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Microsoft Word - 単純ねじり

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Academic year: 2021

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全文

(1)

単純ねじりを受ける直線材

〝ねじり〟に関する研究の歴史的経緯 C.A.Coulomb(1738-1806) ⇒ 1781 年頃から電気および磁気の研究の中で、鋭敏な〝ねじりばかり〟 を製作し、電線のねじり抵抗を調べた。 Coulomb の理論(円形断面を有する棒のねじり理論) Navier(1785-1836) ⇒ 任意形状断面を有する棒のねじり理論 【Jacob Bernoulli(1654-1705)の〝平面保持の仮定〟】 Duleau ⇒ ねじりの実験 円形断面を有する棒 ⇒ Coulomb, Navier の理論と一致 長方形断面を有する棒 ⇒〝平面保持の仮定〟が成り立たない。 横断面の〝そり〟(warping)という概念 Cauchy(1789-1857) ⇒ 弾性学の基礎公式を用いて細長い長方形断面棒のねじりに対する解を 見出し、〝ねじりを受けると棒の横断面は一般に平面を保持しないこと〟を 示す。 Barré de Saint-Venant(1797-1886) ⇒ 1853 年にねじり理論に関する論文を発表。 平面そり型断面と曲面そり型断面 棒にねじり応力が作用すると、棒の各横断面はねじり中心の回りに角

だけ回転するほかに、一般に、 棒の部材軸方向にも変位する。 いま、部材軸を

x

軸,それに直交する任意の直交座標軸を

y

z

軸とすると、棒の部材軸方向の変位 (そり)

u

は、変形に際して棒が何ら拘束を受けない場合には、一般に

y

および

z

の関数として

 

,

u

f y z

で表される。そのとき、横断面の形状によって、次のようになる。 ①

u = 0

ならば、変形前の横断面と変形後の横断面とは一致する。 ②

u

f y z

 

,

y

および

z

の1 次関数として与えられるならば、 ねじりを受けた後でも平面を保持するが、変形後の横断面は変形前の横断面とは一致しない。 ⇒ 平面そり型断面 … 円形断面,円管断面,T型断面など ③

u

f y z

 

,

y

および

z

の1 次関数で表されない場合には、 棒の横断面はねじりを受けた後ではもはや平面でなくなる。 ⇒ 曲面そり型断面 … 正方形断面,三角形断面,I型断面など 単純ねじりとそり拘束ねじり 棒がねじりを受けたときに生ずる部材軸方向の変位は、棒の支持方法や載荷方法によって、拘束され ない場合と拘束される場合がある。

拘束されない場合 ⇒ 単純ねじり(pure torsion, uniform torsion) =サンブナンのねじり(St. Venant’s torsion)

(2)

丸棒の単純ねじり ⇒ 中実円断面部材

図Ⅰに示す半径

R

の等断面丸棒の両端に外力ねじりモーメ

ント

T

(external torsional moment)が作用し、単純ねじりの

状態にあるとき、丸棒に生ずる変形および応力について考 える。 単純ねじりを受けるとき、丸棒の任意断面はその中心 O の回りに

だけ回転する。この回転角

をねじり角(angle of torsion)という。このとき、断面形状が中心 O の回りに軸 対称であるので、同一円周上にあるすべての点は円周に沿 って同じ量だけ変位し、軸方向変位は生じ得ない。すなわ ち、変形前に平面であった横断面は、ねじれた後でも平面 を保持する。これは円形断面を有する直線材の単純ねじり における特性である。 さて、図Ⅰに示すように、微小距離

dx

を隔てる外周上 の隣接2 断面(ad 断面,bc 断面)のねじり角を

および

 d

とする。これら2 断面の円周と部材軸 OO’に平行 な2 本の縦繊維で囲まれる微小長方形要素 abcd は、図Ⅱ に示すように、ねじりにより平行四辺形 a’b’c’d’に変形し ながら移動する。このとき、辺a’d’および b’c’は円周に沿 って、それぞれ

R

および

R

(

d

)

だけ変位する。した がって、辺b’c’は辺 a’d’に対して、相対変位

Rd

を有する ことになる。そのため、図Ⅱあるいは図Ⅲから明らかなよ うに微小要素abcd には次のようなせん断ひずみ

を生ずる。

 R

d

dx

………(1) このせん断ひずみ

に付随して生ずるせん断応力度

は、次式で表 される。

G

GR

d

dx

………(2) 一般に丸棒の内部において、半径

r

(<

R

)

の円周上にある同じような 微小長方形要素についても同様に

r

d

dx

なるせん断ひずみを生ずるこ とは明白である。すなわち、半径

r

の円周に沿って、次式で示される 一定のせん断応力度

が作用する。

 Gr

d

dx

………(3) 式(3)から、単純ねじりを受ける丸棒の横断面には、図Ⅲに示すように、円周方向せん断応力が生じ、 その大きさは中心O からの距離

r

に比例する。そのため、外周上において、次式に示す最大せん断応 力度をとる。

max

 GR

d

dx

………(2)’ さて、ねじりせん断応力

が中心O の回りにもつモーメントが断 面力としてねじりモーメント

T

(torsional moment)となって作用する。 そこで、図Ⅳからわかるように、ねじりモーメント

T

は次式で計算 される。

T

R

 

(

r d

dr r

)

 

R

r d

dr

0 2 0 2 0 2 0 上式に式(3)を代入し積分を実行すると、 B’ B A O’ O

d

R

a c d b 図Ⅰ

dx

x

T

T

b’ c’ b’’ d’ a’ c d b a 図Ⅱ

dx

R

Rd

Rd

R

d

a’ d’ O c’ c’ d’ b’ b’ a’ 図Ⅲ

dx

d

Rd

T

max

O 図Ⅳ

dA

y

z

dr

r

d

T

r d

dr

dA

(3)

T

Gr

d

dx

r d

dr

G

d

dx

r d

dr

G

d

dx

r dA

GI

d

dx

R R A p

2

0 2 0 3 0 2 0 2 ∴ p

d

T

GI

dx

………(4) ここに、

dA

は、

dA

 

r d

dr

で定義される微小面積要素であり、

I

pは、図Ⅳにおいて

I

p

r dA

y dA

z dA

I

I

A A A y z

2

2

2

で定義される断面 2 次極モーメントで、丸 棒については次式で与えられる。

I

p

R

4

2

………(5) 式(4)に含まれる変形量

d

dx

 

をねじり率といい、単位長あたりのねじり角にほかならない。したが って、ねじり率の単位は

rad cm

/

である。 また、

GI

pをねじり剛性(torsional rigidity)といい、その単位は

kg cm

2である。ねじり率およびねじ り剛性は、それぞれ曲げを受ける部材の曲率および曲げ剛性に相当する力学量である。 一般の等断面部材が単純ねじりを受ける場合には、式(4)と同型の式

d

T

GJ

GJ

dx

………(6) が成り立つ。ここで、

GJ

は、やはりねじり剛性である。 式(4)の丸棒のねじり剛性

GI

pは、一般断面を有する部材のねじり剛性

GJ

の特別な場合である。式(4) 及び式(6)から明らかなように、ねじり剛性は、単位ねじり率を生じさせるのに要するねじりモーメン トにほかならない。 単純ねじりを受ける棒部材については、いずれの断面においても、断面力としてのねじりモーメント は、常に外力ねじりモーメントに等しく、ねじりモーメント

T

は部材軸方向に一定である。ところが、 等断面材ならば、ねじり剛性

GJ

(丸棒の場合には

GI

p)が一定である。よって、式(6)あるいは式(4) からわかるように、ねじり率

d

dx

 

も部材軸(

x

軸)方向に一定となる。そこで、丸棒の両端A と B の相対回転角

は式(2)’より次式で与えられる。

 

max

GR

………(7) さらに式(4)と式(2)’から

d

dx

を消去すると、丸棒断面の外周に沿う最大せん断応力度

maxがねじりモ ーメント

T

の関数として次のように与えられる。

T

GI

d

dx

GI

GR

I

R

p p p

max

max ∴

max

T R

I

p ………(8)

(4)

円筒体の単純ねじり ⇒ 薄肉閉円断面部材

右図に示すような外半径

R

,内半径

r

i(管厚 or 肉厚

t

)の中空円断面 筒体の単純ねじりについて考える。 まず、横断面において半径

r

の円周上にある点に作用するせん断応力 度

は、丸棒の場合と同様な理由により式(3)で与えられ、右図に示すよ うに、中心O からの距離

r

に比例し、外縁において

o

max),内縁 において

iであって、その間は直線的に変化している。このせん断応力 により生ずるねじりモーメント

T

は次式で与えられる。

T

r d

dr

r R i

2

0 2 この式に式(3)を代入し、積分を実行すれば、式(4)と同型の次式を得る。

T

GI

d

dx

p

………(4)’ ここに、

I

p

1

R

r

i

2

4 4

:中空円断面の断面2 次極モーメント ………(9) また、最大せん断応力度

maxも式(8)により、ねじりモーメント

T

から直接計算される。 ただし、

I

pとしては式(9)を用いる。 鋼管のように、管厚

t

が半径に比して充分小さい薄肉円筒体の場合は、式(3)から明らかなように、外 縁と内縁におけるせん断応力度の差異がほとんどない。したがって、管厚の中心線方向の半径

r

m

R

r

i



2



におけるせん断応力度

m o i



2



を用いて、次式より近似的にねじりモーメントを与 えることができる。

T

r d

dr

t r

r

r

t

r R m m m m m i

2

 

 

0 2 2

2

2

………(10) 《 別 解 》

 

T

r d

dr

d

r dr

Gr

r dr

G

r dr

G

r

G

R

r

G

R

r

R

r

R

r

G

t

r

r

t

r R r R r R r R r R i i i i m m i i i i i

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2  0 2 0 2 2 2 3 4 4 4 2 2 2

2

2

2

4

2

2

2

2

2

2

Gr

m

 

r

m

 

t

  

m

r

m

r

m

 

t

m 2 2 2

2

2

よって、逆に外力ねじりモーメント

T

を受けて単純ねじりの状態にある円筒体に作用するせん断応 力度

mは、次のように表される。 2

2

2

m m m

T

T

t

r

t F

 

 

………(11) ここに、

F

m

r

m2は、管厚の中心線で囲まれる円の面積である。 最後に、式(9)において

R

2

r

i2

2

r

m2とおけるので、ねじり率

は、次の式で与えられる。

 

I

p

1

R

r

i

R

 

r

i

R

 

r

i

R

r

i

 

t

r

m

r

m

r

m

t

2

1

2

1

2

2

2

2

4 4 2 2 2 3

3

2

p m

T

T

GI

r

t G

 

………(12) O o

i

t

i

r

m

r

R

(5)

任意形状の薄肉筒体の単純ねじり ⇒ 薄肉閉断面部材

図 A に示すような任意の断面形状を有する薄肉筒体の単 純ねじりについて考える。 このような筒体の両端に大きさ相等しく、方向逆の外力 ねじりモーメント

T

が作用する場合、図B に示すように、 任意断面には断面力としてのねじりモーメント

T

が生じ、 外力ねじりモーメントと釣り合っている。このとき、横断 面には図示のように、薄肉板厚の中心線の方向にせん断応 力が分布して作用している。 いま、図A において、微小距離

dx

を隔てる2 つの横断面 と、微小距離

ds

を隔てる2 つの縦断面で切り取られる微小 長方形要素 abcd に作用する応力間の釣合について考える。 単純ねじりの状態においては、曲げモーメントおよび軸方 向力は作用しないので、垂直応力は存在しない。そこで図C に示すように、自由片abcd の 4 つの断面 ab,bc,cd およ びda には、それぞれ

 

t

s

dx

1 ,

 

t

x

ds

2 ,

 

t

s

dx

2 および

 

t

x

ds

1 なるせん断応力が作用している。 この自由片について、薄肉中心線に沿って設けた曲線座標

s

の方向の力の釣合条件から次のようになる。

 

t

x

ds

 

t

x

ds

1 2

0

 

t

x

 

t

x

 

t

x 1 2

これより横断面の位置

x

の如何に関わらず

t

の値は一定 である。 次に

x

軸方向(薄肉筒体の部材軸方向)の力の釣合条件か ら以下のようになる。

 

t

s

dx

 

t

s

dx

1 2

0

     

t

s

t

s

t

s 1

2

これより縦断面の位置

s

の如何に関わらず

t

の値は一定 である。 さらに自由片abcd の隅角点 A の回りのモーメントの釣合条件から次のようになる。

 

t dx ds

s

 

 

t ds dx

x

 0

     

t

s

t

x

t

q

………(13) したがって、式(13)より、任意の横断面並びに任意の横断面において

t

q

の値は相等しく一定値を とる。この力学量

t

q

は、せん断流(shear flow)と呼ばれる。定義から明らかなように、せん断流は、 『薄肉筒体の板厚中心線に沿う単位長あたりに作用するせん断応力の合力』であり、せん断流

q

の単位 は、

kg cm

/

(あるいは

N mm

/

)である。また、式(13)は、『単純ねじりを受ける薄肉筒体のいかなる 横断面上のいかなる点においても、せん断流

q

は一定値をとる。』と表現することができる。 次に、せん断流

q

とねじりモーメント

T

の関係について考える。 上記のように、単純ねじり状態にある薄肉筒体の任意の横断面には、 図B に示すように、一定のせん断流

q

が横断面を一巡するように作 用している。このせん断流と他端に作用する外力ねじりモーメント

T

とが部材軸(

x

軸)回りのモーメントの釣合を保持している。こ の釣合条件より、

T

qr ds

s ………(14) ここに、

ds

は薄肉中心線に沿って一周する

s

座標方向の線積分 を意味し、

r

sは図D に示すように、ねじり中心(断面の回転中心) O から薄肉中心線の接線 bce に下した垂線の長さである。 Ⅱ Ⅱ’ Ⅰ’ Ⅰ O’ O 図A d c b a

x

dx

2

x

x

1

x

x

ds

s

T

T

O’ 図B

T

T

q

x

O d a b c 図C

 

1 s

t

 

2 s

t

 

1 x

t

 

2 x

t

x

s

dx

ds

b c e O 図D

ds

 

t s

q

F

dF

s

r

T

(6)

ところが、図D からわかるように、式(14)に含まれる

r ds

s は、微小要素bc とねじり中心 O を結んで できる細長い三角形Obc(塗りつぶし部分)の面積

dF

の2 倍に等しい。また、せん断流

q

は座標

s

に 無関係に一定であるから、式(14)の線積分は次のようになる。

T

2

q dF

上記の式において、曲線座標

s

に沿う一周積分



dF

は、薄肉中心線で作られる閉曲線によって囲ま れる面積

F

を与える。すなわち、



dF

F

である。よって、外力ねじりモーメントを受ける薄肉筒体 に生ずるは次式で与えられる。

2

T

q

F

………(15) 前頁の図A に示す微小距離

ds

だけ隔たる2 つの縦断面ⅠⅠ’,ⅡⅡ’で切り取られる長さ

の帯状要素 ⅠⅡⅡ’Ⅰ’について考える。この帯状要素の辺Ⅰ’Ⅱ’の端面と辺ⅠⅡの端面の間に相対ねじり角

が生 じており、ねじり率

は一定であるから、

は、

  

で表される。すると、辺Ⅰ’Ⅱ’は辺ⅠⅡに 対して、図E(a)に示すように、

r

s

 

r

s

だけ、その辺の接線方向(

s

方向)に変位する。 結局、帯状要素ⅠⅡⅡ’Ⅰ’には、次の 2 つの現象による変位が生ずることになる。 ① 剛体回転 図E(a)に示すように、 相対ねじり角

の影響により、点Ⅰを中心として角

r

s

だけ剛体回転する。 ② せん断変形 図E(b)に示すように、せん断応力

が作用するので、せん断ひずみ

G

が生ずる。 実際には、2 つの現象①,②が同時に生じて、図 E(c)に示すように、帯状要素は剛体回転とせん断ひ ずみを共にもつことになる。 現象①により、点Ⅱ’は点Ⅰ’に対して相対的に、

du

 

r ds

s

だけ

x

軸方向に変位する。【図E(a)】 現象②により、点Ⅱ’は点Ⅰ’に対して相対的に、

du

G

ds

だけ

x

軸方向に変位する。【図E(b)】 したがって、図 E(c)に示すように、点Ⅱ’の点Ⅰ’に対する相対変位

du

は、両現象の重ね合せによっ て、

du

du

du

と表されるから、次のようになる。

du

r

G

ds

s

 



 



Ⅰ Ⅱ Ⅰ’ Ⅱ’ Ⅰ Ⅰ’ Ⅱ Ⅱ’ Ⅰ’ Ⅱ’ (a) 剛体回転 (b) せん断変形 図E Ⅰ Ⅰ’ Ⅱ Ⅱ’ Ⅰ’ Ⅱ’ (c) 両現象の重ね合せ

s

s

r

s

r

ds

s

r

x

du

ds

du

ds

s

r

du

s

r

(7)

ところが、点Ⅰ’を始点として薄肉中心線に沿い曲線座標

s

方向 に

du

を一周積分した値は、図F(a)に示すように、帯状要素の回 転による相対変位

du

を順次加算したもので、一周後のギャップ を

u

とすると、次式で与えられる。

u

du

 

r ds

s

一方、

du

を一周積分した値は、図 F(b)に示すように、せん断 ひずみによる影響を

s

方向に順次加算したもので、一周後のギャ ップを

u

とすると、次式で与えられる。

u

du

G

ds

 

実際には、両現象が同時に生じ、かつⅠⅠ’にはいかなるギャップもなく連続性が保持されなければ ならない。すなわち、

u

u

 0

の連続条件式が成立しなければならない。 したがって、連続条件式に上記2 式を代入すれば、次の式が得られる。

u

u

du

du

r ds

G

ds

s    

 

0

ここで、ねじり率

およびせん断流

q

t

は、座標

s

に無関係な一定値をとるので、積分記号の外 に取り出し、かつ

r ds

s

 2

F

なることを考慮すると、ねじり率

について次式を得る。

0

2

t

ds

G

q

F

t

ds

G

q

ds

r

ds

G

ds

r

s

s

2

2

g s

n

q

ds

q

ds

FG

t

FG

t

………(16) ここに、

G

sは標準材料のせん断弾性係数,

n

G

G

g s

は材料のせん断弾性係数比である。 さらに、式(15)を式(16)に代入すると、次のようになる。 2

4

g s

n

T

ds

F G

t

………(17) 式(16)および式(17)をブレッド-バソ(Bredt-Batho)の公式という。 次に、断面上で座標

s

なる点の

x

軸方向変位、すなわちそり(warping)

u

は、

du

du

du

の式に 対して、

s

=0 から

s

=

s

まで線積分を施すことにより以下のように得られる。

ds

t

n

G

q

ds

r

u

du

u

u

g s s s s s 0 0 0 0 0

………(18) ここに、

u

0は曲線座標

s

の原点(

s

=0)におけるそりを表す。 もし、薄肉筒体が同一材料・同一板厚からなる場合には、せん断弾性係数

G

,板厚

t

は座標

s

に無関 係な一定値をとるので、積分記号外に取り出すことができ、式(16)~(18)は、次のようになる。

qS

FGt

2

TS

F Gt

4

2

u

u

r ds

qs

Gt

s

0

0

………(16)’ ,(17)’ ,(18)’ ここに、

S

は薄肉中心線の全周長,

s

s

=0 から

s

=

s

までの薄肉中心線の周長である。 一般に単純ねじりを受ける等断面部材のねじり剛性

GJ

は、式(6)から

GJ

T

で与えられる。この式 に

G

G

sおよび式(17)を代入すれば、薄肉筒体のねじり定数

J

は次のようになる。

J

T

G

T

G

T

F G

n

t

ds

F

n

t

ds

s s s g g

4

4

2 2 ∴ 2

4

g

F

J

n

ds

t

………(19) (a) ねじり角 Ⅰ Ⅰ’ Ⅰ’ Ⅰ (b) せん断ひずみ 図F

s

u

u

(8)

特別な場合として、図 G に示すような各区間ごとに同一材料・同一板厚からなる薄板を接合した薄 肉多角形断面材においては、ブレッド-バソの公式は次のような総和の形で与えられる。

T

F G

n S

t

s g j j j j

4

2 ………(20) ここに、

S

jは各直線区間の辺長, j

は断面を構成するすべての辺

j

について総和することを意味 する。添字

j

は辺

j

に関する量を意味する。 この式(20)を

GJ

T

に代入すれば、次式により薄肉多角形断面材の ねじり定数

J

が得られる。

J

F

n S

t

g j j j j

4

2 ………(21) 次に隅角点

i

におけるそり

u

iは、式(18)から次のように得られる。

u

u

F

q

G

n S

t

i i s g j j j j i

0 1

2

………(22) ここに、

F

iは図G に示すように、ねじれ中心 O と隅角点

s

=0 および隅角点

i

を結ぶ2 つの線分と薄 肉中心線で囲まれる部分すなわち塗りつぶし部分の面積を表す。 j i

1 は隅角点

s

=0 から隅角点

i

に至る すべての区間にわたり総和することを意味する。 なお、2 軸対称断面の場合には、ねじり中心と重心とは一致する。そこで、図 H(a)に示すような、全 断面にわたり同一材料からなる2 軸対称箱型断面の場合には、ねじり率

は式(20)の特別な場合として 次のように具体的に与えられる。









b a b a

t

b

t

a

Gab

q

t

b

t

a

b

Ga

T

2 2

2

………(23) 断面の2 軸対称性を考慮すると、直交する 2 つの対称軸と薄 肉中心線の交点すなわち図 H(b)に示す辺の中点 A,B,C,D でそ りが0 となることがわかる。 そこで、式(22)において

u

i

u

A

0

とおくと、 a A

t

a

G

q

ab

u

u

2

8

2

0

0

この式に式(23)を代入し、

u

0について解けば、





a b

t

a

t

b

G

q

u

4

0 ………(24)1 よって、他の隅角点1,2 および 3 におけるそりは、式(22)に 式(24)1を代入して次のように求められる。 0 1

u

u

………(24)2 0 2

u

u

………(24)3 0 3

u

u

………(24)4 式(18)からわかるように、薄肉多角形断面については、隅角 点間の各区間において、

r

sおよび

Gt

が一定であるから、そり

u

s

の1 次関数である。したがって

u

s

方向に直線変化する。 以上を総合して、そりの箱型断面内分布は図H(b)に示すように逆対称分布になる。 特に、

a t

a

b t

bなる関係が成立つような箱型断面においては

u

0

0

,したがって断面上のあらゆ る点において

u

0

となる。このような箱型断面材は単純ねじりにより、そりを生じないわけである。

0

3

1

2

a

b

a

t

t

b

t

a b

t

s

0

C A B D 0

u

0 1

u

u

u

2

u

0 0 3

u

u





a b

t

a

t

b

G

q

u

4

0 (a)寸法 (b)そり分布 図H 2 軸対称箱型断面 O 図G

0

s

j

t

j

S

1

j

j

i

i

F

1

i

(9)

長方形断面を有する中実直線材の単純ねじり ⇒ 中実長方形断面部材

右図Ⅰに示すような短辺

a

,長辺

b

の長方形断面を有する中実直線材に単純 ねじりが作用したときの断面内任意点

(y,z)

における

y

軸方向せん断応力

xy

z

軸方向せん断応力

xzは次式で与えられる。【小松定夫:構造解析学Ⅲ-弾性 連続体の解析-,丸善,第16 章参照】

xy n n G a n n a z n a b n y a                  

8 1 2 1 1 2 1 2 1 2 2 1 2 2 1( ) ( ) sinh( ) cosh( ) cos( ) ………(23)

xz n n G a n n a z n a b n y a                    

8 1 2 1 1 1 2 1 2 1 2 2 1 2 2 1 1( ) ( ) cosh( ) cosh( ) sin( ) ………(24)

xy

xzの合せん断応力

xr

(

xy

)

(

xz

)

2 2 の等高線と作用方向の模式図を図Ⅰに示す。

b>a

なる場合、式(24)において、

y=±a/2,z=0

とおけば、そのときの

xz が最大せん断応力度

max にほかならない。         max ( ) ( ) cosh( ) sin ( ) ( ) cosh( )                                    

xz n n n G a n n a b n G a n n a b 8 1 2 1 1 1 1 2 1 2 2 1 2 8 1 2 1 1 1 2 1 2 2 2 1 1 2 2 1 ところで、 1 2 12 8 2 1( n ) n    

だから、            max ( ) ( ) cosh( ) ( ) cosh( ) ( ) cosh(                                      

8 1 2 1 1 2 1 2 1 2 8 8 1 2 1 2 1 2 8 8 1 8 1 2 1 2 2 2 1 1 2 2 2 2 1 2 2 2 2 G a n n n a b G a n n a b G a n n n n n 1 2 1 8 1 2 1 2 1 2 1 2 2 1 ) ( ) cosh( )     a b G a n n a b nn   

                        ∴

max ( ) cosh( )                 

G a n n a b n 1 8 1 2 1 2 1 2 2 2 1 ………(25) となり、右辺の級数は急速に収束する。 一方、ねじりモーメント

T

とねじり率

の関係は次式で与えられる。 T G ba a b n n b a n              

1 3 1 192 1 2 1 2 1 2 3 5 5 1( ) tanh( ) ………(26) 式(6)’に式(26)を代入すると、長方形断面を有する部材のねじり剛性

GJ

として次式が得られる。 GJ G ba a b n n b a n              

1 3 1 192 1 2 1 2 1 2 3 5 5 1

( ) tanh ( ) ………(27) 薄板のような細長い長方形断面を有する部材で

b

a

の場合には、 tanh(2 1) 2 1 n b a

また、 1 2 15 96 4 1( n ) n    

であるから、ねじり剛性

GJ

の式(27)は、簡単化されて次のようになる。 GJ G ba a b G ba a b G ba a b                        1 3 1 192 96 1 3 1 2 1 3 1 0 63 3 5 4 3 3

. ∴

1

3

1 0.63

3

a

GJ

G

ba

b

 

 

………(27)’ O 図Ⅰ

y

z

2

a

2

a

2

b

2

b

(10)

一般長方形断面材の単純ねじりに関して、式(25),(26)に、係数

k

k

1,

k

2を導入すると、ねじり率

および最大せん断応力度

maxが次のように与えられる。

max ( ) cosh( )                 

G a n n a b k G a n 1 8 1 2 1 2 1 2 2 2 1 …(25)’

              

T Gba a b n n b a T k Gba n 3 5 5 1 1 3 1 3 1 192 1 2 1 2 1 2 ( ) tanh ( ) …(26)’ 式(25)’と式(26)’から

G

を消去すると、

maxk GT     k Gba a k T k ba T k k ba T k ba 1 3 1 2 1 2 2 2 ………(25)’’ 式(25)’,(26)’,(25)’’に含まれる係数

k

k

1

k

2は右上表に示すように辺長比

b/a

の関数として変化する。 短辺

a

(=t

)

が長辺

b

に比して充分小さい細長い長方形断面では、合せん断応 力

xrは、上下縁付近を除く板幅中間部で図Ⅱに示すように、長辺に平行に作用 する。そして中間部分に作用する合せん断応力

xr

(=

xz

の板厚方向分布は 図示のように三角形分布であり、

z

軸を含む板中央面の左右で逆向きに作用して いる。そこで同一方向の片側三角形部分のせん断応力の合力を

R

とすると、 R 1 t 4

max と表される。ここで、

R

の単位は

kg/cm

であって、

R

は三角形部 分の重心位置すなわち板の縁から1 3 2 6 t t だけ離れた所に、左右で逆向きに作 用している。ただし、上下縁付近では、合せん断応力

xrは一般に、図Ⅰに示す ように滑らかな曲線を描いて方向転換するので、合力

R

も同様に滑らかに方向 転換する。これを近似的に図Ⅱのように理想化する。具体的に述べると、合力

R

は、上下縁付近で直角に方向転換するものと見なす。

b

t

より充分大きい長方形断面においては、 この理想化による近似度は実用的である。そして上下縁に平行な合力

R

の位置は縁から0.315

t

の所で あると考えられる。すると合力

R

は、図Ⅱに示すように、一種の閉じたせん断流

R

となって断面力と してのねじりモーメント

T

を生じさせる。このねじりモーメント

T

は、式(15)において

q

R

と置き 換えて、

T

 2

RF

と表される。ただし、

F

R

の閉じた作用線で囲まれる面積であり、F2t b t 3 ( 0 63. ) と表される。 そこで、合力

R

F

の式を

T

 2

RF

に代入すると、次のようにねじりモーメント

T

と最大せん断応 力度

maxの関係式が得られる。 T t t b t t b t bt t b               2 1 4 2 3 0 63 1 3 0 63 1 3 1 0 63 2 2

max ( . ) ( . )

max .

max ………(28)

b

t

≧10

なる場合には、右上表から

k

 1

、かつ式(25)’において

a

=

t

とおけば、

max

 G t

…(25)’’’ さらに、

b

15

t

程度の薄板断面になると、式(27)’,(28)の( )内の第 2 項が充分小さくなり省略で きるので、次の簡易式が成立する。 ね じ り 剛 性 :

1

3

3

GJ

bt

G

………(27)’’ 最大せん断応力度:

max

3

T

2

bt

………(28)’ 式(25)’’と式(28)’から

maxを消去すると、 ね じ り 率 :

3

T

3

Gbt

………(26)’’

b/a

k

k

1

k

2 1.0 0.675 0.1406 0.208 1.2 0.759 0.166 0.219 1.5 0.848 0.195 0.231 2.0 0.930 0.229 0.246 2.5 0.968 0.249 0.258 3.0 0.985 0.263 0.267 4.0 0.997 0.281 0.282 5.0 0.999 0.291 0.291 10.0 1.000 0.312 0.312 ∞ 1.000 0.333 0.333 図Ⅱ max

6

t

t

b

0.315t

R

R

R

R

(11)

薄肉開断面材の単純ねじり

右図に示すように、断面の広がりに比して板厚

t

が充分に小さく、

か つ 中 空 で な い 薄 肉 部 材 を薄 肉 開 断 面 材(thin-walled member with open section)という。断面の薄肉中央線の展開長を

S

と記す

と、

S

t

であるような開断面材にほかならない。すると、せん断応 力度の板厚方向の分布は、細長い長方形断面材の場合と同様、右図 に塗りつぶしで示すように、薄肉中央線上で0,両側の縁で

maxを とる三角形分布となる。そこで、式(27)’’を参照して、次のようなね じり剛性

GJ

の式が得られる。

 

GJ

1

S

t s

ds G

3

3 0

( )

………(29) 特に、板厚

t

が一定に場合には、 3

1

3

GJ

St

G

………(29)’ また、ねじり率

および最大せん断応力度

maxは、それぞれ式(26)’’および式(28)’において、

b

=

S

と おくことによって、薄肉開断面材のねじり率および最大せん断応力度の公式が次のように得られる。

3

T

3

Gt S

………(30)

max

3

2

T

t S

………(31) 【閉じた円管とスリット入りの円管】 いま、右図(a)に示すような板厚 t = 1,薄肉中央線の半径 R = 15 の円管と全く同一寸 法で縦方向にスリットを入れた右図(b)に示す薄肉開断面材が単純ねじりを受けた場合 について比較する。 さて、図(a)の円管に外力ねじりモーメントTが、図(b)のスリット入り円管に外力 ねじりモーメントT Ⅱが作用するものとする。以下、添字ⅠおよびⅡはそれぞれ閉断面 材および開断面材に関する力学量を意味する。 まず、閉断面材については、 式(11)より、TⅠ  2 R t Ⅰ 2

式(12)より、

Ⅰ Ⅰ  T R Gt 2 3 一方、開断面材については、 式(31)より、T 1t R 3 2 2

 

式(30)より、

Ⅱ Ⅱ   3 2 3 T Gt R したがって、ねじり剛性比は、 3 3 15 3 225 675 2 3 1 2 2 2 3 3                t R R Gt Gt R GJ GJ

Ⅱ Ⅰ よって、両者の最大せん断応力度が

となる外力ねじりモーメント比は、T T R t t R R t Ⅰ Ⅱ     2 1 3 2 3 45 2 2

 

また、両者の外力ねじりモーメントがT T T Ⅰ  Ⅱ  のときのねじり率比は、

Ⅰ Ⅱ        T R Gt T Gt R t R 2 3 2 1 3 1 675 3 3 2 以上の例からもわかるように、一般に、薄肉閉断面材は単純ねじりに対して、同一形状寸法の薄肉開 断面材に比して、はるかに大きいねじり剛性を有する。

s

S

0

s

t

s

S

(a) (b) Ⅰ Ⅱ

t

t

R

R

(12)

単純ねじりを受ける直線材【まとめ】

単純ねじり(pure torsion) or サンブナンのねじり(St. Venant’s Torsion)の基本式

d

T

GJ

GJ

dx

T

:ねじりモーメント(torsional moment)

G

:せん断弾性係数

J

:ねじり定数

x

:部材軸方向

:ねじり角(angle of torsion) 中実断面の単純ねじり 薄肉断面の単純ねじり 閉断面

板厚

t

方向のせん断流(shear flow)

q

     

t

t

s

t

x

const

T

qrds

q

rds

 

q

2

F

r

:ねじり中心O から薄肉中心線の接線に下した垂線の長さ

ds

:薄肉中心線に沿って一周する

s

座標方向の線積分

F

:薄肉中心線で作られる閉曲線によって囲まれる面積 ブレッド-バソ(Bredt-Batho)の公式 2

2

2

4

g g s s

n

n

q

ds

q

T

ds

ds

FG

t

FG

t

F G

t

G

s:標準材料のせん断弾性係数,

n

G

G

g s

:材料のせん断弾性係数比 2

4

g

F

J

n

ds

t



T

F t

2

開断面

S

:断面の薄肉中央線の展開長(全周長),

S

t

すなわち

S

15

t

1

3

3

J

St

 

T

J

2

y

max

T

J

t

T

St

3

2 開断面のねじりは、単純ねじり+そり拘束ねじりであり、次のような基礎 微分方程式で表される。

T

GJ

d

d x

EI

d

d x

w

3

3

EI

w:曲げねじり剛性 円断面 4

2

p

R

J

I

:断面2 次極モーメント

Gr

d

dx

Gr

T

J

r

max

T

J

R

T

R

2

3 長方形断面

J

bt

t

b

 





1

3

1 0 63

3

.

15

b

t

のとき、 3

1

3

J

bt

 

T

J

2

y

max

T

J

t

T

bt

3

2 O

R

r

max

GJ

:ねじり剛性(torsional rigidity)

d

dx

 

:ねじり率 max

6

t

t

b

0.315t

R

R

R

R

y

O

s

r

t

F

q

全周長

S

s

t

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