• 検索結果がありません。

保護熱版法による布の熱伝導率測定における試験片 形態の影響

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "保護熱版法による布の熱伝導率測定における試験片 形態の影響"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

保護熱版法による布の熱伝導率測定における試験片 形態の影響

著者 真壁 文子, 高久 明

雑誌名 東京家政大学研究紀要 2 自然科学

44

ページ 109‑115

発行年 2004

出版者 東京家政大学

URL http://id.nii.ac.jp/1653/00010751/

(2)

〔東京家政大学研究紀要 第44集(2),2004,pp.109〜115〕

保護熱板法による布の熱伝導率測定における試験片形態の影響

真壁 文子,高久 明

(平成15年10月2日受理)

The Effects of Specimen Configurations on Measurements       of Thermal Conductivity of Textile Fabrics

      by Guarded Hot Plate Method

MAKABE, Ayako and TAKAKu, Akira

     (Received on October 2,2003)

キーワード:保護熱板方法,熱抵抗,熱伝導率,織物,ニット

Key words:Guarded hot plate method, Thermal resistance, Thermal conductivity, Woven fabrics, Knitted fabrics,

1.緒 言

 熱絶縁材の熱伝導を測定する方法の一っに,温度が異 なる2枚の平板状熱源の間に試料を挟んで,熱源間の熱 移動を測定する方法がある.測定装置は,一般に高温熱 源となる加熱板からの熱流が試験体の方向にのみ向かう

ように,加熱板の周囲を保護熱板で囲む構造となってい ることから,保護熱板法と呼ばれている.保護熱板法は,

織物・ニットなどシート状材料の定常状態における厚さ 方向の熱伝導測定に適している.また,試験片の準備及

び測定が簡便に行えるので,被服材料の学生実験にも適 している.しかし,この方法で測定された織物などの熱 伝導挙動には,幾っかの未解決な問題がみられる.

 一般に熱伝導率は,試料表面間の温度差が熱源間の温 度差に等しいとし,熱源間の温度差を一定に保っのに必 要な熱流密度の熱源間温度こう配に対する比として求め られている.SpeakmanとChamberlain 1)は,繊維の配 向がランダムであり,かさ密度がほぼ一定で厚さが異な る一連のシート状繊維塊の熱伝導を詳しく調べている.

その結果,熱伝導率は,試料の厚さによって変化し,厚 さが厚くなるほど大きくなると述べている.妹尾ら2)

は,多種類の織物及びニットにっいて熱伝導率を測定し,

試料の空げき率との関係を調べている.織物やメリヤス は繊維と空気の複合体であり,繊維の熱伝導率は空気の

熱伝導率よりもおよそ10倍程度大きい.したがって,空 げき率が大きくなるに従って,織物などの熱伝導率は小 さくなると推定される.しかし,織物などの熱伝導率は 空げき率と相関関係を示さず,厚さが厚い試料ほど大き な値を示す傾向にあると報告している.

 保護熱板法によって測定した織物やニットなどの熱伝 導率が厚さによって変化するのは,熱源と試料間の熱伝 導形態に起因している可能性が考えられる.そこで本報 では,試験片寸法,熱源間温度差など基本的な測定条件 にっいて検討した.また,平板状熱源と試料との間の接 触抵抗を考えに入れたモデルを提案し,このモデルに基 づいて,一連の織物及びニットの熱伝導を解析した結果 について報告する.

2.試料及び測定 2.1試料

 試料には,炭素繊維織物,ガラス繊維織物及び種々の 衣料用の織物・ニットを用いた.試料を記号で表した場 合には,先頭の文字Aが炭素繊維,Gがガラス繊維, W が毛,Cが綿, Eがポリエステルを表し,数字は1㎡当 たりの質量を表す.

 試料の厚さは,面積が10c㎡の圧子をもっ厚み計を用い て測定した.熱流の測定は試料に6gf/c㎡の荷重が加わ る状態で行ったので,厚さの測定も圧子荷重を6gf/c㎡

として行った.

服飾美術学科 被服材料研究室

(3)

真壁 文子・高久 明

2.2 測定装置

 本研究での熱流測定は,サーモラボ∬型熱損失速度測 定装置(カトーテック製)を用いて行った.この装置で は,内部に水を循環させて一定温度に保った水平な冷却 板の上に試験片を置き,その上から試験片を挟むように 高温熱源となる加熱板を置く.高温熱源から試験片の厚 さ方向への熱流は,加熱板を一定温度に保つのに必要な 電力Qを測定することによって求められる.

 高温熱源はBT−boxと呼ばれ,試験片に接触する側は 図1(a)のように一辺が8.5cmの正方形であり,その中 央に一辺が5cmの正方形の主加熱板が設けられている.

主加熱板は,表面が発泡スチロール製の保護熱源で囲ま れている.保護熱源は,主加熱板と別系統のヒータで保 温され,主加熱板から側方向への熱の漏れが防止される.

図1(b)はBT−boxを側面から見た図であり,主加熱板 はBT−boxの外箱から約1mmほど突出した構造となっ

ている.

(a)高温熱源下面の構造

         ←

主加熱板

保護熱源

高温熱源

試験片の取付け位置 低温熱源

(b)測定系の側面から見た概要 図1 測定系の概念図

 熱絶縁材料の熱抵抗ないし熱伝導率の測定方法を述べ たJIS 3)及びISO 4)は,一辺あるいは直径が20cm程度以 上で厚さ10mm程度以上の大きな試験体を対象としてい る.主加熱板と保護熱板の板面は同じレベルとなるよう につくられている.試験体は保護熱板外周と同じ寸法の ものを用いるので,加熱板と保護熱板は試験体と密接す

る.

 本報の測定では,特に断りのない限り,加熱板の温度 を30℃,保護熱源の温度を30.3℃,冷却板を20℃に制御 して行なった,また,全ての測定は20℃,65%RHの恒 温恒湿室で行った.

 試料の熱伝導特性を解析するには,構造が同じで厚さ が異なる試料を用いるのが便利である.しかし,このよ うな織物やニットを用意するのは難しい.そこで本報で の主な実験では,同じ試料から採取した積層試験片を用 いて,積層厚さによる熱流密度の変化を測定した.積層 厚さは,単層試料の厚さhに積層数nを乗じて求め

た.

 熱流密度qは,主加熱板の面積をAとして,次式      Q

   q=A

によって算出した.

3.結果と考察 3.1試験片寸法の影響

(1)

 JISに述べられている熱絶縁材の保護熱板法では,高 温熱源側の試験片面が主加熱板と保護熱板と直接接触す る.本報で用いたサーモラボII型測定装置では,主加熱 板面と保護熱源面とに高さの差があるので,保護熱源外 周(BT−box外周)と同じ寸法の試験片(一辺が8.5cmの 正方形)を用いても,保護熱源面は試験片面と直接には 接触しない.この寸法の試験片は,BT−box外周部で測 定室雰囲気に接触する.

 試験片として主加熱板面と同じ寸法の一辺が5cmの 正方形のものを用いた場合には,試験片の側端面は,保 護熱源と低温熱源に挟まれた空気層に露出する.測定の 目的によっては,主加熱板と同じ寸法の試験片を用いる のが便利であるが,この場合には,試験片を主加熱板直 下からずれないように正確に設置しなければならない.

一方,BT−box外周と同じ寸法の試験片を用いる場合に は,試験片取付けの作業は容易である.そこで本報では,

試験片寸法の相違及びこれによる試験片側端部の状態の 相違が熱流密度に及ぼす影響について調べた.

 実験は,熱流密度が大きく異なる代表的な試料から一 辺が5cm及び8.5cmの正方形試験片を所定の枚数ずっ採 取し,それぞれ同じ寸法の試験片を順次積層して,積層 厚さと定常状態における熱流密度qの関係を測定するこ

とによって行なった.

 図2に,試験片寸法を5cm角とした場合の熱流密度

(4)

保護熱板法による布の熱伝導率測定における試験片形態の影響

q5。を8.5cm角とした場合の熱流密度q、,に対して表した 結果を示す.同図において,熱流密度q5。とq85は,ほぼ

1対1に対応している.すなはち,測定条件の範囲にお いて,試験片寸法が熱流密度に及ぼす影響は無視できる といえる.

 図2の結果に基づいて,以下に報告する熱流密度の測 定は,一辺が8.5cmの正方形試験片を用いて行なった.

3.00

2.50

 2.00

≧1.50壽1加

0.50

0.00

 0.00    0.50    1.00    1.50    2.00    2.50    3.00

         q8.51(kWI m2)

  図2 熱流密度に及ぼす試験片寸法の影響

A214

G可97

△▽ W256   凶c

C235 d190

⁝. 1⁝

7

ξ

1

7

§

8

ワ・一 穿…

1

3.2熱流密度と厚さの関係

 図3に代表的な試料について得た熱流密度qと積層厚 さnhの関係を示す.熱流密度は積層厚さが厚くなるに っれて小さくなっている.また,積層厚さが厚いところ で熱流密度は一定値に近づく傾向を現している.

3.00

 加熱板に供給される熱量は,主に試料の熱伝導による 冷却板への移動及び加熱板からの放射によって失われる.

すなわち,試料の単位面積を通して単位時間に伝導によっ て流れる熱量をqc,加熱板からの放射による熱量をqr

とすると,全熱流密度qは   q=q,+qr と表される.ここで,

  To:加熱板の温度   Tc:冷却板の温度

とすると,熱源表面間の温度差 Tは    △T=T。−Tc

である.

との間の熱抵抗をRとして,

     △T    q・=ア

と表される.

O A214

◇ G197

今懸

口  E190

(2)

(3)

熱伝導による熱流密度q,は,加熱板と冷却板

︵∈≧X︶\σ

2.50

2.00

1.50

1.00

0.50

℃…  『雪

Q

○⁝ ▽謄

トコ

◇題轟嘗 i

゜・

T

%%疑

(4)

0.00

O.OO   1.00   2.QO   3.00   4.00   5.00   6.00

       Thickness / mm  図3 熱流密度の積層厚さによる変化

 保護熱板法による熱絶縁体の熱伝導率測定について述 べているJIS 3)によると,この方法は100㎡・K/kWよ

りも大きい熱抵抗をもっ試験片に適している.織物やニッ トは一般に厚さが薄いものが多い.本報で用いた試料の なかには5㎡・K/kW程度の小さい熱抵抗をもっものが 含まれている.また,織物やニットの表面には毛羽や糸 による微細な凹凸があり,加熱板あるいは冷却板と試験 片表面との間には熱的な接触抵抗があると推定される.

試験片の熱抵抗が小さい場合には,加熱板〜冷却板間の 全熱抵抗のなかで接触抵抗が占めるの割合が大きくなり,

結果として加熱板あるいは冷却板と試験片表面間の温度 差に及ぼす影響が大きくなる.ここで,試験片がn枚の 試料の積層で構成されているとし,加熱板側からi番目 の層の厚さをhi,熱伝導率をλiと表す.積層した布層 間も接触抵抗をもっ可能性があるが,これは十分に小さ いと見なして省略する.加熱板あるいは冷却板と試験片 表面間の接触抵抗は同じであるとしてRbと表す.接触 抵抗と試験片の熱抵抗は直列に結合しているから,加熱 板〜冷却板間の全熱抵抗Rは,

R一ュ+2Rb (5)

と表される.

 同じ種類の試料を積層した場合の熱抵抗は,各層の厚 さをh,熱伝導率をλと表して,

     n・h

   Rr「+2&   (6)

(5)

真壁 文子・高久 明

となる.式(6)で式(5)の熱抵抗を書き換えて,結果を熱 流密度qについて表すと,

       △T

   9マ+2Rb+9r (7)

と表される.

 図3に示した熱流密度と積層厚さの関係に最小二乗法 を用いて式(7)をあてはめて算出した熱伝導率,接触抵 抗,放射による熱流密度の値を表1に示す.

 式(7)を適用したときの相関係数は,どの試料におい ても0.999よりも大きかった.

3.3 装置係数の設定

 任意の試料の熱伝導率を求める場合に,その都度,熱 流密度と積層厚さの関係を測定するのは不便である.布 には厚さ0.2mm程度のものもあり,この種の試料に式

(7)を当てはめるには,少なくとも10枚程度以上の試験 片を積層していく必要があり,積層による測定誤差も生 じやすい.解析を行うためのモデルは,なるべく単純な ものが望ましい.そこで,接触抵抗と放射による熱流密 度を測定装置に固有な係数とみなし,これらの値として 表1に示す各試料の値の平均値を用いることを試みた.

表1のR、の平均値<Rb>として,

  <Rb>;1ユ2   (㎡・K/kW)

を得る.なお,標準偏差は0.404㎡・K/kWである.同 様にq,の平均値〈q,〉として,

  〈q,〉一・O.03    (kW/㎡)

標準偏差として0.012kW/㎡が得られる.

 係数Rbとq,が既知であれば熱伝導率は,

λ=・nh・k9等可 (8)

と表される.図4は,上式に基づいて,Rbとq,を用い て所定の積層数における熱伝導率を逆算した値に対して,

<Rb>と〈q,〉を用いて逆算した結果を示した.なお,

同図には,逆算した熱伝導率の平均値を白印で示してあ

る.

3.4 熱伝導率の変動と試料の厚さ

 図4の結果から,接触抵抗及び放射による熱流密度と して平均値を用いて算出した熱伝導率は,熱流密度〜積 層厚さ関係から最小二乗法を適用して算出した値と大き な差を生じないと推定される.そこで,一連の試料にっ いて積層数を3枚までとして熱流密度を測定し,それぞ れの積層数における熱伝導率を<Rb>と〈q,〉を用い

180

160

  140

9

E 120

ざ 100

K

80

 60  60     80    100    120    140    160    180

         λ/(mW/m・K)

図4〈Rb>及び〈q,〉を用いて逆算した熱伝導率λ とRb及びq,を    用いて逆算した熱伝導率λとの対応(黒印);平均値(白印)

 20

15

≧10 0

5

﹂■ーi︐ε塵◎犀      90 卜⁝−:i8ーーi㌻⁝属t⁝ーー     ⁝

   ⁝   ⁝ー!ー1酒●−ー⁝⁝・・㍗ ⁝即爆⁝ーーーるーーー    い   馳・   ⁝   劉麗正ーー   oo

胴︸︐と置里1⁝

         ⁝⁝!÷ー・ー暢⁝⁝⁝⁝︷⁝⁝⁝昏⁝ー⁝ー−⁝       団         軸

     ⁝;圭⁝ー1−ーー⁝⁝Ilー急.      99

i哩ー⁝ーー霧ー

麗㎜● ▲▼ 薗    伽ーP曜﹁﹁1整■8.■︐﹁   恥q      ▼⁝⁝i⁝ー愛^⁝

h

0

0.00     0.50     1.00     1.50     2.00

        Thickness/mm

 図5 熱伝導率の変動係数と単層試料の厚さ 160

140

912・

ε100

80

OO

i⁝

…  ii      i

i  l i      i

1   三

… i    …

}   1

…i    i i i    …

o

i   l

6蒔

l  l。 1  …樽…

@   …

…    ⇔

i i

60 0.00

2.50

o EO82

E146

…口・一

E190

i

o

8

△° ゥO

号竃゜

;△

ヨ舞⁝

OoQσδ 劉… !⁝

1.00       2.00       3.00

   Thickness / mm

図6 熱伝導率の計算値の厚さによる変化

4.00

(6)

保護熱板法による布の熱伝導率測定における試験片形態の影響

て算出した.その結果,算出した熱伝導率は,試料によっ て大きなばらっきを示すことが見い出された.図5は,

ばらっきの目安として算出した熱伝導率の変動係数CV を単層試料の厚さに対して表した結果である.同図から,

単層の厚さが約0.2mm程度より薄い試料が大きなばら っきを現すことが分かる.

 図6には,図5で大きな変動係数を表した試料の熱伝 導率を積層厚さに対して表した.同図には,参考までに 単層の厚さが比較的厚い試料の結果も示してある.この 図から,厚さが薄い試料は,積層数が1〜2枚の範囲に おいて,算出される熱伝導率が急激に変化することが分

かる.

3.5 熱流密度と温度差

 本報では,熱流の標準的な測定条件として,高温熱源 と低温熱源との温度差△Tを10QCとした.厚さの薄い試 料では,熱伝導率が△Tに依存して変化することも想定

される.そこで,△Tを5℃として,厚さが薄い試料を 数枚程度まで積層して,熱流密を測定した.図3に示し た例から推定されるように,厚さが薄い範囲での熱流密 度は,放射による値よりもかなり大きい.式(8)におい てqに対してq,を省略すると,次式が得られる.

  △T nh

  7=−T+2Rb  (9)

したがって,△T=5(℃)として得た△T5/qを△T=10

(℃)としたときの△Tlo/qに対して表したグラフは,熱 伝導率が△Tに依存しなければ式(9)の右辺を消去した 関係を表すといえる.図7に示すように,△Ts/qと

0.40

△TiO/qは,ほぼ1対1に対応している.したがって,

厚さが薄い範囲で熱伝導率が厚さに依存する値として算 出されるのは,高温熱源と低温熱源との温度差△Tない

し温度こう配に依存するものではないといえる.

3.6標準試料による薄い試料のサンドイッチ積層  式(7)で表したモデルに基づくと,厚さが薄い範囲で

は,右辺分母においてn・h/λの項が2R、に対して相対 的に小さくなり,接触抵抗をどの程度の値に見積るかに よって,算出される熱伝導率に大きな影響が現れると考 えられる.

 接触抵抗の影響を小さくする一っの方法として,接触 抵抗と熱伝導率が既知である2枚の標準試料の間に厚さ が薄い未知試料をサンドイッチ状に積層して熱流を測定 する方法が考えられる.この場合には,未知試料の熱伝 導率をλ,積層厚さをnh,標準試料について得た熱伝 導率,接触抵抗,厚さをそれぞれ添字0で表すと,未知 試料の熱伝導率λは,次式によって求められる.

λ一?黶k籍+2ずGつ)

 標準試料をEW190として,上記の方法によって求め た熱伝導率をサンドイッチ層の厚さに対して表した結果 を図8に示す.図8を図6と比較すると,サンドイッチ 状に積層して求めた熱伝導率には厚さに依存する傾向が 現れていない.すなはち,この方法によって,より確か な熱伝導率を推定することができることを示している.

0       03        20        0

︵と・Eミ童きい﹂°︿

0 0

0.00

8留驚

△  E190

狽n

   E

○.

O.OO O.10 0.20 0.30 O.40

2∈≧∈マ尺

     △TiOlq/kW(m・K》

図7熱流密度に及ぼす温度差の影響

100

90

80

70

60

0.00

EO82 E146

o

iロξ

8 i

0.20     0.40     0.60     0.80

        Thickness!mm

図8 熱伝導率の計算値とサンドイッチ層の厚さ

1.00

(7)

真壁 文子・高久 明

表1 代表的な試料の熱伝導率

試料  厚さノmm 空げき率 λ/(mW/m・K) Rb/(m2・1〈/kW)qr/(kW/m2)

A214 0.30 0.40 138.4 0.99 0.04

G197 0.31 0.32 65.9 0.95 0。05

W256 0.62 0。69 80.3 1.55 0.02

C235 0.61 0.76 81.8 0.98 0.02

E190

0.44 0.68 90.3 1.00 s O.03

︵¥∈≧∈︶こ

140 120 100 80 60 40 20

WoOlCotton

Polyester −一

⇔○

0

0.40   0.50   0.60    0.70   0.80   0.90   1.00

      Porosity     図9 熱伝導率と空げき率 3.9熱伝導率と空げき率

 図9は,一連の試料にっいて得た熱伝導率を空げき率 に対して表した結果である.同図において,表1に示し た試料にっいては,同表に示した熱伝導率λを用いた.

厚さが0.3mm程度より厚い試料にっいては,3枚までを 積層して得た熱流密度から式(8)のR、とq,をそれぞれ

<Rb>と〈q,〉で置き換えた式で算出した値の平均値 を用いた.また,厚さが0.3mm程度よりも薄い試料に っいては,3枚までを標準試料でサンドイッチ状に積層

して得た値の平均値を用いた.

 試料の空げき率vpは,試料のかさ密度をr,繊維の密 度をρfとして,次式によって求めた.

vρ=1−−2一     ρ!

(10)

繊維密度は,毛が1.32g/c㎡,綿が1.58g/c㎡,ポリエステ ルが1.38g/c㎡とした.

 熱伝導率〜空げき率関係において,空げき率1は空 気に相当する.空気の熱伝導率は,文献5)に記されて いる0℃と100℃の値を20℃に補間して,25.4mW/(m・

K)と推定される.織物やニットの熱伝導率は,個々の 試料内部における繊維と空気の複合構造によって異なる が6),基本的には空げき率が1の近くで空気の熱伝導 率に近い値をとるはずである.図9において,綿とポリ エステル試料の熱伝導率では,熱伝導率と空げき率の関 係が明確ではないが,毛試料では空げき率が大きくなる につれて,熱伝導率は小さくなる傾向が見られる.

4.総 括

 保護熱板法は,織物・ニットなどの定常状態における 厚さ方向の熱伝導測定に応用されている.また,試験片 の準備及び測定が簡便に行えるので,被服材料の保温性 に関する学生実験にも適している.しかし,この方法で 測定された熱流密度から算出された織物などの熱伝導率 は,厚さが厚い試料ほど大きな値を示す傾向にあるなど 不可解な問題が残されている.保護熱板法によって測定 した織物やニットなどの熱伝導率が厚さによって変化す るのは,熱源と試料間の熱伝導形態に起因している可能 性が考えられる.本報では,試験片寸法,熱源間温度差

(8)

保護熱板法による布の熱伝導率測定における試験片形態の影響

など基本的な測定条件について検討した.また,平板状 熱源と試料との間の接触抵抗を考えに入れたモデルを提 案し,このモデルに基づいて,一連の織物及びメリヤス の熱伝導を解析した.その結果,特に毛試料の熱伝導率 は,空げき率が大きくなるにつれて小さくなる傾向を示

した.

参考文献

1)J.B.Speakman and N H Chamberlain,

  Inst.,21,29−56 (1930)

2)妹尾順子,米田守宏,丹羽雅子,

  241 (1985)

」.Text.

家政学会誌,36,

3) ISO 8302, Therrnal insulαtion−Deterrninαtion   of steαdy stαte thermαl resistαnceαnd relαted   proρerties−Guαrded hot plαte aρραrαtus 4) JIS A 1412−1, Testルlethod/br thermαl resis−

  tanceαnd relαted proρerties of thermαl insulα一   tions−.Pαrt 1  Guαrded hot plαteαPραratus

  Japanese Standards Association(1999)

5)国立天文台編,理科年表,丸善,(2001)

6)E。R。 Kaswel1, Textile Fibers, Yαrns,αnd   Fαbrics , pp.192−215, Reinhold Pub.Corp.(1953)

Abstract

  The thermal resistance of ordinary textile fabrics is so small that in the measurements of thermal conduction by sandwiching a specimen between two planar heat sources, the contact resistance of the specimen to the surfaces of heat sources becomes relatively larger than the ther−

mal resistance of the specimen itself. In order to analyze the heat flow in this situation, a model taking into account the contact resistance fbr reducing the thermal conductivity as a parameter independent of fabric thic㎞ess was proposed. The themlal conductivity calculated by the model showed a reasonable dependency on the porosity of fabrics. The effects of specimen sizes and thic㎞ess on the heat fiow rate and on the thermal conductivity were precisely investigated.

参照

関連したドキュメント

タービンブレード側ファツリー部 は、運転時の熱応力及び過給機の 回転による遠心力により経年的な

工場設備の計測装置(燃料ガス発熱量計)と表示装置(新たに設置した燃料ガス 発熱量計)における燃料ガス発熱量を比較した結果を図 4-2-1-5 に示す。図

テナント所有で、かつ建物全体の総冷熱源容量の5%に満

格納容器圧力は、 RCIC の排気蒸気が S/C に流入するのに伴い上昇するが、仮 定したトーラス室に浸水した海水による除熱の影響で、計測値と同様に地震発

核分裂あるいは崩壊熱により燃料棒内で発生した熱は、燃料棒内の熱

核分裂あるいは崩壊熱により燃料棒内で発生した熱は、燃料棒内の熱

核分裂あるいは崩壊熱により燃料棒内で発生した熱は、燃料棒内の熱

一方,SAFERコードは,単相蒸気熱伝達の Dittus-Boelter 式及び噴霧流熱 伝達の