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中央農業研究センター 病害研究領域 抵抗性利用グループ

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Academic year: 2021

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53

植物防疫 第

72

巻第

12

号(2018年)

タイトル

農研機構中央農業研究センター抵抗性利用グループ は,

5

名のメンバーで水稲病害の防除技術の開発をめざ す研究に取り組んでいます。作物が備える病害抵抗性の 利用は,環境保全型防除における基幹技術の一つであ り,“抵抗性品種の持続的利用技術の開発”を当グルー プの中長期的なテーマと位置づけています。一方,顕在 化してきた病害の防除対策など,現場ニーズに対応する 研究課題を併せて実施しているところです。現在は,い もち病をはじめ,稲こうじ病,紋枯病,ばか苗病,縞葉 枯病等を対象に,発病機構や発生生態等の解明を進めて おり,環境負荷が小さく,かつ効果の高い防除対策技術 を提示することを共通の目標とします。以下に,これま での主な研究成果と実施中の課題を紹介します。

日本型水稲品種

ʻ宮崎もちʼ

には穂いもち抵抗性に関与 する二つの

QTL

座,

qPbm9

および

qPbm11

があること を明らかにしました。このうち,

qPbm11

は単独で

ʻ宮

崎もちʼと同程度の抵抗性を示し,既存の穂いもち抵抗 性遺伝子

Pb1

とは異なる新規

QTL

と確認されました。

今後は,ʻ宮崎もちʼ由来の穂いもち強抵抗性遺伝子を導 入したコシヒカリ系統の育成を進め,DNAマーカーと 併せて品種育成を担う公設試等に提供する計画です。

イネいもち病の圃場抵抗性遺伝子(

pi21 Pi34 Pi35

では,遺伝子の種類によって抑制する葉いもちの感染過 程や抑制程度が異なっており,複数の圃場抵抗性遺伝子 を集積利用する際には,その組合せを考慮する必要があ ることを明らかにしました。現在は,圃場抵抗性遺伝子 の特性や栽培環境適性等を踏まえ,防除効果が高く,か つ長期的に抵抗性崩壊を回避できるような利用方法を研 究しています。

いもち病の病斑で見られる「褐変」は,感染ストレス により産生された活性酸素をセロトニンの抗酸化作用で 緩和するときに引き起こされる現象であることを明らか にしました。この知見は,感染による生育阻害の影響を 含めて評価することで,病気および感染ストレス双方を 強化したイネ品種の開発につながることを示唆します。

現在は,この知見を応用し,抵抗性遺伝子の作用特性と 保菌種子率の低減化等を考慮した穂いもち抵抗性評価法 の構築を進めています。

QoI

剤耐性いもち病菌が全国的に発生したため,耐性 菌対策を進める手順をまとめたマニュアルを策定しまし た。この中で,箱処理剤の使用面積割合と連用の制限,

種子管理の

3

点が実効性の高い対策であることを示しま した。引き続き,種子伝染性病害における耐性菌管理技 術の構築に向け,有効な種子管理対策や耐性菌診断法の 開発等の研究に取り組んでいます。

イネ稲こうじ病の薬剤散布適期判定システムを開発 し,農家向けに薬剤散布日などの情報を配信するサービ スを開始しました。本病の薬剤散布適期は短く,適期防 除が難しいことが課題でした。本システムの導入によ り,玄米や種子への病粒混入による規格外米や返品等の 発生を抑制できるようになりました。また,本病は土壌 伝染性であるため,各種資材などを用いて土壌中の伝染 源を直接防除する技術の開発にも取り組んでいます。

(抵抗性利用グループ長 鈴木文彦)

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

中央農業研究センター 病害研究領域 抵抗性利用グループ 研 究 室 紹 介

305―8666 茨城県つくば市観音台2―1―18 TEL 029―838―8481

穂いもち抵抗性強品種

ʻ宮崎もちʼ(下) イネ稲こうじ病の病粒

現地圃場での見歩き調査 穂いもち抵抗性の調査

807

植物防疫

参照

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