大
大学 学生 生に にお おけ ける る幼 幼少 少期 期の の遊 遊び びと と 共
共感 感― ―シ シス ステ テム ム化 化の の認 認知 知ス スタ タイ イル ルの の関 関係 係
藤
藤巻巻和和大大1))・・⼭⼭⼝⼝⼤⼤輔輔2))
The relationship between play in childhood and
Empathizing-Systemizing cognitive style of university students
Kazuhiro FUJIMAKI and Daisuke YAMAGUCHI
大
大学学生生ににおおけけるる幼幼少少期期のの遊遊びびとと現現在在のの共共感感‐‐シシスステテムム化化のの認認知知傾傾向向ととのの関関係係をを調調べべたた。。対対象象はは大大学学生生 40名名でで、、幼幼少少期期ににおおけけるる代代表表的的なな遊遊びびのの頻頻度度をを調調べべるる質質問問紙紙、、共共感感指指数数((EQ))、、シシスステテムム化化指指数数((SQ)) を
を調調べべるる質質問問紙紙をを実実施施ししたた。。結結果果はは、、性性差差ににつついいてて、、SQののみみ男男女女間間にに有有意意差差がが認認めめらられれたた。。幼幼少少期期のの遊遊 び
びのの頻頻度度ととEQ・・SQににつついいてて、、性性別別をを統統制制変変数数ととししてて偏偏相相関関分分析析をを実実施施ししたたととこころろ、、EQにに対対ししてて、、ごご っ
っここ遊遊びび、、おお絵絵描描きき、、人人形形遊遊びびととのの間間でで有有意意なな正正のの相相関関、、虫虫取取りりととのの間間でで負負のの相相関関ががみみらられれたた。。ままたた、、 SQにに対対ししてて、、虫虫取取りりととのの間間でで有有意意なな負負のの相相関関ががみみらられれたた。。特特にに、、EQとと、、幼幼少少期期ののごごっっここ遊遊びび、、おお絵絵描描 き
き、、人人形形遊遊びびととのの有有意意なな正正のの相相関関のの結結果果よよりり、、先先行行研研究究とと同同様様にに、、ここれれららのの想想像像力力をを必必要要ととすするる遊遊びびはは、、 共
共感感性性のの発発達達とと関関係係ががああるるここととをを示示唆唆すするる結結果果ととななっったた。。
Keywords::共共感感指指数数、、シシスステテムム化化指指数数、、遊遊びび
Empathy Quotient, Systemizing Quotient, play
1
1.. ははじじめめにに
Empathizing–Systemizing(共感– システム化)とはBaron-Cohen (2005)が提唱した認知スタイルである。
「共感」とは、他者の気持ちや感じ方を直感的に認識し、さらにそれに反応して自分自身に適切な感情 が湧きおこる認知傾向を指す。一方「システム化」とは、対象となる何らかのシステムを分析、検討し、
そのパターンの規則性を探り出そうとする認知傾向を指す。Baron-Cohen (2005)は、共感―システム化の 個人差を表す質問紙として、Empathy Quotient (共感指数:EQ)とSystemizing Quotient (システム化指数:
SQ)を作成しており、女性はシステム化よりも共感に優れるタイプ、男性は共感よりもシステム化に優れ るタイプが多く見られると述べている。また、国内では若林他 (2006)がEQとSQの質問紙の日本語版 を作成して大学生を対象に研究を実施しており、原版と同様に EQ の平均値は女性が男性よりも高く、
SQの平均値は男性が女性より高かったことを報告している。さらに性別だけでなく、専攻分野での差も 調べており、EQの平均値は文系学生が理系学生よりも高く、SQの平均値は理系学生が文系学生よりも 高かったと述べている。
ところで、個々の認知スタイルの発達の違いに影響を与える要因として、生物学的要因と環境的要因 の関与がそれぞれ研究されてきている。まず、生物学的要因の認知発達への影響を調べた研究について ---
1) 社会福祉法人鶴風会 東京小児療育病院 2) 愛知淑徳大学健康医療科学部医療貢献学科
述べる。Baron-Cohen (2005)は、生後一日の新生児を対象として実験者の顔と、それとほぼ同じ大きさ、
色合いで配置をバラバラに目、鼻、口を描いた物体を見せたところ、男児は物体を、女児は人をよく注 視したというConnellan et al.(2000)の研究、そして、心の理論テストを一卵性双生児と二卵性双生児に行 い結果を比較したところ、一卵性双生児が二卵性双生児に比べ有意に結果の一致率や類似の程度が高い と報告したHughes & Cutting (1999)の研究を紹介している。これらの研究は、環境からの経験の影響を統 制した形で、性差や遺伝といった生物学的要因が他者への注目や、他者の意図理解に関係する心の理論 の発達に影響していることを明らかにしているといえる。
次に、環境的な要因として、遊びが与える認知発達への影響について述べる。海外の研究においては、
Lillard et al.(2012)のレビューにおいて、ふり遊びpretend playがこどもの発達において、推論、社会スキ
ル、心の理論の発達に関係すると述べている。また、Whitebread et al.(2017)のレビューでは、男児の取っ 組み合い遊びrough and tumble playが、対人的な問題解決能力と関係、また、かくれんぼや鬼ごっこ、〇
×ゲームのようなルールのある遊びgames with rulesも、他者の視点やかけひきといった社会性の発達に 関係すると述べている。国内の研究では、山本 (2012)は、大学生を対象に、幼少期に経験した自然体験 の種類に加えて共感の尺度、社会性の尺度、親の養育態度の尺度の質問紙を実施、ごっこ遊び、草花遊 び、ハイキング、キャンプの項目が、創造性、共感性、視点取得、社会的スキルと、多くの社会性の項目 と有意に相関する結果を報告している。次に、遠藤他 (2007)は、小学1~6年生を対象とし、こどもの遊 びの種類と、攻撃性・社会性の質問紙の結果との関係を調べており、内遊びするこどもよりも、外遊び するこどものほうが、社会性の点数が高い結果となったと報告している。彼らは、この結果について、
外遊びは集団で遊ぶことが多く、仲間での共同・競争・対立といった対人関係の経験が得られるためと 考察している。また、金子・横田 (1999)は、大学生を対象として、児童期の遊びの種類と、現在の共感 性、他者への愛着、対人指向性との関係を調べており、児童期に複数で遊んだ経験のある青年は、より 他者に愛着を持ち感情的に暖かく、人間関係を大切にする結果となったと述べている。これらの結果よ り、兄弟の有無のような対人的な環境や、幼少期のふり遊びや集団遊びの経験は、共感性や社会性に関 係することがうかがえる。
冒頭に述べたBaron-Cohen (2005)の共感―システム化の認知スタイルの発達についても、生物学的な要 因の他に、幼少期に経験した遊びのような環境要因も影響すると考えられる。前述した一連の先行研究 では、共感に関する能力にふり遊び、集団遊びの経験のような環境要因が関係していることは報告され ているが、一方で、環境要因と、システム化指数が見ているシステム化の能力との関係は研究されてい ない。よって本研究では大学生を対象として、Baron-Cohen (2005)のEQ、SQを調べる質問紙を用いる形 で、現在の共感性の能力、システム化の能力と、環境要因として幼少期に経験した遊びの種類との関係 を明らかにすることを目的とする。
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2.. 方方法法 2
2--11.. 対対象象者者
愛知県内の言語聴覚学専攻の大学生男女40名を対象とした。性別の内訳は男性11名、女性29名で、
平均年齢は21.0±1.5歳であった。全ての対象者に研究の目的、実施内容を書面及び口頭にて説明し、書 面にて研究協力への同意を得た。本研究は、愛知淑徳大学健康医療科学部言語聴覚学専攻の倫理委員会 の承認を得ている(言聴学通2019-2号)。
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2--22.. 調調査査内内容容 2
2--22--11.. 共共感感指指数数((EEQQ))・・シシスステテムム化化指指数数((SSQQ))質質問問紙紙
Baron-Cohen (2005)の日本語訳された質問紙を用いた。EQ、SQとも60問の質問項目、4件法での回答
の構成となっている。EQ、SQとも、産出された点数が高いほど、共感性が高い/システム化の傾向が高 い結果となる。書面にて対象者に記入を求めた。
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2--22--22.. 幼幼少少期期にに経経験験ししたた遊遊びびにに関関すするる質質問問紙紙
幼少期の遊びの頻度について、鍵小野他 (2009)を参考として「手遊び」、「虫取り」、「ゲーム」、「テレ ビ」、「絵本」、「ボール」、「鬼ごっこ」、「お絵描き」、「ごっこ遊び」、「カードゲーム」、「人形遊び」、「友達 との遊び」、「一人での遊び」、「屋外での遊び」「屋内での遊び」について、(1)全然しなかった、(2)あまり しなかった、(3)ときどきした、(4)よくした、の4件法で書面にて尋ねた。
22--22.. 統統計計分分析析
まず、EQ、SQそれぞれの結果について、性差の有無を調べるため、男性・女性の2群に分けてt検定 を実施した。次に、幼少期の遊びの頻度についての性差の有無を調べる目的で、それぞれの遊びの結果 を男性・女性に分けてt検定を実施した。さらに、幼少期の遊びの頻度とEQ、SQについて、スペアマ ンの相関係数を求めた。加えて、性差の影響を統制するため、性別を統制変数として、幼少期の遊びの 頻度とEQ、SQの結果について、偏相関分析を実施した。
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3.. 結結果果 3
3--11--11.. EEQQ・・SSQQ のの結結果果及及びび性性差差
本研究での全対象者及び男女別のEQ、SQの平均値、標準偏差及び性差の有無についてのt検定の結 果を、若林他 (2006)での結果と対比させたものを表1に示す。本研究において、全対象者のEQの平均 値は38.9±10.2、SQの平均値は16.6±9.5であった。性差について、EQは男性の平均値35.5±10.1、女 性の平均値40.1±10.4であり、t検定で男女間に有意差は認められなかった(t(38)=-1.287, p>.05)。次に、
SQ は男性の平均値 24.2±11.1、女性の平均値 13.7±7.4 で、t 検定で男女間に有意差は認められた (t(38)=3.462, p<.01)。
3
3--11--22.. 幼幼少少期期のの遊遊びびとと性性差差
幼少期の遊びの頻度における性差の有無について、t検定の結果を表2に示す。男性が女性よりも有意 に多く遊んだ幼少期の遊びは、「ボール」(t(38)=2.441, p<.05)であった。次に、女性が男性よりも有意に多 く遊んだ幼少期の遊びは、「手遊び」(t(38)=-3.778, p<.01)、「絵本」(t(38)=-2.361, p<.05)、「お絵描き」(t(38)=- 2.720, p<.01)、「人形遊び」(t(38)=-3.275, p<.01)であった。
表1 全対象者及び男⼥別の EQ、SQ の平均値、標準偏差、及び性差の有無を調べた t 検定の結果
本研究の結果 EQ SQ 若林他(2006) EQ SQ
全対象者(40 名) 38.9±10.2 16.6±9.5 全対象者(1250 名) 33.4±10.7 22.7±11.6 男性(11 名) 35.5±10.1 24.2±11.1 男性(616 名) 30.6± 9.9 27.8±11.8
⼥性(29 名) 40.1±10.4 13.7± 7.4 ⼥性(634 名) 36.1±10.7 17.7±11.6
p値 n.s ** p値 ** **
**p<.01
3
3--11--33.. 幼幼少少期期のの遊遊びびとと EEQQ・・SSQQ のの関関係係
幼少期の遊びとEQ・SQとの間の相関分析の結果を表3に示す。EQに対しては、ごっこ遊び (r=.49, p<.01)で中程度の正の相関、お絵描き (r=.39, p<.05)、人形遊び (r=.38, p<.05)で弱い正の相関、虫取り
(r=-.37, p<.05)で弱い負の相関がみられた。SQに対してはどの遊びも有意な相関はなかった。
次に、性別の影響を統制した、幼少期の遊びとEQ・SQとの偏相関分析の結果を表4に示す。EQに対 しては、ごっこ遊び (r=.47, p<.01)で中程度の正の相関、お絵描き (r=.34, p<.05)、人形遊び (r=.33, p<.05) で弱い正の相関、虫取り (r=-.33, p<.05)で弱い負の相関がみられた。SQに対しては、虫取り (r=-.35, p<.05) で弱い負の相関がみられた。
表 2 幼少期の遊びにおける性差の有無を調べたt検定の結果
男性 ⼥性 p値 男性 ⼥性 p値
⼿遊び 2.8±0.8 3.7±0.6 ** ごっこ遊び 3.5±0.7 3.7±0.6 n.s
⾍取り 3.3±0.8 2,7±1.2 n.s カードゲーム 2.2±1.0 2.5±1.1 n.s ゲーム 2.7±1.2 2.3±1.2 n.s ⼈形遊び 2.1±0.8 3.2±1.0 **
テレビ 3.3±0.8 3.2±0.7 n.s 友達との遊び 3.7±0.5 3.7±0.5 n.s 絵本 2.7±0.8 3.3±0.7 * ⼀⼈での遊び 2.5±1.0 3.1±1.0 n.s ボール 3.6±0.7 2.9±0.8 * 屋外での遊び 3.8±0.4 3.6±0.6 n.s
⻤ごっこ 3.7±0.6 3.4±0.7 n.s 屋内での遊び 3.5±0.7 3.7±0.5 n.s お絵描き 2.6±1.2 3.5±0.8 **
**p<.01 *p<.05
表 3 幼少期の遊びと EQ・SQ との相関分析の結果
EQ SQ EQ SQ
⼿遊び .31 -.24 ごっこ遊び .49** .10
⾍取り -.37* -.16 カードゲーム -.10 .06
ゲーム .02 .18 ⼈形遊び .38* -.24
テレビ .04 .13 友達との遊び .30 .03
絵本 .05 -.15 ⼀⼈での遊び -.03 -.20
ボール -.24 .20 屋外での遊び .02 -.03
⻤ごっこ .18 -.01 屋内での遊び .17 .02
お絵描き .39* -.05
**p<.01 *p<.05
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4.. 考考察察
本研究では大学生を対象として、EQ、SQで確認される共感―システム化の認知スタイルと、環境要因 としての幼少期に経験した遊びの種類との関係を調べた。
まず、EQ、SQの結果に対する性差の有無について、EQに関しては男女間の有意差が見られず、文系 学生の女性の得点が男性の得点を有意に上回るという若林他 (2006)の報告と異なる結果となった。一方 で SQ については男性が女性よりも有意に結果が高く、若林他 (2006)の結果と一致した。今回の結果の 原因として本研究の参加者はリハビリテーション職を目指す学生であったため、EQで測られる共感性の 能力が男性学生においても高い結果になったことが考えられる。
次に、幼少期の遊びの頻度における性差の有無については、男性が女性よりも有意に多く遊んだ遊び として「ボール」、女性が男性よりも有意に多く遊んだ遊びとして「手遊び」、「絵本」、「お絵描き」の結 果となった。Whitebread (2017)の遊びと発達の研究のレビューによると、身体遊びは男児が女児に比べて より好み、遊びの中で用いられる目と手の協応やモノの軌道を見定めるスキルは空間能力の発達の性差 に影響すると述べている。本研究の結果においても、身体遊びに分類される「ボール」を使った遊びは 男性が女性よりも有意に多く遊んでいた結果となった。また、本研究で女児が男児に比べてより頻度多 く遊んだ「手遊び」、「絵本」、「お絵描き」、「人形遊び」は、どれも想像力を必要とする遊びと言える。女 児が男児に比べて想像遊びをより好むことは、Baron-Cohen (2005)においても指摘されており、背景に女 児の共感力の高さがあると考察されている。一方で、本研究においては、「ごっこ遊び」は性差がない結 果となった。ごっこ遊びは役割遊びとも呼ばれ、複数のこどもが個々の役割に成りきり、設定を共有す ることが必要とされ、想像遊びの中で最も複雑とされる (Grey, 2018)。女児でのごっこ遊びは、ままごと 遊びが代表的と考えられるが、おそらく、本研究での男性の回答者も、幼少期にテレビ番組のヒーロー になりきって遊んだ経験があったのだろう。
性別の影響を統制した形での幼少期の遊びと Baron-Cohen (2005)の共感―システム化の認知スタイル を調べるEQ、SQの結果の相関については、まず「ごっこ遊び」、「お絵描き」、「人形遊び」がEQとの み有意な正の相関がみられた。この結果は、幼少期にこれらの遊びの頻度がより多いと、大学生の現在 における共感性の能力がより高いことを示している。Baron-Cohen (2005)は、女児が男児に比べて想像遊 びをより好むこと、また、女児であれば人形遊びを積極的に勧めるといった周囲の大人が持つ性別への 固定観念が、子どもの遊びへの嗜好にもたらす影響の可能性を示唆している。ただし、今回の研究では 性別の影響を統制した上においても、これらの遊びと EQ の間に関係がある結果となった。先行研究に おいて、幼少期のふり遊びの経験は、共感性や社会性に関係することが指摘されている (Lillard et
表 4 性別を制御変数とした幼少期の遊びと EQ・SQ との偏相関分析の結果
EQ SQ EQ SQ
⼿遊び .24 .02 ごっこ遊び .47** .22
⾍取り -.33* -.35* カードゲーム -.13 .13 ゲーム .05 -.13 ⼈形遊び .33* -.01 テレビ .06 .10 友達との遊び .31 .03 絵本 -.03 .03 ⼀⼈での遊び -.09 -.07
ボール -.18 .02 屋外での遊び .06 -.13
⻤ごっこ .23 -.13 屋内での遊び .14 .12 お絵描き .34* .18
**p<.01 *p<.05
al.,2012 ; 山本、2012)。本研究でEQと有意な相関をみせた「ごっこ遊び」、「お絵描き」、「人形遊び」も、
想像力を必要とする遊びと言える。役割になりきり空想の設定を相手と共有する「ごっこ遊び」や「人 形遊び」、自身の想像した視覚的なイメージを絵に描きだす「お絵描き」のどれも、共感性の高い子ども がより好む可能性、または、それらの遊びを通して共感性の能力がより成長する可能性が示唆された。
次に、「虫取り」の遊びはEQ、SQのどちらに対しても有意な負の相関がみられた。この結果は、幼少 期に虫取りで遊んだ経験が多いほど、大学生の現在における共感性、システム化の能力の両方がより低 いことを示す。虫取りの遊びは、一般的にこどもの興味のある種類の虫を自然の中で収集するものと考 えられ、システム化の能力に関係すると予想される。ただし結果は、幼少期に虫取りを好んだ学生は共 感性、システム化両方ともより低い傾向がみられ、解釈に苦慮する結果となった。今回の研究は、対象 者の人数が40名と比較的少ないため、今後の展開として対象者の母数を増やして統計的な信頼性をより 高めた上で、結果を改めて確認したい。
本研究のリミテーションとして、幼少期の特定の遊びと大学生の現在における共感―システム化の認 知スタイルが関係していることは明らかになったが、幼少期の遊びが現在の認知スタイルに影響を与え たのか、生得的に備わっていた認知スタイルが幼少期の遊びに影響を与えたのかは明らかになっていな い。本人が行動によって変えようのできない兄弟の有無について認知スタイルと関係が見られなかった ことから、生得的に持っている共感―システム化の認知スタイルが、その子どもが好んで取る行動や考 え方に与える影響が大きいと考えられる。しかし、家庭における親や兄弟、集団における友達や先生が、
子どもに対して特定の遊びに促すことにより、子どもが自発的には選択する可能性が低い遊びを体験し、
その経験が子どもの認知スタイルに影響をあたえることも十分に考えられるだろう。今後の研究として は、子どもの持つ生得的な共感―システム化の認知スタイルの傾向を十分に統制した上で、養育環境や 遊びの環境の違いがもたらす認知スタイルの発達への影響を調べることで、環境因がもたらす認知スタ イルへの影響を確認したい。
引
引用用文文献献
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京.
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(20212021年年 1 2月月 12 4日日 受付受理)