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12‐オキソファイトジエン酸‐アミノ酸縮合体の合成

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2019年2月8

12‐オキソファイトジエン酸‐アミノ酸縮合体の合成,生合成

および生物活性に関する研究

共生基盤学専攻 バイオマス転換学講座 化学生物学 佐々木 健人

1.背景と目的

植物ホルモンの一種であるジャスモン酸(JA)の生合成中間体である

12-オキソファイトジエン酸

(OPDA)は,JA

とは異なる生理作用を持つと考えられている。JA には様々な類縁体が存在し,それぞ

れが異なる生理活性を有すると報告されている。その一方で, OPDA 類縁体の機能の詳細はいまだ解 明されていない。最近,OPDA とイソロイシンとの縮合体(OPDA-Ile)がシロイヌナズナから見つかっ た。本研究ではシロイヌナズナにおける

OPDA-Ile

の生合成経路の解明を目的とした。さらに,OPDA とイソロイシン以外のアミノ酸との縮合体が植物体内に存在するのではないかと考え,植物体内に

おける

OPDA-アミノ酸縮合体の探索および生理活性の解明を目的とした。

2. 方法と結果

1) OPDA-Ile

生合成経路の推定 シロイヌナズナの植物体にそれぞれ

100

µM の

OPDA

およびリノ レン酸とイソロイシンの縮合体(LA-Ile)を与え,UPLC-MS/MS を用いて

OPDA-Ile

の内生量を調べた。

その結果,LA-Ile 処理したシロイヌナズナの

OPDA-Ile

の内生量は

OPDA

処理したシロイヌナズナの

OPDA-Ile

の内生量より著しく多かった。

2) OPDA-Ile

生合成経路の解明 シロイヌナズナの葉を

UPLC-MS/MS

で分析し,植物体内における

LA-Ile

の存在を調べた。その結果,LA-Ile が検出され,植物体内での存在が確認された。さらに,シ

ロイヌナズナの植物体に

100

µM の

LA-[13C6,15N]-Ile

を投与し,その抽出液を

UPLC-MS/MS

を用いて 分析したところ,安定同位体標識された

LA-Ile

OPDA-Ile

に取り込まれることが明らかとなった。

3) OPDA-アミノ酸縮合体の合成および探索 9

種類のアミノ酸について,リノレン酸(LA)から

LA

と各アミノ酸との縮合体を合成し,酵素環化反応により

OPDA

と各アミノ酸との縮合体を合成した。

さらに,シロイヌナズナの葉を

LC-MS/MS

で分析し

,OPDA-Ile

を含めた

6

種の

OPDA-アミノ酸縮合体

が植物体内に存在することを確認した。OPDA-Ile については,シロイヌナズナと同様にトマトおよ びイネにおいても

UPLC-MS/MS

で検出を試み,その存在を確認した。

4) OPDA-アミノ酸縮合体の生理活性

合成した

OPDA-アミノ酸縮合体のうち6

種の縮合体を用い て,それぞれ10 µM,25 µM および

50 µM の濃度でシロイヌナズナの根の伸長阻害活性試験を行った。

その結果,いずれの縮合体も濃度依存的にシロイヌナズナの根の伸長を阻害した。

3.結論

植物体内において,OPDA-Ile が

LA-Ile

を基質とした環化反応によって生合成されていることが

判明した。さらに,他の

OPDA-アミノ酸縮合体が植物体内に存在し,シロイヌナズナの根の伸長阻害

活性を有することが分かった。しかし,いずれの縮合体も

OPDA

より根の伸長阻害活性が弱く,アミ

ノ酸の種類によっても活性に違いが見られた。

参照

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