逐次リアルタイム復号処理が可能な2値画像圧縮法
和崎克己 不破泰 江口正義 中村八束
A Bi‑level Image Compression Method for Realizing Real‑time Sequential Decoding
Katsumi WASAKI Yasushi FUWA Masayoshi EGUCHI and Yatsuka NAKAMURA
Inthispaper,weproposeanew compressionmethodforbi‑levelimageswhichcanbeappliedtoareal‑ timesequentialdecodingsystem.WhenwecorLSiderartapplicationsucllaSimagecomparisonprocesslng inwIlichimagedata,Compressedandstoredbeforehand,mustbedecodedandcomparedwithimagedata fromsomeinputdevice(e.g.,fasterscan‑typecamera),theworkofdecodingdatamustbeabletoproduce outplltSOneafteranotllerinseqllenCeWithinaprescribedtimeframe.However,theexistingmethodsof datacompressionforbi‑levelimagesdonotsatisfactorilyfulRlltheabovelistedrequlrementSforreal‑time decodingprocesses.Fortllisreason,weproposeacompressioncodecalledthe"BinaryPlaceCompression (BPC)Code",whichpossessesthereal‑timenaturerequiredforsuchbi‑levelima芦eprocessingasdescribed above・ThisBPCcodehasthefollowingfeatures:(1)sequentialreal‑time.processlngCapability・(2)loss‑less coding/decoding,(3)simplicityofcoding/decodingprocedureresultingm easyhardwareimplementation,
etc.Alsointhiswork,weprototypedadecoderforBPC witltagate‑arrayandproducedanimage processlrLgllnit・ WeveriGedtheapplicabilityofourproposedcodebyevaluatingtheprototypeina practical applicationforconstructingaqualityevaluatiollSyStem forprintedcircuitboards.Finally,we a
lSoveriGedthattllecompressionrateofourcodeexceedsthatofotherbinarycompressioncodesusedin thepa5t.
キ‑ワード:2倍画像,画像符号化,ロスレス,データ圧縮,リアルタイム処理,ゲートアレイ
1 まえが さ
画像デ ータはそのままデ ィジタル化すると情報量 が非常 に多 くなるため,情報圧縮が必須であ り,現在 までに様々な符号化方式が提案 ・実用化 されている 1)〜12).従来 より,静止画像 を対象 とした符号化 につ いては圧縮率 を優先 させ,情報の欠落を許す非可逆符 号化方式の需要が高かった.例えば,国際標準符号化 方式であるJPEG3)では適応型DCT(DiscreteCosine n ansform)を用いた非可逆符号化が主に用いられて
きた.しか し,医療診断用の レン トゲ ン画像 人工衛 星画像,製品検査用の良品画像 といった対象は情報の 完全性が要求 され,情報の欠落な く通倍 ・保存す るこ
とを目的 とした可逆符号化方式の需要は高い.
コンパクト性を持った可逆符号化方式 としてHufr‑ man符号4)がある. Run‑Length符号の拡張 とし て,Run長を単純 に2進符号化す るのではなく,Run の大 きさにより符号長 を何段階かに分割す る手法 (
●1995年5月僧学会情報理論研究会予稿に加筆
= 電子制御工学科 助手
●= 僧州大学工学部情報工学科 助教授 '●'.東京商船大学商船学部 助教授
●… ●僧州大学工学部情報工学科 教授 1995年度 文部省特定研究経費による 原稿受付 1997年10月31日
bit分割符号化方式)5)が提案 されている.Huang6)
はRun‑Length符号の様々な拡張 と,符号伝送時の回 線誤 り率の影響 について検討 した.Run‑Lengthと Hu爪man符号 を組み合わせCCITTテス トチャー ト 向けに符号長を最適化 したファクシミリ通信用の符号 化方式 としてMH符号7)がある.Kimら8)は2億画像 中に存在す る閉包画素群に着 目L Run‑Length符号 を用いて符号化する方式を提案 した.JPEGにおいて は,可逆符号化方式 としてDPCM(DifrerencialPulse CodeModulation)3)を定義 しているが圧縮率の点で 問題を抱えている.これに対 し柳谷 ら9)は,多侶画像 の可逆符号化の際,適応予測を用いて圧縮率を改善 し た符号化方式を提案,JPEG‑DPCM方式 より圧縮率 に関 して有利な結果を得ている.2億画像 の階層型な 可逆符号化方式 としては国際標準符号化方式である JBIG 10)ll)がある.勝野 ら12)は,JBIGのプ ログ レッ
シブ表示検能を利用 したJBIG‑CODECと画像通倍 システムを試作 し性能評価 を行っている.
著者 らは,あ らか じめ圧縮 して蓄積 した画像データ を展開 しなが ら演算処理 (例えばエ ッジ検出,他画像 とのマッチング処理,等)を逐次行い,結果をメモ リ上 へ格納 し,ディスプ レイへ表示 させるといった用途 に 適 した画像符号化方式 について検討 を行って きてい
42 和崎克己 ・不破 泰 ・江口正義 ・中村八束
る.この ような画像処理の用途 は,工場 ラインにおけ る製品検査 を始め とした様 々な需要がある.
2つの画像 を比較す ることにより製品表面の検査 を行 うアプ リケ ーシ ョンを考える. 検査 は,対象画 像 と前 もって用意 しておいた基準画像 の各画素同士 を比較す ることで行 う.このとき,検査対象物が単一 でな く,少量多品種 な生産 ラインで は,製品の種類毎 に基準画像 を持 たなければな らない.基準 となる画 像 は,可逆符号化で事前 に圧縮 した上で,多 くの種類 を複数蓄 えてお く必要がある.次 に,検査対象物 をカ メラ等 を使用 して取 り込 むと同時 に,蓄積 した基準画 像 を展 開 し,画素間の比較処理 を行 う.この時,カメ ラか ら取 り込 む前 に,事前 に対応す る圧縮画像 を展開 してバ ッファに蓄えてお くのでは,取 り込み前 に無駄 な時間が必要で,‑画面分のバ ッファを用意 しなけれ ばならない とい う問題が生 じる. カメラか らの出力 (走査)と同 じ速度で逐次展開処理 を行い,カメラか ら の各画素の出力 に合 わせて,対応す る基準画像 の画素 が展開される手法があれば,この間題は生 じない.以 上のような用途では,圧縮 より展開時 に処理の高速性 が要求 されてお り,一定時間間隔毎に順番 に展 開され たデータが とぎれることな く出力 される事 (以後,こ のような復号 を逐次 リアルタイム復号 と呼ぶ)が可能 で,かつハードウェアで実現可能な程度 に簡単である 処理方式が必要である.
復号処理 を高速 に行 う試み は,G4ファクシミリ 用高速復号 LSIの試作 をは じめ,様 々な研究がある
13)14)15).復号処理 の高速化は,画像向け以外で も必 要であ り,様 々な研 究がある.例 えばハードデ ィスク の記録符号の復号処理において,高速転送の要求を満 たす復号方式 とそれ を実現す るLSIの開発 に関す る 研究等がある16).
本論文では,逐次 リアルタイムに復号可能な2億画 像の符号化方式 として,2進桁圧縮符号(BinaryPlace Compressioncode:以後,BPC符号)と,その復号ハー
ドウェアの構成方法 を提案す る.本符号 は,文献5)で 提案 された bit分割符号 と同様 に,Run長 を一旦2 進数へ変換 し,各桁 に対応 した可変長符号 を対応付け る.本方式 は逐次 リアルタイム復号が可能な他,圧縮 率 は MII,bit分割符号化方式 と同程度,復号処理が簡 単でハードウェア実装が容易で規模 も小 さい,等の特 徴 を有 している.
復号処理性能 を向上す るために,新 しいパ イプライ ン形の復号処理方式 を提案する.復号処理 をパ イプラ イン化 し,1クロック毎 にlbitの速度で定常的 に復号
した画素 を出力するために,圧縮データを数bit分先 読みす るバッファを設ける等,逐次 リアルタイム復号 に適 したパ イプ ライン構成法 を示す.本符号 を用 い ることで,上記の高速復号処理が可能なハードウェア は容易に実現可能であ り,有効であることを示すのが 本論文の主眼である.この高速復号ハードウェアを, 実際 にゲー トア レイ上へ実装 し試作 した.復号ハ ー
ドウェアを,逐次 リアルタイムな復号処理が必要な画 像処理装置に組み込んで評価試験 を行った ところ,揺 案方式の有効性が確認 された.
2 2進桁圧縮 (BPC)方式
2‑1 BPC方式の基本 システム
BPC方式の基本システムを図1に示す.符号器で は,まずRun長を調べそれを2進展開形式で表現す る.次に,展開されたRun長の各項 (柿)に対応する可 変長符号 を符号テーブル(CodeTable)より参照す る.
最後 に自/黒のどちらがRunで連続 しているかを示 す 1bitの識別子(0/1)と合わせ て符号化す る.復号 器では,入力 した圧縮データに対 し,まず最小符号長 である3bit分 を先読み レジスタ(Look‑aheadReg‑ ister)に格納す る.2進展開形式 に展開されたRun 長の各桁 を復号す るため,可変長符号の探索 (BPC一
≠eeSerching)を行 う.当該Run長を算出し,Runの 自/黒の識別子 を調べ,Bit出力カウンタ(BitOutput Counter)によって元の2億画像 を再生す る.
2‑2 符号器
212‑1 Run‑Length計算
入力画像のbit系列 を考 える.連続 している0また は1の部分 をRunとす る.n番 目のRun をBtock,., Runの長 さをLengihnとす る(n=1‑N,NはRun の個数).Lengihnは1から2K‑1(Kは量子化のため の最大 2進桁 数で Run長の最大値 を規定す る)の範 囲 とす る.この最大値 を越 える長 さのRunは,一旦 2K‑1個で打 ち切 り,改めてRunとす る.Btocknの連 続 しているbitの億が0または1のとき,value"=o
または1とす る.Btocknは,vatuenとLenglhnの組, BZock"=(VaZuen,Lengthn)で表す.
2‑2‑2 2進桁対応 とテーブルによる符号化 符号化は,BLockl〜BLockNの順 にそれぞれ対応す る庄縮bit列 を出力す ることで行 う.Block,Iに対応
図1 BPC方式の基本システム図
する圧縮bit列の生成方法について述べる.まず,前 段のRun‑Length計算の結果であるRun長Lengthn
を2進数に変換する.Lengihnは1から2K‑ 1の範 囲であるか ら,2進数に展開 しても高々K桁に納まる.
つまり,
Lengihn‑ao*20+al*21+・・・+aKl1*2K‑1 (ここで,各桁 at(k=0‑ K‑1)は0または1) 次に,各桁akを下位の桁か ら探索 し,ak=1の場合 はその桁 に対応す る可変長符号Codekをテーブル ( 表1)か ら参照 し出力する・この表は2進数展開形式 の各桁 に対応する符号 と符号長を並べたものであ り, K =15で打ち切ってある.またak=0の場合はコー
ドの出力は行わない.各桁に対応する可変長符号は, 画素の値であるVatuenの億 (Oか1の1bit)を先 頭に付加 して出力す る (表1では,a:で示 している).
このことにより,復号時には符号語の先頭の1bitを 参照するだけで,当該ブロックで出力すべき画素の値 (0/1)が判る.
以上の出力を,aoか らaK̲1まで順に行い,Block,I
に対す る処理を終了す る. この処理をBtocklか ら BtockNまで行った後,画面の終端を識別するための 符号であるEndCode(表1参照)を最後に付加 して, 圧縮データの終わりとする.
2‑2‑3 符号化の例
図2に示す ような入力 bit列 (Ⅳ =4)を考え る.回申,黒い網掛けの領域は億が1の黒画素を示す.
Btockn=(VattLen,Lengihn)(n=1‑ N)は, Blockl=(0,1) BZock2=(1,2) Block3‑(0,4) BLock4=(1,24)
表1 符号化テーブル k : numberofbinaryplaces a! : prefixofRun‑Lengthvalue Codek : BPCcodeofbinaryplacek lCodek
I
: codelengthofBPCcodeCodekブ ロック長Lengihnを2進数に変換する.変換後の2 進数は左側の桁が上位 となっている.
Lengihl=0000012 Lengih2‑0000102
Lengih3≡0001002 Lengih4‑0110002
まず,
VattLe1 ‑ O
Lengthl =1*20+o*21+o*22+・・・
テーブル (表 1)から20の桁に対応するコードを参照 すると,Codeo=a:00である.aIの位置にVatuel=0
を挿入 して,Btocklは【0001と符号化される.同様に, VattLe2 ‑ 1
Lenglh2 = 0*20+1*21+o*22+・・・
21の桁 に対応す るコードは Codel = XOl であ る. Vatue2=1より Btock28ま 【101]と符号化 さ れる. Btock3,Btock4について も同様の操作で各々 [010日111011110】と符号化される.最後にEndCode
和崎克己 ・不破 泰 ・江口正義 ・中村八束
=二n
1 2 4 24
Bl∝kn 1 2 3 4
図2 入力bit列の例
o l 2‑‑DS‑aet‑lae‑cL‑toiv‑aed‑‑7 lnputReg\Tisstoeer(E,pc8eib‑niTt)gree(3bi●I1
0 1 2 7 8 9 10
5 ●
4 54‑m ‑
1bitShift 3bitShi冊
図3 先読み レジスタの構成
を付加 し以下の符号語を得る.
【0001【1011【0101【111011110]【0111111111]
2‑3 復号器
逐次 リアルタイム復号 に適 した新 しいパ イプライ ン復号器の構成方法 を以下に説明する.
2‑3‑1 3bit先読み レジスタ
復号器が圧縮データを読み込む際には,3bit分の先 読みを行 う.後段の符号木探索のために,llbitのシ フトレジスタ(Look‑aheadRegister)があって,次に 読みだすべ き圧縮データの最初の3bitが同時に参照 できる.先読み レジスタの構成を図3に示す.先読み レジスタは,word単位の圧縮データを一旦格納 して お くための,8bit幅の入力レジスタ(IllputRegister)
と,lbit幅の11段 シフ トレジスタ (ShiftRegister) か ら構成 される.シフ トレジスタは,2‑3‑2で示すス テー トマシンか らの指示で,lbit又は3bitシフ トを 行 う.
圧縮データは,まず入力レジスタに格納 される.吹 に,入力 レジスタの出力が,11段あるシフトレジスタ の8bitに選択的にロードされる.ロードの種類は図4
lAPiJst.r
sRha.S.e,
012 7
012
(a)NoOFFSET
10
(C)OFFSET+2 (d)OFFSETJ
図4 選択的なシフ トレジスタへのデータロード
に示す様 に(a)〜(a)の4種類あ り,それぞれシフ トレ ジスタへロードす る場所が異なる.この機能により, 後段のシフトレジスタが3bitシフトを行った場合で
ち,lwordの圧縮データを0‑3bit分オフセットしな が ら選択的にロード可能 となる. シフトレジスタ内 のデータは,図中のlbitShirt又は3bitShiftの端子 に与えられる動作 クロックに同期 して1bit又は3bit それぞれシウ トする.シフ トレジスタの 「下流側」の 3bit(図中Q8,Q9,お よびQIO)は,後段の符号木探索 の際に参照される.
シフトした結果,シフトレジスタの7bit目に有効 データが無 くなると,入力 レジスタの値をシフトレジ スタへロードす る. シフ トレジスタ内の有効データ の残 り方 によって,図4のロード方法が選ばれる.例 えば,有効データが8・9・10bit目に残っている時は (a),9・10bit目ならば(b),といった様な選択が行われ る. また,ロード後,入力 レジスタには次の圧縮デー タが読み込まれる.
2‑3‑2 符号探索ステー トマシンとBit出力カウン タによる展開データ出力
復号 のため のステ ー トマ シ ンを図 5 に示す.
ro,Stale,dn,Wはステー トマシンの各状態,央印付近 の3bitの数字(QIO,Q9,Q8)は遷移条件で,図3の QIO,Q9,Q8の億 を示 している. 状態d,.に対応す る dalanは,その次の状態へ遷移 を行 う時,後段のBit 出力カウンタへセットする億 を示す.Slaleの下 に書 かれた記号が,Slの時,その次の状態に遷移する際,先 読み レジスタを1bitシフ トし,S3の時は3bitシフ ト することを示す.
ステートマシンは,逐次 リアルタイム性 を確保す る ために,符号の展開が完全 に終る前 に展開データの出 力を開始する.コードの展開とは,各符号のVatueと Lengihを明らかにす ることである.このうち,value
図5 復号 のためのステー トマ シン
はコードの先頭bitに示 されているため,展開前 に明 らかになる. このため,先頭 bitで示 される ⅤαJue の出力 をステ ー トマ シンを動作 させ るクロックに合 わせて開始 し,それ と並行 して コー ドを読み 始めて Lengihを決定す る とい う=夫 を してい る. ただ し, この場合,決定 された Lenglhの億 よ りも決 定に要
したステ ップ 数が等 しいか短い必要があ る. このた め,Lengthが小 さい場合がある時の展 開処理 は,3bit シフトを用いた先読み を行い,短いステ ップ数で処理 が完了す るように した.
Bit出力 カウ ンタは,同一出力値 を連続 して出力す る際に,出力 回数 をあ らか じめセットし,1回出力す る 毎 に 1減 らす ものである.ステー トマシ ンは,カウ ン タが0になる まで状態 Wで待 ちなが ら,当該ブ ロック のbit億 をクロックに同期 して出力す る.セッ トす る 値 は対応す る桁 で出力すべ きbit数か ら,億 を決定す
る まで に要 したステ ップ数 を引いた億 である.
2‑3‑3 復号化の例
復号化の例 として,先の2‑2‑3で得 られた圧縮デ ータを使用 し,元デ ータが逐次 リアルタイム性 を確保 して復元 出来 るこ とを示す . 復号の様子 を示 した タ イミングチ ャー トを図6に示す .
まず ,復号処理 開始が指示 されるのを待 つ (初期状
憩ro).復号 開始信号線(DecodeStart)がHighに なって処理の開始が指示 され (状態o),Q10,Q9,Q8を 参照す る と(QIO,Q9,Q8)=(0,0,0)であるので,展 開データ(DecodedData)として0を出力 し,先読み レジス タに3bitシフ トを指示 し,状態 Oへ戻 る. こ
【STATE】
CLOCK Decod8S Sh机 01009m̲
馳
Decoded巨∩ Io01lo do W wt0 2011
BOO3101310 3 111 1 0
er:?.i==:::i; ・0 0 ta 0 1 1 0 0 0 1 2 d1 W Ylvr Yr 〜 0 2 3 d2
0111
1 ー11 310010011011
4 3 2 1
○ ○
1 1
図 6 復号例 のタイミングチ ャー ト
こで (Q.0,Q9,Q8)‑(1,0,1)なので1を出力 し,3bit シフ トを指示 し,状態1へ遷移 した後,状態Oへ 戻 る.
結果,2クロックを要 して僧 1のbitを2個 出力す る.
次 は (QIO,Q9,Q8)= (0,1,0)なので 0 を出力 し,3bitシフ トを指示 し,状態 doへ遷 移す る.カウ ン タへ億 1をセ ットし状 態 Wへ遁移 した後デ クリメン トが一 回行 われ,状態Oへ戻る.結果,4クロックを要 して値Oのbitを4個 出力す る.
以下,圧縮データ【111011110】について も同様 に行 い,状態 0‑ 2‑dl‑W一 ・・・一0‑ 2‑ 3‑d2‑ W
‑‑ と遷移す ることで,24クロックを要 して値1の bitを24個 出力す る.この棟 に,復号 開始倍号 の入力 か ら展 開デ ータが出力 され始めるまで に,状態r0‑ 0
‑ 0と遷移 し,次 のクロックか ら,復号器 の出力 を利 用す る機能ブ ロック (例えばマ ッチ ング処理 な ど)が 展開デ ータを参照で きる.
3 評 価
3‑1 複号ハ ードウェアのゲ ー トア レイへの美装 本提案方式 を実際の画像処理装置 に組み 込み ,そ の有効性 を明 らか にす るために,BPC符号 の復号辞 を,ゲー トア レイ上 に試作 した.試作 には,Actel社 のFPGA(Field‑ProgrammableGateArrays)17)杏 用いた.試作ゲー トア レイの機能ブ ロ ックを図7に 示す. 内部 は先読み レジス タ (Look‑aheadRegis‑
ter),BPCデ コーダ(BPC Decoder),Bit出力 カウ ンタ(BitOutputCounter)の3ブ ロックで構成 され
46 和崎克己・不破 泰・江口正義・中村八束
図7 試作ゲ ー トア レイの横能ブロック図
る.この構成 は前述の図1と対応する.各ブロックは, ラッチ,順序回路の全てをシステムクロック(System Clock)に同期 して動作する様 に設計 した.圧縮デー タは先読み レジスタへ入力 される.展開されたデ ー タは,BPCデ コーダ より出力 される.出力のタイミ ングはシステムクロックと同期 している.
先読み レジスタブ ロックは,2‑3‑1で説明 した図3 に示 している内部構成 をとる.BPC符号木探索ブ ロ ックは,2‑3‑2で説明 した図5に示 したステー トマ シンを同期式順序回路で実装 した ものである.Bit出 力カウンタブ ロックは,2‑3‑2で説明 した,ダウンカウ ント動作 を行 うものである.試作の結果,最高動作 ク ロックの周期が85nsecとな り,復号データ出力間隔 は85nsecで動作す ることを確認 した.これは,通常 のNTSCカメラか らの,一行あた り約600画素の入 力画像 に同期 して,展開データを出力で きる性能を有 している.復号器の回路規模 は1750NANDゲー ト換 算 に収 まり,小 さなハードウェア規模で構成可能であ
ることも確認 している.
3‑2 画像処理装置への組み込み
上述のFPGAに実装 したBPC復号器 を,マッチン グ処理を行 う画像処理装置へ組み込み,プ リント基板 (PCB)の配線パ ターンの品質検査 システムを試作 し た.このシステムは,あらか じめ用意 しておいた基準 画像 と,カメラか ら取 り込んだ検査対象画像 を比較す ることにより,配線パ ターンの欠け ・短絡 といった不 良箇所の検出を行 う.検査システムの機器構成を図8
・ ∴ ・ ・
図8 画像処理装債のシステム構成
に示す.本システムは,検査工程の制御用 コンピュー タ(System ControlComputer),BPC復号 とマッチ ン グ処理を行う画像処理装置(ImageProcessingUnit), pcB表面の画像 を取 り込む2億 のラインセンサカメ
ラ(LineSensorCamera),PCBを移動す るためのス テージ(Stage)及びコントローラ(StageCmtroller) か ら構成される.
ラインセンサカメラは1ライン当り4096画素 の 解像度であ り,1ライン毎の取 り込みを行 うので,カメ ラの走査に合わせて,ステージをカメラのラインと直 角方向にステップ移動 させ,4096ステップで一枚の検 査画像 (4096×4096画素)を構成す る.検査 を行 う前 には,制御用 コンピュータか ら画像処理装置内のス ト レージメモ リへ,あらか じめBPC符号で圧縮 してお いた基準画像(CompressedImage)を複数枚,転送 し てお く.配線パターンの基準画像例 を図9に示す.
各棟能ブロックは駆動クロックに同期 したパイプ ラ イン処理を行 う.3‑1で説明 したBPC復号処理を行 う試作ゲー トア レイは,図中のDecoderに対応す る.
ス トレージメモ リ上の基準画像は,制御用コンピュー タからの復号開始倍号(DecodeStart)により,復号器 によって逐次 リアルタイムに展開される.復号する基 準画像の選択は制御用 コンピュータから指示 される.
同時にカメラからの入力 も開始 し,各画素を連続的に 比較処理す る.比較結果から,パターンの欠けや短絡 といった不良箇所の画素数(PixelCount)を求める.
本システムでは,画像の取 り込み,BPC符号の復号 処理,およびマッチング処理を,85nsec/画素の速度で 同時に行 うことが可能であ り,4096×4096画素サ イ ズの画像を全て処理するために要する時間は,約 1.43 秒 となった.どのような基準/検査画像であっても,こ の時間を経過 した後 には画像取 り込み,復号,マッチ ング,および不良画素数のカウントの全ての処理が完 了 してお り,次のプ リント基板の処理が可能 となる.
我々は,実際に本画像処理装麿を製造ラインに組み込
F
& ; ;:j表
≡ .;:芸謂 喜 蓋 ≡認 諾
笥尋
(a)PCB‑1
覇 濁 り
(C)PCB‑3 dPCB4
図9PCI︼配線パターン画像
み,連続して製造されるプリント基板の検査装置として,本復号処理方式が有功であることを確かめた.3‑3他方式との圧縮率比較 Run‑Length符号,MH符号との性能比較のため,様々な2億画像データの符号化実験を行う.テスト画像は,CCITTテストチャート(CCITT‑1‑8,1728×2376bit)と,4種類のPCB配線パターン画像(図9:PCB‑1‑4,4096×4096bit)を用いた.圧縮率(%)の比較を表2に示す. CCITTテストチャートに対する圧縮率について検討する.Run‑Length符号はMⅡ符号,BPC符号に比較して良好な結果を示した.これは,テストチャート自身が長大Runを多く含み,Run長をそのまま符号化するRun‑Length符号に有利なためである.BPC符号は,自画素の長大ブロックの比率が高い画像(CCITT‑1,2)で約10%の圧縮率を得た.これは,B㌢C符号は214個も連続する長大ブロックに対しても,その桁に対応する符号は10bit程度であることによる(&1). PCB配線パターン画像に対する圧縮率について検
表2 テス ト画像 に関す る圧縮率 (%)の比較
CCⅠTT‑1 6.2 9.8 9.1 CCⅠTT‑2 5.7 7.8 9.3 CCⅠTT‑3 ll.9 13.5 17.6 CCⅠTT‑4 21.3 22.4 30.3 CCⅠTT‑5 12.7 14.1 18.3 CCⅠTT‑6 9.5 ll.0 14.5 CCⅠTT‑7 22.3 21.5 33.3 CCⅠTT‑8 ll.6 12.8 18.4 AVerage 12.7 14.1 18.9 PCB‑1 17.5 27.3 16.9 PCB‑2 23.9 15.5 21.0 PCⅠト3 ll.8 20.6 ll.8 PCB‑I 23.3 17.4 22.2 AVerage 19.1 20.2 18.0
討する.BPC符号は,Run‑Length符号,MH符号 に 比較 して良好な結果を示 した.BPC符号は,パ ター ンが無い部分が比較的広 く,かつ太い配線パ ターンの 比率が高い画像(PCB‑3)で約12%,横方向の細い配 線パターンの比率が高い画像(PCB‑1)で約17%の圧 縮率が得 られた.一方,縦方向の細い配線パ ターンが 多い画像(PCB‑2,4)については,短いRunの比率が 多いため,MH符号の方が有利 な結果であった.ただ し圧縮率の差は僅かであ り,提案方式は,Run‑Length 符号,MH符号 と比較 して圧縮率は同程度 といえる.
4 まとめ
逐次 リアルタイム性を確保 しなが ら高速 に復号可 能な,BPC符号化方式 と,その復号ハードウェア を 提案 した.提案方式は,可逆符号化方式である,復号 時に逐次 リアルタイム性が確保で きる,Run‑Length 符号,MH符号 と同程度の圧縮率が得 られる,復号処 理が簡単でハードウェアへの実装が容易,といった特 徴 を有 している. 提案方式の評価のため,復号界 を ハードウェア化 しゲー トアレイ上に実装 して,実際 に 逐次 リアルタイム復号が可能なことを確認 した.復 号用ゲー トアレイを組み込んだ画像処理装置を試作 し,パ ターンマッチ ング処理によるプ リント基板の表 面検査 システムを構築 ・試験 し,提案方式の有意性 を 確認 した.