微粒子合成化学・講義 微粒子合成化学・講義
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この講義目的
微粒子の合成に関する物理化学的知識を 身につけること。
身の回りの表面科学・界面化学に関する 現象を物理化学で考えること。
コロイドの分散凝集等の界面化学や、吸
着・表面反応等触媒反応の知識を取得す
ることを目的とする。
講義概要
微粒子合成研究にとって基盤知識とな る、表面や界面における物理化学を講 義する。
また、コロイド粒子の分散・凝集につ
いて、 DLVO 理論を元に考察する。一
方、固体表面の物理現象、吸着、表面反
目標
(1)主に水溶液からの微粒子生成機 構に関する物理化学的知識を得ること
(2)身の回りの表面科学・界面化学 に関する現象が物理化学で説明できる ことを理解すること
(3)ナノ粒子触媒の作用機構を理解
すること (4)それらの現象を物理化学で説明
できることを理解すること
講義の進め方
物理化学とはなんぞや
身の回りのコロイド現象から入ろう
微粒子とコロイドについて、物理化学
をベースに考えよう
基礎知識 基礎知識
物理化学 physical chemistry
Physical (形容詞)
【
1
】物質の、物質的な、物質界の、自然 の、自然界の、有形の、実際的な、実際の、天然の
【
2
】身体の、肉体の、身体的な、人的な【
3
】相手の体を求めたがる、好色な物理化学とは
物質の動きをとらえる化学
平衡論と速度論の世界へ
平衡論と速度論
平衡論は、いわば、桃源郷ユートピアの世界 の話である。この世界と今とのエネルギー差 が、まさしく、ギブスの自由エネルギー変化 なのである。平衡論は、エネルギー的に最も 安定なところは、どこか、「ある条件下」で
、規定しようとする学問である。理想と現実 の間の、今、どこに位置しているか、それを 数値解析するのが平衡論である。
平衡論と速度論
速度論は、桃源郷に如何にたどりつく か、というガンバリ度を表している。
詳しくは、講義の後半で話していく。
簡単にまとめると、
物理化学とは物質の動きを数式化し、
理解すること。
平衡論と速度論
平衡論と速度論
平衡においては、正方向と逆方 向の速度が等しい
平衡に達するまでの速度
不可逆過程と可逆過程
化学ポテンシャル
系全体のギブスの自由エネルギー変化に 及ぼす、個々の成分のエネルギー変化の 寄与分をさしている。式的に表すと、
G = f (T,P,V, n1, n2, n3 ...) で V 一定で、全微分すると、
d G = (∂G/∂T) d T + (∂G/∂P) d P
+ Σ (∂G/∂ni) d ni
化学ポテンシャル
T,P,nj が一定の時の、 (∂G/∂ni) = μ を 成分 i の化学ポテンシャルとい う。 ある成分のガンバリ度を示している、
と考えても良いだろう。
1モルの定義とは
かつて 1970 年代までは、 12C が、 0℃, 1 atm で 1 2g あるとき、 1 mol という、とかが定義だったが
、計測法の進歩とともに、電子の質量など不確定 性要因が無視できなくなり、定義を変更する。
「 0.012 キログラムの炭素 12 の中に存在する原子 の数と等しい数の要素粒子を含む系の物質量」
ちょっと前の定義は下
「 0.012 キログラムの炭素 12 の中に存在する原子の数と等 しい数の要素粒子又は要素粒子の集合体(組成が明確にさ れたものに限る)で構成された系の物質量」
1モルの定義とは
n (X)mol = N (X)/ N
a[X 要素粒子、 N は数 ]
結局、原子が、 N
a( アボガドロ数 ) 個集まった とき、 1 mol 原子などと呼ぶ」ということに
なっており、肝心のアボガドロ定数は、 6.0221 415 x 10
23個 / mol である。化学と工業4月号 から。
つまり、定義に入っている、アボガドロ数も経
p H の定義とは
� ガラス電極法による pH 測定での拡張 不確かさ U(k =2) は、 0.025 ∼0.030
�pH 一次標準液を用い、この標準液と同 一組成と見なせる場合は∼ 0.01;
�Differential – potentiometric cell を用いた場合の拡張不確かさは∼ 0.004
H
log 10 a
pH
コロイド化学への誘い
コロイド化学への誘い
コロイドとは何か
理化学辞典にみるコロイド
物質がふつうの光学顕微鏡では認められないが、原 子あるいは低分子よりは大きい粒子として分散して いるとき、コロイド状態にある、という。
コロイド粒子自体は定義が難しく、分散状態に
あるときのみを、コロイド状態、と定義できる
では、巨大分子が溶けているのと、何が違うの
だろうか?
1m 10cm
1cm 1mm 100μm 10μm 1μm 100nm 10nm
光 学 顕 微 鏡
電 子 顕 微 鏡
ソフトボール 硬貨
パチンコ玉
小麦粉
花粉 タバコの煙
ウィルス
セロハン孔径
100μm
10μm
1μm
100nm
10nm
微 粒 子
超 微 粒 ナ 子
ノ粒 子
サブ ミク ロン 粒 子
コロ イド 分 散 系
粒子径による粒子の分類
身の回りのコロイド 身の回りのコロイド
牛乳 牛乳
牛乳
人乳と牛乳の主要栄養価(100g≒ 97ml) 栄養素名 人 乳 牛 乳 工ネルギ― 65kcal 67kcal たルばく質 1.1g 3.3g
脂質 3.5g 3.8g
炭水化物(糖質) 7.2g 4.8g 灰分(ミネラル等) 0.2g 0.7g 力リウム 48mg 150mg 力ルシウム 27mg 110mg
リン 14mg 93mg
マグネシウム 3mg 10mg ビタミン A(レチノ
ール当量) 47μ g 39μ g ビタミン K 1μ g 2μ g ビタミン B1 0.O1mg 0.04mg ビタミン B2 0.03mg 0.15mg
水
乳脂肪
タンパク質
牛乳には、とても良質なタンパク質が豊富に含まれています。
なぜ良質なのか。その理由は体の中では合成されない必須ア ミノ酸を含む 19 種類のアミノ酸がバランスよく構成されて いるからです。
タンパク質は血や肉、骨や皮膚、髪の毛にいたるあらゆる細 胞を作る大事な栄養素ですが、ホルモンの生産や免疫物質な どにも関わっています。またタンパク質の一種であるクルタ ミン酸は、頭の働きをよくする物質を作りだします。牛乳の タンパク質の多くはカゼインと呼ばれるものですが、これを
タンパク質
牛乳の脂質は乳脂肪といわれます。小さな脂肪球の形で 1 ミ リリットル中に 20 ~ 60 億個も分散しており、そのため脂肪 分解酵素作用が有利に働いていて、消化吸収率が 97% と高い のです。脂質はエネルギー源として元気をくれますが、その構成要素 は体のすべての細胞やホルモン、胆汁酸などに必要です。ま たビタミン A 、 D,E の吸収や貯蔵、神経の働きにも深く関わ っています。
脂質
牛乳を飲んだとき、かすかな甘味がありますね。牛乳の糖質 はほとんどが乳糖です。乳糖は哺乳動物の乳に特有のもので
、幼児期の脳細胞の発達に欠かせません。腸の働きを整える ので、便秘にも効果があります。また、カルシウムの吸収を 助け、鉄の吸収を促進します。重要なエネルギー源としても 筋肉の収縮や体温の維持、病気への抵抗力などに関わってい ます。ブドウ糖も含まれていますが、これは脳のただひとつ のエネルギー源です。
糖質
牛乳は母乳の成分に最も近いといわれますが、カルシウムの量に 関しては牛乳のほうが 4 倍近く多く、カルシウムの補給に最も適 しているといわれます。それはコップ 1 杯の牛乳( 200 ミリリッ トル)にカルシウムが 200 ミリグラムも含まれていることに加え て、牛乳に含まれるたんぱく質や乳糖などの働きで、吸収率が 50
~ 70% と高いからです。ほうれん草などの野菜類が約 20% 、小魚 類が約 30% ですから、その吸収率の高さは、際立っています。
また、カルシウムは骨や歯の形成、血液の凝固、ホルモンの分泌
、免疫機能などに深く関わり、筋肉の収縮や心臓の鼓動を一定に 保つという大切な役目も持っています。さらに神経の興奮を抑え るので、イライラや情緒不安定を防ぐのにも効果的です。よく眠 る前にコップ 1 杯の牛乳を飲むと安眠できるといいますが、その
カルシウム
牛乳に含まれる主なビタミンは、 A と B2 です。 A には二つ の形があり、一つはレチノール。これは子供の成長を促進し
、目を健康にするのに必要です。もうひとつはベータカロチ ン。これは組織の損傷を保護するのを助ける特性を持ってい ます。ビタミン B2 は、 200 ミリリットル中に約 0.30 ミリグ ラム含まれています。栄養分の代謝を高め、食欲をわかせて 成長促進作用に大切な役割を果たしています。 その他にも 牛乳に含まれているビタミン D は、骨や歯を強くするため にカルシウムやリンと結合した状態で使われたり、腸でカル シウムを吸収するときにも使われます。
また、ビタミン B1 は、疲労回復にも効果を発揮しますし、
ビタミン
牛乳は、蛋白質であるカゼインや乳脂肪の細かい粒子が1 ml 当たり10数兆個ほど乳濁している液体です。この粒子 に光が当たり乱反射されるので白色にみえます。
蛋白質カゼイン粒子の大きさは、直径数ミリミクロンから 300 ミリミクロン(1ミリミクロンは 100 万分の1ミリメー トル)といわれコロイド状に牛乳中に分散しています。比較 的大粒のものによる反射光は白色が強く、小さい粒子になる ほど青味をおびます。
また、牛乳中のエマルジョン状態で分散している脂肪球の 大きさは、直径 0.1 ~ 10 ミクロン(1ミクロンは 1000 分の 1ミリメートル)であり、平均 2.5 ミクロン(ホルスタイン 種)程度であります。すなわち小粒子になるほど光線を乱反 射して白色に、大きな粒子になると黄色を帯びてきます。
牛乳は O/W エマルション
水
油
O/W エマルション
油
水
W/O エマルション
界面活性剤 界面活性剤
身の回りのコロイド 身の回りのコロイド
ビール ビール
ビール
移流集積によって下から上に運ばれ、二次元の結晶 構造を形成するコロイド。下の方のコロイドは動い ているためブレている。
ビールの泡
ビールの泡
ビールの泡の役目
琥珀色に輝くビールと純白でクリーミィーな泡とのコン トラストが、目にも清々しいビール。その豊かな泡は、
ビールの品質をよく表していて、「良き泡のビールは、
良きビール」であるといわれ、泡はビールの花(ブルー メン)とも呼ばれています。ビールの泡が , きめ細かく なかなか消えないのは、ビールの中に含まれている麦芽 の成分、ホップの苦味成分などがコロイド状に分散し、
炭酸ガスの気泡が出来、これらの物質が気泡の表面に集 まり濃縮されて粘りのある膜をつくりだしているから。
泡は、ビールの中の炭酸が逃げるのを防ぐと同時にビー ルが空気に直接触れ、酸化するのを防ぐフタの役目を果 たしているのです。
ビールの泡
なぜ合一しにくいのか?
分散安定化への指針
泡の表面にホップと麦芽 由来のフムロンや塩基性 アミノ酸が吸着し、分散 剤的な働きをしている
分散と凝集
分散と凝集
コーヒー牛乳に塩を入れる
コーヒー牛乳だけ 1 mol/L KCl 溶液
乳脂肪が浮上している