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微粒子合成化学・講義

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Academic year: 2021

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微粒子合成化学・講義

微粒子合成化学・講義

村松淳司

村松淳司

http://www.tagen.tohoku.ac.jp/labo/muramatsu/MURA/main.html E-mail: mura@tagen.tohoku.ac.jp

(2)

2

(3)

3 1m 10cm 1cm 1mm 100μm 10μm 1μm 100nm 10nm 1nm 1Å 光学顕微鏡 電子顕微鏡 ソフトボール 硬貨 パチンコ玉 小麦粉 花粉 タバコの煙 ウィルス セロハン孔径 100μm 10μm 1μm 1nm 100nm 10nm 微粒子 超微粒子 クラ ス タ ー ナ ノ 粒 子 サブミ ク ロ ン 粒 子 コ ロ イ ド 分 散 系

粒子径による粒子の分類

(4)

4

雲や霧もコロイド粒子

(5)

5

(6)

6

(7)

7 1m 10cm 1cm 1mm 100μm 10μm 1μm 100nm 10nm 1nm 1Å 光学顕微鏡 電子顕微鏡 ソフトボール 硬貨 パチンコ玉 小麦粉 花粉 タバコの煙 ウィルス セロハン孔径 100μm 10μm 1μm 1nm 100nm 10nm 微粒子 超微粒子 クラ ス タ ー ナ ノ 粒 子 サブミ ク ロ ン 粒 子 コ ロ イ ド 分 散 系

粒子径による粒子の分類

(8)

8

ナノ粒子

„

10

−9

m = 1 nm

„

10億分の1

mの世界

„

原子が数∼十数個集まった素材

„

バルクとは異なる物性が期待される

„

バルク原子数と表面原子数に差がなく、結合

不飽和な原子が多く存在する

(9)

9

(10)

10

(11)

11

)

(

3

3

4

,

4

2

3

は比重

比表面積

d

rd

Vd

A

r

V

r

A

S

S

=

=

=

=

π

π

比表面積の計算

(12)
(13)
(14)

14

液相法ナノ粒子合成

(15)

15

ゲルーゾル法で合成した粒子

ゲルーゾル法で合成した粒子

α

α--Fe2O3Fe2O3 αα--Fe2O3Fe2O3 αα--Fe2O3Fe2O3

CdS CdS CdSCdS Cu2OCu2O 2μm 2μm 2μm 0.5 0.5μμmm 1 1μμmm 0.50.5μμmm 10μm α α--Fe2O3Fe2O3

(16)

16

単分散粒子とは

„

サイズ、形態、構造、組成が均一な粒子群

„

おおむねサイズの標準偏差が10%以内のものをさす

„

単分散粒子は上記の性能が均一であるために、それだけで

機能性材料となる。なぜならば、全体で平均化されるのでは

なく、粒子1個1個がもつ特性がそのまま反映されるから。

„

たとえば、酸化鉄(α

-Fe

2

O

3

)だと、単分散粒子ではないと、

べんがらと呼ばれる真っ赤な塗料だが、サイズが1μ

m程度

で、形態が長いと黄色っぽくなり、平板だと真っ赤になる。

(17)

17

Stöber法シリカ粒子

きれいな単分散粒子 で、工業的にも多く利 用されている。

(18)

18

1. 核生成と粒子成長の分離

2. 粒子間凝集の防止

3. モノマーの留保

(T. Sugimoto, Adv. Colloid Interface Sci. 28, 65 (1987).)

単分散粒子合成のための一般的

指針

(19)

19

(20)

20

核生成と成長の分離

„

過飽和度の制御

„

希薄系あるいはリザーバーの存在

„

均一核生成に必要な過飽和度は通常不均一核生

成に比べて大きい

„

核生成期間の制御

„

核生成期を成長期に比べて格段に短くするなど

(21)

21

凝集防止

„

希薄系

„

塩濃度を低くして電気二重層による静電的反発力

で凝集防止

„

保護コロイド

„

粒子表面に吸着させて凝集を防止

„

粒子固定

„

ゲル網などに固定化してブラウン運動を抑制

(22)

22

モノマーの留保

„

リザーバーの存在

„

酸化物粒子: 酸化物の

Oは水がリザーバー。故

に金属イオンの方を制御する

„

金属: 金属状態は溶解度が非常に低いので成長

させるための工夫が必要

„

外部からの添加

„

ハロゲン化銀のようにダブルジェット法などを利用

する

(23)

23

ゾルーゲル法

„

金属アルコキシドを出発物質とし、温和な条件

で、加水分解反応を起こさせ、ゾルを得る方法

„

ゾルを経由して、ゲルまで行くことから、ゾルー

ゲル法と呼ばれるが、単分散粒子を得るには、

ゾルでとめる

Si(-O-C

2

H

5

)

4

+ 2H

2

O Î SiO

2

+ 4C

2

H

5

OH

(24)

24

Stöber法シリカ粒子

主要な合成条件: TEOS=Tetraethylorthosilica te, Si(-O-C2H5)4 0.1∼0.5 mol/L 溶媒=エタノール NH3(触媒)=1∼10 mol/L H2O= 0.5∼2.0 mol/L 温度= 0∼30 ℃

(25)

25

ゾルーゲル法粒子

„

TiO

2

, ZrO

2

など

„

温度が低いため、調製直後は非晶質のものが

多い。そのため、高温処理する場合がある

„

非晶質の場合は球形となる

SiO2: W. Stöber, A. Fink, and E. Bohn: J. Colloid Interface Sci. 26, (1968) 62. TiO2: E.A. Barringer and H.K. Bowen: J. Am. Ceram. Soc. 67 (1984) C-113.

E. A. Barringer, N. Jubb, B. Fegley, Jr., R. L. Pober, and H. K. Bowen: in "Ultrastructure Processing of Ceramics, Glasses, and Composites," (L. L. Hench and D. R. Ulrich, Eds.), pp. 315-333. Wiley, New York, 1984.

B. Fegley, Jr., E. A. Barringer, and H. K. Bowen: J. Am. Ceram. Soc. 67, (1984) C-113.

ZrO2: K. Uchiyama, T. Ogihara, T. Ikemoto, N. Mizutani, and M. Kato: J. Mater. Sci. 22, (1987) 4343. T. Ogihara, N. Mizutani, and M. Kato: Ceram. Intern. 13, (1987) 35.

PZT: T. Ogihara, H. Kaneko, N. Mizutani, and M. Kato: J. Mater. Sci. Lett. 7, (1988) 867. H. Hirashima, E. Onishi, and M. Nakagawa: J. Non- Cryst. Solids 121, (1990) 404.

(26)

26

その他の単分散粒子合成

„

希薄系

„

Matijevicコロイドなどが有名

„

ポリスチレンラテックス

„

重合反応

„

エマルジョン

„

界面活性剤を使う使わないで違いがある

„

その他

(27)

27

ゲルーゾル法単分散粒子合成

(28)

28 モノマー ゲル網 成長する粒子 ヘマタイト(α-Fe2O3)粒子 がゲル網に固定化される β-FeOOH(中間生成 物)のゲル網

凝集防止機構

例えば、ヘマタイト(α-Fe2O3)粒子合成では前駆固体として濃厚な非晶質水酸化鉄ゲルを 用い、非晶質水酸化鉄→含水酸化鉄(アカガナイト)→ヘマタイトの2ステップの相転移を経 て生成する。この場合、中間生成物である含水酸化鉄がヘマタイト前駆体のリザーバーとな り、かつ凝集抑制効果を担っている。 また、ヘマタイトの形の制御は硫酸根、リン酸根などの吸着性イオンを共存させることにより 達成される。

(29)

29 ゲル−ゾル法(ゾルーゲル法ではない)は1 mol/lもの高濃度で単分散粒子 が得られる全く新しい微粒子合成手法である。これまで単分散粒子の一般 的合成は、成長する粒子間で凝集が起こり、サイズや形が不均一になること を防ぐため、1/100 mol/l以下の極めて低い濃度でのみ可能であった。ゲル −ゾル法は、今までの単分散微粒子合成研究では果たせなかった、高い収 量でしかもサイズ、形の均一な粒子系を合成することを可能とした。 ゲルーゾル法のポイント: ① 粒子生成に必要な物質をリザーバー(固体あるいは金属キレート)から 徐々に放出させることにより、溶液の過飽和度を制御し、粒子成長中の新た な核生成を抑制したこと →核生成期と粒子成長期が分離され、ごく初期に生成した核のみが成長 し、単分散となる ② 粒子間凝集の防止機構をゲル網が担っていること

(30)

30

„

粒子成長中に溶質を供給

„

溶解度または溶解速度の十分低い固体ま

たは錯体を選ぶ

(31)

31

凝集防止の工夫

„

ゲル網の利用

„

凝集防止剤の添加

(32)

32 その1つの解決策:

ゲル−ゾル法

Fe(OH)

3

β-FeOOH

α-Fe

2

O

3

単分散ヘマタイト粒子調製

単分散ヘマタイト粒子調製

核生成 粒子成長 3 hours 6 days 100℃

(33)

33 ゲルーゾル法による

単分散ヘマタイト粒子の合成

単分散ヘマタイト粒子の合成

(34)

34

Ni(OH)

2

懸濁液

With PEG

NaH

2

PO

2

添加

生成物

50 50℃℃, 12 hours, 12 hours – 0.1 M Ni(OH)2 + 4 M NaH2PO2 – 0.5 wt% PEG(分子量400,000)

濃厚水酸化ニッケル懸濁液からの

濃厚水酸化ニッケル懸濁液からの

均一金属ニッケル粒子の合成

均一金属ニッケル粒子の合成

(35)

35

ゲル

ゲル

-

-

ゾル法によるスピンドル型

ゾル法によるスピンドル型

均一チタニア粒子の合成

均一チタニア粒子の合成

チタンイソプポキシド: 0.5 M

トリエタノールアミン: 1.0 M

(急激な加水分解の防止剤) 2M アンモニア水 高粘性のゲル状物質 スピンドル型均一チタニア粒子

(36)

36 Cd(OH)2 or Metal chelates TAA M + S 2+ 2-単分散硫化物粒子 Reservoir of M

単分散金属硫化物粒子

単分散金属硫化物粒子

M(NH3)n2+ 2+ Reservoir of S 2-Gelatin チオアセトアミド アンモニア錯体 M=Cd, Zn, Pb etc.

(37)

37

BaTiO

3

, SrTiO

3

„

ペロブスカイト系酸化物の合成

„

ゲルーゾル法を用いると液相からの直接合成

が可能である

„

市販品は固相反応でつくっている

(38)

38

Synthesis method of BaTiO

3

/SrTiO

3

fine particles

gel-sol method

Schematic drawing of reaction vessel

(autoclave)

(39)

39

TEM micrograph of BaTiO

TEM micrograph of BaTiO

3

3

200 nm

BT01

BT02

(High Purity Chemicals)

BT03

(Wako Pure Chemicals) 市販品

(40)

40

XRD patterns of starting

XRD patterns of starting

materials

materials

10 20 30 40 50 60 2θ/degree In te n sity /a .u . c. BT03 a. BT01 b. BT02 BaTiO3 (tet., JCPDS 5-0626) BaTiO3 (cub., JCPDS 31-174)

(41)

41

TG curves for starting

TG curves for starting

materials in

materials in

Ar

Ar

-4 -3 -2 -1 0 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 Temperature/ºC W ei g h t c h an g e/% -1.7 -0.6 -0.05 BT01 BT03 BT02 Samples: BaTiO3 Heating rate: 5 ºC/min, in argon atmosphere

(42)

42

TEM microphotographs of initial

materials

The particle size of SR-01 is smaller than 40 nm.

SR-01 SR-02 SR-03

50 nm 200 nm 200 nm

(43)

43

XRD patterns for initial

materials

A cubic SrTiO

3

phase was founded in initial

materials .

10 20 30 40 50 60 2θ/degree In te n s it y/a .u. c. SR-03 a. SR-01 SrTiO3(Cub., JCPDS 35-734) b. SR-02

(44)

44

TG curves of initial materials in

Ar atmosphere

SR-01 only

contents 3.9 % of

adsorbed water

and 2.83 % of OH

groups.

-10 -8 -6 -4 -2 0 0 250 500 750 1000 Temperature/ºC We ig h t c h an g e /% -6.73 SR-02 Samples: SrTiO3 Heating rate: 5 ºC/min, in argon atmosphere -3.9 SR-01 SR-03 -0.90 Carbonates

(45)

45

(46)

46

CeO

2

粒子生成が発端

1.0x10-3 mol/l Ce(SO 4)2 4.0x10-2 mol/l H 2SO4 90 ℃ Aは数時間後、B,Cと経時 している。 Bでは一次粒子が集まって 凝集体を形成しているよう に見える。

(47)

47

(48)

48 1.成長する粒子に選択的に凝集? 一次粒子同士、成長する粒子同士の凝 集はなぜないのか? (これらの凝集が起こると、単分散粒子 は得られない) 2.一次粒子の生成は溶質の析出では? 一次粒子や核が生成する機構は、溶質 の析出であり、成長中一次粒子も生成 しているとすると、その間は、一次粒子 の生成が溶質の析出、粒子成長は凝集 で、と機構が分かれて併発しているとい うことになる。 一次粒子 成長粒子 溶質

凝集機構の問題点

(49)

49

希薄系ヘマタイト生成

2.0x10-2 mol dm-3 FeCl 3 and 4.5x10-4 KH2PO4 at 100 oC 合成条件 凝集機構の成長モデルを支持する論文多い

M. Ocana, M. Morales, and C.J. Serna: J. Colloid Interface Sci. 171 (1995) 85. M. Ocana, R. Rodriguez-Clemente, C.J. Serna: Adv. Mater. 7 (1995) 212.

(50)

50

生成プロセス

0 hour 8 hours 2 day

4 day 7 day

β-FeOOH

参照

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