ○ ○
2002 第一生命保険相互会社
一○
一○
一○
2002 パ イ オ ニ ァ 株 式 会 社
モ ー バ イ ル エ ン タ ー テ イ ン メ ン トカ ンパ ニ ー7) ○ ○
×○ ○
×2002 トヨ タビス タ高 知株 式 会 社8)(中 小 企 業 部 門 で の受 賞)
一 一 一 一 } 一2002 カル ソ ニ ッ クハ リソ ン株 式会 社
× ×○ ○ ○ ○
3)業 績 につ い て は半 導体GをN一 ス に設立 され たNECエ レク トロ ニ クス株 式会 社 の業績 に基 づ く売上 と営 業損益 の増減 を示 した。
4)業 績 につ いて は富士 ゼ ロ ックス全 体 の連結 決算 の業 績 に基づ く売 上 と経常 利益 の 増減 を示 した。
5)業 績 につ いて は 日本 ア イ ・ビv‑一 ・・エ ム株式 会社 全体 の連 結決 算 に基づ く売 上 の増 減 を示 した。
6)業 績 につ いて はセ イ コーエ プ ソ ン株 式 会社 全体 の連 結決 算 に基づ く売 上 と経常 利 益 の増 減 を示 した。
7)業 績 につ いて はパ イオ ニア株 式会 社全 体 の連結 決算 に基 づ く売上 と経 常利 益 の増 減 を示 した。
8)現 在 の社 名 は ネ ッツ トヨタ南 国株 式会 社 であ る。
9)業 績 につ いて は両社 と も松 下 電器 産業 株式 会社 全体 の連 結決 算 の業績 に基 づ く売
上 と経 常利益 の増減 を示 した。
日本経 営 晶質賞 受賞 企業 に み る仕 組 みの特徴 37
2003 NECフ ィー ル デ ィ ン グ株 式 会 社 ○ ○ ○ ○
× ×2004 株 式 会 社 ホ ンダ ク リオ新 神 奈 川(中 小 企 業 部 門 で の受 賞)
一 一 一 一 一 一2004 千 葉 ゼ ロ ック ス株 式 会社 ○
『 × 一 一 一2005 株 式 会 社J・ アー ト ・レス トラ ンシ ステ ムズ
(中小 企 業 部 門 で の受 賞)
一 一 一 一 一 一
2005 松 下 電 器 産 業株 式 会社
松 下 ア ー トア プ ライ ア ンス社 エ ア コ ンデバ イス 事 業 部
6) ○ ○ ○ ○ ○
2005 松 下 電 器 産業 株 式 会社
パ ナ ソニ ック オー トモ ー テ ィ ブ シス テ ムズ社
2005 トヨ タ輸 送株 式 会 社 ○
『○
一 一 一※ 凡 例 ○:増 加,x:減 少,:未 上 場 企 業 や 中 小 企 業 等 の た め デ ー タが 入 手 で きず
本 稿 に お け る仕 組 み の 分 析 に 際 して は,そ れ ぞ れ の カ テ ゴ リー で ア セ ス メ ン ト基 準 と して 規 定 され て い る幾 つ か の要 件(仕 組 み と して実 現 す べ き事 柄)の 中 か ら,カ テ ゴ リー毎 に基 本 的 な 要 件 に絞 っ て分 析 を して い る 。 つ ま り,全 カ テ ゴ リ ー を対 象 とす る こ と に よ り経 営 に 必 要 な全 機 能 を対 象 とす る一 方,カ テ ゴ リー 内 で 要 件 を絞 り込 む こ と に よ っ て,経 営 に 必 要 な基 本 的 な仕 組 み の 特 徴 を 浮 き彫 りに す る こ とが で きる と考 え た か ら で あ る 。 具 体 的 に は表3に 示 す 要 件 を本 稿 に お け る仕 組 み 分 析 の対 象 と した 。
表2.分 析 対 象 と用 い る 原 デ ー タ の 含 ま れ る カ テ ゴ リー
分析 に用 い る 原 デ ー タが 含 ま れ る カテ ゴ リ ー 仕組みの分析 指標 の分析(抽出) カ テ ゴ リ ー1:経 営 幹 部 の リ ー ダ ー シ ッ プ ○
カ テ ゴ リ ー2:経 営 に お け る社 会 的 責 任 ○ カ テ ゴ リ ー3:顧 客 ・市 場 の 理 解 と対 応 ○
カテ ゴ リ ー4:戦 略 の 策 定 と展 開 ○ カ テ ゴ リ ー5:個 人 と組 織 の 能 力 向 上 ○ カ テ ゴ リ ー6:顧 客 価 値 創 造 の マ ネ ジ メ ン ト ○ カ テ ゴ リ ー7:情 報 マ ネ ジ メ ン ト ○
カ テ ゴ リ ー8:活 動 結 果 ○
表3.本 稿 にお ける仕 組 み分 析 の対 象要 件
鳴方 法 ・展 開 の カ テ ゴ リ ー 対 象 要 件
カ テ ゴ リー1:
経 営 幹 部 の リー ダ ー シ ップ
経 営 幹 部 は,組 織 が大 切 に す る価 値 を ど の よ う に 示 し,価 値 を共 有 す る た め に組 織 内 の 関 係 者 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を ど の よ う に 図 っ て い る か?
カ テ ゴ リ ー2:
社会 か らの要請 をどのように理解 し,社 会要請 として取 り組 むべ き
経営 における社会的責任 範 囲 を どの よ う に決 定 し,ど の よ う な活 動 に取 り組 ん で い るか?
顧 客 ・市 場 に 関 す る情 報 を どの よ う に入 手 して い る か?顧 客 ・市
カ テ ゴ リ ー3:
場 の情 報や組織内外 の知識 や情報か ら,市 場や顧客 を どの ように理
顧客 ・市場 の理解 と対応 解 して い る か?ま た,意 見 や 苦 情 を どの よ う に 集 め,対 応 し て い るか?顧 客満足度 をどのよ うに把握 してい るか?
カ テ ゴ リ ー4:
戦略 策定や現場意見 を反映するため にどの ような方法を用いて いる
戦略 の策淀 と展 開 か?ま た,戦 略 課 題 を ど の よ うな 方 法 で 展 開 して い る か?
組織 の価 値観に基づ き,社 員が 自主的 に行動 で きる仕 組みづ くりを どのような方法で行 っているかP組 織の応力向上 につなげてい く カテ ゴ リ ー5:
個 人 と組 織 の 能 力 向 上
た め の業 績 評 価 と動 機 づ け は どの よ うな 方 法 で お こ な っ て い るか?
組 織 や 社 員 個 々 人 の 「 能 力 開発 」 に 関 す る要 求 ・期 待 を どの よ う な 方 法 で把 握 し,能 力 要 件 を 明 らか に して い るかFま た,明 らか に し た能 力 要 件 に 基 づ い て,ど の よ うな 社 員 の 能 力 開発 プ ロ グ ラ ム を 開発 して い る か?
製 品 ・サ ー ビス の 企 画 ・開発 ・生 産 ・提 供 プ ロセ ス に お け る 方 法,
カ テ ゴ リ ー6:
及 びその方法にお ける重要 な要件 や特徴 ・独 自性 は どの ようなもの
顧客価値創 造のマネ ジメン ト か?支 援 サ ー ビス の 企 画 ・開発 時 に,支 援 サ ー ビ ス提 供 先 か らの 要求 ・期待 は どの様 に取 り込 み決 定 してい るのか?
カテ ゴ リ ー7:
情 報 マ ネ ジ メ ン ト
組織全体,お よび各部 門の業務 能力 を測定す るた めに用 いてい る情 報 ・デ ータは どの ような方法 で選 定 してい るのか?具 体 的に はど の ような経 営情報 を設定 しているのか?
な お,表3に 示 した 要 件 は2005年 度 の ア セ ス メ ン ト基 準 に基 づ い て お り10), 1990年 代 の ア セ ス メ ン ト基 準 とは 相 当 に変 更 さ れ て い る部 分 もあ る。 これ は,
日本 経 営 品 質 賞 の ア セ ス メ ン ト基 準 自体 が,毎 年 見 直 さ れ て い る た め で あ る11)。 ま た,分 析 の 原 デ ー タ は 各 社 の 経 営 品 質 報 告 書(要 約 版)か ら得 て い る が,そ もそ も要 約 版 と して の記 述 で あ り,前 述 した とお りア セ ス メ ン ト基 準 自体 が 変 更 され て い る こ と も あ っ て,必 ず し も全 て の 企 業 に対 して 表3の 要 件
10)正 確 に は2005年 度 版,日 本 経 営 品 質 賞 ア セ ス メ ン ト基 準 書 の ア セ ス メ ン ト項 目 の 記 述 範 囲 の 記 載 内 容 を修 正 の う え 引 用 して い る 。
11)出 川 淳,「 日本 経 営 品 質 賞 ア セ ス メ ン ト基 準 の 分 析 に基 づ く特 徴 と 課 題 」 『 商 学 討
究 』 第56巻 第4号,2006年3月 。
日本 経営 品質 賞受 賞企 業 にみ る仕 組 みの特 徴 39 を す べ て抽 出 で き な か っ た こ と も最 初 に 申 し添 え てお く。
1.「 経 営 幹 部 の リ ー ダ ー シ ッ プ 」 に 基 づ く仕 組 み の 分 析
本 章 で の分 析 対 象 要 件 は 表3に 示 し た通 り以 下 の 項 目で あ る。 こ の 要 件 に照 ら した 受 賞 企 業 が 構 築 して い る仕 組 み を表4に 示 す 。
● 「 経 営 幹 部 は,組 織 が 大 切 に す る価 値 を どの よ うに 示 し,価 値 を共 有 す るた め組 織 内 の 関係 者 と の コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ンを どの よ う に 図 っ て い る か?」
表4、 各 社 の 「 経 営 幹 部 の リ ー ダ ー シ ップ 」 に 関 す る特 徴
年 度 受 賞企 業名 仕 組 み の 特 徴
1996
日本電気株式会社 半 導体 事業
グル ープ
3人 の役 員 に よ って 構 成 さ れ る 「トッ プチ ー ム」 が 上 級 中 間 管 理 職 で 構 成 さ れ る 「 経 営 幹 部 」 に対 して,同 社 の 事 業 運 営 の三 原則 で あ る 「 半 歩 先 行 」,「現 場100回 」,「対 話 型 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン」 を具 体 的 に教 育 し, さ らに全 社 員 に示 した う え で,経 営 幹 部 が 競 争 に 勝 つ た め の 「 半 歩 先 行 」 の 考 え方 と,「 現 場100回 」 「 対 話 型 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン」 の 行 動 を 率 先 垂 範 し,全 従 業 員 へ の 浸 透 を深 め て い る。
1997 千葉夷 隅 ゴル フクラブ
3年 間 の 中 期 経 営 計 画 に沿 っ て 部 門 ご と に,毎 年,年 度 方針 と 目標 を設 定 し,方 針 管 理,小 集 団活 動,日 常 管 理,個 人 目標 に割 り付 け,計 画 的 に展 開 し,目 標 値 の 達 成 を 目指 す な か で,ト ップ 自 らが積 極 的 に介 入 し, 社 員 と コ ミュ ニ ケ ー シ ョン を 通 じて 支 援 す る。 そ して,そ の 活 動 結 果 の 標 準 化 お よび 反 省 か ら次 期 へ の 課 題 や 向 上 目標 を設 定 して い く。
1997 アサ ヒビール 株式会社
経 営 理念 や ビ ジ ョン,当 該 年 度 の 経 営 目標 等 が 全 社 に示 達 さ れ,方 針 管 理 の 手法 で 個 人 レベ ル ま で展 開 さ れ,各 自 に 自己 革 新 が 求 め られ る。 こ の 際,単 に 考 え方 を展 開す る だ け で な く,具 体 的 な業 績 に よ っ て,そ の 浸 透 度 が把 握 され る仕 組 み と な っ て い る 。
な お,「 品 質 の最 終 決 定者 は お 客 様 」等 の 考 え方 に基 づ く同社 の 理 念 は, 経 営 トップ 自 ら も率 先垂 範 して客 先 に出 向 く こ とに よっ て実践 され て い る。
1998 株式会社
日本 総合研 究所
経 営 ビジ ョ ン を社 員 に浸 透 させ る た め に,経 営 トップ は 年2回 開催 の 「 全 国役 員 部 長 会 議 」 や 毎 月 開催 の 「 業 績 報 告 会 議 」 で そ れ らを徹 底 して い る 。 こ こ で の 話 がBBS(電 子 掲 示 板)や 「 研 修 ニ ュ ー ス 」 で 全 社 員 に 伝 達 され る 。 社 員 研 修,社 員 会 パ ー テ ィ,社 員 懇 談 会 等 で も,ト ップ 自 らが社 員 に 直 接 語 りか け て い る 。 な お,浸 透 度 の 確 認 は年1回 の 「 職 場 意 識 調査 」 や 「 業 務 改 善 ア ンケ ー ト」 等 で 行 わ れ て い る 。
1998 株式会社
吉 田オ リジナ ル
経 営 理 念 や 経 営 方 針 は,「 幹 部 会 議 」,「商 品 会 議 」 の 場 で 経 営 幹 部 に徹
底 され る 。 そ して,社 員 へ の徹 底 は 主 に 「 部 内 会 議 」 で 図 られ る 。 部 内
会 議 は,毎 日,朝 礼 や 各 種 ミー テ ィ ング と して 開 催 さ れ て い る 。 な お,
こ の よ う な伝 達 に よ る徹 底 以 外 に,社 長 の 率 先 垂 範 活 動 に よ る,「 社 員
自 身 に よる 気 づ きの 促 進 」 を通 じて 浸 透 や 理 解 は深 め られ て い る 。
1999
富士ゼ ロ ックス 株 式会社 第一中央販売本部
期 首 の 「キ ック オ フ ・ミー テ ィ ン グ」 や 「 マ ネ ジメ ン トガ イ ド」 と い う 冊 子 の配 布 を通 じて,経 営 ビ ジ ョ ン ・方 針 を伝 達 す る 。そ して,経 営 トッ プ 自 ら参 加 す る 「 部 門 と お くな一 ど」 とい う場 で 方 針 の 進 捗 状 況 ・メ ン バ ーへ の要 望 を 説 明 す る と と も に,ビ ジ ョ ンや 方 針 の 浸 透 度 合 い も把 握 し て い る。
1999 株 式 会 社 リ コー
経 営 ビ ジ ョン や コー ポ レー トス ロ ー ガ ンは,社 員 や 役 員 自 らの 積 極 的 な 情 報 発 信 に よ っ て,浸 透 促 進 され て い る 。全 社 員 が ア クセ ス で きる 「 社 長 ホー ムペ ー ジ」 に は1日500〜2500件 の ア クセ ス が あ り,「 社 長 が 何 を 考 え,何 を し よ う と して い るの か,ど ん な 人 な の か 」 が 誰 にで も理 解 で き る よ う に な っ て い る 。
2000 株式 会社 武蔵野
経営計画書が年1回 開催の 「 経営計画発 表会」 で発 表 され る。 これは幹 部社員 だけでな く主力 取引銀行や ビジネスパー トナー等 も参加す る。そ の後,年2回 開催 の 「 政策勉強会」 で全従 業員に対 して社長が経営 方針 と重点施策 を分 か りやす く説明す る。さ らに,毎 週実施 され る 「早朝勉 強会」 において,「経営計 画書」 と 「 経 営用語解 説書」 を使 用 して社 長 が仕事 に即 して具体 的に説明す る。
2000
日本 アイ・ ピー・ エム 株式 会社 ゼネ ラル ・ ビジネス
事業 部
事 業 部 の指 針 ・目標 に つ い て は,あ ら ゆ る 機 会 を と らえ て 部 門長 が 自 ら 社 員 と語 り合 い,会 議 等 で徹 底 を図 る。例 え ば 半 期 ご と の 「 キ ッ ク オ フ ・ ミー テ ィ ン グ」 等 で あ る 。 この よ う な会 議 で は コ ミ ュニ ケ ー シ ョン が 重 視 され,双 方 向 の 意 思 疎 通 と共 通 認 識 を 図 る よ う な内 容 が 組 み 立 て られ て い る。
さ ら に,事 業 部 長等 の 幹 部 が 小 グ ル ー プ で社 員 に 方 針 を説 明 し,デ ィ ス カ ッ シ ョンす る 「マ ネ ジメ ン ト ・ダ イ ア ロ グ 」 が,全 社 員 を対 象 に 年 間 10回 開催 さ れ る 。
2001
セ イコーエプソ ン 株式 会社 情報画像事業 部
「 事 業 の あ るべ き姿 」 は ,事 業 本 部 長 主催 の 「 方 針 大 会 」 や,経 営 幹 部 主 催 の 「ワー ル ドワ イ ド ミー テ ィ ン グ」等 で,社 員 や ビ ジ ネス パ ー トナ ー に 徹 底 さ れ,明 確 化 と周 知 が 図 ら れ る 。 ま た,週 次 で 開 催 す る事 業 連 絡 会 ・部 長 連 絡 会 を活 用 して,具 体 的 な活 動 の フ ォロ ー が 行 わ れ る。
2002 第一 生命 保険相 互会社
全 て の 部 長 ・支 社 長 とグ ル ー プ会 社 社 長 を 集 め て 年1回 開 か れ る 「総合 経 営 会 議 」,年3回 開催 の 「 支 社 長 経 営 会 議 」 を 通 じ て,経 営 目標 ・経 営 計 画 の 実 現 を 図 っ て い る 。 そ し て,経 営 幹 部 一 人 ひ と り に まで 経 営 ビ ジ ョ ン を深 く浸 透 させ,よ り多 くの コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン機 会 を確 保 す る た め,社 長 自 らが 開 催 す る 「経 営 管 理 職 塾(社 長 塾)」 を年2回 開 催 し て い る 。 これ は 全 て の 経 営 管 理 職 とグ ル ー プ 会 社 役 員 を対 象 と し て い る 。
2002
パ イオニ ア株式会社 モーバ イルエンター テインメントカンパニー
徹 底 し た大 部 屋 主 義 や 「 合 宿 」 会 議 の 開催,全 管 理 職 へ の プ レ ジ デ ン ト メ ー ル の 発 信,「 人 材 アセ ス メ ン ト」 の実 施 等,日 常 の コ ミュ ニ ケ ー シ ョ 7を 重 視 し,こ れ らに よっ て カ ンパ ニ ー ビ ジ ョ ンの 浸 透 と理 解 を深 め る と と も に,自 由 闊達 な 議 論 が 行 え る組 織 風 土 や 環 境 を形 成 して い る。
2002 トヨタビス タ高知 株式 会社
会 社 の 目的,経 営 理 念 の 徹 底 に 流 れ る思 想 や哲 学,価 値 観 をス タ ッ フー 人 ひ と りが 見 失 わ な い よ う にマ ネ ジ メ ン ト リー ダ ー が サ ポ ー トを行 う。
そ の為 に,管 理 統 制 型 マ ネ ジ メ ン ト(Howtodo)で は な く,ス タ ッ フ
が 自律 的 に 判 断 し,行 動 し て い くた め の 「 示 唆 」(Whattodo)を 与 え
日本 経営 品質 賞受 賞企 業 にみ る仕組 み の特徴 4ヱ
る立 場 を と っ て い る 。こ の 考 え 方 に基 づ い て,「 全 社 方 針 管 理 会 議 」,「営 業 会 議 ・部 門 ミー テ ィ ング 」,「 プ ロ ジ ェ ク トミー テ ィ ン グ」,「 全 貝 朝 礼 ・ 通 常 朝 礼 」,「マ ネ ジ メ ン トリー ダ ー イ ンタ ビ ュ ー 」 等 の 場 で 社 員 と の コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ンが 図 られ て い る。
2002 カルソニックハ リソン 株 式会 社
経 営 ビ ジ ョンや 経 営 方 針 を 浸 透 させ る た め の活 動 や そ の リー ダー シ ッ プ の 発 揮 が,日 常 の 業務 や 通 常 会 議 や 社 員 と の コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン を通 じ て 行 わ れ てお り,そ の 成 果 は 「 社 員 満 足 度 調 査 」 等 で 評 価 され る。 そ し て,改 善 の た め の検 討 が 「 経 営 品 質 会 議 」 や 「満足 度 向 上 委 員 会 」 で 行 わ れ る。
2003 NECフ ィールディング 株 式会 社
経 営 理 念,経 営 ビ ジ ョ ン,事 業 方 針 は 「 全 国サ ー ビ ス 大 会 」 で 社 長 自 ら が社 員 に 説 明 し,そ の後 も繰 り返 し説 明 を重 ね,浸 透 が 図 られ る。
2004 株式会社
ホンダクリオ新神奈川
経 営 理 念 に 基 づ く 「 営 業 方 針 」 「10ヶ条 の 行 動 基 準 」 等 が 社 内 に掲 示 さ れ て お り,こ の 考 え方 の浸 透 と理 解 を深 め る た め に,経 営 幹 部 が 各 拠 点 を 巡 回(臨 店)し,拠 点 会 議 に 出 席 して,店 長 ・社 員 との コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン を図 る と と も に現 場 確 認 を行 って い る。 な お,基 本 的 な 考 え方 を 向 上 させ る為 に有 益 と考 え られ る本 を社 員 に与 え,読 書 感 想 文 を全 社 員 に提 出 させ,社 員 同士 に よ る 意 見 交 換 や 社 長 の コ メ ン トの フ ィー ドバ ッ ク 等 も行 っ て い る。
2004 千葉 ゼロ ックス 株式会社
様 々 な 手 段 を通 して,経 営 理 念,経 営 ビ ジ ョ ンな どの価 値 観 の 社 員 との 共 有 を 図 っ て い る。 具 体 的 に は 「 社 長 トー ク ナ ー ド ・ウ ォー クス ル ー 」 で社 員 との ダ イ レ ク トコ ミュ ニ ケ ー シ ョン を重 視 して い る 。 また,社 長 自身 の 考 え方 し,社 員 と双 方 向 の コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ンを 実 現 す るた め の Webコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 「Passion‑Window」 を構 築 し活 用 して い る 。
2005
株 式 会 社 J・ ア ー ト ・レス
トラ ン シス テ ム ズ
理 念 や 価 値 観 を共 有 し,徹 底 す る 仕 組 み と して,「8つ の 約 束 事 誓 約 書 」 (入 社 時),「 朝 礼 ・夕 礼 ・終 礼 ・研 修 で の 唱 和 」(毎 日),「 情 報 カ ー ド
&社 長 の 回 答 」(毎 日),「 経 営 品質 チ ェ ック シー ト」(四 半 期 毎),「 各 種 研 修 」(毎 月),「 社 長 ・幹 部 に よ る 臨店 」(毎 日 ・随 時),「 給 与 明 細 袋 で
の 明 記 」(毎 月 配布)等 を行 って い る。
2005
松 下電器産業株式 会社 松下 アー ト ア プライアンス社 エア コンデバ イス
事 業部
年 度 事 業 方 針 は,経 営 会 議 で 議 論,決 定 さ れ た後,期 首 の 「 方 針 発 表 会 」 で事 業 部 長 か ら全 従 業 員 に徹 底 され,こ の 内 容 は イ ン トラ ネ ッ トで 誰 で も参 照 で き る よ う に さ れ る 。 部 門 責 任 者 は,事 業 方 針 を 受 け て 各 部 門 の 方 針 を 発 表 し,各 部 門 内 で の徹 底 を 図 る 。 さ ら に,チ ー ム リー ダ ー,課 長 職 に よる チ ー ム,課 レベ ル の 方針 発 表 会 も職 場 毎 に実 施 し,事 業 方 針
と個 人 の 業 務 の 関連 を 明確 に し,全 員 参 加 意 識 の 向上 を 図 っ て い る 。
2005
松 下 電 器 産 業 株 式 会 社 パ ナ ソ ニ ッ ク オ ー トモ ー テ ィ ブ シ ス テ ム ズ 社
経 営 ト ップ が 社 員 全 員 に対 し四 半 期 毎 に 「 総 合 朝 会 」 に て経 営 方針(業 績 の 進 捗,経 営 成 果 と課 題,重 点 取 組 等 々)を 発 信 し,経 営 の 実 態 と共 有 と進 む べ き具 体 的 な方 向 を説 明 して い る。 ま た,社 内 イ ン トラネ ッ ト
を 通 じて,全 グ ロ ーバ ル社 員 の 理 解 を深 め る工 夫 を し て い る 。
2005 トヨタ輸送株 式会社
組 織 価 値 観 の 浸 透 に はマ ネ ジ メ ン トを 行 う幹 部 社 員(部 次 長)へ の 浸 透
が 重 要 と考 え,「 月 曜 会/経 営 会 議 」(2回/月),「 役 員 幹 部 会 」(1回
/月)に よ る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンを 通 じて 徹 底 し て い る。 な お,一 般 社
員 に は,「 職 場 懇 談 会 」(1回/月),「 定 例 会 議」,「朝 礼,点 呼 」(毎 日)
や 日常 業 務 を通 じた幹 部社 員 との コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンを 通 じて 浸 透 が 深 め られ て い る。 さ らに,一 般 社 員 へ の 浸 透 に際 し重 視 して い る の が 「 労 働 組 合 定 期 大 会 」 で あ る 。 な お,幹 部 社 員 お よ び社 長 が全 国 事 業 所 へ の 訪 問 も展 開 し て お り,そ の 折 に も組 織 価 値 観 の浸 透 は深 め られ て い る。
表4の 結 果 よ り,概 ね 各 社 に共 通 して い る仕 組 み は,理 念 や ビ ジ ョ ン と い っ た価 値 の 表 明 は フ オ ー マ ル な会 議 等 で 年 に一 度 の 行 事 と して 厳 粛 に行 わ れ,そ の 内 容 の 共 有 は,経 営 陣(ト ップ ・役 員)や 幹 部 等 の リー ダー と一 般 社 員 との 問 の 対 話 型 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン で促 進 して い く とい う仕 組 み で あ る 。 なお,幾 つ か の 企 業 で は理 念 や ビ ジ ョ ンの浸 透 に際 し,経 営 陣 と して は,一 般 従 業 員 よ
り も幹 部 等 の リー ダ ー に対 して 十 分 浸 透 させ る こ と を特 に 重 視 した仕 組 み を導 入 して い る よ うで あ る 。 つ ま り,一 般 従 業 員 と接 す る機 会 の 多 い リー ダー が, 十 分 に そ れ ら を理 解 す れ ば 自ず と全 社 に浸 透 して い く とい う考 え方 で あ る。
2.「 経 営 に お け る社 会 的 責 任 」 に基 づ く仕 組 みの 分 析
本 章 で の 分 析 対 象 要 件 は 表3に 示 した 通 り以 下 の 項 目で あ る。 こ の 要 件 に照 ら した 受 賞 企 業 が 構 築 して い る仕 組 み を表5に 示 す 。
● 「 社 会 か らの 要 請 を どの よ うに 理 解 し,社 会 要 請 と して 取 り組 む べ き範 囲 を どの よ う に 決 定 し,ど の よ う な活 動 に取 り組 ん で い るか?」
表5.各 社 の 「 経営 に おけ る社 会 的責任 」 に関 す る特 徴
年度 受賞企業名 仕 組 み の 特 徴
NECの 企 業 理 念,経 営 指 針 の 中 で 謳 わ れ て い る企 業 市 民 と して の 行 動 ・ 社 会への還元等 を明確 に し,そ の向上に向 け全社的 に努 めている。具体 日本電気株式会社 的 に は,本 社 ス タ ッ フ と して 「 社 会 貢 献 推 進 室 」 が 設 置 さ れ て お り,ボ 1996 半導体事業 ラ ンテ イア活動,地 球環境保 全活動,社 会福祉活動,地 域社 会活動,芸 グ ル ー プ 術 ・文 化 ・ス ポ ー ツ等 の メ セ ナ 活 動 の5領 域 に取 り組 ん で い る 。 半 導 体
グ ル ー プ で も全 社 活 動 を推 進 す る と と も に,雇 用 機 会 の 創 出 等 を通 じて, 地域経済への貢献や地域 に密 着 した事業活動 を実践 している。
1997 千葉夷 隅 ゴルフクラブ
経営理念や社是社訓 の中で明示 してい る社会 的責任 として果たすべ き役
割 を明確 にし,地 元へ の融合 策を推進 し,地 域社会発展へ の寄与 と良好
日本経 営 品質賞 受賞 企業 にみ る仕 組 み の特 徴 43
な 関係 の 醸 成 に 努 め て い る。 具体 的 に は,地 元 の食 材 等 の優 先購 入,託 児 施 設 や 住 宅 の 提 供 に よ る 雇 用 機 会 の 拡 大,定 年 後 の 高 齢 者 の パ ー トタ
イ マ ー と して の 雇 用,ゴ ル フ コー ス メ ンテ ナ ン ス技 術 を 活 か して 町 営 の 野 球 場 等 の メ ン テ ナ ン ス の 請負,町 主 催 の 行 事 に シ ェ フ が 参 加 して 料 理
を提 供 す る,等 で あ る。
1997 アサ ヒビー ル 株 式会社
経 営 理 念 や 企 業 行 動 指 針 で謳 わ れ て い る通 り,社 会 との 共 生 を最 優 先 課 題 と して お り,「 環 境 へ の 配 慮 」,「全 工 場 を 廃 棄 物 ゼ ロ工 場 へ 」,「環 境 と共 生 を め ざす 先 進 テ ク ノ ロ ジ ー の 導 入 」 等 の 施 策 を展 開 して い る。
1998 株 式会社 日本総合研 究所
当社 が 果 た す 社 会 的 責 任 と は シ ン ク タ ンク 部 門,リ サ ー チ ・コ ンサ ル テ ィ ング 部 門 に お い て は,政 治,経 済 お よ び市 民 生 活 に 関 す る 様 々 な政 策 提 言,コ ン ソー シ ア ム の組 成,情 報 シス テ ム部 門 に お い て は 高 度 情 報 通 信 社 会 の 先 端 事 業 で あ る と同 時 に,顧 客 の 情 報 通信 シ ス テ ム の 安 定 か つ 安 全 な 稼 動 とい う2つ の面 か ら捉 えて い る。
1998 株 式会社 吉 田オ リジナル
事 業 遂 行 に お い て 法 律 お よ び倫 理 的 に守 ら な け れ ば な らな い 項 目 を抽 出 し,そ の 遵 守 に努 め て い る 。 具体 的 に は 「 絶 滅 の恐 れ の あ る野 生 動 植 物 の種 の 国 際 取 引 に 関す る 条 約(通 称:ワ シ ン トン条 約)」 に抵 触 す る一 切 の 革 を使 用 し ない た め に,原 産 地 証 明 が 添 付 さ れ た もの の み を使 用 し
た り,革 の 「な め し」 工 程 に お け る ク ロ ム等 の不 使 用 で あ る。
1999
富士ゼ ロ ックス 株 式会社 第一中央販売本部
第 一 中 央 販 売 本 部 で は,富 士 ゼ ロ ッ クス ・グ ル ー プ で 共 有 され て い る方 針 ・基 本 的 な 考 え方 と独 自 の 方針 ・方 策 展 開 に よ り,以 下 の よ う な活 動 を進 め て い る。社 外 に 向 け て の 情 報 公 開 に よる 「 経 営 の透 明性 」向 上,「環 境 問 題 へ の 取 組 み 」 と して の省 エ ネ ル ギ ー ・省 資 源 ・リサ イ クル 推 進 等 へ の取 組 み,第 一 中央 販 売 本 部 独 自 のEM(エ シ ッ クス ・マ ネ ジ メ ン ト) 推 進 会 に よる 「 企 業 倫 理 へ の取 組 み 」 等 で あ る。
1999 株 式 会 社 リ コ ー
企 業 活 動 と構 成 員 一 人 ひ と りの 行 動 の 拠 りど こ ろ を示 した 「リ コー ビ ジ ネ ス行 動 規 範 」 を策 定 し,企 業倫 理 の 確 立 に努 め る と と も に,環 境 保 全 活 動 に つ い て は1976年 に設 立 した 「 環 境 推 進 室 」 を 中心 に,質 の 高 い 環 境 保 全 活 動 を 現 在 ま で 続 け て い る 。 具 体 的 に は,「 環 境 負 荷 の 最 小 化 へ の取 組 み 」 やISO14001に よ る 「 環 境 マ ネ ジ メ ン ト」 の 導 入,そ して 統 合 的 な 「 環 境 経 営 シ ス テ ム の構 築 」 で あ る。
2000 株 式会社 武蔵野
会社 見学会が社長主導 で積極 的 に実施 され,こ れに よって他社 に対す る ノウハウ提供等 を実践す る とともに,経営の透明性 も高 めている。また, 身体 障害者 ・高齢者 の積極 的雇用への取組みや,安 全 運転の意識向上等 に努 めてい る。
2000
日本アイ・ ピー・ エム 株 式会社 ゼ ネラル ・ビジネス
事 業部
企 業 倫 理 が 社 会 的 に大 きな 関 心 事 と な っ て い る な か,弊 社 で は,お 客 様
を は じめ 社 会 の 信 頼 と期 待 に お 応 えす るた め,社 員 一 人 ひ と りが 遵 守 す
べ き行 動 基 準 を 「ビ ジ ネ ス ・コ ンダ ク ト ・ガ イ ドラ イ ン」と して ま とめ,
全 社 員 へ の展 開 を 図 っ て い る。 また,「 よ き企 業 市 民 」 で あ る た め に,
教 育,科 学,社 会 福 祉,医 療 の 分 野 を 中心 に,社 内 で培 っ た 技 術 や ノ ウ
ハ ウ を 活 用 した 問題 解 決 の提 供 を展 開 し て き て い る 。 環 境 問 題 につ い て
は,BM本 社 の 定 め る 「 環 境 ポ リ シー 」 に従 っ て,様 々 な 取 組 み を行 っ
て い る 。
2001
セイ コーエ プソン 株式会社 情報画像事 業部
世 界 に先 駆 け1988年 に 「フ ロ ン レス 活 動 」 を展 開,1998年 に は 「 第2の 環 境 元 年 」 と して 「 環 境 マ ネ ジ メ ン トシ ス テ ム 」 を確 立 し,環 境 の リー
デ ィ ング カ ンパ ニ ー と し て,ビ ジ ネ ス パ ー トナ ー と共 に継 続 的 な 環境 保 全 活 動 に取 り組 ん で い る。 ま た,コ ンプ ライ ア ンス,経 営 の透 明性,企 業 倫 理 へ の 対 応 に つ い て は,「 価 値 あ る リ ー ダ ー の行 動 」 を 定 め,「 社 員 行 動 規 定 」 等 の 配 布 や,「 管 理 者 ハ ン ドブ ック」 等 を使 っ た 教 育 を年1
回実 施 す る こ とで,意 識 の徹 底 を 図 る と と も に,「 事 業 連 絡 会 」,「部 長 連 絡 会 」 に よる 情 報 交 換,課 題 提 起,見 直 し改 善 が 行 わ れ る等,仕 組 み の 維 持 改 善 が 図 られ て い る。
2002 第一生命
保 険相互会社
「 経 営 基 本 方 針 」 の 中 に 「 社 会 か らの信 頼 確 保 」 を掲 げ てお り ,具 体 的 に は 「コ ン プ ラ イ ア ンス 基 本 方 針 」や 「コ ンプ ラ イ ア ンス 規 定 」 を制 定, さ ら に 同基 本 方 針 の 下,役 職 員 個 人 の行 動 規 定 を定 め た 「 行 動 規 範 ・同 ガ イ ドラ イ ン」,さ ら に部 門 の 業 務 ご と に具 体 化 した 「6つ の行 動 基 準 」 を定 め て,コ ンプ ライ ア ンス の遵 守 に 努 め て い る。 さ ら に,業 界 を リー ド して い く た め に 「コ ン プ ラ イ ア ン ス統 括 部 」 を 設 置 し,「 コ ン プ ラ イ ア ンス マ ニ ュ ア ル 」 を作 成 し,全 内勤 職 員 な らび に営 業 の幹 部 職 員 に 配 布 し,営 業 職 員 に 対 して も 「 営 業 職 員 用 コ ンプ ライ ア ン スマ ニ ュ ア ル 」 を作 成 ・配 布 して コ ン プ ラ イ ア ン ス意 識 の 向 上 を図 っ て い る。 ま た,コ ン プ ラ イ ア ンス の 年 間 運 営 方 針 は,代 表 取 締 役 を委 員 長 とす る 「コ ンプ ラ イ ア ンス 委 員 会 」 で 審 議 し,取 締 役 会 で 「コ ンプ ラ イ ア ン ス プ ロ グ ラ ム 」 と して 決 定 され る 。
2002
パ イオ ニア株式会社 モーバ イルエンター テインメント カンパニー
事 業 環 境,商 品,地 域 特 性 を 考 慮 した 独 自の 基 準,規 則 等 を 「 製 品安 全 」,
「 環 境 」 ,「 社 会 貢 献 」,「遵 法 ・倫 理 」 の4つ の 分 野 に分 け て年 次 計 画 と して 策 定 し,各 々 責 任 部 門が 中心 とな っ て,管 理,推 進 し て い る 。 こ の ほ か 全 社 組 織 の 「 グ ル ー プ危 機 管 理 委 員 会 」 と連 動 し た素 早 い情 報 公 開 の 実 施 や,ISO14000に 基 づ く 「 環 境 保 全 活 動 」へ も独 自 の取 組 み を行 っ て い る。
2002 トヨタビス タ高知 株 式会社
企 業 倫 理 に 関 す る 事 柄 につ い て は 「コ ンプ ラ イ ア ンス 委 員 会 」 が 統 括 部 門 と な っ て 具体 的 な 実 践 計 画 を立 案 し,朝 礼 や イ ン トラ ネ ッ トで全 社 へ 浸 透 させ,展 開 して い る。 ま た,環 境 問題 に つ い て は 業 界 を リ ー ドす る 役 割 を担 う為 「環境 対 応 委 員 会 」 を設 置 し,ト ヨ タ 自動 車 販 売 店 協 会 が 策 定 す るISO14001に 準 拠 した トヨ タ販 売 店 環 境 ガ イ ドラ イ ンの ク リア に努 め て い る 。 そ の ほ か,独 自 の活 動 と して 「 安 全 運 転 推 進 」 や 「 放 置 ス ク ラ ッ プ車 両 の 回 収 」 等 も行 っ て い る。
2002 カルソニックハ リソン 株 式 会社
コ ン プ ラ イ ア ンス の 遵 守 は も ち ろ ん の こ と企 業 倫 理 の 確 実 な実 践 を 目指 して,「 倫 理 委 員 会 」 は先 進 企 業 各 社 の 規 定 を参 考 に し て10項 目 の 「 倫 理 規 定 」 を 策 定 し,社 員 全 員 が そ れ ぞ れ サ イ ンす る こ とで そ の遵 守 を誓 約 させ て い る 。
2003 NECフ ィールディング 株 式 会社
社 長 を委 員 長 とす る 「CSR委 員 会 」 を設 置 し,CSRの 観 点 か ら企 業 運 営 の 方 向付 け を し,合 意 形 成 を図 りなが ら,社 会 要 請 へ の 対 応 項 目を 定 め て 取 り組 ん で い る 。具体 的 に は 「ITイ ンフ ラの 継 続 的 な安 定 稼 動 」,「 法 律 や 規 則 の遵 守 と企 業 倫 理 」,「環 境 経 営 へ の 取 組 み 」 等 で あ る。
2004 株式会社
ホンダクリオ新神奈川
社 会 要 請 事 項 を把 握 す る為 に,お 客 様 に対 す る 納 車 時 や ア フ タ ーサ ー ビ
ス 時 の ア ン ケ ー ト等 を 活 用 して い る。 ま た,神 奈 川 県 自動 車 デ ィ ー ラ ー
日本経 営 品質賞 受賞 企業 にみ る仕 組 みの特 徴 45
交 通 安 全 対 策 推 進 協 議 会 の会 員 と して,交 通 安 全 活 動 や 教 育 に 関 す る要 請 を 理 解 ・把 握 し て い る 。 そ し て具 体 的 に は,「交 通 安 全 へ の 取 組 み」,「 倫 理 行 動 の 遵 守 」,「環 境 へ の取 組 み 」,「不 正 を起 こ さ な い ・見 逃 さな い 」 等 の項 目に 取 り組 んで い る 。
2004 千葉 ゼロ ックス 株式会社
コ ンプ ライ ア ンス(法 令 順 守)要 件 につ い て は 「 社 員 行 動 規 範 」 の 制 定 と展 開,「ISMS関 連 教 育 」 の 実 施,「 交 通 安 全 教 育 」 の 実 施,「 セ ク ハ ラ ホ ッ トライ ン」 の 開 設,「 倫 理研 修 」 の実 施 「 情 報 倫 理研 修 」 の実 施,
「 営 業 ナ ビゲ ー タ」(営 業 時 の マ ナ ー に 関す る事 柄)の 制 定 と展 開 ,「 セ ク ハ ラ防 止 研 修 」 の 実 施 等 を行 っ て い る。 そ れ 以 外 に も,「 環 境 マ ネ ジ メ ン トシ ス テ ム 」 の 確 立 や 「エ コ リテ ラ シー 」 教 育 を,社 会 要 請 へ の 対 応 と して 実 施 して い る。
2005
株 式 会 社 J・ ア ー ト ・レ ス トラ ン シス テ ム ズ
公 序 良俗 に 関 す る こ と につ い て は 「8つ の 約 束 事 」 の 中 に織 り込 ん で あ り,全 員 が 遵 守 す る 義 務 を 負 う よ う に し て い る 。 そ れ 以 外 に,「環 境 対 策 」,
「 食 中毒 対 策 」 ,「 安 全 な食 材 の利 用 」 等,社 員 の 気 づ き に基 づ い て 検 討 し,全 店 で 実 施 して い る。
2005
松 下電器産業株式 会社 松下 アー ト アプ ライ アンス社 エア コンデバ イス
事業 部
現 在 の事 業 活 動 全 て にお い て遵 守 す べ き具 体 的 事 項 を 「 行 動 基 準 」 と し て定 め,そ の 上 で 「コ ン プ ラ イ ア ンス ・ガ イ ド」 と 「 企 業 倫 理5つ の 視 点 」 を社 員 に 配 布 し,法 令 の 理解 や 業 務 上 の 判 断 に お け る チ ェ ッ ク ツー ル と して 活 用 して い る。
ま た,全 社 の 環 境 憲 章(環 境 管 理 基 本 方 針)に 基 づ き,「 環 境 経 営 方 針 」 等 を各 職 場 に 掲 示 し,さ ら に 「 環 境 カ ー ド」 を全 従 業 員 に 配布 し,徹 底 を 図 っ て い る 。
2005
松 下 電 器 産 業 株 式 会 社 パ ナ ソ ニ ッ ク オ ー トモ ー テ ィ ブ シ ス テ ム ズ社
環 境 負 荷 物 質 削 減 委 員 会 を設 置 し,取 扱 い 全 部 品 ・全 材 料 の デ ー タ を管 理 し,規 制 対 応 等 を推 進 して い る 。 ま た,ISO14001の 取 得 し,社 員 は 各 自環 境 手 帳 を携 行 し て,各 人 レベ ル で の 環 境 取 組 み を 実 施 して い る。
工 場 で は 「ク リ ー ン フ ァク トリー(環 境 共 存 工 場)」 とい う考 え方 の も と, あ ら ゆ る投 入 量 と排 出 量 の最 小 化 を 進 め て い る。
2005 トヨタ輸送株式会社
安 全 衛 生,環 境,企 業 行 動 倫 理 の3つ の委 員会 を 立 ち 上 げ,地 域 ・行 政, トヨ タ 自動 車,お 客 様 ・業 界 団体 等 か らの 声 を集 め,検 討 す る プ ロ セ ス を構 築 して い る 。 さ ら に,確 実 に 実 行 す るた め に 「コ ン プ ラ イ ア ンス 推 進 室 」 を 設 置 して い る。
表5の 結 果 よ り,受 賞 企 業 に ほ ぼ共 通 して い る 仕 組 み は 以 下 の通 りで あ る。
まず,社 会 か らの 要 請 を 理 解 す る仕 組 み と して,一 部 の 企 業 で は お客 様 ア ン
ケ ー トを 活 用 し て い る よ うで あ る が,多 くの 企 業 は 自社 の 理 念 や ビ ジ ョ ン と
い っ た価 値 観 と事 業 内容,自 社 の業 界 にお け る 位 置 づ け等 か ら,実 施 す べ き項
目 を検 討 し,独 自 に定 め る とい う方 式 を採 用 して い る よ うで あ る。 そ の 際,実
施 す べ き項 目の 決 定 に 際 して は,ト ッ プが 決 定 す る場 合 もあ るが,中 立 的 な"委
員 会 組 織"で 決 定 し て い る 企 業 が 多 い 。 な お,決 定 した 内容 は明 文 化 され 冊 子
等 の刷 り物 に した う え で,全 社 員 に配 布 し,徹 底 に努 め て い る。 この 際,コ ン プ ラ イ ア ンス の よ う に全 員 が 遵 守 し な け れ ば な ら な い項 目 につ い て は,社 員 と の 間 で"特 別 な 契 約"を 取 り交 わ し,社 員 の サ イ ン を求 め る と い う施 策 を実 施 して い る企 業 もあ る。
3.「 顧 客 ・市 場 の理 解 と対応 」 に基 づ く仕 組 みの 分 析
本 章 で の 分 析 対 象 要 件 は 表3に 示 した 通 り以 下 の 項 目で あ る。 こ の 要 件 に照 ら した 受 賞 企 業 が 構 築 して い る仕 組 み を表6に 示 す 。
● 「 顧 客 ・市 場 に 関す る 情 報 を どの よ う に入 手 して い る か?顧 客 ・市 場 の情 報 や 組 織 内 外 の知 識 や 情 報 か ら,市 場 や 顧 客 を どの よ う に 理 解 して い る か?ま た,意 見 や 苦 情 を どの よ う に 集 め,対 応 して い る か?顧 客 満 足 度 を どの よ う に把 握 して い るか?」
表6.各 社 の 「 顧 客 ・市場 の理解 と対 応 」 に関 す る特 徴
年度 受賞企業名 仕 組 み の 特 徴
多様 な情報 源か ら顧客 に関す る情報 を収 集 してい る。具体 的には,販 売 員 や 技 術 サ ポ ー ト員 に よ る顧 客 対 応 で得 られ た 情 報,ト ッ プ セ ミナ ー や 定 例 ミ ー テ ィ ング を 通 した 情 報 等 で あ る 。 な お,新 聞 ・雑 誌 等 に掲 載 さ れ た 情 報 に つ い て は,可 能 な限 り直 接 確 認 した うえ で 活 用 して い る 。 収 集 した 情 報 は,商 談 情 報 シス テ ム に登 録 した り,顧 客 デ ー ス に登 録 し た りして管理 し,顧 客の要求や期待 に関する分析に活用 される。
1996
日本電気株 式会社 半導体事業
グループ
意 見 や 苦 情 は顧 客 別 の 担 当 員 に よ る 「窓 ロ の シ ング ル ウ イ ン ドウ化 」 に よ り顧 客 か らの 連絡 を 容 易 に して い る。 製 品 に 関 す る ク レ ー ム が入 っ た 場 合 に は,ク レー ム の緊 急 性 に応 じて 対 応 方 式 を変 え て お り,重 大 ク レー ム の 場 合 に は標 準 的 な 対 応 の 段 取 りに こ だ わ らず,調 査 部 門等 の 直接 対 応 に よ る迅 速 な対 応 を 可 能 と して い る。
顧客満足の把握 は,競合他社 との比較 を含めた多様 な方 法で行ってい る。
具 体 的 に は 顧 客 と の 日常 的 な対 応 を通 した もの だ け で な く,「 顧 客 に よ る ベ ン ダー(当 社 含 む)評 価 」,外 部 調 査 会 社 に よ る 「CS調 査 」 と 「 企 業イメー ジ調査」等 である。 なお,顧 客満足 度の評価指標 は市場環境 や 時 代 と と も に適 宜 更新 して い る。
顧 客 に対 す る4種 類 の ア ンケ ー ト(「 キ ャ デ ィア ンケ ー ト」,「 コー ス管 1997 千葉夷 隅
ゴルフクラブ
理 ア ン ケ ー ト」,「レ ス トラ ン ア ンケ ー ト」,「営 業 部 門 ア ン ケ ー ト」)に よる 調 査 を定 期 的 に 実 施 す る と と も に,全 社 員 が 「 お 客 様 の 声 の 窓 口」
とな っ て 対 応 す る情 報 カ ー ドの シス テ ム,パ ー トナ ー 制 度,会 員 で組 織
日本経 営品 質賞 受賞企 業 にみ る仕組 み の特徴 47
す る4種 委員会活動等 によって,既存顧客 の多様 な情報 を収 集 してい る。
このように して収集 した情報 は業務 品質の評価のため に用 い られ,顧 客 満足度 の把握 と,品 質向上策の検討 に役 立て られ る。
また,苦 情 に つ い て は,お 客 様 が 不 満 を持 ち 帰 らな い よ う に,マ ニ ュ ア ル の 整 備,第 一線 社 員 へ の 権 限 委 譲 等 に よ っ て 迅 速 に 対 応 して い る。
当 社 で は,顧 客 や 市 場 を,そ の 取 引 形 態 ・流 通 プ ロセ ス の 違 い に よ っ て 3つ の カ テ ゴ リー(特 約 店,販 売 店,料 飲 店 ・家 庭)に 区 分 して い る 。 特約 店 とは直接取 引 をしてお り,日 常 的に約900人の営業担 当員が 圓訪 してお り,要 求や期待の把握 を行 っている。販売店市場 には営業担 当者 に加 え,約1600人 の マ ー ケ ッ トレ デ ィ が 回 訪 し,要 求 ・期 待 お よ び色 々 な 市 場 情 報 の収 集 ・把 握 に 努 め て い る 。料 飲 店 ・家 庭 市 場 に は,当 社 営 業 担 当員,特 約 店,販 売 店 等 と一 緒 に販 促 活 動 に あ た って お り,情 報 の 収 集 ・把 握 で も協 力 して い る。こ の よ う に し て収 集 した情 報 に 基 づ い て, お客様や市場 の要 求 ・期待の動向 につ いて分析 し把握 に努めてい る。
1997 ア サ ヒ ビー ル 株 式 会 社
特 約 店,販 売 店 お よび 一 般 の お 客 様 か らの 意見 ・提 案 ・ク レー ム等 に対 して は,業 界 最 大 の 営 業 ネ ッ トワー ク を通 して 素 早 い 対 応 が で き る よ う に して い る。 さ らに,よ り幅 広 い 意 見 を お 受 け す る為 に,品 質 保 証 部 の 中 に 「 お客様相 談室」 を設置 して,電 話 やお手紙等での情報収集 を行 っ て い る。 内容 は,苦 情,提 案,要 望,連 絡,照 会 の5項 目 に整 理 さ れ,
トッ プ を は じめ様 々 な 部 署 で 共 有 化 さ れ,対 応 して い る 。
お客様満足 につ いては,上 記 した情報 に加 え,業 界 紙等の調査結果等 に 基 づ い て 把 握 して い る 。
な お,お 客 様 の ラ イ フス タ イル の 変 化,市 場 構 造 の 変 化,消 費 行 動 の変 化 に よ っ て,満 足 度 の 基 準 も変 化 して い る の で,調 査 の 実 施 頻 度 や,評 価 項 目 につ い て も常 に 見 直 し を行 っ て い る 。
顧客の業種 ・業態 に応 じて細分化 された事業本 部毎に,所 管役員,事 業 本部長,営 業担 当が 日常 的に既存顧客や新規顧客 を往 訪 し,経 営層へ の 提 案,現 状 の聴 取 等 を行 っ て い る。 ま た顧 客 を対 象 と した 「カス タ マ ー ズ サ ー ク ル」 と い う会 員 組 織 の 総 会(3ヶ 月 毎)の 会 合 や 親 睦 会 を通 じ て,情 報 交 換 を行 い 意 思 の 疎 通 を行 っ て い る 。 さ らに,主 催 して い る セ ミナ ー や フ ォ ー ラ ム も情 報 収 集 の 場 と して有 効 で あ る 。 この よ う に して
1998 株式会社
日本総合研究所
収集 した情報 は多面 的な共有化が行 われ,次 回以降の企画や顧客へ の提 案等 に活用 される。
顧客 か らのク レー ムや システム運用 に 関する障害 等が発 生 した場合 に は,直 ち に 「トラ ブ ル 報 告 書 」 が 起 票 さ れ,原 因 を 追 究 し,再 発 防 止 の ための是正措置 や予 防措 置 を講 じる。
顧客満足度度 につ いては,シ ステム 開発業務終 了後 に 「 顧客満足度調査 (シ ス テ ム 開 発 部 門)」 や 「ア プ レ イ ザ ル ヒ ア リ ング(コ ン サ ル テ ィ ン グ 部 門)」 を 実 施 し,製 品 や サ ー ビ ス の水 準 につ い て の 評 価 情 報 を得 て 顧客満足 の把握 に努めてい る。
日常 業 務 にお い て店 頭 で は,イ ビザ レ デ ィ,専 門 店 の販 売 員,営 業 社 員 が,直 接 お 客 様 と接 す る こ とに よ っ て ニ ー ズ の 収 集 に努 め て い る 。ま た, 1998 株式 会社
吉田 オリジナル
イ ベ ン ト開催 時 に は,社 長 を は じめ とす る全 セ ク シ ョ ンの 社 員 が お 客 様 と直 に接 して色 々 な情 報 を入 手 す る。 さ らに,手 紙 や ハ ガ キ に よ る情 報 も重 要 な情 報 源 とな っ て い る。
この よ う な情 報 は,整 理 され,新 商 品や 新 た な サ ー ビス の 開 発 等 に活 用
され て い る。
当社 へ の ク レー ム につ い て は,全 社 員 が 受 付 窓 口で あ る こ とを徹 底 し, な る べ く多 くの 苦 情 や ク レー ム を 収 集 で き る よ う に して い る 。 そ して ク レー ム へ の 対 応 は 「 即 時対 応 」 を 基 準 と して お り,そ の 日の う ち に,担 当者 か らお 客 様 へ 必 ず 対 応 を 連 絡 す る の が ル ー ル で あ る。 な お,ク レー ム を 受 け た 者 が 最 後 ま で責 任 を もっ て 対 応 す る こ と も原 則 と して い る。
顧客満足 度に関 して は,競 合他社 あるい は競合他社製 品との比較 に よっ て把 握 して い る。
市場情報 やお客様のニ ーズ情報 は,日 々の営業活動の 中で収 集する ウェ イ トが非常 に高い ため,営 業第一線の情報 を吸 い上 げる仕組 みの強化 に 力 を入 れ て お り,第 一 中 央 販 売 本 部 とお 客 様 との コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン チ ャ ネ ル,「 営 業 担 当 者 」,「お 客 様 相 談 セ ン タ ー(CIc)・ テ レ フ ォ ン
セ ン タ ー(TC)」,「X‑Direct(Eメ ー ル)」,「 お 客 様 満 足 度 調 査 」,「 交1999
富士 ゼロ ックス 株式会社 第一中央販売本部
流 会 ・セ ミナ ー 等 の イベ ン ト」,「経 営 トッ プ」 の6つ で あ る 。 こ の よ うに 集 め られ た要 望,苦 情,ク レー ム に関 す る情 報 は 共 有 化 や デ ー タ ベ ー ス 化 さ れ,様 々 な用 途 に活 用 され るが,「 心 の こ も っ た行 動 」 で 迅 速 に対 応 す る こ と を原 則 と して い る 。 これ は,苦 情 ・ク レー ム に 対 す
る対 応 だ け で な く,全 て の情 報 に対 す る 対 応 原 則 で あ る。
な お,「 顧 客 満 足 度 調 査 」 は,年2回,無 作 為 に 抽 出 した お 客 様 に,第 一 販 売 本 部 長 名 で ア ン ケ ー トを郵 送 し ,企 業 活 動 全 般,商 品,営 業 担 当 者 等6項 目の 設 問 に対 し,5段 階 で評 価 して い た だ い て い る。こ れ に よ っ
て,顧 客 満 足 度 を,定 量 的 ・定性 的 に 把 握 す る こ と に努 め て い る 。 多 数 の セ ー ル ス ・サ ー ビ ス担 当 者 に よ る 日頃 の 訪 問 の 際 に お 聞 きす るお 客 様 の声 が,ニ ー ズ を把 握 す る た め の 基 本 的 な情 報 に な っ て い る 。 そ し て そ れ を補 完 す る形 で 各 種 の市 場 調査 が あ り,セ ー ル ス や サ ー ビス 担 当 者以外 の社 員が 自らお客様 の評価 と期待 を確認す る仕組 みがある。 この よ う に して 収 集 され た お 客 様 の 要 求 ・期 待 は,商 品 の 機 能性 改 善,お 客 様 対 応(セ ー ル ス 対 応,サ ポ ー ト対 応,サ ー ビス 対 応 等)の 改 善 だ け で
な く,商 品 や 販 売 の 中 長 期 の戦 略 立 案 に も活 用 され る。
1999 株 式 会 社 リコ ー
お客様 の苦 情や クレー ムに対 しては,販 売会社や ご販売店 が 日々の営業 活動 のなかで発生 を防止 し,万 一発 生 した場合で も責任 を もって対応 し ている。そ して本社 はその情 報を把 握 ・分析 し再発 防止 のための種 々の 改 善活動の中で支援 している。
リ コ ー で は 大 き くわ け て二 つ の 満足 度 調 査 を実 施 して お り,一 つ は 「 課 題 領 域 を発 見 す るた め の満 足 度 調査 」 で,も う一 つ は 「 具 体 的 な テ ー マ を評 価,確 認 す るた め の調 査 」 で あ る 。 前 者 は,客 観 性 が 求 め られ るた め第三者 機関において顧客 タイプに応 じて実施 してお り,後 者 はお客様 接 点部門や商 品開発部 の調 査が 中心 であ る。 これ らの結果 は 「CS経営 会議」等 で審議 され今後 の改善 策の検 討に活用 されて いる。
顧 客 ・市 場 を理 解 す る た め に,「8つ の 訪 問 」,「コー ル セ ン タ ー(お 客 様 の電 話)」,「 サ ー ヴ ィ ング(お 掃 除 サ ー ビ ス)」,「お 客 様 ア ン ケ ー ト」,
「お 客 様 か ら の 封 書 ・は が き ・Eメ ー ル ・FAX」 ,「CSコ ー ル 」 の6
2000 株式会社
武蔵野
つ の 方 法 を実 施 して,色 々 な情 報 を 把 握 して い る。 ま た,競 合 以 外 の 動 き や市 場 の 将 来 性 を検 討 す る た め に,こ れ ら6つ の 方 法 以外 に,同 業 他 社 を ベ ンチ マ ー キ ン グ して得 られ た 情 報 も参 考 に して い る 。 集 め られ た 情 報 の 活 用 は,そ れ ぞ れ の担 当 部 署 や社 内 チ ー ムが 担 当 して お り,さ ら
に 「お客 様 満 足 度 向 上 委 員 会 」 で 審 議 ・決 定 され る。
日本経 営 品質賞 受賞 企 業 にみ る仕 組 みの特 徴 49
ク レー ム が 発 生 し た場 合 に は,担 当 者 が 承 っ た ら直 ち に 上 司 ・関 係 者 に ボ イ ス メ ー ル で 伝 達 し,事 態 に敏 速 に 対 応 す る よ う に して い る 。 また, お客 様 には対応状況 を逐 次連絡 して ご安心い ただけるよ うに してい る。
ク レー ム が 発 生 し た場 合 の 対 応 マ ニ ュ ア ル は,「 経 営 計 画 書 」 に 明 示 し て お り,そ の 中 で"ク レ ー ム の 責 任 は社 長 に あ り,社 長 一 人 で は 対 応 で きな い の で,社 員 が 社 長 に代 わ っ て 誠 意 を持 っ て対 処 す る"こ と を明 確 に して い る。 ク レー ム処 理 の 内 容 と対 応 結 果 は,担 当者 が 営 業 支 援 シス テ ム に 登 録 し,全 社 的 な改 善 事 項 と して,ク レ ー ム ・解 約 チ ー ム に よ る 対応 策立案,お 客様満足 度向上委員会での審議,経 営 品質向上委員会へ の 決 定 とつ な げ て い く仕 組 み を構 築 して い る。 さ らに,決 定 事 項 は 「 経 営 計 画 書 」等 へ 明 示 さ れ,経 営 計 画 発 表会 等 に よっ て,周 知 徹 底 さ れ る。
お客様 や市場 を理解す る上 で もっ とも重要 なの は,第 一線社 員が直接お 客様 と接 して得 られ る情報 と考えてい る。業界動 向や競 合他社情報 につ いては,各 種経済指標 や統 計資料等,公 開 され た社外情 報を分析 ・デー タ ベ ー ス 化 して 利 用 し て い る 。 ま た,社 外 に委 託 して 実 施 す る 郵 送 に よ るア ンケー ト調査結果等 か ら,お 客様の 関心分野や投 資動向等 も分析 さ れ る 。 この よ う に して収 集 さ れ た 情 報 に基 づ い て,社 長 以 下役 員 を中 心 に構 成 されるCSMC(お 客様満足 度向上 委員会)が 毎 月開催 され,対 応 方 策 が 決 定 され る6具 体 的 に は 「 会 社 体 質 ・営 業 姿 勢 の 改 善 」,「お 客 様 対 応(ス ピー ド)の 改 善」,「価 格 満 足 度 ・納 期 満 足 度 の 改 善 」 等 で あ
る 。2000
日本アイ・ ピー・ エム 株 式会社 ゼ ネ ラル・ビジネス
事 業部
お客 様 の 苦 情 につ い て は,適 切 な 責 任 者 に伝 達 さ れ解 決 を 図 る 仕 組 み と な っ て お り,苦 情 内 容 と解 決 策 の 記 録 は,全 世 界 の全 事 業 所 か ら参 照 で き,再 発 防 止 策 の 策 定 に活 用 さ れ て い る。 ま た,通 常 の 苦情 処 理 で は対 応 で きな い,あ る い は 解 決 が 大 幅 に遅 れ る と判 断 され る もの につ い て は, ク リテ ィ カル ・シチ ュ エ ー シ ョ ン ・マ ネ ジ メ ン ト ・プ ロ セ ス で 国 内 の 役 員や国内外の開発製造 部門を動員 して早期 に問題 を解 決する ようになっ
て い る 。
顧 客 満 足 度 に つ い て は,お 客 様 がIBMの 調 査 で あ る こ と を ご承 知 の う え で 記 入 い た だ く方 式(ICSS)と,お 知 らせ せ ず に 回 答 い た だ く方 式(ブ ラ イ ン ド ・サ ー ベ イ)の2通 りが あ り,い ず れ も第 三 者 に 委 託 して 実 施
して い る。 な お,ICSSの 結 果 の 総 合 満 足 度 の 評 価 が 基 準 以 下 の お 客 様 は フ リー ・コ メ ン トで,ご 不 満 の 意 見 を い た だ い た お 客 様 に は,営 業 管 理 者 の 訪 問 が 義 務 づ け られ て い る 。 ま た,ブ ラ イ ン ド ・サ ー ベ イ は,競 合 他 社 との ベ ンチ マ ー キ ング を 目指 す と と も に,具 体 的 改 善 の 方 向 性 を 確 認 す る指 標 と な っ て い る 。
お客 様の要望 を的確 に把握 するため に,全 世界 の関係 会社 を通 じて,お 客 様 か ら必 要 な情 報 を リア ル タイ ム に入 手 す る ほ か に,経 営 トッ プ を含 めた関係者が,お 客様 に直接 お伺い して要望事項 を把 握する様 に努 めて い る。 また,調 査 会 社 等 も活 用 して,お 客 様 満 足 に 関 す る 多 面 的 な情 報
2001
セ イコーエプソ ン 株式会社 情 報画像事業部
収 集 を複 合 的 に行 い,将 来 の 戦 略 策 定 を勘 案 した総 合 的 な 分 析 ・予 測 を 実 施 し て い る 。 こ の 際,「 お客 様 使 用 環 境 の 分 析 」,「地 域 別 ・商 品 区 分 別 の マ トリ ッ ク ス分 析 」,「購 入 決 定 要 因詳 細 情 報 の分 析 」 等 の 分 析 が 行 わ れ,こ れ ら の結 果 や 「 商 品 企 画 」 や 「 市 場 品 質対 応 」,「お 客 様 満 足 ・ 期 待 要 望 対 応 」 等 の オ ペ レー シ ョ ンの 検 討 に活 用 さ れ る 。
お 客 様 か ら の ク レー ム 対 処 に あ た って は,全 社 レベ ル の 品 質 基 準 に基 づ
いて,各 主管部 門 ・関係会社がそれぞ れ業務 内容 に沿った各基準 を整備
し,一 元 化 し た 品質 対 応 を 実 施 して い る。 な お,ク レー ム の 重 要 度 や 緊
急 度 に 応 じた 対 応 を行 う と と もに,再 発 防 止 策 も講 じて い る 。 顧 客満足度の把握 につ いては,日常 の基幹 系業務推進か らの情報(ク レー ム,問 合 せ,修 理 情 報 等)や 事 業 部 独 自 のCSI調 査,ア ンケ ー ト調 査 に よ り明 確 化 し て い る 。 そ して,毎 年,前 年 度 の顧 客 満足 に 関 す る調 査 結 果等を評価 ・分析 したうえで,目 標値 を商品 ・業務 内容毎に設定 して
い る 。