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HPLCを使ったアミノ酸のL体、D体の溶出順序と化学構造の相関関係

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Academic year: 2021

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HPLC を使ったアミノ酸のL 体、D 体の溶出順序と化学構造の相関関係 教科・領域教育専攻 自然系コース(理科) 滝本帆高 1 .はじめに アミノ酸や糖などのホモキラリティーと生命の 起源とは、密接な関係がある。生物はL-アミノ 酸のみを選択的に利用して、タンパク質合成を行 っているとされてきた。しかし、その理由は充分 明らかになっていない。19 世紀後半にルイ・パ スツールにより、D,レアミノ酸の混合物は光学分 割できることが証明されて150 年以上たった今で も未解決の問題とされている。ここで、D 体とL 体の存在比を様々な方法について分析し、ホモキ ラリティーと関係を調べるためにHPLC (Hi gh Performace Liquid Chromatography) が有用であ る。HPLC によるエナンチオマー分離には間接法 と直接法がある。今回使用したOA-6100 は直接法 である。この直説法はキラルセレクターと呼ばれ る分子をHPLC の固定相に結合させたり、キラル ポリマーそのものを力ラムの充填剤として用いる 方法である。また、キラルセレクターとして金属 塩にキラルな有機化合物を配位させた、金属錯体 を用い、このキラルな金属錯体への配位能力の強 さが、D 体とL 体で異なることを用いる。各ェナ ンチオマーが結合して生成した金属錯体の安定性 は各ェナンチオマーの配位能に結びつく。また、 生成した金属錯体が安定なほどキラルHPLC への 保持時間が長くなるため、D とL で金属錯体の安 定性が高いほど後から溶出される。キラルカラム OA-6100 にいくつかのアミノ酸のラセミ体を注入 して、エナンチオマー分離し、アミノ酸と0キ 指導教員 胸組虎胤 引00 のキラルセレクターとの結合の安定性(配位 育目を各アミノ酸のD 体とL 体で比較する。それ らの結果から、アミノ酸の構造の相関関係をしら べる。

I-oj ,C18H37

トdsI

(ODS) 図1 0A-6100 のキラルセレクターの構造式(下線 部分がCuみに配位) 4配位のキラ ルセレクター 0A-6100 + so戸 6配位錯体 R f H2N -CN---COOH アミノ酸 so戸 (配位子交換) 4配位のキラ ルセレクター 0A-6 100 +- - -R ~ H2N-CH --COOH 6配位錯体 (D体とI体で錯体の 安定性が異なる) 図2 キラルセレクターの配位交換反応の模式図 2.実験方法 (1) キラルカラム0A-6 100 の溶媒に使用する 2.(〕 mioI/L 硫酸銅(~)水溶液を調整した。 (2) アミノ酸を調整した硫酸銅(~)水溶液を 溶媒としてL 体、D 体それぞれ1伽L のメスフラ スコを使用して、0. lmg/mL の濃度で調整し、1 mL のマイクロチューブにL 体、D 体、ラセミ体の3 つを用意した。そして、HPLC を使用して、それ - 257 -

(2)

ぞれのアミノ酸のL 体、0 体、ラセミ体を、硫酸 銅(~)水溶液を溶媒とした0A-6100 で分離し、各 ェナンチオマーの保持時間を測定した。 3,結果と考察 名前 D 体 (m in) L 体 仙in) α値 Alan i ne 3. 96 6.44 2.01 加paragine 3. 79 2.91 1. 62 0rnithine 4.00 6. 10 1. 84 Aspartic acid 5. 79 3. 08 2. 72 Ci utam i ne 4.59 14. 71 4. 28 Glutamic acid 7.06 8. 45 1. 25 Lys i ne 4.34 10. 23 3.08 2, 3-Diaminopropionic acid 4.30 4.17 1. 05 2-Aniinobutyric acid 4.01 19. 05 6. 99 2, 4-Diaminopropionic acid 4.50 5.41 1. 30 Honioserine 4.52 6.63 1. 70 ※太字のアミノ酸はL 体が先に溶出している。 この結果をもとに、類似した構造や関係がある 構造を以下の(1)~ (3)の項目に分けて考察を行っ た。

(1) Ornithine. 2,3-Diaminopropionic acid. 2,4-Diaminopropionic acid. Lysine を比べ、側 鎖のC の数以外の構造を同じにして、溶出する時 間とα値を比べる。 側鎖の長さが長くなるにつれて、α値が大きく なっていることが分かる。これはD 体が全て4 分 台にいるのに対して、L 体が大きく差が開いてい るからである。ゆえにL 体の溶出順序の並びはα 値の大きさの並びと同じである。

(2) 2,3-Diaminopropionic acid. Asparagine. Asparatic acid. Homoserine を比べ、側鎖の炭 素につく基がヒドロキシ基、アミノ基、力ルボキ シ基、アミド基の4 つで、溶出する時間とα値を 比べる。 D 体ではアミド基、アミノ基、ヒドロキシ基、 力ルボキシル基の順で溶出している。L 体ではア ミド基、力ルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシ 基の順で溶出している。さらに細かく見てみる と、似た構造のアミド基と力ルボキシル基では、 L 体も0 体も先にアミド基が溶出している。ま た、同じく似たアミノ基とヒドロキシ基では、L 体もD 体も先にアミノ基が溶出している。つま り、似た構造同士では一NH2を持つ構造が先に溶出 しているのである。

(3)Asparagine. Asparatic acid. Glutamic acid.引utam i ne の4 つの構造で溶出する時間と α値を比べる。 L 体が先に溶出したのは、Asparagine と Asparatic acid の2種類だけであった。そのた め、L 体が先に溶出するためには、(2)と(3)よ り、炭素の数が4 つでさらにアミド基もしくは力 ルボキシル基を持つ構造というのが重要であるこ とが分かった。 4.参考文献 [1] 山口良平 山本行男 田村類 「ベーシッ ク有機化学」 [2] 市育代 小城勝相「地球におけるホモキラ リティー生成機構」 [3] 国立研究開発法人海洋研究開発機構 国立 法人京都大学 「深海にひろがる鏡の向こう の微生物世界 D アミノ酸を好む深海微生物を 発見ー」 [4] 胸組虎胤「Dーアミノ酸の所在、働き、理科 教材」 - 258 -

参照

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