九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
熱CVD成膜過程のモデル解析
秋山, 泰伸
https://doi.org/10.11501/3130971
出版情報:Kyushu University, 1997, 博士(工学), 論文博士 バージョン:
権利関係:
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8 9 10 11 12 13
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制舗.2f1IT1τ'M:刷曲
5 8 19
熱CVD成膜過程のモデル解析
秋山泰伸
日次
第l章 緒論 .
1.1CVDの反応解析に対する既往の研究 .
1.2本研究の目的 . • . . . • . . . . • . . . . • . . • . . . . . . 8
1.3本論文の構成 . . . . • . . . • . . . . . . 1 ()
第2章CVDのモデル化とシミュレーション . . . . . . • . . . • . . • . . . . • . 12
2.1 研究の概要 . . . . . • . • . . . . • . . . . . 12
2.2 反応のモデル化 . . . . • . . • . . . . . . 12
2.3 ミクロトレンチ法による表面反応解析 . . . . . • . . . . . 14
2.3.1 2次元および3次元のシンプルモンテカルロ法 . . . . • . 17
2.3.2 シンプルモンテカルロ法による計算結果 . . . . • . . . . • . . . . . . 23
2.3.3 シンプルモンテカルロ計算手法の健全性の検討 . . . . . • . . . . . . . 24
2.3.2.1幾何学モデルとシンプルモンテカルロ法の計算結果の比較 . . . . . . 24
2.3.2.2一次元反応拡散モデルとシンプルモンテカルロ法の計算結果の比較 . . 26
2.4反応管内成膜速度分布のシミュレーション . . . . • . . • . . 34
2.4.1 2次元円筒モデルによる反応管内物質移動、 熱移動シミュレーション . . . . 34
2.5 まとめ . . . . . • . . . . . . 37
第3章 ジルコニア(Zr02)およびイットリア(Y203)薄膜のLPMOCVD成膜実験とモデル解析 38 3.1 研究の背景 3.2 成膜実験 3.3 表面反応速度の検討 3.4気相反応速度の検討 3.5成膜前駆体の推定 3.6まとめ 8 9 3 0 6 7 1d 今3 A『 F、d p、J F、d 第4章イットリア安定化ジルコニア(YSZ)薄膜のLPMOCVD成膜実験とモデル解析 . . . . 59
4.1研究の背景 . . . . . • . . . . . . . . . • . . • . . . . . 59
4.2成膜実験 . • . . . . . . . • . . . . . 60
4.3反応のモデル化 . . . . . . . . . . . . . . . • . • . . . . . . . . • . 60
4.4 YSZの反応竹内の成膜j生皮および組成分布 . 4.4.1シミュレーション
5.2.1計算方法 .
1 1 2 4 4 7 3 5 5
づ56
6 6 6 6 6 7 7 7
7で
2. ダイレクトモンテカルロシミュレーション法とシンプルモンテカルロ?Lの結果
の比較 . . . . • . . . • . . . . . 119 4.4.2実験結果との比較
4.5 YSZのミクロトレンチ仁の成膜形状および組成分布 . 4.5.1シミュレーション
4.5.2実験結果との比較
使用記号 . . . . . . • . . . . • . . . • . . . • . . 123
参考文献 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . • . • . . . . . . 127
4.6まとめ
謝辞 . • . . • . . . • • . • . . . . . . . • • • • . • . " 130 第5章JI�線型表面反応速度式をぷす系でのカバレッジのシミュレーション
5.1 研究の背景
5.2 非線型表面反応に対するシンプルモンテカルロシミュレーション
5.2.2 Langmuir-Hinshelwood (L-H)型表面反応系の非線型シンプルモンテカルロシミュ レーション . . . . • . • . . . . • . . . 79 5.2.2.1非線型シンプルモンテカルロ計算手法の健全性の検討 . . . " 82 5.2.2.2 L-H }�!長IlllJiJ必系のステップカバレッジ . . . " 84 5.2.2.3凹塩化チタン(TiCI4)およびアンモニア(NH4)を原料とするTiNCVDのス
テップカバレッジ - ・ ・ ・ 89
5.3 まとめ - ・ ・ ・ ・ ・ a‘ 92
第6章 ミクロトレンチ及びホールの成膜形状制御 . - ・ ・ ‘ 94
6.1研究の背景 94
6.2 表面反応速度及び圧力の操作による成膜形状の制御 94
6.3 流通型CVDによるカバレyジの制御 . 97
6.3.1ダイレクトモンテカルロシミュレーション(DSMC)法による流通型CVDのシミユ レーション
6.3.2流通型CVDの効果の検討 6.4 まとめ
98 104 109 第7章 総括 . . • • . • . • • . . • • • . • • . • . • . . • . . . • . . . . . . 110
付録 1 クヌッセン数とステップカバレッジについて . • . . . . . 113
第l章 緒論
1.1 CVDの反応解析に関する既往の研究
ChemicaJ Vapor Deposition (CVD) 法は、 気体原料から薄膜や微粒子などの固体材料を合成する手段で あり、下導体産業において数インチのウエハー上のサブミクロンスケールの門凸ヒに、単結晶や多結品 あるいはアモルファスなど様々な種類の薄膜を合成する手段として用いられるなど、工業的に重要なJ;t 盤技術となっている。CVD法はPVD(PhysicaJ Vapor Deposition)法が化学反応を伴わずに、例えばilHfOJII
熱や最近ではレーザー加熱等で真空中で原料を蒸発させ薄膜を作製する方法であるのに対して、その成 膜過程に何らかの化学反応が絡み、 成膜条件を適当に選択することで基板上の凸凹の被覆性 (カバレツ
ジ)の良い 膜を製造可能であるという特徴を持つ。CVD法でのカバレッジ特性については本論文中2章 以降で詳細に検討している。
CVD過程は気体原料から熱エネルギーやプラズマエネルギ一等を利用して化学反応を起こさせ、 目 的とする固体を製造するという、結果としてみれば実に単純に見えるプロセスである。しかし、 実際は 反応器内での物質移動だけを考えても原料が化学反応を起こし未知の成膜前駆体(反応巾間体)をII�JJ�
しながら気相中を移動して粉体に変わったり、 j点膜面に拡散し薄膜を形成するという過程であり、[IIJn.) に反応管内での流れや熱移動も気相反応が進行する空間内の温度場を形成する重要な閃子として絡む という非常に複雑なプロセスとなっている。そのために、 現実の工業分野では、 経験的装置設計や操作 条件の最適化が行われているのが現状であり、 多大な経済的および人的資源、を消費している。
最近、 CVD プロセスを数理モデル化し数値シミュレーシヨンを行なおうという動向が見られ、 この 手法を発展させて、計算機実験を装置設計および操作条件の最適化に役立てようという試みが行われて いる。本章では最初にCVD技術の発見からその応用の歴史、 および、 主にそのプロセスの反応工学的 解析例を簡単に紹介するロ
CVDの起源はかなり古く1890年頃にde Ledyguimel)が六塩化タングステンを原料として水素還元に よりフィラメント上にタングステンのコーテイングをした事に始まるといわれる。その後、金属ヨウ化
物の熱分解により金属を析出する精錬法2) や工業的にも鉄合金上へのチタニウムカーバイドやチタニ ウムナイトライドのコーテイング法3)として応用されてきた。また、 CVDという名称、は、 その実質的 な研究や応用が行なわれたかなり後の1962年に、古典的な真空蒸着法であるPVDに対比した新語とし
てB!ocherら..)によって提案された事による。
半導体技術へのCVDの応用は1960年頃から盛んに行なわれるようになってきた。シリコン半導体用
としてはシリコンのハロゲン化合物を原料としたエピタキシャル膜の研究および実用化5)につづき、膜 l手の均一性の改善6)や低溢成長のためにシランを原料とした研究7)が行われてきた。 絶縁膜としてはシ リ力的や宅化シリコン1英字の合成9)が盛んに研究されているD また、 金属配線膜としてもタングステン
10)やアルミニウムのCVD1 1)が盛んに研究され、 実用に供されている。
1890年から現イ1:にセるまで様々なCVD系で膨大なデータが長積されているが、 これらの研究は操作
条件と析Inした膜組織や構造との関係について報告しているものが大部分で、その反応のモデル化や解 析を行なった研究例は比較的少ない。CVD操作の目標は目的とする微粒子や膜を目的とする形状でで きるだけ速く、 安価に合成する事にある。 このような目的を達成するためには、 複雑なCVD過程を解 析してモデル化しシミュレーションを通して最適化することが有効で、あると考えられる。それには大別 して二通りの方法がある。
その ーつは、 文献なり実験を通してそのCVDに関与していると思われる素反応のデータを得てシミ ュレーションを行なう方法である。 この方法の代表的な例としては1984、 1986年にColtri nら 12.13)が行 なったシランを以料とした多結!?lシリコンCVDの解析が挙げられる。シランの気相反応に閲しては、
そのCVD操作が半導体製造についての重要な位置を占めるために、 占くから素反応の実験的、 理論的 検川がなされ数多くの報告が見られる1418)。 Coltrinらは十数種の化学種と二十以上に及ぶ多数の素反 応過程を考応してシミュレーションを行なっている口彼らはLlF法により実際に測定したシリコン原子 およびシリコン原子のて註体の気相濃度分布の測定結果と計算結果の比較を行なっているが、概ね一致 していると報告している。 しかし、 水素濃度依存性など定量的には疑問の残る部分もある。 最近はコン ピュターのハードウェアやプログラム技術も発展し、また化学反応を組み込める市販のプログラムも安
価に販売されるようになったことにより、 手軽に素反応(または代表的ないくつかの反応)を組み込んだ 計算も行なえるようになってきている193110素反応過程に基づくシミュレーションは計算化学の王道と もいうべき方法で多様な操作条件が及ぼす成膜速度や反応器内での反応中間体(成膜前駆体)まで含め た各組成の濃度もシミュレーションできるなど非常に有効性が高し」これらのシミュレーションにおい ては化学反応速度データの蓄積が多いほど詳細で正確な計算が可能になる。 しかし、 現時点において Coltrinらが計算したシランからのシリコンのCVDなどごく限られた反応系に関してしか信頼できるデ
ータは無い。 また、 将来的に多様なCVD系の開発が期待されるが、それらの系に関して全ての素反応 過程の速度データを蓄積することは多大な労力と時間を要し現実的ではない。
2
そこで、 もう一つの反応解析の方法として本研究でもfiなっているような単純化した反応モデルに基 づく解析が挙げられる。 ShimogakiらはColtrinらが示した反応速度式12)に基づき、各前駆体分f植のシ リコン成膜速度に及ぼす寄与率を計算している22)。その結果、多数の反応経路を与慮する必要はなく、
原料のシランと前駆体分子シリレンからの成膜経由?を考慮すれば、 シリコンの成脱速度を品l明できるこ とを示している。 このように、 多数の素反応過程の中でも、 成膜速度を決定するような以応過程(律速 過程)や主となる成膜前駆体は数種類以下であることが多い口 この様な場合、 械めてシンプルな反応モ デルを組み立て、その数個の成膜前駆体の物質移動および反応速度を考慮したシミュレーションによっ て成膜速度分布を説明できる。
CVDにおいて主となる成膜前駆体や反応過程を見極めるためには、 実際にて業的に使用されている CVD装置での基板上の成膜速度分布を極限まで減らした実験データは、 有効な'情報を殆どうえでくれ
ず、むしろ大きな膜厚分布が生じる簡単な反応器や特殊な工夫をした基板等を利用した実験データの取 得およびそのモデル化と数伯解析手段の開発が必要不可欠である。
稲垣ら23)は直径が2�10mmの等温円管式の小型の反応脊器を使ったCVD成膜実験に対して、 反応 の律速段階として気相反応、 表面反応、 および 気相拡散の3つの可能性を考えて、 ガス流れ方向成膜速 度分布と反応管内径の大きさ等の操作条件との関係を定式化している。その結来、 反応("iJ<.ffiîWと体砧 の比(SN比)や滞留時間等の操作閃子を変えて実験を行うことで各々の速度過ねの評価を行なえること を示した。その例として、 彼らは、 塩化アルミニウム(AICh)とアンモニア(NHJ)を原料とした窒化アル ミニウム(AIN)の熱CVDが、気相反応による成膜前駆体の生成および その中間体の拡散という逐次線形 速度過程モデル(スキーム)で説明できることを示すと同時に、 成膜前駆体の拡散係数の値からその大き さも推定している。佐藤ら24)は円管式CVD容器に簡単な2次元モデルを適用し気相反応、 表面反応お よび拡散速度の成膜速度に及ぼす影響を検討している。彼らは成膜速度分布の予測には流れ場や温度場 の考慮、が必要不可欠で、あること示唆している。その他にも円管式反応器内の成膜速度をもとに速度定数 を決定した報告がされているお却)。これらの解析はいずれも素反応過程によって構築されるような複雑 な反応過程で、はなくて、 例えば、 原料から気相反応反応を経て成膜前駆体が生じ、 それが物質移動、 表 面反応を経て膜になるという簡素な反応モデルに基づいている。このモデルに含まれる未知パラメータ は気相での前駆体の生成速度定数(気相反応速度定数)、 前駆体が表面で膜になる時の表面反応速度定数、
および原料、 前駆体の拡散係数である。 このモデルの未知パラメータの個数は、 実際にCVD反応を構 成している素反応の未知パラメータの個数と比較して遥かに少ない。ここで挙げた反応モデルは一例で あり、 全CVD系の成膜速度がこのような単純なモデルにより表現できるとは限らない。 原料からの直
3
接成膜する経路や、 前駆体から原料への必反応、 また佼数純の成膜前駆体の存在など、 より複雑な反応 モデルを構築しないとその成膜速度分布を説明できなI易合もある。しかし、 いずれにしろ素反応過程に 比較して槌めて単純化した反応モデルでCVDの速度過程をモデル化できると考えられる。 鄭らはホッ トウオール型円管式CVD反応器を用いて酢酸亜鉛を原料として酸化亜鉛を常圧CVDで合成しその反
応解析を行なった28)。彼らはこのCVD系が表面反応律速であることを示し、 アレニウス型の表面反応 速度式を使うことでその反応管内の成膜速度を再現、 予測する事に成功している。その後、 彼らはこの 酸化亜鉛のCVDを減圧下で行なった結果29)、常j五下で解析に成功した長面反応と物質移動を考慮した モデルでは減圧下での成膜速度分布を説明できないが、気相反応で生じた成膜前駆体から原料に戻る逆 反応を考慮したモデルを用いることで、減圧下から常圧下までの全ての実験条件での成膜速度分布を説 明できることを明らかにしているロ素反応を全て考慮した反応解析が現実的でない以上、 この様に操作 条件や系の大きさ ( SN比)に応じた反応モデルを構築しその速度パラメータを決定するという解析手
法は有用であると思われる。
以上、反応管内の成膜速度分布を基にその反応のモデル化を行なう既往の研究例をいくつか示したが、
これらの反応モデルに従って成膜速度を予測する場合には、 前述した数個の未知パラメータ(速度定数 や拡散係数)の伯を決定しなければならなしEo --つのJj法としてはこれらのパラメータの値を、 実験的 に求められた反応管内の成膜速度分布とのフィテイングによって決定する方法がある。しかし、 実際に はそのパラメータの組み合わせは無限に存在し、反応器内の成膜速度分布の情報だけで、全部の未知パラ メータの値を決定するのは困難である場合が多し3。 そこで、CVD 反応の中で、 表面反応のみを抽出し てその速度過程を解析する手段としてミクロトレンチ法が開発された。ミクロトレンチ法は、 成膜させ る基板上にミクロスケールのトレンチ(ミクロトレンチ)を掘りその上での成膜形状(ステップカバレッ ジ)をもとに衣面反応速度について情報を得ょうとする方法である。 この方法を用いることで、 気相の 速度過程や物質移動に無関係に表面での速度過程のみを抽出でき、表面反応速度定数の決定も可能であ る。
反応工学の分野では古くから触媒粒子中の細孔内の濃度低下による触媒の有効係数の低下は表面反
応速度と拡散速度のバランスの問題として解析されている。ミクロトレンチ上の成膜速度の問題は、あ る意味ではこの問題と同一と捉えることができる。すなわち、 表面反応速度が非常に速く、 拡散速度が 遅い場合、 基板表面に飛来した成膜前駆体は凸凹の内部深く侵入せずに表面で成膜するため、 析出した 膜のステップカバレッジは悪い。一方、 表面反応速度が拡散速度に比べて遅いと前駆体は凸凹内部深く まで侵入していくため、場所によらず均一な成膜速度になりステップカバレッジの良い膜が析出する。
4
トレンチ上で、の成膜形状が表面反応速度と拡散速度のバランスで決定されるのであるならば\その逆問 題として成膜形状を利用すれば、 表面反応速度と拡散速度を決定できることになる。実際には、 ステッ プカバレッジをシミュレーションして、実験結果と比較することで表面反必述皮についての'情報を得る という解析手段が用いられる口
ステップカバレッジをシミュレーシヨンするには主に二通りの}j法が提案されている。-ーつは触媒内
の濃度分布の解析に使用されてきたように、表面反応を境界条件としてHJいて拡散}j程式を解くという 方法である。 トレンチ深さ方向のみの拡散をJ5慮した一次元反応拡散モデルや司0.31) 、 幅Hrn]の拡散も 考慮した二次元拡散モデルロ)などが報告されている。 一次元反応拡散モデルは常n�CVDなどでμmオ ーダーの卜レンチに対して、成膜前駆体の拡散挙動が分子拡散と見なせる場合などに非常に有効である。
何となれば、 膜成長の立体効果を無視した場合、 一次元反応拡散モデルは解析解を持ち、 実験結果を解 析解と比較するだけですぐに表面反応速度定数を知ることができる。 ただし、 拡散モデルでは、 減圧 CVDなど分子の運動を連続体中の拡散方程式で記述することが不適宜となる場合は、 定量性に問題が
生じる。詳細は本論文中の第2章で記述する。もう一つの代表的な方法は分子を花子と捉えその動きを シミュレーションしカバレッジ形状を得る方法で、一般にモンテカルロ法による計算手法が用いられる。
当初はCVDに対してでなくスバッタ法などのPhysical Vapor Deposition (PVD)系のカパレyジの問題に 適用され、 分子衝突を完全に無視し自由分子流とみなし、 かつ表面に衝突した分f-はすべてその場で脱 化する(一般に、 付着確率(η)を1.0と設定する)という仮定でシミュレーションを行なった例が減iりされ
ている33. 34)。しかし、CVD系の場合はトレンチ内での挙動を自由分F流とは見なせない場合が多く また当然ながら一般に(反応性)付着確率 (表面反応速度定数に変換可能。 第2章に詳述。 )がJ.Oではな
い。Ikegawaら 35)はBirdの計算手法 36)に基づいたダイレクトシミュレーションモンテカルロ(Direct
Simulation M onte Carl o ; DSMC)法をステップカバレッジ問題に適用し、 クヌッセン拡散領域から分子拡 散領域までシミュレ」ション可能な方法を提案し、表面反応速度定数とステップカバレッジの関係につ いて検討している。DSMC法は実にパワフルで、原理的には減圧から高圧まで対応できる方法であり、
3次元化しホールのカバレッジ問題に適用した例37)なども報告されている。しかし、DSMC法は計算に
数千個から数万個程度の仮想分千を使用しその動きをトレースするために大量の計算機資源、を要求す る欠点を持っている。本論文で提案する方法は、 この問題を解決するため一個の分子の動きをトレース することで計算時間の大幅な節約に成功している38.39)。この万法での3次元化も試みられホールの成膜 形状も良く説明できることが示されている40)ロモンテカルロ計算法でのカバレッジシミュレーションに おいての問題点の一つに、 反応性付着確率が小さくなるとそれに反比例して計算時間が増加(長時間化)
5
するということがあった。 自立近、 Tatsutaらは若者らのモンテカルロ計算法を改良して、 反応性付着確 率が0に械めて近い場合でも高速に計算 する手法を提案している41)。非線型の表面反応の場合のステッ プカバレッジのシミコレーション法についても最近著者らをはじめいくつかの報告がなされているの
43)。 カバレyジ形状から成膜前駆体の衣面反応速度を求める方法は簡便で便利な方法であるため、 ステ ップカバレッジをもとに反応性付着確率(表面反応速度定数)を定めたという報告はこの他にも多数存 在する判寸九 しかし、 この手法を利用する場合、 成膜に関与している前駆体の種数に留意する必要が ある。ì4J_・4前�[�体が成膜に寄与しているのか復数前駆体が寄与しているのか見分けるにはトレンチの幅 や成膜場所を変えて表面反応速度定数をチェックする必要がある。一般に表面反応が一次でその速度定 数がアレニウス型である場合、 速度定数は温度のみの関数であり、 原料および前駆体濃度には無依存で ある。 したがって単一の前駆体が成膜に寄与している場合、 均熱部では単一の速度定数(反応性付着確 忠)でステップカバレッジを表現可能であるが、 複数の前駆体が成膜に関与する場合、 トレンチ形状や
反応器内での成膜位置によっても各前駆体の濃度比が異なるため見かけの表面反応速度定数は異なっ てくる。 この様に複数の成膜前駆体が存{iし、 その反応性(気相反応速度や表面反応速度)が異なる場合 に有効な実験的手段として、 次のMicrolMacroCavity法(MMC法)が提案されている。
Watanabc'i4)らは図1・lにぷすようにマクロスケールのキャピティとミクロスケールのキャビティ
(MMC)を組み合わせる事で、反応件の違う前駆体の成膜速度への寄与率を分離し解析する)j法を提案し ている。 この方法は、 例えば円管式反応器内にガスの流れ方向に対して図のようにミクロキャピテイ ( ミクロトレンチ)を掘ったシリコン基板を積み重ねて配置する。 基板と基板の間にワイヤ一等を挟む事 でその間隔を正保に規定したマクロキャピティを形成している。このキャピティ内の成膜速度分布は前 駆体の拡散速度と表面反応速度の比によ
って決まる。
マクロキャピテイは成膜前駆体の反応 性を利用したふるいの役目を果たす。
反応性の高い前駆体はキャピテイの奥深 くへは侵入できない。 彼らはマクロキャ
ピテイの間隔を変える事でシラン(SiH4) からのシリカ(SiÛ2)の熱CVD系に対し て原料ガスおよび成膜前駆体からの成膜
Macro Cavity 反応器内ガス流れ方向] rー
mm スケールの一・�
6
μm スケールの
図1・1 MMCの構造
速度への寄与中を分離し、 その述度定数を決定するのに成功している。また、MMCiLでは、 マクロキ ャピティと同時にミクロキヤビティを用いていることで点出反応速度定数のみを直接に評価できるの で掠々な情報を得ることができる。 この他、 いくつかのCVD系についてMMC法をmいた反応解析が 行われ、原料から成膜への寄与や複数の成膜前駆体が絡む反応経路の存イEなどが示唆されている55.56)。
また、 工業的CVD装置に近い、 数十crnオーダーの反J,[:;,器内に6インチのシリコンウエハーで作った MMCを配置して速度解析を行なったという報告例もある制。
以上、 簡単にCVDの歴史から、 主にCVDの反応解析に絞って現花までの代衣的な研究例について紹 介した。
7
1.2本研究の目的 パレッジの良さ( ミクロスケールの凸門仁をj5J -な厚さのJl莫で被訟できる)がうさげられる。 液相からの
国体を析出する場合等と比較して、CVD法は気体から固体への変化が主となる反応プロセスであるの 1.1節に記したように、現状では実際の現場でのCVD操作や反応装置の設計は経験と感に基づき行わ
で、気体の入り込めるところはどこでも成膜できる可能性があり、反応系の中にはサブミクロンスケー れているといっても過言ではなし」 つまり、CVD過程については殆ど知られていないために、 図1-2
ルの凸凹面上にも均一な膜厚で被覆できる場合もある58)。しかし、反応系によっては脱原の均 ヤ1:が悪 に示すように反応器がブラックボックス化している。CVDで薄膜を形成する場合に必要とされる要件
く、トレンチ底で殆ど成膜しない例も報告されている59)。これらの成膜形状は基本的には成膜前駆休の に、如何にして大面積の基板上に均一な膜厚で、 目的とする均一組成の多成分膜を成膜するかというこ
拡散速度とその表面反応速度の兼合いで決まっている。カパレyジのシミュレーション法としては、トl とがあり、 多くの労)Jを要して最適な成膜条件の選定が行われている。 また、 わず、かな原料や反応系の 節に記したようにDSMCによる方法や拡散モデルに基づく方法などが提案されている。しかし、DSMC 変更についても、CVD の反応過程がブラックボックスであるために、 最初から成膜条件の最適化をや
法は膨大な計算時間を要求し、形状フイツテングのように多数の試行錯誤的計算を要求する場合にはIfJj り直さねばならなす、結果として試行錯誤的に操作条件や反応器の改良を繰り返す事になる。 この状況
かない、 また、 拡散モデルについては、CVDにおけるトレンチ問題の大多数は連続流領域の問題では を改善するには、 様々なCVD反応系に対して反応工学的立場より検討する必要がある。 すなわち、各
無く、 遷移流域の問題に属し拡散方程式で解を得るのは定量的に問題があるなど、 いずれも使いやすい CVD 系において関与する化学反応と装置内のガス流れ、 温度分布、 濃度分布などの関連を明確に記述
方法とは言い難い。本研究の第二の目的は高速で適用範囲の広いステップおよびホールカバレッジのシ できるモデルとそのモデルに含まれる化学反応の速度パラメータを決定する手段を確立することがで ミュレーシヨン法を開発し、そのコードや、従来から用いられている計算手法を使ってトレンチやホー きれば、この問題は解決できると思われれる。 トl節に記した、 円管式反応器を用いた律速過程の解析 ルのカバレッジ形状に及ぼす様々な操作因子の影響および制御法について検討することにある白
23)やDSMC法を用いたミクロトレンチによる表面反応解析35)などいずれも有用な知見を与えてくれる が、 反応解析に用いるには過度の簡略化や多大な計算機資源の要求などの制限があり使いやすいものと は言い難い。
原料 反応器 11:成物(粉、 膜)
( ブラックボックス)
図1-2CVD操作の現状
本研究の第一の目的はCVDの反応をモデル化し、 成膜速度や組成の分布をシミュレーションする汎 用的な手法を確立し、 実験結果との比較により、 その手法の有効性の検証を行なうということにある。
また、 現在、市IJ御法が模索されているCVDに関する問題の一つにミクロンからサプミクロンオーダ の凸凹面上での成膜形状の制御という課題がある。近年の半導体制作技術の進歩には目を見張るものが あり、 ダイナミツクランダムアクセスメモリ(DRAM)ーっとっても数年で、 その容量は4倍になるなど より高精度で微細な加工が行われるようになってきている。CVD法の特徴の一つには析出した膜のカ
8 9
1.3 本諭丈の構成 (流通:If� CVD 法)Jについて、 主にシミュレーシオンをH1いて操作条件と脱形状の関係について検討し た。また、 流通明CVD法のシミュレーシヨンのためにダイレクトシミュレーシヨンモンテカルロ法 (DSMC法)に基づ、くカバレツジのシミュレーシヨンコードの開発を行なった。
本論文は次に示すような構成となっている。
1 i者は緒論であり、CVDの歴史およびその反応解析に関係する既往の研究について記述した。また、
本研究の位民づけならびに日的について記した。 7章はこれらの研究の総括である。
2章では数純頬のCVD反応のモデルを仮定して、 ミクロトレンチkの成膜形状、 反応管内の成膜速 また、 最後に付録として1. クヌツセン数とステップカバレッジの関係、 2. ダイレクトシミュレーショ ンモンテカルロ法と本論文で提案しているシンプルモンテカルロ法の比較について1ιした。
度分布をシミュレーションできるアルゴリズム、 プログラムコードの開発を行なった。 また、 これらの シミュレーションと実験結果の比較により、 表面反応速度定数および気相反応速度定数を決定する方法 について提言した。
3章では熱CVDによりPジケトン錯体を原料としてジルコニア(Zr02)、 イットリア(Y203)の成膜実験 を行なった。第2章で仮定した反応モデルおよびシミュレーションコードをもとにミクロトレンチ、 ホ ールヒの成膜形状ならびに反応管内の成膜速度分布の説明を行い、同時に反応モデル中の速度定数を決 定したっ
4 �江ではZr02およびY203の問裕体であるイットリア安定化ジルコニア(YSZ)をCVDにより合成した。
YSZ の反応解析を行なうために2章で開発したアルゴリズム、プログラムコードを多成分膜に対応でき るように改良した。これらのシミュレーションコードおよび3章のZr02およびY203の結果を基にYSZ のCVD系についてミクロスケール( ミクロトレンチ上の成膜)、マクロスケール( 反応器内での成膜)での 成膜速度、 組成分布について検討した。
5章では2章で開発した高速カバレッジシミュレーシヨンコードを改良し、 非線型表面反応の場合 のシミュレーションに適用できるようにした口一次表面反応の場合と非線型表面反応の場合におけるス テップカバレッジの差異について検討した。また、 非線型の表面反応を持つTiC14とNH3を原料として TiNを成膜させた場合のカバレッジ形状と残留塩素濃度の関係についてシミュレーションを行なった。
6章ではトレンチおよびホールカバレッジについてその形状を制御する方法について検討した。 まず
「反応速度を制御して膜形状を制御する方法jについて、 シミュレーシヨンで得られた知見から制御法 について提言をし、 実験によってその効果を検証した。次に、 「流れを利用して膜形状を制御する方法
nu 、,,.
11
第2章 CVDのモデル化とシミュレーション
2
.
1研究の概要第l章に記したように、 本研究の目的のーつはCVDの反応の解析手法を確立し、 机上において合目 的的成膜条件の抽出や数値計算で成膜速度の予測および最適化を行なう方法を確立することである。反 応過程の中の全ての素反応を考慮し、シミュレーションを行なう方法は、多大な労力と時間を消費し現 実的でないために、 本論文ではCVD反応過程の中で律速となる速度過程のみを考慮した反応モデルを 基にシミュレーシヨンを行い、 成膜速度分布や多成分の膜についての説明を試みる。そのために、いく つかの簡単な反応モデルを組み立て、成膜速度のシミュレーシヨンコード、およびその中に含まれる速 度定数を決定する手段を構築する必要がある。
本論文では、 反応モデル中の表而反応の情報については、実験で得られた ミクロスケールの凸凹の上 の成膜形状とシミュレーシヨンで得られる成膜形状を比較して、その表面反応速度定数を決定する方法 ( ミクロトレンチ法)を採用する。
また、 稲JK 2�)、 佐藤24)らが示したように円管式CVD装置内の成膜速度分布は気相反応速度、 表面反 応速度、 物質移動速度に大きく依存する。そこで、化学反応を考慮でき、 円管式反応容器内の成膜速度 分布をシミュレーシヨンできるプログラムを作成して、ミクロトレンチ法で決定した表面反応速度定数 を境界条{午として用いて、実験で得られた円管式反応容器内の成膜速度分布を最も良く再現できるよう に気相反応速度定数を定めるという手法を本論文では採用することにした。
本章では、 以上のように反応のモデル解析を進めていく上で必要な、CVD 反応に関与すると思われ る、気相内拡散、気相反応および表面反応という代表的な速度過程を考慮し、それらが一次連結した簡 単な反応モデルを組み立てる。次に、 高速で高精度に ミクロスケールの凸凹上(トレンチ(ホール)上) の成膜形状をシミュレーシヨンするためのコードの作製、ならびに反応スキームを組み込む事が可能な、
円管式反応管内の成膜速度分布を高速に計算できるシミュレーシヨンコードを作製する。
2.2反応のモデル化
複雑なCVDの反応過程から、 その成膜速度を決定するための律速過程だけを抽出した、 次のような 簡単な3種類の反応スキームを仮定した。
12
0気相・表面反応、 物質移動が関与する場合
モデル1 気相・表面の両反応及び物質移動が絡んで成膜速度を決定する白(1�!し、会\frl反応は原料から 成膜前駆体ができるという原料濃度に一次の反応過程。表面反応は友面近傍の成股fìíj,��体濃度 に一次の反応過程。)
原料ガス(A)が気相反応を経て成膜前駆休(Aキ)になり、
友面反応を経て固体膜となる場合。 A rc ^ *
θc ..1
Gr=η= kSCA* = -DA• - �ニI ' ら=kCCA
V日12=0
。、W I --↓
綾 リ
;.;. :0:-:
0表面反応、 物質移動が関与する場合
モデルII :表面反応および物質移動が成膜速度を決定する。(但し、 表面反応は原料又は成股前駆体 が表面で膜になる反応で原料又は成膜前駆体濃度に一次の反応。)
原料ガス(A)が遅い表面反応を経て直接膜になる場合、 または気相反応速度が非常に述く、 反応竹内で 瞬間的に成膜前駆体(A*)を形成し、 遅い表面反応を経て膜になる場合。
aC.1 Gr=rc =kJ ., .. C. =-Dn n . �""" A I
dZ
1
2=0または、
aC..1 Gr=ら=kん=-DA•寸二|
vιJ
12=0rc→∞
0物質移動のみが関与する場合
モデル皿:反応速度が速いために物質移動が成膜速度を律速している。
原料ガス(A)が高速の表面反応を経て直接膜になる場合、 または非常に速い気相反応によって生じる成 膜前駆体(A*)を経て高速の表面反応で、膜になる場合、関与する気相反応・表面反応ともに拡散速度(物質 移動速度)より非常に速く、 物質移動速度によって成膜速度が規定される場合。
13
表面反応速度(行)が表面i!r傍の前号I�体濃度(C,)に一次に比例すると仮定すると以ドの式が 成り立つ、
θ'C.
I
GrニkSCA= -DA
っオI
(rS→∞,去曲iで・のCA→0)...,�
IZ=O仏w ill--v A ra *
A
(2-1)
18kT
ま た、気相から樫面に単位時間、単位面積当 たりに衝突する分f数(め)はC,と熱述j支(民=Jごニ)の
uπ〉η
rs = ks C
ac白 |
=-DAe-
4
ニI
(rS'ら→∞,表面で、のCA-→0)'-'LJ 12=0
または、
Gr = kSCA
積として次式で表現できる。
ここで仮定したような簡単な反応過程で、
文際のCVDの反応は多数の点反応が複雑に結合しており、
(2-2)
c t v t l一4一一
はないと考えられる。しかし、実際に成膜速度を律速している反応は、それらの数多くの素反応過程の
cd
うちの限られた気相や表面反応過程、または物質移動過程であると考えられる。ゆえに、うまく反応を
その場で反応する分子が成膜に寄与すると考えられるのでSIを η倍すれば表面反 モデル化できれば、簡素な反応スキームで全体の成膜速度を表現できると思われる。 そこでまず、ここ
衝突分下のうち、
J,t.速度になる。
で挙げた3種の反応モデルに基づき解析および成膜速度の説明を試み、必要に応じてモデルの修正を行 なうことにした。
(2-3) r5=Sjη
2.3ミクロトレンチ法による表面反応解析
(2-1 )式と(2・3)式は等しくなるので、表面反応速度定数(ks)はJ.iJ�;'I.'t付若確守司η)と次式で‘関係づけられ l市にもι述したようにミクロトレンチ法は多械なCVD反応に対して、その衣面反応を評価する解析 る。
下j去と与えられる口本研究では、減圧下から常j王下までのCVDプロセスに対応でき、かつトレンチ及
(2-4) ks=
j
kηびホール内に脱が析山し准積する事による固体壁の形状変化、EDち膜成長による立体効果(膜が成長す 前駆体の侵入し易さが変わる)を考慮できるカパレアジシミュレーションのア ることで形状が変わり
従って、Viは前駆体を同定すれば計算可能な値であるので、ηを決定できればんが決定で、きることにな ルゴリズムを考案しプログラムを開発したD
表面でのCVD成膜過程は、成膜前,駆体の基板表面への吸着、気相中への再飛散、表面での拡散、膜 る。
化などの物理及び化学過程より構成されていると考えられるロ本研究では、これらの複雑な表面反応過
ミクロトレンチ・ホール上や内部における成膜形状(カバレッジ)は表面反応速度を強く反映してい
る。表面反応速度が非常に大きい場合、即ち反応性付着確率がほとんど1. 0とみなせるような場合、成 膜前駆体は最初に衝突したところで成膜する。そのため成膜前駆体は凹の内部深く侵入する前に凹みの 程を反応性付着確率 (η: Reactive Sticking Coefficient)をmいて評価する。反応性付着確率の概念では、
化学反応過程である表面反応を、成膜前駆体が表面に衝突した時に、その場で前駆体が膜になるか再飛 の単純な物理過程(確率過程)に置き換える。例えば、η=1.0の場合、
散して気相中に反るかのて者択
外や入り口付近で主に成膜する。このように凹みの被覆厚みの場所依存性が大きい状況は「カバレッジ
で侵入することになり、場所によらず均ーな成膜速度を示すことになる。この状況は、回全体が同じ膜 が悪い」と表現される。一方、表面反応速度が遅い場合、反応性付着確率が小さいため、成膜するまで に多数回基板との衝突、再飛散を繰り返すため、前駆体は凹みの上部で付着するのみならず内部深くま
厚で被覆されるために「カバレッジが良いJ 基板に衝突した気体の前駆体は全て その場で固体膜になり再飛散はしない。また、η = 0.5の場合、基
板に到達した前駆体は50%の確率で その場で膜になり、残りの50%の確李で気相中に再飛散する。可=
0.0 の場合、前駆体は膜になることなく全て気相中に再飛散する。この様な化学反応過程の確率過程へ の置き換えで、表面反応をシミュレーションに組み込むことが容易になる。
このような表面反応速度と成膜形状との と表現される。
14 15
関係を利用して、μm スケールの棋や[nj門商J-_の成膜形状を再現できる反応性付着確率ηを決定して長 函反応速度定数を求める方法がミクロトレンチ法である。
細孔内での成膜形状を表面反応と物質拡散の競合と捉え、拡散方程式を用いて現象論的立場から解析 しようという試みは触媒分野等でかなり以前より行われている。Thiele60)は一次元の反応拡散モデルに より解析的に表面反応速度と拡散速度の問の関係式を求め、 ここにThiele数の概念を提案した。Kim ら11)はこの一次JGの反応拡散モデルをステップカバレッジ問題に適用し解析解を導き、AhOlの常圧銑 CVD についての表面反応速度定数を定めている。
一次元反応拡散モデルは簡便な方法であるが、 以下のような問題点がある。
① 一次元近似であり、 トレンチ幅方向の物質移動低抗を無視しているために、 幅方向で濃度分布が 生じるような成膜条件では、 実際の状況を反映しない。
② 成膜することにより凸門面ヒ部及び内部の析出面形状が変化することをJJ慮にいれていないため に、 厚く成膜した場合解析する事ができなくなる。
③ 拡散モデルで、分子流域 (Kn ( クヌッセン数二分子の平均自由行程(λ) /代表長さ)> 100)から遷移 域(100)Kn > 0. 01) (低j巨)での分子運動の挙動を定量的に記述するのには無用がある。
①、②の問題を解決するために、移動境界条件を考慮した2次元の反応拡散モデルによる解析も行わ れているが均、拡散モデルに基づく限り③の問題が残っている。一次元反応拡散モデルについては章 2.3.2.2で詳しく述べるD
Ikegawaらお)はダイレクトシミュレーションモンテカルロ( Di rect Simul ation Monte Carlo Method ; DSMC)法をステップカバレッジ問題に適用し、 連続流領域から分子流領域の成膜条件までシミュレー
シヨン可能な方法を提案した。同方法は、 数千個の代表分子により分子運動を記述し、 モンテカルロ法 で直接Boltzmann方程式を解く方法で、精度よくステップカバレッジをシミュレーシヨンできる。しか し、DSMC法は多数の代表分子の運動をトレースするために大量の計算時間と計算機メモリを必要とし、
本研究のように反応性付着確率をフイテイングパラメータとして、実験で得られたステップカバレッジ (微細凸凹内の膜形状)を再現するというような多数の試行計算が必要となる場合には適さない。 そこで、
本研究においては、 DSMC法より遥か に少ないメモリで高速に計算できるモンテカルロ法のアルゴリズ ム(SimpleMonte Car lo Method : SMC法 )を考案しシミュレーションコードを製作した。次に同計算方法
を説明する。
2.3.1 2次元および3次元のシンプルモンテカルロ法
本研究で用いるSMC法はテスト粒子モンテカルロ法の 洋電で、
0計算領域内および計算領域の境界近傍での気相司lでの分子速度はMaxwell-Bolt又mann の速度分布 に従う。
O計算領域内には温度分布、 圧力分布は無い(定温、 定圧である)。
という仮定を置くことで、 DSMC法のように多数の分子の運動を考慮する必要はなくなり、一個の前駆 体(分子)の運動を追跡可能で高速計算ができるという特徴を有する。
以下、 本SMci去の計算法を具体的に説明する。
Z
Nz
Ny 分子入射 Ny 分子人射
Z Nz
図2-1 2D-SMCの計算領域の概念図 図2-23D-SMCの計算領域の概念図
トレンチの横幅と深さはμm程度の次元であるのに対して、トレンチの奥行きはmm 程度の次元を持 つ。 そのため、 無限に長いトレンチが続くという近似がなりたち、 どのX軸上 (軸の取り方は図2-1参 照)で切断したY-Z面に関しても等価とみなすことができる。 そのために事実上2次元問題としてシミ ュレーシヨンすることが可能である。本研究では、後述するように膜成長にセルモデルを採用するため に計算領域を多数のセルで構成している。図2-1に2次元SMC(2D-SMC)の計算領域の摸式図を示す。
計算領域を(NyXNz)個の正方セル(一辺の長さL1)に分割する。 円筒型ホールに対しては、 円筒座標系
17
を採mすることで、2次JGモデル化することが可能である しかし、任窓形状のホール内外のカバレッ ジを計算する場令は3次元座係系で、の計算が必要となる。この場合 X軸方向も考慮し、計算領域を(Nx XNyXNz)佃で一辺の長さ4の立}jセルに分割して3次元計算を行なう必要がある。 図2-2に計算領域 を X軸に手前.な凶iで切断した3次見SMC (3D-SMC)の計算領域分割法の一例を示す。 一辺Aの立方セ ルを積み土げることで、任,立の3次元形状を持つ初期トレンチ(ホール )を表現できる。以下、より一般 的な3次j己のSMCを例に計算方法の説明を行なう。
分子の初期人射位置(xo, YO, Zo)と自由行程(1:分寸こが衝突なしで飛行する距離)は次式で与えられ るD
Xo =
N
xç
lL1
(2-5)(2-6) (2-7) 九=
N
yÇ2t1Zo = 0.0
l =-λln(も) (2・8)
ただし、λは!日j�巨体の、F均白1111丁程、Çlは悦合合同法61)で発生させた0から1.0の範開に分布する擬似 様乱数 (0くるく1.0)である。また、計算領域上部から入射してくる前駆体分子の初期速度成分(Vx, vy喝 VZ)は面上(z=0)での速度分布であるので、 コサイン則を考慮して次式のように与える。
一戸同一F匂
一n一n一一一一
ふ ふ
一 八 一 が
π π
一ぱ今ムqJ』一n
川 ω 亡
rE
一一 U UU
u v F しv
一一
一一
VA ν 2 守ι
v v v
(2-9) (2-10) (2-11 )
J2kT
ここでUはトレースしている前駆体の最確率分子速度(U
= ,, 1ニニ :
kはBoltzmann定数、mは前駆体v m
の質量、Tは表面近傍の温度)である。
上式にしたがって前駆体分子を初期入射位置より次の衝突場所まで距離lだけ、(Vx, Vy, Vz)で、示され る方向に移動させる。ただし 2次元のトレンチ上のカバレッジシミュレーションの場合、X軸方向(ト
レンチ奥行き方向)の情報は等価とみなせるので、前駆体分子のX座標は常に0.0として計算を行なう。
一方、3次元シミュレーションを必要とする場合、X方向の座標も変化させっつ計算を進める。
18
...
ー 一
I J!tんだ位置で、次の衝突が発生するb このiJ.f、衝突相手の分子の述f!it成分を乱数を使って次式に従っ て発生させる。なお、本シミュレーシヨンにおいては、前駆体は低j農度であると仮定し、前駆体同t�の 衝突は無視し、衝突相手は分子質量m"の不活性分fーであると仮定する。
- 1 3 j
-1 ノ 一 、 1 l 1
7hA一戸同
一 FM 一 川 、 一 凶 一 同 {
一「
一一一 、JJ 13j
、,f
/ 巧 』 ,凡吟ぬ
n
ω
則/ t k 〆 t 、 、 r k F 4 今,,臼
。、u piv EJ
uuu UUU
一一 一一 一一
VA V'
?ι vv t vv u vv t
(2-1 2) (2-13 ) (2・14)
12kT
ここでU“は衝突相手 の最確率分子速度(UU ニJ二二)であるo V mu
トレースしている前駆体分子は(2-13)�(2-15)であらわされる速度を持つ分子と衝突し、新たな速度およ び速度成分を持つ。不活性分子はランダムな}jf口jから衝突するとして、問IJ体球の弾性衝突を仮定すると 衝突後の速度成分は以下のように計算できる。
V; =凡x一 mo VR(2πÇll - 1)
m+ma (2・15)
V; = Vmy一一竺ι-VR
..Jl-
(2Ç" -1)2
sin(2πÇl2 )m+m_ (2-16)
V; = VmZ一一竺_0VR
..J
lー(2Ç" - 1) 2 cos(2π'Ç12 )m+ma (2-17)
ただし、 Vmiは衝突する二つの分子の重心の速度成分、また、VRは衝突するこつの分子の相対速度を去 し、各々次式により与えられる。
Vmi =ー竺-K+-竺_a-vai, i = X ,Y,Z m+ma m+ma
九=fcVxーにX)2
+ (Vy一九)2+ (九一九)2前駆体が次の分子衝突を起すまでの距離、 つまり再衝突までの自由行程(1)は入射時と同じく式(2-8)
によって与え、 次の再衝突位置まで、 式 (2・15)�(2・17)で与えられる速度成分(V;,V;,V;)に従って 移動させる。ただし、2次元のSMCに関しては前述同様前駆体のX座標は常に0とする。移動先で、
19
前駆体は再度他の分チと衝突する。 式(2・12)
�
(2・
14)に従って再度衝突相手の速度成分を発生さ せ、前 駆体の衝突後の速度成分を式(2-15) --(2-17)により決める。 この 手順に従い、 気相中における一 つの前 駆体の動きを、自íj駆体が壁面と衝突するか上部境界から飛び出すまでトレースする。 計算領域の左右境 界には周期境界条件を設定して、 境界外へ飛び出した前駆体は、 反対の境界より再入射 させる。 前駆体 が境界上部から飛び出した場合、 新たな前駆体を式 (2-5) -- (2-11)に従って入射させる。 つぎに、 表面反 応および膜化処月について説明する。IkegawaちのDSMC法ではストリングモデル62)により膜成長を行なっているが、本研究では膜成長に セルモデルを採用した。 セルモデルはストリングモデルと比較して、任意形状を簡単に作成できるとい
う特徴を持つo セルモデルでは各セルを気相セル、基板セルおよび膜セルに区分する事で、計算領域内の トレン チおよび膜形状を表現する。 つまり、 セルモデルでは図2-1、2・2に示したような計算領域を構成 する セルを、希望する形状に種類分けすることで、 任窓の 初期形状を与える事が可能である。
前駆体が壁面に衝突したときは、あらかじめ仮定した表面反応速度の大き さ(反応性付着確率ηの値) に従って表面プロセスを確率論的に決定する。 つまり、 新たな乱数Çl�を発生させて、 ÇI3<ηの時は成
iij -除膜処理 | 一 一 _'
分子入射
(初期仙の生成:xo,Yo,Z,仏Vx,Vr,V1Jl x=xo, y=)う!,2=20•ム/=()
表面からの反射
(反射後の速度、 自由行程の生成 Vx• Vy. vz, 1)、 Lt1=O
分子間衝突
(衝突後の速度、 自由行程の計算 Vx, Vy, Vz,/)、 ム/=0
図2-3 SMCのフロチャート 20
膜、 -Jj、ÇJì>ηの時は気相中に再飛散 させる。 肉体 面からの再飛散の場介(Çl.ì>η)、 入射時とriijじ くコサイン則を使用して、 式(2・18) -- (2-20)に従って再飛散後の速度成分を決定し、前述の気相中の前駆 体分子の運動アルゴリズムに従ってトレースを再開する。
川内 EP
6 一
dJ 以 一 仏 2
C 巳 一 刀 -m 一 r 'E‘ 、 、、 3 - -B・A 一 n u
一一 U U U r t i-- u
一一 一一
川 九 川
h i
vf vv i Vv
(2・18) (2-19) (2・20)
ここで、ぬい 科'1
,
2は互いに垂直で衝突した基板面に対して平行な速度成分、 また VLは悲板面に垂直な万 向の速度成分である。
成膜すると判断された場合(ç)3 <η)は、 析出 面(初期は基板)に衝突する直前に通過した気相セルの カウンタ
ー
に衝突数を積算する口 気相セルのカウンターが予め設定した値(Fc:数十九数百のオーダー )に達した時点で、 その気相セルを国体セルに変える。 この手順で表面反応および膜化の処理を行なった。
このシミュレーションにお いて表面拡散は考慮して いない。 これは、本論文で研究対象としている酸化 物膜の融点が高いのでカバレッジ形状に影響を及ぼすような長距離の衣而拡散の可能↑4:は少な いであ
ろうと推測されることと、表面拡散を考慮すると平均拡散距離が第2の木知パラメータとしてU'IJj!し 実験からηを決定する事が困難になることの二つの理由のためである。
SMC計算法の全体のフロチャートを図2-3 に示す。 SMCの計算はトレン チまたはホール の上部の膜厚が既定値に達したところで終了
させた。
次に、 表面反応時の成膜処理に、 パラメー タFcを設定した理由、 および最近発表された ηが小さ い時の表 面反応処理の高速化法につ
Fc= 1 Fc = 10
いて記す。
成膜時の処理で、
一
個の前駆体分子の付着で
一
個の気相セルを膜に変えるのではなく rFc個の前駆体の付着で一つの気相セルをFG= 100 Fc =400 凶2-4膜成長時のスムージング効果
21
!日体に変える操作」を採用した理由はセルの人きさを現'支の前駆体分子のサイスまで縮小することが不 可能であることに起悶する。 一個の前駆体分rの付着に対して、 一つのセルを固体化すると過度の立体 効果によりデンドライト状の脱が成長する。 η= 1.0、 λ = ∞(つまりKn= ∞)でFcを変え たときの影 響を凶2-4に 示す (計算領域200X200分割)。デンドライト状の成膜を避ける ために は最低100程度以上 のFcを設定する必要が あることがポされる。 また 、Fc= 100と 400の結果の比較 から 、Fcの値が 一定 値以上(本計算の場合は100程度)になると計算結果は始ど変わらな いことがわ かる。
前述の表面反応処理のような ηと乱数の比較によって友面反応すると見なされ た前駆体のみを積算 し、 膜の成長を行な う方法ではηが小さ い場合、 多大な計算時間が必要になる。 例えば 、 η= 1.0で、
Fc = 100の場合、前駆体がセルに接した壁に100回衝突する事で、 そのセル は膜化するのに対して、可=
0.01、Fc = 100の場合は、セルが一つ膜化するのに壁と(1/0.01X 100 =) 10000回の衝突が必要になる。 こ の膜化に必要な衝突回数はηに反比例するのでηが小さくなればなる程大 きくな り、 計算時間が長〈
なる口実際に 、ηく0.01になると膨大な計算時 11りが必要とな りシミュレーションを行うこと が事実上困難になる。 しかし、 最近、 膜成長
のアルゴリズムに関して、 小さいηを持つ系 に対してもltJ速に計算できる下法が提案され
た41 )。 本研究におい てもrlÏ]手法を採用し、
上述のアルゴリズムを一部改良した。 同下法 では前駆体が壁と衝突した時点で、 再飛散す る ・しないに関わらず衝突数を全てカウン ト する。 多数回の壁面衝突回数 、 即ち衝突分
子数は壁面近傍での気相中の前駆体の濃度に 比例している。 本章での計算対象にしている の は、 式(2-1)で表されるように表面反応速度 が 表面近傍の前駆体濃度の一次に比例し、 か つ ηの場所依存性、 即ち表面反応速度定数の 場所依存性は無い系である。この傑な系の表 面反応速度 は、 表面近傍の前駆体分子の濃度
22
|成膜処理l
( 1 )
|
セルのカウンタにl加える↓
NO 表面からの反射 (反射後の速度、 自由行程の生成.
V'x, Vy, vz, l)、L=O
3)
↓ :
(2)
図2・5改良した膜成長のアルゴリズム
に比例して、 つまり前.I�I�体分子の衝突凶数に比例して肢を成長させればよ\')0 この成長アルゴリズムを 採用することで、 ほぽ計算時間はηに 無関係になる。 た だしηが小さくなれば成股形状が 変化し、 全 体の成膜量が 変化する等の影響で若干、 計算時間も変化する。 関2-5に 膜成長に関しての新アルゴリズ ムのブロチャートを示す。
2.3.2 シンプルモンテカルロ法の計算結果
図2-6に トレンチ及び円筒ホール上のカバレッジ( ホールの中心点を通る断面で切断した面)の3D
SMCの一例を示すD 計算条件はお= 1.0、 Knニ∞ 、 η= 1.0、 Fc=30で計算領域は100X100X 100に分 割した。 ただし、As、Knはそれぞれアスペクト比三トレンチまた はホール深さ (H)/トレンチ幅または ホール直径 (w)、 およびクヌッセン数三平均白由行程 (λ)/トレンチ幅また はホールl立花(w)と定義して いる。 トレンチIjl]i:;と ホール直径を同一にした場合、 ホール内の成膜量 はトレンチ内の 成牒量より少なく なり、 カバレッジもホールの方が 悪くなる。 これ は後で詳細に幾何学的に議論するが 、 トレンチの場合、
溝の奥行 き方向 (図2-1、 2-2のX軸方向) から非常に浅い角度で飛び込んでくる成膜前駆体 も有り得る のに対して、 ホールの場合、 この様な前駆体の入射は無い。 その分ホールのカハレッジは卜レンチの場
合より悪くなる。 さらに、 ホールの場合、 開孔面積/内部表面積は(W/(4H))であるのに対して、 トレンチ の場合、 (W/(2H))となる、 つまり、 ホールの方が開孔面積に対する内部友商枯が 2恰大きくなる ために、
拡散速度に比較して表面反応で消費される前駆体の割合が増加し、カバレッジが忠くなると考えられる。
• . ・・・
トレンチ 円筒ホール
(As = 1.0、 Kn=∞ 、 け= 1.0、 Fc = 30、 100X 100X 100セル) 図2-63D-SMCの計算結果の例
23
-•
一一一五
(2-21 )
江川S1Ro州M
Bt =
"
50""2 RD州制θ
ニcos(arctan(2As))
=
(山)
ンンプルモンテカルロ計算手法の健令件の検討 2.3.3
実際のCVD系に適用する前に、SMci去のアルゴリズムおよびコードの健全性を確認する必要があるt ここでは、幾何学モデル及び拡散モデルとの結果の比較により健全性を検討した。
また、SMC法とDSMC法の結果の比較は付録2 において行なっている。計算結果の比較に当たって定 トレンチまたはホール底の中心膜厚/トレンチ 吐fドJに結果を比較するためにBt(ボトムカバレッジ主
八
-・・〉
ホールでの場所による膜厚分布が少 外部膜厚)とし寸定義量を導入する。Btが1.0に近いとトレンチ、
方、 円筒ホールについても同様の考え方を 点、0に近いものは悪いということになる。
カバレッジが良いことを怠味し、
なく、
適用することで、BtとAsを関係づけることが この場合には、 右図のように高さH、
2.3.3.1 幾何学モデルとシンプルモンテカルロ法の計算結果の比較 できる。
幅Wの円形ホール(As= H/W)上に広がる半径 RDの半球を仮定する。灰色の部分がホール内 平均自由行程が∞(Knニ∞)で、 付着確率(η)= 1.0の時はトレンチおよびホール内のBlは幾何学的に
底面中心から見える半球上の面積である。や
円筒ホール底部中心点より見える領域 図2-8
コサイン則を適用して次のような式で はり、
Btをあらわすことができる。
立ιt凶…a rわトS幻iω
めBt =
fo' π j :anf2 市) RJ s 酬 州 制仰
t = 、
f02πjjR山耐)cos(削仰
(2-22) 求めることが出来る。
平均自由行程が∞で付着確卒が1.0であ トレンチおよびホール内の膜厚は、
れば、
寸*-な確率で;1R; 米する分 f 数
見る事ができる立体角にコサイン則(余弦員IJ) つまり、 その成膜する場所から 上告15�間から
に比例し、
を考慮したその大きさに比例することにな
一、、,BE,/ 司令 , 匂 一 f u
一Ala - 4 一+ - 唱EEA 一 ,,aEE‘、 一一
+一
A一勺ん一
加O一 今ん一
一2トレンチ底部中心より見える領域 図2・7
トレンチあるいはホール中,心 る。従って、
図2-9に式(2・21)および(2-22)の計 1.0 位置におけるボトムカバレッジ(Bt)は次のよ
うな手順で、定式化で、きる。
算結果を、SMC法においてKn=∞、
図2・7のように高さH、幅Wのトレンチ(As= H/附上に広がる半径RDの半円柱を仮定する。トレン
可=1.0で膜成長の立体効果を無視し チの場合、奥行き方向に無限の長さ続くと考えればよく、2 次元の半円での考察が可能である。外部表
た場合の計算結果( つまり、初期のト トレンチ底面中心では図2-7に示す灰色の部分しか見えない。
面では2πの空間が見えるのに対して、
レンチまたはホールのBt) と比較し コサイン則を考慮して計算すると、結局Btは(2-21)式で表すこと
空間から、面へのフラックスなので、
て示すD 幾何学モデルとSMC法の結 ができる。
ニ:..1;;μ=
4
As [-]
図2-9カバレッジのアスペクト比依存性
o.Oå
SMC法の 計算結果の妥当性が確認できる。同じ 果は完全に一致しており
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