九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
"創造者" という評価
寺本, 振透
九州大学大学院法学研究院 : 教授
http://hdl.handle.net/2324/25558
“ 創造者 ” という 評価
九州大学
大学院 法学研究院教授 寺本振透( Teramoto, shinto )
2012 年 12 月 9 日
知財学会 第 10 回年次学術研究発表会
ビジネスと知的資産・知財法研究分科会セッション
花伝書 第七 別紙口伝
も の ま ね
に 、 似
せ ぬ 位 る
べ
し 。 も
の ま ね を き め
て 、 そ
の も の
に 、 ま
と に な り 入 り ぬ れ
ば 、 せ
ん と 思 ふ 心 な
し 。 さ
ほ ど
に 、 お
も し ろ き と ろ
ば か り を 嗜 め
ば 、 な
か 花 な か る べ
き 。
『
花 伝 書 ( 風 姿 花 伝 ) 』 講 社
文 庫 版 ( 川 瀬 一 馬 校 注 ) 六
頁 ( 観 阿 弥 の 口 述 を 世 阿 が
筆 記 し た と の 解 説 あ り 。 一
六
九
頁 )
毎月抄 (藤原定家によると伝えられる)
ま
た 、 本
歌 と り 侍 る や は 、 さ
き に も し る し 申 候
ひ し 花 の 歌
を 、 や
が 花
に よ
み 、 月
の う た
を 、 や
が て 月 に て よ む 事 は 達
者 の わ ざ な る べ
し 。 の
歌 を
ば 、 秋
冬 な ど に み
か
へ 、 戀
の 歌 な ど を や
季 の 歌 な ど に
て 、 し
も そ の 歌 を と れ る よ と き
こ ゆ る や う に よ み な す
べ き に て
候 。 本
歌 の を
あ ま り に 多 く 取 る 事 は
あ
る
ま
じ
き
に
て
候
ふ
創造と模倣の区別に、無理にでも意味を見つける方法は?
• いかに「創造」らしき営みも、そのほとんどの部分は模倣から成り立つ。
• いかに「模倣」らしき営みも、多少の創造を含む。
➡ 創造と模倣を区別する意味がなさそう?
๏ 「市場」の視点から眺めれば、なんとか意味を見つけることはできる?
➡ 新しい「市場」をつくる営みを「創造」と名づけ、従来と同じ「市場」で
活動する営みを「模倣」と名付けることにすれば、創造と模倣の区別に意
味を感じ取ることができるかもしれない。
A B
同じ市場において、 A が first taker で B が follower なら、
B は “ 模倣者 ” といって揶揄される。
U
A
B
新たな市場をめざすと、 B は “ 創造者 ” といって賞賛される。
U
V
A
B
もっとも、市場の区画は、演出次第でどうにでもなる。
U
V
W
A
B
広大無辺の市場が拡がっているようにみえるとき
U
First taker “A” にとって好ましい策は?
• 営利企業である以上、早期に現実的なサイズの収益を上げる必 要がある。
• ネットワーク効果(既に顧客となった者との tie がある者の方 が、そうでない者に比べて、顧客となる確率が高い)を考える と、 FOLLOWER “B” が出てきてくれた方が都合がよい。
➡ FOLLOWER の参入を歓迎。
➡ CONSORTIUM を立ち上げる、 FOLLOWER を PARTNER として賞
賛する、等々。
Follower “B” にとって好ましい策は?
• First taker “A” と友好関係を結ぶ。
➡ CONSORTIUM を立ち上げる、 First taker を盟主として賞賛する、
等々。
A B
市場にほとんど空隙がないようにみるとき
U
First taker “A” にとって好ましい策は?
• 人為的に市場の空隙をつくりだすか?
➡ 排他的権利を使って市場からBを追い出す。
• Bの顧客であってAの顧客でない者を潜在的顧客だと考えることにするか?
➡ ちょっとした工夫と改良で、価格設定で、あるいは、排他的権利によって、Bとの間でオセロゲ ームを展開する。
➡ Bを買収する、または、Bに買収される。
➡ AとB双方の顧客となる者を増やす。
• 既にAの顧客である者を潜在的顧客だと考えることにするか?
➡ ちょっとした工夫と改良で、買い替え / 買い足し 需要を喚起する。
Follower “B” にとって好ましい策は?
➡
おそらくは、 First taker “A” と同じようなもの。
A も B も “ 創造者 ” を名乗る策を採用しないと、いずれはこうなる。
A
U B A
U B
A
U
B U
B
A
成長しつつ、生き延びようと思うならば ...
U
B A
A
V
企業の具体的な行動をどう評価するかは、なかなか難しい。
• 人為的に市場の空隙をつくりだすか?
➡ 排他的権利を使って市場からBを追い出す。
• Bの顧客であってAの顧客でない者を潜在的顧客だと考えることにするか?
➡ ちょっとした工夫と改良で、価格設定で、あるいは、排他的権利によって、Bとの間でオセロゲ ームを展開する。
➡ Bを買収する、または、Bに買収される。
➡ AとB双方の顧客となる者を増やす。
• 既にAの顧客である者を潜在的顧客だと考えることにするか?
➡ ちょっとした工夫と改良で、買い替え / 買い足し 需要を喚起する。
もはや、創造者ではなく なったのだね、と言われ
orz
企業の具体的な行動をどう評価するかは、なかなか難しい。
• 人為的に市場の空隙をつくりだすか?
➡ 排他的権利を使って市場からBを追い出す。
• Bの顧客であってAの顧客でない者を潜在的顧客だと考えることにするか?
➡ ちょっとした工夫と改良で、価格設定で、あるいは、排他的権利によって、Bとの間でオセロゲ ームを展開する。
➡ Bを買収する、または、Bに買収される。
➡ AとB双方の顧客となる者を増やす。
• 既にAの顧客である者を潜在的顧客だと考えることにするか?
➡ ちょっとした工夫と改良で、買い替え / 買い足し 需要を喚起する。
• いっそのこと、別の市場をつくりだすか?
頑張っても頑張っても ガラパゴスと言われ
orz
企業の具体的な行動をどう評価するかは、なかなか難しい。
• 人為的に市場の空隙をつくりだすか?
➡ 排他的権利を使って市場からBを追い出す。
• Bの顧客であってAの顧客でない者を潜在的顧客だと考えることにするか?
➡ ちょっとした工夫と改良で、価格設定で、あるいは、排他的権利によって、Bとの間でオセロゲ ームを展開する。
➡ Bを買収する、または、Bに買収される。
➡ AとB双方の顧客となる者を増やす。
• 既にAの顧客である者を潜在的顧客だと考えることにするか?
➡ ちょっとした工夫と改良で、買い替え / 買い足し 需要を喚起する。
オーラがないと創造者と 言ってもらえず
orz
企業の具体的な行動をどう評価するかは、なかなか難しい。
• 人為的に市場の空隙をつくりだすか?
➡ 排他的権利を使って市場からBを追い出す。
• Bの顧客であってAの顧客でない者を潜在的顧客だと考えることにするか?
➡ ちょっとした工夫と改良で、価格設定で、あるいは、排他的権利によって、Bとの間でオセロゲ ームを展開する。
➡ Bを買収する、または、Bに買収される。
➡ AとB双方の顧客となる者を増やす。
• 既にAの顧客である者を潜在的顧客だと考えることにするか?
➡ ちょっとした工夫と改良で、買い替え / 買い足し 需要を喚起する。
• いっそのこと、別の市場をつくりだすか?
結果が出せないと 拙速と言われ
orz
企業の具体的な行動をどう評価するかは、なかなか難しい。
• 人為的に市場の空隙をつくりだすか?
➡ 排他的権利を使って市場からBを追い出す。
• Bの顧客であってAの顧客でない者を潜在的顧客だと考えることにするか?
➡ ちょっとした工夫と改良で、価格設定で、あるいは、排他的権利によって、Bとの間でオセロゲ ームを展開する。
➡ Bを買収する、または、Bに買収される。
➡ AとB双方の顧客となる者を増やす。
• 既にAの顧客である者を潜在的顧客だと考えることにするか?
➡ ちょっとした工夫と改良で、買い替え / 買い足し 需要を喚起する。
オーラがあれば、OKさ!
• どうせ、天才的にオーラを発する人物が既存の企業の中で出てくる可能性は低いのだから(いれば、
創業者になって新しい企業を創っているはず!)...
➡ 排他的権利の蓄積と行使
➡ 友好戦略
➡ 意図的陳腐化戦略
➡ 新技術開発
➡ Venture の買収
➡ 多少なりともオーラを発しそうな人物の温存、引き抜き
‣ 等々、あらゆる方策を組み合わせて工夫するほかないのかもしれない?