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電位差適定によるセ ラ ミック粉体の表面電位 の測定

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(1)

岡山大学環境理 工学 部研 究報告

第9巻,第1号,pp.153‑162,2004年2月

電位差適定によるセ ラ ミック粉体の表面電位 の測定

三浦嘉也★・難波徳郎★・篠 田真克★

Eva lua t i onofSur f aceSt a t eofCe r ami cPa r t i cl esSus pendedi nAqueousSol ut i on by Pot e nt i ome t r icTi t r a t i onMe t hod

MIU

RAYos hi na ri * ,NANBATokur o女a nd

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( Re c ei vedNovember 28,2003)

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iO,ceramic partL'cle,.mSPe77SL'on,aqueOZLSSOlytion

1 はじめに

高機能性セ ラミックスの輿造には原料粉体の凝集状態 の制御が不可欠である。しか しその制御 はほぼ経験的に行 われているのが現状である。粒子の凝集状態が重要 となる 現象 としては焼結で発生 した気孔や異常粒成長であ り,こ れ らは低密度化や不均一化 の原因にな り強度 を低下 させ る。他九 微細な粒子は熱力学的に不安定であ り安定な状 態に移行 しようとして凝集する。このよ うな粒子 を水溶液 中に懸濁 させると電気二重層 を形成 し,表面が帯電す るの で1種類の粒子の場合 には斥力を受け凝集 しにくくなる。

この斥力の支配因子の一つは表面電荷量であ り,表面電荷 量の絶対値が大きいほど分散性が良い といえる。この よう に粉体の表面状態 を知ることは凝集 を制御す るために必 要不可欠である。

液体中に分散 している固体の表面状態 を知 る方法 とし ては,電気泳動法や流動電位法な どの測定法があるが,こ こでは電位差滴定による酸 ・塩基中和滴定法での測定結果 について報告を行 う。電位差滴定法は,試料 を懸濁 させた 溶液における粒子表面‑の 打 イオンの脱離吸着による滴 定曲線の変化 をブランク曲線 と対比 させ ることによって 表面の帯電状態 とその電荷量を求める方法である。この方

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■‑ ■■■■■■■■■■■l■■■■■■■■■■■■■lll■■■■■■■■llll■ll■■■■■■■■■■ +岡山大学衆境理工学部環境物質工学科

153

法では各pHにおける表面電荷量を求めることができるが 難溶性物質以外では粒子が 打 イオンを消費 しながら溶解 す るために正確 な表面電荷 量を求めることは困難 である とい う欠点がある。しか し電位差滴定法は簡便な方法であ るので今回は測定法の適用性 ・再現性の再検討 も兼ねてセ ラ ミックスを形づ くる種々の酸化物や非酸化物について 表面電位の測定を試み表面電荷量の算出を行った。

2

表面電位について

セ ラミック粉体の焼結性 は,主 として,原料粉体の粒形 と粒度分布,粒子の凝集状態 と分散性 ,粒界の移動の制御, 焼結雰囲気 に支配 され る。この うち,粒子の分散制御は重 要な工程であるに もかかわ らず制御が井 しく研究 も遅れ ている領域である。

2.1液中における粉体の分散状態の評価

2 . 1 ̲ 1

希薄系における分散状態

粒子表面は高い表面エネルギー を有 してお り正または 負に帯電 している。この粒子を水溶液 中に懸沸 させ ると粒 子表面の電荷 と逆符号のイ オンを吸着 して電気二重層 を 形成 し,表面近傍では電気的中性が成立 している。液中の 粒子表面の周 りにはFig.1ように表面電荷 と等量で反対符

(2)

Fig.1 Elecb'ost血Cinteractionofan oxidepowderdispersed inaqueoussolution1)

号の電荷がイオン雰囲気 を形成 しているl)。液中の逆符号 のイオンの一部は粒子表面に強 く吸着 し,Stem 層 を形成 しているが,残 りのイオンはクーロン引力とイオン拡散 と のバ ランスに よって拡散電気 二重層 を形成 してい る。

stem 層 と拡散電気二重層の境界は 「すべ り面」 と呼ばれ る。粒子が液中で移動 した時にはすべ り面より内側の吸着 層は粒子 とともに移動す る。拡散電気二重層 は大きな変形 を受けた り外部電場が印加 されたような場合には,粒子 と 逆方向への動きを示すよ うになる。このすべ り面 と拡散電 気 二重層 との境の表面電位はゼータ電位 くら電位)とほぼ 等 しく,表面の状態を知る尺度 として利用できる。ゼータ 電位が大きい と分散系は安定であ り粒子は凝集 しにくい と言える。ゼータ電位 と溶液のpHとの関係 を知 ることに よって分散系が凝集せずに安定に存在す る条件が得 られ る。特にゼータ電位がOになる溶液のpHは等電点 と呼ば れ る。

粒子の帯電状態が粒子の凝集形態 に与える影響 の一例 をFig.2に示す2)。カオ リン鉱物の泥 しょうでは板状粒子端 部にあるAl3'や Si4'イオンの周 りの02やOH'イオンの配列 がpHを制御することによって変わるので粒子端部を正, 中性,負のいずれにも帯電 させ ることができる。板状粒子 の帯電状態に応 じて粒子の凝集形態 もFig.2のよ うに変化 し凝集密度 も異なる。またゼータ電位が高ければ高いほど 拡散電気二重層 は空間的に広がることになるので泥 しょ うの流動性 は良くな り粘性 は低 くな ることが知 られてい る。

以上のよ うに等電点が分かれ ば分散 を制御す ることが できる。凝集 を促進 したい場合にはpHを等電点に設定す れば良い。また分散 させ る場合はpHを等電点か らできる だけ異なるように設定すれば良いことになる。

2.1.2酸化物扮体表面の構造 と性質

園体表面では化学結合の連続性 が切断 されてい るので エネルギーが高い状態になっている。表面構造の緩和によ

庵 唾

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Fig.2 Electrostaticstatesofclayparticlesdispersedin aqueous soldon with various PH values and aggregationmodes2)

ってエネルギーの低下が起 こるが電荷 のア ンバ ランスは 残存 してお り化学吸着が起 こる。酸化物粉体MOが水雰囲 気 に置かれた場合 には表面には水分が吸着 され(1)式のよ

うに表面水酸基が形成 されている。

‑M ‑ …

‑ +

H

2

0 ‑

‑M

A H + HO

一二 M

(1)

M

の電気陰性度が大きい と

,(

l

)

式の

… Hは,(2)式の よ うに解離 されて酸 としての性質 を示す。

‑MA H 一 一M‑Ol + 打 (2) 逆に M の電気陰性度が小 さい と,(3)式のように解離 され て塩基 としての性質 を示す。

IM

L

OH

一 一M' +

O

H‑

( 3 )

この よ うに酸化物 を構成 してい る金属の電気陰性度は吸 着水酸基の性質 を変 えるのでセ一 夕電位や等電点に影響

を及ぼす。

Fig.3は金属酸化物お よびカル シウム化合物における金 属の電気陰性度 と等電点の相関を示 したものである3)。両 者 の間には明瞭な相 関関係が認 め られ粉体分散水溶液の 安定性 をある程度見積 もることができる。

DZJE

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‑ イ寸

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鵬 と 仙州

4

▲ ■ イ

1ンの仙 zlln十37Zlz'

c

E

:

イオン■ J.:ボークyF亡上8t加 齢

Fig.3 CozTehtionbetwem pohtofzerocharge,PZC and elecb,onegativityofvariousmetaniccompounds3)

(3)

三浦 嘉也ら /セラミック粉体の表面電位の測定

2 . 1 . 3

希薄分散水溶液での粉体の表面電位の評価法 希薄系での粉体の表面電位の評価は,一般的には電気泳 動現象を利用 して測定 され.単位電場 当た りの粒子の電気 泳動移動度 より,ゼータ電位や等電点が決定 され る。電気 泳動法にも種々の測定法があ り,顕微鏡法,回転回折格子 汰,回転プ リズム法,レーザー ドップラー法な ど種々の物 理現象を利用す る測定法が提案 されている4・1)0

本研究ではゼータ電位の決定法 として電気泳動法 と同 程度に簡便な測定法であ り等電点や表面電荷 量 も簡単に 決定できる電位差滴定法 を用いその手法の有用性 を検討

した。

2 . 2

電位差滴定法による液中の粉体の分散状態の評価 溶媒に酸化物な どセ ラミック粉体を懸濁 させた時,懸濁 溶液の中和滴定曲線 と粉体 を入れ ないで滑 走 したブラン ク曲線 は一致 しない。 これ は,粒 子表面が水 と反応 して

‑MiOHとなっているためであ り,(2)または(3)式のよ う に解離 し,打 やOH‑が電位決定イオンとして作用する。 こ のため懸濁溶液の電位差滴定曲線 はFig.4のよ うにブラン ク曲線 とずれる。このズ レが粉体の分散性 と関連 してお り, 所定pHでの二つの滴定曲線の滴下量の差が 打 の脱離 ・吸 着量に比例するので,(4)式か ら粉体の表面電荷量 G。が計 算できる。表面電荷量の絶対値が大きいほ ど粉体間に働 く 斥力が強 くなるので,この手法により粉体の分散状態が評 価できる。また,滴下量に差がない時,つま り粉体 を懸濁 させた滴定曲線 とブランク曲線 が交わる点が等電点であ り,そこでは表面電荷量はゼ ロである。

00‑M・F・AV/m・S (4) ここで,M(mom);滴定水溶液の濃度,

AV(1);任意の pHにおける滴定水溶液の滴 下量の差, F;ファラデー定数(96500C/mol),

S(m2/g);粉体 の 比 表 面 嵐

m(g);粉 体 量

〇〇一〇▲■21Hd

6 8 10

滴 下 落 兼 /ItJ

12 14

Fig・4TypicalpotmtiometriCtitrationclm eSin alkalineaqueous solutionswithorwithoutcerami cpowdersbyacidictitrant

3

実験方法 3.1試料

以下に示す試薬や試料 を用いて表面電位等の測定を行 った。

α‑Al203,SiO2(α1uartZ),α‑Fe203,TiO2(ルチル型),MgO, Si3N4,Sic (以上 それぞれ高純度化学製),BN

,

ZrO2, Cr203(それぞれ半井化学薬品製),AlN (Venb・on製), CaCO}(関東化学製)

またゾル ・ゲル法で表面水酸基量の異なるSi02を作製 し.表面状態の影響 を検討 した。

ゾル ・ゲル法によ りSi02を作製 したがその作製方法を 以下に示す。

ゾル ・ゲル法によるSi02の作製

TEOS【テ トラエ トキシシラン Si(OC2H5)4】の加水分 解 と重縮合反応

加水分解 ; Si(OC2H5)4+4nH20

i Si(OH)4+4nC2H50H 重縮舎 ; 〝si(OH)4 う 〃Si

O

2

+

2〃H20 Si(OC2H5)4

+

217H20 1i nSi

O

2

+

4nC2H50H 作成方法

H20,fNO3,エタノール を混合 しマグネ ッ ト式ス ターラーにて摸拝oその後

,

T

EO

S(テ トラエ トキシ シラン)を加 え,溶液が透明になるまで さらに捷拝 す る。透明になった後に約 80℃で加熱 しなが ら1

日間乾燥 させ る。乾燥後,メノウ乳鉢 にて粉末にし, さまざまな焼成温度で1時間加熱 して残留有機物, シラノール基を除去 した。

3.2比表面積測定

比表面積測定装置 (湯浅アイオニ ック製モ ノソープ型, 岡山セ ラミックセンター設備)を用い,BETl点法で測定 した。吸着ガスは30%N2と70%Arの混合ガスを使った。

3.3粒度分布測定

粒度分布測定装置 (堀場製作所製LA‑920型,岡山セラ ミックセンター設備)を用い,水 を分散媒にして測定を行 った。光源 はHeJNeレーザー とタングステンランプである。

3.4電位差滴定法

電位差 自動滴定装置 (京都電子製 AT420型,岡山セラ ミックセンター設備)を使用 した。始めに0.02molAのKOH 水溶液50mlに一昼夜乾燥 させた上記の粉体試料1.0gを入

155

(4)

れ,マグネ ッ ト式スターラーにて携拝 しなが ら自動滴定装 置 を用いて 0.1moUlのHClまたはINO3水溶液 を20mi ま で滴下 し滴定曲線を作成 した。また,滴下速度 を変化 させ た時の滴定曲線‑の影響 について考察 した。

4

実挨結果 .考察

4 . 1

電位差滴定曲線の最適化

滴定における滴下速度が滴 定曲線 に及ぼす影響 を検討 =A した。Fig.5お よび6より滴下時間による滴定曲線の違いが はっき りと分かる。Fig.5の滴定曲線には

5

回の測定それぞ れが異なってお り再現性 は乏 しい。しか し,Fig.6のように 滴下に要する時間をlhと長 くす ると2回測定 ともほとん ど一致 した。この違いは滴下時間が短い と吸着が未完了で ある段階に さらに酸が滴下 され るため安定 した滴定曲線 が得 られないが,滴下時間が長い とその都度定常状態が達 成 されてお り,安定 した滴定曲線が得 られた と考えられ る。

12

10

8

6

4

2

0 5 10

0.1IトHCJ/pl 15 20 Fig.5 Dependenceoftitraltion curveon廿atmgint訂Val

(20ccofacidictitrantwastitratedfor30minutes)

12

1

0

8 6

4

2

ll‑ ‑‑ 〜1 ‑ Jl

0

5 10

0.11トHCり■t

15 20

Fig.

6 D

ependenceoftitrationcurveontib・atinginteⅣal (20cc ofacidichtrantwastitratedfor1hour)

4 . 2

種々のセ ラミック粉体の滴定曲線

(1) a‑Al203

8 6 42

0 5 10

0 . 1 N ‑ H N O

3

/ mJ

15 2 0

Fig.7 Titradon cuⅣes ofa‑Al 203SuSpended aqueous

soludontogetherwithblankctm e

6

声ヨ 遍 4 犠

2

0.1 1 10 1

0 0

1000

粒子径(JLd

静雄*鍵韓(VOO1

08

09等OZ

Fig.8 Parhclesizedistributionofa‑Al203

Fig.7にcL‑Al203懸濁液の滴定曲線 とブランク曲線 を対比 して示す。実線で表 した懸濁液の滴定曲線は二度測定 した ものを重ねてあ る。 また,Fig.8にこの実験 で使 用 した a‑Al203の粒度分布 を示す。Fig.7よ り懸濁液の滴定曲線は pH6付近でブランク曲線 と交わってお り等電点を決定す ることができる。等電点を境 に した酸 ・塩基側での両側で 表面電荷 を持つのでα‑Al203は分散性 を有することが分か る。等電点は6.0であ り弱酸性域である。Fig.8よ り算術平 均径 は3.86Pnである。

(5)

三浦 嘉也ら /セラミック粉体の表面電位の測定

(2) SiO2

12 1 0 8 6 4

2 1 0 15

0 ・ 1 N ‑ H N O

3

/ nJ

Fig.9 Tib‑ationcwvesofSiO2Suspendedaqueoussolution togeαwi也bla止 cuⅣe

Fig.9にSiO2懸濁液の滴定曲線 とブランク曲線 を対比 し て示す。実線で表 した懸淘液の滴定曲線は二度測定 したも のを重ねてある。この図は等電点を境 にして酸側ではブラ ンク曲線 と一致 している。この ことはSi02が酸側では溶解 や H+の脱離吸着が起きない事 を示 している。つま り酸側で は分散性は乏 しいことが分かった。等電点は 6.0であ り弱 酸性域であるO粒度分布 より算術平均径 は5.08pmである。

O S 10 15 20

0 . 1 M ‑ H N

O3/mI

Fig.10 Ti廿ationcuⅣesofTiO2SusPadedaqueous solutlOn togeαwi也blankcuⅣe

Fig.10に¶02懸濁液の滴定曲線 とブランク曲線 を対比 し て示す。実線で表 した懸濁液の滴定曲線は二度測定 した も のを重ねてある。この図のTi02はAl203と同 じ両性酸化物 であるのに等電点 を境 に して酸側ではブランク曲線 と一 致 している。同じ両性酸化物なら酸側でも滴定曲線はプラ

ンクと一致は しないはずであると考えられ る。等電点は5.5 であ り弱酸性域である。粒度分布 よ り算術平均径は2.15pn であった。

(4)ZrO 2

0 5 10 15

20

0 . 1 K ‑ H N

O3/rtL

ng.ll Tihtionctm esofZrO2Su甲 瓜dedaqueoussol血ozl togetherwithblankcurve

Fig.11にむ02懸濁液の滴定曲線 とブランク曲線 を対比 し て示す。実線で表 した懸濁液の滴定曲線は二度測定 したも のを重ねてある。この図でも等電点を境に して酸側ではブ ランク曲線 と一致 している。これは,打 の脱離吸着や む0 2

の溶解が起 こってお らず分散性 には乏 しい ことが分かる。

また,等電点は5.3であ り弱酸性域である。粒度分布 より 算術平均径 は22.3pm である。

(5) Si3N 4

0 5 10 1 5 20

0 1 1 N I H N O 3 / m L

Fig.12 Tib'ationcuⅣesofSi3N4SusPadedaqueoussolution togetherwith blankcurve

Fig.12にSi3N。懸濁液の滴定曲線 とブランク曲線を対比 157

(6)

して示す。実線で表 した懸濁液の滴定曲線は二度測定 した ものを重ねてある。酸性側でブランク曲線 と一致 している ことよりSi3N4は酸に溶解せず,また 打 の吸着 も起 こって ない と考えられ るo よって酸性側での Si3N4の分散性は低 い と思われ る。塩基性側ではケイ酸塩やNH3を生成する。

同 じ窒化物の AINに比べて酸 ・塩基‑の耐性は強い と思わ れ る。 また,等電点は3.7であ り酸性域である。粒度分布

より算術平均径は0.82pnである。

(6) αFe203

1 2 1 0

=

8

⊂ L 6 4

2 0 5 1 0

0 . 1 N ‑ H N O

3

/mI 1 5 2 0

Fig.13 Titra也On ctm esofa‑Fe203Sus pended aqueous

solutiontogetherwithblankcuⅣe

Fig.13にα‑Fe203懸濁液の滴定曲線 とブランク曲線 を対 比 して示す。この図は酸性側でブランク曲線 と一致 してい るがα‑Fe203は酸には溶解L Fe3'を生成す るはずであ り, ブランク曲線 と一致は しないはずである。電位差 自動滴定 装置の電極部分が汚れていたためではないかと思 う。粒度 分布 よりα‑Fe203の算術平均径は0.64岬1である。

(7)MgO

Fig,14にMgO懸淘液の滴定曲線 とブランク曲線 を対比 して示す。実線で表 した懸濁液の滴定曲線 は二度測定 した ものを重ねてある。 この図より酸 ・塩基性側でブランク曲 線 とかな りのズ レがみ られ,MgOを懸濁 させた滴定曲線 は 終娩 塩基性側にある。 これはMgOが水に溶けてMgOH を生成 しているためである。また,等電点は10.8であ り塩 基性域である。粒度分布 よりMgOの算術平均径 は7・55p である。粒度分布には Ipm のあた りにショルダーがあるが MgOが水に溶けて粒径が小 さくなったためではないか と 思われ る。

1 2

1 0

8

6 4

2 0 5 1 0

0 . 1 N ‑ H N O

3

/mI 1 5 2 0

Fig,14 Tib'ationctm esofMgO susmdedaqueoussol血on togetherwithblankcurve

(a) Cr203

2

0 8 6 4 2

1

1 エ d 0

10

0. 1

N‑HNO3

/ mJ

1 5 2 0

Fig.15 Tib'ationcurvesofCr203SuS押 ldedaqueoussoluhon togetherwithblaJikctm e

Fig.15にCr203懸淘碑の滴定曲線 とブランク曲線を対比 して示す。 この図より6.3の等電点を境に した酸性域,塩 基性域で分散性 を持つ ことが分かる。また,cr203は酸, 塩基には不溶であるためにこの曲線のズ レは 打 の脱離吸 着にだけ依存す ることが分かる。粒度分布 より算術平均径 は1.67l皿 であるo

(7)

三浦 嘉也 ら / セ ラ ミ ノク粉体の表面電位の測定

12 10

lH■■t

0 5

10

0 .1 N

IHN

D 3 /

m l

15 20

Fig.16 Titra

t i o

n ctm esofCa

C

O 3

S

us pended aqueous solutiontogetherwithblank

c

urve

Fig.16にCaCO3懸濁液の滴定曲線 とブランク曲線 を対比 して示す。 この図より等電点8.3より低い域では中性域で 緩やかなカープの滴定曲線になる.これはCaC03が酸に溶 けてC02を発生 してCa2+イオンを生成するために滴下 され た 打 イオンを消費 しなが ら反応 しているためだ と思われ

る。粒度分布 より算術平均径 は10.66l皿 である。

5 1 0

0 . 1 N ‑ H N O

3

/ m l 1 5 20

Fig.17 Titration cuⅣesofBN sugended aqueoussolution togetherwith blankcuⅣe

Fig.17にBN懸濁液の滴定曲線 とブランク曲線 を対比 し て示す。等電点4.5より低い酸性域ではブランク曲線 と一 致 しているため酸性域では ITイオンの脱離吸着や粉体の 溶解が起こっていないことが分かる。つま り,等電点 より

低いpH域では分散性は低い ことが分かる。粒度分布 より 算術平均径 は9.04PnであるO

(ll)Sic

8 6 4 2

159

0 5 10

0 . 1 N ‑ H N O

3

/ m l 1 5 20

Fig.18 TibTationcurvesofSic suspmdedaqueous soludon togetherwith blankcuⅣe

Fig.18にSiC懸濁液の滴定曲線 とブランク曲線 を対比 し て示す。 この図 より等電点は3.3付近であ り酸性域にあ り このpHより低いpH域ではブランク曲線 と一致 している ことにより分散性は低い ことが分か る。粒度分布 より算術 平均径は3.51l皿 である。

(12) AIN

0

8

6 1

d

0

5 10 1 5

20

0 . 1 N ‑HN O

3

/ n l r

Fig.19 Tib'ationclm eSOfAINsuspendedaqueoussolution togeth訂with blankcurve

Fig.19に AlN 懸濁樵の滴定曲線 とブランク曲線 を対比 して示す。実線で表 した懸瀞枝の滴定曲線は二度測定 した

(8)

ものを重ねてある。この図より酸 ・塩基性側でかな りの溶 解がみ られ る。滴下量OmlでのpH値が異なっているが,

これ は浸漬時間の違いによるものであ り上か ら二番 目と 三番 目の滴定曲線になるに従い長時間経ている。AINの分 解 し,NH 3が発生 していることに対応 している。AIN は 酸 ・塩基に良く溶け,酸 ・塩基耐性 には乏 しいことが分か る。

4 . 3

異なる滴下溶液での4‑Al

2 0

3の電位差清定

1 2

1 0

8

6

4

2

0 5 10 15 20

清下霊/nl

Fig.20 Tib'ationcuⅣesofcL‑Al 203Suspendedalkalinesol血 on byHClorHNO3titrantstogetherwithblankcurve

Fig.20は異なる 1価の酸 (HClまたは tNO 3)を滴下 し た ときのα‑Al 203懸濁液の滴定曲線である。 この時の等電 点は二つ とも5.0であ り,1価の電離度がほぼ 1の酸では 等電点に影響は及ぼさないことが分かった。このことより 多価の酸や電離度が 1以下の酸について どのよ うな違いが あるかの実験をしてみる必要がある。

4 . 4

懸濁液濃度の議定への影響

α‑Al203について試料重量を変えた時の滴定曲線の違い を調べた。Fig.21はα‑Al203の含有量を50mlKOHに対 し て0.5,1または2gとした場合の滴定曲線である。等電点 はほぼ5.6iO.1ぐらいであま り変わらない。しか し各pHに おける滴下量の差をみると0.5gと1.0gでは明 らかに違い があり,粉体量が増 えた ことにより粒子全体の比表面積の 増大‑の依存性が見 られ る。 しか し粉体量が 1.0gと2.0g では滴下量の差はあま り認め られない。一般的には粉体量 が増えれば全表面積は増大 し,より打 イオンの吸着量は多

くなる筈である。あま り差がない と言 う事は滴定に無関係 な粉体が多 くなっている可能性がある。

d

12

1 0

8 6

4

2

0 5 10 15 20

0.11JNQ

3

/tl

Fig.21 TitraltiOnctm esofa‑A1203SuSpendedalkalinesolution togetherwithblankcuⅣe(a‑Al 203pOWdesweresuspended0, 0.5,1or2gin50gKOHsolution,respecdvely)

4̲5 ゾル ・ゲル法で作成したSi02につ いて

1

0 8

6 4

2 5 10 15 2 0

0 . 1 N ‑ H N O 3 / mL

Fig.22Titrationctm esofSiO2powderssintqedatvarious tempqaturesa氏erfabricationbysol‑gelprocess

Fig.22はゾル ・ゲル法によ り作成 したSi02を種々の焼成 温度(焼成時間 lh)で加熱 したものの滴定曲線である。無焼 成か ら700℃までは残留有機物の除去が不完全であ り,ま た表面 シラノール基の不十分な脱水縮合 によ り塩基性側 で滴定曲線が極端に酸性にシフ トしている。また,細孔中 の水やアル コールの蒸発は200‑300℃で,また残留有機物 の酸化 ・分解は02下で400℃までで完了する。粒子表面上 のシラノール間の脱水縮合は800℃までで終了 している。

さらに細孔の消失 は 1100℃ までで粘性流動による閉孔焼 結す るこ とが分 か ってい る。 比表面積 が無焼成 物 では

(9)

三浦 嘉也ら /セラミック粉休の表面電位の測定

435.9m2g‑1であるが,1000℃の焼成のときは2.57m2g‑1にな り比表面積が減少 しているためこの温度では細孔は消失 していることが分かる。

Fig.23の

R

吸収挙動より,焼成温度を上げるとdにあた る960cml付近のSi‑OHの非対称伸縮振動の ピークの減少 がみ られる。これは表面シラノール基の脱水縮合反応が進 みシラノール基の減少に伴い ピークの減少が起きている。

このピークは800℃では完全に見 られなくな り.シラノー ル基の脱水縮合反応 は800℃までで終了す ることが分かっ た。これ らのことより表面シラノール基の残存量 と滴定曲 線のシフ トは良く対応 していると言える。

400 600 800 1000 1200 1100 1

6 0

0 1800 TaYenLAber/crrl

Fig.23 R spe C廿a ofSiO2POWders血 tered atvarious

tempemturesafterfabricationbysol‑gelprocess a;0‑si‑0orSi‑0‑Siの変形,b;Si‑0の対称伸縮振動 C;si‑0の非対称伸縮振動.d;Si{)Hの伸縮振動

4 . 6

等電点について

T&blellsoelectricpolntS,正Psofcerami cpowdersinvestlgated inthisex叩rlmentandthevaluesreferred

正Ps V山uesreferred cL‑Al203 6.3 9.16)

SiO2 5.9 1.8‑3.06)

MgO 10.§ 12.15)

ZrO2 5.3 6.75)

cL‑Fe203 ‑ 9.05)

TiO2 5.5 6.05)

Cr203 6.3 7.05)

CaCO3 8.3 7.4.5‑l0‑6,l0.5】6)) AIN 9.5

BN 4.5 Sic 3.3

種々のセ ラ ミック粉体 について滴 定曲線か ら得 られた 等電点をTiblelにま とめた。

Tablelにおいて等電点の値が今回の測定 と文献でかな りズ レているものがある。これは試料調整条件の違いや微 量不純物な どに よ り異 なった とも考 え られ注意深い再実 験が必要である。

4. 7

表面電荷量

(4)式 よりpH=3‑12までの表面電荷量を見算出 しその変 化の様子 をFig.24とFig.25に示す。

024

(lu/9)bbl 68

4 6 8 10 12

pH

Fig.24 DepaldemceofstFfacechargedensity oftheoxideson pHofaqueous solution

202

(N吉)oDI

4 6

8

10 12

pH

Fig.25 Dependence of surface chargedensity of the non‑oxidesonPHofaqueous solution

Fig.24において酸化物の表面電荷量は酸性側 より塩基性 側の絶対値が大きくなっていることが分かる。これは塩基

161

(10)

性側で クー ロン斥力が大 きい ことを示 し,分散性が高い こ とが分かる。 cLIFe203は滴定曲線 に信頼性 がない可能性 が あるために省いた。

Fig.25の非酸化物についても表面電荷量は酸化物 と同様 の ことが言 えるOAlNやCaC03は溶解の度合いが大きく他 の非酸化物の表面電荷量 とは異なったグラフになった。粉 体が溶解する時には 打 イオンや

0

汀イオンを消費 しなが ら溶解反応 が進むはずである。この反応 を考えていないた めに溶解度が高い粉体 は表面電荷 量の絶対値 がかな り大 きな値 となってい る。よって溶解度の高い粉体 については (4)式か ら計算で求 め られ た表面電荷 量の値 の信頼性 は低 い可能性がある。

5

総括

シ リカ,アル ミナな ど種々の酸化物お よび窒化 アル ミニ ウムな どの非酸化物 の粉体 について電位差滴 定法 による 表面電位の測定を行 った。溶媒の種類 ・濃度,滴下液の滴 下速度,粉体量な どについて基礎的検討 を加 え,電位差滴 定法 に よって粉体表面 をかな りの精度で キャラクタライ ズす ることが可能 であることを明 らかに した。つ ぎにゾ ル ・ゲル法で作製 したシ リカ粉体の熱処理条件 と表面電位 との相 関 を検討 しシラノール基の残存 と等電点 との関係 を検討 した。また比表面積 ・粒度分布の測定を行 うことで 表面電荷量の算出を試み,種々の粉体について溶液pHと 表面電荷量 との相関関係 に関す る知見 を得た。

参考文献

1) 内藤牧男,セラ ミックス,32,287‑291,(1997). 2) 水谷 ・尾崎 ・木村 ・山口著 "セ ラ ミックプ ロセ シン

グ ',技報堂,(1985),pp.106‑113.

3) 無機 マテ リアル学会編,"セ メン ト・セ ッコウ ・石灰 ハン ドブ ック",技報堂,(1995),pp.49‑63.

4) 武 田真一 ・田里伊佐雄,ニューセ ラ ミックス,No.6, 33‑37,(I992).

5) GA.Parks,Chem.Rev.,65,177,(1965).

6) 日本セ ラ ミックス協会編,"セ ラ ミック工学‑ン ドブ ック'',技報堂,(2002),pp.157.

参照

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