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大学における自校教育の導入実施 と

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(1)

大学における自校教育の導入実施 と

大学評価への活用に関する研究

( 課題番号

20600002)

平成

20‑22

年度科学研究費補助金 基盤研究

(C)

研究成果報告書

平成

23

3

研究代表者 大川 一毅 ( 岩手大学 .准教授 )

(2)

くは し が き )

研究報告書の発行にあたって 研究の 目的

本研 究は、大学で実施 され る 「自校教育」について、全国大学における実施状況 を調 査 し、その結果 をふまえなが ら 「 全学共通教育」等の授業科 目 ・教育プログラム とし ての意義 と課題 を考察する ことを 目的 とした。 これにあわせ、 「自校教育」の成果 を 大学評価指標 として活用す ることについても検証 した。

本冊子は、研究 目的にしたがって実施 したアンケー ト調査結果、及びこれをふまえた各大 学シラバスの検証、並びに自校教育に関する大学機関別認証評価での評価結果を確認 し、これ

らを取 りまとめたものである。

研究の着想経緯

「自校教育」について

大学における 「自校教育」 とは、「 大学の理念、 目的、組織、沿革、人物、教育 ・研 究の現況 な ど、 自校 (自学)に関わる特性 を教育題材 として実施す る一連 の教育 ・学 習活動」である。

自校教育が積極的に導入 ・実施 された背景には、①大学設置基準の大綱化に伴 う教 養教育の多様化要請、②大学理念 ・目的の明確化 ・周知の必要性、③ 「 大学間競争時 代」に対応 した在校生 ・教職 員 ・卒業生の愛校心 ・連帯意識 の滑養、④ 「 評価者」 と

しての学生の 自学認識の促進 、な どが考え られ る。

また、学生が体験や問題意識 を共有できる 「 大学」が学習テーマであることによ り、

自校教育授業は 「 主題別授業科 目」 として も適 している。

② 研究の着想経緯

研究対象 として 「自校教育」を着想 したのは、大学評価業務 に関わるなかで、 自学 の理念や教育 目的ついて、 これ を全学的に周知す ることの必要性 とその難 しさに直面

した ことにある。

ここにおいて、教養教育科 目として実施 していた 自校教育授業 に着 目した。学生に とって、 自校教育授業は 自学の理解 と認識 を深 めてい く契機 とな り、 自らの学びの指 針 を得 ることもできる学習機会である。加 えて、学長、理事 も含 め、大学教員や職員 が 「自校教育」に関わ るな らば、大学の将来像や現状課題 に対す る共通理解 を促す こ

とにな り、そのことは大学運営や将来計画構築にも有効に反映 され ると考 えた。

こ うして、全国国立大学における自校教育の実施状況調査に着手す ることになった。

1

(3)

研究の方法 と成果

研究方法

平成20 年度か ら平成22 年度までの 3 箇年 において、以下の調査研究を推進 した。

( 1 ) 国公私立全大学 における自校教育授業の実施状況調査 とその分析 ( 2) 「 実施 目的別 ( 類型別)」による自校教育授業の検証

( 3) 大学評価‑の活用に関す る検証

実施状況調査にあたっては、平成 20 年 8 月に全国の国公私立すべての 752 大学に郵 送で調査アンケー トを依頼 し 、373 大学 よ り回答 を得た ( 回収率 49. 6%) 。

回答 は集計分析 を行い、その結果 に基づいて該 当大学が公表す るシラバスで 自校教 育授業の到達 目標、実施計画、成績評価方法等 を検証 した。 また、山形大学、神戸大 学、広島大学 を訪問 し、 自校教育の具体的状況に関す るヒア リングを行 った。

大学評価‑の活用 については、平成 1 6年度か ら平成 21 年度 までの 3 つの 「 認証評 価機 関」が公表 した 「 評価報告書」における自校教育に関す る記載 を検証 した。

② 研究成果

アンケー ト調査か ら、平成 20 年度時点において 1 36 大学が 自校教育授業を 「 実施 し てい る」 と回答 した ( 全国大学総数 の 1 8%) 。回答か らは 1 96 授業を確認 した。

実施 目的や授業内容 については 「自学の理念 ・使命 ・目的の周知」、 「自校史 ・沿革 の理解」が回答上位 である。授業 目的の設定では 「 学士力」との関わ りも うかがえた。

実施上の課題 として、「 担 当教員の選定」、 「 授業内容の整合性」、 「 授業 目的や到達 目 標 の設定」な ど、複数教員体制 に起因す る課題や授業の 「 質保証」の課題があがった。

自校教育授業について、各大学の とらえ方や位置や実施形態は多様であった。

自校教育授業の多 ぐは、学生が大学で学ぶ ことの意義や学習指針 の形成 を見出す こと に寄与す る 目的で実施す る場合が多かった。

認証評価 においては、 自校教育の取組 について 3 つの認証評価機 関 とも 「 大学の 目 的周知 として有効」 あるいは 「 大学の個性 に応 じた初年次教育」 と評価 し、い くつか の実践は 「 優れた取組」 として別途記載 されていた。

今後の研究課題 として、授業評価結果や教育成果の検証 も含め、授業改善の視点に立 った考察が必要である。各大学に とっては、 自校教育授業の 「 学習成果」の検証、 「 カ

リキュラムポ リシー」の中での位置づ けの確認等が今後の課題 となろ う。

研究成果の活用

調査協力大学 に提供 した 「 調査結果報告 ( 平成20 年度発行)」は、い くつかの大学 で初年次教育に関わる実践や委員会等で活用 され、研究論文で も引用 されている。

本研究による調査結果等 は新聞記事 として掲載 されたほか、 自校教育 をテーマ とす るシンポジ ウム資料 として も利用 された。

一 2 ‑

(4)

研 究 組 織

研 究代表者 :大川 ‑毅 ( 岩手大学 評価室 准教授)

交 付 決 定 額 ( 配分額) ( 金額単位 :円)

直接経費 間接経費 合計

平成

20

年度

500,000 150,000 650,000

平成

21

年度

500,000 150,000 650,000

平成

22

年度

400,000 120,000 520,000

総計

1,400,000 420,000 1,820,000

研 究 発 表

(1)

論文

① 大川 ‑毅

「 全国 大学における 自校教育の実施状況

‑2008

年度 「自校教育実施状況調査」 をふ まえて‑」

大学教育学会 「 大学教育学会誌」第

31

巻 ( 第

1

号)

、2009

、172‑178

② 大川 ‑毅

「自校教育の現況 と今後の課題 」

日本私立大学連盟 「 大学時報」第

58

328

、2009

、48‑55

(2

)学会発表

L T ) 大川 ‑毅

「 全国大学における自校教育授業の導入 ・実施状況

‑2008

年度 「 大学 にお ける自校教育の実施状況調査」をふ まえて一 日本高等教育学会 第

12

回大会

、2009

5

24

日、長崎大学

② 大川 ‑毅

「 大学 にお ける 自校教育授業 の実施 目的 と内容 ・方法

‑2008

年度 「 大学 にお ける 自校教育の実施状況調査」 をふ まえて‑ 」 大学教育学会 第

31

回大会

、2009

6

7

日、首都 大学東京

③ 大 川 ‑毅

「自校教育授業 にお ける 「 到達 目標」 と 「 学士力育成

」 」

日本教育学会第

69

回大会

、2010

8

21

日、広 島大学

‑3‑

(5)

(3)

その他

① 新聞記事掲載

・読売新聞

、2008

2

18

日 全国版朝刊、 「 論点」欄

寺崎昌男 「 広がる自校教育 大学史を通 じ居場所探 し」( 重科提供 ・ 記名引用)

・毎 日新聞

、2009

1

0月

22

日 東京夕刊

【自校教育 :「 建学精神や伝統、講義で」大学認証評価制度の導入で広まる】

( 取材応答 :記名報道 ・資料引用)

・西 日本新聞

、2010

2

22

日 朝刊、「 社説」

【 「 大学 とは何か」本質問 う 広がる自校教育】( 取材応答 : 記名報道 ・資料引用)

・河北新報

、2010

8

6

日 朝刊、教育欄

【「自校教育」大学で広がる】 ( 取材応答 :記名報道 ・資料引用)

② シンポジウム等での記録

・立教大学 「 特色ある大学教育支援プログラム採択記念 シンポジウム Ⅳ」

「自校教育の到達点 と今後の課題

2009

1

24

( 『立教大学 「 大学教育研究フォー ラム」第

14

、2009

3

、45‑56頁』

※ 「 第

3

部 討論」に質疑応答時の記録を掲載)

・全国大学史資料協議会

2010

年度全国研究会」パネルデ ィスカ ッシ ョン

「 大学史編纂 ・史料保存 と自校史教育」 ( ゲス トコメンテーター)

2010

1

0月

6

日、放送大学熊本学習センター ( 熊本大学内)

( 『全国大学史資料協議会 「 研究叢書

12」 (201

1年秋刊行

)

』にパネル ・デ ィス カ ッシ ョンでの記録 を掲載予定)

③ 報告書

2008

年度実施 「 大学における自校教育の実施状況調査」アンケー ト報告書

(2009

3

月、岩手大学 大川‑毅) 謝 辞

本研究 は、全 国国公私立大学の 自校教育授業担 当者様 ・担 当部署様 か らア ンケー ト 回答 の ご協力 をたまわ りま して遂行 できま した。 心 よ り御 礼 申 し上げます。

また訪 問調査 では、 山形大学 ( 小 白川事務部修学支援ユ ニ ッ ト)、神戸大学 百年史編 纂室 ( 現 :附属図書館 大学文書資料室)野 邑理栄子先生、広 島大学文書館 ・小池聖‑

先生、小宮 山道夫先生、同大学財務総務室 ・宮脇克也様 、 同大学学長室 ・松崎和俊様 か ら貴重 な ご教示 をたまわ りま した。各位 ご高配 に、 あ らためて御礼 申 し上 げます。

平成

23

3

月 大川 ‑毅

‑4‑

(6)

目 次

Ⅰ. 「自校教育授業」の導入 ・実施概況

1 「 大学における自校教育実施状況調査」報告

資料 :「 大学にお ける自校教育の実施状況調査」アンケー ト ( 調査用紙)

Ⅱ.

自校教育授業における 「 到達 目標」 と授業内容 t評価

1 授業類型別 にみ る自校教育授業 (目標、内容構成、成績評価) ( 1 ) 「自校理解教育」類型授業

( 2) 「 初年次教育」類型授業 ( 3) 「 大学史 ( 自校史)教育」類型 2 自校教育授業終了時における学生の感想

認証評価結 果 にみ る 「 成果」 と しての 自校教育

1 日校教育の実施 による 「 大学 目的の周知」に関す る評価 ( 1 ) 大学評価 ・学位授 与機構 による評価結果

( 2) 大学基準協会による評価結果

( 3) 日本高等教育評価学会による評価結果

2 「 初年次教育科 目」で実施す る自校教育‑の認証評価結果

3

自校教育に位置づ ける 「 大学理念実質化」授業

参考資料 :

(1) 論文 「 全国 入学における自校教育の実施状況

‑2008 年度=「自校教育実施状況調査」 をふ まえて

‑」

大学教育学会 「 大学教育学会誌」第 31 巻 ( 第

1号)

2009 年、抜き刷 り

(2)

日本高等教育学会 第 1 2 回大会 発表要 旨

(3)

大学教育学会 第 31 回大会 発表要 旨

(4)

日本教育学会 第 69 回大会 発表要 旨

5

8 8 3 5 8 4 4 5 5 5

60

62 63 64 66

70

78

80

82

(7)

1

「 大学 における自校教育実施状況調査」報告 : 2 0 0 8 年度 8 月実施

ア ンケー ト調査 について

調査の趣 旨 : 自校教育授業実施 の意義や可能性 、あるいは課題 を検討す るための礎石 として、全 国の大 学 にお ける 自校教育授業の導入 ・実施状況調査 を行 ない、現況を明 らかにす る。

調査の実施 : 本報告 の資料 とす る′ アンケー ト調査 は、 20 08 年 8 月に 「 平成 20 年度科学研究費補助金

盤研究 ( C) 『大学にお ける自校教育の導入 ・実施 と大学評価‑の活用 に関す る研究」

]

( 研究 代表者 :大川‑毅) 」の一環 として実施 した ものであるO

アンケー トは、全国の全大学 7 5 2 校 ( 国立大学 86 校 、公立大学 75 校 、私立大学 5 91 校 : 大学院大学 も含む)に回答用紙 を送付 し、協力 を依頼 した。

その うち 37 3 大学 ( 国立 6 2 大学 :回収率 7 2%、公 立 51 大学 :同 6 8% 、私 立2 60 大学 :同 4 4%、全体 として 49. 6%)か ら返答 を受 けた。

報告書の作成 : 本報告の作成 にあたっては、ア ンケー トの設問項 目に対応 して取 りまとめた。

にあた って 報告中の事例紹介 については、回答で示 され た各大学の意 向によ り、記名 もしくは無記名 で公開許可を得てい るものに とどめてい る。

なお、ア ンケー ト未回答大学のなかにあって も自校教育授 業が実施 されていることを確認 してい るが、本報 告の集計や事例紹介はアンケー ト回答のみにもとづいている

は じめ に

自校教育の定義 と して

アンケー トの実施 にあた り、自校教育の定義 を 「大学の理念、目的、制度、沿革、人物 、教育 ・ 研究等の現況、社会的使命 な ど、自校 に関わ る特性や現状、課題等 を中心的な教育題材 として 実施す る一連 の教育 ・学習活動」 とした。 「自校教育授業」を実施 してい ることの判断は、上 記定義 に別 して各大学 に委ねた。

アンケートの設問 (アンケ⊥ト内容 は巻末参照)

設 問 1 「自校教育」授業の実施 について 設 問2 「自校教育」授業の実施状況 について 設 問

3

「自校教育」授業の実施 目的について 設 問

4

「自校教育」授業の内容 と方法

設 問5 「自校教育」授業の類型 設問

6

学生による授業評価 設 問 7 同窓会組織 との関係

設 問8 「自校教育」授業実施 にあたっての対応課題 ・問題点 設 問

9

「自校教育」について (自由記述)

‑6‑

(8)

1.

一 日校教育授 業の実施状況 ( 1 )実施大学数 ( 実施の有無)

・調査 した全 国

752

大学の うち

̲136

大学が 自校教育授業 を 「 実施 してい る」 と回答。

( 未 回答大学 も母数 に含 む大学総数 中の

18%の実施率)

( 図 1 )

・回答

373

大学の うちでは、 国立大学

62

回答

申 33

大学実施 ( 回答 中実施率

53%)

、 公立大学

51

回答

申 10

大学実施 ( 回答 中実施率

20%)

私立大学

260

回答

申 93

大学実施 ( 回答 中実施率

40%)

( 図

2)

「 検討 中」 と回答 したのは

33

大学 ( 国立

2

大学、公立

4

大学、私立

27

大学) 。

(2)

実施授業数

・ア ンケー トの回答か らは、

196

授業 を確認 ( 国立

54

授業、公立

18

授業、私立

12

両受業) O

授業数については、同一時期に同一内容で実施 し、科 目名 ( クラス名)だけ異なる場合 は、これを同一授業 として換算 した。実施時期が違 う歩合には別授業 として扱った。

・ 「フルバ ック」型授業の実施状況

授業計画すべてを 自学 に関わ る内容 で構成す る 「 フルバ ック」型 の 自校教育授業は、

「 実施」 と回答のあった

196

授業 中の

59

授業

(30%)

( 全

43

大学 :国立

14

大学、私立

29

大学 、公 立大学 は無 し)

回答のあったすべての授業において、「自校教育」内容 を毎時に展開 しているわけではない。

む しろ、自校教育に関す る内容を 「 初年次教育科 目」に一部織 り込んで実施す る場合が多い。

‑7‑

(9)

(3)授 業配置

授 業 区分 (配置 )

・回答 (複数回答)のあった196授業中

全学共通科 目」91授業、

教養科 目」82授業、

初年次科 目」35授業、

基礎科 目」21授業、

専門教育科 目」18授業、

オ リエ ンテーシ ョン科 目

」6

授業、

専門基礎科 目」4授業、

その他」が16授業。

( 図

3)

自校教育授業は、 「専門教育以外」の科 目として配置 してい る場合が多い。

② 履修指定

必修科 目94授業 (48%)

選択科 目」 は81授業 (41%)

。 ( 図

4) 大学設置別 に見 る と、 「必 修科 目授業 は

国立 15授業 (回答4授 業 中28%) 公 立8授業 (回答 18授 業 中44%) 私 立70授業 (回答 124授 業 中56%)

図4 自校 教 育授 業の履修 指定

( 回答授業数

196)

必修科 目 必修選択科 目 選択科 目 単位外科 日

その他

★ 「必修科 目」 とす るのは私立大学に多い。

ただ し、「必修科 目」 と回答のあった授業は 「初年次教育」を主眼 とす る科 目に多い。

★ 「フルバ ック」型59授業に限定 していえば、「必修科 目」が5授業 (8%:すべて私立大学)、

選択必修科 目」が11授業 (19%)、「選択科 目」が39授業 (66%)とな り、選択科 目配置 が多 くなる。

自由記述

自校教育授業の配置について、「選択科 目」を回答 した私立大学 (「フルバ ック」型授業) の 自由記述欄回答には

本来ならば入学者全員にある程度の自校教育を受 けさせたいが、現状では不可能 である。フ ァース トイヤーセミナー (全学共通の導入教育)の中に盛 り込むことも 検討 していきたい」 と加筆 されていた。

‑8‑

(10)

(4) 履修 対 象 者 と開講 時期

( 彰

履修 対象 者

・「学士課程 1年生」を対象者 とす る 授業が最 も多 く103授業(53%)0

(回答授業数196:複数回答)

( 図 5)

全学生履修 可能 (学士課程 ・大学院 課程の区別無 し)」は10授業(5%)0

学士課程全学生の履修可能」は66 授業 (34%)

5

日校教育授業の履修対象者

(回答数196:複数回答)

全学生( 学士課程・ 大学院課程の区分無 し )

全学士課程学生( 学年区分無し) 学士課程

1

年生 学士課程

2

年 生

学士課程

3

年 生

学士課程

4

年生以

全大学院学生( 課掛 学年区分無し

)

大学院修士課程学生 大学院博士課程学生 その 他

授業数 0 20 40 60 80 10120

履修 を学士課程 1年 のみ に限定 してい るのは98授業 で、回答数 の50%

1年生の履修 を除外 してい るのは15授業 (8%)で あ り、それ ら授業 の大半が専 門教 育 領域 の導入科 目。

事例紹介

自校教育授業を市民、保護者、高校生にも公開することは、自校の理念や沿革、事業計画、

実態状況を明確に伝える手段と考える大学もあるC同じ教室でともに学ぶことの緊張感 と親睦 感を伴 う教育効果も期待 しているC

これ らを試みている授業として、たとえば、大分大学 「大分大学の人と学問」、熊本大学 「 高と日本近代」、高大連携授業にも位置づけた福岡大学 「福岡大学を学ぶ」などがあったo

② 開講 時期

前期 開講」が136授 業、

後期 開講」が67授業、

通年授業」が11授業。

(回答195授業 :複数回答)

( 図 6)

新入生対象 の 「初年次教育」に位 置 づ けてい る 自校教育授業 が多 く、

入学初年次 の前期 開講 が多い。

なお、後期 開講 の場合 にあって も、前期 開講 した授業 と同一 の授業 を開講す るケー スが 39授業含 まれてい る。

ー9‑

(11)

(5)自 校 教 育 授 業 の 類 型

実 施 され て い る 自校 教 育 授 業 に つ い て 、 表 1の よ うに 、授 業 目的 や 内 容 ・方 法 、 そ の 他 の 特 性 か ら類 型 化 を試 み た 。

こ の 分 類 に つ い て は、2005年 度 に 調 査 実 施 した 「国 立 大 学 に お け る 自校 教 育 の 導 入 実 施 状 況 調 査 (秋 田大学 :大川 ‑ 毅)」 の 結 果 を 基 に した .

今 回 の ア ン ケ ー トで は 、実 施 され て い る 各 大 学 の 自校 教 育 授 業 が 、い ず れ の 類 型 に 相 当 す る か を た ず ね た 。

l 自校 教 育 授 業 の 顛 型 と そ れ ぞ れ の 特 徴 類型 授 業 目的 や 内容 等 の特 徴

1 自校理解教育 ・授業によって 自校理念や 自校 目的の周知を図 り、それ をふ まえて 自校 に関わる沿革や教育 .研究 .社会貢献活動な どの諸様相 を題材 とした教育 .学習を展開 し自校の理解 を導 く○

・自校 の教育理念に応 じた体験学習を伴 う場合 もあるo授業内容には大学の沿革、現況、将来像、人 物、教育 .研究、社会貢献活動、学生文化等が含まれ、総合的な 自校理解 を図るo

キ ャリア .

プランニング教育 ・学生が 自己認識 を深めなが ら、 自らの 「将来像」を主体的に構築す るための 「指針」 と 「力量」

を形成 してい くことを意図 した授業O

・その一環 として 自校の教育 .研究状況を理解 し、その上で学生 自身が 「大学で何をどう学び、そ れ を今後の人生でいかに生かすか」 とい う 「主体的探求の機会」を提供○

初年次教育 ・高校か ら大学‑の円滑な移行 を支援す る学士課程 1年生を対象 と した教育プログラムO・大学での学習活動に必要なスキルや人間関係 を確立す るための コミュニケー ション等の学習に合 わせ、大学の理解や適応、学習‑の動機付けの一環 として̲自校教育授業が盛 り込まれ る○

大学 .

高等教育論 ・日本や世界の大学 .高等教育状況の把握 を授業の基礎 にす えた大学 .高等教育論の授業を展開する中に自校の沿革や現況を織 り交ぜなが ら対比検証す る〇

・授業内容には、「大学史」、 「大学の現況」、「地域 との関係」など大学にの全般的状況が包括O

大学史

(自校史)教育 ・日本や世界の大学の歴史的変遷 についての理解 と考察を主題 とす る授業○

・自校や 自学部の建学経緯やその後の発展な どの沿革 史に焦点をあてて 自校の理解 を深める 「自校 史教育」授業 もあるD

・自校の歴史的変遷に関す る学習を通 じ、 日本近現代 史理解の視野を広げ、認識を深化 させ よ うと す る授業 もあるO

歴史 (学)教育 ・近現代史の学習を主眼 とし、その一環 として 自校史や大学史を教育内容に包括す る○

てい く授業o

オ リエンテ‑

大学適応支援教育 .初年次導入教育」に位置づけされ る○授業では、大学‑の適応 を促す ことを シ ヨン.ガイダ 目的に、 自校の特性や教育研究の状況について学生の理解 を深める教育学習を展開 し、それを基 ンス教育 礎 として今後の学習に向けたアカデ ミック .ガイダンスや学習技法の習得訓練等が行なわれ るo

地域理解教育 ・大学が立地す る 「割 を学生に伝 え、地域 と大学 とのあ り方 .関係 を考えてい くことを主眼 とするo地域」を様 々な視点か ら理解 し、そ こにおいて大学や卒業生が果た してきた役

・地域で活躍す る人物や卒業生を講師 として招碑す る場合 も多い○

学問論 ・学問の意義についての認識深化や学問に取 り組む姿勢の酒蓑 を主題 とし、合わせて 自校の学術的 状況 .特性 を伝 える○

学習スキル習得教育 ・初年次導入教育、もしくは専門教育領域の導入教育 として、大学や専門領域で必要 とされ る学習スキルの習得 を主 目的 とす るo このなかにあって、 自校や 自学部の教育 .研究の特性 を理解 し、

そ こで求め られ る学習スキルの意味を理解す るo

専門領域 ・自校や 自学部の 目的、教育 .研究機能の特性 を理解 させ る授業内容 を組み込み、専門教育 (学習) 導入教育 の導入及び動機付けを担 うo

ボランテ ィア活動の機会 ・大学の建学精神や教育理念 を体貌す るボラ㌢ティア活動を教育プログラムに取 りいれ、学生の主体的理解を図るoあるいは学生の T生き方、あ り方」の探究を促す契機 として、ボランテ ィア括 動の実施 に取 り組んでいる大学 において、その基礎教育 として建学の精神等を提示す るo 自己発見 . ・授業において大学の理念や機能を明 らかに しつつ、その上で学生が 「これか らいかに学ぶか、そ

‑10‑

(12)

① 類型別にみた 自校教育授業実施状況

・回答のあった

196

授業 中、最 も多かった類型 は

「自校理解教育

(61

授業

31%)」類型。

・これに

「 初年次教育

(29

授業 :

18%)

」、

「 専門領域導入教育

(17

授業 :

9%)

」 、

「 大学史 (自校史)教育

(17

授業 :

9%)

」、

「 地域理解教育

(15

授業 :

8%)

」が続 く。

( 図

7)

図7 日校 数 育 授 業 の 類 型 ( 回 授 業 数

196)

自校 理解 教 育

初 年 次数 育 専 門領域 導 入教 育 大学 史 (自校 史 )教 育

地域 理解教 育 ; ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲

:

キャリア ・ プランニング

斡 11 自己発 卦 探 求 の横 会 j甲由

10

宗教 ( 早 )教 育 率 出藍 9 学 習 スキル ( 手法 )習得教 育 ̲ ぎ 鞘 7 オリエンテーション・ ガイダンス 野 山 7 その他 j 村 6 ボランティア活 動 の横 会 岳 3

歴史 ( 早 )教 育 舞 2 学 問論 語 1 大 学 ・ 高 等教 育 論 ?1

0

20 40

60 80

・授業計画すべてが 自校教育内容 で構成 され る 「 フルバ ック」型授業 において も、

最 も多かったのは 「自校理解教育」類型

(34

授業 :

60%)

・これ に 「 大学史 (自校史)教育

(12

授業 :

21%)

」、

「 地域理解教育

「 フルバ ック」型の授業 にあって、「 キャリア ・プ ランニング」、「 初年次教 育」、「 大学 ・ 高等教育論」、

「 専 門領 域 導入 教 育 」、

「 ボランテ ィア活動の機 会」、「自己発見 ・探求の 機会」に位置づけたのは、

それぞれ

1

大学。

「 フルバ ック」型の授業に あっては、「 歴史 ( 学) 教育」、「 宗教 ( 学)教育」、

「オ リエ ンテ ー シ ョ ン ・ガイダンス」、「 学問

(3

授業

5%)

が続 く。 ( 図

8)

図 8 「 フルバック」 型授業の類型

自校 理解教育 大学 史 (自校史)教育 地域 理解教育 学 習スキル ( 手法 )習得教育

キャリア・プランニング

初 年次教育 大学 ・ 高 等教 育論 専 門領域 導入教育

ボランティア活動の機会 自己発見 ・探求の機会

0

5 10 15 20 25 30 35 40

論」、「 その他」の類型を選択 した回答はなかった。

★ 「 フルバ ック型」授業 にあって、授業 内容 を 自校 史を中心に構成 していて も、類型 と しての位置づけでは 「自校理解教育」 とした回答 も多い。

彊 1 ‑

(13)

② 設置別にみた自校教育類型 i) 国立大学

・国立大学 ( 回答 54 授業)で 最 も多い授業類型 は

「自校理解教育」 一類型

(22

授東 :

41%)

0 これ に

「 初年次教育

類型

(8

授業 :

15%)

「 キャ リア ・プランニング

類型

(5

授業 :

9%)が続 く。(

図9

)

i i) 私立大学

・私立大学 ( 回答

124

授業)で も

「自校理解教育」類型が最 も多い

(38

授業

:31%)。 (

10)

これ に

「 初年次教育」類型

(18

授業 :

15%)

「 専門領域導入教育」 類型

(13

授業:

10%)

「 大学史 (自校史)教育

類型

(12

授業 :

10%)が続 く。

図9

国立大学の 自校教育授業類型 ( 回答

54

授 業)

0 10 20

授業数

30

̲ ," " I .M ̲ ̲ ...

.〜."..̲I.

i

自校理解教育 キャリア・ プランニング 初年次教育 大学 ・ 高等教育論 大学史(自校史) 教育 歴史( 学) 教育 宗教 ( 学)教育 オリエンテーション・ ガイダンス

地域理解教育 学問論 学習スキル ( 手法)習得教育 専門領域導入教育 ボランティア活動の捜会 自己発見・ 探求の機会 その他

10私立大学の自校教育類型

( 回答

124

授業)

0 10

2

0

30

自校理解教育 キャリア・ プランニング 初年次教育 大学 ・ 高等教育論 大学史(自校史) 教育 歴史( 早) 教育 宗教 ( 早) 教育 オリエンテ‑ショ>. ガイダンス 地域理解教育

学問論

学習スキル ( 手法) 習得教育

専門領域導入教育 ボランティア活動の機会 自己発見・ 探求の機会 その他

★私立大学では 「 宗教 ( 学)教育」類型 に

9

授業の回答 があった。

これ ら授業では、宗教教育の一環 として 自学の理念や建学の精神 ( 宗教的 ミッシ ョン) を伝 えている。

i i i ) 公立大学

・公立大学に最 も多いのは

「 地域理解教育」類型

(18

授業中

7

授業 :

39%)0

( 図

11)

これ に

「 初年次教育」類型

(3

授業 :

17%)

が続 く。

公立大学において 「自校理解教育」類型 の回答は

1

授業

(6

%) 0

図1 1公立大学の自 校教育類型 ( 回答1 8 授業)

0 2 4 6

自校

理 解教育

キャリア・プラ

ンニング

初年

次教育

大学・高等

教育論

大学史(自校史

) 教育

歴史(

) 教育

宗教( 学)

教育

かJ エン テーシ ョ ン・ ガイ

ダンス

地域理解

教育

学問

学習スキル( 手法) 習得教

専門領域導入教育 ボラ ン ティ ア活動の機会 自己発見・ 探求の機会 その他

宮 0 「

2

3 辛

0

0 iE 3

地域ニーズ‑の対応 を重視す る公立大学では、 自校教育 も 「 地域理解 をふまえた 自学 の理解

とい う文脈で展開。

12‑

(14)

(6)

代 表 的 「 類 型 」授 業 の 事 例

★ 各 大 学 にお い て 自校 教 育 の と らえ方 や 授 業 も多 様 。

そ の 多 様 性 こそ 、 現 況 にお け る 自校 教 育 授 業 の特 性 と もい え る。

( む 「自校 理 解 教 育 」類 型

事 例 紹介

(

「自校理解教育」類型を回答 した授業)

岐阜大学の授業 「 岐阜大学の教育研究 と運営

」(

「自校理解教育」類型を回答)のシラバスには こう記 されている。

「 岐阜大学の 5 学部及び主要な付属研究センターの設置 目標 と、 研究や教育における特色や トピ ックスなどを紹介 し、本学における教育 と研究像 を提示する。さらに、本学が発信する地域 と 国際貢献の展望 と実際のいくつかについても具体的事例で紹介する.こ0 )講義か ら、本学の学 生として何を学んでゆ くべきかについて考え、自らが将来の計画を創 り上げるための基礎を確 立 して欲 しい」。

② 「初 年 次 教 育 」類 型

事例 紹介

(

「 初年次教育」類型を回答 した授業)

金沢大学の回答には、このような記述を加 えていただいた。

「 回答 した 『 大学 ・社会生活論』は

、1

年前期全学必修のオムニバス授業で、学類 ごとに

15

クラ スに分け、ガイダンス的内容か らキャリア教 育 ・現代教養まで様々な内容を レクチャーするもの である。そこには 「 大学の使命 ・学類の使命」といった典型的な 「自校教育」がある一方、「 人 権論

「 健康論

「 環境論

「 消費者問題

「 薬物問題」など一般的には 「自校教育」の範晴に入 ら ないものもある。しか し、それをこの

1

年の必修授業で行 うのは、本大学が これ らを重視 してい るということを学生に伝える目的があ り、その意味でこれ らも 『自校教育』に入ると考える 。」

「 初 年 次教 育」類 型 の授 業 プ ログ ラムで は、大 学 で の学習活動 に必 要 なス キルや 人 間関係 を 確 立す るた めの コ ミュニ ケー シ ョン等 の学 習 に合 わせ 、大学 の理解 や適応 、学習 ‑ の動機 付 けの一環 と して 自校 教 育授 業 が織 り込 まれ て い る。

この た め、 自学 をテー マ と した 「フル バ ック」型 で展 開 され る こ とは少 ない ( 1 授 業)0

③ 「専 門 領 域 導 入 教 育 」類 型

事 例紹 介

(

「 専門領域導入教育」類型を回答 した授業)

帯広畜産大学が自校教育授業 と回答 した 「 全学農畜産実習」について、自由記述では次のような 授業紹介があった○

「 食料基地北海道 .道東に位置する本学の特徴 を生か し、学部入学者全員に農畜産の実習を体験 してもらうことで、学生に農畜産の幅広し ヽ 知識 と体験を提供 し、専門教育ユニッ トの自主的な選 択を支援する○また、約

40

人のクラス単位での実習参加を通 じて、学生の人間関係やコミユニ ケ‑シ ∃ンを確立することを目指 した総合的な導入教育であるo 」

さらに、あわせて 「これ こそまさに畜産大 !というような非常に有意義な授業だつたと思 ; います」 と学生の授業評価 コメン トも付 して くだ さったo

13‑

(15)

ある医科系大学の自由記述では、実施する自校教育授業について次の説明があったo

医学入門J]の最初の1コマで自校史を講義しているCここでは、将来医師をはじめとして医療 職に進む初年次学生の入学直後に、学長自らが、本学の建学の精神と、創設時の創立者たちの 医学教育 .医療改革への信念を伝えることに意義を見出し、自校史と医学史における息吹と、

さまざまな医学的諸問題を予め伝えることは、今後実施するキャリア教育、問題解決型少人数

複数の医歯薬看護福祉系大学 ・学部 において 「専門領域導入教育」類型 による自校教 育 を展開 していた。「専門領域導入教育」類型 17授業の うち7授業が これにあたる。

④ 「大学 史教 育」類型 事例紹介

神戸大学の回答には、実施す る授業について次の説 明を加 えていただいたo

神戸大学では、『神戸大学史

と 『神戸大学の成 り立ちを実施 しているo前者が各分 野の歴史学専門家が担 当するのに対 し、後者は執行部が担当 し、対照的な授業 として提 供する実践が行われているo」

大学史教育」類型 を回答 した立教大学の授業科 目 「立教大学の歴史

立教学院 と戦 争」や明治大学の授業科 目 「日本近代史 と明治大学」では、 自学の大学資料セ ンター と 密接 に連携 して 自校史授業 を企画 .展開 しているo

広島大学の 「広島大学の歴史」の授巣は 「自校教育」類型 を回答 したが、大学史教育に ついて次のよ うな記述 を加 えていただいたo

広島大学 (広島大学の歴史)では、大学の歴史を題材 としなが ら、大学の現状 と課題に ついて学生に理解 させ、‑人‑人が本学構成員 としての意識 を高め、本学及び自身q)

★ 「フルバ ック」型 の授業 にお いては 「大学史 (自校 史)教育類型授 業 が多い。

他類型授業 において も 「大学史 (自校 史)は 自校教育授業 の主要 な構成要素。

⑤ 「地域理解教 育」類型

事例紹介

(

地域理解教育」類型 を回答 した授業)

この類型 を回答 した国立大学農学部実施 の授業 「地域に学ぶ」のシラバスには、授業 について こ う記 されている。

農業を学ぶ ことは、イコールその地域 を学び、知ることといってもよい くらい密接に関 連があるものです。みなさんは、縁あって、現在 ここ○○に住む こととな りま した。一 見何 もない田舎町、自然環境の厳 しい冬暗い地域、などといった印象 を受けがちですが、

ち ょっと見方やふれ方 を変えれば、実 に自然環境に恵まれ、伝統の色濃 く残る、豊かで 特色のある地域 といえます。理解が深まれば、何故 ここに農学部が設置 されたのかを実 感できると思います。

‑14‑

(16)

2.

日校教育授業の実施形態

( 1)

授 業の形態

・自校教 育 196授 業 の回答 中にあって、

140授 業 (71%)が講義形式。

フルバ ック」型 の授 業では、

59授業 中51授業 (86%)

と講義形式 の比率が さらに高 ま る。

初年 次教 育類型 の29授 業 では、

講義演習併用形式」9授 業 (31%)、

演習 ・ゼ ミ形式」の授業 が3授 業 (10%)

演習」形態採 用授業 も多 くな る。

・「学習 スキル習得型類型 の7授 業 で は

演習 ・ゼ ミ形式」が

4

授 業 (57%)

講義演習併用形式」 が

2

授業 (29%)開講 され てい る。

※ ただ し 「初年次教 育」類型や 「学習 スキル習得」類型 の授 業 は、 自校教育その もの を主 眼 と した授業科 目では無 い場合 が多い。

事例紹介

フルバ ック」型授業なが ら、北海道大学 「北大への招待」、大分大学 「大分大学 を 探 ろう」な どは、毎時、学生参画型授業や問題解決型授業を展開 している。

また、大学施設 を積極的 ・有効に活用す る授業事例 として、

北海道大学 「北大エコキャンパスの 自然 と歴史」は、大学校舎 (建築)も含 め、大 学環境全体を活用 した実地教育を展開 している特徴 ある取 り組みである。

北海道大学 「北大総合博物館で学ぼ う !自然 と人間」や、岩手大学 「岩手大学 ミュ ー ジアム学」な どは、自校の博物館 を有効活用 し、ここで 自校史や大学か ら生まれ た研究成果、地域の生活や 自然環境 などを学習す る課題探求型授業である。

1 5 ‑

(17)

(2)

自校教育授業を担 当す る教 員

① 授業担 当者数

・教員

1

名 で授業計画 ( 授業回)をすべて担当 しているのは、回答

196

授業 中

36

授業

(18%)

0

( 図 1 3 )

★ 担 当教員

1

名 の 自校教育授業の うち、

その 44%

(16

授業)は 「 フルバ ック

型 授業。

自校教育授業は、複数教員に よる 「リレー型」 「 オムニバス型

授業 として展開 さ れ るのがむ しろ一般的傾 向

(160

授業 :

82%)

② 授業担当者

・授業担 当者 としては、

専任教員が

159

授業 ( 回答

196

授業 中

81%)で最 も多い。 (

14)

・着 目すべ き点は、学長が授業 を担 当 す るケースも多 く

(65

授業

:33%)

、 担 当者職位 としては、最多の専任教 員 に次 ぐ。

★ 学部長等 の部局長

(42

授業 :

21%)や大学役員等 (34

授業 :

17%)

、理事長

(24

授業 :

12%)

も授業に関わることが多い。

・回答のあった

196

授業の うち

73

授業

(37%)において、

学長、 もしくは理事長が授業実践 にかかわっている。

・自校教育授業には卒業生を含 め、学外講師 も招碑 されている。 ここでは、各回のテーマに 沿って、 自らの体験談や学生達‑の期待 を語 っている

た とえば、秋田大学 「 秋田大学論

かんばれ秋大生

」、山形大学 「 先輩に学ぶ」、

島根大学 「 先輩に学ぶ島根大学のこころと形」など多数。

数的にはいまだ多 くはないが、授業担 当に大学職員が参画 していることも自校教育 授業の特徴である ( 後述 「 ④ 大学職員の参画」

)参照)

0

‑16‑

(18)

③ コーデ ィネーター

・複数の教員 によって実施展開 され ることが多い 自校教育授業では、回答

196

授業の うち

153

授業

(78%)で授業の統括や取 りま とめを担 う 「コーデ ィネー ター

」 が存在す る。

「 コーデ ィネー ター」は、

専任教員が担 うことが多い。

(96

授業

:47%)

(

1 5) 学部長 ・学科長 な どの

「 部局長等」が これ に次 ぐ。

(27

授業 :

14%)

・コーデ ィネー ターの役割 は、

「 授業 ・授業計画の企画

(139

授業 :

92%)

」、

「 教員 ・講師間の連絡調整

(122

授業 :

81%)

」 、

「 シラバスの作成

(117

授 業 :

77%)

」、

15

コーディネーターの職位 ( 回答 数 149)

0 20 40

60 80

100

学 長 理 事 長

大学

役 員 等 学 部 長

等 の

部 局 長

任 教 員

非常

勤 講

学 職

手 ・ T

AIRA

業生

()

学 外

2312

0 0

16

コーディネーターの役割

「 成績評定

(94

授業

:62%)」、

「 授業実践

(91

授業 :

60%)

が多 く行われている。

授業・ 授業計画の企画 教員・ 講師間 の連絡 ・ 調整 シラバスの作成

成 績評 定 授 業実践 ( 授業の担 当) 試験やレポー トの作成 ・ 採点

学生の出席管理 毎時の授業進行 ( 司会など) 授 業評価 に関する業務 履修学生への授業時外指導

教材の作成 授業で利用する施設の手配

毎時の授業補佐 その他

0%

20% 40%

60% 80%

100%

( 回答

151

授業、複数回答)

(

1 6)

複数教員で展開 され る場合の多い 自校教育授業では、「 授業の企画、計画」とともに、

「 教員 ・講師間の連絡調整」が コーデ ィネーターの重要な任務 となってい る。

これ ら多 くの業務 に関わるコーデ ィネーターの負担が 自校教育授業実施 ・推進 の課 題 にもなっている。

(後述

「 9

自校教育授業実施の課題」参照)

17 ‑

(19)

④ 大学職 員の参画

・授業 の企画 ・運営 に、大学職員 が参画す る場合 もあるのが 自校教育授業の特色。

・回答

190

授業 中

66

授業

(34%)

で、大学職員 が授業 の運営 に参画。

参画の内容 としては、

「 授業施設 の手配

(36

授業 :

55%)

」、

「 学生の出席管理

(28

授業 :

43%)

」、

「 教材 の作成

(24

授業 :

37%)

」、

「 毎時の授業補佐

(22

授業 :

34%))

な どが上位 回答。 ( 図

17)

※ この質 問では、 「 通常の学務 に関す る業 務 を除 く」ことを前提 に したが、回答 で

は、本来教員 ( 授業担 当者)が行 うべ き

17 大学職 員の授 業参画 内容 ( 回答数

65

ニ 複 数回答) 授業で利用する施設の手

学生の出席管

教材の作

毎時の授業輔

履修学生への授業時外指

授業評価に関する業

按暮大法 ( 捜JE の担 当 )T . ÷ ‑ ‑ 漢暮. 漢書計画の企画 : ̲ ̲ ̲ ̲ ̲̲ ∴

その他 . 戸

11

授業統括 ( コーディネー L) 戸 車

10

毎時の授業進行(司会など) 三 岳

二 二三 〒二

レポ‑トの作成 ・ 採 点 如 匹 田6

成績評定

5

0 10 20 30 40

「 授業外業務」の役割 ( 補助業務) を託 されている現況が示 されたO

自校教育授業の多 くが 「 複数教員体制」を採用 してい るこ とも背景 にあると考 え られ る。

★ その一方 で 「 授業実践

(18

授業 :

28%)

」、 「 授 業 ・授 業計画 の企画

(17

授業 :

26%)

な ど、大学 にお ける 「 専 門職 スタ ッフ」としての力量 を反映 させた授業 も展 開 されてい るO この ことは、 自校教育授業 を展 開 してい く上で、今後 の可能性 の一つ を示唆す る。

事例紹介

広島大学の授業科 目 「 広島大学のスペシャ リス ト」については次の説明をいただいた。

「 大学スタッフの専門的職務についてそれぞれの立場か ら ( 職員が)講義を行い,従来大学 に通いなが ら知る術の無かった大学スタッフの姿について理解 を深めるとともに,学生自 身のキャ リア ・プランニングについての自覚を促す ことに留意 して授業を展開 している。 」

また

、2008

年度まで開講 していた山形木学 「 山大マイン ド ( 先輩の話を聞いてみよう )」

では、卒業生を中心 とした学外者 を招いて授業を展開 し、 さらにこの授業は、山形大学出 身の職員が授業の企画運営にあたっていたO

(2009

年度において 「 山大マイン ド」は開講 していない) 0

ー1 8‑

(20)

3

日校教育授業の実施 日的

(1)

授業の実施 日的

・回答

196

授業 中

134

授業

(68%)が

「自学の 目的 ・理念 ・使命 の周知」

をあげる。( 図 1 8)

・これに、

「自校史 ・沿革の理解

(108

授業 :

55%)

」、

「 大学‑の帰属意識の酒養

(7

7授業

:39%)

」、

図18 日校教育授業の実施 日的 ( 回答授業数1 9 6: 複数回答) 授業数

0 50 100 1 50

自学の理念・ 使命( ミッション)・目的の周知 自校史・ 沿革の理解 大学への帰属意誰の滴養( 形成

)

学生の自己探求を深める機会の提供 自学の現況の理解 大学における学習意欲の促進 初年次教育 ( 導入教育)の一環 教養・ 基礎教育の一環 愛校心の酒養 ( 形成 )

大学が立地する「 地域Jの理解 キャリア( プランニング)教育の一環 学習方法( スキル)の習得

日本や世界の大学をめぐる状況の理解 車 ‑= 二 二二 二 = 二 二

■∩坂十の‑4 :̲̲̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ , 宗教 ( 学) 教育の一環 ち 同 房 24 高大連携教育言̲ o芸 票 5 12 卒業生や地域社会への教育サービス L { 5 4

同窓会組織の活性化 舞 3

「 学生の 自己探求を深 める機会の提供

(74

授業 :

38%)

」、

「自学の現況の理解

(74

授業 :

38%)

」、

「 大学における学習意欲 の促進

(71

授業 :

36%)

」、

「 初年次 ( 導入教育)の一環

(67

授業 :

34%)

」、

「 教養 ・基礎教育の一環

(67

授業 :

34%)」

が続 く。

自校教育授業の実施 目的や内容は多様。 「 愛校心の滑養

(64

授業 :

33%)」だけではない。

(2)

1設置形態別に見 る実施 日的

国公私立 といった設置形態 によって、自校教育授業の実施 目的の比重が変わる。( 図 1 9 )

① 国立大学

・国立大学 ( 回答授業数

54)では、

「自校史 ・沿革の理解

(28

授業 :

52%)」及び 「自学の現況の理解 (28

授業 :

52%)」が最 も多い。

「自学の現況の理解

の回答比率 は、公立 ・私立大学 に比較 して も帯い。

次いで 「自学の理念 ・使命 ・目的の周知

(25

授業 :

46%)

」、

丁大学における学習意欲 の促進

(24

授業 :

44%)」

と続 く。

★ 法人化以降、国立大学 はそれぞれの 「 独 自性」を積極的に打ち出そ うとしてお り、大学の教育 ・研究 ・社会貢献等の現状や地域 との関係 を 自校教育授業の教 育内容 に反映 している。

・国立大学での 自校教育授業回答の うちの

41

%

(22

授業)で 「 大学‑の帰属意識 の滑養

を回答 してい る。 しか し 「 愛校心の酒養」の回答比率は

22% (12

授業) と低 くなる。

‑1 9‑

図 19 大学設置別 自校教育授業の実施 日的 ( 回答数中比率‥ 複数回答) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 7 0% 80% 自学の理念 ・ 使命 ・目的の周知 自校史 ・ 沿革の理解 大学への帰属意識の滴養 ( 形成) 自学の現況の理解 学生の自己探求を深める機会の提供 大学における学習意欲の促進 教養 ・ 基礎教育の一環 初年次教育( 導入教育) の一環 愛校心の滴養 ( 形成) 大学が立地する「 地域」の理解 キャリア( プランニング) 教 育の一環 学習方法 ( スキル)の
表 1 類型別にみた自校教育授業の事例 ( 抜粋) 類型 設置 大学名 授業名 自校理解教育 国立 北海道大学 北海道大学の人 と字間国立北海道大学 北大エコキャンパスの自然 と歴史国立岩手大学岩手大学論国立岩手大学岩手大学 ミュージアム学国立秋田大学秋田大学論Ⅰ国立一橋大学一橋大学の歴史国立岐阜大学岐阜大学の教育研究 と運営国立神戸大学神戸大学の成 り立ち国立広島大学広島大学の歴 史国立熊本大学五高 と日本近代私立駒津大学駒滞大学の歴史私立成城大学成城学ⅠⅠく成 城学園 と教育〉 私立 大正大学 大学入門

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