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大学発新技術の紹介(2)

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Academic year: 2021

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富山大学リエゾンニュース

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研究の背景

画像処理技術や画像符号化技術は,「画像に発生す るノイズの量がどれだけ抑えられた」等の定量的に性 能がよいものを目指して発展してきました。しかしな がら,実際に画像を見るのは「コンピュータ」ではな く「人」です。そのため,既存の性能評価は,人の判 断とは異なってしまうという本質的な問題があります。

そこで本研究では,「コンピュータ」で最適なもの ではなく「人」に最適なものを目指すというアプロー チをとっています。本稿では,その研究の一部として,

画像に対する「人に最適な解像度変換と符号化」およ び「人に最適な主観品質推定技術」を紹介します。

人に最適な解像度変換と符号化

近年,インターネット上に流通する画像の解像度は 高くなっていますが,出力デバイスとなるディスプレ イの解像度はスマートフォンからHDTVなど多様化 しています。これに伴い,同一の内容の画像を異なる 大きさや縦横比で提示するための解像度変換の要求が 高まっています。例えば,HDTVで撮影された画像 をスマートフォンで見る場合,画像全体の縮小や画像 の一部の切り取りなどが必要となります。

図1の原画像に縮小および切り取りを施した例をそ れぞれ図2および図3に示します。これらの図より,

それぞれ次の特徴が視覚的に確認できます。縮小は,

画像全体の相対的な関係を正確に提示できますが,縦 横比が異なる場合は画像が歪んでしまいます。切り取

りは,対象物の詳細は厳密に提示できますが,本来存 在した周囲の情報を完全に捨ててしまいます。

これらの問題を解決するために,ユーザの利用環境 に最適な解像度変換を介した画像符号化を本研究では 提案しています。図1に対して提案法を適用した例を 図4に示します。提案法は,人が注視しないと考えら れる背景領域を違和感なく自動で削減することができ ます。

大学発新技術の紹介(2)

大学院理工学研究部(工学) 講師 稲積 泰宏

生 年 月:1976年3月

略  歴:2003年3月 東京工業大学大学院理工学研究科集積システム専攻         博士課程修了 博士(工学)

     2003年4月 神奈川大学工学部助手

     2007年4月 富山大学大学院理工学研究部(工学)講師      2012年4月~2013年3月ベルリン工科大学訪問研究員 共同研究可能な分野:人に最適な画像処理・画像符号化に関すること 連 絡 先:076-445-6765 [email protected]

人に最適な画像処理・画像符号化の実現に向けて

図2 縮小

図1 原画像

図4 人に最適な    解像度変換 図3 切り取り

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国立大学法人 富山大学 地域連携推進機構 産学連携部門

人に最適な主観品質推定技術

従来の主観品質推定技術は,画像符号化の性能評価 や放送監視など非常に特殊な用途のために開発されて おり,その実験対象は人の好みが主観品質にほぼ影響 しない画像が用いられてきました。そのため,人の好 みが主観品質に影響する画像に対しては、主観品質の 推定が不可能でした。従来研究における主観品質推定 技術の概要を図5(a)に示します。従来研究では画 像から物理特徴量を抽出し,回帰分析等の統計的手法 により「主観品質」を推定しています。これに対して,

画像の物理特徴量から画像に対する人の「好み」を推 定する研究も機械学習の分野で近年活発に行われてい ます。「好み」と「主観品質」を推定する研究はそれ ぞれの分野で発展していますが,「好み」の要素を導 入した「主観品質」の推定技術については報告されて いません。そこで本研究では図5(b)の「好みの推 定処理部」のように,従来研究の枠組みに「好み」の 要素を導入することで,「好み」が含まれる画像に対 しても適用可能な新しい主観品質推定技術を確立する ことが期待できます。

今後の展望

本稿では,人に最適な画像処理技術や画像符号化技 術を紹介しました。ここで紹介した研究以外にも様々 な研究開発を行っていますが,基本的には人が中心と なる技術を対象としています。人が中心となると定量 化が難しい訳ですが,実利用では避けて通れないテー マです。様々な画像処理や画像符号化に対して,人を 中心に再設計することで,研究開発にブレイクスルー を起こすことを目指したいと思っています。

図5 人に最適な主観品質推定技術の概要

(a)従来研究における主観品質推定技術

(b)好みの推定処理部 好みの推定 主観品質の

推定 主観品質の

推定値 物理特徴量の

抽出 画像

物理特徴量の 抽出

本研究で新たに導入する処理

参照

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