576
・−−JO2−
調 査
木材・木製品・家具製造業の経理組織と その経営成績・財政状態(2)
三 浦 和 夫
Ⅰ まえがき
Ⅱ 経理組織一腰理制度の近代化 −(以上前号)
Ⅲ 経営成績と財政状態一流動性・安全性・収益性・
生産性−(本号)
Ⅲ 経営成績と財政状態一流動性・安全唆\・
収益性・生産性−
1.木材・木製品・家具製造業の経営分析・相互比較
イ 昭和37年皮木材・木製品・家具製造業(木材・木製品工業,家具・装備品製造業)
の経営分析・相互比較
昭和37年皮においては,第19表に示すごとく,流動比率〔以下,比率の1〜27は,
中小企業庁が行なっている「中小企其の経営指標」,1′および5′は,日本銀行統計局 が行なっている「中小企共経営分析」に.おいて,それぞれ採用されている名称および 概念紅もとづいている。
すなわら,比率はつぎのごとく計算している。
1経営資本対営業利益率 =×100
純売上高 露営賓衰 2 経営資本回転率
3売上高対営酬益率 =×100
4自己資本対脚益率 = ・×100
5自己資本対固定資産比率=牒×100
固定資産 ×100 6 固定長期適合率
自己資本+長期借入金
577 木材・木製品・家具製造業の経理組織とその経営成績・財政状態(2) −J♂∂−
=×100
7 流動比率
8 当座比率
9 総資本対自己資本比率
10 売上高対支払利息比率
11同定資産回転率 12 受取勘定回転率
現金・預金+受取手形+売掛金 ‑x1000 流動負債
=×100
支払利息・割引料一受取利息 ×100 純売上高
純売上高 固定資産
純売上高 受取手形+売掛金
直接材料費+買入部品費+外注工負+補助材 13 支払勘定回転率 料費
14 従業員1人当り年間生産高=
15 従業員1人当り年間加工高=
支払手形+売掛金
塾価
料費 従業員数
16 加工届対人件費比率
17 原材料回転率
18 仕掛品回転率
19 製品回転率
20 売上高対総利益率
21売上高対純利益率 22 総売上高対値引高比率
23 売上高対貸倒償却費比率
24 営業費比率
25 売上高対広告費比率
加工高 純売上高
原材料
_純売上高
 ̄、 ̄ ̄
音頭吉
_純売上高  ̄, ̄ ̄ ̄▲
恕岳
_ 総利益 純売上高
純利益 純売上高
売上値引高 ×100 製品売上高+加工収入高
=×100
=卿×100
純売上高
=×100
÷12月
26 従業員1人当り月平均給与額=
第39巻 第5・6号 578 一此侵一一
機械・設備 27 従業員1人当り機械装備額
1′1人当り売上高 2′ 1人当り純利益
従業員数 純売上高 従業員数
純利違 従業員数
純利益十人件費+金融費用十賃借料+租 税公課+減価償却費
3′ 従業員1人当り付加価値生産額=
4′ 総資本投資効率
従業員数
但−−×100
_資本+負債  ̄【
従業員数 5′ 資本集約度
また各表の()の数値は,第19表〜欝21表および第27表,琴28表における比率1
〜27については,『中小企業庁の経営指標』に.おける「木材・木製品工業」あるいは
「家具工業」で示されている全国値から,比率1′〜5′については,甘中小企其の経営 分析甘におガる「木材・木製品製造業」で示されている全国値から,また第22表および 第23表の原価表の場合には,「木材・木製品工業」および「家具・装備品製造業」に 該督する菜種の平均値が『中/J)企菜の原価指』では計算されていないので,第22表お よび第23表に脚注を付して,特にことわったように,その代表形態であると考えられ る「製材業」および「家具製造業」の全国値から引用し七いる二〕,当座比率ともに低 い。流動比率が200%,当座比率が100%という基準には遠くおよばない。流動性が悪 いといえる。すなおち,財務支払能力が低いといえよう。
これ町加えて,安全性はなお一層芳しくない。総資本対自己資本比率は,28.9%,
14・4%であって,50%という基準からみれば,格段の開きがある。とくに,家具・装 備品製造業のそれほ,悪い。
収益力を代表する経営資本対営巣利益率も低く,殊に,家具・装備品製造兼は欠損 を出している。木材・木製品工業においてほ,資本回転率で表わされる資本の利用度 でよりも,売上高対営業利益率で表わされる販売1単位当りで獲得しうる利益で支え られている。(経営資本対営巣利益率は,経営資本回転率と売上高対営業利益率の積 である。)家具・装備品工業において,経営資本対営業利益率は,売上高対営業利益率 が悪いため,マイナ■スの比率に・なっている。営業利益は当夢年度に赤字を出してい る。しかし,営巣外収益が営業外費用よりも多く,かつ営業利益の欠航をも埋めて,
純利益においては,僅かながら黒字を出し,従って売上高純利益率も0.5%を示して
579 木材・木製品・家具製造業の経理組織とその経営成憤・財政状態(2) −JO5−−
いる。これほ,全国値の6・0%よりも,はるかに.劣り,また木材・木製品工巣の5.9%
よりもはるかに患い。
第19表 昭和37年度 木材・木製品・家具製造業(木材・木製品工業,
家具・装備品製造業)の経営分析・相互‖比較
業 種 業 種
調査対象企業数 調査対象企業数
\\\\∴平喝従業員数 →、 比率 、\−\・−−\
、\1経営資本対 営兼利益率(%)
2 経営資本
回転率(回)
3売
益率(%)
4 自己資本対 純利益率(%)
5
率(%)
6 固定長期
適合率(%)
7 流動比率(%)
8 当 座比率(%)
9
比率(%)
10
率(%)
11固定資産
回転率(回)
12 受取勘定
回転率(回)
1畠 支払勘定
回転率(回)
14
)
15
)
16加
率(%)
17 原材料回転率(回)
18 仕掛品回転率(回)
19 製品回転率(回)
20 売上高軋 総利益率(%)
21売上高対
純利益率(%)
22総
率(%)
2畠
率(%)
24 営業費比率(%)
25売
率(%)
26
)
27
)
I′1人当り
売上高(千円)
2′1人当り
純利益(円)
3′
)
4′ 総資本
投資効率(%)
資本集約度(千円)
580 第39巻 第5・6号
−㌧拓昭一
ロ 昭和38年庭 木材・木製品・家具製造業(木材・木製品工業,家具・装備品製造
業)の経営分析・相互比較
昭和38年度においても,第20表に示すごとく,流動比率,当座比率ともに・,全国値 第20表 昭和38年庭 木材・木製品・家具製造業(木材・木製品工業,
家具・装備品製造業)の経営分析・相互比較
菜 種 業 種
調査対象企業数 調査対象企業数
平均従業員数 平均従業員数
1経
率(%)
2 経営資本
回転率(回)
3売
益率(%)
4自己
率(%)
5率(%)
6 ′固定長期
適合率(%)
7 流動比率(%)
8 当 座比率(%)
9
比率(%)
10
率(%)
11固定資産
回転率(回)
12 受取勘定
回転率(回)
13 支払勘定 回転率(回)
14
)
15
)
16加
比率(%)
17 原材料回転率(回)
18 仕掛品回転率(回)
19 製品回転率(回)
20 売上高対
総利益率(%)
21売上高対
純利益率(%)
22鱒
率(%)
23
率(%)
24 営巣費比率(%)
25売
率(%)
26
)
581 木材・木製品・家具製造業の経理組職とその経営成績・財政状態(2) −ヱ∂7−
より低い。とくに家具・装備品製造共において,その隔差は著しい。
総資本対自己資本比率においては,木材・木製品工巣の場合,32.3%で全国値のそ れ(24い3%)より高いが,家具・装備品製造業の場合,10・3%で全国値のそれ(28.3
%)より著しく低い。この比率ほ,50%,すなわら,自己資本ほ総資本の半分は望ま しいとされている立場からみれば,10.3%という数値は甚しく低く,企業の独立性は 望むぺくもない。
収益力に.おいては,経営資本対営業利益率でこれを見ると,木材・木製品工業の場
合,4.8%で全国値のそれ(5.1%)より低いが,ある程度の収益力をもっていること が推定されるが,家具・装備品製造業の場合は,△0.1%で欠損を出している。しか
し,営巣外収益が営業外費用を上廻り,加えて,先述の自己資本が少ないことから,
自己資本対純利笹率は,6・4%を示して−いる0
ノ、昭和39年庭 木材・木製品・家具製造業(木材・木製品工業,家具・装備品製造 業)の経営分析・相互比較
昭和39年度においてほ,第21表に示すごとく,木材・木製品工巣,とくに.家具・装 備品製造共において.牒,従来キ異なった様相を示している。これほ,調査対象企業と
して,新らしく追加されたものができたためであろう。すなわち,安全性の点から は,さはど大きい変化はないが,流動性,収益性の点からみれは,大変良好な数値を 示して−いる。
当座比率紅おいては,やはり、木材・木製品工巣(72・3%)が家具・装備品製造業
(69.3%)よりすぐれているが,流動比率でみると,木材・木製品工共(101n9%)よ りも家具・装備品製造業(127・・1%)がすぐれでおり,資産回転率も高いことを考え
合わせれば,企業の流動性は,家具・装備品製造業の方がすぐれているといえよう0 総資本対自己資本比率が示す安全性においても,家具・装備品製造業(13・・2%)が 木材・木製品工業(13.0%)よりも若干ながらまさっている0
経営資本対営共利益率が示す収益性においても,家具・装備品製造巣(22・1%)が 木材・木製品工業(5り5%)よりもはるか紅まさっている○
企業の経営成績を知るためには,その企業の収益性を見ること紅よってなしうる。
収益性を知る代表的指標としては,総資本純利益率も考えられるが,ここでは,中小 企業庁の計静公式に.もとづいて,営業活動の段階での利益を表示する経営資本対営業
582 第39巻 第5・6号
−㌧托鳩−
利益率をみるdこれは,経営と所有とが分離しているという思考にもとづき,資本の 側面では営業活動以外に使用された資本(例えば他企業への出資部分)を除いた資本 概念をとり,また利益の側面では営業活動以外に.もとづいた収益あるいは費用(例え
ば受取利息などの営業外収益あるいは営業外費用)を考慮しない前の営業利益概念を とっている。経営資本対営業利益率は,先に少しふれたごとく,経営資本回転率と売 上高対営業収益率と紅分解しうる。すなわち,こ・の分解によって,その企業の収益力
声ミ,商品一単位を販売するに・あたって獲得する利益部分は少くても,むしろ商品を大 量に.売り捌くという回転速度ないしそれぞれの資産の効果的利用度によってもたらさ れたものであるか,あるいは反対に,資本または資産の回転速度ないし利用度は悪く ても,むしろその企其の販売活動を効果的に実施し,あるいは購入活動・生産活動・
(1)
販売活動に.おけるコスト・ミニマイゼナべ/ヨンを積極的に灘進した結果として,商品
−・単位を販売する紅あたって獲得する利益部分が大きいことにもとづいてなされたも
のであるかを知ることができる。
前者の経営資本回転率は,それぞれの資産回転率に.分類(分解ではないこと紅注
(1)コスト・マネジメント(cost management 原価管理)の目的ほ,一L言に.していえ ば,コス†・ミ・ニマイゼインョン(COSt minimization)である。コスト・マネジメン
トほ,コスト・プランニング(cost plannir喝 原価計画)とコrスト・コントロ−ル
(cost contI・Ol原価統制)とからなる。後者は,原廊資料を駆使して,合理的な業績評 価の問題を解決するというコスト・ダクン(COSt down)の方向を目指す局面として指 摘できるし,前者は,近時の技術革新などにともなって,経営の基本的構造をなす製品,
原材料,機械設備,労働力,作美方法などの計画が十分に.討議され,意志決定されて合 理的な計画化を通じて問題を解汲するというコスト・リダクVヨン(cost reduction)
の方向を目指す局面として指摘できる。
これを具体的にいえば,生産の諸条件を所与のものとして考える場合が後者;原価統 制の局面であり,そ・して,これらの諸条件の適切な変更に.よって−原価の切り下げを考え
る場合が前者;原価計画の局面である。またさらに概括的にいえば,後者;原価統制は 生産プロセスに.おける変動的コストを対象とするのに.対して,前者;原価計画は,生産 構造に起因する固定的コストを対象とする。
この思考の理解に・は,利益計画のなかで原価目標を樹立するという計画独自の意義を
見出すことはもちろん,原価統制を正確かつ客観的に行うための原価計画を必須とする
し,また原価計画にもとづく原価統制ないし原価分析(cost analysis)の結果をフィー ドバックさせ,さら紅また,これを原価計画の樹立に.役立てるという,コスト・マネジ
メントの一・連の体系としての理解に.もとづくことが必要である。この詳細紅ついては,
拙稿『生産管理に・おけるコストマネ汐メソトの意義と体系について述べよ』古川栄一 編「経営学の解明 欝2巻 経営戦略と部門政策」昭40160−165景,.一.L.BuI1idge;
r触,タれ外出■〆βざ∂ノ■P九鋸わ化勃■〃〝Co〝f′・¢J,1962け を参照願いたい。
583 木材・木製品・家具製造業の経理組織とその経営成績・財政状態(2) −・却9−
意)しうる。ここでほ,資産の大分類としての固定資産と資産のうらとくに注意を必 要とする受取勘定(これにかゝわらしめて−支払勘定),原材料・仕甜品および製品の 回転速度を見ることによって,当該資産在高が売上高に対応して適正であるか,ある いは過大・過小であるかを判断する。他方,資本ないし資産の回転率の逆数は,当該 資本ないし資産の回転期間を意味している。すなわち,回転率の逆数に12を乗ずるこ
と把よって−,その回転月数(1回転するのに必要な月数)が,またこの回転率の逆数 に365を乗ずることによって,その回転日数(1回転するのに必要な日数)を計辞し
うる。逆数をとることによって,分母が売上高となるから,総資本ないし総資産の回 転期間は,個々の資本ないし資産の回転期間に分解しうる。
他方,後者の売上高対営業利益率は,営巣利益に,営業外収益を加え,さらに営巣 外費用を減ずれは,純利益を導き,これを売上高紅対応させれば,売上高対純利益率 を導く。また,売上高対営業利益率鱒,営業利益に販売費および一腰管理費を加え.て 売上高に対応せしめたとき,売上高対総利益率を導く。売上総利益に,売上原価を加 えれほ,純売上高となる。換言すれば,純売上高を一定とすれば,売上原価が低減す ればするほど,売上総利益は大となり,したがって売上高対総利益率は木となる。つ いで,営巣費用(販売費および一腰管理費)が減少すればするほど営兼利益は大と なり,したがって 売上高対営業利益率は大となる。ついで,営業外収益が増大すれは するはど,また営菜外費用が減少すればサーるはど純利益は大となり,したがって,売 上高対純利益率隠大となる。
収益力をあげるこ.とは,企業にとって種々の側面から望ましいこと紅蓮いないが
(例えば,適正な配当源泉を確保することができるし,ひいては,つぎの増資の基盤 をつくることができるし,また企兼の内部留保率を高めて経営の安定性を確保するら ともできよう),収益力は生産性によって恭づけられなけれはならない。今月の企巣 の位置ないし,経営者の社会的安住を深く考えるとき,経営者が委託された企巣の踵 ヽ 営は,たんに出資者のみを考慮するのではなくて,従業員をはじめとする共同社会を 基本において考える必要がある。すなわち,この思考にあっては,純利益を極大に
し,このなかで利益留保政策と配当政策を決定するという利益処分的思考ではなぐで,
それらをも含め,共同社会(企業を構成し,これをとりまく利害関係者すなわち出資 者,債権者,経営者,従業員,経営体,政府,顧客)への配分を適正に.し,大ならし
めることでなければならない。このことほ,利益処分政策から成果配分政策への質的
584 欝39巻 欝5・6号
−Jヱ0−
な転換を意味しでし1るのであって.,経営の社会性は,つね紅この質的転換に裏づけら れなければならない。この成果配分思考にあってごは,人件費も顧客へのサ−ビスも租 税公課もすべて.企業利益と同様に.もはや費用的認識ではなくて利益の一部として意識
第21表 昭和39年庭 木材・木製品・家具製造菜(木材・木製品工業,
家具・装備品製造業)の経営分析・相互比較
業 種
業 種
調査対象企業数 調査対象企業数小
忘\\、空讐某員数 \
\\、\1 比率
1経営資本対 営業利益率(%)
2 経営資本
回転率(回)
3 売上高対 営業利益率(%)
4 自己資本対
純利益率(%)
5
率(%)
6 固定長期
適合率(%)
7 流動比率(%)
8 当 座比率(%)
9
比率(%)
10
比率(%)
11固定資産
回転率(回)
12 受取勘定
回転率(回)
13 支払勘定
回転率(回)
14
)
15
)
17 原材料回転率(回)
18 仕掛品回転率(回)
19 製品回転率(回)
20 売上高対
総利益率(%)
21売上高対 純利益率(%)
22総
率(%)
23
率(%)
24 営為費比率(%)
25売
率(%)
26
)
27
)
1′1人当り
売上高(千円)
2′1人当り
純利益(円)
3′
)
ニー∵∴∵_
加工高対
人件費比率(%)
16
585 木材・木製品・家具製造業の経理組織とその経営成績・財政状態(2) −エu−
され処理されることになる。したがってまた企共の経営はこれらの成果;付加価値を 最大ならしめる原理を持ら,この原理紅もとづいて意志決定され;業績評価されなけ ればならない。企兼の行動の原理はたんなる利益追及ではなくて,成果;付加価値を
最大すにることであり,また同時に,そ・れほ短期的なものでほなくて:長期的なもので なけれはならない。これが企業をしてゴ−イング・コンサー・ソたらしめる原理であろ
う。ここでは,退憾ながら,付加価値を静出する資料が得られなかった。したがっ て,企其の生産性を論じることが,ここではできない。しかし,(四国四県を調査対 象とせず香川県内に限定しているが)昭和37年度以降毎年百十四銀行調査部編「香川 県内製造業・建設業の経営分析」が発刊されており,そのなかで,木材・木製品製造 業(ここでいう木材・木製品・家具製造業)を取り上げているから,これを参照願え れは幸甚である。
木材・木製品工業の原価および構成比を表にすれば,欝22表のどとくである。
家具・装備品製造巣の原価および構成比を表にすれは,罪23表のごとくである0 また資金ぐりの観点から,木材・木製品・家具製造菜(41社)の手形割引期間と割 引割との相閑々係を表にすれば,第24表のごとくであり,木材・木製品・家具製造業 を分割して,木材・木製品工菓(29社)の手形割引期間と割引率との相閑々係を表に すれば,第25表のごとくであり,家具・装備品製造東(12社)の手形割引期間と割引 率との相関々係を表乾すれば,第26表のどとくである。
欝22衷 木材・木製品・家具製造業;木材・木製品工菜の 原価および構成比(昭和39年度)
(43) 17
企 英 数
ーJヱ2・− 第39巻 第5・6号 586
(第22表のつづき)
企 業 数
価原管
超過乳空ヰ費目は鮮等閑酢幣頂豊筋贋鮎背
(595)
8,306
(648)
12,126 (681)
11,157
(1,388)
21,398
(630)
9,475 間 接 材 料 費
間 接 労 務 費 福利厚生費▲賄費 減 価 償 却 費 電 力 塁
その他製造経費
︶ 51
97
48
7. 3
1,占…芋;手芸乏)l(…雲:冨)!
(100‖0) 100.0 合 計ヽ−ノ 4.〇 67
62 ′・・・〜 −
4 (4・1)
2.6
(2.1) 26
(1.1)
1.3
(19.7)
32.3
(0.2) 0.7
(10。8)
5.3
販売員給料手当 旅 費・交通費 通 信 費 支払運賃・荷造費 広 告・宣伝費 その他販売費
(341)
4,195
(1弓4)
2,273
(3,162)
59,185 ヽ′′ ヽ︑′
O1 21 41 20 ︵︵8 73
10 ︵l
(11.8)
11.2
(8..5)
14 5
()
役員給料手当 事務員絵料手当
その他営発覚
︶ 51
71
33
16 ︵2 ︶ 69 07
77
5.
5
(100.0)
100.0 合 計
− ̄
計 け欝雷
(100・0) 100.0
注()内の全国値は,「木材・木製品工菜」の平均値がなヾ、ので,そのうちの「製材菜」
の数億である。中小企業庁編「中小企発の原価指標 昭和39年皮調査」56貴から引用。
587 木材・木製品・家具製造兼の経理組織とその経営成績・財政状態(2) −Jl∂−一 節23表 木材・木製品・家具製造巣;家具・装備品製造業の原価および構鼠比(昭和39年度)
(57) 7
企 業 数
販売・管理 総原価構成l製造原価梼
柴平均原 (千円)
価費目l孟姦
∴:・.ざ:−−・・
比 (%)l成比(%) 構成比(%)(54.7)
80‖7
(14い0)
75
(11.5)
6.7
(60,311)
947,803
(15,394)
郎,130
(12,560)
78,825 直 接 材 料 費
帝按労務費 その他値接経費
(2,083)
8,919
(2,082)
8,963
(1,526)
7,594
(2,655)
12,697
(873)
4,669
(12,718)
17,456 間 接 材 料 費
間 接 労 務 費 福利厚生費・賭蟄 減価償 却 費 電 力 科
その他製造経費
(100.0)
100.0 318)l (鱒・6)
合 計 1,174,890
(7.0) 9.8
(4.0)
6.5
(1.6) 2.2
(15‖2)
14.1
(3.3)
6.5
(9.4)
3.3
販売員給料手当 旅 費・交通費 通 信 費 支払運賃・荷造費 広 告・宣伝聖 その他販売費 販
管
理 費 価
(10.0)
5.4
(13.6)
18.5
(35.9)
33.7
(2,636)
6,051
(3,626)
22,264
(9,550)
39.438
役員給料手当 事務員給料手当 そ・の他営英資
(19・4)
9.2
(26,564)
117,987 合 計
(100..0)
100.0
(136,882)
計 llニ重石羞;菖ララ
注()内の全国値は「家具工業」の平均数値がないので,そのうちの「家具製造菜」の 数値である。中小企業庁編「中小企業の原価指標 昭和39年度調査」5咽から引用0
第39巻 第5・6号
第24表 木材・木製品・家具製造業(41杜)の手形割引期間と割引率と
の相関関係(3〜)年度)
588
・仙ユ建一・
三孟言「妄(蒜讐竺竺l芸芸 2 銭 未 満 2 銭〜2銭1僅未満 2銭1厘−2銭2厘未満 2銭2虚〜2銭3厘未満 2践3應〜2銭4厘未満 2銭4塵〜2銭5虚栄満 2銭5厘〜2銭6厘未満 2 銭 6 應 以 上 返 答 な し
1 2 9 2
第25表 木材・木製品・家具製造菜;木材・木製品製造業(32社)の手 形割引期間と割引率との相関関係(39年皮)
\
、、、、
一 手形割引期間 「、、 手形割引率(日あ、、 \ ⊥、
2 銭 未 満 2 銭〜2銭1席末満 2銭1厘〜2銭2應未満 2疲2厘〜2銭3厘未満 2鏡3厘〜2銭4座乗満 2銭4厘〜2銭5厘未満 2銭5塵〜2銭6厘未満 2 銭 6 厘 以 上 返 答 な し
7 4 5 2 1
589 木材・木製品・家具製造業の経理組織とその経営成績・財政状態(2) 一JJ5−
第26表 木材・木製品・家具製造業;家具・装備品製造業(12社)の手 形割引期間と割引率との相関関係(39年度)
\ −一 手形割引期間
手形割引率(日歩)\\ \ 三二二三_さ 2 鉄 夫 満
2 銭〜2銭1座乗満 2銭1厘〜2銭2厘未満 2銭2厘{一2銭3庫未満 2銭3厘〜2銭4厘未満 2銭4塵〜2銭5康夫満 2銭5厘〜2銭6塵未満 2 銭 6 厘 以 上 返 答 な し
計
l‡5lll
2.木材・木製品・家具製造業の経営分析・期間比較 イ 木材・木製品工業の経営分析・期間比較
木材・木製品工業の経営分析・期間比較を表にすれば,第27表のごとくであ畠。
先づ,流動性の観点からみよう。流動比率は100%を中心にして−,この5年間,上 下している。これに対して,当座比率は昭和35〜37年度に.は50%前後であったが,
38,39年両度は.72′}73%で改蓉されてきた。改善されたといっても,流動比率は200
%,当座比率は100%をそれぞれ上廻ることが好ましいことを考えれは,かなり低い。
企業の支払能力の点からみれば好ましくない。より一層の穿カが必要である。流動比 率,当座比率に.対して,資金の固定化を示すものとして,自己資本対固定資産比率,
固定長期適合率がある。この比率ともに・,38年度までは,おちついていたが,39年度 にいたって,設備投資が盛んに行なわれたためか,自己資本対固定資産比率は732・9
%となり,これは固定資産在高が自己資本の実に.7.3倍強となったことを示している。
また,固定長期適合率は582.1%となり,固定資産在高が自己資本+固定負債の5・8倍 強となったことを示している。換言すれば,固定資産を取得する資金源泉として負 債,とくに流動負債をあででいることを示しているのである。固定資産は資金が固定 化するという意味で固定的な資金源泉,すなわち自資己本すくなくとも固定負位でま
欝39巻 第5・6号 590
−ヱヱ6−
節27表 木材・木製品・家具製造業;木材・木製品工業の経営分析・期間比較
漠 摩・期 別 J 35 】 36 」 37 1 38 事 39
調査対象企業数
平均従軍員数
ー、、、、、、、、
、「、
比率 、、一・t 、、
︑− .︑■ ヽ■′ 77 47 35 ︻∴5 21 33
︺ /.\ ...1\
1経営資本対営業利益率(%)
2 経営資本回転率(回)
3 売上高対営業利益率(%)
4 自己資本対純利益率(%)
5 自己資本対
固定資産比率(%)
6 固定長期適合率(%)
7 流 動 比 率(%)
8 当 座 比 率(%)
9 総資本対自己資本比率(%)
10 売上高対支払利息比率(%)
11′ 固定資産回転率(回)
12 受取勘定回転率(回)
13 支払勘定回転率(回)
14 従業員1人当り
年間生産高(千円)
15 従柴員1人当り
年間加工高(千円)
16 加工高対人件費比率(、%)
(29.5)
34..9
(109.7)
144..2
(74り1)
144‖2
(149h4)
9〔l5
(飢.1) 41‖2
ー ▲ \−∴ ヽ︑ノ 35 60 05 ‖● 18 500 24
1 1 ︵ .し ︵ ハ
6 ︶ 1
94 89 15
︵ 1 4 .し ︵ ︶¶︑ノ︶ J.1 諸.4 .9一 〇〇7 65 8 ︵ 1 ︵
.1
︑− ヽ︼. ︶
96 49 15 67 04 ハリ5 1 へ∂l l
..\ ∴一−\ ′′\
(38..9)
591 木材・木製品・家具製造業の経理組織とその経営成績・朗政状態(2) −Jノア一
(第27表のつづき)
業 種。期 別 L 35 】 36 l 37 調査対象企業数
平均従業員数
17 原 材 料 回 転率(回)
18 仕掛 品 回 転率(回)
19 製 品 回 転 率(回)
20 売上高対総利益率(%)
21売上高対純利益率(%)
22 総売上高対値引高比率(%)
23 売上高対貸倒償却比率(%)
24 営 兼 費 比 率(%)
25 売上高対広望乱比率(%)
26従来員1分署晶姶爛洞)
従業員1
27 相(千円)
1′1人当り売上高(千円)
2′1人当 り純利益(円)
3′ 従業員1人当り 付加価値額(千円)
4′ 総資本投資効率(%)
5′ 資 本 集 約 度(千円)
ヽIノ ー / ・− ヽ− .9一.4.4 J膏 .7一 7 78 42 0 8 11 ︵ ︵ ︵ ︵
\ノ︶︶ Ⅷ﹂∵﹁㍉凋+クー
10 53 0 ︵ l l ︵ ︵
(12,032)
4,387
(139) 149
(1,869)
1,552
(2犯,000)
24,000
592 第39巻 第5・6号
−∫Jβ−
かなわれることが原則であるのに,これらの数値ほ,この鳳則を著しく無視している ことを示tているのである。資金の固定化は,何といっても資金の流動性を圧迫す る。資金の流動性を圧迫するということは,企業の財務支払能力をそれだけそこなう ことを意味する。そ・の企兼が不況笹襲われたとき,
る。黒字倒産の恐れなしとしないのである。
っぎに.,安全性の観点からみよう。総資本対自己資本比率は,昭和38年皮までは上 向いてきたが,39年度にいたって大巾に.低下し,実に13.0%となり,総資本のなかで 自己資本の占める割合は1剖3分となった。これは逆に.いえば,資金源泉のはとんど といって.よい8割7分を負債でまかなっていることなのであり,何としても好ましく
ない。借金経営という−・般に言われていることが如実に・現われている。
つぎに収益性の観点からみよう。経営資本対営業利益率は,昭和36年皮以降5%台
(昭和35年皮は△1.6%)でおちついている。経営資本回転率ほ.1・3〜17匝卜転(昭和 35年皮は2l.2回転)でおちつき,各種の回転率もー応おちついている。ただし,受取 勘定回転率は異様な傾向を見せており,急角度に・回転率をおとして,昭和39年度は 5.咽転となり,35年皮の10.2回転の半分となった。取引先企業の資金ぐりの苦しさ,
また木ポ・木製品工菜の販売条件の悪化を示しでいる。売上高対営業利益率も昭36年 度以降おらつき(昭和35年皮ほ△0.6%),3.5〜3n7%を示している。売上高対総利益 率,売上高対純利益率ともに,やや下降気味であるが,一応安定している。
ロ 家具・装備品製造業の経営分析・期間比較
家具・装備品製造菜の経営分析・期間比較を表にすれば,第28表のごとくである。
先ず,流動性の観点からみよう。流動比率,当座比率ほともに改善されつつあり,
財務支払能力を増加しつつある。固定長期適合率は安定しているのに対して,自己資 本対長期資本比率は悪化しつらある。これは固定資産の増加分は自己資本ではなくて 固定負債でまかなっていることを示している。
っぎに,安全性の観点からみよう。総資本対自己資本比率は,10・3%〜14・4%で安 定しているが,低い。全国値と比較しても,その半分である○
っぎに収益性の観点からみよう。経営資本対営業利益率ほ上昇している。経営資本 回転率,売上高対営業利益率ともに・上昇している0
593 木材・木製品・家具製造業の経理組織とその経営成績・財政状態(2) −JJ9一 帯28表 木材・木製品・家具製造業;家具・装備品製造業の経営分析・期間比較
菜 種・期 別 l 37 F 38 l 39
調 査 対 象 企 業 数
1経営資本対営業利益率(%)
2 経 営 資 本 回 転 率(回)
3 売上高対営業利益率(%)
4 自 己資本対純利益率(%)
5 自己資本対固定資産比率(%)
6 固 定 長 期 適 合 率(%)
7 流 動 比 率(%)
8 当 座 比 率(%)
9 総資本対自己資本比率(%)
10 売上高対支払利息比率(%)
11固 定 資 産 回 転 率(回)
12 受 取 勘 定 回 転 率(回)
13 支 払 勘 定 回 転 率(回)
14 従業員1人当り年間生産高(千円)
15 従業員1人当り年間加工高(千円)
16 加工高対人件費.比率(%)
594 第39巻 第5・6号
−J20−
(第28表のつづき)
業 種・期 別 】 37 】 38 】 39
調 査 対 象 企 業 数
さl均従兼員数
︶︶︶︶︶︶ .3一諸ら川 jlル ▲諭つ .Oj J一 色
77 62 92 60 0 3 nOOO 92 11 ︵ ︵ ︵ ︵l ︵ ︵
17 原 材 料 回 転 率(回)
18 仕 掛 品 回 転 率(回)
19 製 品 回 転 率(回)
20 売 上 高 対 総 利 益率(%)
21売 上 高 対 純利 益率(%)
22 総売上高対他引高比率(%)
23 売上高対貸倒償却比率(%)
24 営 兼 費 比 率(%)
25′売上高対広告費比率(%)
26 従業員1人当り月平均給与額(円)
27 従選良1人当り機械装備額(千円)
1′1人 当 り、売 上 高(千円)
2′ 1 人 当 り 純 利 益(円)
3′ 従業員1人当り付加価値額(千円)
4′ 総資本対 投 資 効 率(%)
5′ 資 本 集 約 度(千円)
︶︶︶︶︶ ⅧⅧ 6 一 . 9 7 71 11 ︵ ︵ Jし3 ︵ ︵ ︶︶︶︶︶ ﹂一.〇血 広㍍ル ∩う⁝遁一 〇 4 10 62 0 9 7 22 ︵ ︵ 1\ し ∵−\
(−)
0.2
(15.8)
12.7
(0.4) 0,2
(19,917)
25,486
(116) 414
(2,339)
4,432
(790,000)
9,900
(0.5) 0..2
(15‖7) 12…5
(01.3) 0.3
(16い167)
23,150
(112)
454.3
(2,447)
4,144
(500,000)
21,200
(−)
(16。7) 15.2
(0 4) 0い8
(22,qOO)
22,600
(145) 193
(2,823)
1,989
(610,000)
36,800
595 木材・木製品・家具製造巣の経理組織とその経営成績・財政状態(2) −J2J−
3.む す び
上述の分析資料を総合的観点から再考すれば,つぎの諸点を指摘できよう。
第1に,木材・木製品工柴の収益力ほ.,全国値のそれと比較して,さはど悪くない。
しかし,家具・装備品製造業の収益力ほ,昭和39年度を除いて,全国値のそれより著し く低い。木材・木製品工業と家具・装備品製造業の間近ほ,収益力において著しい隔差
が認められる。
第2に,両業種ともに,収益力の高さは,全国値のそれと比較した場合,経営資本回 転率にというよりも,より多く売上高対営業利益率に差異が認められる。この立場に,
従業員1人当り月平均給与額を加味して一考えれば,木材・木製品工業は,従業者1人当 り月平均給与額が全国値より高いにもかかわらず,売上高対営業利益率において,全国
値のそれより劣っていない。これに対して,家具・装備品製造業ほ,従業者1人当り月 平均給与額が全国値のそれより低いにもかかわらず,売上高対営業利益率に.おいて,全
国値のそれより劣る。家具・装備品製造業ほ,生産管理により一層の努力が望まれる。
第3に.,流動性,安全性の両側面に.おいて,木材・木製品工業ほ,全国値に.比し,さ はど劣っていないが,家罠・装備品工業ほ劣っている。財務管理にもカな注がなければ ならない。
第4に,金利の負担については,両業種ともに,多額の負債を負っている紅もかかわ らヂ,木材・木製品工業の場合,売上高対支払利息比率は2・2%〜3.0%,家具・装備品 製造業の場合は1・3%で,家具・装備品製造業の方が低い。また両菜種ととも紅全国値 より低く,金利負担はさはど温くない。アメリカの企真の金利の負担は,一売上高の0.3
%〜0い5%といわれているが,これにはおよばないとしても,この調査に.おける他の製 造業種,例えば,機械製造農のそれが5%前後であったことを考えれば,好ましい状態
といえる。
戦後から現在まで,さまざまな技術革新がなされ,それは企業に導入されてきた。し かし,今後は,技術革新のチッポほ鈍ってくるように思われる。これに.対して,経営面 からの合理化によって能率を向上する余地はあるように思われる。前号に掲職した木 材・木製品・家具製造濃の経理組織においてもふれたごとく,例えば,標準噸価計舘制 度の導入をほじめとする管理会計制度が,十分に活用されて−いるとは言い難い。経営革
新の課題を解明する一つの手がかりとして,企共がおかれている環境に適応した方策・
制度を究明し導入することが必要である。