Title
シアル酸誘導体及びシアル酸含有オリゴマーの合成研究( 内
容の要旨(Summary) )
Author(s)
沢田, 義治
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(農学) 甲第546号
Issue Date
2010-03-15
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/33687
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏 名(本(副籍) 主 指 導 教 員 名 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 会 沢 田 義 治 (愛知県) 岐阜大学 教授 中 塚 進 一 博士(農学) 農博甲第546号 平成22年3月15日 学位規則第3条第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 岐阜大学 シァル酸誘導体及びシァル酸含有オリゴマーの合成 研究 主査 岐阜大学 教 授 木曽 真 副査 岐阜大学 教 授 中塚 進一 副査 静岡大学 准教授 河合 真吾 副査 信州大学 教 授 鹿田、満 論 文 の 内 容 の 要 旨 天然糖鎖は種類が非常に多く、天然から得られるtが非常に少ないため、化学的大土合成法によ る供給が望まれている。糖に含まれる多くの水酸基の反応性やアノマ一位の立体を制御した糖鎖の 縮合法を改良して生命科学現象の発展に貢献するために基礎的な糖鎖合成反応を研究した。 糖鎖は天然中に存在する単糖の誘導体を順次結合させていくことで合成が可能であるが、このグ リコシノ巧惚気応における要点はアノマ一位の立体制御と選択的な保護基の導入の2点である。シア ノ噌のグリコシ/叫ヒにおいては特に困難なことが知られている。そこで以下のようにグルコースや ガラクトース、シァル酸といった単糖自身の反応性や、シァル放と単糖、2糖でのグリコシ′叫ヒ反 応について研究を行った。 ①グルコース等のアセチノ呵ヒにおけるアノマ一位の立体制御。 グルコース、ガラクトースなどのアセチノ叫ヒ反応は、柵合成の基本的な誘導反応であるが、そ の完全アセチル化の際にはアノマ一位の異性化を伴うことが多い。A怨0勒、Ac幻鶴などによ るグルコース等のアセチノ叫ヒ反応を詳細に再検討して、試薬の混合比、加える順番や間隔、温度 などの反応条件専により微妙に生成比が異なる事を見出した。これは原料のα体とβ体の存在比 や、反応速度が大きく異なることの他に、反応中に原料や生成物が異性化することなどが複雑に 関係していることを見出した。 ②グルコース、ガラクトース1位保護体の6位水酸基への選択的保護基導入反応。 グルコースおよびガラクトースの1位保護体に過剰のN五に4当土を作用させて作ったマ/レチアニ オンをモノベンジ′叫ヒあるいはモノトルオイ/呵ヒしてそれぞれの6位ベンジル体、6位トルオイ ル体を高収率で得ることに成功した。 ③†-ラクトン型シァル酸とその反応性に関する研免 シァル酸は〃アセチルマンノサミンとピルビン酸から生合成され、棚の非運元来端にα配置
-92-で結合している。しかしながら、シァル酸のモノマーはシア/t僕自身の異性化によりその平衡が ほとんどβ体に傾いている。一方、シァル酸の脱水型のデヒドロシアル酸は抗インフルエンザ薬 で使用されているリレンザの母格構造を有している。本研究では2,3・デヒドロシアル酸の異性体 であるシァル酸rラクトンをシァル酸メチルエステルより効率的に合成することに成功し、この γ-ラクトンをシァル酸エステルへの再変換に成功した。 ④シア/働与体とガラクトース、ラクトース保護体のグリコシ/可ヒ反応。 シァル酸のグリコシ/巧ヒにおいて岐阜大で開発された2・(S母型のシァル酸供与体が広く使用さ れて発展を見せているが、本研究ではシァル酸5位のアミド基の変換、再生をすることなくシア ′傭含有糖鎖の効率的な合成を行う為に、シァル酸鰐導体を供与体として直接グリコシ′巧ヒする 方法を用いてガラクトース誘導体やラクトース誘導体との縮合条件の改良を行った。種々の検討 の結果、2・(SR)-シァル酸型シァル酸供与体を用いたグリコシノ巧ヒ反応では反応性の高いシァル酸 供与体や添加物としてエチルメルカブタンを加えると反応が加速されて、低温での高選択的縮合 反応を達成できることが判明した。 審 査 結 果 の 要 旨 本博士輸文は、生命現象に深く関係する複雑な糖鎖の選択的合成法を開発する目的 でその選択的な保健基導入法の開発とシァル酸の化学的な反応性、ならびにそのグリ コシル化反応について研究したものである。 天然糖鎖は種類が非常に多く、天然から得られる土が非常に少ないため、化学的大 土合成法による供給が望まれている。糖に含まれる多くの水酸基の反応性やアノマ 一位の立体を制御した糖鎖の縮合法を改良できれば、将来的には複雑な糖鎖を合成で
き生命科学翠象の発展に貫献できると考えて基礎的な糖鎖合成反応を研究したもの
である。 糖鎖は天然中に存在する単糖の誘導体を順次結合させていくことで合成が可能で あるが、このグリコシル化反応における要点はアノマ一位の立体制御と選択的な保護 基の導入の2点である。シァル酸のグリコシル化においては特に困難なことが知られ ている。そごで以下のようにグルコースやガラクトース、シァル酸といった単糖自身 の反応性や、シァル酸と単糖、2糖でのグリコシル化反応について研究を行った。 (ヨグルコース等のアセチル化におけるアノマ一位の立体制御。 グルコース、ガラクトースなどのアセチル化反応は、糖鎖合成の基本的な誘導反応 であるが、その完全アセチル化の際にはアノマ一位の異性化を伴うことが多いが、Ac20/Py、Ac20/Ⅰ2などによるグルコース等のアセチル化反応を詳細に再検討した
ところ、試薬の混合比、加える順番や間隔、温度などの反応条件等により微妙に 生成比が異なる事を見出した。これは原料のα体とβ体の存在比や、反応速度が 大きく異なることの他に、反応中に原料や生成物が異性化することなどが複雑に 関係していることを見出した。 ②グルコース、ガラクトース1位保護体の6位水酸基への選択的保護基導入反応。 グルコース1位保護体18・仁およびガラクトースの保護体2dに過剰のNaE約4eq. を作用させて作ったマルチアニオンをモノベンジル化あるいはモノトルオイル化 してそれぞれの6位ベンジル体38・ち4d、6位トルオイル体ぬ・も6dを高収率で 得ることに成功した。-93-③†・ラクトン型シァル酸とその反応性に関する研免 シァル酸1は〟アセチルマンノサミンとピルビン酸から生合成され、糖鎖の非遭 元末端にα配置で結合している。しかしながら、シァル酸のモノマーはシァル酸 自身の異性化によりその平衡がほとんどβ体に傾いている。一方、シァル酸1の 脱水型のデヒドロシアル酸2は抗インフルエンザ薬で使用されているリレンザの 母格構造を有している。本研究では2,3・デヒドロシアル酸2の異性体であるシァ ル酸γ・ラクトン4をシァル酸メチルエステル3より効率的に合成することに成功 し、このγ・ラクトン4を3に再変換に成功した。 ④シァル酸供与体とガラクトース、ラクトース保護体のグリコシル化反応。 シァル酸のグリコシル化において岐阜大で開発された2・(SR)型のシァル酸供与体