<特 集>
政治的知識の構造
今 井 亮 佑
1. は じ め に
意識調査で政治的知識(political knowledge) を測定する上で,知識の構造は一次元的なのか多 次元的なのかという問題を検討することは,必要 不可欠である。というのも,一次元的構造か多次 元的構造かによって,知識を測定するために用い るべき,あるいは用いることができる質問項目が 異なるからである。各個人が保有する政治的知識 量を表す,妥当性を備えた指標を作成するには,
まず政治的知識の構造を明らかにせねばならない。
日本の有権者を対象とした政治意識調査におい て,政治的知識を測定することを直接の目的とし た項目が質問されるようになったのは,ごく最近 のことである。このため,現在のところ,日本の 有権者の政治的知識が一次元的構造をしているの か多次元的構造をしているのかという問題を検討 した研究は存在しない。近年,日本の政治意識・
投票行動研究で政治的知識という概念がクローズ アップされるようになってきていることから,日 本の有権者の政治的知識の構造を解明し,妥当性 を備えた政治的知識の指標を作成するために必要 となる質問項目群を確定することが,研究の更な る発展のためにも焦眉の課題となっている。
そこで本稿では,政治的知識に関する豊富な質 問項目が含まれた「21世紀日本人の社会・政治 意 識 に 関 す る 調 査」(以 下,GLOPE 2005と 称 す)のデータを用いて,日本の有権者の政治的知 識が何次元構造をしているのかを明らかにするこ とを試みる。そしてそれを踏まえ,知識を測定す
る項目として今後の政治意識調査に組み込むこと が望まれる質問項目群を提案する。
2. 米国における先行研究
議論を展開するにあたり,政治的知識に関する 研究の蓄積が豊富な米国における先行研究を参照 することは有益と思われる。そこで本節では,鍵 概念である「政治的知識」の定義を明確にした上 で,その3つの側面⎜⎜統治の仕組み,政党政治 の動向,政治リーダー⎜⎜それぞれについて,
1990年 ANES, 1991年 ANES パイロット調査で どのような項目が質問されたかを紹介するととも に,政治的知識の構造を検証する意義,及びその 手法について説明する。
2.1. 概念の定義
Delli Carpini and Keeter (1996)によれば,政 治的知識とは,「政治に関する,正確に思い出す ことのできる認知」を指す。ただ,この抽象的一 般的定義では,政治的知識に含まれる領域があま りに広範にわたる。そこで米国における先行研究 では,「市民は政治の何について知っているべき か」という観点から,政治的知識に含まれる範囲 が操作的に限定されている。具体的には,次に挙 げる3つの側面について知っていることが,政治 的知識の保有を意味するとされている(Barber, 1973;Neuman, 1986;Delli Carpini and Keeter, 1996)。
1つ目は,「統治の仕組み」である。議院内閣 制・三権分立・選挙制度・二院制など,学校の
* 首都大学東京大学院社会科学研究科准教授
「公民」の授業で習うような事項がこれに該当す る。この「統治の仕組み」に関する知識を持ち合 わせていることが求められるのは,市民として政 治過程に効果的に参与する上で,その構造やルー ルについて理解していることが大前提だからであ る。
2つ目は,「政党政治の動向」である。政治の 世界で現在議論が交わされている重要争点は何か,
その争点にはどのような選択肢があり,それぞれ どのような結果をもたらすと予想されるのか,そ して各政党はどのような立場をとっているのか。
こうした「政党政治の動向」を把握していること は,政治,とりわけ選挙に,市民が自律的な判断 に基づいて参加するための必要条件なのである。
そして3つ目は,「政治リーダー」である。政 治リーダーを選出し,定期的にその実績を点検・
評価することは,代表制民主主義における市民の 重要な責務の1つである。市民がこの責務を果た すには,政治を主導する立場にあるのはそもそも 誰か,政治リーダーは争点に対してどのような立 場をとっているのか,任期中どのような業績を挙 げたのかといった,「政治リーダー」に関する知 識を備えていなければならない。
以上のような米国における議論を踏まえて,本 稿では政治的知識を次のように定義する。すなわ ち,政治的知識とは,「『統治の仕組み』『政党政 治の動向』『政治リーダー』という3つの側面に 関する,正確に思い出すことのできる認知」を指 すものとする。
2.2. ANES 調査の質問項目
米国では 1940年代以降,大規模世論調査が実 施されるようになるのに伴い,確固たる政治的意 見を形成・表明し,効果的に政治に参加するため に必要とされる知識・能力を市民が備えているの か否かが実証に付されるようになった。しかし世 論調査の結果明らかとなったのは,米国市民の大 部分は政治に関して無知であるという現実であっ た。すなわち平均的な市民は,政治制度・政治過 程の仕組みについても,その時々の争点について も,政治家についても,あまりよく知らなかった の で あ る(e.g. Berelson, Lazarsfeld, and McPhee, 1954; Erskine, 1962, 1963)。調査の度 に繰り返し悲観的な結果が得られたため,政治的
知識に関してそれ以上検討する意味はないと考え られるようになり,1950年代後半以降,政治的 知識を測定する項目は世論調査から姿を消してい った。だが 1980年代に入り,知識を測定する質 問項目の数は再び増加に転じ,1985年の ANES (American National Election Studies)パイロ ット調査では,政治的知識の測定という問題が重 点的に検討された(Iyengar, 1986, 1990; Zaller, 1986)。ただこの調査には,「統治の仕組み」の側 面に関する知識を測定する質問が含まれていなか った。政治的知識の3つの側面全てに対応する質 問項目が初めて十分に盛り込まれたのは,1990 年 の ANES,1991年 の ANES パ イ ロ ッ ト 調 査 で あ っ た。こ れ ら 2 つ の 調 査 は,そ の 後 の ANES 調査で質問される項目がこの結果を踏ま えて固まったという点で,重要な意味を持つ。3 つの側面それぞれについてどのような項目が質問 されたかを見ていくことにしよう⑴。
統治の仕組み」の側面に関しては,パイロッ ト調査で次の6項目の質問が行われた。「合衆国 憲法の修正第1条から第 10条は何と呼ばれてい ますか(VAR 912848)」,「法律が合憲かどうか を最終的に判断する権限(違憲立法審査権)は大 統領,連邦議会,最高裁判所のうちどれにありま すか(VAR 912849)」,「連邦裁判所の判事を指 名する権限は大統領,連邦議会,最高裁判所のう ちどれにありますか(VAR 912850)」,「大統領 の拒否権発動に対して法案を再可決するには連邦 議会議員のどれだけの賛成が必要ですか(VAR 912851)」,「大統領は何選まで認められています か(VAR 912852)」,「連邦上院議員の任期は何 年ですか(VAR 912853)」,という6項目である。
政党政治の動向」に関する知識を測定する際 には,次の4種類の質問が用いられる。「今日,
『リベラル』『保守』について語られることをよく 耳 に し ま す。こ こ に,『非 常 に リ ベ ラ ル』か ら
『非常に保守的』まで人々の政治的意見を並べる 7点から成る尺度があります。民主党/共和党の 位置はどこにあると思いますか(VAR 900413,
900414)」,「防衛費を削減すべきだと考える人も いれば,増大すべきだと考える人もいます。民主 党/共 和 党 の 位 置 は ど こ に あ る と 思 い ま す か
(VAR 900443,900444)」,「連邦政府はあらゆる 努力を払って黒人の社会的・経済的地位を改善す
べきだと考える人もいれば,黒人は自助努力すべ きであるので,黒人の地位改善のために政府が格 別に努力を払う必要はないと考える人もいます。
民主党/共和党の位置はどこにあると思いますか
(VAR 900449,900450)」,「歳出を削減するため に,社会保障や教育といった分野であっても政府 が提供するサーヴィスの量を減らすべきだと考え る人もいれば,歳出が増えることになっても政府 はより多くのサーヴィスを提供する必要があると 考える人もいます。民主党/共和党の位置はどこ にあると思いますか(VAR 900456,900457)」。
これら4種類の質問において,民主党・共和党の 立場の相対的な位置関係を正しく認識できている かどうかを見ることで,「政党政治の動向」に関 する知識量を評価するのである。
政治リーダー」に関する知識の有無を測定す るために用いられるのは,「次に挙げる人は現在 どのような公職に就いているでしょうか」という 質問である。国内外の政治リーダーの名前をイン タヴュアーが挙げた際,その人が就いている職名 を被調査者が答えることができれば,政治リーダ ーについて知っていると判定するのである。1990 年 の 調 査 で は,Dan Quayle(副 大 統 領,VAR 900395),George Mitchell(連邦上院民主党院内 総務,VAR 900396),William Rehnquist(連邦 最高裁判所首席裁判官,VAR 900397),Mikhail Gorbachev(ソ連共産党書記長,VAR 900398),
Margaret Thatcher(英国首相,VAR 900399),
Nelson Mandela(アパルトヘイト反対運動指導 者,VAR 900400),Tom Foley(連邦下院議長,
VAR 900401)の7名に関して質問が行われた。
2.3. 政治的知識の構造
統治の仕組み」に関してよく知っている人は,
「政党政治の動向」や「政治リーダー」について もよく知っているのだろうか。それとも,ある特 定の側面に関しては積極的に知ろうとするが,そ れ以外については全くの無知であるという市民が,
多数を占めるのだろうか。
政治のある側面についてよく知っている人は別 の側面についてもよく知っている,すなわち政治 的知識が一次元的構造をしているのであれば,政 治的知識量を表す指標を作成する際に用いる質問 項目群が3つの側面を網羅していなかったとして
も,その指標は妥当性を欠くことにはならない。
これに対し,たとえある側面に関する知識が豊富 でも別の側面についてよく知っているとは限らな い,すなわち知識の各側面が独立した下位次元を 構成する多次元的構造をしているのであれば,特 定の側面に関する知識の有無を測定した項目群か ら作成した指標は,あくまでその側面(下位次 元)に関する知識量を示す指標として扱わねばな らない。この場合,政治全般に関する知識量を表 す指標を作成するには,政治的知識を構成する3 つの下位次元全てを適切に反映した多様な項目を 指標に盛り込む必要がある⑵。つまり,政治的知 識の構造が一次元的なのか多次元的なのかによっ て,知識を測定する際に用いるべき,あるいは用 いることができる質問項目が左右されることにな る。このため,米国における先行研究では,次に 挙げる2種類の統計手法を併用することで,政治 的知識の構造に関する検討を入念に行っている
(Delli Carpini and Keeter, 1992)。
1 つ 目 は,検 証 的 因 子 分 析(confirmatory factor analysis)である。分析に投入した全ての
項目が1つの潜在変数によって規定されると想定 するモデルの適合度と,理論的に首肯できる複数 の潜在変数を想定するモデルの適合度とを比較し,
前者の方が高い場合は一次元的構造,後者の方が 顕著に高い場合は多次元的構造であるとの示唆を 得るのである。
ただ,検証的因子分析だけでは,政治的知識の 構 造 に 関 す る 結 論 を 下 す こ と は で き な い
(Piazza, 1980; Zeller and Carmines, 1980;
Smith, 1989)。というのも,体系的に生じる誤差,
たとえば response set⑶の影響により,多次 元的構造をしているように分析上見えるに過ぎな いという可能性も否定できないからである。
そこで,検証的因子分析を補完するために用い られる2つ目の手法が,回帰分析である。すなわ ち,検証的因子分析でn因子モデルの適合度が高 いとの結果を得た場合,n個の下位次元ごとに知 識量を表す尺度を作成し,それらを従属変数とし,
政治的知識量を規定すると理論的に考えられる諸 変数を独立変数にとった回帰分析を行うのである。
検証的因子分析で示唆されたとおり,政治的知識 がn次元構造をしている場合には,n個の下位次 元ごとに,従属変数を説明する要因が異なる。他
方,実際には政治的知識の構造は一次元的である にもかかわらず,体系的に生じる誤差の影響で,
n因子モデルの当てはまりが相対的に良かった場 合には,n本の回帰分析における従属変数と独立 変数との関係は,非常に類似したものになる。こ のように,検証的因子分析と回帰分析とを相互補 完的に行うことによってはじめて,政治的知識の 構造が一次元的なのか多次元的なのかを評価する ことができるのである。
具 体 的 な 研 究 例 を こ こ で 1 つ 紹 介 し よ う。
Delli Carpini and Keeter (1992)は,90年 ANES,91年 ANES パイロットの両調査データ を用いて,政治的知識の構造について検討してい る。まず,先に紹介した「統治の仕組み」に関す る6項目のうち4項目⑷,「政党政治の動向」に 関する5項目⑸,「政治リーダー」7名のうち4 名⑹,そして「湾岸戦争」に関する知識を測定し た3項目⑺の計 16項目を検証的因子分析にかけ,
一因子モデル,二因子モデル,四因子モデル,五 因子モデルの当てはまりの良さを比較した⑻。そ して,一因子モデルに比べ二因子モデル,二因子 モデルに比べ四因子モデル,四因子モデルに比べ 五因子モデルにおいて,当てはまりの良さを表す 統計量(χ /df)が改善し,各項目の因子負荷が 大きくなるものの,一因子モデルでも十分に適合 度は高いという結果を得た⑼。これを受けて,五 因子モデルで想定した5つの下位次元それぞれの 知識量⑽を従属変数,性別・年齢・人種・収入・
婚姻状態・就業状況・教育程度・政党支持強度・
政治参加度・政治関心度・新聞閲読・テレビニュ ース視聴を独立変数にとった回帰分析を行った。
その結果,次の点が明らかとなった。第1に,全 ての下位次元に共通して有意に影響している独立 変数は性別・教育程度・政治関心度で,いずれの 下位次元に対しても有意な影響を及ぼしていない 変数はテレビニュース視聴・収入・婚姻状態・就 業状況であった。第2に,政党支持強度と政治参 加度は「政党政治の動向」のみに影響し,新聞閲 読は「政党政治の動向」以外に影響していた。第 3に,年齢と人種は「著名な政治リーダー」に関 する知識のみを規定する要因であった。以上の分 析 結 果 か ら,政 治 的 知 識 に は「統 治 の 仕 組 み
(civics)」「政党政治の動向(party)」「政治リー ダー(people)」という大きく分けて3種類の下
位次元が存在するが,それら下位次元間の相関関 係は強いと結論づけている。
3. 日本における研究の意義と方法
以上のような米国における先行研究を踏まえて 日本の研究の現状を見ると,政治的知識の構造が 一次元的なのか多次元的なのかという問題に関す る日本の有権者を対象とした研究を早急に行う必 要性が浮き彫りになる。近年,日本における政治 意識・投票行動研究でも,政治的知識という概念 がクローズアップされるようになってきた(池田,
2002,2004;森川・遠藤,2005)。ところ が,こ れまでに発表された研究で用いられている政治的 知識量の指標は,知識を構成する「統治の仕組 み」「政党政治の動向」「政治リーダー」という3 つの側面全てに対応した質問項目群から構成され ているわけではない。このため,日本の有権者の 政治的知識が多次元的構造をしている場合,それ らの研究で用いられている指標は,政治的知識量 を表す指標としての妥当性を欠くということにな るのである。日本における政治意識・投票行動研 究の将来を考えると,日本の有権者の政治的知識 の構造を実証的に明らかにし,妥当性を備えた政 治的知識の指標を作成するために必要となる質問 項目群を確定することは,極めて意義深いように 思われる。
そこで本稿では,管見の限り我が国で初めて体 系的・網羅的に政治的知識を測定する質問項目群 が組み込まれた GLOPE 2005データを用いて,
日本の有権者の政治的知識の構造は一次元的なの か多次元的なのかという問題について検討する。
本節では,使用するデータ及び分析手法の概要を 説明する。
3.1. データの概要
GLOPE 2005デ ー タ に は,「統 治 の 仕 組 み」
「政党政治の動向」「政治リーダー」という政治的 知識の3つの側面にバランスよく対応した,知識 の測定に資する項目が豊富に含まれている 。具 体的な質問項目は表1に,度数分布は表2に,そ れぞれまとめた 。
まず「統治の仕組み」の側面に対応する項目と しては,①から④の4つが質問された。①は,日 本 国 憲 法 第 9 条 に 関 す る 項 目 で,GLOPE が 2003年 11月の第 43回衆議院議員総選挙後に実 施した調査でも同一の質問が尋ねられている。正 答率は,2003年 11月が 57.23%であったのに対 し,2005年 11月は 67.15%と,この2年間で約 10%上昇している。だが,それでも有権者の3 人に1人は,重要な政治課題として浮上しつつあ
る憲法改正問題の焦点の1つである戦争放棄条項 が第9条に含まれているということを知らない。
②は,司法制度(「三審制」)に関する項目で,半 数弱(45.77%)の被調査者が正答を選択してい る。③は,「内閣は行政について国会に対して責 任を負う」という議院内閣制の基本原理を知って いるかどうかを尋ねた項目である。誤った選択肢 を選ぶ被調査者は少なかったものの,約4割の回 答者が「わからない」「答えない」としたため,
表1 政治的知識を測定する質問項目
正答率は5割程度にとどまっている。④は,近い 将来導入されることが決まっている「裁判員制 度」の認知度を測定したものである。予想された とおり,「陪審員制度」という誤答を選択する比 率が高く(34.53%),正しく「裁判員制度」と 答えることができたのは,回答者の2割にも満た ない。
2.2.で紹介したように,ANES では,各種争 点に対する民主・共和両党の立場の相対的関係を 正しく認識できているか否かから,「政党政治の 動向」の側面に関する知識の有無を測定している。
GLOPE 2005調 査 で は,「年 金 制 度 の 改 革」と
「郵政事業の民営化」に関し,回答者本人・自民 党・民主党の立場がどこにあると思うかを,7点 尺度で答えてもらっている(⑤(1)(2))。「年金制 度の改革」に関しては,自民党に比べ民主党をよ り「一元化への抜本改革」寄りに位置づけている 場合,「郵政事業の民営化」に関しては,民主党 に比べ自民党をより「積極的」寄りに位置づけて いる場合,これら争点に対する自民・民主両党の
立場の相対的関係を回答者が正しく認識できてい るということになる。度数分布を示した表2にあ るとおり,両党の立場を相対的に正しく把握でき ている回答者の割合は,「年金制度 の 改 革」は 21.02%と低く,対照的に「郵政事業の民営化」
は 64.31%と高かった。
また同調査では,2005年9月 11日投開票の第 44回総選挙の際に各党がマニフェストに掲げた キャッチフレーズを被調査者に提示し,それがど の政党のものか,選択式で回答してもらっている
(⑥(1)〜(5))。これについても,「政党政治の動 向」の側面に関する知識の有無を測定する項目と 考えることができるだろう。最も認知度が高かっ たのは「改革を止めるな」で,34.67%の回答者 が正しく自民党を選択した。2番目は「日本を,
あきらめない」で,民主党を選択した人は 24.01
%であった。以下,共産党の「たしかな野党が必 要です」は 23.72%,社民党の「国民を見ずして,
改革なし」は 16.20%,公明党の「日本を前へ。
改革を前へ」は 9.85%の回答者が正確に認識し 表2 度数分布
ていた。最も正答率が高い自民党でも3割強とい うことで,政治的知識を問う質問としては難度が 高かったと言える 。
最後に「政治リーダー」の側面に関しては,
ANES と同形式の質問項目が調査に組み込まれ た(⑦(1)(2))。すなわち,「ここにあげる人物が,
どのような公職に就いているかご存知ですか。ご 存知の場合,その職名をお知らせください」と尋 ね,河 野 洋 平(衆 議 院 議 長),ト ニ ー・ブ レ ア
(英国首相)の2名について回答を求めたのであ る 。正答率は,河野洋平が 31.53%,トニー・
ブレアが 33.21%であった。
このように GLOPE 2005調査では,政治的知 識の「統治の仕組み」の側面に対応する4項目,
「政党政治の動向」の側面に対応する7項目,「政 治リーダー」の側面に対応する2項目の質問が行 われている。本稿では,これら 13項目を用いて,
日本の有権者の政治的知識の構造に関する検証を 試みる。
3.2. 分 析 手 法
2.3.で説明した理由により,検証的因子分析と 回帰分析とを相互補完的に用いることで,日本の 有権者の政治的知識の構造は一次元的なのか多次 元的なのかという問題について検討する。
検証的因子分析は,投入する 13項目がいずれ も正答か否かを示す二値変数であるので,四分相 関係数(tetrachoric correlation)に基づく重み 付け最小二乗法により推定する。一因子モデルと 適合度を比較するモデルは,「統治の仕組み」「政 党政治の動向」「政治リーダー」という政治的知 識を構成する3つの側面を下位次元に想定した三 因子モデルと,「政党政治の動向」をさらに「争 点」と「マニフェスト」とに分けた四因子モデル の2つである。
回帰分析では,検証的因子分析の三因子モデル,
四因子モデルで析出された構成概念スコアを従属 変数にとる 。独立変数として投入するのは,政 治的知識の獲得を促進すると理論的に考えられる 諸要因である。米国における先行研究によれば,
政治について学習し,知識を蓄積するには,その た め の 能 力(ability),機 会(opportunity),動 機(motivation)が必要とされる(Delli Carpini and Keeter, 1996)。
情報を加工・蓄積し,それを用いる認知的能力 は,天賦の知性であるという側面がある一方,修 学によって高めることもできる。このため,高等 教育を受けた人は高い認知的能力を持ち,政治に ついてよく知っていると考えられる。
情報を入手する機会は,政治情報の場合,学校 教育,仕事,メディア接触,会話,政治参加,団 体加入などを通じて得られる。すなわち,教育程 度の高い人,政府と直接の関係を持つ仕事や政策 に よ る 影 響 を 受 け や す い 仕 事(“politically impinged occupations”Luskin,1990:336)に従
事している人,メディア,とりわけ新聞・雑誌な どの印刷メディアに頻繁に目を通す人,他者との 会話の話題に政治問題がよく上る人,政治に積極 的に参加する人,そして政治的な活動を行う団体 に加入している人ほど,多くの政治的知識を保有 している可能性が高い。
動機に関しては,政治関心(interest),有 効 性感覚(efficacy),市民的義務感(civic duty)
という3つの要因により生じると考えられる。す なわち,政治に強い関心を持つ人,有効性感覚・
市民的義務感を持つ人ほど,政治についてよく知 っていると想定される 。
以上の議論と,実際に政治的知識量を従属変数 にとった回帰分析を行っている Delli Carpini and Keeter (1992)を参考に,本稿では,性別・
生年・教育程度・職業(公務員か否か)・政党支 持強度・政治関心度・新聞閲読・テレビニュース 視聴・投票義務感・政治的有効性感覚・後援会加 入の計 11変数を独立変数として投入することに した 。
4. 分 析 結 果
13項目を検証的因子分析にかけた結果は表3 のとおりである 。
まず,全ての項目が1つの潜在変数(政治的知 識)によって規定されていると想定する一因子モ デルの適合度を見ると,RMSEA (Root Mean Square Error of Approximation)が 0.042,そ の 90%信頼区間が[0.036,0.048]と,一般に サンプルに対するモデルの当てはまりが良いとさ
れ る RMSEA 0.050を 満 た し て い る。ま た,
AGFI (Adjusted Goodness‑of‑Fit Index)が 0.985, CFI (Comparative Fit Index)が 0.938 ということで,これら指標は,一因子モデルの適 合度がかなり高いことを示している。
次に,本稿で政治的知識を構成する3つの側面 と定義した「統治の仕組み」「政党政治 の 動 向
(争点・マニフェスト)」「政治リーダー」を下位 次元に想定した三因子モデルでは,一因子モデル に比べ適合度の顕著な改善が見られる。各項目の 因子負荷が軒並み増大するとともに,RMSEA が 0.030に 低 下 し,AGFI が 0.990に,CFI が 0.970に上昇しているのである。もっとも,各潜 在変数間の相関係数を見ると,「統治の仕組み」
と「政党政治の動向」の間が 0.809,「統治の仕 組み」と「政治リーダー」の間が 0.863,「政党 政治の動向」と「政治リーダー」の間が 0.722と,
いずれもかなり高いことから,政治的知識の3つ の側面が完全に独立して下位次元を構成している
ということではなさそうである。
最後に,「政党政治の動向」を「争点」と「マ ニ フ ェ ス ト」と に 分 け た 四 因 子 モ デ ル は,
RM SEA が 0.025,AGFI が 0.992,CFI が 0.980と,3つのモデルの中で最も当てはまりが 良いが,三因子モデルに比べ適合度が大きく改善 したというわけではない。
このように,検証的因子分析の結果からは,政 治的知識は「統治の仕組み」「政党政治の動向」
「政治リーダー」という3つの下位次元から成る 多次元的構造をしているが,それら下位次元間に は強い相関関係が存在するということが示唆され る。この解釈が妥当か否かについて,今度は回帰 分析の結果から検討する。
表4は,先の検証的因子分析(三因子モデル,
四因子モデル)の結果析出された潜在変数の構成 概念スコアを従属変数にとった,通常の最小二乗 法(OLS)による回帰分析の結果である。合計 7本の回帰式を分析にかけたが,一見して,検証 表3 検証的因子分析(標準化解)
的因子分析の結果その存在が示唆された各下位次 元の知識量を規定する要因がほぼ同じであること がわかる。すなわち,男性,教育程度の高い人,
公務員,政治に対する関心度の高い人,日々新聞 を閲読している人,投票義務感・政治的有効性感 覚を持つ人ほど,「統治の仕組み」「政党政治の動 向(争点・マニフェスト)」「政治リーダー」のい ずれについてもよく知っている傾向があり,また,
テレビニュース視聴の有無は政治的知識量を有意 には左右しないのである。
その一方で,政党支持強度と後援会加入の有無 に関しては,下位次元ごとに影響力に違いが見ら れた。ともに政党・選挙に関わる変数であるため,
「政党政治の動向」に関する知識量に対して強い 規定力を示すと考えられるが,実際,両要因の影 響力が統計的に有意となったのは,三因子モデル の「政党政治の動向」,四因子モデルの「争点」
「マニフェスト」の次元のみであった。
以上の,一因子モデルに比べ三因子(四因子)
モデルの適合度が顕著に高いという検証的因子分 析の結果,及び政党支持強度と後援会加入の有無 は「政党政治の動向」の側面に関する知識量にの み有意な影響を及ぼしているという回帰分析の結 果からは,日本の有権者の政治的知識の構造が多 次元的で,とりわけ「政党政治の動向」の側面が 独自の下位次元を構成していることが示唆される。
これは,2.3.で紹介した米国における先行研究
(Delli Carpini and Keeter, 1992)で得られた知 見との整合性が極めて高い。政治的知識の構造に 関して,日米両国の市民が極めて類似した傾向を 示しているのである。
表4 回帰分析
(注) p<.10, p<.05, p<.01, p<.001。
5. 結 論
近年の政治意識・投票行動研究における鍵概念 の1つである「政治的知識」を測定する前提とし て,知識が何次元構造をしているのかを明らかに することは必要不可欠である。というのも,意識 調査の各回答者が保有する政治的知識量を表す,
妥当性を備えた指標を作成する際に用いるべき,
あるいは用いることができる質問項目が,知識の 構造が一次元的か多次元的かによって異なるから である。
本稿では,政治的知識には「統治の仕組み」
「政党政治の動向」「政治リーダー」という3つの 側面があると定義し,これら3つの側面が一次元 的構造を形成しているのか多次元的構造を形成し
ているのかについて,政治的知識の測定に適した 質問項目が豊富に含まれる GLOPE 2005データ を用いて検討した。まず,知識の測定に用いる 13の質問項目に対する正答/誤答を表す二値変 数を検証的因子分析にかけたところ,政治的知識 の構造が一次元的であることを示唆する一因子モ デルに比べ,多次元的であることを示唆する三因 子/四因子モデルの方が,適合度が顕著に高かっ た。続いて,この検証的因子分析の三因子/四因 子モデルで析出された7つの構成概念スコアを従 属変数,各個人の保有する政治的知識量を規定す ると理論的に想定されている諸要因群を独立変数 にとった回帰分析を行った。その結果,性別・教 育程度・職業(公務員)・政治関心度・新聞閲読 の有無・投票義務感・有効性感覚は,いずれの従 属変数にも統計的に有意な影響を及ぼしているの に対し,政党支持強度と後援会加入の有無は,
「政党政治の動向」に関する知識量のみ左右する 表4 回帰分析(続き)
(注) p<.10, p<.05, p<.01, p<.001。
ことが判明した。つまり,政治的知識には「統治 の仕組み」「政党政治の動向」「政治リーダー」と いう大きく分けて3種類の下位次元が存在するこ とが示唆されたのである。政治的知識の構造が多 次元的とするこの分析結果は,米国における先行 研究で得られた知見とも整合的であり,政治的知 識の構造に関して,日米両国の市民が極めて類似 した傾向を示していると言える。
このように,本稿の分析の結果,日本の有権者 に関しても政治的知識が多次元的構造を形成して いることが明らかとなったことから,日本の有権 者を対象に,各個人の保有する政治全般に関する 知識量を測定する際には,「統治の仕組み」「政党 政治の動向」「政治リーダー」という政治的知識 を構成する3つの下位次元全てを適切に反映した,
多様な質問項目群を用いなければならない。そこ で,本稿を終えるにあたり,回答者の保有する政 治的知識量を測定する質問として今後行われる政 治意識調査に組み込むことが望まれる項目をいく つか提案したい。まず「統治の仕組み」の次元に 関しては,GLOPE 2005調査で質問された「日 本国憲法第9条」「三審制」「議院内閣制」の3項 目でこの次元に関する政治的知識の有無を的確に 測定できていることが本稿の分析の結果明らかと なったことから,これら3項目について今後も質 問を続けていけばよいと考える 。また,国際比 較を念頭に置く場合,既にいくつかの調査で取り 入れられているように,国連安全保障理事会常任 理事国を挙げてもらうという質問を用いることも 考えられよう。次に「政党政治の動向」の次元に 関する知識量の測定に際しては,本稿でも行った ように,政策争点に対する政党の立場や保革次元 上の政党の立場を尋ねる質問を用いて,二大政党 の相対的位置関係に関する認識が正しいか否かと いう観点から指標化すればよい 。最後に「政治 リ ー ダ ー」の 次 元 に 関 し て は,ANES 調 査 や GLOPE 2005調査と同様,インタヴュアーが人 物名を挙げて,その人物が現在就いている公職を 答えてもらうという形式の質問を用いるのが望ま しい 。対象とする人物としては,衆参両院議長,
内閣官房長官,外務大臣,財務大臣などが考えら れよう。これに関しても国際比較を考慮に入れる なら,国連事務総長,英米露仏首脳のうちいずれ かを入れるというのも一案である。このように,
「統治の仕組み」に関する3項目,「政党政治の動 向」に関して最低3項目,「政治リーダー」に関 して最低3項目を調査に組み込むことで,各回答 者の保有する政治的知識量を表す,妥当性を備え た,9点(以上の)尺度を構成することができる
。
そして何より重要なのは,同一の項目について 継続して質問し続けるということである。それに より,異なる調査データ間の比較分析や,時系列 的変化の検討が可能になるからである。今後,日 本における政治意識調査で,政治的知識を構成す る3つの下位次元全てを適切に反映した項目群が,
標準的に,継続して質問されるようになることを 強く望む。
[謝 辞]
本稿執筆にあたり,久米郁男先生(早稲田大学),建林 正彦先生(同志社大学),山本耕資先生(東京大学)から 建設的なコメントを頂戴した。記して謝意を表する。
[注]
⑴ ミシガン大学 ICPSR (Inter‑University Consor- tium for Political and Social Research)ホームペー ジ(http://www.icpsr.umich.edu/)か ら 2007年 1 月6日にダウンロードしたコードブックを参照した。
⑵ 一次元的であるとする根拠は,学校教育やメディア などの情報源が全国化してきており,しかも定期的に 広範な政治情報を提供していることから,大部分の市 民が同じ情報に接触していると考えられること,市民 が政治に関する情報を集める動機が,狭い自己利益の 観点ではなく,より一般的な政治関心や市民としての 義務感にあると考えられることなどに求められる。他 方,多次元的であると主張する際の論拠としては,提 供される情報に関して情報源ごとに多様性があり,同 時に人々の情報源へのアクセスのパターンも多様であ ること,政治について知ろうとする動機も人により異
な る こ と な ど が 挙 げ ら れ る(Delli Carpini and Keeter, 1996)。
⑶ 質問の内容にかかわらず,例えば全て「1」と回答 するなど,ある特定の方法でインタヴュー・質問項目 に回答する一般的傾向のこと。
⑷ 違憲立法審査権」,「連邦裁判所判事の指名権」,
「大統領の拒否権発動に対する再可決の要件」,「連邦 上院議員の任期」の4項目。
⑸ 先に紹介した4項目と,「(湾岸)戦争が実際に始ま る前,一方の政党が他方に比べペルシャ湾における軍 事力の行使をより支持していると思いましたか,それ とも両政党が同程度に支持していると思いましたか。
(前者を選択した人に対して)どちらの政党が軍事力 の行使をより支持していると思いましたか」という質 問に対する回答の正否の計5項目。
⑹ Dan Quayle, George Mitchell, Mikhail Gorba- 補遺 変数の定義
(注) 全て,最小値0,最大値1となるようリスケールを施した。
chev, Nelson Mandela の4名。
⑺ あなたの選挙区選出の連邦下院議員は,ペルシャ 湾での軍事力の行使について,どのような投票行動を 取ったか覚えていますか。(「覚えている」と答えた人 に対して)彼/彼女は賛成しましたか,反対しました か」,「あなたの州選出の連邦上院議員は,ペルシャ湾 での軍事力の行使について,どのような投票行動を取 ったか覚えていますか。(「覚えている」と答えた人に 対して)彼/彼女は賛成しましたか,反対しましたか
(2名についてそれぞれ尋ねる)」の3項目。
⑻ 二因子モデルは湾岸戦争に関する項目を独立させた もの,四因子モデルは「湾岸戦争」「統治の仕組み」
「政党政治の動向」「政治リーダー」の4つの潜在変数 を想定したもの,五因子モデルは四因子モデルの「政 治リーダー」を「著名な政治リーダー」と「著名では ない政治リーダー」に分けたもの。
⑼ 一 因 子 モ デ ル の χ /dfは 2.1,AGFI は 0.97で あ った。
⑽ 正答の項目数を単純加算したもの。
21世紀日本人の社会・政治意識に関する調査」
(略 称:GLOPE 2005,GLOPE 2007(CASI vs.
PAPI))は,文部科学省高度化推進研究オープン・
リサーチ・センター整備事業「政治経済制度・価値理 念の比較研究プロジェクト」(代表:須賀晃一早稲田 大学政治経済学術院教授)によって,2005年 11月,
2007年2月に実施された2波のパネル調査である。
文部科学省の上記の研究補助金と早稲田大学 21世紀 COE プログラム「開かれた政治経済制度の構築にむ けて」(GLOPE,代表:藪下史郎早稲田大学政治経 済学術院教授)による協力に感謝したい。なお筆者は,
同 COE プログラムの「研究協力者」となることで,
公開前にデータを利用する許可を受けた。このような 形でのデータ利用を許可された早稲田大学政治経済学 術院の田中愛治先生,河野勝先生をはじめ,同 COE プログラムの関係各位に,記して謝意を表する。
同調査では,本文中で取り上げる 13項目の他に,
次の質問も行われた。「日本国憲法で,国民の権利で あり,義務でもあると規定しているのは,どれだと思 いますか。1)選挙で投票(26.63%),2)税金を納 めること(43.95%),3)働くこと(12.17%),4)
裁判を受けること(2.29%),DK/NA(14.96%)」
(「統治の仕組み」の側面に対応)。ただ,予備的に分 析したところ,この項目に関しては政治的知識をうま く測定できていないことが判明したため,以下の分析 からは除外した。
もっとも,総選挙直後に調査が行われていればもう 少し正答率が高かった可能性もある。
当初はトニー・ブレアではなく細田博之(内閣官房 長官)について尋ねることになっていたが,調査の時 期と,予定されていた第三次小泉純一郎内閣の改造の 時期とが重なったため,ブレアに変更になった。
いずれの従属変数も,最小値0,最大値1となるよ うリスケールを施した。
なお,メディア接触量,政治的会話量,政治参加度,
政治関心度,有効性感覚,市民的義務感に関しては,
政治的知識の獲得を促進する要因であると同時に,政 治的知識によって高められるという側面も持つ。この ような双方向の関係を想定して政治的洗練性に関する 分 析 を 行 っ て い る 研 究 も 存 在 す る(e.g. Luskin, 1990)。だが多くの研究は,手法・解釈の簡潔さを優 先し,双方向の関係を認識した上で,単純な一方向の モデルを分析しており,本稿もそれに準ずる。
独立変数の定義については補遺を参照されたい。
scale indeterminacy を避けるために,一因子モ デルでは「争点:年金制度改革」,三因子モデルでは
「争点:年金制度改革」「統治の仕組み:裁判員制度」
「政治リーダー:河野洋平」,四因子モデルでは先の3 つに加えて「マニフェスト:公明党」について,因子 負荷を 1.000に固定した。
GLOPE が 2007年参院選前に行った調査で質問さ れた,「衆議院選挙では,小選挙区当選議員として何 人の議員が選出されることになっていると思いますか。
1)200人,2)250人,3)300人,4)350人」,「では,
比例代表区では何人選出されることになっていると思 いますか。1)180人,2)200人,3)220人,4)240 人」,「参議院議員の任期は何年だと思いますか。1)
3年,2)4年,3)5年,4)6年」という3項目も 候補となりうる。
ただし,測定に際して生じる誤差の影響を最小限に 食い止めるために,二大政党の立場がはっきりと異な る争点に関して,その違いが明確になるように質問す ることが,極めて重要となる。
方法としては,自由回答形式と選択式とが考えられ る。GLOPE が 2007年参院選前に行った調査では,
麻生太郎(外務大臣),扇千景(参議院議長),尾身幸 次(財務大臣),河野洋平(衆議院議長),塩崎恭久
(内閣官房長官)の5名について,選択式で質問され ている。
GLOPE 2005調査で質問されていない項目を調査 に組み込む場合には,その項目で政治的知識の有無を 測定できているかどうか,妥当性を改めて確認する必 要があることは言うまでもない。このため,本調査実 施の前に,パイロット調査やプレ・テストを行うのが 望ましい。
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