自 律 神 経
重要なのは,瞳孔,排尿であって,
発汗などは,試験に出ないと思う.
根拠のない 私見 ・・・
神経内科 戸田宏幸
神経系を大別: ① 体性神経 ② 自律神経
①体性神経: 随意運動と感覚を司り,外的環境に適応
②自律神経: 本人の意思とは 関わりなく,
内界の刺激に対し 内臓器官を支配,内部環境を調整
(例えば: 起立時の血圧,発汗など)
中 枢:
・高位中枢:大脳辺縁系,視床下部,脳幹網様体
・下位中枢: ⇒ 図で説明
副交感神経: Ⅲ,Ⅶ,Ⅸ,Ⅹ 脳神経核,仙髄 側角 交感神経: 第一胸髄 ~ 第三腰髄 ? 側角
交感神経,副交感神経
○交感神経 : 行動に向かって体を準備する方向
○副交感神経: 体を休養させる方向
交感神経 副交感神経
心拍数
気管支 拡 張
基礎代謝
血管 拡張・収縮 皮膚蒼ざめる 発 汗
唾液分泌
消化管 蠕動運動 低 下 膀胱・肛門括約筋
瞳 孔
節前線維,節後線維 (次のスライド参照)
○副交感神経: 節前線維は 一般に長く,
効果器官の近傍にある 神経節でニューロンを変える.
節後線維は短い. 二種類
伝達物質: いずれもアセチルコリン 節前線維:ニコチン受容体
節後線維:ムスカリン受容体 に作用
○交感神経:節前線維は 一般に短く,前根と共に脊髄を出た後 傍脊柱神経節でニューロンを変え,効果器官に向かうが,
一部は 腹腔神経節でニューロンを変える.
伝達物質: 節前線維:アセチルコリン 異なる 節後線維:アドレナリン
⇒ 受容体: α受容体(平滑筋収縮)
β受容体(平滑筋子癇)
注意! STEP
注意!!
STEP
①
② ③
④
④’
交感神経
スライド4参照星状神経節 毛様体
神経節 副交感神経
節後線維
交感神経節前線維
上頸部交感神経節 交感神経
中枢路
①↓
中間外側核
②↑
← ③
*交感神経と 副交感神経は 走行が異なる
①
②
瞳孔の副交感神経
(*副交感神経 は 動眼神経内を通る)Edinger - Westphal 核
毛様体神経節
瞳孔括約筋 動眼神経
外側膝状体を 通らず,
E-W核に入る.
視覚とは違う ことを 認識すべき.
副交感神経 瞳孔収縮
対光反射
Horner 徴候 ・・・ の前に
↓ 顔面神経
眼瞼下垂 をきたす病態 ⇔ 兎眼 (閉じない)
① 動眼神経麻痺
上眼瞼挙筋: 眼瞼下垂強い (IC-PC 動脈瘤)
② Horner 徴候
異なる(注意)瞼板筋: Muller 筋,完全な眼瞼下垂にはならない
*眼瞼狭小という言葉:下眼瞼にも瞼板筋があるので
③重症筋無力症
④慢性進行性外眼筋麻痺 (ミトコンドリア病)
Horner 徴候
散瞳筋を支配する交感神経系の 片側の機能障害
① 病側の縮瞳, ② 眼裂狭小化, 眼球陥凹 (最近 言わない)
③ 病側顔面の発汗減少 と 皮膚温上昇 障害部位
① 視床 → 脳幹 → 胸髄側角に及ぶ 中枢神経内伝導路
↑Wallenberg 症候群
② 胸髄側角 → 交感神経幹 → 上頸神経節,節前ニューロン
↑Pancoast 腫瘍
③ 上頸神経節 → 散瞳筋への 節後ニューロン(眼窩内腫瘍)
交感 神 経 の 障 害
で あ る こ と を
認識 !
Wallenberg 症候群 網様体
中心被蓋路 外側脊髄視床路 前脊髄小脳路
中枢性交感神経路三叉神経脊髄路核
蝸牛神経核
疑核
孤束核 下前庭神経核
Ⅸnの 運動神経
舌 後 1 / 3 の味覚
点 眼 試 験 (自律神経の 障害部位を考える)
○コカイン: NA関係
コカインが,交感神経の NAの神経終末への再結合を妨ぐ.
⇒ NAが 瞳孔散大筋のレセプターに結合して散瞳.
節後線維の障害があれば,神経終末から NAが放出されず,
散瞳作用は発動されない.
○エピネフリン(1.25%)
1.25% エピネフリンは,正常では 散瞳を起こさないが,
節前・節後の障害があると,denervation supersensitivity で散瞳(節後の方が強い)を生じる. ↑ 脱神経過敏
押さえが利かなくなる
ここは 節後です 節前ではない!
ここは 臓器です 節後ではない!
奏効器 ここ
点 眼 試 験
障 害 部 位
中 枢 節 前 節 後 正 常
点眼前 エピネフリン
(1.25%)
チラミン
(5%)
コカイン
(%)
○Argyll - Robertson 徴候
・ 主徴: 1) 直接 ・ 間接対光反射 の欠如 2) 輻湊反射は 温存
3) 高度の縮瞳
・ 一般に両眼性であるが,瞳孔不同や脱円のことも多い 視蓋前野で LRの経路が障害,輻輳の経路が保たれる.
・ LRの経路は 外側膝状体を通らず 脇にそれて,
Edinger – Westphal 核に至るが,その途中が障害され,
E – W 核 からの支配がなくなり,縮瞳したまま.
・ 形状 不規則.両側性,非対称.
・ 近年: 糖尿病,多発性硬化症,脳炎,変性疾患,
アルコール中毒など,非梅毒での頻度が増加.
○Adie 徴候 (見たことがないか,見逃しているか)
・ 若い女性に多い.
・ 片眼性の散瞳,LRが消失しているように見えるが,
実は 強い光でゆっくり縮瞳.
・ AChに感受性亢進,0.1% ピロカルピンで 速やかに縮瞳
→ この結果からは,副交感神経の節後神経障害?
・ しかし,膝蓋腱反射や アキレス腱反射の消失もみられ
障害部位については 議論がある.
顔 面 神 経 (運動神経以外に)
味 覚:舌 前 2 / 3 の味覚
自律神経: 頸静脈孔内の下舌咽神経節 → 鼓索神経
鼓索神経: 舌 前 2 / 3 の 味覚, 唾液腺から唾液分泌
↑ 上唾液核
*一方,舌咽神経の孤束核: 舌 後 1 / 3 の 味覚 ・ 感覚
(鼓索 と 孤束で まぎらわしい)
*みなさんの教科書には,どう書いてありますか?
同じこと
舌咽神経 耳下腺
顔面神経 顎下腺 舌下腺 鼓索神経
舌 咽 神 経 (三種の成分)
成 分 機 能
○運動枝 延髄疑核 → 頸静脈孔 → 茎突咽頭筋
(他の筋と構音 ・ 嚥下に関与)
○感覚枝 咽頭後壁の表在感覚,舌後 1 / 3 味覚 ・ 感覚
⇒孤束核
○副交感枝 副交感神経系の節前ニューロン: 延髄下唾液核 耳神経節:耳下腺に 分泌運動性線維
鼓索神経 とは違う
舌 咽 神 経
迷 走 神 経 (唾液とか チマチマしたことでなく)
成 分 機 能
運動枝 茎突咽頭筋 以外の咽頭,喉頭,食道のすべての筋 神経細胞体:延髄 疑核 (舌咽神経 と同じ)
舌咽神経と共に頸静脈孔から出る 感覚枝 咽頭,喉頭,食道の 表在感覚
神経細胞体: 上神経節 or 下位神経節 副交感枝 骨盤臓器を除く全内臓器の 副交感性の支配
神経細胞体: 第四脳室底の背側核
*喉頭を支配するのは反回神経.
注意
迷走神経
左は 大動脈を くぐる.
○ 起立性低血圧(orthostatic hypotension:OH)
・収縮期血圧が 21mmHg以上 低下すれば,OHと定義する.
この時,脈拍数の増加がなければ,
神経原性起立性低血圧と考えてよい.
・ 立ちくらみ,立位保持時の 失神発作(*SDS)
食事,排尿,排便で 失神する場合もある.
・ 血圧測定:tilt test(1 ~ 15 分 測定)
○ 発汗障害
・ 温熱発汗: 交感神経系の働き,交感神経障害: 発汗低下
→ Horner: 障害側の顔面発汗↓,皮膚温↑
○ Shy – Drager 症候群(*多系統萎縮症),DM neuropathy amyloid neuropathy,acute pandysautonomia
起立性 低血圧
排尿のメカニズム (参考程度で聞いてください)
複雑です. 書いてある本によっても,微妙に違う.
自律神経の関与と言われても,ぴんと来ない.
排尿後に 尿を出し切るために,
「外尿道括約筋に力を入れる」,という感触は わかる.
これは 随意筋です.
ただ,膀胱を収縮させるとかは 自分の意思ではない?
腹圧をかけるのは腹圧であって 膀胱ではない.
脳幹の排尿中枢: あまり記載がなく,わかりにくい.
排 尿 障 害
○ 神経の種類
① 副交感神経 ⇒ 骨盤神経(仙髄 S2~S4 中間外側核)
コリン作動性
膀胱平滑筋(排尿筋)の 収縮(運動), 尿意(感覚)
② 交感神経 ⇒ 下腹神経(胸腰髄 Th11~L2 中間外側核)
内尿道括約筋・・・試験に出ないといううわさ
③ 体性神経 ⇒ 陰部神経(仙髄 S2~S4 前角の Onuf 核)
外尿道括約筋(横紋筋): 蓄尿に関与(尿をがまん)
○ 膀胱の受容体
① 膀胱頂部,体部: アセチルコリン,βアドレナリン受容体
② 膀胱頸部: αアドレナリン受容体
大脳・脳幹
S2 ~ S4 中間外側核
Onuf 核 Th11 ~ L2
下位 排尿中枢 上位 排尿中枢
抑制 排尿 下腹神経
(交感神経)
骨盤神経
(副交感神経)
陰部神経
(随意神経)
外尿道 括約筋
前立腺
体部:
アセチルコリン受容体 βアドレナリン受容体
頸部:
αアドレナリン受容体
陰部神経
(随意神経)
下腹神経
(交感神経)
仙髄(S2~S4)
中間外側核 仙髄(S2~S4)
前角の Onuf核 胸腰髄
(Th11~L2)
中間外側核 骨盤神経
(副交感神経)
外尿道 括約筋
骨盤底筋群
○排尿筋を支配する副交感神経末端からは Ach が放出され ムスカリン様 Ach 受容体(M)に結合すると膀胱が収縮.
○排尿筋の交感神経受容体には β2 受容体 が多く,
交感神経から NAが放出されると膀胱が弛緩.
戦っている時に,オシッコしてる場合じゃない
○内尿道括約筋に相当する膀胱頸部,近位尿道の平滑筋は 交感神経が興奮すると α1 受容体を介する収縮を示す.
○ 前立腺平滑筋にも α1受容体による収縮機構を有する.
○外尿道括約筋や 骨盤底筋群は体性神経の支配が優位で,
ニコチン様 Ach 受容体(N) を介して収縮する.
排尿筋は副交感神経末端から Ach 放出 ムスカリン受容体に結合し 膀胱収縮
排尿筋の 交感神経 受容体には β2 受容体 が多く,交 感神経から NAが放出 され 弛緩.
β2 M
NA NA Ach
α1
Ach Ach
内尿道括約 筋の頸部,
近位尿道の 平滑筋は,
交感神経が 興奮すると α1 受容体 を介し収縮.
外尿道括約筋 ニコチン受容体 N
体性神経
障害部位
① 大脳 ・ 脳幹の障害 (上位中枢) ・・・ uninhibited bladder
② 大脳 ・ 脳幹 から S2 ~ S4 までの障害 a.運動枝の障害: 尿意はある b.感覚枝の障害
c.運動枝 ・ 感覚枝の障害 ・・・ spastic bladder
③ S2 ~ S4 (下位中枢) の障害
④ S2 ~ S4 (下位中枢) 以下の障害 a.運動枝の障害
b.感覚枝の障害 ・・・ atonic bladder
c.運動枝 ・ 感覚枝の障害 ・・・ autonomous bladder 抑制が 効かなくなる
排尿させる 下位中枢の障害 尿がたまる
大脳 (脳血管障害 など) ・・・ uninhibited
頻尿,尿意切迫感,切迫性尿失禁
脳幹部排尿中枢より,上位(大脳)の場合,
橋排尿中枢に対する 随意的コントロールが 不可 膀胱に少量の尿がたまっただけで,排尿反射が起こる
Uro dynamic study:
無抑制性収縮 (意思で抑制不可 → 尿意切迫,頻尿)
→ 排尿反射に移行してしまうと 括約筋が強調的に弛緩
→ 尿失禁
外括約筋の経路が保たれていれば,失禁を免れる
尿意を感じて,
何回もトイレに行くパターン
核上性脊髄障害 ・・・ spastic,automatic
○ 仙髄より 上位の脊髄での障害
○ 大脳,脳幹部反射中枢との連絡が途絶えるので,
高位中枢からの制御が喪失
○ 膀胱は 仙髄反射によって収縮するが,
橋排尿中枢から 交感神経中枢 or Onuf核 に対する 抑制が到達しないので,蓄尿反射が解除されない.
従って膀胱が収縮すると同時に括約筋も収縮する病態,
(detrusor – sphincter dyssynergia: DSD)が出現.
○ 患者の尿意感覚は消失することが多く,
無抑制収縮による頻尿,尿失禁が多くなる.
しかし DSDにより 尿排出が遮断され,残尿が多くなる
spastic bladder
核下性脊髄障害,馬尾・末梢神経障害 ・・・autonomous atonic
○ ここの障害は,排尿困難が主体.
核上性障害で挙げた以外に,DM,骨盤内手術が問題.
○ 支配神経自体が直接障害されるので 排尿反射が消失,
尿が多量にたまっても膀胱は収縮できず,腹圧をかけ排尿.
その際の尿道括約筋の反応は,弛緩~常時緊張まで様々.
○ ・ 間歇導尿
・ 膀胱収縮促進
下位中枢か,中枢より末梢の 運動 ・ 感覚神経とも障害された場合
奇異性尿失禁 + 奇異性尿失禁 +
DMが 代表的
運動神経は 障害されていない