(1)質的形質の選抜について
望ましい対立遺伝子の遺伝子頻度を高め、望ましくない
ものの遺伝子頻度を下げる
・表現型による選抜
・後代検定による選抜
・DNA診断による選抜
ある対立遺伝子が、その遺伝子の中で占める割合
遺伝子頻度
AA BB AO OO AB
A遺伝子の遺伝子頻度
=4÷10×100=25%
表現型による選抜の例
ヘレフォード 突然変異で無角のオスが生まれた
メスと交配
無角の遺伝子Pは優性
Pの遺伝子頻度は25%
pp
P
p
pp
pp
pp
: =1:1
P
p
pp
表現型による選抜の例
突然変異でできた無角の
オスと正常なメスを交配
遺伝子頻度が25%になる
1:1
P
p
pp
:
pp
P
p
無角のオスとメスを交配
遺伝子頻度が50%になる
: :
P
p
pp
PP
P
p
P
p
1:2:1
選抜と遺伝子頻度
白毛を s の率で集団から除いて交配する
遺伝子型 遺伝子型頻度 選抜 選抜後の遺伝子型頻度
赤毛
nn p2
1 p2
粕毛
Nn 2pq 1
2pq
白毛
NN q2
1-s (1-s)q2
合計 1
1-sq2
一世代後の N の遺伝子頻度は以下のようになる
q1 =
1-sq2
pq + (1-s)q2
赤毛
30頭
nn
粕毛
50頭
Nn
白毛
20頭
NN
n遺伝子の頻度 p
N遺伝子の頻度 q
選抜と遺伝子頻度
s=1とすれば、
q1 = = = =
1-sq2
pq + (1-s)q2
1-q2
pq
(1-q)(1+q)
(1-q)q
1+q
q
ちなみに、2世代後の遺伝子頻度 q2 は以下のようになる
q2 = = =
1+q1
q1
1+q/(1+q)
q/(1+q)
1+2q
q
したがって、t 世代後の qt は以下の式で求められる
qt = また、
t = -
1+tq
q
qt
1
q
1
p + q = 1 だから
選抜と遺伝子頻度
赤毛
30頭
nn
粕毛
50頭
Nn
白毛
20頭
NN
n遺伝子の頻度 p:0.55 N遺伝子の頻度 q:0.45
1世代後のN遺伝子の遺伝子頻度 q1
q1= = =
1+tq q 1+0.45 0.45
0.31 p1=
0.69
2世代後のN遺伝子の遺伝子頻度 q2
q2= = =
1+tq q 1+0.90 0.45
0.24 p2=
0.76
遺伝子頻度を0.09に下げるのに必要な世代
t= - = - =8.9 約9世代
qt
1
q
1
0.09
1
0.45
1
(2)後代検定による選抜の例
質的形質の選抜の際には、
致死や奇形等を支配する
劣性の不良遺伝子を除去
する場合に利用
検定を終了させるまで時
間がかかる
当該オスを何頭かのメスに交配させ、できた子孫(後代)の
能力に基づいて当該オスの能力を予測する方法
正常 正常
致死
淘汰
淘汰
ハロセン感受性ブタの性質
肉の赤色度 肉の黄色度 肉の保水力 肉からの遊離水
Hal+ 9.2 5.6 63.9%* 13.7*
Hal- 8.8 5.3 69.1% 11.8
Hal+とHal-の肉質(屠殺48時間後)
*Hal-と比べて有意差あり(P<0.05)岩手県畜産試験場中小家畜部(1981年)
肥育中 輸送中
Hal+ 1.72% 4.76%
Hal- 0.22% 0.46%
肥育中と輸送中の死亡率
オランダランドレース
Eikelenboom(1976年)
発生頭数 割合
Hal+ 22頭中8頭 36.4%
Hal- 126頭中14頭 11.1%
ハロセンテストとPSE肉の関係
ランドレース、渡辺(1980年)
DNA診断による選抜
制限酵素によって切断されたDNA断片の長さが、同一種
内の個体間で異なること(多型)、およびその検出法
PCRを組み合わせたPCR-RFLPもある
Hal(N)
Hal(n)
659 bp
HgiAⅠ
ブタのストレス症候群の原因のハロセン感受性遺伝子(Hal)
HgiAⅠ
135 bp 524 bp
135 bp 166 bp 358 bp
制限酵素断片長多型(RFLP)
RFLP: Restriction Fragment Length Polymorphism
制限酵素断片長多型の電気泳動図
制限酵素
659
524
358
166
135
(bp)
N/N
なし あり
正常ホモ
N/n
なし あり
正常ヘテロ
n/n
なし あり
劣性ホモ
遺伝病の原因遺伝子のキャリア動物を特定できる
家畜の遺伝性疾患の例
種類 遺伝性疾患や変異 選抜後の遺伝子型頻度
ブタ リアノジン受容体の変異 PSE肉になりやすい
ウシ 牛複合脊椎形成不全症 流死産や奇形
牛白血球粘着性欠如症 細菌への抵抗性欠如
牛短脊椎症 流死産
単蹄 蹄の奇形・歩行困難
ウシバンド3欠損症 溶血性貧血など、死亡
ウシ第13因子欠損症 血液凝固不全、死亡
ウシクローディン16欠損症 腎機能不全
ウシモリブデン補酵素欠損症 尿路結石による腎障害
眼球形成異常症 小眼球症、盲目
一般社団法人家畜改良事業団
家畜改良技術研究所の検査項目の一部
DNA診断による選抜
プライマーの塩基配列や位置を工夫することで異常を判定
PCR: Polymerase Chain Reaction
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
プライマーの3’末端に
変異が来るように設計
変異
3’末端が一致しないので
増幅しない
変異(欠損)を挟む
ように設計
増幅産物が小さくなる
欠損
それぞれ電気泳動などにより増副産物を確認する
(3)量的形質の選抜:選抜の方法
個体選抜
集団から上位の一定割合の
個体を選抜する
家系選抜
ある家系が優れた素質をもつ
としてその家系の個体を全て
選抜する
家系選抜
家系 A B C
家系に関係なく選ぶ
A B C
量的形質の選抜の場合、家畜の能力検定が必須となる
直接検定
検定される家畜(種畜)を同一条件で一定期間飼育して、
目的とする能力がどれくらいになるかを検定する方法
おもに発育能力の判定を行う
産肉能力直接検定では、種雄牛の候補牛を離乳後16週間飼育する
・増体量
・飼料要求率
・体型
成長
肉牛では種雄牛のみを対象としている
肉の性質(肉の色、脂肪交雑など)など屠殺しなければ
分からない形質を調べることはできない
外貌審査
優良な家畜を選抜する場合に行われる体型審査
家畜は外貌とその能力の間に相関関係がある場合が多い
日本では以下の団体等が審査基準を設けている
© ウィキペディア
日本ホルスタイン登録協会:ホルスタイン、ジャージー、ブラウンスイス
全国和牛登録協会:黒毛和種
日本あか牛登録協会:褐毛和種
日本短角種登録協会:日本短角種
日本種豚登録協会:中ヨーク、大ヨーク、ランドレース、バークシャー等
ホルスタインの場合、
右図の項目について
評価する
ホルスタインはホルスタイン・フリーシアンの略称
体貌と骨格
肢蹄
乳用強健性
乳器
家畜の審査基準の例
頭(2点)
長さは中等で、輪郭の鮮明なもの 額は広く適度にくぼみ、鼻梁はまっすぐで、眼は生き生きとして大きく、まぶたは薄く、温和で、耳は中等の大き
さで形と質がよく、機敏に動き、鼻鏡は広く、鼻孔は大きく、下顎は強く、鮮明なもの
肩・背・腰 (7点)
・肩:長さは中等で、付着がよく、胸及びき甲への移行がなめらかで、肩後はよく充実し、中躯との結合のよいもの
・背:強く、まっすぐで長く、棘突起がよく現れるもの
・腰:横突起はよく発達し、広く、長く、ほとんど平らで強いもの
胸・肋腹(6点)
・胸:深く、胸底は広く、腋の充実しているもの
・肋腹:深く、強く支えられ、腹は後方へ深く、広くなっているもの
尻(10点)
腰角から坐骨にかけて適度に傾斜し、長く広く充実したもの
・腰角:広く、背腰とほとんど水平で、粗大でなく適度に現れるもの
・寛:幅広く、腰角と坐骨端からほぼ等距離で、適度の高さに位置するもの
・坐骨:坐骨間が広く、腰角よりやや低く、輪郭鮮明で、臀は平らで広いもの
・尾根:坐骨間のやや上部に形よく位置し、上縁はほとんど水平なもの
・尾:長く、次第に細く、尾房はつりあいがよく、豊かなもの
・陰門:ほぼ垂直に位置するもの
体貌と骨格(25点)
品種としての適度な大きさと強さをもち、雌牛らしく姿勢は優美で、各部のつりあいがよく生き生きとして、品位に富み、性質が温順なもの
肢蹄(20点)
肢の長さは体の深さとつりあい、肢勢は正しく、広く立ち、輪郭鮮明で強く、歩様は確実なもの
肢(10点)
・前肢:まっすぐなもの
・後肢の踏み:寛から下ろした垂線が蹄の中間にあり、後望して肢間が広く、 ほぼまっすぐなもの
・飛節・管:飛節は鮮明で、適度な角度と幅があり、管は平たくよくしまり、腱は明らかに現れるもの
・繋:中等の長さで、強く、弾力があるもの
蹄(10点)
・角度:適度の角度を持ち、蹄底が平らなもの
・大きさ:形よく幅があり、蹄踵はほどよい厚さで趾間のしまりのよいもの
・質:光沢があり緻密なもの
・蹄冠部:よくしまり鮮明なもの
日本ホルスタイン登録協会のホルスタイン種雌牛審査標準(平成19年改正)
家畜の審査基準の例
乳用強健性(15点)
体全体に活力があり、乳用牛としての強さを示し、泌乳の時期に応じて適度の肉付きと飼料の高い利用性を現すもの
頸・き甲・ 肋・膁・腿(12点)
・頸:長く、薄めで、肩と胸へなめらかに移行し、咽喉、胸垂の輪郭鮮明なもの
・き甲:鮮明で、肩甲骨の上縁とそれよりやや高めの棘突起がほどよいくさび形となるもの
・肋:肋骨間が広く、肋骨は幅広く、平たく、長いもの。前肋はよく張り、後肋は斜め後方によく開張したもの
・膁:深く、鮮明なもの
・腿:外側は平たく、適度に充実し、後望して股間が広く、内側に軽く湾曲し、よく切れ上がっているもの
皮膚・被毛(3点)
・皮膚:ゆとりと弾力があり、薄めなもの
・被毛:細密で光沢のあるもの
乳器(40点)
乳房の付着が強く、よく発達し、四乳区がつりあい、質がよく、長年にわたり高い生産能力を現すもの
前乳房(7点)
腹壁に強く付着し、長さは中等で、適度の容積があるもの
後乳房(8点)
高く、広く、強く付着し、上方から下方にかけて一定の幅をもち、わずかに丸みを帯びているもの
乳房の懸垂(5点)
乳房を左右に二等分する間溝が明瞭に現れ、靱帯の強いもの
乳房の深さ(9点)
底面が水平で、飛節端よりやや高いもの
乳房の質(3点)
柔軟で、弾力に富み、搾乳直後はよく収縮するもの
乳頭(8点)
太さと長さが適度で、よく揃い、円筒形で、各乳区の中央に配列し、垂下しているもの
各団体の審査基準に対し、ウシは合計100点、ブタは各項目
100点で評価している
オス親の能力を予想する
後代検定
当該オスを何頭かのメスに交配させ、できた子孫(後代)の
能力に基づいて当該オスの能力を予測する方法
乳牛の場合
オス1頭を400頭のメスに
交配させ、その娘50頭の
泌乳能力などを調べる
肉牛の場合
10~20頭の息子を1ヶ所
に集めて肥育し、能力を
調べる(屠殺もする)
産肉能力間接検定では、去勢牛を52週間飼育する
検定を終了させるま
で時間がかかる
(4)きょうだい検定
ブタやニワトリのように産子数が多い時に有用な間接検定
兄弟(姉妹)の能力を調べることで当該個体を検定する
種畜の産肉能力や種雄の産卵能力、泌乳能力を検定できる
産肉能力間接検定では、去勢牛を52週間飼育する
A
Aの能力を予想する
後代検定よりも時間がかからない
ウシにはあまり使われてこなかったが、
受精卵移植の技術が
発達するとともにウシでも使われるようになった
その他の方法
検定場検定(ステーション検定)
検定場で検定する方式
飼料などの飼養管理法などを統一できる利点があるが、公的
機関が予算を出して検定場を維持する必要がある
現場検定(フィールド検定)
農家や枝肉市場から収集したデータを用いて検定する方式
農家の実際の飼養管理に即した評価が行える利点があるが、
ある程度の頭数を確保しないと正確な評価は困難である
切断型選抜:1つの形質についての選抜
表現型がある値以上の個体を選抜し、交配して次代を得る方法
ここだけ選抜する
その子供の分布
親の分布
この部分の平均値
選抜差
選抜反応
選抜差×遺伝率で遺伝的
改良量が予測できる
複数の形質についての選抜
ブタ番号 1日増体量 背皮下脂肪厚 飼料要求率
1 2.0 1.5 3.2
2 1.8 1.2 3.0
3 2.5 1.4 2.8
4 1.9 1.8 3.4
5 2.1 1.9 3.3
6 2.4 1.2 2.9
7 2.3 1.0 2.7
8 1.7 1.6 3.4
複数の形質についての選抜の方法
選抜指数法
総得点法
それぞれの形質の表現型値に係数を掛け合わせて総合的な選
抜基準を作り、その基準に合致したものを選抜する
独立基準法
それぞれの形質について選抜基準を設け、その基準に合致し
たものだけ選抜する(それぞれの基準は独立している)
順繰り選抜法
1つの形質について選抜してから次の選抜を始める方法
(例)ブタの選抜指数式=260+35G-75F-40E
選抜指数法の場合
ブタ番号 1日増体量 背皮下脂肪厚 飼料要求率 選抜指数
1 2.0 1.5 3.2 90
2 1.8 1.2 3.0 113
3 2.5 1.4 2.8 131
4 1.9 1.8 3.4 56
5 2.1 1.9 3.3 59
6 2.4 1.2 2.9 138
7 2.3 1.0 2.7 158
8 1.7 1.6 3.4 64
(5)独立基準法の場合
ブタ番号 1日増体量 背皮下脂肪厚 飼料要求率 選抜指数
1 2.0 1.5 3.2 90
2 1.8 1.2 3.0 113
3 2.5 1.4 2.8 131
4 1.9 1.8 3.4 56
5 2.1 1.9 3.3 59
6 2.4 1.2 2.9 138
7 2.3 1.0 2.7 158
8 1.7 1.6 3.4 64
1日増体量:2.0以上、背皮下脂肪厚:1.5以下
飼料要求率:3.0以下
順繰り選抜法の場合
ブタ番号 1日増体量 背皮下脂肪厚 飼料要求率 選抜指数
1 2.0 1.5 3.2 90
2 1.8 1.2 3.0 113
3 2.5 1.4 2.8 131
4 1.9 1.8 3.4 56
5 2.1 1.9 3.3 59
6 2.4 1.2 2.9 138
7 2.3 1.0 2.7 158
8 1.7 1.6 3.4 64
値が最も悪い1匹を除く
遺伝子マーカーによる選抜:QTL解析
QTL(量的形質遺伝子座)と連鎖している遺伝子マーカーを
特定すること
+2
+0
遺伝子マーカー:遺伝的形質や系統の目印になるDNA配列
検出しやすく多型的なもの
+2
A
M
a
m
A
M
a
m +0
+2
+2
+2
+0
+0
A
M
A
M
A
M
a
m
a
m
a
m +0
+4
+2
+0
マーカーアシスト選抜:遺伝子マーカーを利用した選抜
交配について
家畜の育種は親を選んで交配することが基本
選抜された親を交配することで有用な品種を作出する
特定遺伝子導入のための交配
累進交配、戻し交雑、トップクロス、トップインクロス
遺伝子の固定と維持のための交配
近親交配、系統交配、品種内交配、相似交配
雑種利用のための交配
一代雑種、三元交雑、四元交雑、戻し交雑、循環交配、
種間交配
未改良品種
優良品種
1代目
優良品種
2代目
優良品種
3代目
優良品種
改良品種
累進交配
未改良品種やあまり能力が優れていない品種に、望まし
い品種や系統を数代重ねて交配すること
© 熊本県
戻し交雑
雑種第一代(F1)と、その交雑に用いられたどちらか一方
の親との交雑
© ウィキペディア
B1:戻し交雑第1代
B2:戻し交雑第2代
親
F1
B1
B2
遺伝子を与えたい親
特定の遺伝子の割合を高める時や
品種を復元するときに用いる
実質的には
近親交配
(6)近親交配と近交係数
共通祖先に由来する遺伝子が子供でホモになる確率
近親交配では劣性ホモ形質の顕在化により形質が劣る傾向
にある(
近交退化)
組み合わせ 近交係数
親子 25%
兄妹 25%
叔父-姪 12.5%
叔母-甥 12.5%
いとこ 6.3%
はとこ 1.6%
近交係数%
0 20 40 60 80 100
8
7
6
5
4
3
一腹子数
乳牛では近交係数 6.25 %以上の交配を避ける
マウスの一腹子数に見られる近交退化
ブタの系統造成の例
同一品種のオス10頭、メス50~100頭を集めて閉鎖集団に
近親交配して、不良なものを淘汰し、優良なもののみ交配
約7代経過すると共通した能力をもつようになる
兄妹交配を続けた場合の近交係数
世代 近交係数
0 0.0
1 25.0
2 37.5
3 50.0
4 59.4
5 67.2
6 73.2
世代 近交係数
7 75.8
8 82.6
9 85.9
10 88.6
11 90.8
12 92.5
13 94.0
世代 近交係数
14 95.1
15 96.1
16 96.8
17 97.4
18 97.9
19 98.3
20 98.6
実験動物
近交系
遺伝的類似性が高いので実験処理に対して均一な反応が期待できる
マウス:BALB/c、C57BL等、ラット:BN、F344等
クローズドコロニー
一定の集団のみで繁殖を行っているので、遺伝的類似性が近交系よりも
低いが近交退化が発現しづらい
マウス:ddy、ICR等、ラット:Wistar、SD等
近交間系1代雑種なら全ての遺伝子型がヘテロであるので遺伝的類似性が
高いうえに近交退化が発現しづらく、両親の優性形質が利用できある
近交間系1代雑種(F1)がほとんど
交雑群
ミュータント系
遺伝子記号をもって示される特定の突然変異形質を持つ系統で、特性の
ある実験動物(ヒト疾患モデルなど)としての利用価値が高い
強いヘテローシス 弱いヘテローシス なし
強健性 産子数 体長
子ブタの初期発育 肥育ブタの飼料効率 背脂肪の厚さ
子ブタの育成率 肥育ブタの後期発育 ロースの大きさ
ヘテローシスを利用した交配
A品種 A×B B品種
雑種強勢
A品種 A×B B品種
雑種弱勢
ヘテローシスは総当たり交配で見つける
A1品種 A2品種 A3品種 A4品種 平均
A1 A1A1 A1A2 A1A3 A1A4 A1
A2 A2A1 A2A2 A2A3 A2A4 A2
A3 A3A1 A3A2 A3A3 A3A4 A3
A4 A4A1 A4A2 A4A3 A4A4 A4
平均 A1 A2 A3 A4
平均が良くなる
一般組合せ能力が高い(相加的遺伝子効果)
特定の組み合わせのみ良くなる:
ヘテローシスなど
特殊組合せ能力が高い(非相加的遺伝子効果)
遺伝子工学による育種
胚盤胞
ES細胞
ターゲッティング
ベクター
ES細胞を別の
胚盤胞に注入 偽妊娠マウスの
子宮に移植する
遺伝子導入技術によるトランスジェニック動物の作製など
標的遺伝子
相同組換え
トランスジェニックマウスの作り方の例
(7)遺伝子工学による育種
キメラマウス誕生
このうち、
注入したES細胞が生殖細胞に分化した個体を使う
正常マウス
交配
ヘテロ接合体 ヘテロ接合体
ホモ接合体
不活性化遺伝子を導入:
ノックアウト
本来存在しない遺伝子を導入:
ノックイン
遺伝子改変動物の利用
成長ホルモン遺伝子の導入
肝臓特異的に発現している遺伝子のプロモーターと融合
させ、肝臓で発現させる
ブタやヒツジでは成長が促進されず、生理的異常が確認
抗病性遺伝子の導入
家畜で成功例がない(少なくとも実用化されていない)
家畜を利用した有用物質の生産(動物工場)
乳腺特異的に発現している遺伝子のプロモーターと融合
させ、乳腺で発現させるとともに乳汁中に分泌させる
ヒトの遺伝子を導入することで、そのタンパク質を大量
生産血液凝固因子等の生産が実用化している
臓器移植用家畜の作出
ヒトの遺伝子を導入し移植可能な臓器を生産(研究中)
日本の家畜改良
畜産企画課:畜産政策企画立案、畜産方式の改善、環境保全、経営管理の合理化
牛乳乳製品課:牛乳・乳製品の生産、流通および消費対策
食肉鶏卵課:食肉等の生産、流通および消費対策、家畜の取引
競馬監督課:競馬の監督および助成(日本中央競馬会、地方競馬全国協会)
畜産振興課:畜産技術の改良、家畜の改良増殖、飼料の安定供給、装置の整備
農林水産省生産局畜産部
家畜の改良増殖
系統造成、能力検定、種畜供給等
飼料作物の種子配布等
(独)家畜改良センター (社)家畜改良事業団
(社)日本ホルスタイン登録協会
(社)全国和牛登録協会
(社)全国あか牛登録協会
(社)全国肉用牛振興基金協会
(社)畜産技術協会
家畜改良増殖法
家畜の改良増殖の促進等について定めた法律(1950年公布)
第1章 総則
第1章の2 家畜の改良増殖に関する目標等
農林水産大臣は家畜の種類毎にその改良増殖目標を定める
各都道府県はその目標に基づき改良増殖計画を立てる
第2章 種畜等
種畜証明書の交付を受けていないウシや病畜の種付け、人
工授精、体外受精の禁止
獣医師による診断書がないウシからの受精卵採取を禁止
第3章 家畜人工授精及び家畜受精卵移植
第3章の2 家畜登録事業
第4章 雑則
第5章 罰則
肉牛の改良増殖目標(一部)
品種 脂肪交雑
現在 黒毛 0(5.7)
褐毛 0(3.2)
短角 0(2.1)
目標 黒毛 ±0
褐毛 +0.6
短角 ±0
目標は平成32年度(2020年)
種オスの育種価目標数値
単位は全てkg/年
初産月齢 分娩間隔
現在 24.5 404.5日
目標 23.5 380.2日
繁殖能力の目標数値
これらの目標では10年先の目標を
立てるが、5年で見直しできる
乳量 乳脂肪 無脂乳固形分 乳タンパク質
現在 +137 +3.1 +10.9 +3.3
目標 現在の改良量を引き続き維持
乳牛の改良増殖目標
乳量 乳脂肪 無脂乳固形分 乳タンパク質
現在 +113 +2.6 +9.2 +2.9
目標 現在の改良量を引き続き維持
単位は全てkg/年
目標は平成32年度(2020年)
乳用メスの能力に関する育種価目標数値(ホルスタイン)
乳用種オスの能力に関する育種価目標数値(ホルスタイン)
単位は全てkg/年
(8)ブタの改良増殖目標(一部)
品種 育成頭数 飼料要求率 増体重 ロース芯太さ
現在 B 8.7頭/腹 3.3 710g/日 28cm2
L 9.9頭/腹 3.0 800g/日 35cm2
W 10.0頭/腹 3.0 800g/日 35cm2
D 8.9頭/腹 3.1 870g/日 41cm2
目標 B 9.2頭/腹 3.2 750g/日 32cm2
L 10.8頭/腹 2.9 900g/日 35cm2
W 10.9頭/腹 2.9 910g/日 35cm2
D 9.4頭/腹 2.9 1000g/日 41cm2
目標は平成32年度(2020年)
飼料要求率と増体重は体重30kgから105kgまで、ロース芯太さは体重105kg時で体長2分の1部位のもの
ニワトリの改良増殖目標
飼料要求率 産卵率 卵重量 日産卵量 50%産卵日齢
現在 2.1 g/個 84% 62g 52g 147日
目標 2.0 g/個 86% 61~63g 52~54g 145日
飼料要求率、産卵率、卵重量および日産卵量は50%産卵日齢に達した日から1年間における数値
目標は平成32年度(2020年)
卵用鶏
飼料要求率 体重 育成率 出荷日齢
現在 2.0 2700 97% 50日
目標 1.9 2800 98% 49日
飼料要求率、体重、育成率は49日齢のもの
肉用鶏
和牛の種牛の登録のしくみ(日本)
子
ウ
シ
登
記
基本登録
繁殖用として必要な資格条件を満たしたウシ
肥育素牛生産用としての意味合いが強い
能力が高いものは高等登録へ 高
等
登
録
生後4ヶ月以内
外見の欠陥などを
調べる子牛検査
12~30ヶ月
所定の審査と資格条件を満たしたもの
父母・祖父母も登録牛である必要がある
本原登録
和牛改良組合で飼育されているウシ
改良用の種牛生産用としての意味合いが強い
能力が高いものは高等登録へ
種豚登録のしくみ(日本)
子
豚
登
記
種
豚
登
記
産肉検定 産肉登録
繁殖登録
直接検定・後代検定
名
誉
種
豚
産肉検定 産肉登録
繁殖登録
直接検定・後代検定 名誉
種
豚
産子検定
産子検定
子豚の系統を確認
品種の特徴を評価
乳頭の数など
生後6ヶ月以上
各品種の審査基準
に基づいて体型や
資質を審査
増体量・ロースの太さ脂肪
の厚さなどを調べて判定
産子数・哺育能力・連産性
などにより判定
日本の肉牛の改良
年 1日増体重
(kg) 飼料要求率 (去勢乳牛) 飼料要求率
1975 0.60 9.89 -
1980 0.60 8.96 7.13
1985 0.61 9.46 6.74
1990 0.65 8.79 6.54
1995 0.64 8.53 6.50
2000 0.65 8.27 6.43
2004 0.72 8.34 6.85
日本の乳牛の改良
年 乳量
(kg) 乳脂率 (%) 無脂乳固形分率 (%)
1975 4464 3.44 8.18
1980 5006 3.55 8.40
1985 5640 3.64 8.52
1990 6383 3.75 8.58
1995 6986 3.83 8.65
2000 7401 3.90 8.70
2004 7732 3.99 8.76
(9)日本の豚の改良
年 1日増体重
(g) 飼料要求率
1975 516 3.32
1980 564 3.03
1985 577 3.06
1990 584 3.09
1995 825 3.29
2000 899 3.06
2004 900 2.90
日本の卵用鶏の改良
年 飼料要求率 産卵率
(%) 初産日齢
1975 2.76 70.1 160
1980 2.52 - 159
1985 2.42 75.4 154
1990 2.32 78.3 149
1995 2.25 82.0 149
2000 2.17 83.1 141
2004 2.16 84.2 148
日本の肉用鶏の改良
年 飼料要求率 出荷体重
(kg) (生存率%) 育成率
1975 2.57 1.96 95.7
1980 2.27 2.27 95.6
1985 2.08 2.41 93.0
1990 2.04 2.60 92.1
1995 1.82 2.60 94.0
2000 1.92 2.68 98.9
2004 1.91 2.60 98.7