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築館層を土質材料とする盛土の締固め特性

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Academic year: 2022

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(1)

表-1 築館層の物性値

築館層を土質材料とする盛土の締固め特性

西松建設(株) 正会員 ○吉野 修 西松建設(株)加藤 隆弘,高田渉太郎

1.はじめに

宮城県大崎平野の丘陵地には新第三紀更新世の築館層が 分布する.築館層は鮮新世金沢層を不整合に覆い,全般的に 凝灰質で浮石粒を含んでおり軟質な砂岩(固結砂),泥岩(固 結粘土)を主体とし凝灰岩を挟んでいる.地盤工学的に①最 適含水比より自然含水比が湿潤側である,②含水比のばら つきが大きい,③一部の粘性土は鋭敏比が高く重機転圧が 難しい,④一般に浮石質で浸透に対する抵抗性に難がある などの課題があるといわれている.

今回,築館層を材料とした盛土を実施する機会を得たこ とから,平滑・タンピング振動ローラーによる締固め効果 を検証するために実施した室内締固め試験,ならびに試験 盛土の結果について報告するものである.

2.室内試験に基づく各層の基本性状

築館層の物性値を表-1,粒径分布を図-1に示す.

試験盛土材料のうち粘性土系の材料を細粒土,砂質系の材料を粗粒土 と以後表記する.比重のバラツキがあるがこれは粒子に空隙をもつ凝 灰質の浮石粒が含まれているためと考えられる.細粒分含有率 Fc は 15~91%と広範囲となっている.

3.締固め特性 3-1 室内試験結果

築館層の代表的な締固め曲線を図-2 に示す.最大乾燥密度は 0.9

~1.5g/cm

3

,最適含水比は 25~55%と広範囲となっている.自然含水比 は最適含水比より湿潤側にある.透水係数は 10

-5

~10

-8

cm/sec,粘着力,

せん断抵抗角は最適含水比より乾燥側で最大となっている.

室内試験結果より築館層は土質のバラツキが大きく締固め特性や締 固め後の力学特性の変化が大きいことが確認された.これを考慮し盛 土材料の有効利用の観点から粒度の異なる材料を混合し,その締固め 特性の変化を調べた.

3-2 試験盛土結果

(1) 試験施工条件

材料採取時の施工性を考慮し土取り場切羽で観測された細粒土・粗 粒土の層厚比を念頭において混合比 1:1(Case1)と 1:2(Case2)につい て盛土試験を実施した.材料物性を図-1,表-2に示す.試験盛土に

比重 自然含水

比 Wn(%)

細粒分含 有率 Fc(%) 築館層細粒土 2.299~

2.650

32.9~

77.2 66~91 築館層粗粒土 2.255~

2.706

17.4~

88.3 15~49

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0.001 0.01 0.1 1 10 100

粒 径 (mm)

通過質量百分率 (%)

□:細粒土(試験施工)

△:粗粒土(試験施工)

○:Case1 混合土(1:1)

◇:Case2 混合土(1:2)

築館層の 粒度分布範囲

図-1 築館層の粒度分布

図-2 締固め曲線と透水試験結果

( 1)

に加筆修正)

Wn Z.A.V.C

Gs=

2.67 Z.A.V.C

Gs=2.65

Wn Wn Wn

締 固 め 含 水 比 w (%) 1.9

1.8 ρd

(g/cm3) 1.7

1.6

1.5

1.4

1.3

1.2

1.1

1.0

0.9

0.8

100

50

0 40

30

20

10

0

1×10-3

1×10-4

1×10-5

1×10-6

1×10-7

1×10-8

締 固 め 含 水 比 w (%)

20 30 40 50

Cuu (kN/m2)

φuu (deg)

k

60 70

20 30 40 50 60 70

築館層

(cm/sec)

Wn

Wn

Wn Z.A.V.CG s=2.

61 Z.A

.V.CGs=2.55 Wn

Wn

Wn

Wn

Wn Wn Wn

試験盛土:粗粒土

試験盛土:細粒土

キーワード ローカルソイル,締固め特性,密度管理,試験盛土

連絡先 〒105-8401 東京都港区虎ノ門1丁目

20-10 西松建設(株)土木設計部 TEL03-3502-7635

土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

‑237‑

Ⅲ‑119

(2)

表-3 施工機械と転圧仕様 表-2 試験盛土に用いた材料 用いた細粒土・粗粒度単体の締固め曲線を図-2に示す.今

回用いた材料の粒径分布は一般的な築館層の中で細粒土は 室内試験結果の中では中央付近,粗粒土は粗粒側最大付近に 位置する.今回の材料が全般的に粗粒側にあるにもかかわら ずそれぞれの最大乾燥密度は室内試験結果の中では比較的 小さい方に位置する.

試験盛土の施工機械と転圧仕様を表-3に示す.盛土の目 標値は密度が砂置換法でD値=95%以上,透水係数が定水位法 ( マ リ オ ッ ト サ イ フ ォ ン ) の 現 場 透 水 試 験 に て 1.0 × 10

-5

cm/sec以下とした.

(2) 試験結果

試験盛土結果を図-3~6に示す.密度について Case1 では 平均では目標値を満たし,転圧

回数が多くなると結果のバラツキ が少なくなる傾向がみられる.ま たタンピング振動ローラーの結 果は平滑振動ローラーに比べて バラツキが大きい.Case2 では多 くの結果について目標値を満足 できない.転圧回数が多くなって も結果のバラツキが小さくなる傾 向はみられず,特に平滑振動ロ ーラーの場合では転圧回数が多 い方でバラツキが大きくなってい るため過転圧の可能性が考えら れる.タンピング振動ローラーの 結果は平滑振動ローラーに比べ て密度が小さくなっているが,こ れは前者の方が実質的な接地 圧が大きいので築館層に含まれ る浮石粒等の粒子破砕が生じた 可能性があると考えられる.

透水係数について Case1 では す べ て 目 標 値 を 満 足 し た が ,

Case2 では 8 回転圧の一部で管理基準を満たして 4.まとめ

築館層は粒度のバラツキが 高い.しかし,築館層の粘性土

参考文献

転圧機種 10t級平滑振動ローラー 10t級タンピング振動ローラー 細粒分含

有率 Fc (%)

最大 乾燥密度

最適 含水比 細粒土 52.6 0.922 56.0 粗粒土 10.6 1.023 49.0 Case1 (細:粗=1:1) 34.0 1.062 44.4 Case2 (細:粗=1:2) 20.6 1.076 45.0

転圧回数 6 回,8 回

試験ヤード 層厚(仕上がり厚)=20cm/層×5 層

0.90 0.95 1.00 1.05 1.10 1.15 1.20

20 25 30 35 40 45 50 55 60

含水比 w (%)

乾燥密度 ρd (g/cm3)

0.90 0.95 1.00 1.05 1.10 1.15 1.20

20 25 30 35 40 45 50 55 60

含水比 w (%)

乾燥密度 ρd (g/cm3)

いるものの大半は目標値を満足していない.

大きく類似粒度のみの土質材料では要求される諸特性を満足できない可能性が

・粗粒土を適切な割合で混合し平滑・タンピング振動ローラーにより締固めを 行うことにより,築館層を用いた盛土は今回目標とした機能を確保できることが分かった.

1)アースダム技術検討委員会:長沼ダム設計指針(案),pp.95-122,昭和 63 年 3 月

締固め試験値 10t平(砂置換法)6回 10t平(砂置換法)8回 10tタ(砂置換法)6回 10tタ(砂置換法)8回

Sr=100%,ρs=2.458g/cm3 Sr=90%

Sr=80%

Sr=70%

ρdmax=1.062g/cm3

ρdmax×0.95=1.009g/cm3

o pt

=44.4% 5%

o pt+5%=49.4%

9 5%

=53.8%

締固め試験値 10t平(砂置換法) 6回 10t平(砂置換法) 8回 10tタ(砂置換法) 6回 10tタ(砂置換法) 8回

Sr=100%,ρs=2.470g/cm3 Sr=90%

Sr=80%

Sr=70%

ρdmax=1.076g/cm3

ρdmax×0.95=1.022g/cm3

opt

=45.0% 5% o pt+5%=50.0%

9 5%

=53.7%

図-3 試験盛土結果(Case1) 図-4 試験盛土結果(Case2)

図-5 透水試験結果

(Case1)

図-6 透水試験結果

(Case2)

Case1(粘性土:砂質土=1:1)

1.0E-08 1.0E-07 1.0E-06 1.0E-05 1.0E-04 1.0E-03

4 6 8 10

転圧回数

透水係数(cm/sec)

Case2(粘性土:砂質土=1:2)

1.0E-08 1.0E-07 1.0E-06 1.0E-05 1.0E-04 1.0E-03

4 6 8 10

転圧回数

透水係数(cm/sec)

目標値

k≦1.0×10-5 目標値

k≦1.0×10-5

10t平6回 10t平6回

10t平8回 10t平8回

10tタ6回 10tタ6回

10tタ8回 10tタ8回

土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

‑238‑

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参照

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