演習問題の解説
問題 1 次の確率を求めよ.
(1) 硬貨を 10 枚投げる時, 表が少なくとも 1 枚出る確率.
(2) 52 枚のトランプから 2 枚を同時に抜き出したとき, 2 枚ともエースになる確率. 4 枚な
らどうか?
(3) 10 本中あたりが 2 本含まれているくじがある. このくじを 10 人が順に引くとき, 10 番
目に引く人があたりを引く確率.
(解説) (1) 余事象を考えるのがよい. 「表が少なくとも 1 枚出る」事象を E とすると, そ
の余事象 E
cは「表が全く出ない」すなわち「すべてうらが出る」となる. したがって, P (E) = 1 − P (E
c) = 1 −
( 1 2
)
10= 1023 1024 (2) 組合せ数の比で与えられる.
P (2 枚ともエース) = ( 4
2 ) ( 52
2
) = 1 221 .
後半は, 問題文が曖昧であったが, 52 枚のトランプから 4 枚を同時に抜き出したとき, 4 枚と もエースになる確率を求めておこう. 同様に, 組合せ数の比で与えられる.
P (4 枚ともエース) = ( 4
4 ) ( 52
4
) = 1 270725
(3) 1 番目から 10 番目までの人が引いたくじの結果を (x
1, x
2, . . . , x
10) と書くことにする. た だし, x
i= 0 (はずれ), x
i= 1 (あたり) とする. このとき, 配列 (x
1, x
2, . . . , x
10) の中には, 1 が 2 回, 0 が 8 回含まれる. そのような配列はすべて等確率で起きる. 「10 番目に引く人があ たりを引く」事象は, 配列のうちで, x
10= 1 を満たすもので与えられる. したがって, その確
率は, (
9 1
) ( 10
2
) = 2 10
となる. つまり, 1 番目に引く人が当たる確率と同じである.
関連問題 (1) 52 枚のトランプから 3 枚を同時に抜き出したとき, 3 枚ともエースになる確
率を求めよ.
(2) 52 枚のトランプから 1 枚ずつ合計 3 枚を抜き出したとき (抜き出したカードはもとに 戻さず手元においておく), 3 枚ともエースになる確率を求めよ.
(解説) (1) 組合せ数の比で与えられる.
( 4 3 ) ( 52
3
) = 1 5525 .
(2) 1 回目は 52 枚中 4 枚がエース. 1 回目にエースが抜かれたとすれば, 2 回目は 51 枚中 3 枚がエース. 2 回目にもエースが抜かれたとすれば, 3 回目は 50 枚中 2 枚がエース. した
がって, 4
52 × 3 51 × 2
50 = 1 5525 .
問題 2 A,B の 2 人がゲームをする. これまでの実績から A の勝つ確率は p, B の勝つ確率 は q = 1 − p である. ゲームはどちらかが先に 5 勝した段階で終わり, 賞金 10000 ユーロを 受け取る. A が 3 勝, B が 2 勝した段階でゲームを中止することとなった. 賞金はどのよう に配分するのが公平であるか?
(解説) パスカルの考え方にしたがって分配しよう. 仮想的に勝負を継続し, A の勝つ確率 を P (A), B の勝つ確率を P (B) とする. A が勝つパターンは, あと 2 勝必要であることに注 意して,
○○
×○○
○×○
××○○
×○×○
○××○
それぞれの確率を加えて,
P (A) = p
2+ 2p
2q + 3p
2q
2= p
2(1 + 2q + 3q
2)
= p
2(3p
2− 8p + 6)
同様にして, B が勝つパターンは, あと 3 勝必要であることに注意して,
○○○
×○○○
○×○○
○○×○
であるから,
P (B) = q
3+ 3pq
3= (1 + 3p)q
3= (1 + 3p)(1 − p)
3(なお, P (A) + P (B) = 1 が確認できる.) 賞金の分配は, A が 10000P (A), B が 10000P (B) となる. ところで, 必ず A または B の一方だけが勝つので, P (A) + P (B ) = 1 は初めから明 らかである. そうすれば, P (A) を求めたあとで, P (B) = 1 − P (A) で計算してもよい. さら に, p, q のいずれかを消去して表示してももちろんよい.
樹形図の代わりに○×の並び方だけを記したが, もちろん樹形図を使って勝負の流れを書 き上げるのも基本的な解き方である.
問題 3 アメリカのテレビで話題になり議論百出. 3 つの扉があり, いずれかの扉の後ろに
車 (高級ね) と残りの 2 つの扉の後ろにはヤギがいる. 君はいずれかの扉を選んで, あたれば
車がもらえる. 君は 1 つの扉を選んだ. 司会者は, 「ヒントを差し上げましょう」と言って, 1 つの扉をあけヤギを逃がした (もちろん司会者は車のある扉を開けたりしない). そしてこ う言う「今なら扉を選びなおしてもいいですよ」君ならどうする?
(解説) 扉を選び直さない場合, 車が当たる確率は 1/3. 扉を選び直すとき, 車が当たるのは 最初にヤギの扉を選んだ場合である. ヤギの扉を選ぶ確率は 2/3. したがって, 扉を選び直し たとき, 車が当たる確率は 2/3.
問題 4 ベルトランのパラドックスにおいて, 「単位円にランダムに弦を引く」際に考える べき根元事象 (標本) および標本空間は何か? それを明らかにして, ベルトランのパラドック スの謎解きをせよ.
(解説) 根元事象は単位円に引かれた弦となる. したがって, 標本空間 Ω はそのような弦の 集合となる. さて, 各根元事象 ω を座標を用いて表す (パラメトライズする) 必要がある. そ の方法は多様である. たとえば, 円周上に 2 点定めることで弦が定まることに注目すれば,
Ω = { (α, β) ; 0 ≤ α ≤ β < 2π } .
ここで, α, β はその 2 点の角座標. ω のパラメトライズの仕方, それに基づく確率の入れ方に 多様性がある. 詳しくは, 教科書を参照のこと.
問題 5 棒をランダムに折って 2 本の断片を作るとき, 長いほうの長さが短いほうの 3 倍以 上ある確率を求めよ.
(解説) 長いほうの長さが短いほうの 3 倍以上あるのは, 棒を 4 等分したとき両端の 1/4 の
部分で折ったときである.
その長さの和は全長の 1/2 ある. よって, 求める確率は 1/2.
問題 6 直角二等辺三角形の内部に 1 点 P をランダムに選び, 直角をはさむ 2 本の等辺に P から垂線を下ろして長方形を作る. この長方形の面積が直角二等辺三角形の面積の 1/3 以 上になる確率を求めよ.
(解説) OA = OB = 1 として, 図のように xy 座標系を設定する. P の座標を (x, y) と する.
@@
@@
@@
@@
@@
O A
B
s
P X Y
三角形 OAB の面積は 1/2, 四角形 OXP Y の面積は xy であるから, 題意を満たすためには xy ≥ 1
3 × 1
2 ⇐⇒ y ≥ 1
6x を満たすことになる. すなわち, P は領域
E = {
(x, y) ; x ≥ 0, y ≥ 0, x + y ≤ 1, y ≥ 1 6x
}
の範囲から選ぶことになる.
x
y
P(x,y)
点 P をランダムに選ぶことから, 根元事象は △ OAB に含まれる各点, それらを集めたも のが標本空間 Ω. つまり,
Ω = { (x, y) ; x ≥ 0, y ≥ 0, x + y ≤ 1 }
そうすれば, 「長方形 OXP Y の面積が直角二等辺三角形 OAB の面積の 1/3 以上になる事 象」は E である. 確率をどう与えるかは, 確率モデルを設定する上でポイントであるが, 今 の問題では「直角二等辺三角形 OAB に含まれる点はどれも同等の確からしさで選ばれる」
ことが想定されるので, 面積比で与えるのが妥当であろう. そうすれば,
P (E) = | E |
| Ω | = 2 | E | となる. ただし, | · | は面積である.
| E | は積分によって求めることができる. 直線 x + y = 1 と双曲線 xy = 1/6 の交点の x 座標は,
x = 3 ± √ 3 6
であることが 2 次方程式を解くことでわかる. そうすれば,
| E | =
∫
3+√36 3−√ 3 6
{
(1 − x) − 1 6x
} dx =
√ 3 − log(2 + √ 3)
3 ≈ 0.138
(注意) 最後の分数の表式は
√ 3 + log(2 − √ 3)
3 でも同じ.
問題 7 各面に 1 から 12 の数を記した正 12 面体のサイコロを 1 回投げて出た目を X とす る. X の分布, 分布関数, 平均, 分散を求めよ.
(解説) 1 から 12 までの目がどれも等確率で起こると想定される. したがって, X の分布は,
P (X = k) = 1
12 , k = 1, 2, . . . , 12.
分布関数 F (x) = P (X ≤ x) は,
F (x) =
0, x < 1, k
12 , k ≤ x < k + 1, k = 1, 2, . . . , 11, 1, 12 ≤ x
そのグラフは, 1/12 ずつジャンプで増える階段状をなす. X の平均値は E(X) =
∑
12 k=1kP (X = k) = 1 12
∑
12 k=1k = 13
2 .
分散のために, まず,
E(X
2) =
∑
12 k=1k
2P (X = k) = 1 12
∑
12 k=1k
2= 325 6 . よって,
V(X) = E(X
2) − (E(X))
2= 325 6 −
( 13 2
)
2= 143 12 .
問題 8 サイコロを 2 個投げて出た目のうち大きい方 (同じ目のときはその目) を X とする.
X の分布, 分布関数, 平均, 分散を求めよ.
問題 9 サイコロを 2 個投げて出た目のうち小さい方 (同じ目のときはその目) を Y とする.
Y の分布, 分布関数, 平均, 分散を求めよ.
(解説) サイコロを 2 個振って出た目の大きいほうを X, 小さいほうを Y とする. サイコロ の 1 個目の目を i, 2 個目の目を j とすると, 標本空間と確率は,
Ω = { ω = (i, j) ; i, j ∈ { 1, 2, 3, 4, 5, 6 }} , P ( { ω } ) = P ( { (i, j) } ) = 1 36 で与えられる. X, Y は Ω で定義された確率変数であり,
X : Ω ∋ ω = (i, j) 7→ max { i, j } , Y : Ω ∋ ω = (i, j ) 7→ min { i, j } , で与えられることになる. X, Y の値について表を作ると, 次のようになる.
X(i, j) Y (i, j)
i \ j 1 2 3 4 5 6
1 1 2 3 4 5 6
2 2 2 3 4 5 6
3 3 3 3 4 5 6
4 4 4 4 4 5 6
5 5 5 5 5 5 6
6 6 6 6 6 6 6
i \ j 1 1 1 1 1 1
1 1 1 1 1 1 1
2 1 2 2 2 2 2
3 1 2 3 3 3 3
4 1 2 3 4 4 4
5 1 2 3 4 5 5
6 1 2 3 4 5 6
この表から X と Y の確率分布がわかる.
k 1 2 3 4 5 6
P (X = k) 1/36 3/36 5/36 7/36 9/36 11/36 P (Y = k) 11/36 9/36 7/36 5/36 3/36 1/36
分布関数は, F
X(x) = P (X ≤ x), F
Y(x) = P (Y ≤ x) である. x は実数全体を走ることに
注意. そのグラフを示しておく.
-
x
1 2 3 4 5 6
F
X(x)
cs cs cs c
s c
s c
s
0
1 36
4 36
9 36
16 36
25 36
1
-
x
1 2 3 4 5 6
F
Y(x)
c
s c
s c
s cs cs cs
0
11 36
20 36
27 36
32 36
35
36
1
平均と分散は公式にあてはめて計算する.
E(X) =
∑
6 k=1kP (X = k)
= 1 × 1
36 + 2 × 3
36 + 3 × 5
36 + 4 × 7
36 + 5 × 9
36 + 6 × 11
36 = 161 36 , E(X
2) =
∑
6 k=1k
2P (X = k)
= 1
2× 1
36 + 2
2× 3
36 + 3
2× 5
36 + 4
2× 7
36 + 5
2× 9
36 + 6
2× 11
36 = 791 36 , V(X) = E(X
2) − E(X)
2= 2555
36
2≈ 1.971.
同様にして,
E(Y ) = 91
36 E(Y
2) = 301
36 , V(Y ) = 2555 36
2.
関連問題 サイコロの面の数を一般化する. n 面体サイコロを 2 個投げて出た目のうち大き
い方 (同じ目のときはその目) を X, 小さいほうを Y とする. X, Y の分布, 分布関数, 平均,
分散を求めよ.
関連問題 サイコロの個数を一般化する. サイコロを 3 個投げて出た目のうち大きい方 (同 じ目のときはその目) を X, 小さいほうを Y とする. X, Y の分布, 分布関数, 平均, 分散を求 めよ.
(解説) 確率 P (X ≤ k) は容易. よって,
P (X = k) = P (X ≤ k) − P (X ≤ k − 1) = ( k
6 )
3−
( k − 1 6
)
3, k = 1, 2, . . . , 6, となる. これを用いて,
k 1 2 3 4 5 6
P (X = k) 1/216 7/216 19/216 37/216 61/216 91/216 E(X) = 119
24 , E(X
2) = 5593
216 , V(X) = 2261
12
3.
Y についても同様.
k 1 2 3 4 5 6 P (Y = k) 91/216 61/216 37/216 19/216 7/216 1/216
E(Y ) = 49
24 , E(Y
2) = 1183
216 V(Y ) = 2261 12
3.
関連問題 サイコロを n 個投げて出た目のうち大きい方 (同じ目のときはその目) を X, 小 さいほうを Y とするとき, X, Y の平均, 分散の n → ∞ における極限を求めよ.
問題 10 ある国では, 病気 A の感染者は 500 人に 2 人の割合であるという. 検査 B は, 感
染者の 95%に陽性反応を示すが, 非感染者の 100p % にも陽性反応が出てしまう. ある人が
この検査を受けて陽性反応が出た. この人が感染者である確率を求めよ. この確率が p とと もにどのように変化するかを考察せよ.
(解説) ベイズの公式の典型的問題. 感染している事象を A, 陽性反応が出る事象を B とす ると,
P (A) = 2
500 , P (A
c) = 498
500 , P (B | A) = 0.95, P (B | A
c) = p.
ここで, ベイズの公式によって,
P (A | B) = P (A)P (B | A)
P (A)P (B | A) + P (A
c)P (B | A
c) =
2
500
× 0.95
2
500
× 0.95 +
498500× p = 1.9 1.9 + 498p ここで, p はこの検査薬の一種のエラーを表すといえる. p = 0 ならエラーなしなので, P (A | B) = 1 となり, 陽性反応が出れば感染者と断言できる. 実際上, p = 0 とはできないが, できるだけ 0 に近いほうがよい. また, P (A | B) は p とともに単調減少することも明らかで ある. しかし, この程度の観察では不十分. 重要なことは, P (A | B ) が p = 0 から少しでも p > 0 となるだけで劇的に減少することである.
㪇 㪇㪅㪉 㪇㪅㪋 㪇㪅㪍 㪇㪅㪏 㪈㪅㪇
㪇㪅㪉 㪇㪅㪋 㪇㪅㪍 㪇㪅㪏 㪈㪅㪇
p P(A|B)
たとえば, P (A | B) ≥ 0.5 (陽性反応が出たもののうち半数以上が感染者) を保つためには,
p = 0.38% という精度が要求されるのである.
問題 11 5 人から 2 人の委員を選ぶことになった. そこで, 5 枚のカードを用意して, その うちの 2 枚にあたりと書いたくじをつくり, 5 人が順に引くこととした. 委員になりたくない 人は何番目に引くのがよいだろうか? (2 人の委員を決めるのが目的であるから, 一度引かれ たカードは元に戻さない.)
(解説) 有名な問題なので詳細は省略する. 樹形図などを用いて書き上げればよい. 何番目 に引いても当たる確率は同じである.
問題 12 0 から 9 までの数字を 5 個並べて作った乱数 00000, 00001, . . . , 99999 のうち 1 つ を考える.
(1) i = 0, 1, . . . , 9 とする. 選ばれた乱数に i がちょうど 1 個含まれる確率を求めよ.
(2) i = 0, 1, . . . , 9 とする. 選ばれた乱数に i がちょうど 2 個含まれる確率を求めよ.
(3) 選ばれた乱数に 0, 1, . . . , 9 のうち少なくとも 1 つがちょうど 2 個含まれる確率を求めよ.
(4) 選ばれた乱数に 0, 1, . . . , 9 のうち少なくとも 2 つがちょうど 1 個含まれる確率を求めよ.
(解説) i がちょうど1個だけ含まれる事象を A
i, i がちょうど 2 個だけ含まれる事象を B
iとおく.
(1) i にかかわらず P (A
i) は一定であることは明らか. P (A
0) を求めよう. 0 から 9 までの 数字を 5 個並べて作った乱数で 0 がちょうど 1 個だけ含まれるものは,
0 ∗ ∗ ∗ ∗ ∗ 0 ∗ ∗ ∗ ∗ ∗ 0 ∗ ∗ ∗ ∗ ∗ 0 ∗ ∗ ∗ ∗ ∗ 0
のような形をもつ. ただし, ∗ には 0 以外の数字が自由に入る. そのような乱数の個数は
| A
0| = 5 × 9
4. したがって,
P (A
i) = 5 × 9
410
5= 32805
100000 = 6561 20000 .
(2) 0 から 9 までの数字を 5 個並べて作った乱数で 0 がちょうど 2 個だけ含まれるものは,
00 ∗ ∗ ∗ 0 ∗ 0 ∗ ∗ · · · ∗ ∗ ∗ 00
のような形をもつ. ただし, ∗ には 0 以外の数字が自由に入る. そのような乱数の総数は
| B
0| = ( 5
2 )
× 9
3= 10 × 9
3. よって,
P (B
i) = 10 × 9
310
5= 729
10
4.
(3) P (B
0∪ B
1∪ · · · ∪ B
9) を求めればよい. ここで, 異なる 3 個の B
i, B
j, B
kの共通部分 は空であるから,
P (B
0∪ B
1∪ · · · ∪ B
9) =
∑
9 k=0P (B
k) − ∑
0≤j<k≤9
P (B
j∩ B
k)
P (B
j∩ B
k) = P (B
0∩ B
1) である. B
0∩ B
1は 0 がちょうど 2 個, 1 がちょうど 2 個含まれる 乱数の全体であるから,
| B
0∩ B
1| = 8 × 5!
2!2!1! = 240.
よって,
P (B
j∩ B
k) = 240 10
5= 24
10
4したがって,
P (B
0∪ B
1∪ · · · ∪ B
9) =
∑
9 k=0P (B
k) − ∑
0≤j<k≤9
P (B
j∩ B
k)
= 10 × 729
10
4− 45 × 24
10
4= 729
10
3− 1080
10
4= 621 10
3(4) 少なくとも 2 つの数字がちょうど 1 回現れるので, 次の 3 通りの場合がある.
(i) 2 つの数字がちょうど 1 回現れるもの. たとえば, 01222 (ii) 3 つの数字がちょうど 1 回現れるもの. たとえば, 01233 (ii) 5 つの数字がちょうど 1 回現れるもの. たとえば, 01234 (i) のパターンの乱数は (
10 2
)
× 8 × 5!
1!1!3! = 7200 個ある. (ii) のパターンの乱数は
( 10 3
)
× 7 × 5!
1!1!1!2! = 50400 個ある. (iii) のパターンの乱数は
( 10 5
)
× 5! = 30240 個ある. よって, 求める確率は,
7200 + 50400 + 30240
10
5= 87840
10
5= 8784
10000 = 549
625
(注意) (3) で, (4) のようにパターンに分けて確率を計算してもよい. 場合分けを尽くして いない解答多数あり. また, (4) では,
P
( ∪
0≤j<k≤9
(A
j∩ A
k) )
の確率を計算してもよい.
問題 13 1 2 3 4 5 の に + または − のいずれかをランダムに選んで数式を作ると き, その答えが 3 の倍数になる確率を求めよ.
(解説) に ± をいれてできる数式が 2
4= 16 通りある. それらをすべて計算して, 3 の倍 数になるものが 6 通りある. よって, 求める確率は 6/16 = 3/8.
ちょっとした工夫: 3 の には ± いずれを入れても 3 の倍数であるか否かに影響しな い. したがって, 1 2 4 5 を考えてもよい.
問題 14 ある 2 人は正午から午後 1 時の間に 10 分間だけ公園に立ち寄るのが日課である.
ただし, 公園に到着する時刻はお互いにランダムであるとする. この 2 人が公園で遭遇する 確率を求めよ (確率モデルを明確に作り, それをもとに計算すること).
(解説) 一方の人が公園に到着する時刻を 0 時 X 分, 他方が公園に到着する時刻を 0 時 Y 分とする. 題意から, X, Y はそれぞれ [0, 50] 上の一様分布に従い, それらは独立である. 標 本空間は
Ω = { (x, y) ; 0 ≤ x ≤ 50, 0 ≤ y ≤ 50 } 一般の事象 E の確率は
P (E) = | E |
| Ω | とすればよい. さて, 2 人が遭遇する事象は
E = { (x, y) ∈ Ω ; | x − y | ≤ 10 }
となる (下図). したがって, その確率は,
P (E) = 1 − 40
250
2= 9
25 .
x
y
問題 15 2 つの事象 E, F に対して, P (E) = 1
3 , P (F ) = 1
2 , P (E ∪ F ) = 2
3 がわかってい る. 次の確率を求めよ.
P (E
c), P (E ∩ F
c), P ((E ∪ F
c)
c), P (E | F ), P (E | F
c), P (E ∩ F | E ∪ F )
(解説) Venn 図を参考にすれば簡単だろう.
E F
Ω
E䌽F
まず,
P (E
c) = 1 − P (E) = 1 − 1 3 = 2
3 . 次に,
P (E ∪ F ) = P (E ) + P (F ) − P (E ∩ F ) を用いると,
P (E ∩ F ) = P (E) + P (F ) − P (E ∪ F ) = 1 3 + 1
2 − 2 3 = 1
6 . そうすると,
P (E ∩ F
c) = P (E) − P (E ∩ F ) = 1 3 − 1
6 = 1 6 . ドモルガンの法則を用いて,
P ((E ∪ F
c)
c) = P (E
c∩ F ) = P (F ) − P (E ∩ F ) = 1 2 − 1
6 = 1 3 . 条件付き確率については,
P (E | F ) = P (E ∩ F )
P (F ) = 1/6 1/2 = 1
3 , P (E | F
c) = P (E ∩ F
c)
P (F
c) = 1/6 1/2 = 1
3 , P (E ∩ F | E ∪ F ) = P (E ∩ F )
P (E ∪ F ) = 1/6 2/3 = 1
4 .
問題 16 [条件付き確率は直感にあわないかも] 1 から 10 の番号が付いている 10 枚のチケッ
トがある. このうち 1 番と 2 番が当たりくじとなっている. 一郎は 4 枚のチケットを買った.
(1) 一郎は 1 番をもっていると告げた. このとき, 残りの 6 枚にあたりが残っている確率を 求めよ.
(2) 一郎は少なくとも 1 枚の当たりをもっていると告げた. このとき, 残りの 6 枚にあたり が残っている確率を求めよ.
(解説) (1) A: 一郎が 1 番をもつ事象, B: 一郎が 2 番をもつ事象 P (A) = P (B) =
( 10 4
)
−1( 9 3
)
= 4 10 P (A ∩ B ) =
( 10 4
)
−1( 8 2
)
= 4
30 , P (A ∩ B
c) = 4 10 − 4
30 = 8 30 .
残り 4 枚に当たりが残っている事象は, (A ∩ B)
c= A
c∪ B
c. 求める確率は P ((A ∩ B)
c| A) で ある. ここで,
(A ∩ B)
c∩ A = (A
c∪ B
c) ∩ A = (A
c∩ A) ∪ (B
c∩ A) = B
c∩ A に注意すれば,
P ((A ∩ B)
c| A) = P (B
c∩ A | A) = P (B
c∩ A)
P (A) = 8/30 4/10 = 2
3 . (2) 求める確率は P ((A ∩ B)
c| A ∪ B) である.
(A ∩ B)
c∩ (A ∪ B) = (A ∩ B
c) ∪ (A
c∩ B)
がドモルガンの法則を繰り返して計算する, またはベン図によってわかる. そうすれば,
P ((A ∩ B)
c| A ∪ B) = P (A ∩ B
c) + P (A
c∩ B)
P (A ∪ B) = 8/30 + 8/30 20/30 = 4
5 . 問題 17
(1) サイコロを 1 つ投げて出た目の 2 倍を X とする. X の分布関数, 平均, 分散を求めよ.
(2) サイコロを 2 つ投げて出た目の和を Y とする. Y の分布関数, 平均, 分散を求めよ.
(解説) (1) サイコロ 1 個を投げて出た目を Z とする. Z の分布は,
P (Z = k) = 1
6 , k = 1, 2, . . . , 6.
Z の平均は
E(Z ) =
∑
6 k=1k × 1 6 = 7
2 .
また,
E(Z
2) =
∑
6 k=1k
2× 1 6 = 91
6 . したがって,
V(Z) = E(Z
2) − E(Z)
2= 91 6 −
( 7 2
)
2= 35 12 . これをもとにすれば,
E(X) = E(2Z) = 2E(Z ) = 2 × 7 2 = 7, V(X) = V(2Z) = 2
2V(Z) = 4 × 35
12 = 35 3 .
(2) サイコロ 1 個を 2 回投げたとき, 1 回目に出た目を Z
1, 2 回目に出た目を Z
2とする.
Z
1, Z
2の分布は (1) の Z と同じであり, それらは独立である. Y = Z
1+ Z
2となるから, E(Y ) = E(Z
1) + E(Z
2) = 2E(Z) = 2 × 7
2 = 7, V(Y ) = V(Z
1) + V(Z
2) = 2V(Z) = 2 × 35
12 = 35 6 . 分布関数は省略.
問題 18 長さ L の棒をランダムに 2 分割したとき, 短いほうの断片の長さを X とする. X の分布関数, 密度関数, 平均, 分散を求めよ.
(解説) まず, 標本空間を Ω = [0, L], 確率を P (E) = | E |
| Ω | = | E |
L , | E | は E の長さ,
で与えることに注意する. X の取る値は, 0 ≤ X ≤ L/2 であるから, その分布関数につい て, x < 0 なら F (x) = 0, x ≥ L/2 なら F (x) = 1 がわかる. さて, 0 ≤ x ≤ L/2 のときは,
F (x) = P (X ≤ x) を求める必要がある. 短いほうの断片の長さが x 以下ということは, 棒の
両端から x の長さの範囲で棒が折られたことを意味する.
x x
よって,
{ X ≤ x } = [0, x] ∪ [L − x, L]
となる. したがって,
F (x) = P (X ≤ x) = 2x
L .
以上, まとめて.
F (x) =
0, x < 0,
2x/L, 0 ≤ x ≤ L/2, 1, x ≥ L.
これを微分して, 確率密度関数 f(x) が求められる.
f (x) =
{ 0, x < 0 または x > L/2, 2/L, 0 ≤ x ≤ L/2.
なお, x = 0, L/2 では微分できないが, f (x) の値としては, 右微分でも左微分でもどちらか
の値を対応させておけばよい. (確率密度関数は積分して使うので, 1 点の値は気にしなくて よい. 詳しくは「測度論」が必要.)
平均値は,
E(X) =
∫
L/2 0xf(x)dx = L 4 . 分散は,
V(X) =
∫
L/2 0x
2f(x)dx − E(X)
2= L
248 .
問題 19 中心を O とする半径 R の円の内部にランダムに 1 点を選び, その点を通る中心 を O とする円の面積を X とする. X の分布関数, 密度関数, 平均, 分散を求めよ.
(解説) X の分布関数 F (x) = P (X ≤ x) を求めよう. 題意から, 0 ≤ X ≤ πR
2であるか ら, x ≤ 0 では F (x) = 0, x ≥ πR
2では F (x) = 1 である. では, 0 < x < πR
2とする. ラン ダムに選ばれた点と円の中心 O との距離を r とすれば, X = πr
2. したがって,
X ≤ x ⇔ 0 ≤ r ≤
√ x π そのような r をもつ点は, 下図の色塗り部分である.
R r
O
その面積は,
π (√ x
π )
2= x.
よって,
F (x) = x
πR
2, 0 ≤ x ≤ πR
2. 密度関数は, 分布関数を微分して,
f(x) = F
′(x) =
1
πR
2, 0 ≤ x ≤ πR
20, その他.
つまり, X は [0, πR
2] 上の一様分布に従う.
平均は
E(X) =
∫
πR20
x 1
πR
2dx = πR
22 . 分散は,
V(X) =
∫
πR20
x
21
πR
2dx − m
2= (πR
2)
212 .
問題 20 次の分布の確率母関数 G(z) を簡潔な式で表し, それを利用して分布の平均と分 散を求めよ.
(1) パラメータ p の幾何分布
(2) パラメータ λ > 0 のポアソン分布
(解説) (1) パラメータ p の幾何分布は k 7→ p(1 − p)
k, k = 0, 1, 2, . . . で与えられる. 母関 数は
G(z) =
∑
∞ k=0p(1 − p)
kz
kである. これを簡潔な形にすることが求められている!無限等比級数であるから G(z) = p
1 − (1 − p)z
である. (収束域は | (1 − p)z | < 1 であるから, z = 1 は収束域に含まれる. このことは確認を 要するが, 今回は気にせず先に進む.) 微分して,
G
′(z) = p(1 − p)
(1 − (1 − p)z)
2, G
′′(z) = 2p(1 − p)
2(1 − (1 − p)z)
3. したがって,
G
′(1) = p(1 − p)
p
2= 1 − p
p , G
′′(1) = p(1 − p)
22p
3= 2(1 − p)
2p
2. したがって, 公式によって,
m = G
′(1) = 1 − p
p , σ
2= G
′′(1) + G
′(1) − G
′(1)
2= 1 − p
p
2.
(2) パラメータ λ のポアソン分布は k 7→ e
−λλ
kk! , k = 0, 1, 2, . . . で与えられる. 母関数は G(z) =
∑
∞ k=0e
−λλ
kk! z
kである. これを簡潔な形にすることが求められている!指数関数のテイラー展開を用いて,
G(z) = e
−λ∑
∞ k=0(λz)
kk! = e
−λe
λz= e
λ(z−1)である. (収束域は, すべての実数 z である.) 微分して,
G
′(z) = λe
λ(z−1), G
′′(z) = λ
2e
λ(z−1). したがって,
G
′(1) = λ, G
′′(1) = λ
2. したがって, 公式によって,
m = G
′(1) = λ, σ
2= G
′′(1) + G
′(1) − G
′(1)
2= λ.
問題 21 [負の二項分布] (1) 成功確率 p のベルヌイ試行列 X
1, X
2, . . . において初めて r 回 1 が出る間に出る 0 の回数を N とする. ただし, r ≥ 1 は整数の定数である. N の分布を簡 潔な式で表せ.
(2) A, B の 2 人がコイン投げによるゲームをする. ゲームはどちらかが先に 5 勝した段階
で終わり, 賞金 10000 ユーロを受け取ることになっていたが, A が 3 勝, B が 2 勝した段階 でゲームを中止することとなった. 賞金はどのように配分するのが公平だろうか, (1) をもと に計算せよ.
(解説) (1) N = k ということは, はじめの k + r − 1 回のうち, 1 が r − 1 回, 0 が k 回起 こり, k+r 回目に 1 が出ることを意味する:
k+n−1
z }| {
∗ ∗ ∗ ∗ ∗ ∗ · · · ∗ ∗∗ 1 ∗ は 0 または 1 その確率は,
P (N = k) =
( k + r − 1 k
)
p
r−1q
k× p =
( k + r − 1 k
)
p
rq
k, q = 1 − p.
(2) A が勝つためには, A が 2 勝する間に B が 2 勝以下であればよい. A が 2 勝する間に B の勝つ回数を N とすれば, (1) によって,
P (N = k) =
( k + 2 − 1 k
) ( 1 2
)
2( 1 2
)
k=
( k + 1 k
) ( 1 2
)
2+k求める確率は,
P (N = 0) + P (N = 1) + P (N = 2) = ( 1
2 )
2+ 2 ( 1
2 )
3+ 3 ( 1
2 )
4= 11 16 B の勝つ確率は 1 − 11
16 = 5
16 . したがって, 賞金はこの比率で分配するのが良い.
A の分配金 = 10000 × 11
16 = 6875, B の分配金 = 10000 × 5
16 = 3125.
問題 22 [幾何分布の無記憶性] T を幾何分布に従う確率変数とするとき,
P (T ≥ m + n | T ≥ m) = P (T ≥ n), m, n = 0, 1, 2, . . . , を証明せよ. このことの意味を説明せよ.
(解説) P (T = k) = pq
kであるから, P (T ≥ m) =
∑
∞ k=mpq
k= pq
m1 − q = q
m. { T ≥ m + n } ⊂ { T ≥ m } であるから,
P (T ≥ m + n | T ≥ m) = P (T ≥ m + n)
P (T ≥ m) = q
m+nq
m= q
n= P (T ≥ n).
T はコイン投げにおいて, 表が出るまでの待ち時間である. 過去に m 回投げて表が出ない状 況で, 今後 n 回続けて表が出ない確率は, 過去とは無関係にこれから始めて投げて, n 回続け て表が出ない確率に一致する. つまり, コイン投げは過去の履歴に関係しないことの表れで ある.
問題 23 (1) 確率変数 X が正規分布 N (20, 4
2) に従うとき, P (X > 17.8) を求めよ.
(2) 確率変数 Y が正規分布 N ( − 2, 5
2) に従うとき, P ( | Y | ≥ 1) を求めよ.
(解説) (1) Z ∼ N (0, 1) とする.
P (X > 17.8) = P
( X − 20
4 > 17.8 − 20 4
)
= P (Z > − 0.55) 標準正規分布表から
P (Z > − 0.55) = 0.5 + P (0 ≤ Z ≤ 0.55) = 0.5 + 0.2088 = 0.7088.
よって,
P (X > 17.8) = 0.7088.
(2) まず,
P ( | Y | ≥ 1) = P (Y ≤ − 1) + P (Y ≥ 1)
= P
( Y + 2
5 ≤ − 1 + 2 5
) + P
( Y + 2
5 ≥ 1 + 2 5
)
= P (Z ≤ 0.2) + P (Z ≥ 0.6).
標準正規分布表から
P (Z ≤ 0.2) = 0.5 + P (0 ≤ Z ≤ 0.2) = 0.5 + 0.0793 = 0.5793, P (Z ≥ 0.6) = 0.5 − P (0 ≤ Z ≤ 0.6) = 0.5 − 0.2257 = 0.2743.
したがって,
P ( | Y | ≥ 1) = 0.5793 + 0.2743 = 0.8536.
問題 24 X が N (50, 10
2) に従う確率変数のとき, 次の等式を満たす a, b を求めよ.
P (X ≤ a) = 0.33, P (X > b) = 0.985 (解説) (1) 標準化
Z = X − 50 10 を用いる.
0.33 = P (X ≤ a) = P
( X − 50
10 ≤ a − 50 10
)
= P (
Z ≤ a − 50 10
)
= P (
Z ≥ − a − 50 10
)
よって,
P (
0 ≤ Z ≤ − a − 50 10
)
= 0.5 − 0.33 = 0.17.
標準正規分布表から
− a − 50
10 = 0.44 したがって, a = 45.6.
a
㻡㻜(2) (1) と同様に標準化して考える.
0.985 = P (X > b) = P
( X − 50
10 > b − 50 10
)
= P (
Z > b − 50 10
) . したがって,
P (
0 ≤ Z ≤ − b − 50 10
)
= 0.985 − 0.5 = 0.485.
標準正規分布表から
− b − 50
10 = 2.17.
よって, b = 28.3.
b 㻡㻜
問題 25 X が標準正規分布 N (0, 1) に従う確率変数であるとき, Y = aX + b の分布関数 と確率密度関数を求めよ. ただし, a, b は定数である.
(解説) X ∼ N (0, 1) の分布関数と確率密度関数は, F
X(x) = P (X ≤ x) =
∫
x−∞
f
X(x)dx, f
X(x) = 1
√ 2π e
−x2/2で与えられる. Y = aX + b の分布関数は, 定義によって,
F
Y(x) = P (Y ≤ x) = P (aX + b ≤ x).
ここで, 事象 { aX + b ≤ x } は, a > 0 なら
{
X ≤ x − b a
}
, a < 0 なら {
X ≥ x − b a
} ,
となる. (a = 0 のときは Y = b となる. つまり, Y は b という確定した値だけをとる離散型
確率変数になり, 連続型確率変数でなくなる. 問題で初めから除外しておくのが適切であっ
た).
まず, a > 0 のときは,
F
Y(x) = P (
X ≤ x − b a
)
= F
X( x − b a
) . x で微分して,
f
Y(x) = F
X′( x − b a
) 1 a = 1
a f
X( x − b a
)
= 1
a √
2π e
−(x2a−b)22. これが, Y の確率密度関数である.
次に, a < 0 のときは, F
Y(x) = P
(
X ≥ x − b a
)
= 1 − P (
X ≤ x − b a
)
= 1 − F
X( x − b a
) . x で微分して,
f
Y(x) = − F
X′( x − b a
) 1 a = − 1
a f
X( x − b a
)
= 1
− a √
2π e
−(x2a−b)22. a > 0 と a < 0 の場合をまとめて,
f
Y(x) = 1
√ 2πa
2e
−(x−b)22a2と書いてもよい.
問題 26 [a, b] 上の一様分布の平均値と分散を, 定義にしたがって密度関数を積分すること
で求めよ.
(解説) 定義によって, m =
∫
ba
x dx
b − a = 1 b − a
[ x
22
]
b a= b
2− a
22(b − a) = a + b 2 . 同様に分散は,
σ
2=
∫
b ax
2dx
b − a − m
2= 1 b − a
[ x
33
]
b a− m
2= b
3− a
32(b − a) −
( a + b 2
)
2= (a − b)
212 . 問題 27 パラメータ λ > 0 の指数分布の平均値と分散を, 定義にしたがって密度関数を積 分することで求めよ.
(解説) 定義によって, m =
∫
∞0
xλe
−λxdx, σ
2=
∫
∞0
x
2λe
−λxdx − m
2.
簡単な部分積分によって,
∫
∞0
xλe
−λxdx = 1 λ ,
∫
∞0
x
2λe
−λxdx = 2 λ
2がわかる. したがって,
m = 1
λ , σ
2= 2
λ
2− m
2= 1 λ
2. 問題 28
(1) 公平なコインを 1000 回投げたとき, 表が 550 回以上出る確率を求めよ.
(2) 公平なサイコロを 250 回投げたとき, 1 の目の出る回数が 30 回以下になる確率を求めよ.
(解説) (1) 公平なコインを 1000 回投げたとき, 表の出る回数を X とすれば, X ∼ B(1000, 1/2).
この二項分布の平均と分散は, m = 1000 × 1
2 = 500, σ
2= 1000 × 1 2 × 1
2 = 250 = 15.81
よって, B(1000, 1/2) ≈ N (500, 15.81
2). 求める確率を正規分布で近似するとき, 半目補正す る方が近似がよい.
P (X ≥ 550) = P (X ≥ 549.5) = P
( X − 500
15.81 ≥ 549.5 − 500 15.81
)
このとき,
Z = X − 500 15.81 とおくと, Z ∼ N (0, 1) としてよい. こうして,
P (X ≥ 550) = P (Z ≥ 3.13) = 0.5 − P (0 ≤ Z ≤ 3.13).
正規分布表から P (0 ≤ Z ≤ 3.13) = 0.4991. よって,
P (X ≥ 550) = 0.5 − 0.4991 = 0.0009
(2) 公平なサイコロを 250 回投げたとき, 1 の目の出る回数を X とすれば, X ∼ B(250, 1/6).
この二項分布の平均と分散は, m = 250 × 1
6 = 125
3 ≈ 41.67 σ
2= 250 × 1 6 × 5
6 = 625
18 ≈ 34.72 = 5.89
2よって, B(250, 1/6) ≈ N (41.67, 5.89
2). 求める確率を正規分布で近似するとき, 半目補正す る方が近似がよい.
P (X ≤ 30) = P (X ≤ 30.5) = P
( X − 41.67
5.89 ≤ 30.5 − 41.67 5.89
)
= P
( X − 41.67
5.89 ≤ − 1.90
)
このとき,
Z = X − 41.67 5.89 とおくと, Z ∼ N (0, 1) としてよい. こうして,
P (X ≤ 30) = P (Z ≤ − 1.90) = 0.5 − P (0 ≤ Z ≤ 1.90).
正規分布表から P (0 ≤ Z ≤ 1.90) = 0.4713. よって,
P (X ≥ 550) = 0.5 − 0.4713 = 0.0287
問題 29 X が標準正規分布 N (0, 1) に従う確率変数であるとき, Y = X
2の分布関数と確 率密度関数を求めよ.
(解説) Y の分布関数は
F
Y(x) = P (Y ≤ x) = P (X
2≤ x) であるから, 明らかに, x ≤ 0 のときは F
Y(x) = 0. x > 0 とすれば,
F
Y(x) = P ( − √
x ≤ X ≤ √ x) であるが, X は標準正規分布に従うので,
F
Y(x) = 2P (0 ≤ X ≤ √
x) = 2
√ 2π
∫
√x 0e
−t2/2dt (*) がわかる. Y の密度関数 ρ(x) は F
Y(x) の導関数である. x ≤ 0 ならば, 明らかに ρ(x) = 0.
x > 0 のときは,
ρ(x) = 2
√ 2π d dx
∫
√x0
e
−t2/2dt = 2
√ 2π × 1 2 √
x e
−x/2= e
−x/2√ 2πx . グラフは次のようである. x ≤ 0 のとき ρ(x) = 0 なので表示していない.
㩷㪇 㩷㪈 㩷㪉 㩷㪊 㩷㪋 㩷㪌
㩷㪇 㩷㪈 㩷㪉 㩷㪊
(注意) (*) を微分せず, 変数変換してもよい. t → √
s とおくと, dt = ds
2 √ s
t : 0 → √ x s : 0 → x そうすると,
F
Y(x) = 2
√ 2π
∫
√x 0e
−t2/2dt = 2
√ 2π
∫
x 0e
−s/2ds 2 √
s =
∫
x 0e
−s/2√ 2πs ds.
被積分関数が ρ(x) である.
問題 30 [指数分布の無記憶性] X を指数分布に従う確率変数とするとき,
P (X ≥ a + b | X ≥ a) = P (X ≥ b), a, b ≥ 0, を証明せよ. このことの意味を説明せよ.
(解説) 定義によって,
P (X ≥ a) =
∫
∞a
λe
−λxdx = [
− e
−λx]
∞a
= e
−λa. また, { X ≥ a + b } ⊂ { X ≥ a } であるから,
P (X ≥ a + b | X ≥ a) = P (X ≥ a + b, X ≥ a)
P (X ≥ b) = P (X ≥ a + b) P (X ≥ b) . よって,
P (X ≥ a + b | X ≥ a) = e
−λ(a+b)e
−λa= e
−λb= P (X ≥ b).
指数分布の待ち時間で起こる事象の起き方についてあらわしている.
時間 a 経過して起こらなかったという条件のもと, さらに時間 b 経過しても起こらない確 率は, 過去の経過時間 a によらずに, 今から時間 b の間に起こらない確率に等しい. つまり, この事象の生起について, 過去の状況が影響しない.
問題 31 2 個のサイコロを同時に投げて出た目の積の 10 倍の金額がもらえるゲームを行う.
もらえる金額を Z とするとき, (1) Z の確率分布を求めよ.
(2) (1) を用いて, Z の平均値 (期待値ともいう) を求めよ.
(3) 平均値の乗法性を用いて, Z の平均値を求めよ.
(解説) (1) 2 個のサイコロは独立であるから, サイコロを区別して出た目を X, Y とすれば,
Z = 10XY となる. X, Y の値について Z の値を表で表わすと次のようになる.
X \ Y 1 2 3 4 5 6
1 10 20 30 40 50 60
2 20 40 60 80 100 120
3 30 60 90 120 150 180
4 40 80 120 160 200 240 5 50 100 150 200 250 300 6 60 120 180 240 300 360 したがって, Z の確率分布は次のようである.
z 10 20 30 40 50 60 80 90 100
P (Z = z) 1/36 2/36 2/36 3/36 2/36 4/36 2/36 1/36 2/36
120 150 160 180 200 240 250 300 360
4/36 2/36 1/36 2/36 2/36 2/36 1/36 2/36 1/36 (2) 公式によって,
E(Z) = ∑
z
zP (Z = z) = 10 × 1
36 + 20 × 2
36 + · · · + 360 × 1
36 = 245 2 . (3) 独立確率変数の積に対する平均値の乗法性によって,
E(Z) = E(10XY ) = 10E(X)E(Y ).
X と Y は同分布であり, { 1, 2, 3, 4, 5, 6 } 上の一様分布である. よって, E(X) = E(Y ) = 7
2 . したがって,
E(Z ) = 10 ( 7
2 )
2= 245 2 .
問題 32 L > 0 とする. 正方形 Ω = { (x, y) ; 0 ≤ x ≤ L, 0 ≤ y ≤ L } から, ランダムに 1 点 P を選び, x 軸と y 軸に垂線を下ろし, その足を A, B とする. 長方形 OAP B の面積の平均 値を求めよ.
(解説) A の x 座標, B の y 座標とも確率変数である. それらを X, Y と書こう. このとき, 長方形 OAP B の面積 S は
S = XY
で与えられる. さて, P は正方形 Ω = { (x, y) ; 0 ≤ x ≤ L, 0 ≤ y ≤ L } からランダムに選ば れるが, 題意から, どの点も同様な確率で得られるような確率モデルを考えるのが適当であ る. つまり, 事象 E ⊂ Ω に対して,
P (E) = | E |
| Ω | = | E |
L
2.
そうすれば, 0 < x, y < L として,
P (X ≤ x, Y ≤ y) = xy L
2となる. 一方,
P (X ≤ x) = xL L
2= x
L , P (Y ≤ y) = yL L
2= y
L であるから,
P (X ≤ x, Y ≤ y) = P (X ≤ x)P (Y ≤ y)
が成り立つ. これは X, Y が独立であることを示している. よって, 平均値の独立性によって, E(S) = E(XY ) = E(X)E(Y ).
X, Y は [0, L] 上の一様分布に従うから,
E(X) = E(Y ) = L 2 . こうして,
E(S) = ( L
2 )
2= L
24 .
問題 33 確率変数 X が二項分布 B(m, p) に従い, 確率変数 Y が二項分布 B (n, p) に従う ものとする. X, Y が独立であれば, X + Y は二項分布 B(m + n, p) に従うことを示せ.
(解説) 定義から, P (X = j ) =
( m j
)
p
jq
m−j, P (Y = k) = ( n
k )
p
kq
n−k, q = 1 − p.
一方, l = 0, 1, 2, . . . , m + n に対して,
P (X + Y = l) = ∑
j+k=l
P (X = j, Y = k) であるが, X, Y は独立であることに注意して,
P (X + Y = l) = ∑
j+k=l
P (X = j )P (Y = k)
= ∑
j+k=l
( m j
) p
jq
m−j( n k
) p
kq
n−k= ∑
j+k=l
( m j
)( n k
)
p
j+kq
m+n−(j+k)= p
lq
m+n−l∑
j+k=l