第5章
バリアフリー化の現況把握と主な課題の整理
3.重点整備地区におけるバリアフリー上の課題
(1)旅客施設
種別 課題 移動経路 ○階段の両側に2段手すりを設けるとともに段を見えやすくするなど、利用者の安 全性を高めることが必要。また、階段幅が広い場合は中央部に手すりを設置する ことも必要。 ○階段部の照明が暗いと段が見えにくいため、照度の改善が望まれている。 ○グレーチングは細目で滑りにくいものへの改修が望まれている。 ○地下通路などにも手すりを設置することが望まれている。 ○改札口が複数ある場合は、それぞれの改札で幅広改札を設置することが望まれて いる。 ○エスカレーターを設置する場合は双方向とすることが望まれている。 視覚障が い者誘導 等 ○利用客の多い駅では、利用客が誘導ブロック上に滞留することのないよう敷設位 置に注意が必要。 ○点字の時刻表が望まれている。 ○出口名や施設名等が掲載された出口案内板に点字がなく、設置が望まれている。 ○券売機やエレベーターへの点字の貼付や点字運賃表が必要。 ○主要な施設だけでなく、ティッシュ販売機などにも点字の貼付が望まれている。 ○エスカレーターは視覚障がい者にとって危険なため、エスカレーター付近でエレ ベーターの位置を音声案内することが望まれている。 ○地下駅の地上出入口付近、エスカレーター上下方向、トイレの男女別などを示す 音声案内が望まれている。 ○エレベーター乗場の前にある点字ブロックは、乗降口の正面でなく操作ボタン前 にあるとよい。 ○スロープの上下端に点字ブロックが必要。 ○視覚障がい者誘導用ブロックは床面と十分な明度差を設けるとともに JIS 規格 化が必要。 ○エレベーターのボタンなどで低い位置にあると気づきにくいため、改善が望まれ ている。 ○触知案内板があってもその存在に気づけないため、音声などでその存在を知らせ るような工夫が望まれている。○触知案内板で男女を一緒に表示してあるとわかりにくいため、改善が望まれてい る。 ○視覚障がい者には ICOCA 専用の改札機の見分けができないので、改札機は全国 統一にすることが望まれている。 情報 案内 設備 ○わかりやすい情報案内表示を十分に行うことが必要。特にバリアフリー化された 施設(エレベーターや多機能トイレなど)が主動線近くにない場合、文字の大き さ、掲出位置、色等に配慮することが重要。 ○路線図や案内表示など情報案内にはかなを振ることが望ましい。 ○視覚障がい者の誘導で音声案内や触知案内板など整備されていても、設置位置や 音量など視覚障がい者にわかりづらいものとなっている場合がある。視覚障がい 者の立会などの意見調整が重要 ○多機能トイレに「誰でも利用できます」と表示することが望まれている。 ○エスカレーターが上り又は下り専用である場合は、進入の可否を示すなど誤進入 を防ぐ措置が必要。 ○緊急時など一時的な案内表示であっても、視覚障がい者や高齢者等が見えやすい 文字の大きさとすることが望まれています。 設備 ○今後は高齢者数の増加が考えられることから、一般トイレにおいても開閉しやす い扉や手すりの設置や洋式化など高齢者等に配慮した構造にすることが望まれ ている。 ○車いす使用者が購入しやすい券売機へと改善が必要。 ○エレベーターや券売機などのトラブル時には音声対応のみであり、聴覚障がい者 ではコミュニケーションが取れないため、テレビモニターの設置が望まれてい る。 ○エレベーターの扉の開閉時間が短いため、安全に乗降できる時間を設定するよう 望まれている。 ○エレベーター内の鏡は足下付近まで見えるものが望まれている。 ○車いすの操作ボタンを適切な位置とすることが望まれている。 ○車内案内表示装置や運行情報案内表示器などは発順や行先のみではなく、遅延情 報などの表示も望まれている。また、これらは音声案内より情報量が少なく、聴 覚障がい者は事故発生時などに十分な情報が得られないため、音声案内と同等の 内容が表示される表示装置の設置が望まれている。 ○トイレ内に聴覚障がい者に緊急状況であることを知らせるフラッシュベルの設 置が望まれている。 ホーム 安全対策 ○ホームドアの設置が望まれている。 車両等 ○発達障がい者などにも行き先方面などがわかりやすいよう、路線ごとに車両の色 分けが望まれている。
その他 ○発達障がい者などにとっては、切符の購入時などに駅員による案内が望まれてい るが、混雑により十分な対応が得られていないため、配置体制の見直しなどが望 まれている。 ○券売機のテンキー操作など視覚障がい者に知られていない。設備整備について十 分な周知が必要。 ○駅の電話機に FAX を設置することが望まれている。 ○聴覚障がい者が駅員と円滑にコミュニケーションを図れるよう、手話通訳者の配 置や駅員への教育が望まれている。 ○券売機周辺が混雑するため、並び方などの案内表示が望まれている。 ○耳マークの掲示位置はわかりやすいところとするよう望まれている。 ○ベビーベッドを使いっぱなしにしている人もいることから、利用者側のマナー向 上が必要。 ○広告物などが多すぎると重要な情報がわかりにくくなることから、最小限の広告 とするか掲示位置への配慮が望まれている。 ○車いす使用者の乗換駅での駅間移動が困難な場合の対応策の検討が必要。 ○点字が摩耗で読めなくなるなどしており、バリアフリー化施設の適切な維持管理 が必要。 ○券売機での購入時に荷物を置けるスペースが望まれている。
(2)建築物
種別 課題 移動経路 ○正面出入口や車いす使用者用駐車場からの出入口は自動扉など車いす使用者で も通過しやすい構造のものとする必要がある。 ○移動経路付近にあるパブリックアートや窓ガラスなどは弱視の人などが衝突し にくくなるよう視認性の向上が必要。 ○小さな段差でもつまずくことがあるので、段差等は可能な限り解消することが必 要。 ○スロープの勾配が大きすぎ、構造上解消が困難な場合の対応方法について検討が 必要。 ○スロープは手すりの設置や斜面部の色を平坦部と変えるなどの視認性の向上が 必要。 ○道路から建物内に至るまで、わかりやすい動線が望まれている。 ○移動経路上にあるグレーチングは滑りやすいものなどがあり、改善が必要。 ○移動経路上や付近にある側溝には、溝蓋等の設置が必要。 ○廊下等にも手すりの設置が望まれている。○出入口は車いす等も通過できる幅が必要。 ○自動扉の開閉スピードは安全に通過できる時間とすることが望まれている。 ○床面などはつまずくような凸凹がなく滑りにくいものであることが必要。 ○各階に停止するエレベーターなどがない場合、車いす使用者等への対応について 検討が必要。 ○道路などとの境界付近に車止めを設置する場合、車いす使用者も通過できる幅と するか別の経路の確保が必要。 視覚障が い者誘導 等 ○道路から正面出入口まで、正面出入口から受付カウンターまでの視覚障がい者誘 導用ブロックを敷設する必要がある。(受付がない場合は触知案内板まで) ○エレベーターの音声案内では、所在階をアナウンスすることが望まれている。 ○建物内の設備(エレベーター、トイレ等)にも視覚障がい者誘導ブロックや音声 案内の設置が望まれている。 ○視覚障がい者には、トイレの手洗いやセンサー式のものではわかりづらいので、 手動で操作しやすいものが望まれている。 ○トイレの水栓ボタンは、位置、形状など統一することが望まれている。 ○施設内の誘導ブロックの敷設方法の統一が必要。(トイレまで誘導するのかエレ ベーターはボタン前に誘導するのか入口前に誘導するのかなど) ○エレベーター内の音声案内には、「○○階です」という案内のみでなく、「○○課 があります」といったフロア案内も望まれている。 ○触知案内板は、指の滑りが悪いなど利用しづらいものもあるため、仕様の十分な 検討が必要。 ○点字の読めない視覚障がい者にもわかりやすい触知案内板(施設の形状を凹凸で 表したものなど)の設置が望まれている。 ○階段とスロープが設置されている場合、スロープへの誘導の必要性についても検 討することが望まれている。 ○一般トイレ内は視覚障がい者にも移動しやすい構造とすることが望まれている (洗面台と小便器をわける壁や顔付近の高さのみにある扉に衝突しやすいなど) ○図書館内はより詳細な触知案内板や音声案内が望まれている。 ○視覚障がい者誘導用ブロックは床面と十分な明度差を設けるとともに JIS 規格 化が必要。 ○視覚障がい者誘導用ブロックの中には、粗面仕上げでわかりにくい、平滑な仕上 げで滑りやすいといった意見があるので、仕様について十分な検討が必要。 ○階段の上下端には点状ブロックが必要。 ○エレベーターホールに各階の触知案内板が望まれている。 設備 ○車いす使用者も利用しやすい十分な広さのエレベーターの設置が望まれている。 ○一般トイレにおいても洋式便座化や手すりの設置、開閉しやすい扉の構造、利用
しやすい広さなど高齢者、障がい者などにも利用しやすいトイレとすることが望 まれている。 ○トイレ内の小便器、大便器、洗面台の構造をできるだけ統一することが望まれて いる。 ○トイレ内や多機能トイレ等には荷物等を置ける台やスペースが望まれている。 ○トイレ内や多機能トイレ等では、水栓ボタン等の配置を JIS 規格とするよう望 まれている。 ○トイレ内のベビーシートは男女ともに設置することが望まれている。 ○障がい者トイレや多機能トイレにはオストメイト対応水洗器具の設置や開閉し やすいドアの構造とすることが必要。 ○障がい者トイレや多機能トイレでは、便座の両側に手すりを設置することが望ま れている。 ○障がい者トイレや多機能トイレでは、センサー式の照明が望まれている。やむを 得ずスイッチ式の照明とする場合は、車いす使用者でも届く高さに設置すること が必要。 ○ATM や冷水器などバリアフリー化が義務づけられていない設備等についても 高齢者、障がい者等にも利用しやすい構造とすることが望まれている。 ○建物内にも文字情報を流せる情報表示装置や緊急時を知らせるフラッシュベル の設置が望まれている。 ○トイレ内に聴覚障がい者に緊急状況であることを知らせるフラッシュベルの設 置が望まれている。 ○エレベーター内の鏡は足下まで見える高さの鏡の設置が望まれている。 情報 案内 設備 ○エレベーターや車いす使用者用駐車場などバリアフリー化された設備の案内表 示が見えづらい施設もあり、見やすい文字の大きさ、掲出位置、色等に配慮する ことが重要。 ○エレベーターは聴覚障がい者等が利用しやすい構造となるよう、停止階の表示や テレビモニター等による緊急連絡装置の設置が望まれている。 ○地下駐車場から出入口までのルート表示が望まれている。 ○多機能トイレでオストメイト対応水洗器具やベビーシートなどが全ての階の多 機能トイレに設置されていない場合は、どの階に設置しているのか表示すること が望まれている。 ○建物内には聴覚障がい者が容易に施設情報を把握できるよう案内板が必要。 ○施設の出入口や施設名がわかりにくいことがあるので、大きくて見やすい施設名 の表示などが望まれている。 ○病院や郵便局の受付など音声により案内を行う必要があるところでは、聴覚障が い者も気づけるよう電光掲示板の設置が望まれている。
○郵便局の ATM などでは、時間外に音声対応しかできず困るので、テレビモニタ ー等による対応が望まれている。 その他 ○バリアフリー化設備等の適切な維持管理が必要。(オストメイトの洗浄ボタンを 押しても流水が出ない、施設案内表示の劣化、点字ブロック付近の障がい物など) ○障がい者に配慮された構造のものであっても利用しづらいものがあり、意見収集 などに努めることが重要。 ○情報案内板にはできるだけピクトグラム(標準図記号)を使用するとともに、施 設名称を文字表示や仮名表示することが望まれている。 ○広告スタンドや受付カウンターなど車いす使用者でも利用しやすい高さとする ことが必要。 ○発達障がい者などからは、受付で十分な人的対応が可能となるよう配置人員の増 員などが望まれている。 ○通路上にある家具や放置自転車等の障がい物の撤去が必要。 ○建物によっては出入口から受付まで遠いことや人が多く移動しづらいことがあ り、出入口付近に呼び鈴を設けることが望まれている。 ○施設内では弱視者などにとって十分な明るさが必要。 ○待合室のいすは十分な間隔を保って設置することが望まれている。 ○公共施設の受付や窓口には「手話通訳者がいます」といった掲示や「耳のマーク」 の掲示をわかりやすい位置にすることが望まれている。 ○利用者数に見合った十分なエレベーター台数の設置が望まれている。 ○足ふきマットはつまずきの原因や点字ブロックの障がいともなるので、必要性や 設置方法などについて検討が必要。 ○障がい者等が特によく利用する施設の改修などの際には、事前に障がい者団体と 協議することが望まれている。 ○複雑なコミュニケーションを必要とする窓口では、手話通訳者の配置が望まれて いる。 ○多機能トイレに「誰でも利用できます」と表示することが望まれている。
(3)駐車場
種別 課題 移動経路 ○車いす使用者用駐車場から建物の出入口までの歩行スペースが十分でない場合 や車路と色の差がなく見えづらいところは危険。歩行者用通路であることがわか る工夫が望まれている。 ○駐車場に通ずる出入口で鉄製のように向こう側が見えない構造となっている場 合、扉の向こう側ですぐに車路となっていることなどを表示することが望まれて いる。駐 車 スペース ○車いす使用者用駐車場は建物の出入口付近に設置することが望まれている。 ○車いす使用者の需要に見合った台数の確保が望まれている。 ○車いす使用者用駐車場の位置がわかりにくいことがあるので、経路案内などが望 まれている。 情報 案内 設備 ○駐車場の施設案内板には、A-1、B-2といったブロック番号も掲示することが 望まれている。 ○駐車場の施設案内板はエレベーターの近くに設置することが望まれている。 その他 ○車いす使用者用駐車場に一般車両停車防止のためコーンなどを設置する場合、車 いす使用者が円滑に駐車できる方法について検討が必要。 ○車いす使用者用駐車場(停車場)への一般車両等の駐停車も見られるので、注意 喚起や利用者意識の向上が必要。 ※建物と同様の課題の場合は記載していません