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ホウレンソウの間性主働遺伝子座乗候補領域のゲノム構造解析

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,201727

ホウレンソウの間性主働遺伝子座乗候補領域のゲノム構造解析

生物資源科学専攻 植物育種科学講座 遺伝子制御学 岩渕 恵佑

1.背景および目的

ホウレンソウ(Spinacia oleracea

L.)は雌雄異株植物として一般に知られているが,特定の

ホウレンソウ系統および品種から,様々な雌花率(一株あたりの雌花割合)を示す間性株(雌 雄異花同株)を見出すことができる.現在,ホウレンソウの経済的

F1

ハイブリッド採種では 間性系統が積極的に利用されており,F

1

育種のさらなる効率化に向けて間性発現機構の解明 が必要とされている.これまでに,間性系統

03-336

の間性発現に関わる主働遺伝子(M)が 性染色体上で雄決定遺伝子(Y)と約

15 cM

の距離で連鎖していることを明らかにしてきた.

本研究では,M 座乗候補領域の絞り込みおよび塩基配列の決定を試みた.

2.材料および方法

間性固定系統

03-336

と雌雄異株系統

03-009

間の

F2

集団(82 個体)および性染色体をカバ ーする分子マーカーを用いて間性形質に関する

QTL

解析を行った。次いで、系統

03-336

お よび

03-009

間の交雑後代(F

4

および

S4BC2F1

など)から選抜した組換型個体を用いて,M 座 乗候補領域の絞り込みを試みた。次いで,

M

座乗候補領域をカバーする系統

03-336

および

03- 009

に由来する

BAC

ゲノムクローンの塩基配列を決定し,両系統における当該領域の塩基配 列を比較した.さらに,

RNAseq

リードのマッピングによって,

M

座乗候補領域に含まれる転 写領域(遺伝子領域)の同定を試みた.同定された遺伝子の発現は,RT-PCR によって調査し た.

3.結果および考察

QTL

解析により,マーカーSP_0052 および

SP_0124

に挟まれた

1.3cM

の領域に間性発現に

関わる遺伝子(M)が座乗することが示唆された。当該領域の組換型個体を用いた解析により

M

座乗候補領域を約

21 kbp

に絞り込み,この領域の塩基配列を決定した。この塩基配列へ系

03-336

および

03-009

に由来する

RNAseq

リードをマップした結果,この領域には少なくと

4

つの遺伝子(M-ORF1

M-ORF4)が座乗している可能性が示された。さらに,同領域から

系統

03-336

および

03-009

間の構造変異が

45

個見出された.しかし,大多数の変異(42)は

遺伝子間領域に位置しており,残りの変異は

M-ORF2

および

M-ORF4

座から見出された.M-

ORF4

座から見出されたのは比較的小さな変異(SNP および

InDel [1 bp])であり,イントロ

ンに位置しているので発現に影響を及ぼす可能性が低いと考えられた.一方,M-ORF2 座か

らは約

800 bp

InDel

変異が見出された.次に,

M-ORF2

InDel

変異サイトから見出された

系統

03-336

に特異的な配列を標的とする

RT-PCR

解析行った.その結果,系統

03-336

の栄養

成長期の地上部および花序に由来する全

RNA

から

cDNA

が増幅されたが,系統

03-009

に由

来する全

RNA

からは増幅産物が得られなかった.今後は,

M-ORF2

に関して詳細な発現解析

および形質転換系を用いた機能解析を行い,当該遺伝子と間性発現の関連性を検証すること

が課題となる.

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