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地方自治体における請願・陳情の研究
今 橋 盛 勝
目 次
評価がなされ,国民主権原理とのかかわりで,「補1. 請願権の法理と本稿の方法論
ω請願権の研究と法轍 充的鯵政権」・「参政権の性格鮪する」権利
(2}本稿の方法論H である等の学説が展開されてきた。しかし・請願
(3}本稿の方法論口 権に関し三1)「法律的にいえば・単に希望をのぺる 一住民組織と訴訟外的解決方法_ だけの行為」であって・いわゆる請求権ではない 2.水戸市における請願。陳情 とする憲法解釈,及び「これを受理または採用し
ω水戸市の概況 た官公署に対し,特別の法律上の拘束を課するも
(2}水戸市議会の請願・陳情 のではなく,請願者の権利義務その他の法律関係 (2)
去s行政部局への請願 に何らの影響を及ぼすものではない」とする判例 一市民サービスセンターへの請願を中心とし を越えた法規範性を憲法解釈論として展開できな
て『@ かった。また,請願権が「参政権的に理解され,
〈以上本号〉 機能されるべきであるとしても,そのことが具体
3.水戸市行政と行政需要 的に何を意味するのか,その理解によって何が解
請願権に関する研究は,永井憲一「請願権の現
(4) (5)
1.請願権の法理と本稿の方法論 代的意義」,「請願権の再評価」以後,必ずしも 理論的に深化されなかったが,渡辺久丸「立法過
ω請願権の研究と法解釈 程への国民参加一請願権による場合を中心として (6)
@憲法学における請願権(憲法16条)研究は他の 一」(1978年)は,表題のごとく立法過程への国民 人権研究に比して質的にも量的にもきわめて乏し 参加という新たな視角から請願権の歴史・学説・比 いと思われる。それは次の2つの理由に基づくと 較法的研究,法規範性に関する理論・実証にわた 考えられる。ひとつは,憲法16条の請願権に関し る本格的研究として注目される。
て「近代的議会制度の発達によって国民参政の途 憲法16条の請願権が住民の地方自治体への請願 が広く設けられ,また司法制度が確立して,より を含んでいることについては異論はない。請願権 有効な権利救済の途が整備するに至っては,請願 に関する論文・法解釈において,地方自治体にお のもつ救済手段としての実質的効用は極めて少な ける住民の請願権及び地方自治法124−5条が言及 くなった」とする法学協会編『註解日本国憲法』 されるということはあったが,それはまさに「言 に代表される歴史的評価と学説が有力な説として 及」にとどまっている。憲法解釈としては,国会 存在してきたためである。第二。この学説に対し に対する請願を対象として憲法16条論を展開し,
て「60年安保問題」における請願の役割を契機と それを地方自治体における請願に当てはめるとい して,請願権の現代的意義についての再認識・再 う方法をとっている。他方において,行政法学・
2 茨城大学政経学会雑誌第43号 醒
u地方自治法学」においては,住民の請願権は, いるとすれば,陳情を請願と区別して法的に違質 憲法16条に言及しつつも地方自治法124−5条の規 なものとして扱うことは事実に反することになる 定を解説的に扱うため,議会の権限の1つとして (陳情に関して,行政慣習法による請願権の行使
位置づけられ,「請願受理権」として論及される であるという法解釈が成立するか否か)。本稿で (7)にとどまっている。地方自治体における住民の請 は,議会の請願と陳晴とが「議員の紹介」の有無
願権の法的性格についても,前述した憲法16条の の外,内容・主体。審議・機能等の点で違いがあ 法解釈を越える法規範性を付与することはできな るかどうかを明らかにしていきたい。第二は,市 かった。とにかく,地方自治体における請願に関 長・教育委員会等行政部局に対する請願・陳情を する独自の研究は,前掲渡辺論文(地方自治体の 地方自治体における請願の分析から除外すること 請願については部分的である)と吉田論文を除い の法解釈,認識上の問題である・これまでの行政 て皆無にひとしいのではなかろうか。 法学, 「地方自治法学」における請願への言及
(2)本稿の方法論e は,地方議会の請願受理権との関係においてなさ 請願権の憲法思想史的研究・比較法的研究・憲 れていることは前に述ぺた。それは,地方自治法 法史・学説史的研究と共に,請願の内容・政治過 の規定・制度の解説という方法に由来している。
程・行政過程における運用と機能・実効性及び主 その結果として,憲法16条の請願権は議会への 体等を法現象として把え,認識の問題として分析 それに倭小化され,行政部局への請願は,地方自
しなければ,請願権の法理論も法解釈も深化しな 治法に規定がないことから,法解釈上も認識上も・
いと考える。その場合でも,国と地方自治体に 除外されてきたといっていいだろう。確かに,地 おける請願を同一に論ずることができるのか,都 方自治法上,請願権を住民の権利として真正面か 道府県と市町村の請願を同一に論ずることができ ら規定した条文はないが,憲法16条の請願権の主 るのであろうか。少くとも,法社会学的には,そ 体に自治体に対する住民が含まれていることは学 れらを同一のものとしては認識できない。また, 説・行政解釈上異論はないはずである。それゆ 同じく市町村レベルにおいても,請願の人口比件 え,憲法16条一請願法という請願一般に関する法 数,内容,主体,議会,執行部の対応,機能,実 の体系は,地方議会に対する請願に関しては・憲 効性等にはかなりの相違が見られる。それらの相 法16条一(請願法)一地方自治法124〜5条一議会 違を生み出している要因は何であろうか。自治体 規則という法の体系に転化するが,地方自治体の
における請願権の法社会学的研究は,それが皆無 行政部局への請願に関してはそのまま適用される 9
に等しい現段階では,分析結果として到達しうる と解される。かくして,地方自治体における請願 であろう認識が,対象として措定した地域と時期 の研究は,当然のことながら行政部局への請願を とによって制約・規定された特殊的・部分的認識 も分析対象としなければならないということにな であることを十二分に踏まえながらも,分析対象 る。
と時期を限定してかからざるをえないのである。 行政部局への請願を分析対象に含ませることか それが,本稿が水戸市の昭和52−3年の請願を対 ら,次の新たな認識・法解釈上の問題が生まれる。
象とした根拠である。 議会への請願と陳情の区別の基準は法解釈上は,
特定自治体の時期を限定した請願に関する分析 紹介議員の有無に求められたが,行政部局への請 が,「地方議会の請願権」の分析と同一であるか 願と陳情については,憲法16条一請願法からいっ は疑問がある。というのは,第一に,議会に対す てその明確な基準をそれら以外の法規に求めるこ る請願と陳情の違いは,地方自治法124条の請願 とができない。さらに,請願・陳情に類似した概 の1つの要件としての「議員の紹介」の有無にあ 念に,苦情・意見表示があり照会・相談等があ るとしても,議会規則によって同一に処理されて る。「請願.iと文書に表示されているものだけを
今橋:地方自治体における請願・陳1青の研究 3
請願とする法解釈は,住民意識と行政対応に適合 方自治法学」の認識・法解釈の外に一貫して置か せず,形式的にすぎるであろう。その判断基準を れてきた。しかし近時行政法学者の内部から,行 憲法16条と請願法に求め,「請願」とは「国また 政手続,住民参加,行政訴訟との関係において,
は地方公共団体の機関に対し,その職務に関する 「利益代表」,「私的利益集団」, 「公共的利益 事項につき,希望をのべること」 (宮沢)という 集団1,「住民の自治的自発的集団」を直視し,
解釈に立つとすれば,請願であるか否かの判断 それらをふまえた行政法理論の構築が進められつ (9)は,文書等に表示された文字によってではなく, つある。地方自治体における請願を概観してもわ
その内容に即してなされなければならない。それ かるように「権利能力なき社団」によって実体的 ゆえ,本稿では原則として,行政部局への請願・ に担われているという事実を踏まえるなら,権利 陳情・苦情・意見を分析対象とし,照会・相談等 能力がない,また,原告適格性をもたないからと ,はずすことにした。 いう理由で認識対象から除外するのではなく,権
これら地方議会と行政部局への請願を分析対象 利能力なき住民組織が請願の担い手になりうる根 とすることによって,それらの内容的関係,議会 拠,メカニズムこそ解明されなければならない。
と行政部局との関係等を明らかにすることができ 住民組織に関する研究は,社会学を中心とし政 よう。さらに・請願が住民・地域の生活・生産・ 治学・行政学においても進められ,多くの理論的 営業・教育文化等の諸問題とどう関連しているの ・実証的蓄積がある。自治体行政においても,社 か,行政需要のどの部分を反映するのか,またな 会教育行政における「社会教育関係団体」,補助 ぜ反映しないのか,行政施策とどう関連するのか 金行政,「コミュニティ行政」だけでなく広汎な行 等を解明することは,地方自治体の請願に関する 政領域において,住民組織は行政主体としての市 重要な研究課題であるといわなければならない。 町村と行政客体としての 個としての住民 との中
(3)本稿の方法論口 間の組織として位置を与えられ,機能している。
一住民組織と訴訟外的解決方法一 それは第一に地域において,地域・階層・職業等の 地方自治体における請願は・一人の住民が行う 利害,関心の共存性を基礎として,組織としての というより,何らかの結合・統合的契機と統合的 独自的活動をしつつ,第二に,町村の意思・施策 力量をもつ住民の存在を前提とした一定数の住民 を地域住民に伝達・強制したり,そこでの「合意」
によって一般的には行われている・しかも・一定 形成の機能を果たし,第三に,地域の諸課題のうち 数の住民による請願は,多くが町内会・部落会・ 組織として取り上げ住民意思を統合して市町村に
PTA,労働団体,住民運動団体等の組織によっ 伝達・要望すべき問題を選択し実践するという三 て担われている・請願権の法解釈学的理解によれ っの機能を果たしている。請願は住民組織の第三 ばその権利主体は自然人及び法人であると解さ の機能の典型として位置づけることができよう。
れている・それゆえ・一定数の住民による請願は・ これまでの伝統的行政法学・「地方自治法学」
法人格をもち,権利主体である個々の住民の請願 が一貫して住民組織を認識対象から除外してきた 権を集合的に行使したものと解され,法人格をも 根拠として,権利能力論を先きにあげた。成文法
たず・権利能力をもたない住民組懲は請願権の主 規が住民組織に法人格を認めていない以上,法解体にはなりえないと解されている・住民組織に関 釈学としての行政法学・「地方自治法学」がそれ
するこの法解釈は,請願だけでなく行政法関係, を認識対象から除外してきたのは必然的帰結であ 行政法学全体に貫徹している。それゆえ,行政主 ったといっていい。さらにもう一つの方法論上の 体における行政組織・行政機関は法概念として重 根拠がある。行政行為論を中心とした行政法解釈 要な意味を付与されているが,住民組織は行政法 学,住民の権利保障論は,主として,しかも最終 関係の主体になりえないがゆえに,行政法学・「地 的には,行政訴訟,国家賠償法を中心とした訴訟
4 茨城大学政経学会雑誌第43号
的解決という法的問題の解決方法とわかちがたく 方法論は,行政法規一行政法解釈を媒介として,
結びついて展開されてきている。この点にこそ, 訴訟的解決と構造的・論理的に結合し,その解決 同じく地方自治体問題,地域問題,住民の生活問 の場において重要な意義をもってきた。しかし,
題を対象としながら,地方財政論,地域社会論, すでに明らかな如く,法的問題・権利問題の訴訟 地域権力構造論,生活構造論,社会計画論,行政 外的解決のもつ現代的意義もまた正しく評価され 学等の隣接社会科学と区別される行政法学の方法 なければならない。この訴訟外的解決に着目する 論的特異性と存在意義があったというぺきであろ 時,そこでは 個としての住民 概念だけでは方
う。行政行為における裁量性,抗告訴訟における 法論的に有効ではなく, 組織としての住民 概 訴えの利益・原告適格等の問題も,上に述ぺた法 念を地域・自治体問題という法的問題の分析方法 的問題のとらえ方,訴訟的解決方法の中に位置つ として導入しなければならない。これが,地方自 けられ,その理論的・訴訟的枠組の中で有効性を 治体における請願の法社会学的研究を志向する本 持ってきたのである。確かに,ある行政法解釈, 稿のもう一つの方法論である。
権利論,体系的解釈学としての行政法学が,行政 注(1)宮沢俊義『日本国憲法』228頁,昭30年 日本評 法上の問題の裁判に対して,また,行政活動と住 論社
民の法意識・法行為に対して持つ法理論的影響力 (2)東京地判昭32.1.31行裁例集8巻1号32頁 は決して少くない。 (3}吉田善明「地方議会における請願権」,法学セミ
しかし,住民の生存・生活・生産・教育文化に ナー増刊『現代地方自治』175頁・昭54年 かかわり,行政責任にかかわる問題はすべて訴訟 ω 『経済学季報』第10巻第2号
的解決の方法をとるのであろうか,訴訟的解決に (5)『総合法学』44号・この論文は永井『憲法学の基
礎認識』所収なじむのであろうか。60年代後半から70年代前半
(61『立命館法学』第139号の住民運動・市民運動は,それらの問題を自治体
(7)俵静夫『地方自治法』は,議会の権限の1つとし
竭閨E地域問題としても把握しその解決を地方自 て請願受理権を簡潔(!)に扱っている。このよ 治体に迫り,一定の解決を得ていった。それらの うな請願権の論及の仕方は,これだけではない。
運動の一部は・訴訟と並行して展開されたり,あ 60年代の日本社会の変動,地域問題の発生,地方 一るいは,訴訟的解決方法に行きついていった。前 自治への関心の高まりという事態に直面して,「行
者においてはとりわけそうであるが,後者におい 政を規制する法を研究対象とする行政法学が・・無 ても,訴訟的解決を自治体に迫りうる運動体の力 関心でありうるはずがない」という鋭い問題関心 量,運動を支えた住民組織の機能,質的変化を捨 から,行政法学のテキスト編成を行政法総論,行 象したのでは,裁判の提起・継続も考えられない 政手続・行政争訟・地方自治法の3冊に分けて構 場合がかなりあるし,判決の意味も正確には認識 成された『行政法(3}一地方自治法一』(有斐閣。昭
51)においても,請願権は住民の権利に関する章できないであろう。さらにまた,現行法規・行政
(第3章地方自治と住民)では全く言及されず,法理論と行政法判例を前提とした時,なお,訴訟
議会の権限としての「請願受理権」で言及されて的解決に期待できない領域,つまり,裁判を成立
させる要件を備え,裁判所に通用する厳格な法論 (8)行政実例では,婦人会・青年団・水道設置促進期いる。
理を構築しえない問題領域 行政活動領域魁現 成会等の権利能力のな、、社団が夜表著名で請願で
代行政の特質として,とりわけ給付行政において きる旨の回答をしている。このことはそれらの権
広範囲に存在していることも認識しておかねばな 利能力なき在曲名による請願を許容するものでは らない。 ないと解される。
このように,法人格の主体,権利能力の主体と (9}代表的著書・論文として,兼子仁『現代フランス しての住民を 個としての住民 として把握する 行政法』,原田尚彦「私的利益集団と行政参加」
今橋:地方自治体における請願・陳i青の研究 5
東大教養部社会科学紀要(1975年)・田1寸悦一「地 昭35年から50年までの5年間人口増加率は11.19 域住民及び地域団体の法的地位とその保障一判例 %,1a13%,13.9%と10%強の人口増をみてき に対する若干の疑問」立錨法学1975年1・2号・ た俵1).産業轍は第1次産瓢3%,第2次
小高剛『住民参加手続の法理』がある。 産業21.4%,第3次産業69.0%と商業・サービス
2.水戸市における請願.陳濤 業を中心とした構成になっている(表2)・水戸 市制は明治22年と古く,その後昭和8年1村を合
(1)水戸市の概況 併編入し,昭和27年から33年の問に11村を合併編 水戸市は茨城県庁所在地で東京からほぼ100キ 入してきた(表1)。そのため,市制施行時の2㌫7 ロ圏に位置する人口約21万人の地方都市である。 倍昭和24年の市域の11.0倍の面積に拡大した。
〔表1〕 水戸市の人口・合併等の推移
年 別 人 口 面 積 明治22年 25,591人 6.17㎡ 市制施行 昭和 5年 50,422 〃
8 64,771 13.26 常磐村編入
20 49,495 〃 終戦
24 67,885 13.37 吉田村の一部編入
27 8巳2,351 39.23 緑岡村、上久野村一邨編入
ll 110,435 P20,775
86.93 P11.54
上大野杖柳河村、渡里杖吉田村、酒門村の一甑河和田村の一部編入 ム富村、国田村編入
33 132,944 146.02 赤塚村(3村合併)編入
35 139,389 145.96 40 154.983・ 〃
45 17凱789 〃
50 197,953 〃
53 209,380 〃
水戸市勢要覧(1979)から作成
〔表2〕 産業別人口構成比 (%) つあり,それぞれにおいて町村合併以来の異った 産業別 40年 45年 50年 地域問題を残しつつ新たな地域問題を生み出して
第一次産業 17.5 13.2 9.3 いる。
第二次産業 21.4 2L7 21.5
第三次産業 61.1 65.1 69.2 〔表3〕市会議員党派別内訳
計 100.0 100.0 100.0
昭和46年 昭和50年 昭和54年 水戸市勢要覧(1979)から作成
公 明 党 4 5 5
日本社会党 5 4 3
この旧水戸市と近隣農村との広域合併は,今日ま 日本共産党 2 2 3
での水戸市政のあり方・水準を規定してきた大き 民 社党ゥ由民主党
{ } }
な要因であると考えられる。この旧水戸市域とそ 無 所 属 23 23 23
計 36 36 36
れを囲む旧11村との間の産業基盤・生活環境・公
共施設等の点における格段の差違は今日なお存在 水戸市の政治構造の一面は市議会の党派別議員 している。水戸市といっても,都市と農村の併存 構成に現わされている。無所属議員のほとんどが という構造をもっているのである。しかし,昭和 地域(旧村等)代表的性格をもっているのと対照 40年一50年において,旧水戸市域は約20彩程度の 的に社会・民社は官公労組・東電労組等労働組合 人口減少が生じ,隣接地域及び中小団地造成地域 に支持基盤を置いている。
の人口が50−300%程度の増加を見せており,こ 水戸市行政の1つの転換は昭和47年の市庁舎へ の傾向はその後も続いている。その結果として, の移転に求められると思われる。それは,市行政 中心市街地一人口急増地域一農村地域に分化しつ 組織の大巾な改編(昭47)に始まり, 「水戸市総
6 噛 茨城大学政経学会雑誌第43号
合計画」(昭44)の見なおしの上に策定された「水 一部地域で処理が開始された。また,総合計画一 戸市第2総合計画」(昭51・3)に結実した。この 毎年度「3か年実施計画」一単年度予算編成とい 間,市長公室,市民サービスセンター,道路補修 う「計画的総合的行政」の重視,地方で,「市民 事務所(昭47),都市計画部下水道課の下水道部 アンケート」調査(昭49・53),住民組織・「市
としての独立(昭49,都市下水課は50年新設)文 民活動」に関する調査(昭53)にみられる公聴活 化福祉会館設置(昭50)等の行政機構の整備が進 動,行政需要把握の評価,コミュニティ政策の導 められた。水戸市の中心市街地,人口急増地域の 入等,行政手法にも変化がみられる。
都市化の進行に対して,「都市計画法」(昭43)にも 最後に,水戸市が被告となった訴訟事件及び和 とづき46年に「線引き」,48年に用途地域指定がな 解事件を概観しておくことにしたい(表4)。訴訟 され,他方で,昭和28年から着手された公共下水 事件7件中,国家賠償事件が4件を占めており・和 道事業は昭和49年8月終末処理場運転開始がされ 解事件9件中,訴訟上和解が3件を占めている。
〔表4〕 係争中の訴訟事件と和解事案
訴 訟 事 件 和 解 事 案 事 件 名 提 訴
N 月 日 備 考 事 件 名 事故発生
N 月 日 和 解 額 1.東京高裁損害賠償請求控 (原審) 1審,2審水芦市 1 第五中学校窓枠落下によ 48.a 7 生995442円
訴事件 45.4.24 敗訴 る負働事故 . @ 1「
@ 噛
(排水池転落水死事故)
2 スポーツ少年団ダート矢 49.12. 6.000,000円 2 国家暗償事件 4乳 9.27 水戸市敗訴
失明事故 1 \訴訟上和解)
@ 提訴49.1223
伍軒町地内市道段差事故)
3 第五中バレーポール部. 昏L 乳29 乳50α000円
a 土地所有権移転登記 一 5α 4.16 水戸市勝訴
活動中の負傷事龍
抹消登記請求事件 原告控訴
〔千波公園用地買収の無劾 4 青柳5号線上1ζおける 51. 7.19 1,41a678円
訴) ハイク転倒負傷事故 (示談和解)
4 土地所有権確認等請求事 49」2.16 5 土地所有権確認等請求事 (提訴年弓日) 100.000円
件 件 51. 9 6 (他の和解条件あり)
(御殿山団地付近市道 く訴訟上和解)
境界争)
6 駅南冠水道路車輌浸水 52. 8.18 ll9,000円
5 土地所有権確認等請求事 51. 9。13 事故 (示談和解)
件 7 都市計画道路用地買収 53。 1. 一
(見和町地内地道境界争)
鰍 (示談和解)
a損害賠償請求事件 53. 乳10
8 森林公園ジャンボ滑り台 54. 3. 330,180円
(備前堀幼児水死事故)
滑降中の負傷事件 (示談和解)
7 損害賠償請求事件 54.11.10 刑事事件1審暴行罪 9 保和苑内の猿による 54. 8. 12α320円
(第五中教師体罰事件) 有罪〔5哉 L16) 負傷事故 (示談和解)
{2) 水戸市議会の請願・陳1青 ②団体・組織の判断・性格及び案件の内容から特 ω請願・陳晴の概要 定議員との結びつきを回避する・③内容に賛意す 水戸市議会においては,多くの市町村議会と同 る紹介議員を得られない,④陳晴の容易さをと 様に,請願と陳情とは同一一に扱かわれている(市 る,の4つのケースが考えられる・請願の紹介議 議会規則134条)。両者の違いは紹介議員の有無に 員数は,1〜2名,21〜22名もあるが5〜8名が多く すぎないといっていいだろう。陳1青の方式をとる 平均6・2人である(昭52〜53)・紹介議員が当該 のは,①地域に議員がいない,面識・関係がない, 請願の集約と委員会での審議,採択後の行政部局
今 橋:地方自治体における請願・陳盾の研究 7
とのかかわりに平均的に関与しているのではな おいて都市化の著しい土浦市・取手市,旧産炭地 く,実質的紹介議員はかなり特定化しうるといわ 域・過疎地域である北茨城市,さらには,東京の れる。この10年間の請願・陳1青件数の推移(表5) 武蔵野市等と比較(52〜53年)しても,人口比請 を見ると年平均113・8件であり,約20万人という 願等件数は高い。
人口規模の日立市の約2倍であり,茨城県内に 請願に即してみると,受理した議会は請願の要 仁
〔表5〕 44〜53年の請願・陳清件数(水戸・日立)
44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 計 年平均
講 願 水 戸 77 100 106 78 83 89 125 80 53 84 875 87.5 日 立 60 49 72 59 52 39 42 51 26 22 472 47.2
陳 情 水 戸 32 28 30 22 26 22 30 23 25 25 263 26.3
日 立 17 7 6 6 5 12 28 21 16 18 136 13.6
計
水 戸 109 128 136 100 109 111 155 103 78 109 1138 113.8 日 立 77 56 78 65 57 51 70 71 42 40 607 60.7 水戸市。日立市各事務報告書から作成
旨等を記載した請願文書表を作成して各議員に配 ある。私たちは,請願等の内容を鮮明に表わすた 布するとともに,一般には,所管の常任委員会に めに,頻度の高いものをグループ化し,5分類と 付託する。委員会の審議状況については,委員会 した。ここで「下水道」に市道の側溝を含ませたの が新聞記者を除き公開を原則としていないため詳 は,公共下水道・都市下水路等が未整備な状況の 細については委員会会議録等をもとに明らかにす 下で,側溝が雨水処理機能を越えて生活雑排水路
る他はなく,この課題は続稿で解明することにし として使用され,機能しており,かつ,市当局が たい。議会事務局,議員からのヒアリングによれ 事実上黙認しているという事実に立脚したからで ば,①請願等について関係行政部局からの資料提 ある。また,「都市下水路」には市街化区域の排 示,説明を受け,②審議の過程において請願の箇 水路・溝を含んでいる。表6が示すように,「市
所の現況確認調査を実施し,③審査は閉会中の継 道」36.2%,「下水道」39.7%に集中しており, (1)
続審査とされ,多くの時間をかけているといわれ 2項目で75.9%を占める。さらに小項目をみると ている。委員会は,採択・不採択・継続審査のい 「市道」では「舗装」 (23.4%)に集中し, 「下
ずれがを決定するが,「不採択とする場合にも,必 水道」では「側溝」(19.6%)と「都市下水路」 (1)
ず意見をつける」とされている。本会議において (14.7%)に集中し,この3小項目で57、7%(実 採択された請願等のうち市行政当局の権限に関す 質60.7%)に達していることが判明する。
る請願等にはほとんど「本請願(陳1青)について 「教育・文化・福祉」は,校舎増築,学校災害 は願意に添うよう努力されたい」という意見が附 補償,学区再編(2件),公民館・幼稚園・児童 されており,市長及び教育委員会に対して「処理 館・遊園地・移動図書館の設置等の教育・文化に の経過及び結果の報告」(地自法125条)を求めて 関する請願等と,老人福祉の充実・原爆被害者災害
送付されている。執行機関から議会への報告は次 対策,民間保育施設の災害補償・防災対策,私立 (1)
の定例会に行う,とされているが例外も見られ 保育所児童の生牛乳支給・保育行政(保育料等),
る。 心身障害者義務教育の在園就学の措置等の福祉に
(2)請願・陳情の内容 関する請願等から成っている。その他の18件(8.8 昭和52〜53年の2ケ年の請願等文書表をもとに %)には,区画整理促進,消火栓設置,急傾斜地 して内容別分類を示すために作成したのが表6で の危険区域指定,派出所設置,米の「生産調整」反対
8 茨城大学政経学会雑誌 第43号
〔表6〕 議会請願・陳1青内容別分類
52年 53年 合 計
件 数 % 件 数 彫 件 数 彩
舗 装 17+」21 23十{61 40十⑧ 23.4
拡 幅 2 11, 2 11[ L5
歩 道 ω {1} 0.5
側 溝 蓋 1 2し12」 3十12} 2.5
市道 市 道編 入 1十{1} 1 2十 11 1.5
整 備 2十111 4 6十ω 3.4
舗装十市道編入 1十ω 2十ω 3十② 2.5
舗装+拡 幅 {11 {1} 0.5
拡幅十歩 道 1 1 0.5
計 24十151 34.9 33十働 37.2 57十煙 36.3
公共下水道 1十〔1, 1 2十{1[ L5
都市下水路 9十12[ 18十111 27十{31 14.7
下氷道 排 水 路 3 2十111 5十{11 2.9
側 溝 10十121 18十 0 28十働 19.6
俊 藻 2 2 1.0
計 23十151 33.8 41十働 43.8 64十任η 39.7
カーブミラー 2 3 5
信 号 機 1 1
交通 交通規制焉@ 道 橋 圭 1 苧
駐 軍 場 1 1
バ ス 運 行 1 2 3
計 5 6.0 .8 6.6 13 6.4
教 育 教 育 7 2 9
文 化 文 化 1 1 2
福 祉 福 祉 4 3 7
計 12 14.5 6 5.0 18 8.8
そ の 他 9 10.8 9 7.4 18 8.8
合 計 73十{5} 100.0 97十㎜ 100.0 170十働 100.0
()は,1件につき2項目にわたり提出された場合
等の請願・陳惰から成っている。 平均的に少いことがわかる。このことは,水戸市
{3)請願・陳唐の主体・規模・地域 政・行政を分析していく上で重要な示唆を与えて 議会に対する請願等は,行政部局への「陳情」 いるのかもしれない。地域住民組織・集団は単一 等の一部にみられるものとは異なり,全く個人的 町内会(規模)から小学校区単位(学区ごとに組織 利害に終るものはなく,請願等の内容に関する利 されている市政協力員連絡協議会)までの幅をも
害・必要性・理念等の地域的・階層的・思想的共 っているが,請願等の内容・署名者数を加味して (2)
通性を基礎として集団的・組織的になされるのが 考えると,単一町内会程度であると推定できる。
一般的である。集団・組織の性格に応じて分類し また,町内会規模が大きいところ,または,問題 た表7を見ると,町内会等地域住民組織・集団が が地域的に狭隙な場合は,班・複数班が単位にな 84.6%と圧倒的に多く,他の6つの組織・団体が っている請願等も決して少くない。
「表7 議会請願・陳晴主体別分類
52年 53年
請願 陳情 計 % 請願 陳情 計 % 合 計 彩 町内会等地域住民組織 43 16 59 75.7 79 20 99 90.7 158 84.6
教育関係組織 4 4 5.1 0 0 4 2.1 福祉関係組織 1 4 5 6.4 2 a 3 2.8 8 4.3
婦 人 組 織 1 1 L3 0 0 1 0.5
職能団体・企業 4 4 5.1 1 2 3 2.8 7 3.7
労 働 団 体 4 4 5.1 1 1 0.9 5 2.7
住民。市民運動組織 1 1 13 1 2 3 2.8 4 2.1
計 53 25 78 1000 84 25 1bg 1000 187 1000 水戸市議会請願・陳晴文書から作成
今 橋:地方自治体における請環・陳情の研究 9
署名者数を地域住民組織・集団について見れ いるのであろうか。この請願等の実効性を把握す ば,町内会長1名という少数のものも若干あり, るためには,ひとつは,請願等に関する議会の議 他方で「バス便数増加」(2,328人), 「団地駐 決結果(採択・不採択等)を検討しなければなら 車場」(1,691人),「バス運行」(676人),「側 ず,もうひとつは,採択された請願等の執行状況 溝排水路築造」(667), 「小学校区再編成」 を明らかにしなければならない。
(671−709人),「公立幼稚園設立」(1,915人) 〔表8〕 採択・不採択等の内訳
のように,問題の地域的ひろがりの大きさに応じ
て多数の住民の賛意を得ているものもあるが圧倒 5 昭和52年 昭和53年 合 計
件 数 % 件 数 彩 件 数 %
的多数は30〜150人程度である。PTAによって 採 択
65 83.3 100 91.7 165 88.2 担われた請願等は組織の人的規模と問題の性格か 不採択 7 9.0 4 3.7 11 5.9 取下げ 6 7.7 1 0.9 7 3.8
ら700人前後3件,3,739人とかなり多人数になっ 審議未了 一 一 4 3.7 4 2.1
ている。水戸市においては数少い市民運動の1つ 合 計 78 100 109 100 187 100 (3)
ナある「移動図書館運行に関する請願」 (水戸市 水戸市議会会議録から作成 の図書館をよくする会)4,196名も注目される。職
能団体・蝶は織て若干名と少数である. 表8は議会の議決結果猿わして・・る・採択率 地域住賄織喋団によってなされ構騰を は88・2%と高い・もっとも・ここで採択としたの
は,請願等の実行性を把握するために,継続審査小学校区に分類すると,旧市街地に隣接する人口
急増地域が最も多く,旧市街地域が中間的位置を とされたもので最終審査結果・採択となったもの 占め農村部が最も少い。 を含んでいる。各年の事務報告書にもとついて採 ここで若干の要約をするなら,水戸市議会の請 択率を算出する方法では実態を正確に把握するこ 願・陳情の内容的特徴として,①国,県の政策を とはできない。審議未了は54年3月定例会におい 批判,反対するものは数件にすぎず,市の施策に て結論が出なかった請願等であり,「市営住宅駐 関するものが圧倒的に多い,②市の施策に関して 車場設置」・ 「営林署等統廃合に反対する採択」
も,抽象的な請願等は例外で,個別的.具体的施 「道路新設反対」(同1案件2件)の4件である。
策に関するものである,③しかも,市の個別的政 不採択請願等一覧が表9である・このうち・
策・施策・計画に反対するものは少く,個別的・ 〔表9〕不採択請願・陳1青(52〜53年)
具体的施策を要望する請願等が非常に多い,④そ ①道路改善に関する;目願
の個別的・具体的施策の地域的範域は町内会規模 ②学校災害に国の補賞を要求寸ることに関する請願 B春E台住宅の道路簡易舗装と排水膚実現に関する請揃
がかなりを占めている,の4点を指摘することが ④老人福祉の充実に関する請願
⑤老人編止充実のため政府並びに県に対する意見書の提出に関する請願
できよう。このような基本的傾向に対して,量的 ⑥弔道幅員確定に関する陳情
⑦中沢地区圭地区画整理事業に関する陳情
に少いが,教育・福祉・婦人・市民運動組織,労 ③保育所児童の生牛乳支給に関する請願
働団体等の請願・陳情が内容的にかなり異ってい ⑨保育行政に関する請願 I水道本管布設に関する請願
ることにも留意しなければならない。 ⑪特別養護老人ホームの建築及び整備に関する陳情
(4)請願・陳情の実効性 水戸市議会会議録から作成
憲法解釈学的には,「単に希望をのべるだけの ⑪は議会の議決時までに行政部局の措置が構じら 行為」(宮沢俊義),「法的効果はきわめて小さ れ解決したものであり,⑧と⑩は請願に対する議 い」(伊藤正乙)と解され,行政法学。「地方自治 会の評価(差が認められない,支障がない)
法学」の中では,「議会の請願受理権」として解 っているため不採択とされていろ。②。④。⑤は 釈されている請願及び陳情は,地方自治体の生き 国の政策批判,要求を含む水戸市における た政治・行政過程においていかなる意味を持って い請願等であるが,「国において大幅な改正が行
10 茨城大学政経学会雑誌第43号
なわれている」(②),「趣旨は理解できるが現 く把握しておらず,データは皆無である,という 段階においては困難性がある」(④⑤)との理由 ことであった。採択請願等の執行状況に関する全 で不採択とされている。①は「市道に認定できる 体的資料がない中で,52〜53年の採択請願等を中 ような環境整備が先行」,③は「敷地が借地であ 心とした187件の執行状況調査を各部局に依頼し るので現在策定中の住宅管理計画との兼ね合いも て,全体表を作成することができた。短期日の調 考え検討」,⑦は「地元の賛成が十分に得られず, 査であったため,記載内容が不明確な部分,
事業計画を断念」,⑨の保育行政(保育料が主) 方法上の若干の不統一が存するが,基本的な動向 に関する請願は「本年度すでに一部決定してい は十分に把握できる。
る」との理由で不採択になっている。これら11件 表10は,議会で採択された164件(他1件は,
のうち⑥⑪を除いた9件のうち福祉関係が4件占 「法務局関係職員の大幅な増員等を政府機関に要 めていること,②を含め5件が婦人組織,労働団 請する」請願であるが,本会議で議案として議決 体(2件),福祉関係組織(2件)であることは注 されている)の執行状況である。「執行済」
意しておかねばならない。請願等の「取り下げ」7
件の内訳は,小学校学区再編(3件),企業等か 〔表10〕 採択された請願・陳晴の執行状況 らの衛生業務に関する案件(3件),民間保育園 昭和5 年 昭和53年 合 計 の災害復旧に関する補償制度,防災対策(1件) 件 数 % 件 数 % 件 数 彫
執 行 済 34 53.1 44 44.0 78 47.6 である。それらの請願等が議会の委員会で審査継 一 部 執 行 7 10.9 19 19.0 26 15.9 調査 ・測量済 6.3 6 6.0 10 6.1
続中に,請願主体と行政部局との話し合いが進め 計 画 あ り 3 4.7 13 13.0 16 9.7
られ,行政部局の提示した施策案に請願主体が同 未執行〔計画なし)s 明 ll 21:1 11 11:1 31 11:1 意した結果,請願等が取下げられたと考えられる。 合 計 64 100 100 100 164 100 それゆえ,これらは議会への請願等の提出,委員 昭和54年12月現在 会の審査の間接的副次的効果と解される。
水戸市議会の請願・陳情に関する分析にとって 全部完了を意味し, 「計画あり」とは主として 最も重要であり,かつ,困難であったのは,採択 「3ケ年計画」に含まれていることを意味してい
された請願等が執行部によってその後どのように る。この表の評価は簡単にはできないだろう。私 して,どこまで執行されているかを把握する作業 たちにとっての関心事は評価することだけにある である。それは,議会の採択議決の実効性を認識 のではなく,「執行済」と「未執行」,その他の することでもある。ところが,研究の過程で明白 構造を解明することにある。表11を見ると,
になったことは第一に,請願等を採択した議会は, 等の集中している「市道」と「下水道」では明ら 原則として次の定例会に回答される市長報告を受 かに執行状況に違いがある。「執行済」では65.2 理した後は,採択請願等・市長報告の執行状況を全 %−27.5%,「未執行」「計画あり」の計では13.0
くフオローせず,また促進的機能も果たしていな %−33.8%。それは,道路舗装と側溝の「執行済」
いため,議会は採択された請願等の執行状況に関 80.4−25・6%に典型的に示されている。それは,
して.定例会に市長から報告される「処理の経過 施策の難易度・予算規模だけでなく,施策化の順 及び結果の報告」の綴り以外,全くデータを保持 次性・条件整備とも深くかかわっている。これら していない,第二は,執行部においても,請願等 に関する本格的解明は,「第3章水戸市の行政水 に関して議会との窓口になっている財政部は,議 準と行政需要」で展開することになるが,請願等 会から送付された採択請願等を各部課に配布し集 に対する市長回答と今回の調査の全体表から抽出 約し,市長報告として議会に報告するまではかか した事例(表12)をもとにして,執行と未執行の わっているが,それ以後の執行状況に関しては全 構造を概観することにしよう。
今 橋:地方自治体における請願・陳情の研究 11
〔表11〕 請願・陳情の内容・執行状況関連表(52〜53年) ,
執行済 一部執行 調査@測量済 計画あり 未執行
i計画なし) 不 明 計
52 15十田 1 16十ω
飾 装 53 18十131 3十12】 1
1 ω 23十{6}
52 1
拡 幅 1
53 ω q}
52 歩 道
53 〔1}
{1}
52 1 1
側 溝 蓋
53 12} 2 2十{2}
市 道.市 道 編 入 52
に} 1 1十ω
一
53 1
1
52 1十ω 1 2十111
整 備
53 2 2
舗装+市道編入 52
1 {1} 1十{1}
53 1 (1} 1 2十に1
52
舗装十拡幅 53
{1} Ul
52
拡幅+歩道 53 1
1
計 4十14} 2十② 5十11} 3十12〕 {1} 53十〔掴
公共下水直 52 2 2
、 53 1 1
都市下水路 52
6 2 1 2 11
53 5十U} 3 2 5 3 18十に】
下水 道 排 水 路 52 1十ω 1 2十{1}
53 2十{1)
2十ω 側 溝
52 3十ω 1十{1) 1 2十{1} 1 8十{3】
53 2十{4} 6十13} 3十ω 7,十ω 〔11 18十皿ω
竣 喋 52
53 1 1 2
計 16十(6} 13十14} 6十【2) 9十q} 17十【2} 3十ω 64十㈱
カーブミラー 52 1 1 2
53 3
3 52
信 号 機
53 1 1
52 1
交 通 規 制 1
交 通 53 1 1
52 1
歩 道 橋 1
53 52 駐 車 場
53 52
バ ス 運 行 1 1
53 1 1 2
計 7 3 2 12
教 育 52 3 3
一
53 1 2
教育・文 52
文 化 1 1
化・福祉 53
1 一P
52
福 祉 一. 1 1
53 1 1
計 5 4 9
そ の 他 1 2 1 1 5
4 1 一 5
合 計 72+{6} 22十141 8+2}. 15+{1} 28十12} 3十ω 148十㎝
()は2項目にわたり提出された場合
1