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植物核ラミナ-染色質間相互作用を司る分子機構の研究

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2016210

植物核ラミナ

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染色質間相互作用を司る分子機構の研究

生物資源科学専攻 作物生産生物学講座 作物生理学研究室 望月遼太

1. はじめに

動物の核膜の核質側に広がる核ラミナはラミンタン パク質の繊維からなる網目構造 である。ラミンは,細胞核の形態維持,クロマチン (染色質) の高次構造形成,DNA の複製,RNA の転写などの機能に深く関わっている。植物にラミンはないが,ラミン に類似した構造をもつ NMCP1が存在する。NMCP1はニンジン細胞で最初に同定され たタンパク質であり,間期細胞では核の表層に局在する。その構造上の特徴や,有糸 分裂にともなう動態から,ラミンとの類似性が示唆されるが,NMCP1がラミンと同様 の機能を持つかは明らかにされていない。NMCP1 は,Head, Rod, Tail 3つの領域に よって構成されている。ニンジン NMCP1 (DcNMCP1) の核表層への局在には,Rod 域の一部を含む Head領域,核移行シグナルおよび Tail 領域の 6残基 (RYNLRR) が必 須である。このアミノ酸 6残基は,広範囲の植物種において,R/Q/HYNLRR/Hとして

NMCP1 類縁タンパク質に保存されている。本研究は,NMCP1 の機能を探る手がかり

を得ることを目的として,このモチーフと相互作用するタンパク質の特定を試みたも のである。

2. 方法

DcNMCP1 Tail 領域を含む GST 融合タンパク質を作成し,これをベイトとしてニ

ンジンおよびシロイヌナズナの核タンパク質のファーウエスタンブロッティングを行 い,相互作用するタンパク質を検出した。検出されたシグナルに対応するシロイヌナ ズナタンパク質をトリプシン消化し,分解産物を質量分析により解析した。得られた 質量をもとに,結合したタンパク質を推定した。さらに,推定されたタンパク質との 相互作用を酵母ツーハイブリッド法 (Y2H) によって確認した。

3. 結果と考察

ニンジンおよびシロイヌナズナから抽出した核タンパク質から相互作用を示すタン パク質が得られた。ファーウエスタンブロッティングで検出された 40kDa のタンパク 質は,質量分析の結果から,actin-related protein 7 (ARP7),histone deacetylase HDT2 あると推定された。一方,70kDa のタンパク質からは mediator of RNA polymerase II transcription subunit 37f が推定された。NMCP1 Tail領域とこれらのタンパク質の相 互作用を Y2H において確認したところ,ARP7 を発現しているクローンが栄養選択培 地で安定に生育した。ニンジンやセロリの NMCP1 は,有糸分裂後期の染色体表層に結 合することが報告されている。また,CRWN1 (シロイヌナズナのNMCP1 オーソログ) の 機 能 欠 損 に よ っ て ク ロ マ チ ン 構 造 に 変 化 が 起 こ る こ と が わ か っ て い る 。 さ ら に , ARP7 が,クロマチン再構築複合体構成要素として機能していることが報告されている。

本研究において明らかとなった ARP7 との結合は,NMCP1 がクロマチンの高次構造 形成の制御に関わる複合体と相互作用している可能性を示唆している。

参照

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