ウォルター・アイサード
﹃産業立地と空間経済論−産業立地︑ 市場領域︑土地使用︑通商︑都市構造
に関する一.般理論﹄
植 村 福 七
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目 次
一︑アイサード教授と私
二︑アイサード﹃産業立地と空間経済論﹄
︼ アイサード教授と私
昨年十一月四日私の最も親しい友人の一人であるオレゴン大
学経済地魂学助教授句︒rreStR・Pi︷t∽博士から航空供を受取 書 評 第三十一巻 第二号
った︒その一節を引用すると次の如くである︒ ︵こ四六︶ 二四
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このPitts博士と言う人ほ六年前岡山市にミンガン大学日本 研究所がある時代にミンガン大学の大学院学生として日本の農
村研究のため当地堅一年間滞在し︑帰国後学位をとり現存オレ
ゴン大学で経済地理を講義している方である︒勿論私ほPittの 博士からこの手紙をもらう前からアイサード教授の空間経済由
論に関する論文や新著のことはよく知っていた︒特にハーバー
ド大学雑誌クオータリ・ジャーナル・オプ・イコノ︑\\クスに 発表された三つ論文に盛られている理論は昭和二九年五月日本
交通学会雑誌拙稿﹃空間経済理論と運賃の作用﹄の中で紳介し
た︒ここで書評をこころみる彼の新著﹃産業立地と空間経済
論﹄ほこれ等の論文の集大成したものであがる︒彼が山九五二
年に世紅問うた﹃原子力ー経済的並び紅社会的分析﹄ AtOヨ仙c
POWer︸AmEcOnO邑ca已SOCia−Ana首sis■−誤Nほ拙著﹃原 子力経経学﹄の序文で述べた如く私の原子力経済研究の動機と
なった︒
アイサード教授はAlま○芦昌a崇en教授の弟子でハーバー
ド大学及びマサチエセツ工業大学で講義をしていたが︑今回私
の恩師ウイルソン教授亡き後ぺンジルペニニヤ大学に迎えられ
たのほ尽きせぬ経と思われる︒
その後原子力経消の研究や体の不調等のためアイサード教授
の新著﹃産業立地と空間経済﹄ を瀕しく傾く機会がなかった
が︑三月二十五日Pitts博士より拙著﹃原子力経済学﹄の書評
な地理評論誌 ︵T訂GeO讐ap訂c巴Re5eW︶ に掲載したい希望
と共にアイサード教授の新著の書評を催促する次の劇文を受取
っ︒
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以上の訳で私がここにアイオート教茂の新著﹁産業甘地と空
間経済論﹂の書評な試みた次第である︒
エ アイサード﹃産業立地と空間経済論﹄
アイサード教授の新著﹃産業立地と空間経済論1産業立地︑
苗場領域︑土地使用︑通商︑都市構造痘関する一般理論﹄ほ彼
がかつてハーバード大学機関雑誌ククオータリー・ジャナル・ ウォルター・アイサト恕㌍Ⅶ艶瀾開脚鮎発細︑扁朗甜甥︑ ︵二窯=蒜 まずアイ少−ド教授は﹁第二黄塵業立地と空間経済について
の若干の山般痙論﹂匿おいて経済理論の空間的研究の重要説を
主張して次の如く述べている︒マーシャルほ経済理論の動態的
研究の重要性を強調し﹃問題の困難性は主として空間の広さと
問題の市場がひきのばしている時間の長さにおける変数に依存 オブ・イコノ︑︑\クスに発表した三つの論文11Tbe Ge完ral TbeOry Of rOCatiOヨand Space・EcOnOmy.20戸−盟や Dis・ ︷aコCe Inputs and tbe Space・EcOnOmy︸ Part l小May︸−誤−− Dista宍e:Oput00and tbeSpace由cOnOmy−P駕t肖V Aug. −笥−・旺盛られている理論の艶展︑集大成したものである︒
その構成ほ次の十軍三五〇頁からなっている︒
序 文
第革
第二章
第三茸
第四嚢
算五黄
第六資
質七茸
第八童
第九茸
第十章
第十二軍 序論 産業立地と地域間題の提起 産業立地と空間経済についての若干の山般理論 空間経済についての若干の経済的法則性 輸送投入鼠と関連ある空間概念 企業の地域均衡1輸送志向 企菜の地域均衡・1労働及びその他の志向 市場及び供給領域分析と競争的地域均衡 集積分析と農業立地論 産業立地と貿易理論の若干の基本的相互関係 岬般産業立地理論の態様−数学的公式
部分的グラフによる解合と要約
第三十一巻 第二号
している︒しかし時間の影響ほ空間のそれよりも本質的であ
る﹄と述べている︒︵A−f蒜d Mar各a戸 Princ旦es Of EcOg・
micひ︸讐b ed・∵忘安㌣ ﹂予定∵㍗−︶その後半世紀の問彼の追従
者は彼等の分析に専ら瞳問的要素を導入することに専念してき
た︒
しかしながら誰れが経済的発展の空間的様相を否定できるで
あらうか︒又すべて仏経済活動が時間と同様に空間の中で行わ
れていることを誰れが否定できるであらうか︒現実には時間も
空間も経済理論において考慮すべき本質的要素でなければなら
ない︒しかしながら不幸にして独占的競争理論派特にチエンパ
リンを除いてほ殆んどすぺてのものがマーシャル的偏見紅おち
いっている︒︵E.声Cbaヨb芦n−Tbe TheOry Of MOnOpO−賢ic
COmpetitiOn︸−欝∽and︻計dOCtOra−disser什atiOコ.−りN↓︶
かくの如く多くの学者は時間的解明にのみ専念して空間的考
慮ほ全く顧りみなかった︒即ち︑ヒックス︑モザァク︑ラング︑
サ︑︑︑ユエルソン連はすべての生産要紫と生産者︑商品と消費者
が一点に凝結しているOne pOintecOnOmyを論じてきた︒そ
の中でもヒックス教授ほ初め空間に関して含蓄ある態度で問題
の分析を始めた︒即ち彼ほ﹃経済理論が取扱わねばならない問
題の多くほ研究してみると市場間の相互関係の問題であること
が判明する︒かくして国際貿易のもつ複雑な問題は輸出入商品
の苗場と資本市場との相互関係を含んでいる︒これ等の著者
︵ワルラスやパレートやウィクセル等︶が大成した一般均衡理 ︵二四八︶一山六
論の方法は市場相互関係の後雑なる雛形の形態において全体の 経済構造を展示しようと特に意図せられたのである︒われわれ の仕事はどうしても彼等の伝統に従い︑彼等の仕事の継続であ
る外はない︒﹄と述べている︒︵ヒックス﹁価値と資本﹂第二−
三頁︶