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科研費からの成果展開事例

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Academic year: 2021

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マイクロ波化学プロセスのグローバルスタンダード化

大阪大学 大学院工学研究科 特任准教授/マイクロ波化学株式会社 取締役CSO 塚原 保徳

[お問い合わせ先] TEL:06-6170-7595 E-MAIL:ytsuka@jrl.eng.osaka-u.ac.jp

科学研究費助成事業(科研費)

マイクロ波による非平衡局所加熱を 用 い た 革 新 的 触 媒 反 応 系 の 構 築

(2010-2011 若手研究(B))

マイクロ波とは電磁波の一種で、特定の物質に 選択的にエネルギーを伝達できるのが特徴であ り、通信や加熱(電子レンジ)・乾燥分野など で使われてきた。

このマイクロ波を化学反応に応用することで、

従来の熱伝導による製造プロセスの省エネ・高 効率化や新規物質を発現させる「マイクロ波化 学産業」の創出を目的として、研究開発から実 証、事業化までを一貫して推進する体制を構築 している。

大学内に共同研究講座を設置し、大学保有シー ズであるマイクロ波電磁場解析技術や触媒技術 を事業レベルで応用。科研費研究では、マイク ロ波吸収能の高いナノNi系触媒を用いて高い 触媒活性を導き、高収率の革新的触媒反応系を 構築した。

大学の基礎技術を基とした大学発ベンチャー

(マイクロ波化学株式会社)との協業を軸に、

技術のプラットフォーム化を図り、大手メー カー、中小企業、自治体等とも連携したオープ ンイノベーション戦略で、世界初のマイクロ波 を使った製造プロセスの事業化を実現してお り、国内外の化学メーカー等とのコラボレー ションを展開し、マイクロ波化学プロセスのグ ローバルスタンダード化を目指している。

NEDO 新エネルギーベンチャー技術 革新事業(2007-2011)

NEDO 戦略的省エネルギー技術革新 プログラム(2012-2014)

近畿経済産業局 革新的低炭素技術集 約産業国内立地推進事業(2012-2013)

NEDO クリーンデバイス社会実装推 進事業(2014-2016)

NEDO 戦略的基盤技術高度化支援事 業(2016-2017)

JAXA TansaX(2016-2017)

扱いやすく、骨形成性に優れた綿形状人工骨の実用化

名古屋工業大学 大学院工学研究科 教授 春日 敏宏

[お問い合わせ先] TEL:052-735-5288 E-MAIL:kasuga.toshihiro@nitech.ac.jp

科学研究費助成事業(科研費)

骨再生用組織工学ハイブリッドマト リックスの開発(2002–2004 基盤 研究(B))

骨再生歯科治療への応用を目的とし たナノポーラスファイバーシートの 創製(2008–2010 基盤研究(B))

病気やケガで欠損した骨を補填する場合、患者 自身の骨を移植することが有効ではあるが、腰 などから骨を採取する必要があるため、体への 負担が大きい。そのため生体となじみの良いセ ラミックス製の人工骨が注目され、これまで顆 粒状、ブロック状、ペースト状といった形態で 供給されてきた。ただし、より早い骨形成を望 む声は大きく、また患部に合わせて自在に精度 良く成形しやすい素材が強く求められていた。

こうした課題に対し、骨形成性を高めるケイ酸 イオンをカルシウム塩に組み込んだナノ構造体 からなる微粒子の合成と、これをポリ乳酸中に 埋め込んで繊維状に紡糸した人工骨材料とする 基礎研究を積み重ねた。骨形成が促進される最 適な無機イオン徐放量と繊維径を決定し、加工 しやすく、かつ高い骨形成性を持つ綿形状の人 工骨充填材を開発した。

大学発ベンチャー(ORTHOREBIRTH株式会 社)との共同研究により実用化を推進し、新し い医療材料として2014年に米国FDA(食品医 薬品局)より外傷用として製造販売承認を受け た。2017年には脊椎用としても認可され適用 範囲が大きく拡がっている。日本、台湾、欧州へ の世界展開も進められており、我が国発の革新 的な医療材料として貢献することが期待される。

経済産業省 地域新生コンソーシアム 研究開発事業「機能性炭酸カルシウム 微粒子を用いた骨再生誘導膜製造技術 の開発」(2006–2007)

JST A-STEP探索タイプ「不織布型生体 材料の骨形成能高度化技術の開発」(2010)

JST A-STEPシーズ顕在化タイプ

「高度骨形成能を有する生体材料の綿 状構造化技術の開発」(2011–2012)

図2 綿形状人工骨を構成する繊維状複合材料の走査型電子顕 微鏡写真。(左)繊維の形状:幅50μm程度、厚さ10~

20μmの扁平状の長繊維であり、骨形成性細胞の接着・

増殖に適した面積が確保されている。(中)繊維の断面:

生分解性ポリマーマトリックス中に微細なセラミック粒 子が充填された複合体である。(右)セラミック微粒子の 拡大像:10~20nmの炭酸カルシウムナノ粒子が凝集し て直径1~2μmの球状粒子が形成されている。ケイ素成 分が2.5%含まれており、生体内埋植後に優先的に溶解し て骨形成を促進する効果を引きだす。

図1 (上)綿形状人工骨の外観。

ピンセット等を用いて容易に 成形できる。(下)綿形状人 工骨に骨髄液や自己血液を含 浸させて患部に充填すること が多く行われる。

図1 マイクロ波による非平衡局所加熱の観測

図2 マイクロ波プロセスのスケールアップ

図3 電磁場解析と銀ナノワイヤ

図4 マイクロ波マザー工場@大阪2014

科研費NEWS 2017年度 VOL.4

PB 科研費NEWS 2017年度 VOL.421

科研費からの成果展開事例

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