奈良教育大学学術リポジトリNEAR
プレゼンテーションに着目した国語科の授業展開に 関する実証的研究
著者 松川 利広, 松本 哲
雑誌名 奈良教育大学紀要. 人文・社会科学
巻 47
号 1
ページ 13‑22
発行年 1998‑11‑10
その他のタイトル Empirical Research into the Lesson Development in the Japanese Language Focusing on the Way of Presentation
URL http://hdl.handle.net/10105/1484
奈良教育大学紀要 第47巻 第1号(人文・社会)平成10年
Bull. Nara Univ. Educ, Vol. 47, No. 1 (Cult. & Soc), 1998
プレゼンテーションに着目した国語科の授業展開に関する実証的研究
松 川 利 広 (奈良教育大学国語科教育研究室)
松 本 哲 (奈良県月ヶ瀬小学校) (平成10年4月20日受理)
キーワード: プレゼンテーション、話し言葉、生きる力
1.は じ め に
本稿は、先に発表した「生きる力につながる国語科の 授業展開に関する実践的研究」 (『奈良教育大学紀要』第 46巻第1号(人文・社会科学)平成9年11月)」につ づくものである。
本稿においては、 「生きる力」を次のようにとらえて いる。もとより「生きる力」は文字通り「生きる力」で あり、同語反復でしか説明がつかないような総合的な概 念ではあるが、ここでは、 「自分を取り巻くいろいろな モノ・コトに対して、時間的・空間的に主体的にかか わっていくことができる能力」と規定して用いることに する。このことを、情報の「受信」と「発信」という用 語を用いて説明するならば、先ず「発信」する自分があ り、そのために主体的に「受信」し、新たな「発信」へ と展開させていくことができる能力と言い換えることが できよう。ここでは「情報」を例に取り上げたが、 「技 術」であってもよいわけで、 「このような技術を身につ けたい」という主体的な「自分」が存在しているかどう かが問題なのである。
翻って、 「国語科」の授業を見てみた場合、上で述べ たような「自分」が児童一人一人の内に存在していない のではないだろうかという「問い」が本研究の出発点で あった。そこで、先の研究においては、従来型(教師が 発問し、児童がそれに答えるという型)の授業を行い、
その内容を冷静にかつ客観的に分析することを通して、
「何」が「主体的な自分」を存在させる上で障壁となっ ているかを明らかにすることに努めたわけである。その 結果、次のような障壁が横たわっていることを明らかに することができた。
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①児童は教師の問いに対して積極的に反応し発言をし てはいるものの、それは、はじめに「受信」があって
「発信」するといういわゆる「受信型」の学習活動に なっており、児童の「発信」の内容は、常に教師の問い に左右され、児童は学習活動の連続性を自覚化しにくい 状況にある。これは、児童一人一人の課題を大切にした 授業展開となっていないからであり、授業観そのものの 見直しを図る必要があろう。 (学習へのかかわり方に関 すること)
(塾児童は、細部の読み取りはできていても、文章全体 を視野に入れた学習活動をしていない状況にある。この ことは、 ①の授業展開の方法ともかかわるが、今後は 文章全体を視野に入れた読みの姿勢を育てる必要があろ
う。 (国語科の関すること)
では、児童が、つねに文章全体を視野に入れながら、
主体的に学習するためにはどこをどのように改善すれば よいのだろうか。
一般に、人が主体的に活動する時とは、課題意識、目 標を明確に持った時である。さらには、その課題を解決 する方法が分かり、課題解決したことを報告する場があ れば、主体的な活動が生まれてくるはずである。
そこで、国語科の学習においても、 ‑単元の授業の終 わりに、あるテーマについてプレゼンテーションすると いうアウトプット(出口)を決めてはどうだろうか。そ
して、単元の終わりに、みんなの前でプレゼンテーショ ンするという見通しを持てば、相手意識、目的意識も自 然と喚起されるだろう。
このような発想で「プレゼンテーション」に着目した わけであるが、ここでは「プレゼンテーション」という 概念を『プレゼンテーション技法+演習』(1)の中の「明
lLl 松 川 利 広・松 本 哲 碓な目的に基づき、限られた時間の中で、話し手と聞き
手の間に行われる説得的なコミュニケーションの方法」
を参考にし、 「学習者の興味のある事柄について、資料 を用意し、話す内容や順序を考え、相手に分かりやすい ように工夫して説明すること」と定義することにした。
また、よりよいプレゼンテーションの内容と方法を追求 する過程(主に話し合い活動)において、個(学習者)
と個(学習者) ・個(学習者)と教師が、お互いの良さ を認め合うことができ、それは結果として人間関係の広 がりをもたらすことにつながると考えた。
このプレゼンテーションという概念は、最近の教育の 動向に照らし合わせても、多くの効果が期待できる。
ユネスコ『21世紀教育国際委員会』報告書(2)は、第 2部「教育の諸原則」において、教育を再構築するため の基本的な柱として、 「学習の四本柱」を提示している。
報告書の引用を以下に示す。
学習の四本柱は、教育を再構築するための基本的 な柱である。 「知ることを学ぶ」 「為すことを学ぶ」
「共に生きることを学ぶ」という3本柱とそこから 必要的に導き出されるものとして第4の柱「人間と して生きることを学ぶ」を挙げている。それぞれの 柱について触れたい。
「知ることを学ぶ」ことは、単にマニュアル化さ れ体系化された知識・技術を獲得するのではなく、
知識獲得の手だてそのものを習得することである。
これには集中力、記憶力、恩考力を動員して"い かにして学ぶかを学ぶ"ことにはかならない。その 理由は、一つには学習とは単なる情報処理ではない。
学習には時間がかかるものであり、注意力をいかに 集中するかを学ばなければならない。二つ目は記憶 力を活用することである。三つ目の理由は思考力の 活用である。これは具体的事象と抽象的事象にまた がるものであることが必要である。学習において具 体的思考と抽象的思考、演縛的および帰納的な思考
力を育てなければならない。
「為すことによって学ぶ」は「知ることを学ぶ」
ことと不可分である。知識を実践に結びつけること は、重要な学習である。
「(他者と)共に生きることを学ぶ」ことは今日の 教育の最重要課題の一つである。この学習に関して は二つの方法を提言している。 ①他人の身になっ て他人の反応を理解する。これが他人の属するグ ループの文化の理解へ進む。そして自己および自己 のグループの態度、行動、思考の決定づけに有益な 要素となる。このためには対話と討論が絶対に欠か すことができない。 (診人々がやればそれなりの報 いのある共同活動で一緒に行動すれば他人との差違 や違いすらその行動のなかに埋没してしまう。違い
よりは共通性に考えと心が向かいそこに新たな帰属 意識が生まれる。
教育は個人の全面的な発展に寄与すべきであるこ とを基本原則と記している。 「人間として生きるこ とを学ぶ」とは、日本の教育界でいう前人教育、人 格の完成、自己実現過程というんおに当たると思わ
れる。
このことを、プレゼンテーションにかかわらせて考え てみることにする。
プレゼンテーションは、その学習過程において、学習 方法を自ずから探そうとするし、演縛的思考も帰納的恩 考も育てることができる。
「為すことを学ぶ」は、知識を実践に結びっけること である。自分たちの生活を見渡せば、いろいろな場面で 軽重はあるにせよ、多くのプレゼンテーションの場面が ある。プレゼンテーションは生活に大いに生かせること ができる。
「共に生きる」ということでも、プレゼンテーション は、自分の考えを他者に伝え、他者の意見を参考に、自 分のプレゼンテーションを修正したり、さらに高めたり できるので、大いに関係が深い。
「人間として生きることを学ぶ」場合でも、文学自体 が、人間の生き方を探るものであるからして、国語科と りわけ文学教材を用いたプレゼンテ‑ションは、この項 目との関連も深いと言える。
以上、何のために教育をするのかという大きな視点か らプレゼンテーションと意義を押さえたわけだが、今度 は少し範囲を狭めて、国語科教育について考えてみる。
去る11月17 []に公表された教育課程審議会の中間まと め 4各教科・科E]等の内容(2)小学校、中学校及び 高等学校①国語イ改善の内容において、次のような記 述がある。
(ア)文学的な文章の詳細な読解に偏りがちであっ た指導の在り方を改め、自分の考えを持ち、論理的 に表現する能力などを育成する指導を充実させ、例 えば、スピーチ、討論、報告をまとめることなどの 学習活動を重視する。
(イ)小学校においては、日常生活に必要な読み書 きなどの基礎的な内容を繰り返し学習することに よって確実に身につけるようにするとともに、坦重 に自分の考えが筋道立てて伝わるように表現したり、
目的に応じて大切な事柄を読み取ったりする国語 の力を身に付けることを重視する観点から内容を見 直す。 (下線 引用者)
プレゼンテーションをすることは、 (ア) (イ)の能力 を育てることを保証する。そして、さらには、これらの 記述は、どちらかと言えば、個人内の課題にシフトした ものが多いが、プレゼンテーションは個人内に限らず、
プレゼンテーションに着目した国語科の授業展開に関する実証的研究
他者との関係を高め、お互いの良さを認め合うという喜 びがそこには存在すると言えよう。プレゼンテーション は、今後の国語科教育を改善していく上でも大切である と考えられる。
以上のような考えに基づき、文学的な文章の場合に限 定して、プレゼンテーションを効果的に散り入れた学習 指導法の在り方を探ることにした。
2.実 践
(1) 3つの授業を検証する
松本は、 1997年度に4年生21名を担任し、翌年、
1998年度には、引き続いて同じ学級を担任することが できたO よって、学級の構成メンバーの変動がない状態 で、 2年間にわたって、学習を展開できたことになる。
そこで、本研究テーマであるプレゼンテーションを取 り入れた学習が有効に作用しているかどうかを検証する ために、 「ごんぎつね」 (4年10月実践)、 「手紙」 (5年
6月実践)、 「大道じいさんとがん」 (5年10月実践)と いう3つの教材における児童の実態を比較することによ り、その成果と課題を検証していくことにする。
「ごんぎつね」は、プレゼンテーションを取り入れる 以前の学習、 「手紙」はプレゼンテーションの課題を自 由に設定させた学習、 「大造じいさんとがん」は「手紙」
の学習の問題点を改善したプレゼンテーションを取り入 れた学習ということになる。
(2) 「ごんぎつね」の学習
「ごんぎつね」の学習は次のような単元構成で進めた。
第一次 ・物語の展開の大体を理解する。
・新出漢字を覚えたり、難語句の意味調べをす る。
・自分たちの学習したいことを話し合い、学習 の見通しを持つことができる。
第二次・ひとりばっちの寂しさから、いたずらを続け るごんの境遇や性格を読み取る。
・兵十の取った魚を逃がしたり、うなぎに首を しめられてあわてる様子を読み取ることがで きる。
・墓地の情景や、いたずらをしたことを悔やむ ごんの心情を読み取ることができる。
・兵十に一生懸命償いをしようとするごんの様 子や心情を読み取ることができる。
・兵十にどう思われているか気にかけるごんの 様子や自分の行いを神様のせいにされるごん の心情を読み取ることができる。
第三次・もう一度、本文を読み返し、叙述にそって、
ごんぎっねの世界を紙粘土で造る。
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話題作り一場面ごとの話し合い‑全文を通して印象に 残った場面を紙粘土で表現するという大筋の流れである。
中心になる活動は、第2次の話し合いである。話題設 定は、次のような手順で行った。まず、児童が全文を通 読した後で、みんなで話し合いたい話題を考える。それ を場面ごとに黒板に掲示し、類型化をする。すぐに答え が出る話題や、教材文からかけ離れた話題はのぞく。教 師のねらいも加味しながら、学級の話題を設定する。
この手順は、一般的に、 「課題作りを取り入れた学習」
として、教育現場で多く取り入れられているものである。
5つの話題は、時間の経過に沿った場面ごとの読みの 課題であるから、当然、話し合いで表出した発言も場面
に限定したものであった。
第3次の紙粘土作りも、児童の内発的な興味・関心か ら取り入れようとしたのではなく、教師が「紙粘土でご んぎつねんの世界を作るとおもしろいからやってみよ
う。」と働きかけて実践したものである。
ただ、粘土細工だけでは、教材文とかけ離れてしまっ て作業が進むと予想されたので、粘土で表現した場面を 表す叙述を抜き書きするよう指示をした。
「私は、井戸のそばで兵十と加助が話しているところ を作りたい」 「ぼくは最後のごんが倒れているところを 作りたい」など、個々の児童が興味を抱いた場面を切り 取って、粘土で表現していた。
この授業は、表面的には、児童の興味や関心を大切に しているように見えるが、本質のところで、児童が学習 に主体的に参加しているとは言えないものであった。
「生きる力につながる国語科の授業展開に関する実践 的研究」 (前述)で述べたが、教師が問うから答える、
教師が指示するから作業をするというどちらかと言えば 受け身的な学習が展開されており、児童自らが課題意識 を持って学習に参加していなかったのである。
(3) 「手紙」の学習
そこで、 「手紙」 (7月)の学習では、前述したプレゼ ンテーションを中心に据えた次のような単元構成で学習 を進めた。
第一次 ・音読する。
・あらすじをとらえる
・難しい言葉の意味を調べる。
・漢字の練習をする。
・プレゼンテーションにつながる個の課題を設 定する。
・みんなで話し合いたい話題を考える。
第二次・話題に対する自分の考えを持っ。
・話題と自分の課題との関わりを考える。
・積極的に、話し合いに参加する。
・自分の課題と関連づけて考える。
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・自分の課題に話し合いで得たことを取り入れ
旦旦
第三次・個の課題にもとづいて作業し発表の準備をす
旦旦
・発表練習をする。
・発表する。
・友達の良いところを取り入れる。
・自分の学習を振り返る。
(下線 筆者)
「ごんぎっね」の学習の問題点を改善すべく、下線を 引いた活動を新しく取り入れた。プレゼンテーションと いう視点でこの学習を整理し直すと次のようにまとめら れる。
第一次 プレゼンテーションに関する個の課題の設定。
第二次 学級で話し合いをしたことを自分の課題に生 かしながら、作業を進める。
第三次 プレゼンテーションの資料の準備、発表練習 を行い。学級で個々の児童がプレゼンテーションを行う。
個々のプレゼンテーションに対して相互評価を行う。
では、授業の実際を振り返ってみることにする。
(第一次)
プレゼンテーションという言葉は児童にとって初めて 耳にする言葉であるので、 「プレゼンテーションとは、
自分でテーマを決めて、聞き手に分かりやすく説明する ことです。図や絵や写真などの資料を使い、話す順序を 工夫し、相手がなるほどとうなずいてくれるように分か りやすく話すのです。」という説明を行った。
プレゼンテーションという言糞は、料理のバラエティ 番組やフィギュアスケートの審査員評価の項目などでも 使われており、勘のいい児童は自分たちの普段の生活と の関連づけて考えていた。
個の課題設定の前には、教材文の音読や、漢字の学習、
難しい言葉の意味調べなどの基礎的な学習も平行して進 めた。
また、教材文を音読し、登場人物はだれか、いっ、ど こであった話か、中心人物が初めと終わりでどのように 変容したかなどを確認し合った。
さて、児童はどのような課題を設定したのであろうか。
① 読後に手紙をタケオに書きたい。
② 印象的な場面を選んで、絵に措きたい。
③ 一つの文を決めて、その内容がうような絵を描き an;
④ 印象に残った場面を劇にしたい。
⑤ 勉強したことと関連づけながら、たくさんの本を 読んで、感想文を書きたい。
⑥ すごろくを作りたい。
⑦ 紙粘土でこの作品の印象的な場面を作りたい。
⑧ 文中の言糞を取り出して、カルタを作りたい。
⑨ たくさんの戦争の本を読んで、感想文を書きたい。
⑩ インターネットで、戦争時代のことを調べたい。
⑪ 戦争について、家にある本を読んだり、祖父母に 聞いたりして、調べたい。
⑫ 戦争の時、日常生活でどんな工夫をしていたか、
祖母に聞いてまとめい。
⑬ 現在、戦争のやっているところを調べたい。
①〜⑧は、教材文の内容と関連性の深い課題であり、
⑨〜⑬は、教材文から少し距離を置いた発展的な課題 と言える。今回は、自由に課題設定をさせたので、 ⑨〜
⑬のように、教材文と向かい合ってはいるが、関連性 の薄い課題も設定されたのである。
これらの課題を設定するには、 4年の3学期に学習し た「風のゆうれい」や5年の4月に学習した「色が生ま れる星」の先行経験が生きている。
「ごんぎつねの時に粘土を作ったから、今度もやっ てみたい。」
「みんなでカルタ作りに取り組んだ。今度は自分で、
国語でもカルタを作ってみよう。」
児童はこのような思いで、課題を設定する際、過去の 学習体験を想起しながら、課題を設定したものと考えら れる。つまり、プレゼンテーションの課題を設定する時
に、過去にどんな学習をしたかが、大切な要素になると いうことである。
第二次の話し合いを進めるために、第一次で話し合い の話題を設定している。教師は児童に「みんなで話し合 いたいことはどんなことですか。」と発問し、考えさせ たのだが、この発問のために、個の課題と学級の話題の 関連づけができないことにつながっている。
く第二次)
第二次では、児童が個の課題と学級の話題とを関連づ けられるように、 「みんなで話し合ったことが、自分の 課題にどのように生かせるか」と常に問いかけた。また、
児童は、毎時間の学習が終わるごとに、学習を振り返り 記録を残すようにした。
(第三次)
第三次は、大きく、プレゼンテーションに向けて準備 を進める段階と、実際にプレゼンテーションを学級の児 童を対象に行う段階に分かれる。
準備段階は、実際のところ、授業時間だけでは時間が 足らず、家で作業を進める児童が多かった。
発表の段階では、 3分ずつぐらいの時間を要したので、
発表だけで、 2単位時間(45分×2)はど時間を要し 'M
プレゼンテーションをした後、聞いていた児童から、
改善点や努力した点を指摘してもらうことが、さらに個 の力の高めることにつながるのだが、この単元では、時 間的な余裕がなく、十分な交流はできなかった。
プレゼンテーションに着目したEgl語科の授業展開に関する実証的研究
全体的な学習の様子は前述した通りであるが、さらに、
児童の実態を詳細にとらえるために、 TS女児とNS男 児の二人の児童の学習の実態を考察してみる。 TS女児 は、比較的、個の課題と学級の課題を意識的にとらえて 行動に移せる児童の代表として取り上げた。 NS男児は は、個の課題の追求はできるが、学級の学習との関連を とりにく多くの児童の代表として取り上げた。では、二 人の学習ぶりを見てみることにする。
TS女児のプレゼンテーションのテーマは、 「戦争の 本を読んで感想文を書く」というものである。個の課題 を追求するために、 TS女児は、 ①図書室の戦争の本を 何冊か選ぶ ②読んで感想文を作文用紙にまとめると いう学習計画を立てた。本単元の学級の話題は「タケオ のおじいちゃんへ思いは、どのように変わりましたか」
「手紙を読んで、戦争中と現代の違いは、どんなところ ですか」 「どうして、おじいちゃんは、タケオに手紙を 挙げたのですか」という3点であるが、 「話題の自分に
とっての意味」を書く際、 TS児は、できるだけ、個の 課題との関連を図ろうと、 「本を読んで感想を書くとき に、その本の違いを考えて書く」 「その時のおじいちゃ んの気持ちを考えるようにし、自分の読む本に出てくる 人物の気持ちを考えたい」と考えている。
また、話し合いをした後、次のような発言をしている。
「えっと、私には、ここでいろんなおじいちゃんの 気持ちが出てきたので、そこから、本を読んで、感 想を書く時に、その本に出てきた人たちの気持ちも 考えて、感想を書きたいと患います。」
おじいちゃんの気持ちを考えたので、同じように自分 が読書を勧める時に、登場人物の心情をとらえたいとい
うことである。
また、 TS女児は、実際にプレゼンテーションをする 時、パソコンルームに友達を招き、画像を示しながら発 表をしていた。
以上のことから、 TS女児は教師が意図しているプレ ゼンテーションを取り入れた学習を素早く理解し、個の 課題と学級の話題の関連づけを図りながら、主体的に学 習を進めようと努力していることが分かる。
では、次にNS男児の学習ぶりを見ていくことにする。
NS男児のプレゼンテーションのテーマは、 「戦争の ことを画用紙にまとめる」というものであった。 「手紙」
という作品が戦争体験を持つ祖父と現代っ子タケルの心 の交流を措いた作品である。 NS男児は、 「戦争」とい う自分にとって未知な事象に興味を抱き、このテーマを 設定したものと考えられる。そこで、 NS男児は、自分 の祖父に戦争時代の様子を聞いたり、祖父自身に戦闘機 の絵を描いてもらったりして、戦争時代の様子を絵に表 した。その結果、 「戦争の悲惨さがよく分かった。字を いっぱい書けるようになった。」とプレゼンテーション
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を行った成果を自己評価している。発展性の高い話題の ため、教材文との関連性は薄くはなっているが、その調 べたことは、教材文の読みを深いものにすることにつな がると考える。しかし、もっと望むならば、戦争体験を 持っ自分の祖父の思いもインタビューをし、タケルの祖 父の思いと比較してみるという学習を計画すれば、教材 文との関連はもっと深められたと考えられる。
NS男児は、 「戦争について調べたい」という個の課 題を設定しながら、一方、学級で話し合いたい話題とし ては、 「なぜ、おじいちゃんは厳しいのか」 「おじいちゃ んは、どうしてあんな大事な手紙をタケオにあげたの か」という内容に関わる関する疑問を第一次に抱いてい る。どちらの話題も主題追求につながる大切な話題とい える。ここから、 「おじいちゃんの戦争に対する思いや、
次世代に語り継ぎたいことをまとめ、プレゼンテーショ ンをしたい」というテーマを設定すれば、プレゼンテー ションの中に、その疑問を生かせたのではないかと考え る。 NS男児の場合は、個の課題追求と学級における話 し合いがパラレルの状況で進み、相互の関連づけができ ていないようである。
以上、 2人の児童を抽出し、学習ぶりを見てきた。こ こで、一度、プレゼンテーションを取り入れた学習の成 果と課題を「ごんぎつね」の学習と比較しながら、まと
めてみる。
プレゼンテーションを取り入れた学習は、児童の主体 的な学習につながる。児童の学習後の感想を読むと、
「今までの国語の授業よりおもしろい」 「自分で好きなこ とをやれて楽しかった」などの声が聞かれた。教師も児 童もプレゼンテーションを意識することで、児童の主体 性は育ってきていると考えられる。
しかし、 NS男児のように、個々の児童の実態を詳細 に見てみると、次のような課題が内在していることが分
・SBsm
この学習では、プレゼンテーションのテーマを個の興 味に基づき、自由に設定させたため、少し活動中心に なってしまい、文学を読むことの中心的な課題と距離を 置いたところで授業が展開される場合があった。また、
教材文と関係の薄い話題を設定した児童は、学級の課題 と自分の課題との関連性を兄いだしにくい場合もあった。
よって、課題の設定において、教材文との関連がはかれ るよう教師が働きかけることが必要である。また、ワー クシートの工夫やなど、個と集団の関連をはかれるよう 支援する必要がある。
(4) 「大造じいさんとがんの学習」
そこで、 10月に実践した「大道じいさんとがん」の 学習では、大筋の学習の流れは「手紙」の学習と同じよ
うにし、以下の点に改善を加えた。
W
松 川 利 広・松 本 哲「手紙」の学習で考察をしてきたように、児童が設定 するテーマは、過去に学習した内容がヒントになること が多い。よって、 「その文学教材ならではの課題」を設 定できるように、その着眼点を教師は指導する必要があ
ると考える。
では、どのようなプレゼンテーションにつながる課題 を設定すれば、教材文との関連を図れるのだろうか、
一般に、文学を読む意味は、登場人物の生き様を理解 し、人間としていかに生きるべきかを感動を持って自分 の中に取り込んでいくということである。そのように考 えると、 「大造じいさん」と「残雪」というの二人の人 物を具体例を通して見ていく、つまり、 「大造じいさん もしくは、残雪の人物研究をする」ということをプレゼ ンテーションのテーマしては、どうだろうか。自由に課 題設定ができないという不満はあるかもしれないが、教 材文に主体的に関わっていこうとする態度は自然と喚起 され、国語科の学習としての充実度は高まるものと考え
られる。
また、児童が個の課題と学級の話題とをうまく関連づ けられるように、いくつかの工夫を試みている。
まず、学級の話題を設定する際、 「手紙」の学習の時 は、 「みんなで話し合いたい話題を4つ考えましょう。」
と働きかけているのに対し、本単元では、 「自分の課題 を解決するために、みんなで話し合ってほしいことは何 ですか。」と働きかけている。
さらに、プレゼンテーションE]記を毎日つづらせるよ うにしている。プレゼンテーション日記には、(彰その 日の学習を振り返って新しく学んだこと ②だれの考 えに影響を受けたか ③その日に、自分の課題にどの ように取り組んだか ④恩ったことをくわしく書くよ うに指示した。
では、学級全体の様子から述べていく。
まず、全文通読、漢字の学習、難しい言葉の意味調べ 大まかなあらすじをおさえるという学習をした後、プレ ゼンテーションの個の課題を設定するようにした。今回 は人物研究をしていくということを告げ、大造じいさん か残雪のどちらでもよいということを説明した、両方の 人物を調べていきたいという児童もいたので、それでも よいとした。どちらかに限定した児童は少なく、両方の 人物を選んでいる児童が多かった。
児童は、心情曲線、吹き出し、クイズ、劇化、ホーム ページ作りなどの作業の中から自分の興味あることを選 択して、人物研究をしていこうと考えていた。
第二次の学習は、話し合いを中心におこなった。話題 は、以下の4つである。
・どうして、大造じいさんは、思わず、感たんの声を もらしてしまったのか。
・ 「ううん。」とうなった時の大造じいさんの気持ち
を想像しよう。
・冷え冷えするじゅう身をにぎりしめた時の大造じい さんの気持ちを想像しよう
・飛び去る残雪を見送る時大造じいさんは、どんな様 子だったでしょうか。
大造じいさんの行為や心情を読み取る話題ばかりであ るが、大造じいさんについて考えるということは、必然 的に、残雪について考えることになると考え、そのよう にした。
第三次では、 「手紙」の学習で、教師から助言を受け たことや友達の発表の良さを生かして、プレゼンテー ションを行っていた。
実際には、 「せりふのない残雪が話すとしたらこう話 すだろう。」 「大造じいさんの変容を顔の表情で表してみ よう」 「クイズ形式で、人物像を紹介しよう」 「心情曲線 で、二人の心情の変化を探ってみよう」などのテーマで、
大きな時間軸の中で、文章を読みとったことを発表して いた。
以上、大まかに授業の流れを説明したが、それでは、
先ほどと同様に、 TS女児とNS男児に焦点を当てて詳 細な分析を進めてみる。
まずは、 TS女児の場合について考察を進める。
TS女児は、プレゼンテーション日記に関して「ぜひ 続けてはしいです。この日記があると、実際にどんなこ とをしたか、後で思い出してまとめることができるから です。」と、自分の学習を振り返り、再構成する時に、
役立っことを述べている。
そのTS女児のプレゼンテーションE]記の中には、次 のような記述がある。
「10月23日 私は、その時、がんを人間のように 見て、と言いました。それは、上田君の考えから考 えました。上田君は、残雪が人間のような姿に、大 造じいさんは強く心を打たれたと思うと言ったので、
そこから考えました。考えてみれば、必死で、仲間 を守り抜くなんて本当に人間みたいです。そんな所 から、大造じいさんの残雪に対する気持ちが大きく 変わったことが分かります。」
(TS女児のプレゼンテーション日記より) TS女児は、第一次の学習で、 「大造じいさんの残雪 に対する気持ちは、どこで変わったのか。」ということ をみんなの話題にしてほしいと考えていた。そのことを TS女児は、 1998年10月23日の授業で解決している。
つまり、自分の課題意識をつねに意識し、学習に取り組 んでいることが分かる。また、自分の考えを述べるだけ でなく、 「U君の考えから考えた」と友達の考えを自分 の中に取り込んでいこうとする姿勢が育ってきているこ とが分かる。
「10月24日 『カタカタカタ。』やっぱり、この音
プレゼンテーションに着目した国語科の授業展開に関する実証的研究
です。今Elは、放課後残って、ワープロを打ちまし た。そのおかげで、 「4」の場面の途中までまとめ ることができました。発表まであと2日です。そし て、明日の国語の時間と、放課後も残ってやります。
ちょっと時間が足りないけど、できるでしょうか。
なんだかまるで、締め切りに追われている漫画家の 気分です。 『ひ一。』でも、前に比べたら、文章も4 倍はあります。そういうところが、やっぱり、一番
うれしいのです。」
(TS女児のプレゼンテーション日記より) この日の日記からは、 TS女児が、プレゼンテーショ ンのために作業することは大変努力のいることであると 感想を持ちつつも、学習量が増え、以前と比べて力がつ いてきたことを自覚し、喜んでいる様子がうかがえる。
TS女児がプレゼンテーションに取り組んだホーム ページは以下のようなものである。
テーマに関わっては以下のような感想を記述している。
大造じいさんと残雪の
人物研究
○がんを餌JLで慎べてみると?
0どうしてr揚雷⊥というの?
〇位櫓や行動の椿徽は?
わたしのホームページを見ていただいて.ありがとうございます.
ご轟鶴書お聞かせください.
図A TS女児のホームページ
図B ホームページ作りに取り組むTS女児
「私は正直言って、 『人物研究』の方がいいです。そ
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の方が一人の人に集中して、 (鳥などの場合は)図 鑑で調べる、 (人の場合は)教科書から抜き出して 自分はどう思ったか、ここからこういう人物だと思 うなどを考えられて、いろいろな調べ方ができるか らです。」
人物研究をしていくというテーマにある程度の制限を 設けたことも、学習を焦点化する上で効果的だったとい
えるであろう。
しかし、 TS女児は、自分自身の苦手なことを正直に 次のように作文に書いている。
「私はどうも『自分の課題にどのように生かすか』
というのが苦手です。 (これはあった方がいいんだ けど)いっもいっも、 『ノートにまとめたいです』
と書いておいて、あまりノートにまとめていません。
『生かそう』というのは、考えるのに、少し、苦労 します。 (というより、少し、めんどうくさい?)」
(「大造じいさんとがん」の学習後の作文より) ここから、児童にとって、自分の課題と学級の課題を 関連づけけるために、思考し、作業することが難しいこ
とが読みとれる。この点については、学習時に教師自身 が気づかずにいたことである。プレゼンテーションに向 けての個の取り組みの実態は、つねに把握し、個へのア
ドバイスをすべきであろう。
次に、授業記録から授業中の発言を調べてみた。 TS 女児は、次のように発言している。
「TS女児:そこの「2年前」というところを指さ して下さい。私はそこの所とえーと、43ページの
「人間もハヤプサも」というところから、鳥たちに とってすごく怖い人間も敵としてのハヤプサも目に 入っていなくて、 2年前にえーと、たった1羽だけ で減ってしまった仲間のことをまだ覚えていて、ハ ヤプサと戦っている残雪の姿に大造じいさんは憩く 心を打たれたと思います。
「ごんぎっね」の時は、ある場面に限定して発言して いたが、 「大造じいさんとがん」では、教材全体に目を やり、長い時間軸で教材を読み取ろうとしている姿勢が 表れている。このTS女児の良さについては、以下のよ
うに他の児童が評価をしている。
UK男児:えーと、 TS女児さんは3場面の一番最 初の方に目を付けているのでいいなと恩いました。
TS女児:えーと、はじめの方の文を見ても、大造 じいさんの気持ちとか、そういうのは考えられると 思ったので、はじめの方見たら「2年前」って古い 言妻が出てきていたから、そこを見たら考えられた のです。
(10月23日 第二次 話し合いの学習より)
20 松 川 利 広・松 本 哲
このように文章全体から読み取ろうという姿勢は、全 体と部分をつねに意識して恩考していくことにつながる。
それは、プレゼンテーションをおこなう際にも大切なこ とで、部分を総括する全体像を抱きながら、説明する力 が大切にされなければいけない。
次に、 NS男児の場合について、考察を進めることに する。
NS男児のプレゼンテーションのテーマは、 「大造じ いさんと残雪の人物研究をする」であり、心情曲線を用 いて、 「残雪のきげん」と「大道じいさんのきげん」を 調べている。
NS男児の「自分の課題を解決するために、みんなで 話し合ってほしいこと」は、 「大造じいさんは、取りた い残雪が目の前にいるのに、なぜ、じゅうをおろしたの か。」など5つの話題を考えている。
本単元では、個の課題と学級の話題を少しでも関連づ けられるように、 「自分の課題を解決するために、みん なで話し合ってほしいこと」を考えるようにしたのだが、
児童にとっては、難しいようであった。
例えば、 NS男児の場合なら、 「大造じいさんの機嫌 がどのように変わったか」みんなで考えてはしいと、直 接的に自分の課題と関連づけた課題設定をすればよかっ たと思うのだが、まだ、児童の意識の中には、話し合い
図C NS男児の作成した心情曲線
図D 心情曲線を用いてプレゼンテーションするNS男児 は話し合い、プレゼンテーションの課題追求は課題追求 と、別個に考える傾向があるようである。
NS男児は、次のように、プレゼンテーション日記に 多くを綴っていないが、以前に比べて、自分の学習を振 り返り、再構成していこうという姿勢が育ってきている ことが分かる。
「10月20日 今日は、心情曲線をメモを見ながら 書きました。 Sさんの意見を参考に吹き出しを書き ました。」
また、 NS男児は、 「大造じいさんと残雪のきげん」
を以下のように心情曲線で表現している。 「きげん」と いう心情の変化から、二人の人物研究をしようとした試 みは、独創的な試みだと考える。実際のプレゼンテー ションの時は、大道じいさんのきげんの変化はこうで、
残雪のきげんの変化はこうであるとそれぞれを別々に観 明しただけで終わっているので、さらに、両者を関連づ けて説明できるように支援する必要があろう。
以上、 TS女児とNS男児の実態から考察をしたが、
ここで、 「大造じいさんとがん」の学習の成果と課題を まとめることにする。
・人物研究をプレゼンテーションのテーマとしたこと で、教材文と関連を持たせて、個の課題追求に取り 組むことができた。
・プレゼンテーション日記を綴らせたことは、学習の 自己評価を行い、次時の学習へのつながりを持たせ ることに役立った。
・人物研究をする際、人物の全体像をとらえられてい る児童もいるが、多くの児童は、人物を全体として 把挺することが苦手であった。全体と部分の関係を 視野に入れて取り組むよう支援する必要がある。
3.結語と課題
「2」において、昨年度の「ごんぎつね」の学習と比 較しながら、プレゼンテーションを取り入れた「手紙」
プレゼンテ‑ションに着E]した国語科の授業展開に関する実証的研究
(1学期)、 「大造じいさんとがん」 (2学期)の学習を授 業記録をもとに考察をしてきたが、それらの成果をまと
めると以下のようになる。
・児童は、自分の設定したテーマに基づいて、実際に 調べ、まとめ、発表する学習に、大変、意欲的に取
り組むことができた。
・児童は、プレゼンテーションという自己実現を図る 場があることで、成就感・達成感を味わうことがで
きた。
・児童は、年間を通した授業実践であることから、
「次はこんな方法でやってみよう」 「次は、あのよう なテーマを設定しよう」など、他の児童の学習に影 響を受けながら、学習を進めることができた。
・児童は、自分の課題にかかわる他の児童の言糞や教 師の言葉に励まされるとともに、話し合いの意義を プレゼンテーションの製作過程を通して理解するこ
とができた。
・児童は、プレゼンテーションを通して、各自の話し 言葉の力を高めることができた。
・文学的文章を読む上でのプレゼンテーションのテー マとしては、 「人物研究」が効果的であり、個の課 題と学級の話題との関係付けがしやすいことがわ かった。
・プレゼンテーションを取り入れた学習活動は、常に 児童に教材文全体を意識させる作用があり、ある場 面に限定された細部の読みだけにふみとどまること が少なくなった。
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今後の課題としては、以下のような点を挙げることが できる。
・児童の中には、部分の羅列のレベルでプレゼンテー ションが成立すると理解している者がいるため、プ レゼンテーションは、あくまでも文章全体を構造化 するところに意味があることを理解させる必要があ る。
OHP、パソコンなどを活用した多様なプレゼン テーションの方法について、技術的指導を行う必要 がある。
・プレゼンテーションの製作過程において、個に応じ た教師の支援(特に、話し言糞)の在り方はどうあ るべきか、体系化を図る必要がある。
・プレゼンテーションを取り入れる場合、製作及び発 表の時間の保証が問題となるが、国語科内における カリキュラムの見直し、他教科との連携(クロスカ リキュラム)等を通して学習時間を生み出す必要が ある。
・学級の話題と、個の課題との関係付けが難しい児童 に対しては、個に応じた丁寧な指導が行い関係付け の方法等を理解する具体的手だてを講じる必要があ る。
岳蝣HR9i
(1)小林敬語・浅野千秋『プレゼンテーション技法+演習』
実教出版1996 p.64
(2)天城勲監訳『学習:秘められた宝』ぎょうせい1997
・>蝣蝣)
Empirical Research into the Lesson Development in the
Japanese Language Focusing on the Way of Presentation
Toshihiro MATSUKAWA
(Department of Japanese Language Education, Nara University of Education, Nara, 630 ‑ 8528, Japan) and
Satoshi MATSUMOTO
( Tsukigase Elementary School, Nara) (Received April 20, 1998)
This paper is the second research report following the one in the Bulletin of Nara University of Educa‑
tion, Vol.46, No. 1.
The research findings in the previous paper are as follows.
1. Students seem to work out the given problem voluntarily by responding to the questions of the teacher.
However, these problems are prepared by the teacher in advance, not the ones constructed by students them‑
selves.
2. Students tend to stick to the fragment of the passage for the purpose of inferencing the behaviors and feel‑
ings of the characters in the narrative. Therefore, they are rather weak at interpreting using top‑down tech‑
niques.
This is due to the fact that the teaching plan requires intensive reading. This teaching plan should be reviewed as well as the overall teaching plan of the whole unit.
In this paper, the authors tried to take up the above mentioned issues by introducing the technique,
̀presentation in students'classroom activities.
Students were always required to be aware of the preparatory activities for the presentation as an out‑
come of the learning activities.
We could confirm the following research findings.