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論文審査の結果の要旨

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Academic year: 2021

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論文審査の結果の要旨

氏名:合 羅 佳奈子

博士の専攻分野の名称:博士(歯学)

論文題名:顔面皮膚振動刺激による自律神経活動の変調 ―前頭皮質血流量,心拍数および脳波の解析―

審査委員:(主 査) 教授 岩 田 幸 一

(副 査) 教授 植 田 耕一郎 教授 今 村 佳 樹 教授 大 木 秀 郎

本研究は,顔面皮膚の振動刺激による唾液分泌効果が認められ,機能的近赤外線分光法 (fNIRS) に おける酸化ヘモグロビン値 (OxyHb) 値がゼロレベルに近づいたとき,脳活動がどのように変化するか を解明する目的で,前頭葉 OxyHb,心電図 (ECG) および前頭葉脳波 (波,波,波,波) を同時記 録し,それぞれの関連性について解析を行った。被験者は摂食嚥下障害及び唾液分泌障害のない健常 成人 13 名 (男子 3 名,女子 10 名,年齢 29 ± 5.51 歳) とした。安静時初期の 3 分間 (before) か ら 22 分間のインターバルを置き,振動刺激 3 分間 (during) を与え,安静時と刺激中の OxyHb 量を記 録した。一方,ECG と脳波は実験中連続的に記録した。

以上の研究を行うことによって,以下に示した5つの結果を得た。

1. OxyHb 量の平均積分値は個々の被験者間ではばらつきがみられるものの,before が-4.52 ± 8.60 mMmm・s であり,during では 1.35 ± 15.06 mMmm・s と,有意な変化を示した (p<0.01) 。 2. ECG 第Ⅱ誘導の R-R 間隔に対する顔面皮膚振動刺激の効果について解析を行ったところ,全被

験者の内 2 名に関しては振動刺激によって R-R 間隔が減少する傾向を認めたが,他の被験者にお いては全て,振動刺激によって増加した。また,平均 R-R 間隔を before と during で比較した結 果 before が 899.23 ± 132.76 ms で during が 947.69 ± 128.66 ms と,有意な変化を認めた (p<0.001) 。

3. 波に関しては 13 名の被験者の内,4 名において出現率が増加したが,他の被験者においては

全て減少した。一方,before における波の平均出現率は 18.60 ± 16.00 %,during での平均出 現率は 15.22 ± 11.35 %と非常にばらつきが大きかった。また,振動刺激の影響をみると,振動 刺激によりやや減少傾向を認めたものの,有意な差はなかった。波,波および波では,before および during の両方において出現率のばらつきが非常に大きく,刺激による波形の出現率には有 意な関係を見出すことができなかった。

4. 波,波,波および波の全てにおいて,OxyHb の変化量と出現率とに有意な相関は認められ なかった。しかし,波に関しては,before に比べて during の方が OxyHb の増加が緩やかになる 傾向が認められた。

5. 波,波,波および波の出現率と R-R 間隔の関係に対する振動刺激の効果について解析を行 ったがどの波形成分に関しても両者に有意な関係は認められなかった。波の出現率とは有意な相 関を検出することはできなかったが,他の脳波成分の出現率と比較すると OxyHb 量と相関する傾 向を認めた。

このような結果から,顔面皮膚の振動刺激によって視床を介して大脳皮質に送られた感覚情報が前 頭皮質のニューロン活動を変化させ,結果的に自律神経系活動の変調が誘導された可能性が考えられ た。

以上,本研究結果は口腔顔面領域における嚥下制御機構の一端を解明したもので,歯科臨床および歯科 医学研究の発展に寄与するところ大であると考えられる。

(2)

よって本論文は,博士(歯学)の学位を授与されるに値するものと認められる。

以 上 平成28年3月9日

参照

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