図形と位相
No.5 2007. 7.17
演習問題の解説
担当:市原問題5 2次元ユークリッド空間R2(つまり,ユークリッド平面)のユークリッド距離関数d:E2→E2 について,三角不等式を証明しなさい.
R2に任意の3点P(p1, p2),Q(q1, q2),R(r1, r2)をとる. このとき,d(P, Q) +d(Q, R)=d(P, R)を 示せば良い. そのため, (d(P, Q) +d(Q, R))2−(d(P, R))2を計算する.
(d(P, Q) +d(Q, R))2−(d(P, R))2
= (√
(q1−p1)2+ (q2−p2)2+√
(r1−q1)2+ (r2−q2)2 )2
−(√
(r1−p1)2+ (r2−p2)2 )2
= (√
(q1−p1)2+ (q2−p2)2+√
(r1−q1)2+ (r2−q2)2 )2
−(√
(r1−q1+q1−p1)2+ (r2−q2+q2−p2)2 )2
= (q1−p1)2+ (q2−p2)2+ (r1−q1)2+ (r2−q2)2+ 2√
((q1−p1)2+ (q2−p2)2) ((r1−p1)2+ (r2−p2)2)
−(
(r1−q1) + (q1−p1))2+ ((r2−q2) + (q2−p2))2)
= (q1−p1)2+ (q2−p2)2+ (r1−q1)2+ (r2−q2)2+ 2√
((q1−p1)2+ (q2−p2)2) ((r1−q1)2+ (r2−q2)2)
−(
(r1−q1)2+ (q1−p1)2+ 2(r1−q1)(q1−p1) + (r2−q2)2+ (q2−p2)2+ 2(r2−q2)(q2−p2))
= 2(√
((q1−p1)2+ (q2−p2)2) ((r1−q1)2+ (r2−q2)2)−((r1−q1)(q1−p1) + (r2−q2)(q2−p2)) )
ここで, A= (q1−p1),B = (q2−p2),C= (r1−q1),D= (r2−q2)とおくと, (√(A2+B2) (C2+D2)
)2
−(CA+DB)2 = (
A2C2+A2D2+B2C2+B2D2)
−(
C2A2+ 2ABCD+D2B2)
= A2D2+B2C2−2ABCD
= (AD−BC)2=0 従って, (d(P, Q) +d(Q, R))2−(d(P, R))2=0となる.
よって, d(P, Q) +d(Q, R)=d(P, R)が証明された.
問題10 n次元ユークリッド空間をRn = {(x1, x2, x3,· · ·, xn)|xi∈R}とする. (x1, x2, x3, x4) 7→
(x1, x2, x3)で決まるR4からR3への写像が連続写像であることを示しなさい.
R4内に任意の点P(p1, p2, p3, p4)をとる. また任意の正の実数εを選ぶ. このとき,例えば,
「d(P, Q)<ε2 をみたすR4内の任意の点Qに対し,d(f(P), f(Q))< εとなる」
ことを示せば良い.
(実際は, ε2 でなくとも, Pとεだけに依存した定数であれば良い)
ここで,Q= (q1, q2, q3, q4)とすると,d(P, Q) =√
(q1−p1)2+ (q2−p2)2+ (q3−p3)2+ (q4−p4)2. 一方,f(P) = (p1, p2, p3), f(Q) = (q1, q2, q3)より,d(f(P), f(Q)) =√
(q1−p1)2+ (q2−p2)2+ (q3−p3)2. 従って, d(P, Q)<ε2 をみたす点Qに対し,d(f(P), f(Q))5d(P, Q)< ε2 < εとなる.
よって, fは連続写像である.
問題11 位相空間X内の閉集合と閉集合の共通部分は閉集合であることを証明しなさい.
AとBを位相空間X内の閉集合とし,それぞれの補集合をA, ¯¯ Bとする.
このとき閉集合の定義より, ¯A, ¯BはX内の開集合となる.
一方,AとBの共通部分A∩Bの補集合A∩Bを考えると,ド・モルガンの定理より,A∩B=A∪B. ここで, 開集合の定義より,開集合A¯とB¯の和集合A∪Bも開集合となる.
従って, 補集合A∩Bは開集合となるので,再び閉集合の定義より,A∩Bは閉集合となる.