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本論文は5章で構 成され、その内容は以下に要約される

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Academic year: 2021

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氏 名 藤田 由季子

主論文審査の要旨

リチウムイオン二次電池は、現在ハイブリッド自動車や電気自動車など車載用・大規模 蓄電用途への展開が期待されている。そのため、民生用途で利用されているリチウムイオ ン二次電池に比べより高容量・高出力化が必要とされ、その上高い安全性と低コスト化が 求められている。それらの要求に対し、電池を構成する部材それぞれで検討が進められて いる。本論文では、電池の主構成部材である正極材料を取り扱う。学位論文提出者は、高 容量が期待できるケイ酸鉄リチウムと炭素とが複合化した材料合成に取り組み、実用的に 応用可能な材料合成プロセスを提案するとともに合成材料の組織と電池特性を丁寧に調査 し、得られた知見と材料合成プロセスの有用性を本論文に纏めている。本論文は5章で構 成され、その内容は以下に要約される。

第1章では、リチウムイオン二次電池正極材料の研究開発状況が纏められており、その 上で研究の目的が明示されている。第2章では、ケイ酸鉄リチウム合成のための熱処理条 件を検討するとともにボールミル処理による微細化と炭素との複合化を検討し、ボールミ ル処理の課題を明らかにしている。第3章では、微細な粉末合成を可能とする噴霧凍結乾 燥法を用いて、1回の熱処理で「ケイ酸鉄リチウムの合成」と「炭素との複合化」を可能 にする新しいプロセスを提案し、出発材に二種類の炭素源を用いることによりケイ酸鉄リ チウム/炭素複合粉末合成が可能であることを実証している。また、得られた材料の組織 を詳細に調査し、出発材に用いた炭素源の役割により、ユニークな複合組織が形成される こと、また炭素源の組み合わせによって複合組織を制御できることを明示している。第4 章では、実際に電池を試作して合成材料の特性を検討し、複合組織の違いが電池特性に与 える影響を明らかにしている。第5章では、第1章から第4章までの知見を整理し、本研 究を総括している。

本論文で学位論文提出者が提案する、役割が異なる二種類の炭素源を含んだ出発材の噴 霧凍結乾燥に基づくケイ酸鉄リチウム/炭素複合粉末合成は、リチウムイオン二次電池の 高容量・高出力化、ならびに高安全性と低コスト化への求めに資するところ大と言える。

本論文の内容は学位論文提出者が第一著者として2編の査読付き学術雑誌に掲載されると ともに、書籍1編ならびに英語による2件の発表を含む計6件の学術講演会発表などを通 して報告されている。さらに、論文内容および関連事項について試問した結果、学位論文 提出者は総合理解力を有することも確認できた。それらの研究発表成果は、第一著者とし て査読付き学術雑誌を2編以上公表且つ内外の学会で英語による研究成果発表を1回以上 とする、専攻講座が定める学位授与基準を満足しており、審査委員会は、提出された学位 論文は博士論文として十分な内容を有するものと判断した。

最終試験の結果の要旨

審査委員会は、学位論文提出者に対して該当論文の内容および関連分野全般について試 問を行った。その結果、論文提出者は当該研究分野および周辺領域について十分な知識と

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理解力を示し、研究者として十分な能力を有していると判断した。以上の結果にもとづき、

審査委員会は、学位論文提出者は研究者としての十分な研究遂行能力を持ち、外国語によ る論文作成能力および発表能力についても十分な能力を持つと判定し、最終試験を合格と した。

また、本論文のインターネット公表に関しては、内容の一部が学位論文提出者が所属す る企業と共同研究する相手先企業との関係上で支障があることなどから、「要約」の公表が 適切であると判断した。また、剽窃チェックソフトにより剽窃がないことを確認している。

審査委員 工学専攻物質材料工学教育プログラム 教授 松田 元秀 審査委員 工学専攻物質材料工学教育プログラム 教授 連川 貞弘 審査委員 工学専攻物質材料工学教育プログラム 准教授 橋新 剛 審査委員 工学専攻機能創成エネルギー教育プログラム 教授 池上 知顯

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