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高校化学 における個入実験導入 と

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(1)

文部省科学砺究費(一 般硯究C)課題番号03680256

「中等教育 における化学実験 と科 学的思考 能 力 の育成 との関連 に関す る調査研究」研究資料

高校化学 における個入実験導入 と

そ の影響に 関 す る調 査 研究

平成5年(1993年)12月

研究代表者 松 原 静 郎

(国立教育研究所)

(2)

は し が き

本研究資料は,科 学研究費補助金̲般 研究cr中 等イ ヒ 学におけ説 藻

科 学 的 思 考 能 力 の 育 成 との関 連 に関 す る調 査 研 究 」 で 実 施 され た 調 査 を 中心 と した結 果 の 一 部 を ま とめ,研 究 資 料 とす る もの で あ る。

高 等 学 校 に お い て も,い よ い よ来 年 度 よ り新 課 程 が 順 次 実 施 され,IAの 付 され た 科 目や 課 題 研 究 な ど新 しい 内 容 が加 わ って くる。 一 方,高 等 学 校 で の新 しい指 導 要 録 で は,小 ・中学 校 と同 様 に そ の 観 点 と して 第1に 関 心 ・意 欲 ・態 度 を挙 げ,次 い で思 考 ・判 断,観 察 ・実 験 の 技 能 ・表 現 と続 き,こ れ ま で評 定

の ほ とん ど を 占 め た 知 識 ・理 解 は最 後 に挙 げ られ て い る。

ま た,大 学 入 試 セ ンタ ー で は,従 来 の知 識 中 心 の 試 験 か ら思 考 を取 り入 れ た 試 験 へ と徐 々 に脱 皮 を 図 って い る と の こ と も聞 く。

この よ うな新 しい 状 況 は,国 際 的 に見 て も 日本 の 生 徒 の理 科 の知 識 は 多 いが, 学 習 に 対 す る意 欲 や 他 の人 へ 伝 え る技 術,自 分 で 考 え る機 会 が 足 りな か った 弊 害 を 直 そ う とす る もの で あ ろ う。 実 験 を1時 間 か け る よ り,黒 板 に1行 書 い た 方 が知 識 を得 る効 率 が 高 い と考 え られ て い た これ ま で の 状 況 か らは,教 え られ た こ と は覚 え るが,自 分 か ら進 ん で学 習 しよ う とす る姿 勢 や 自 ら疑 問 を もつ 余 地 な ど生 まれ て こな か った 。

これ に応 え る ひ とつ の手 立 て が,個 人 実 験 の 導 入 と考 え られ る。 これ ま で の グル ー プ実 験 と異 な り,個 人 実 験 を加 え る こ とで,一 人 一 人 が 自分 の ペ ー ス で 実 験 を 進 め る機 会 を つ くる こ と に な る 。 これ は,理 科 学 習 へ の興 味 ・関 心 や思 考 力,表 現 力 の 育 成 へ とつ な が って い く もの と考 え て い る。

我 々の 研 究 は,ま だ長 い 流 れ の途 中 に あ る。 本 資 料 は そ の一 里 塚 で あ る。 本 資 料 や 研 究 に 関 して,先 生 方 の ご意 見 や ご指 導,ご 叱 正 賜 れ ば幸 い で あ る。

最 後 に,一 連 の 調 査 研 究 で は非 常 に 大 勢 の 方 々に ご協 力 を い た だ いて き た 。 調 査 実 施 に ご尽 力 い た だ い た 先 生 方 や 実 習 助 手 の方,ま た,調 査 に回 答 して く

れ た 生 徒 諸 君,さ らに,本 資 料 作 成 に あ た り渡 辺 千 恵 子 さん に は資 料 整 理 な ど 他 方 面 で,小 川 友 子 さん に は入 力 の 面 で お世 話 に な った。 こ こ に記 して感 謝 申

し上 げ る。

研究代表者

松 原 静 郎

平成5年12月

(3)

研 究 組 織

研 究 代 表 松 原 静 郎(国 立教 育研究所 化学 教育研究 室長)

共 同 研 究 委 員 (平 成3,4年 度)

(平 成4年 度)

治 郎 義 通 夫 子 和 喜

定 三 博 弘 宗 純 豊 繁

石 田 保 野 田 川 井 沢

赤 清 久 畠 増 吉 日 古

(東京都 立東高等学校 教諭)

(東京都 立牛込商業高 等学校 教諭) (東京都 立石神井高等学校 教諭) (新潟 県立教育 セ ンター 指導主事) (栃木 県総 合教育 セ ンター 指導主事) (神奈川 県立生 田東高 等学校 教諭) (東 京都立 八王子東高等 学校 教諭) (長 野県教 育 セ ンター 専 門主事)

調査協力 委員

(平 成3.4年 度)大 平 日出夫(新 潟県立 十 日町高等学 校 教諭) 高 山 緑(栃 木 県立上三川高等学 校 教諭) 渡 辺 光(栃 木県立宇都宮東高 等学校 教諭) (平 成3年 度)石 川 朝 洋(新 潟 県立見附高等学校 教諭) (平 成4年 度)吉 楽 雅 典(新 潟 県立見附高等学校 教諭)

上記 のほか,小 池和子 氏 に も調査 に ご協 力 いただいた。

"皿

(4)

も く じ

は し が き ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …i 研 究 組 織 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …11 研 究 発 表 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …iv 1.調 査 概 要 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …1 2.調 査 対 象 お よ び 調 査 項 目 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …2 3.調 査 内 容 お よ び 結 果

(1)化 学 個 人 実 験 教 材 の 開 発 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …3 (2)化 学 個 人 実 験 に 関 す る 生 徒 の 意 識 ・ ・ ・ ・ ・ ・ …5 (3)個 人 実 験 を 実 施 し て の 生 徒 の 意 識 と 教 師 に よ る 評 価 ・11 (4)高 校 化 学 に お け る 個 人 実 験 の 導 入 ・ ・ ・ ・ ・ ・ …18 (5)化 学 実 験 に お け る 問 題 点 と 個 人 実 験 導 入 の 試 み …22 (6)理 科 に お け る 表 現 の 問 題 点 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …25 4.個 人 実 験 教 材

(1)酸 ・ 塩 基 と ム ラ サ キ キ ャ ベ ツ 液 の 色 ・ ・ ・ ・ ・ …30 (2)沈 殿 反 応 と 生 成 物 の 推 定 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …32 (3)化 学 反 応 の 量 的 関 係 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …34 (4)反 応 の 速 さ と 濃 度 と の 関 係 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …36 (5)コ ロ イ ド 溶 液 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …38 (6)イ オ ン 化 傾 向 と 電 池 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …40 (7)平 衡 の 移 動 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …42 5.個 人 実 験 教 材 に 関 す る 教 師 用 手 引 き ・ ・ ・ ・ ・ ・ …44 6.実 施 し た 調 査

(1)科 学 観 調 査 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …48 (2)実 験 に 関 す る ア ン ケ ー ト ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …49 (3)化 学 の 実 験 に 関 す る 調 査 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …50 7.記 述 を 要 す る 設 問 の 回 答

(1)実 験 「酸 ・ 塩 基 」 と 「反 応 の 速 さ 」 の 考 察 の 記 述 ・ ・58 (2)実 験 「成 分 元 素 の 検 出 」 で の 結 果 と 考 察 の 記 述 …66 8.集 計 一 覧 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …70

iii

(5)

研 究 発 表

口 頭 発 表:

(1)清 田三 郎,吉 川 純 子,増 田 宗 夫,松 原 静 郎

「化 学 個 人 実 験 教 材 の 開 発 」・

ケ ミカ ル サ イ エ ンス教 育 研 究 会 第1回 年 会,東 京,1992.

(2)久 保 博 義,赤 石 定 治,畠 野 弘 通,松 原 静 郎

「化 学 個 人 実 験 に 関 す る生 徒 の 意 識 」

ケ ミカ ル サ イ エ ンス教 育 研 究 会 第1回 年 会,東 京,1992.

(3)増 田宗 夫,松 原 静 郎,清 田三 郎,久 保 博 義,赤 石 定 治

「個 人 実 験 を実 施 して の生 徒 の 意 識 と教 師 に よ る評 価 」 日本 化 学 会 第64秋 季 年 会,新 潟,1992.

(4)松 原 静 郎,増 田 宗 夫,畠 野 弘 通,古 沢 繁 喜

「高 校 化 学 に お け る個 人 実 験 の導 入 」

全 国 理 科 教 育 セ ン タ ー研 究 発 表 会 第31回 化 学 部 会,大 阪,1993.

報 文 発 表:

(1)松 原 静 郎,「 理 科 に お け る表 現 の 問 題 点 」 理 科 の 教 育,41(9),pp.588‑591(1992).

(2)松 原 静 郎,「 化 学 実 験 に お け る問 題 点 と個 人 実 験 導 入 の 試 み」

理 科 の教 育,42(8),pp.523‑525(1993).

出版 物:

(1)松 原 静 郎,清 田 三 郎,久 保 博 義,斉 藤 幸 一,大 野 弘,金 田 民 江, 赤 石 定 治,「 高 校 化 学 に お け る生 徒 の 思 考 」

科 学 研 究 費 補 助 金 研 究 資 料,1992.

iv

(6)

1.調 査 概 要

新 しい 学 習 指 導 要 領 で は,小 ・中 ・高 等 学 校 の ど の 段 階 に お い て も理 科 の 観 察 ・実 験 の 重 視 が うた わ れ て お り、 ま た 、 そ の 実 験 も単 に 検 証 実 験 を 行 う の で

は な く、 自 らが 考 え 、 創 意 工 夫 して い く こ と が 望 ま れ て い る。

中 学 校3年 生 に 対 して 実 施 され たIEA第2回 国 際 理 科 教 育 調 査 で の 日本 の 実 験 テ ス トの 結 果 は良 い と は い え ず 、 特 に推 論 や 実 験 計 画 とい う高 次 な 目標 に 対 して 悪 か ったD。 ま た 、 国 立 教 育 研 究 所 に お い て 実 施 して き た 実 験 テ ス トの 結 果 で は 、 実 際 に 実 験 を 行 う こ と で 、 次 の 実 験 計 画 の 正 答 率 を 上 げ る こ とが 示

され た2)。

推 論 や 研 究 計 画 な ど科 学 的 思 考 能 力 を 育 成 す るた め に は 、 実 験 手 順 ど お りに 操 作 を す る 料 理 本 的 な 実 験 で は な く、 生 徒 一 人 一 人 が 主 体 的 に 取 り組 め る よ う な 個 人 実 験 を 行 う機 会 を つ くる こ と が 必 要 と考 え られ る。 こ れ ま で 、 個 人 実 験 につ い て 調 査 研 究 を 実 施 して お り、 実 験 時 間 の 制 約 や 、 器 具 の 数 、 試 薬 量 、 実 験 準 備 の 手 間 な ど の 問 題 が 考 え られ た が 、 少 量 化 学 実 験 を採 用 した と こ ろ、 試 薬 量 で は か え っ て 全 量 を 減 らす こ と さえ も可 能 で あ った3)。 実 験 項 目 に よ って は 反 応 時 間 の 短 縮 や 、 水 素 を扱 って も爆 発 な どの 危 険 性 は少 量 な の で 軽 減 され るな ど の利 点 も指 摘 され た 。

本 調 査 研 究 に お い て は、 本 研 究 に 則 した 個 人 実 験 を 年 に3回 程 度 導 入 し、 生 徒 の 反 応 を 実 験 テ ス トに よ り評 価 す る 。 ま た 、 各 実 験 の 後,質 問 紙 で も調 査 を 進 あ た 。

一 方 、 器 具 は 高 価 な 実 験 キ ッ トは 使 用 せ ず 、 絵 の 具 用 パ レ ッ トや ポ リ製 注 射 器 な どの 身 近 な 器 具 を 使 用 して き た が 、 そ れ らの 器 具 は も と も と実 験 用 に は作 製 され て お らず 、 パ レ ッ トで は 有 機 溶 媒 を 使 用 す る 際 に 、 注 射 器 で は 発 熱 反 応 を 繰 り返 した と き に 、 そ れ ぞ れ 変 質 す る こ とが わ か った 。 た だ し,注 射 器 で は 発 熱 の 際 に シ リ ンダ の ゴ ム が 溶 液 と接 触 しな い よ うに 立 て て 使 用 す る こ とで, 劣 化 を 遅 らせ る こ とが で き る。

思 考 力 の 育 成 に つ い て 調 査 を して い くに した が っ て,事 実 と意 見(結 果 と考 察)の 区 別 と い った 表 現 に 問 題 の あ る こ とが 浮 か び 上 が って き た 。

1)小 島 他 「理 科 教 育 に お け る実 験 ・観 察 等 の 実 際 的 活 動 に 関 す る 国 際 比 較 研 究 」 科 学 研 究 費 研 究 成 果 報 告 書(課 題 番 号58410016),p.21,1986.

2)松 原 他,日 本 科 学 教 育 学 会 年 会 論 文 集,11,pp.275‑278,1987.

3)松 原 他 「高 校 化 学 に お け る生 徒 の 科 学 的 態 度 に 及 ぼ す 個 人 実 験 の 影 響 に 関 す る 調 査 研 究 」 科 学 研 究 費 研 究 成 果 報 告 書(課 題 番 号02680244),p.7,1991.

一1一

(7)

2.調 査 対 象 お よ び調 査 項 目

調 査 対 象 は,3都 県 の6普 通 高 校 で2学 年 の 複 数 の ク ラ ス を対 象 と した。

1学 期 に事 前 調 査 と して の 科 学 観 調 査 を実 施 し,個 人 実 験 を 中心 と した化 学 実 験 か ら2〜3テ ー マ の実 験 を,各 校 の 進 度 に合 わ せ て 実 施 した。3学 期 に は 事 前 調 査 と同様 の 科 学 観 調 査 お よ び 実 験 テ ス トを 実 施 した 。 ま た,昨 年 と同様 に生 徒 の 関 心 や 意 欲,態 度 の 変 化 を み る た め,毎 回 簡 単 な 質 問 紙 調 査 を実 施 し, 教 師 に 対 して も教 師 か らみ た 生 徒 の 実 験 に対 す る態 度 や 教 師 の手 間 な ど に関 す

る項 目を 調 査 した 。

な お,実 験 教 材 の作 成 の 際 は,操 作 の説 明 はな るべ く簡 潔 に して,器 具 等 を 自由 に使 用 させ る こ と,さ らに,使 用 方 法 に 影 響 を及 ぼ しや す い 図 な ど は な る べ く少 な くす る こ と,実 験 結 果 の 予 想 な ど,生 徒 自身 で 考 え させ る項 目 を入 れ る こ と,少 量 実 験 を採 用 し、 器 具 は廉 価 な 消 耗 品 を使 用 す る こ とな どの 配 慮 を

した 。

個 人 実 験 実 施 時 に お い て は,失 敗 した ら も う一 度 や り直 せ ば よい こ と,結 果 に 疑 問 の点 が あ った ら,く りか え し実 験 して 確 か め る こ と,実 験 が 一 通 り終 わ った ら,各 自の 興 味 に よ り進 ん だ 実 験 を して よ い こ と,実 験 結 果 等 は条 件 に よ り同 一 に は な らな い こ と もあ り,自 分 の結 果 や 考 え を 重 視 す る こ と,以 上 の こ とを 強 調 して い た だ い た。

実 験 項 目 は以 下 の7項 目か ら選 択 して い た だ い た 。

(1)酸 ・塩 基 とム ラサ キ キ ャベ ツ液 の 色(2)沈 殿 反 応 と生 成 物 の 推 定 (3)化 学 反 応 の量 的 関 係(4)反 応 の 速 さ と濃 度 との 関 係

(5)コ ロ イ ド溶 液(6)イ オ ン化 傾 向 と電 池

(7)平 衡 の 移 動

各 高 校 で 実 施 され た 実 験 項 目 は次 の とお りで あ る。

学 校 平 成3年 度 平 成4年 度 大 学 短 大

番 号(1)(2)(3)(4)(5)(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)進 学 率

11◎ ◎ ◎4害U

12◎ ◎ ◎ ◎ ◎8割

13◎ ◎ ◎ ◎ ◎3割

21◎ ◎ ◎ ◎ ◎5害U

23◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎2害U

31◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎9割

34◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎4害U

注)◎ は,実 験 を実 施 した項 目を 示 す 。

一2一

(8)

3.調 査 内 容 お よ び結 果

(1)化 学 個 人 実 験 教 材 の 開 発

(都 立 牛 込 商 業 高 ・神 奈 川 県 立 生 田 東 高 ・ 栃 木 県 教 育 研 修 セ ・国 教 研) 0清 田 三 郎 ・吉 川 純 子 ・増 田 宗 夫 ・松 原 静 郎

1.は じ め に

我 が 国 に お け る 小 ・中 ・高 等 学 校 の 理 科 実 験 の 多 くは グ ル ー プ 実 験 で あ り1,、 消 極 的 な 児 童 ・生 徒 の 中 に は 器 具 に ま っ た く触 れ な か っ た り、 一 部 の 作 業 を 担 当 す る だ け で 終 わ る こ と も 多 〜、。 ま た・ 児 童 ・生 徒 は 一 つ ひ と つ の 操 作 の 意 味 よ り、 結 果 に こ だ わ っ た り2}、

実 験 の 全 体 像 が つ か め て い な い と 思 わ れ る こ と も よ く あ る。

生 徒 一 人 ひ と り が 考 え な が ら 操 作 で き る よ う に す る た め、.個 人 実 験 を 導 入 し て い く こ と の 必 要 性 を 感 じ、 具 体 的 な 個 人 実 験 教 材 を 作 成 し て 、 高 等 学 校 で 実 施 し た の で 報 告 す る。

2.個 人 実 験 開 発 に お け る 方 針

個 人 実 験 を 行 う た め に は 器 具 の 数 や 試 薬 の 量 、 教 師 の 手 問 の 問 題 『 が 浮 か び 上 が っ て く る。 そ こ で 、 器 具 に つ い て は 身 近 で 安 い 日 常 品 を 使 う こ と と し、 試 薬 に つ い て は 少 量 実 験 に す る こ と と し た 。 ま た 、 教 師 の 手 間 に つ い て は、 各 実 験 項 目 ご と1ご で き る だ サ 負 担 軽 減 を は か り、 事 後 に そ れ ぞ れ の 手 間 に つ い て 意 卑 を 問 .う こ 、 と に し た 。

個 人 実 験 の 内 容 は 次 ペ ー ジ に 示 す 。 こ れ ら の 個 人 実 駐 で は ・ プ リ ン トを 配 布 し、 そ の 指 示 に 従 っ て 実 験 を 個 人 で 実 施 し た。 実 験 ブ リ

ロ ヒ リ

ン トに は 、 目 的 や 概 要 を 載 せ て 全 体 像 の 把 握 を し や す く し、 操 作 に つ い て は 簡 潔 な 文 章 に し て 生 徒 の 考 え る 余 地 を で き る だ け 残 し た 。

.3.実 施 し た 結 果

器 具 は 、 パ レ ッ ト3}や 注 射eed}を 用 い る こ と で 数 を ま か な っ た 。 試 薬 は、 少 量 実 験 と し た こ と に よ り、 通 常 の 生 徒 実 験 に 比 彗 て ク ラ ス 全 体 で も2〜3割 の 液 量 で 済 ま せ ち こ と が で き た。 教 師 の 手 悶 に つ い て は、 調 査 の 結 果 か ら 通 常 の 実 験 よ り 負 担 が や や 大 き い と し た 回 答 が2/3で あ る が 、1/3は 変 わ ら な い と 答 え て お り、 生 徒 に 手 伝 わ せ る な ど 工 夫 す れ ば 負 担 の 軽 減 が で き そ う で あ る。

き よ た さ ぶ ろ う ・よ し か わ じ ゅ ん こ ・ま す だ む ね お ・ま つ ば ら し ず お

一3一

(9)

① 沈 澱 反 応 と 生 成 物 の 推 定

使 用 器 具:パ レ ッ ト、 滴 ビ ン ま た は ビ ー カ ー と ス ポ イ ト

実 験 内 容:4種 の 金 属 イ オ ン と4!1陰 イ オ ン を 混 合 し 、 枕 澱 を 生 じ る か を 調 べ 、 沈 澱 し た 場 合 に つ い て は 化 学 式 を 推 定 さ せ る 。 実 験 の 特 色:パ レ ッ ト 上 で の 少 量 実 験 。 重 金 属 溶 液 が 少 量 で 済 む 。

② 酸 ・ 塩 基 と 紫 キ ャ ベ ツ 液 の 色3⊃

使 用 器 具:パ レ ッ ト、 ビ ー カ ー 、 ス ポ イ ト

実 験 内 容:紫 キ ャ ペ ツ の 抽 出 液 がpHに よ り ど ρ よ う 彗 色 に な る か 観 察 し 、 ア ン モ ニ ア 水 を 薄 め た と き の 色 か らpHを 推 定 す る 。 実 験 の 特 色:パ レ ッ ト 上 で の 少 量 実 験 。 ス ポ イ ト で 定 量 的 に 希 釈 。

③ 化 学 反 応 の 量 的 関 係 の

使 用 器 具:注 射 器 、 ビ ニ ル 管 、 も の さ し 、 ノ・サ ミ、・ ビ ー カ ー 実 験 内 容:マ グ ネ シ ウ ム と 塩 酸 を 反 応 さ せ 、 発 生 す る 水 素 の 体 積

か ら 化 学 反 応 の 量 的 関 係 を 理 解 さ せ る 。

実 験 の 特'色:注 射 器 を 容 器 と し 、 実 験 の 簡 素 化 と 少 量 化 を 図 る 。

④ 反 応 の 速 さ と 濃 度 の 関 係

使 用 器 具:パ レ ッ .ト、 ビ ー カ ー 、 ス ポ イ ト、 時 計

実 験 内 容:チ オ 硫 酸 ナ ト リ ウ ム 水 溶 液 の 濃 度 変 化 と メ チ レ ン ブ ル ,一 の 槌 色 時 間 の 関 係 を 調 べ る 。

実 験 の 特 色:パ レ ッ ト 上 で の 少 量 実 験 。

⑤ コ ロ イ ド 溶 液

使 用 器 具:パ レ"1ト 、 セ ロ ハ ン 、 ろ 紙 、 ビ ー カ ニ 、 ス ポ イ ト 実 験 内 容:水 酸 化 鉄(皿)コ ロ イ ド を つ く り 、 ろ 紙 の 通 過 や 透 析 か

ら そ の 大 き さ を 推 定'さ せ 、 ま た 、 凝 析 に つ い て 調 べ る 。 実 験 の 特 色:'パ レ ッ ト 上 で の 少 量 実 験 。

⑥ 電 気 分 解3)

使 用 器 具:パ レ ッ ト、 乾 電 池 、 電 極 材(白 金 ・ 銅 ・ 鉛 筆 の 芯 等) 実 験 内 容:電 解 液 と 電 極 材 の 組 合 せ を 変 え る こ と で 、 陽 極 と 陰 極

で の 反 応 が ど う 違 う か を 調 べ る 。

実 験 の 特 色:パ レ ッ ト 上 で の 少 量 実 験 。 短 蒔 問 で 変 化 が 見 え る 。

1)松 原,日 本 科 学 教 育 学 会 年 会 論 文 集,IZ,131(1988).

2)赤 石,松 原 仙,日 化 第59春 季 年 会 講 演 予 稿 集1,859(1990).

3)粛,松 原,三 宅,日 本 科 学 教 育 学 会 年 会 諭 文 集,12,277(1988) . 4)那 須 編,墓 目 監,圃PAC化 学PART2,107,富 士 プ リ ン ト(1985) .

一4一

(10)

(2)化 学 個 人 実 験 に 関 す る 生 徒 の 意 識 (都 立 石 神 井 高 ・都 立 東 高 ・ 新 潟 県 立 教 育 セ ・ 国 立 教 育 研)

○ 久 保 博 義 ・赤 石 定 治 ・畠 野 弘 通 ・松 原 静 郎

1.は じ め に

私 達 は 、 個 人 実 験 教 材(沈 澱 反 応 と 生 成 物 の 推 定 ・酸 、 塩 基 と 紫 キ ャ ベ ッ 液 の 色 ・化 学 反 応 の 量 的 関 係)を 用 い て 実 際 に 個 人 実 験 を 行 ㌔・ 、 そ れ ら に 対 す る 生 徒 の 意 識 調 査 を 個 人 実 鹸 の 事 前 及 び 事 後 に 実 施 し た の で 、 そ の 結 果 を 報 告 す る。

2.調 査 対 象 と 調 査 方 法

調 査 対 象 生 徒 は 、 石 神 井 高 校2年 生(化 学 必 修2単 位)127名

(男 子67名 、 女 子60名)で あ る。 調 査 方 法 は 、 質 問 紙 法)v̀Vよ り 行 っ た:。 調 査 は、 事 前 調 査(1学 期)と 個 人 実 験(1学 期1回 、2 学 期2回)実 施 後 の 事 後 調 査(3学 期)で あ る。 な お、 事 前 と 事 後 の 調 査 項 目 は 同 一 で あ る。

3.結 果 と 考 察

事 前 、 事 後 の 調 査 は 、20の 質 問 項 目 が あ る が、 そ の 中 の4項 目 の 結 果 を 右 図 に 示 し た。 全 体 で は 余 り 変 化 が 見 ら れ な い が 個 人 別 あ 変 化 を み る と、(11)の 「化 学 は お も し ろ い か 」 で、 中 立 と 賛 成 間 の 変 化 は、 男 子 は 約7%、 女 子 は12%が 入 れ 変 わ っ て い る。(15)の

「実 験 が あ る と 楽 し い ゐ・」 で 、 中 立 か ら 賛 成 へ の 望 ま し い 変 化 は、

男 子9%で あ っ た の に 対 し て 、 女 子 で は20%で あ 疹 た の が 注 目 さ れ る。

(19)の 「グ ル ー プ の 人 数 」 で は、 事 前 と 事 後 で イ の 「二 人 で 協 力 」 が14%増 加 し、 エ の 「四 人 で 協 力 」 が9%減 少 し た 。 し か し、 依 然 「四 人 で 協 力 」 が 多 い こ と は、 こ れ ま で の 実 験 で は4人 程 度 の グ ル ー プ 実 験 が 主 流 で あ る こ と の 影 響 と 考 え ら れ る。 男 女 別 で は イ の

「二 人 で 協 力 」 は、 男 子 が19%か ら28%で あ る の に 対 し て 、 女 子 で は23%か ら42%と 増 加 が 大 き い 。 ま た、 個 人 別 の 変 化 で は、

男 女 共 「エ か ら イ へ の 変 化 」 が12%ず つ み ら れ た 。

(20)の 「目 新 し い 実 験 器 具 」 で は 、 事 前 調 査 で 、 ア の 「進 ん で 使 う 」 は 男 子34%に 対 し て 女 子45%と 女 子 が 多 か っ た。 し か し、

そ の 後 の 変 化 で は 男 子 の 中 で 「エ か ら ア へ の 変 化 」 が12%あ っ た 。

くぼ ひ ろ よ し ・あ か い し さ だ は る ・は た の ひ ろ み ち ・ま つ ば ら し ず お

一5一

(11)

以 上 、 今 回 の 個 人 実 験 で の 実 験 に 対 す る 生 徒 の 意 識 で は 、 大 き な 変 化 は 認 め ら れ な か っ た が 、 「グ ル ー プ の 人 数 」 に 凹 し て は 、 「四 人 で 協 力 」 が 減 り、 「二 人 で 協 力 」 が 増 加 し て い る こ と が み ら れ た。

図 事 前 ・事 後 の 意 識 調 査 の 結 果

(12)

一7一

(13)

一g一

(14)

一9一

(15)

一10一

(16)

(3)個 人 実 験 を 実 施 し て の 生 健 の 意 識 と 教 師 に よ る 評 価

栃 木 県 教 育 研 修 セ ン タ ー ・国 立 敦 育 研 魔 所 ・都 立 牛 込 商 業 高 等 学 校.

都 立 石 神 井 高 等 学 校 ・都 立 東 高 等 学 校

O増 田 宗 夫 ・松 原 騨 郎 ・清 田 三 郎 ・久 保 博 義 ・赤 石 定 治

1.は じ め に

個 人 実 験 に 対 す る 生 徒 の 意 識(理 解、 操 作 の 難 易、 意 欲 》 及 び 敦 師 の 評 価(実 験 内 容、 準 側、 器 具 及 び 試 薬、 生 徒 の 反 応 》 を 翼 査 し た の で、 実 験 項 目 「化 学 反 応 のf的 関 係 」 を 例 に 報 告 す る.

2.調 査 対 象 と 調 査 方 法

調 査 対 象 は、 東 京、 新 潟 、 栃 木 の .7高 校、 普 通 科2年 生989名 敦 師6名 で あ る.実 験 は、 反 応 に よ る 水 素 発 生 量 の 測 定 で、 試 藁 は マ グ ネ シ ウ ム と 塩 酸、 器 具 は プ ラ ス チ ッ ク の 注 射 器 を 使 用 し た 調 査 方 法 は、 実 験 結 果 に つ い て は 実 験 プ リ ン ト、 実 験 に 対 す る 生 徒 及 び 教 師 の 意 識 は、 質 同 紙 に よ り 行 っ た.

3.結 果 と 考 察

こ の 個 人 実 験 に 対 す る 生 徒 の 反 応(表1)は 、7割 が よ く 観 察 で き、 や さ し か っ た と 答 え て い る.内 容 面 は、7割 が 面 白 く、6割 が よ く わ か っ た と 答 え、 意 欲 面 で は 積 極 性 が7割 で、 自 発 性 は1 割 程 度 で あ っ た.ま た、 時 間 不 足 や 理 解 不 足 等 の 感 想 が2割 程 度 あ っ た.

教 師 の 評 価(表2)は 、 全 員 の 生 徒 が 今 ま で の 実 験 以 上 に 楽 し く 一 生 懸 命 実 験 し て い る 姿 が み ら れ た と 答 え て い る

.一 方、 疑 同 ・

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改 普 意 見(表3)も あ る が、 総 合 し て こ の 個 人 実 験 は 生 徒 に も、 敦

師 に も 好 意 的 に 受 け 入 れ ら れ て い る.

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発 表原 稿 「 個 人 実 験 を実 施 して の生 徒 の意 識 と教 師 に よ る評 価 」

平 成4年10月5日

現在 高 等 学 校 の化 学 実 験 は、 時 間 的 、 経 済 的 な理 由か ら、 そ の 多 くが グル ー プ実 験 で あ ります 。 しか し、 そ の ため、 生 徒 が 実 験 器 具 に全 く触 れ な か った り、 自主 的 に 実験 を進 め られ な い な どの 弊 害 も出 で い ます 。

そ こで、 私 た ち は、 これ か ら発 表 す る よ うな 一 人一 人 が実 験 で き、 しか も 自分 の ペ ー ス で進 め られ る個 人 実 験 を計 画 し実施 して き ま した 。.r個 人 実験 に対 す る生 徒 の意 識Jに っ い て は、 赤 石 が 日本 化 学 会 第59会 春 季 年 会 で発 表 しま した。 今 回 は、

「 化 学反 応 の量 的 関 係」 の 個人 実 験 を実 施 後 に 、生 徒 が この実 験 を どの よ うに と ら え てい るか 、 .ま た実施 に あ た っ た教 師 は、 どの よ うに と らえ評 価 してい るか、 を 中 心 に調 査 しま したの で報 告 い た します 。

(TP1)

調査 対 象 は、 東 京 、 新 潟 、 栃 木 の 高 等 学 校7校 の 普 通 科2年 生 と指 導 に 当 た っ た 教 師 を対 象 に しま した。 生 徒 は7校 合 わ せ て984名 、 教 師 は6名(研 究 同人1名

は、 除 き ま した)で す 。 (TP2)

時 聞や 経 済 性 な どの制 約 を考 慮 に いれ た個 人 実 験 と して、 少 量 化 学 実 験 の 形 式 で 行 い ま した 。今 回行 い ま した 「 化 学 反 応 の 量 的 関 係 」 の 実 験 は、 反 応 に よ る水 素 発 生 量 の 測 定 で 、 試 薬 は マ グネ シ ウム と塩 酸 、 器 具 は使 い捨 て プ ラ ス チ ックの注 射 器 を使用 し、 実 験 方 法 は この よ うに 行 い ま した 。(演 示 実 験)

(TP3)

調査 は、 個 人 実 験実 施 後 に 、質 問紙 法 に よ って行 い ま した 。 生徒 用 の質 間 紙 で は 質 問1で 「 個 人 実 験 に つ い て の 印 象」 、 質 問2で 「 個 人 実 験 に 関 す る、 疑 問、 感 想 等 」 を含 め て記 述式 に て、 教 師用 の質 問 紙 で は、 「 個 人 実 験 の 実施 時期 や 準 備 」 、

「 生 徒 の 反 応 等6項 目」 と 「 個 人 実 験 に対 す る教 師 の 評 価 」 を答 えて も らい ま した。

詳 し くは、 お 手 元 にお 配 り しま した質 問 紙 を ご覧 くだ さ い 。(質 問紙 配 付) (TP4)

これ は 、生 徒 用 質 問1に つ いて の集 計 結 果 です 。 や や 肯 定 及 び肯 定 を含 め 肯 定 的 反 応 と考 えます 。そ の 結 果 肯 定 的反 応 を示 した の は 「 今 回 の実 験 が面 白か っ た」 「 化 学反 応 は よ く観 察 で き た」 「 実 験 の操 作 はや さ しか っ た」 と い う項 目で約7割 と い う高 い数 値 を示 してい ます 。生 徒 に と って この 実 験 は、 操 作 がや さ し く、 よ く観 察 で き る実 験 方法 と考 え られ ます 。 ま た 「 積 極 的 に取 り組 ん だか」 とい う項 目に対

して も、 や は り約7割 の 生 徒 が 積 極 的 に取 り組 ん だ こ と を示 して い ます 。 (TP5)

一 方 、 同 じ生 徒 用質 問1に っ い て の集 計 結 果 で、 肯 定 的 反 応 に高 い数 値 が 見 られ な か っ た 項 目 は 、 「 実 験 内 容 は よ くわ か っ た か 」 が5割 弱 で した 。 自 らが 考 え な が ら実験 す る機 会 を与 える ため 、 予 想 させ 思 考 させ る問 い を入 れ て、 実 験 プ リン トを 工 夫 しま した。(プ リン ト配付)

しか し、4の 部 分 で無 回 答 者 が4割 を超 え、 難 しか っ た と考 え られ る よ うです 。

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理 解 不 足 の 感 想 も2割 程 度 あ りま した。

ま た、 「 実 験 で は プ リン トに書 い て な い こ とも い ろ い ろや っ てみ た かJと い う 自 発 性 に対す る質 聞項 目も1割 弱 で大 変 少 な い 数値 を示 して い ます 。 これ は時 間不 足 の 感 想 が2割 程 度 存 在 し、 実 際 、 この 実 験 が スム ー ズ に い っ て1校 時 の 時 間 をふ る に使 い、 も う一 つ よ け い に実 験 す る ゆ と りが な く、生 徒 自身 の 工 夫 を生 か す こ とが で き な か った こ とも、 一 因 と考 え られ ます 。 この こ と は、 他 の実 験 で もや は りそ の 値 は小 さ く、 方 法 に工 夫 が必 要 と考 えて い ま す 。

(TP6)

指 導 者 と して 、 この少 量 化 学 個 人 実 験 に対 す る感 想 は、 全 員 が 実 験 に参 加 で き る の で 大 変 よい 、 生 徒 実 験 は原 則 と して個 人 実 験 の 方 が 効 果 的 な ど肯 定 的 回答 が5人

グル ー プ 実 験 と個 人 実 験 ど っち も ど っ ち ケー スバ イ ケー ス と回答 した も の1人 で あ りま した。 この こ とは、 実 験 項 目に よ りグル ー プ実 験 の場 合 の方 が よ い と考 える項 目も存 在 す る が、 生 徒 一 人 一 人 が 実 験 器 具 に触 れ た り、 自 らが考 えな が ら実 験 す る 機 会 を意 図 的 に与 え る こ とは、 効 果 的 で あ る と指 導者 も感 じて い る と受 け取 る こと が で き ます 。 た だ し、 私 た ち もす べ て個 人 実 験 が よ い と考 えて はい ませ ん 。

しか し、 この よ うな個 人 実 験 を入 れ る こ と に よ り、 グル ー プ実 験 で も積極 的 に取 り組 む よ うに な る の で は と考 えて い ます 。

(TP7)

これ は、 この 実 験方 法 に対 す る指 導 者 の 感 想 です 。 予 想 させ る思考 部 分 は有 効 で あ る。 と て も よ いア イデ ア だ と思 う。個 人 実 験 だ と手 を 出 さ な い生 徒 も主 体 的 にや る。 気 体 の 発 生 、 発 熱 、 体積 が よ くわ か り生 徒 に好 評 であ る な ど肯 定 的 回答 が3人 。

一 方 、 結 果 か らの考 察 は、 細 か な指示(グ ラ フ な ど)が 必 要 、 プ リン トの後 半 の設 問 はほ とん ど答 え られ な い、3ク ラ ス 目位 か らシ リン ジが移 動 しに くい ・体 積 の測 定 を こん な方 法 で いい の か生 徒 が疑 問 を持 っ な ど改 善 を望 む もの が3人 とい う結 果 で あ りま した。 注射 器 の トラブル は、 この実 験専 用 の 器 具 で な く 日用 品 を用 い て い る た め です が、 反 応 中 は、 注 射 器 を立 て る と この トラ ブル が防 げ る との 報 告 を も ら っ て い ます 。

また 、生 徒 の 疑 聞 に して も、 今 ま での 化 学 実 験 と違 い簡 単 で、 体 積 も厳 密 で な い た め の 疑 聞 の声 と感 じ られ ます 。 しか し、 この よ うな簡 単 な方 法 で も あ る程 度 測 定 で き る こと を知 り、 そ の 際、 生 徒 の 考 えが誤 差 に まで 進 め ば す ば ら しい こ と と思 い ます 。

一方 、 教 師 か ら見 た生 徒 の反 応 に つ い て 、 全 員 の生 徒 が 今 ま での 実験 以上 に楽 し く一生 懸 命 実 験 して い る姿 が み られ た と答 えて い ます 。 実 験 プ リン ト4の 項 目に グ ラ フ を入 れ るな どの改 善 が 指 摘 され て い ます が 、 総 合 して この個 人 実 験 は生徒 に も、

教 師 に も好 意 的 に受 け入 れ られ て い る と思 わ れ ます 。

今 後 、 この よ うな個 別 実験 の機 会 を作 る こ とが、 生 徒 の 実 験 に対 す る積 極 的 な取 り組 み を 促 す こ と に つ な が っ て い くか 、 ま た 生 徒 の 科 学 的 態 度 が ど の よ う に変 容 す る か、 今後 さ らに調 査 を進 め て い く予 定 であ ります 。

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(4)高 校 化 学 に お け る個 人 実 験 の 導 入

国 立 教 育 研 究 所 松 原 静 郎 栃 木 県 総 合 教 育 セ ンタ ー 増 田 宗 夫 新 潟 県 立 教 育 セ ンタ ー 畠 野 弘 通 長 野 県 教 育 セ ンタ ー 古 澤 繁 喜

1.は じめ に

第2回IEA国 際 理 科 教 育 調 査 で は,中 学 校3年 生 に対 して 実 験 テ ス トが 実 施 され た 。 表1に 示 す と お り,結 果 の比 較 で き る 国 は少 な い が,3力 国 の 中 で 我 が 国 の 実 験 テ ス トの 結 果 は 良 い とは い え ず,特 に推 論 や 実 験 計 画 とい う高 次 な 目標 に対 して 悪 か ったD。

表1.実 験 テ ス トの 目標 別 の 正 答 率(%)D

目標 日本 ハ ンガ リー シ ンガ ポ ー ル

観 察/操 作627664 推 論335442 調 査 ・研 究288679

一 方 ,新 しい 学 習 指 導 要 領 で は,小 ・中 ・高 等 学 校 の ど の段 階 に お い て も . 理 科 の 観 察 ・実 験 の 重 視 が うた わ れ て お り,ま た,そ の 実 験 も単 に検 証 実 験 を 行 う の で は な く,自 らが 考 え,創 意 工 夫 して い くこ とが 望 まれ て い る。

我 が 国 で の 実 験 は,数 人 の グル ー プ を つ く って 実 施 され る こ とが 多 い2)。

グル ー プ 実 験 は効 率 的 で,操 作 や結 果 につ い て 話 し合 い が で き るな どの 長 所 が あ る反 面,実 験 で 手 分 け を す る こ とで 実 験 に は手 を 出 さ な い 児 童 生 徒 や, 手 を 出 せ な い 児 童 生 徒 も出 て く る。

さ らに,推 論 や 研 究 計 画 な ど科 学 的 思 考 能 力 を 育 成 す る た め に は,実 験 手 順 ど お りに操 作 を す る料 理 本 的 な 実 験 で は な く,生 徒 一 人 一 人 が 主 体 的 に 取 り組 め る よ うな 個 人 実 験 を 行 う機 会 を つ くる こ と が 必 要 と考 え られ る。 ま た, 国 立 教 育 研 究 所 に お い て 実 施 して き た 実 験 テ ス トの 結 果 で は,実 際 に 実 験 を 行 う こ と で,次 の実 験 計 画 の 正 答 率 が 上 が る こ とが 示 され た3)。

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2.個 人 実 験 教 材 の 開 発

予 備 調 査 と して,高2を 対 象 と した 個 人 実 験 を 実 施 し,生 徒 の 反 応 を調 査 した4)。 そ の 結 果,化 学 実 験 を 自 分 で す るの が 好 き な 生 徒 は6割 で あ った が, 個 人 実 験 を 楽 しい と した生 徒 は2割 程 度 と少 な か った 。 個 人 実 験 の 悪 い点 と

して は 「結 果 が 不 安 」 や 「ひ と に 聞 け な い 」 な ど を7割 近 くの 生 徒 が 挙 げ て お り,実 験 に お い て も結 果 の成 否 を 重 視 して い る姿 勢 が 認 め られ た 。 一 方, 個 人 実 験 の 良 い 点 と して は 「マ イ ペ ー ス で や れ る」 や 「く りか え しで き る」

を3割 の生 徒 が 挙 げ て い た 。 ま た,新 しい実 験 器 具 に関 す る 項 目 で は,「 進 ん で 使 う」 と回 答 した 割 合 は3割 で あ った 。

こ の 結 果 も踏 ま え て,高 校 化 学 に お け る個 人 実 験 教 材 を 作 成 した5)。 そ の 際,実 験 プ リ ン トで は以 下 の こ と に 配 慮 した 。

1)操 作 の 説 明 を な る べ く簡 潔 に し,器 具 等 を 自 由 に 使 用 さ せ る 。 2)実 験 方 法 を 限 定 しや す い 図 は な るべ く少 な くす る。

3)実 験 結 果 の 予 想 な ど,生 徒 自身 で 考 え させ る項 目 を 入 れ る。

4)少 量 実 験 を 採 用 し,パ レ ッ トな ど廉 価 な 器 具 を 使 用 す る。

こ こ で,少 量 実 験 を 採 用 した理 由 は,少 量 化 す る こ と の 長 所 と して 次 の こ と が 考 え られ た か らで あ る。

① 科 学 実 験 で 重 要 な 再 実 験 が 容 易 とな る 。 実 験 の 失 敗 ば か りで な く, 考 察 を した 後 に 再 実 験 す る こ とで,実 験 事 実 の再 確 認 が で き る。

② 類 似 の 実 験 を 行 うな ど,自 らの 考 え を 発 展 させ る こ と が で き る。

③ 廃 液 量 が グル ー プ 実 験 の と き よ り減 少 す る 。

④ 実 験 に よ って 反 応 時 間 が 短 縮 され,爆 発 な どの 危 険 性 も軽 減 され る。

ま た そ の 一 方,短 所 と して は 以 下 の こ と が 考 え られ た 。

① パ レ ッ トな ど は 実 験 用 で は な い の で,有 機 物 や 熱 に よ り変 質 す る 。

② 実 験 内 容 に よ って は,反 応 が 見 え に くい 。

た だ し,す べ て の 実 験 を 個 人 実 験 と す る の で は な い こ と を 考 え る と,こ れ らは 大 き な 問 題 で は な い と思 わ れ た 。

作 成 した 個 人 実 験 教 材 の 項 目 は,以 下 の7項 目 で あ る。

(1)酸 ・塩 基 とム ラ サ キ キ ャベ ツ液 の 色 (2)沈 殿 反 応 と生 成 物 の 推 定

(3)化 学 反 応 の 量 的 関 係(右 ペ ー ジ参 照) (4)反 応 の 速 さ と 濃 度 と の 関 係

(5)コ ロ イ ド溶 液

(6)イ オ ン化 傾 向 と電 池 (7)平 衡 の 移 動

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3.調 査 お よ び そ の 結 果

調 査 対 象 は,3都 県 の 普 通 高 校 で2学 年 の 複 数 の ク ラ ス を 対 象 と した 。 1学 期 に 事 前 調 査 と して の 科 学 観 調 査 を 実 施 し,個 人 実 験 を 中 心 と した 化 学 実 験 か ら2〜3テ ー マ の 実 験 を,各 校 の 進 度 に 合 わ せ て 実 施 した 。3学 期 に は 事 前 調 査 と同 様 の 科 学 観 調 査 お よ び 実 験 テ ス トを 実 施 した。 ま た,生 徒 の 関 心 や 意 欲,態 度 の 変 化 を み る た め,毎 回 簡 単 な 質 問 紙 調 査 を 実 施 し,教 師 に 対 して も教 師 か らみ た 生 徒 の 実 験 に 対 す る 態 度 や 教 師 の 手 間 な ど に 関 す

る項 目 を 調 査 した5)。

な お,生 徒 に は 実 験 に 際 して 次 の 点 を 強 調 した 。 1)失 敗 した ら も う一 度 や り直 せ ば よ い。

2)結 果 に 疑 問 の 点 が あ っ た ら,く りか え し実 験 して 確 か め る。

3)実 験 が 一 通 り終 わ った ら,各 自 の 興 味 に よ り進 ん だ 実 験 を して よ い。

4)実 験 結 果 等 は 条 件 に よ り同 一 に は な らな い こ と もあ り,自 分 の 結 果 や 考 え を 重 視 す る。

個 人 実 験 実 施 後 の 生 徒 の 態 度 や 教 師 の 評 価 は 以 下 の よ うで あ っ た5)6)。

化 学 反 応 の 量 的 関 係 に 関 す る実 験 で み る と,生 徒 の 反 応 は 「プ リ ン トに 書 い て な い 実 験 も した 」 は1割 で あ っ た が,「 内 容 は よ くわ か った 」 が6割,

「積 極 的 に実 験 に 取 り組 ん だ 」 が7割 で あ っ た 。 ま た,そ の 他 の 個 人 実 験 を 含 め て,9割 方 の 教 師 は 消 極 的 な 生 徒 も主 体 的 に取 り組 ん だ と して い た 。 な お,実 験 内容 に つ い て は ほ ぼ8割 の 教 師 が 肯 定 的 な 回 答 で あ った 。

1学 期 と学 年 末 に 実 施 した,科 学 観 調 査 の 質 問 項 目 を 右 の ペ ー ジ に,そ の 得 点 結 果 を 表2に 示 す 。 な お,得 点 と は賛 成 の 割 合(%)か ら反 対 を 引 い た 値 で あ る。 た だ し,(12)で は望 ま しい 回 答 の 「易 しい 」 が 正 の 数 値 とな る よ う に し,(18)で は 四 人 と した 回 答 か ら一 人 と した 回 答 を 引 い た 数 値 で あ る 。

表2.科 学 観 調 査 の 男 女 別 得 点

男 子 女 子

項 目 内 容 事 前 学 年 末 事 前 学 年 末

(11)化 学 は面 白 い1612124

(12)器 具 操 作 は易 しい 一9‑14‑33‑24 (15)実 験 が 楽 し い68646561

(17)化 学 が 好 き2116‑17

(18)実 験 は一 人 一61‑53‑64‑52

注)得 点 とは 各 項 目 に賛 成 の 割 合(%)か ら反 対 の 割 合 を 引 い た 値 。

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科 学 観 調 査 の結 果 を み る と,そ の 得 点 が 事 前 と学 年 末 で 減 少 して い る項 目 は,男 女 と も(17)の 化 学 が 好 き で20以 上 変 化 して お り,化 学 嫌 い が 増 え て い る。 得 点 が 増 加 して い る 項 目 は,女 子 の(12)の 器 具 操 作 と,男 女 と も(18) の 実 験 は一 人 で10近 い 変 化 が 見 られ る。 これ は ,化 学 や 実 験 に対 して 楽 し い とす る割 合 が わ ず か な が ら も減 少 して い る中 で ,い くぶ ん 実 験 に 対 す る意 識 が 変 化 して い る こ と が 認 め られ る。

そ の ほ か,教 師 に対 す る調 査 で は,実 験 器 具 に つ い て は適 切 で あ り,試 薬 量 は 普 段 と同 じか よ り少 な く,試 薬 等 の 管 理 ス ペ ー ス で もほ ぼ 普 段 と同 じ と す る 回 答 が 多 か った 。 しか し,実 験 準 備 等 の 手 間 を グ ル ー プ 実 験 と比 較 した 結 果 は,7割 程 度 の 教 師 が よ り手 間 が か か る と して い た 。 実 験 の準 備 は2〜

3時 間 で で き た とす る 回 答 が6割 近 く と多 か った 。 準 備 時 間30分 以 内 もあ っ た が,5〜6時 間 か か った とす る回 答 もあ った 。 こ れ が 個 人 実 験 を 実 施 す る 際 の 最 大 の 障 害 で あ ろ う。

4.お わ りに

第2回 国 際 理 科 教 育 調 査 で の 実 験 テ ス トは 小 学 校5年 生 に 対 して も実 施 さ れ て お り,各 調 査 対 象 ク ラ スか ら6名 が 無 作 為 抽 出 され た 。 あ る 小 学 校 で は, 実 験 に参 加 した こ との な い女 子 児 童 が 抽 出 され た そ うで あ る 。 調 査 の 当 日, 先 生 方 が 心 配 して い た とお り,そ の 児 童 は じ っ と実 験 器 具 を 見 た ま ま動 こ う と しな い 。 と こ ろが,し ば ら く して 実 験 器 具 に 触 り始 め た か と思 う と,そ の 後 は喜 々 と して 実 験 に 取 り組 ん だ と の 話 を うか が っ た 。

実 験 の 楽 し さ を 伝 え る た め に も,ま た,学 習 内 容 を 改 め て 考 え させ る機 会 を つ くる た め に も,個 人 個 人 が 自 分 の 考 え で 実 施 で き る実 験 を 年 に 何 回 か 導 入 して い くこ とが 重 要 と感 じて い る。

文 献

1)小 島 他 「理 科 教 育 に お け る実 験 ・観 察 等 の 実 際 的 活 動 に 関 す る国 際 比 較 研 究 」 科 学 研 究 費 研 究 成 果 報 告 書(課 題 番 号58410016),p.21,1986.

2)国 立 教 育 研 究 所 「第2回 国 際 理 科 教 育 調 査 報 告 書 一国 内 結 果 の 概 要 一」 国 立 教 育 研 究 所 紀 要 第111集,p.117,1985.

3)松 原 他,日 本 科 学 教 育 学 会 年 会 論 文 集,11,pp .275‑278,1987.

4)赤 石 他,日 本 化 学 会 第59春 季 年 会 講 演 予 稿 集1,p .859(1990).

5)松 原 他 「高 校 化 学 に お け る生 徒 の 科 学 的 態 度 に 及 ぼ す 個 人 実 験 の 影 響 に 関 す る調 査 研 究 」 科 学 研 究 費 報 告 書(課 題 番 号02680244),pp.7‑8,1991.

6)増 田 他,日 本 化 学 会 第64秋 季 年 会 講 演 予 稿 集1,4E503(1992) .

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(27)

(5)化 学 実 験 に お け る 問 題 点 と 個 人 実 験 導 入 の 試 み

、ハ 夢'●

嫌 い に差 が 見 られ る。 ま た,い ず れ の 系 列 で も申 学 第1分 野 に比 べ て 嫌 い の ほ うへ 移 っ て い る。

(2)親 寮,実 験 の 好 き嫌 い

小 学 校 理 科 で は,観 察 ・実 験 を 理 科 が 好 きな 理 由 と して 挙 げ た割 合 は,全 数 に対 して 人文 系 で37〜

38%(理 科 好 き の学 生 の 中 で は45〜48%),理 工 系 で は16〜17%(同17〜21%)で あ った。 中 学 第

1分 野 で は,人 文 系 で17〜21%(同33〜37%),理 工 系 で は12〜14%(同14〜19%)で あ り,高 校 化 学 で は,そ の 割 合 が 両 系 統 と も10%以 下(同 人 文 系 で は22〜23%,理 工 系 で は0‑r13%)と な る。 人 文 系 の ほ うが化 学 関連 の教 科 科 目 は好 きが少 な いに も か か わ らず,実 験 を 好 きの 理 由 に挙 げ た割 合 は 理 工 系 よ り多 いの が ほ と ん ど で あ っ た。 ま た,学 校 段階 が進 む にっれ て実 験 の 占め る割 合 は減 ってい る。

一 方 ,小 ・中 ・高等学校 で,好 きだ った観察 ・ 実 験 と嫌 い だ っ た観 察 ・実 験 を,そ れ ぞ れ 三 つ 以 内 で 回 答 さ せ た。 表2の とお り,実 験 項 目の 一 人 あ た りの 列 挙 数 は,人 文 系 理 工 系 と も全学 校 合 計 なoの!ご

新 しい 学 習 指 導 要 領 で は小 ・中 ・高 等 学 校 の ど の段 階 に お い て も理 科 の 観 察,実 験 の重 視 が う た わ れ て い る。 化 学 に お い て は,児 童 生 徒 の 活 動 と して い ろ い ろ な 実 験 が 行 わ れ て きて い る。 しか し, 児 童 生 徒 に と って 実 験 が 学 習 内 容 と結 び つ か ず, 何 を調 べ る た め に実 験 して い る の か わ か ら な い ま

ま,料 理 本 的 に進 め られ る例 もか な りあ る と聞 く。

こ こ で は,実 験 を 通 して の 化 学 の問 題 点 と個 人 実 験 の 長 短 を探 って み た い。

1ズ'ξ 騒1冨 周r夢 学 掛 まデで'の死 学 を ど̀:ラ 躍 τ̀,δ か

高 等 学 校 ま で の化 学 関 連 の 教 科 科 目 と実 験 に つ い て の 大 学 生 の 印 象 を 見 て み よ う。 調 査 は1989年 に関 東 地 区 を 中 心 と して35大 学 で 行 わ れ たt)。 こ こで は 「人 文 系 」 と 「 理 工 系 」 を比 較 して み る。

(1}化 学 関 迎 教 科 科 目 の 好 き 嫌 い

小 ・中 ・高 等 学 校 で 履 修 して きた 化 学 関 連 の 教 科 科 目 の 好 き嫌 い は表1の と お り,小,中,高 等 学 校 と進 む に っ れ て好 きか ら嫌 いへ と変 わ って いる。

中 学 校 で は,理 工 系 は第1分 野(物 理,化 学) の好 き だ った学 生 が 多 い。 人 文 系 は第2分 野(生 物,地 学)の ほ うが 好 きな学 生 が 多 い。 人 文 系 の 中 で は国 公 立 の ほ うが 理 科 好 き が 多 く,こ れ は 大 学 人 試 に 理 科 が あ った か ど うか と関 連 して い る と 思 わ れ る。 理 科 の 好 き嫌 い は,中 学 校 の段 階 で理 工 系 と人 文 系,人 文 系 の 中 で も国 公 立 と私 立 で す で に 傾 向 が 罠 な って い る。

高 等学 校 で は,理 工 系 で も国 公 立 で 化 学 の 好 き

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科 学 教 育 に お い て は,久 田 氏 が 中 学 校1年 生 を 対 象 と した 科 学 的 記 述 力 の調 査 研 究 を し3),実 験 事 実 と説 明 の 言 語 指 導 を実 践 して い る。 そ の 言 語 指 導 は,実 験 した 直 後 の実 験 結 果 を 書 く場 面 と, そ の 後,考 察 す る場 面 で 行 わ れ て い る。 そ こで は 次 の 文型 を 標 準 文 と して 与 え,そ れ に類 す る文 章 で 書 くよ う に 指導 して い る。

「実験 事 実 」 に つ いて の標準 文 は 「〜 す ると,… … に な る』 ま た は 『〜 す る と,… … に な った 』 と し, 操 作 な ど を 含 め て 書 く。

「説 明 」 に っ い て の 標 準 文 は 「〜 な の で,… … と 考 え られ る』 ま た は 「〜 と い う こ と か ら,… … と

い え る」 と し,こ れ に 類 す る 文 章 で 書 く。

この 指 導 を 通 して 氏 は次 の よ う に 述 べ て い る。

「書 き方 の指 導 を した授 業 時 の 記 述 文 で は,70%

以 上 の生 徒 が 文型A(実 験 事 実 の標 準 文)の よ う に 書 い て い る が,指 導 を しな い授 業 時 で は文 型A の よ う に書 く生 徒 は大 幅 に減 少 して 」 お り,「4

〜5回 程 度 の 言 語 指 導 で は,科 学 的記述 の仕 方 の ,定着 は不 十 分 で あ る」。 しか し,「 自分 の 意 見 を ま と め や す くな っ た」 とす る感 想 な どか ら,言 語 指 導 す る こ との 教 青 的 意 義 を感 じ る と。

ま た,そ の 結 果 に基 づ い て.表 現 を 訓 練 す る に は観 察 ・実 験 が 授 業 の 中 に あ り,そ の 観 察 ・実 験 も生 徒 自 らが で きる もの が よ い と提 言 して い る。

推 論 した り,実 験 計 画 を す る場 面 で は,表 現 力 ば か りで な く,内 容 の 把 握 もで きて い な け れ ば な らな い。 しか し,実 験 は実 験 室 使 用 の 都 合 で,講 義 の 進 度 と一 致 しな い で 実 施 さ れ る こ と も往 々 に

して あ る。 器 具 や試 薬 の数 が 少 な い場 合 に は 普 通 教 室 で の実 験 も可 能 で あ ろ う4)。 講 義 の流 れ の 中 で 実 験 を し,事 実 の 確 認 を しな が ら進 め られ る な らば,表 現 力 の 育 成 と と もに,内 容 の 把 握 もよ り 容 易 に な る と 思 わ れ る。 講 義 の 流 れ の 中 で の 実 験 が で きな くと も,生 徒 自 らが 主 体 的 に 行 い,思 考 す る実 験 を 入 れ られ な い だ ろ うか 。

3必 学9へ の 瘤 レく」鞭 の 導し《

我 が 国 で は グ ル ー プ で の実 験 が 多 い5)。 しか し, グル ー プ実 験 で は 手 分 け を して 実 験 に は 手 を 出 さ な い 児 童 生 徒 や,手 を 出 せ な い 児 童 生 徒 もい る。

そ こ で,高 校2年 生 を 対 象 と して個 人 実 験 を 実 施 して み た6)。 化 学 実 験 を 自分 で す る の が 好 き な 生 徒 は6割 で あ った が,個 人 実 験 を 楽 し い と した 生 徒 は2割 程 度 と少 な か っ た。 個 人 実 験 の 悪 い点 で 「好 き」が2項 目,「嫌 い」 は1項 目程 度で あ った。

化 学 関 係 の実 験 で は,好 きの 列 挙 数 は人 文 系 理 工 系 に か か わ らず 国 公 立 の ほ うが 多 か った。 嫌 い は い ず れ も0.1項 目程度 と 少 な い 。 小 ・中 学 校 で は好 き な 実 験 の 列 挙 数 は ど こ も大 差 な いが,高 等 学 校 で は 国 公 立 理 工 系 で 好 きな 実 験 が 他 と比 べ て 多 か っ た 。

理 工 系 で は,好 き な実 験 の列 挙 数 は人 文 系 亡 似 て い るが,好 き な理 由 と して は 実 験 の 占 め る割 合 が 少 な い 。 理 工 系 で は好 き な理 由 の無 回 答 が2割 程 度 あ り,な に が 主 要 な 理 由 で あ るか 決 め られ な い こ と を 意 味 して い る と思 わ れ る。

そ れ に 対 して,人 文 系 の 理 科 好 き は実 験 好 きが よ り多 い 。 ま た,実 験 は好 き だ っ た が 化 学 や 理 科 は面 白 く な か った と い う こ と も耳 に す る。 人 文 系 で は,学 校 段 階 が 進 む に っ れ て 実 験 が 学 習 内 容 と 結 びつ き に く くな って い く こ とが 考 え られ る。

2顯1じ ゐ が6聞 暫二 漂『1乞 〜な1ご、 か

第2回 国 際 理 科 教 育 調 査 で は 実 験 テ ス トが 実 施 さ れ,我 が 国 と ハ ンガ リー,シ ンガ ポ ー ル の3か 国 の,中3で の結 果 が公 表 され て い るs)。 我 が 国 の 結 果 は,観 察/操 作 で は 他 の 国 と 差 は 少 な い が, 推 論 で は1〜2割 程度 我 が国 の得 点 が 低 く,調 査 ・ 研 究 で は 他 の2か 国 の得 点 の3分 の1で あ っ た。

ま た,他 の 国 に 比 べ て30%以 上 正 答 率 の 低 か った 3問 は す べ て説 明 を 記 述 す る問 題 で あ った。

表 現 力 に関 して は,小 学 校5年 か ら国 語 教 育 の 中 で,「 事 象 と感 想,意 見 な ど と を 区 別 して 」 記 述 す る こ とが 学 習 指 導 要 領 に記 載 さ れ て い る。

また,指 導 要 録 の 評 価 の 観 点 と して,理 科 で も

観 察,実 験 の 技 能 に表 現 の 観 点 が 加 わ り,実 験 レ

ポ ー ト等 で の 表 現 に 魚 点 が あ て られ て い る。

(29)

実 験 の 準 備 は2〜3時 間 で で き た と す る 回 答 が6 割 近 く と 多 か っ た 。 準 備 時 間30分 以 内 もあ っ た が,

5〜6時 間 か か っ た と す る 回 答 も あ っ た 。 こ れ が 個 人 実 験 を 実 施 す る 際 の 最 大 の 障 害 で あ ろ う。

ゐ'力 夕 κ

第2回 国 際 理 科 教 育 調 査 で 実 施 さ れ た 実 験 テ ス トは,各 調 査 紺 象 ク ラ ス か ら6名 を 無 作 為 抽 出 し て 実 施 さ れ た 。 あ る 小 学 校 で は,実 験 に 参 加 し た こ と の な い 女 子 児 童 が 抽 出 さ れ た そ う で あ る 。

調 査 当 日,先 生 方 が 心 配 した と お り そ の 児 童 は じ う と 実 験 器 具 を 見 た ま ま 動 こ う と し な い 。 と こ ろ が,し ば ら く し て 実 験 器 具 に 触 り始 め た か と 思

う と,そ の 後 は 喜 々 と して 実 験 に 取 り組 ん だ と の こ と で あ っ た 。

実 験 の 楽 し さ を 伝 え る た め に も,ま た,学 習 内 容 を 改 め て 考 え さ せ る 機 会 を つ く る た め に も,個 人 個 人 が 自 分 の 考 え で 実 施 で き る 実 験 を 年 に 何 回 か 導 入 して い く こ と が 重 要 と 感 じ て い る。

【文 獄 】

i)松 原 他 「各 学 校 段 爾 で の 化 学 実 験 の 好 き嫌 い 一 大 学 生 に対 す る ア ンケ ー ト結 果 一 」 東 北 地 区 化 学 教 青 研 究 協 繕 会 講 演 要 旨 集.pp.41。43,1990

2)小 島他 「運 科 教 青 に お け る実 験 ・観 察 等 の 実 際 的 活 動 に関 す る国 際 比 較 研 究 」 科 学 研 究 費 研 究 成 果 綴 告 書(謀 題 番 号58410016),pp,19・21,1986

3)久 田隆 基 「科 学 的 記述 力 を 育 成 す る た め の カ リキ 昌 ラ ム 開 発 」 科 学 研 究 費 研 究 成 果 輻 告 書(課 題 番 号 63580226),pp.6‑35.1990

4)薫 次 融 他 「 実 験 を 通 して 探 求 学 習 す る 化 学 教 材 の 開 発 」 日本 科 学 教 青学 会 年 会論 文 集,12,pp,227・280, 1988

5)国 立 教 育 研 究 所 「第2回 国 際 理 科 教 育 淵 査 綴告 書一 国 内枯 果 の概 要 一」国 立教 育 研究 所 紀 要第111.p,11T,

1985

6)赤 石 他,日 本 化 学 会 第59春 季 年 会 講 演 予 稿 集1, p.859,1990

7)松 原 他 「 高 校 化掌 に お け る 生 徒 の 科 学 的 態 度 に 及 ぼ す 個 人 実 験 の 影 響 に関 す る調 査 研 究 」 科 学 研 究 費 研 究 成 果 報 告 書(課 題 番 号02680244).pp.7・&1991 8)増 田 他,日 本 化 学 会 第64秋 季 年 会 講 演 予 稿 集1,

4E503.1992

ま つ ば ら しず お 国 立 教 育 研 究 所 化 学 教 育 研 究 室 艮 と して は 「結 果 が 不 安 」 や 「ひ とに 聞 け な い 」 な

ど を7割 近 くの生 徒 が挙 げ て お り,実 験 に お け る 結 果 重 視 の 姿 勢 が 認 め られ た 。 一 方,個 人 実 験 の 良 い点 と して 「マ イ ペ ー スで や れ る」 や 「く りか え しで き る」 を3割 の 生 徒 が 挙 げ て い た 。 ま た, 新 しい器 具 に対 して 「 進 ん で使 う」 は3割 で あ った。

この 結 果 を 踏 ま え て,さ らに13の 高 等 学 校 に お い て,個 人 実 験 を 年 に2〜3回 導 入 して み たi)。

実 験 プ リ ン トで は,操 作 の 説 明 を な るべ く簡 潔 に し,器 具 等 を 自 由 に 使 用 させ る こ と,さ ら に, 実 験 方 法 を 限 定 しや す い図 は な るべ く少 な くす る

こ と,実 験 結 果 の 予 想 な ど,生 徒 自身 で考 え させ る項 目 を入 れ る こ と,少 量 実 験 を 採 用 し,パ レ ッ

ト等 廉 価 な 器 具 を 使 用 す る な どの 配 慮 を した。

実 験 を少 量 化 す る と,化 学 実 験 で 重 要 な 再 実 験 も容 易 とな った。 実 験 の 失 敗 に よ る再 実 験 は も ち ろ ん,考 察 を した後 に再 実 験 す る こ と で,実 験 事 実 の 再 確 認 が で き る。 ま た,類 似 の実 験 を 行 うな ど,自 らの 考 え を発 展 さ せ る こ と もで き る。 そ の ほ か,廃 液 量 も減 少 し,項 目 に よ って は反 応 時 間 が 短 縮 され,爆 発 な ど の危 険 性 も軽 減 され る。 た だ し.パ レ ッ トは実 験 用 に で きて い な い の で.有 機 物 に は不 適 当 とい っ た短 所 もあ る。

生 徒 に は,失 敗 した ら も う一 度 や り直 せ ぱ よ い こ と,結 果 に 疑 問 の 点 が あ った ら,く りか え し実 験 して 確 か め る こ と,実 験 が 一 通 り終 わ っ た ら, 各 自 の 興 味 に よ り進 ん だ実 験 を して よ い こ と.実 験 結 果 等 は条 件 に よ り同 一 に は な らな い こ と も あ

り,自 分 の結 果 や考 え を 賃 視 す る こ と,以 上 の 点 を 強 調 した。

実 施 後 の,個 人 実 験 に 対 す る生 徒 の 態 度 や 教 師 の評 価 は,以 下 の よ うで あ った7)8)。

化 学 反 応 の 量 的 関 係 に 関 す る実 験 で み る と,上 記 と同 じ学 校 の生 徒 の反 応 は,「 プ リ ン トに 書 い

て な い実 験 も した 」 は1割 で あ っ た が,「 内 容 は よ くわ か った 」 が6割,「 積 極 的 に 実 験 に 取 り組 ん だ 」 が7割 で あ っ た。 ま た,そ の他 の 個 人 実 験 を 含 め て,9割 方 の 教 師 は消 極 的 な 生 徒 も主 体 的 に取 り組 ん だ と して い た。 な お,実 験 内 容 に っ い て は ほ ぼ8割 の教 師 が 肯 定 的 な回 答 で あ った。

器 具 に つ い て は適 切 で あ り,試 薬 量 は 普段 と同

じか よ り少 な く,試 薬 等 の 管 理 スペ ー スで も ほ ぼ

普 段 と同 じと す る回 答 が 多 か っ た。 しか し,実 験

準 備 等 の手 間 を グ ル ー プ実 験 と比 較 し た 結 果 は,

7割 程 度 の 教 師 が よ り手 間 が か か る と して い た。

(30)

(6)理 科 に お け る 「表 現 」 の 問 題 点

表 を す る機 会 が あ うた が,彼 女 はOHPを 作 る の に,手 書 き で 大 き く書 くよ う心 が けて い た。 発 表 に使 うOHPに,ワ ー プ ロで 作 った 原 稿 の 拡 大 コ ピー を 使 う と字 は きれ い で あ る が,と き と して 会 場 の後 方 で は 字 が 小 さ くて 見 え に くい場 合 もあ る。

この よ う な工 夫 も相 手 に い か に言 い た い こ と を よ く伝 え られ るか 大 事 な 条 件 の 一 つ で あ ろ う。

1卵1じ お ゲ δ 誠1カ ま な

今 回 の指 導 要 録 の改 訂 に よ り,こ れ ま で 評 価 の 観 点 と して 挙 げ られ て い た技 能 に,表 現 が 加 え ら

れ たs)。小 学 校 理 科 で の 「観 察 ・実 験 の 技 能 ・表 現 」 の 観 点 と して は 「自然 事 象 を 観 察 し,実 験 を 計 画,実 施 し,機 械,器 具 な ど を 目的 に 応 じて 工 夫 して 扱 う ど と もに,そ れ らの過 程 や結 果 を 的 確 に表 現 す る」 こ と,中 学 校 で は 「観 察,実 験 の 基 本 操 作 を習 得 す る と と もに,自 然 の事 物 ・現 象 を 科 学 的 に調 べ る方 法 を 身 に 付 け。 そ れ らの過 程 や 結 果 を 的 確 に表 現 す る」 こ と とあ る。 ま た,中 学 校 生 徒 指 導 要 録 付 属 資 料 で の表 現 に 関 す る記 載 に は第1・ 第2分 野 い ず れ も 「創 意 あ る実 験 報 告 書 の作 成 や発 表 を 行 う」 とあ る。

新 学 習指 導 要 領 で の 表 現 に関 す る記述 を 拾 っ て み る と,中 学 校 指 導 書3)第1分 野 の 目標 に は 「実 験 レポ ー トを 書 か せ た り,実 験 結 果 を 発 表 させ る

な ど も必 要 な こ とで あ る」 とあ る。 高 等 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説4)の 総 合 理 科 の 内 容 とそ の 取 扱 い に は 「「ウ 観 察,実 験 の 整 理 と ま と め 」 に つ い て は,観 察 や 実 験 に よ って 得 られ た デ ー タの ま とめ

◇ 「表 現 」 の 重 要 性,こ れ に っ い て は,こ れ ま で の 日本 の 理 科 教 育 の 中 で の 扱 い は,決 して 本 格 的 な もの で は な か っ た。 そ れ ゆ え に起 こ って い る問 題 もあ る し,日 本 の科 学 者 や 学 生 が損 を して い る 事 実 も あ る。 こ の た び,こ の 項 目 が加 え られ た こ とを いか に受 け止 め,い か な る努 力 を す るべ き で あ る か,こ の あ た りを中 心 に 論 じて いた だ きたい。

なoφ1じ

表 現 に つ い て は,こ れ ま で お もに 国 語 教 育 で 扱 われ て きた 。 しか し,他 の 教 科 に お い て も,ま た さ らに は,学 校 外 の ど の よ う な 場 面 に お い て も, 自分 の 言 い た い こ と を い か に 相 手 に わ か る よ うに 表 現 で き るか は重 要 な こ と で あ ろ う。

新 ・教 育 の辞 典1)に よ れ ば,表 現 力 と は意 識 内 容 を 的 確 に,ま た は効 果 的 に 形 に あ らわ す能 力 の こと で あ る。 狭 義 に は 「こ とば に あ らわ す カ 」 と 解 さ れ,「 正 し い」 言 語 運 用 能 力 と,「 じょ うず な 」 言 語 運 用 能 力 に分 け られ る。 広 義 に は,話 の 構 成 力 や 構 想 力,メ ッセ ー ジを 効 果 的 に 受 け手 に送 り 込 む 能 力 まで もふ くむ 。 そ して ま た,事 実 を 正 確

に認 識 ・把 掲 す る力 の ほ か,物 事 に即 して 具 象 的 に知 覚 す る観 察 力 と,抽 象 的 思 考 力 ・論 理 整 序 能 力 は表 裏 の 関 係 に あ る こ と を 指 摘 して い る。

わ が 国 で は,細 か い と こ ろ まで 間 違 い の な い 表 現 を す る こ と に 多 くの 注 意 が は らわ れ,自 分 の 言 い た い こ とを よ り よ く伝 え る工 夫 は二 の次 に な っ て きた 感 が あ る。

あ る と き,英 国 のWendyKeys氏 と と もに 発

図 事 前 ・事 後 の 意 識 調 査 の 結 果

参照

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