科 学文 化育成 を目指 して
II
高等学校教育課程の実態と改善に向けての提案
縣 秀彦(自然科学研究機構 国立天文台) 元村有希子、永山悦子、西川拓(毎日新聞科学環境部)
Cultivation of science culture II
P roposal for Improving the C urric ulumof High S c hool
Hidehiko AGATA
(National Institutes of Natural Sciences, National Astronomical Observatory of Japan) Y ukiko MOT OMUR A , E tuko NAGAY A MA , T aku NIS IK AWA
(The Mainic hi Newspapers; S c ienc e & E nvironment News Dept.)
Abstract
We quest ioned 1,575 students from15 high sc hools and 614 undergraduate students from9 un iversit ies about dividing st udents in liberal arts c ourse and sc ienc e c ourse. 20% of undergraduate students said t hat they c onsiders c hanging c ourse during high sc hool, and 25% believed t hat t he hi gh sc hool students should not be split in t wo c ourses.
On the ot her hand, half of both high sc hool students and undergraduate students t hought that the division of two c ourses is a good idea. A lso, We found that students c hoose liberal art c ours es in c ollege not nec essarily bec ause they were interest ed in literature or soc ial studies but bec au se they c onsidered t hemselves inept in physic s, mathematic s and c hemistry.
If t he main purpose of sc ienc e and mathematic s educ at ion in sec ondary educ at ion is to inc rea se sc ienc e lit erac y, we have to re- examine the purpose, goal and c ont ents of physic s, mathematic s
and c hemistry educ ation in high sc hool.
I.はじめ に
理科 の学力につい てさまざま な学力調査や 国 際比 較が行われて いる.代表 的な調査とし て は , 国 際 教 育 到 達 度 評 価 学 会 (IEA) の 国 際 数学 ・理科教育調 査がある. この調査によ る と ,日本 の小 ・中 学生は ,過 去 30 年 間 ,知 識・ 理解面では他 国と比較し て,常にほぼ ト ップ クラスなのに 対して,中 学・高校段階 に おけ る「理科が好 きか嫌いか 」という問い か けに 対しては,参 加国中もっ とも理科嫌い の 割合 が多い.理科 は生活に重 要と思う者, お よ び 科 学 的 な 職 業 に 将 来 就 き た い と 思 う 者 も, いずれも参加 国中でもっ とも少ない( 例 えばSchmidt et al.,1999).
「 理 科 嫌 い 」( 稲 森 ,1983) が 指 摘 さ れ 始 め た 1980 年 代よ り, 状況 を改 善す るため の 方策 として,さま ざまな手が 打たれたはず だ
が ,1983年 ,1995年 ,1999年 ,さらに2003 年 の調査を比 較すると結果 として改善は みら れ ていない(下野,2002 文部科学 省,2003a). 日 本の中等教 育段階の理科 教育は,理科 好き の 生徒を育て るという面に おいて危機的 な状 況 にある.
そ こで,本研究 においては ,高等学校の 教 育課 程に注目し, 一般市民の 科学リテラシ ー を向 上するために は何が必要 かという視点 に たっ て,日本の高 等学校で一 般的に行われ て いる 「文理分け」 の実情と問 題点の抽出を 試 みた .高校の文理 分け教育は ,大学入試と い う「 外的」な理由 で進学校で 導入されてき た ケー スが多い.こ のような文 理分け教育は , 多く の高校を「予 備校化」し たばかりか, 特 定科 目偏重の教育 課程が健全 な社会人育成 を 阻害 している危険 性があるの ではないかと も 考え た.そこで, 高校入学直 後の高校1年 生 と, 高校を卒業し て間もない 大学学部生に 対 して アンケート調 査を実施し ,文理分けを 含 めた 現教育課程下 における生 徒の実情につ い て調 べることにし た.
II.調査 の内容
1. 調査方法
2005 年 4 月 の 年度 初 めの 第1 週に ,次 の
よう な質問紙によ るアンケー ト調査を実施 し た.
a. 調査I
対 象:高校1年 生,全国 15 高 校 1,514 名 (女 子804名, 男子710名 )より回答.
全 日制(普通科 および総合 科)を対象と し たが ,1高校以外 はすべて普 通科である. 内 訳は 都府県市立が 8校,私立 が5校,国立 が 2校 で,うち中高 一貫高が5 校(私立4校 , 国立 1校)含まれ る.地域は ,北海道1校 , 栃木 県1校,東京 都4校,埼 玉県2校,岐 阜 県1 校,愛知県1 校,京都府 2校,大阪府 1 校, 岡山県2校で ある.進学 率等で極端に 標 準的 な高校生集団 とずれるこ との無いよう 高 校受 験用資料等で 確認し,進 学有名校,中 堅 と呼 ばれる進学校 ,標準的な 高校のそれぞ れ のグ ループから複 数の高校に 依頼をした. 結 果と しては,日本 の高校生全 体像よりやや 進 学者 の多い程度の 母集団とな った.
b.調査II 対象:大 学生, 全国9大学614 名( 女性282名, 男性329名 ,無回答3名 ) より 回答.
調 査した大学は 国公立4校 ,私立5校で , 本人 の記述による 所属学部は ,( ア) 国際コ ミ ュニ ケーション66名 ,文学45名,経 済学部7
名 , 外国 語学部 3 名 等,(イ )教育 学部 174 名 ,文学部教 育学科41名 ,生活科学11名, ( ウ)理学部 154 名 ,理工学部 61 名 ,工学 部 39 名,薬 学部 7 名で ある.ここ ではアの 集 団 を 「 文 系 学 部 」 イ を 「 文 理 系 学 部 」, ウ を 「理系学部 」と呼ぶこと にする.それ ぞれ の 比率はおよ そ2:4:4 となった.
また,自分 は文系と感じ てる学生と理 系と 感 じている学 生の比は半々 であったため ,本 調 査に適した 母集団である と判断した.
調査項目は ,a,b共通 の項目として ,回 答 者 の 属 性 ( 学 年 , 性 別 ), 大 学 受 験 や 高 校 で のコース分 けが無いと仮 定した場合, 高校 時 代にどのく らい各科目を 勉強したいか (し た かったか) をとても勉強 したい,少し 勉強 し たい,あま りしたくない ,全くしたく ない の 4段階で回 答させ,さら に,高校での 文理 分 けについて の意見を聞い た.また,高 校生 に は,将来の 進路について の考え(進学 ,就 職 ,未定;進 学希望の場合 は,文系,理 系, そ の他,未定 も併せて)を 聞いた.一方 ,大 学 生には,自 分を文系・理 系どちらと思 って い るか,高校 時代に理系か ら文系に転向 (文 転 )したいと 考えたことが あるか,文系 から 理 系に転向( 理転)したい と考えたこと があ る か等を聞い た.本報告末 に,付録資料 とし て 調査票を示 す.
2.結果
(1) 文転 ・理転の現状
嫌で 文転するケー ス,生物が 好きで理転し た がる ケース」が見 られ,文転 ・理転の動機 に は他 教科と比較し て理科の科 目の好き嫌い が 強く 影響している と言える.
(2) 文理分 けへの意見
高 校での文理分 けをしない ほうがよいと 考 える 大学生は 614 名 中 151 名 (25 %) であ り, その理由の多 くは「幅広 く勉強したい 」 (99 名 ) で あ っ た . た だ し , 文 理 分 け 肯 定 派 は 313 名 (51 % ) お り, その 理由 は「 自 分の 好きな分野を 早くきわめ たい」(190名) の ほうが 「受験 に有利」(78 名) より圧 倒的 に多 かった.
一 方,高校1年生の場 合も1514名 中の約5 割に あたる778名 が文理分 けをよいと 考えて おり ,否定派は約 1 割(167 名 )にすぎ なか った .全体の4割弱にあた る540名は 「わか らな い」と回答し た.また, その理由の傾 向 は大 学生とほぼ同 じであった .
(3) 高校生 の進路意識
調 査した高校1 年生の8割 以上(1295名 ) が4 月時点ですで に進学を希 望していた. 進 学希 望者中,理系 進学希望は405名, 文系進 学希 望は367名 でほとんど 差がなかっ た.た だし ,調査学校毎 に有意な差 が見られ,中 高 一貫 校や進学校ほ ど,進路決 定が早い傾向 が うか がわれた.
(4) 受 験 が 無 か っ た ら も っ と 勉 強 し た い 科 目 大 学受験や高校 でのコース 分けが無いと 仮 定し た場合,高校 時代にどの くらい各科目 を 勉強 したいかを聞 いた結果は 表1の通りで , 勉強 したい科目と して,英語 ,数学,生物 等 を挙 げていること や,勉強し たくない科目 と して 倫社,古典が 挙がってい ることから, 学 習者 の実利指向が 傾向として うかがえる. 特 に英 語学習への関 心度は飛び 出ている.
文 系(文学,経 済,外国語 部等)および 文 理系 (教育学部お よび生活科 学部)の大学 生 の場 合,勉強した くない科目 として化学, 物 理を 挙げている. 高校生の場 合,入学時の 調 査の ため,地学や 倫理等下位 の科目につい て は名 称やその内容 を理解して いない場合も あ り, その影響を考 慮する必要 がある.
表 1 大学 入試がなかったら勉強したい科 目
順位 高校生 大学文系 大学文理系 大学理系
1 英語 英語 英語 数学
2 生物 政経 日本史 物理
3 数学 現代文 現代文 英語
4 現文 日本史 生物 化学
5 化学 世界史 世界史 生物,地学
6 日史 地理 数学,政経 −
7 世・政 生物 − 政経
8 − 倫理 地理 地理
9 物理 地学 古典・漢文 日史,世史
10 地学 数学 地学 −
11 地理 古漢 倫理 現代文
12 古漢 化学 化学 倫理
13 倫理 物理 物理 古典・漢文
III.考察
今回 の調 査は, 全国 15 高 校, 9大 学の協 力 により,合 計2千を超え る回答を得る こと が できた.し かし,4月の 授業はじめの 時期 で あったため ,負担になら ないよう短時 間に 回 答可能な調 査項目に止め た.
高 校 時 代 に 文 転 理 転 を 考 え た 大 学 生 が 約 20 % い る こ と や , 高 校 で 文 理 分 け を す る べ
き では ない と考え る大 学生が およ そ 25 % で あ ることから ,今まで,多 くの進学校で 行わ れ てきた文理 分け指導は見 直しを考慮す る必 要 があるだろ う.具体的に は,文系・理 系を あ まり早期に コース分けし ないことや文 転・ 理 転が比較的 容易な柔軟な カリキュラム 編成 等 が考えられ るが,この点 はさらなる調 査が 必 要である.
のカ リキュラム編 成(科目選 択の自由など ) は必 要不可欠であ る.しかし その一方,教 養 や生 きる力,国民 のリテラシ ー育成といっ た 側面 からすべての 科目を学ん でほしいとい う 社会 の要請もあり ,そのバラ ンスや柔軟性 が 学習 指導要領編成 や個々の高 校のカリキュ ラ ム編 成において重 要と考えら れる.
次 に生徒の進路 選択に影響 を与えている 科 目に ついて注目し てみた.大 学生に対して , 「あ なたは自分の ことを「文 系」だと思い ま す か ,「 理 系 」 だ と 思 い ま す か 」 を 5 段 階 で 聞い た.その結果 と科目への 関心と相関を 表 2に 示す.自分が 文系または 理系と自覚す る 要因 として,生物 ,地学は5 %水準で有意 , その 他の科目で1 %水準で有 意な相関がみ ら れ る . 特 に 相 関 係 数 が 高 い 科 目 は , 物 理 (-0.46), 数 学 (-0.40), 化 学 (-0.38)( − は 理系 と正の相関) であった. さらに,その 理 由を 自由記述で回 答させた. 回答のうち, 自 分の 適性について 好意的に回 答しているか い な い か で 分 類 し た ( 例 え ば ,「 物 理 ( 古 典 ) が 苦 手 な の で 文 系 ( 理 系 )」 と い う 回 答 の 場 合は (−),「機械いじり( 文章を書くこ と) が 好 き な の で 理 系 ( 文 系 )」 と い う 場 合 は ( + ) に 分 類 ). 相 関 が 見 ら れ る 科 目 は 順 に 物 理 (-0.17), 数 学 (-0.16), 化 学 (-0.16) のみ でいずれも1 %水準で有 意である.以 上 の結 果から生徒・ 学生の進路 選択や適性判 断 にお いて,物理・ 数学・化学 の理系科目が 他 の科 目と比較して 強い影響を 及ぼしている と 結論 づけられる.
表 2 科 目 へ の 関 心 と文 ・理 系 判 断 とその 理 由 数字は相 関係数
**は1%水準で有意, * は5%水準 で有意
科目名 自分は 文系か理系 か その理 由
現代 文 0.32** - 0.01
古典 漢文 0.38** 0.05
数学 - 0.40** - 0.16**
物理 - 0.46** - 0.17**
化学 - 0.38** - 0.16**
生物 - 0.10* - 0.07
地 学 - 0.10* - 0.05
日 本史 0.36** 0.07
世 界史 0.37** 0.01
地 理 0.14** - 0.04
倫 理 0.25** - 0.01
政 ・経 0.23** - 0.03
英 語 0.16** 0.03
図 1 受験に関係なく高校時代に勉強したい科目
高校時代に 勉強したい( したかった) 科目 の 高校新入生 と大学生の差 に注目するた め, 回 答 (1) 「 と て も 勉 強 し た い 」 を 4 点 と し 順 に 点 数 を 下 げ , (5) 「 全 く し た く な い 」 を 1 点 と し 平 均 点 を 比 較 し て み た ( 図 1 ). 大 学 進 学率を考慮 すると,調査 標本で大学生 集団 ほ うが高校生 集団に対し学 習意欲が一般 的に 高 いと考えら れるので,現 役大学生のほ うが 各 科目点数が 高くなるはず である.と ころが, 化 学と物理で は差が小さい .つまり,化 学と 物 理に関して は,高校にお ける学習への 期待 の 高さに対し ,実際に高校 時代を通過し た学 生 (履修して いるかどうか は不明)にと って は 魅 力 無 い 科 目 と 捉 え ら れ て い る こ と に な る .したがっ て,市民の科 学リテラシー 育成 を 阻害してい る要因として ,高校におけ る化 学 と物理の教 科としての目 標や目的,お よび 学 習内容が考 えられ,その 見直しは急務 と言 え る.
0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5
英語
数学
生物
日本史
政治・経済
現代文
世界史
地理
地学
化学
物理
倫理
古典・漢文
表3 因子分析による因子 の抽出
一般化された最小自乗法による
高校新入生 大 学学部生
歴史 理化 学 歴史 理化学 環境
現文 0.47 - 0.18 0.52 - 0.18 0.08 古 漢 0.49 - 0.17 0.55 - 0.20 - 0.04 数学 0.47 0.44 0.13 0.65 0.28 物理 0.56 0.59 0.23 0.81 0.11 化学 0.58 0.61 0.24 0.74 - 0.07 生物 0.57 0.37 0.37 0.32 - 0.34 地学 0.61 0.13 0.43 0.33 - 0.40 日史 0.73 - 0.44 0.69 - 0.28 0.09 世史 0.76 - 0.41 0.79 - 0.27 0.01 地理 0.61 - 0.12 0.57 - 0.01 - 0.21 倫理 0.60 - 0.01 0.53 - 0.14 0.10 政経 0.59 - 0.09 0.51 - 0.07 0.26 英語 0.41 - 0.07 0.26 0.02 0.22
さ らに,高校時 代に勉強し たい(したか っ た )科目 13 項 目 に関し て因 子分析 (一 般化 され た最小自乗法 による)を 行った.表3 に 示し たように,高 校新入生の 場合は世界史 ・ 日本 史中心の因子 と物理・化 学中心の因子 が 抽出 された.それ ぞれを「理 化学因子」,「歴 史因 子」と命名す る.一方, 大学学部生の 場 合は ,さらに3つ 目の因子と して地学・生 物 の因 子が現れるこ とが分かっ た.この因子 を 「環 境因子」と呼 ぶことにす る.一般に小 学 生の 多くが,環境 因子、すな わち地学・生 物 領域 へ強い関心を 持っている ことを示す調 査 結果(例え ば、高 橋他、2003)を考慮 すると, 中等 教育段階での 進路選択・ 適性判断の指 導 が , 単 純 に 文 系 ( 歴 史 因 子 ), 理 系 ( 理 化 学 因子 )とステレオ タイプ化さ れていること の 問題 点を示唆する 結果と考え られる.
IV .まとめ
仮 に,現在の 中等教育段 階の授業の多 くが, 報 酬 志 向 ( 報 酬 を 得 る 手 段 と し て ), ま た は 実用 志向(仕事や 生活に活か すため)のよ う な 学習動 機( 市川 ,1995) によっ てのみ 成り
立 っているの なら,理系に 進学しない学 習者 の 多くは,試 験終了時のよ うな特定の時 点で 理 科・数学に 関する自らの 意欲・関心・ 知識 ・ 理解などの 学力を封印し てしまう可能 性が あ る.このた め,Iで示し たような理科 嫌い 現 象を子ども での大人でも 起こしている 可能 性 があるので はないだろう か.もし,一 般市 民 が学校で習 った知識・ス キルを大人に なっ て から生活の 中で活用する ことができな いの な ら ば ,「 科 学 リ テ ラ シ ー を 持 つ 市 民 に よ っ て 支えられる 科学技術国家 」という理念 は実 現 不可能であ る.
本論文では ,日本の中等 教育において 一般 に 行われてい る文系・理系 のコース分け の問 題 点を指摘し た.文系・理 系というカテ ゴリ ー ではなく, 歴史因子,理 化学因子,環 境因 子 による進路 選択や適性判 断を行うこと を提 案 したい.
また,社会一般には,数学が 得意なら理 系, 英 語が得意な ら文系といっ た固定概念が ある よ うにも思え るが,今回の 調査において 生徒 ・ 学生が文系 理系を選択す る過程におい て, 文 系では世界 史・日本史, 理系では物理 ・数 学 ・化学がそ の選択を決め る因子である こと が 判明した. 特に進路選択 や自分の適性 判断 に おいては, 物理・数学・ 化学の理系科 目が 強 い影響を及 ぼしている.
したがって ,中等教育段 階での理科・ 数学 教 育の主たる 目的が科学リ テラシー育成 であ る ならば,物 理,数学,化 学の教科とし ての 目 的や目標お よび学習内容 の見直しが不 可欠 で ある.また ,高校によっ ては(特に進 学校 に お い て は ), 授 業 科 目 名 と 中 身 が 一 致 し て い な い ( い わ ゆ る 「 読 み 替 え 」) が 公 然 と 行 わ れており, 健全なリテラ シー育成を阻 害し て いるとも考 えられる.こ の点の実態把 握と 改 善も今後の 課題である.
謝 辞
付記
本研究 は日 本科 学教育 学会 第 29 回 年 会で 発表 したものに検 討を重ね加 筆・修正した も ので ある.
引用 文献
市 川 伸 一 : 学 習 と 教 育 の 心 理 学 ,18-34, 岩 波 書店,1995.
稲森 潤:教員養成 における科 学教材研究は 如 何 にあるべきか 理科教育 の立場から, 科 学 教育研究,7(4) ,126-128,1983. 文部 科学省:国際 数学・理科 教育動向調査 の
2003年 調査(TIMSS2003), http://www.mext.go.jp/b_menu/ houdou/16/12/04121301.htm,2003a.
文部 科学省:平成15年版科 学技術白書, 2003b.
大野 栄三,左巻 健男:何の ための科学教 育か, 科 学,70,817-824,2000.
Schmidt,W., McKnight,C., Cogan,L., Jakwerth,P.,
Houang,R.:Facing the Consequences, Kluwer Academic Publishers,MA,USA,1999.
下野 洋:中学生の 理科に関す る態度の変容 − 第 3回国 際数 学・理科教 育調査の生徒 質 問 紙に対する回 答−, 「 理科の学力に 関 す る国際比較研 究」研究 成果中間 報 告書, 国 立教育政策研 究所,2002.