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ドリル切削に関する研究 (主として切削温度について)

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(1)

ドリル切削に関する研究 (主として切削温度につい

て)

著者

野添 光夫, 田中 秀穂

雑誌名

鹿児島大学工学部研究報告

2

ページ

83-88

別言語のタイトル

Studies on drilling (especially on drilling

temperature)

(2)

ドリル切削に関する研究 (主として切削温度につい

て)

著者

野添 光夫, 田中 秀穂

雑誌名

鹿児島大学工学部研究報告

2

ページ

83-88

別言語のタイトル

Studies on drilling (especially on drilling

temperature)

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essentialfbrthesakeoftoollivesandfortheeconomyofcuttingpower,tofixthecuttingcon-dition,observingtheformsofchipsandflowingpatternsofchips・ ReceivedMay31,1962. しさなどの理由により,敬遠されがちで研究資料に乏 しい.それだけに,まだまだ研究改善の余地が多く残 っているといえる. ドリル切削の優劣を決める最大要素としては,切削

'性能,工具寿命等が考えられるが,筆者らは,工具寿

命を左右する一要素としての,切削温度,切削抵抗が 作業条件により,いかに変化し,工具切れ味にいかな る影響をおよぼすかを究明するため,ドリル刃先尖 角,送りならびに切削速度の切削温度,切削抵抗にお よぼす影響をしらべた') 5).・ 2.切削温度の測定 ドリル切削温度を測定する方法として,次のものが

ド リ ル 切 削 に 関 す る 研 究

(主として切削温度について)

野 添 光 夫 * ・ 田 中 秀 穂 *

一一 第3次産業革命と称せられる,目動化と原子エネル ギー利用の時代となるにおよんで,工業のあらゆる部 門は,異常な発展をとげつつあり,技術の経済性が強 調されるにつれ,製作技術の比重はますます大きくな ってきている. 従来切削技術の分野では,バイト切削による理論追 求は,かなり大巾に進められているが,ドリル切削は バイト切削に比し,その作業量は大差なきにかかわら ず,回転切削の機構や,形状の複雑さ,測定のむづか * 機 械 工 学 教 室

(4)

リ 第 1 図 考えられる. (1)カロリーメーターを用いる方法. (2)切くずの色によって見る方法. (3)工具の中に熱電対をそう入する方法. (4)示温塗料による方法. (5)工具と被削物を熱電対とする方法. (1)の方法は,切くずをカロリーメーターに投入し て,その熱量を測定するもので,古くから行われてい るが,これでは投入するまでに空気中に放熱すること もあるので,測定精度がよくない. (2)の切くずの色によって見る方法は,切削温度に よって切くずが高温となり,いわゆる焼鈍色として, 温度に応じた色を示すので,その色によって,概略の 温度を知る方法で,おおよその値しかわからない.し かも切削条件が異ると,同一の刃先温度に対して,切 くずの色が異ってくるので,切削温度を見誤りやす い.又色の判定には,相当の熟練を要する. (3)の工具の中に熱電対をそう入する方法は,工具 刃先の近傍の温度を知るのに便利であるが,ドリルの ような,特殊な形状をもった回転切削工具では,穴あ けの困難さや,刃先の強度を害する欠点がある. (4)の示温塗料による方法は,概略の値はわるが, ドリルでは,切くずの排出ならびに穿孔面との摩擦に より,はげるおそれが多分にあるので,測定が困難と 思われる. (5)の工具と,工作物とを熱電対とする方法は,工 具と切くずとの接触する部位の平均温度がわかり,測 定精度,感度ともにすぐれているので,筆者等は,こ の方法を水銀接点を用いて測定することにした. ドリル刃先温輝'1灘匿図 Wル刃先墨度較正装留図 ) 製

被削材を圧着して,電気炉内に納め,切削実験の場合

と同じように,0∼300°C,0∼15mVの指示熱電温度

計にて読みを取り,一方ドリル刃先温度の真の読み

は,0∼1200℃,0∼50mVの指示熱電温度計を用い て,熱起電力一刃先温度較正曲線を求めた.第3図は その較止曲線である.

実験に使用せるドリルは,神戸製鋼所製SKH2(C一

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3.実験装置および方法 ドリル切削温度の測定法の測定法には,前述のよう に種々の測定法が考えられるが,本実験ではドリルと 被削材とを直接,熱電対とし,種々の切削条件の下に おける熱起電力を測り,較正曲線により切削温度を求 めた. 実験装置は第1図に示すように,ベークライト製絶 縁容器を,ポール盤本体に取り付けて水銀を満たし, ドリルにねじ止めした銅製カップを浸して,ドリルと 水銀との接点とし,ドリルはドリルチャックに絶縁材 を介して取り付けた.一方,被削材は絶縁材を介して 取り付け,導線によりミリボルトメーターに接続し た. 温度較正装置は第2図に示すように,ドリル刃先と

(5)

ノ 0 2 0 − > 切 肖 1 1 第 4 85 0.8%,Cr-4.0%,W-13.0%,V-1.0%),1/2"巾の標 準ドリルで,刃先尖角118。の他に,105.,130。に, 高木鉄工所製ドリルポインターにより研磨し,更に岩 田鉄工所製ドリル刃先角度検査器にて刃先尖角を検査 した. 被削材はSS41材(32仙×60)を用い,ボール盤は 吉田鉄工所製YUD−540を使用した. 切削条件として,送り0.1mm/rev,0.2mm/revの 2種とし,主軸回転数は215,285,405,530,690, 890r・pmの6種として切削速度を変えて,切削温度 およびスラスト,トルクを測定した.尚スラスト,ト ルクの測定には,EMS式ドリル,タップ切れ味試験 機ならびに真空マイクロ自動記録装置を用いた. 野 添 ・ 田 中 : ド リ ル 切 削 に 関 す る 研 究 − 凸

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樫唄|一江屋一 10 / − > 切 削 速 度 〃 ん I 恥 第 5 図 比らべ,約200℃高くなり,送りによる影響著しく, Chipも濃紺色を呈してくる.尚,刃先尖角105.のド リルでは,切削速度20m/min付近より変色しはじめ る.又いずれの場合も,切削速度が30m/minをこえ る付近より,ドリル刃先に切削焼けがみられる.この 点より考察すると,切削速度が400°Cをこえるよう な切削条件下での切削は,さけた方が望ましいと思わ れる. 第6図,第7図は刃先尖角,送りをパラメーターと して,切削速度のスラスト,トルクにおよぼす影響を 示したものであるが,スラスト,トルクともに送りに よって相当の影響を受けることがわかる.すなわち, スラストは送り0.1mm/revの場合に比らべ,送り 0.2mm/revの場合は,おおよそ2倍の値を示し,I、 0 1 J : 0 1 1 0 2 0 3 0 4 0 4.実験結果および考察 第4図,第5図は切削速度による刃先尖角,並びに 切削温度の関係を示したものであるが,いずれも切削 速度に比例して,直線的に切削温度は増加している. 第4図は送り0.1mm/revにおける各刃先角,なら びに切削速度によるドリル刃先温度をあらわしたもの で,いずれの刃先尖角の場合も,温度差は僅かで,刃 先尖角の切削温度に与える影響は少ない.刃先尖角 105°の場合は,Chipの焼けは左程見当らないが, 118.,130.の刃先尖角のドリルにおいては,切削速度 30m/min程度よりChipに焼けを生じている. 第5図は送り0.2mm/revの場合であるが,刃先尖 角118.のドリルが最も高い温度を示しており,以下 130.,105.の順となり,送り0.1mm/revの場合に比 らべ,送りを増すと刃先尖角の影響が大きくきいてく ることがわかる.とくに刃先尖角118。の場合,切削 速度30m/min付近では,送り0.1mm/revの場合に

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の排出が困難な場合には,ドリル溝と被削材の穿孔面

との間にChipがつまり,摩擦抵抗が増大するためト ルクも大きくなり,したがってChipの排出の良否が トルクに最も大きく影響することがわかる.その他の 場合においては,切削速度10∼20m/minの間で,い ずれも最小値を示す中凹のカーブになっている. 第8図∼第13図までは,種々の切削速度における スラスト,トルクならびに切削温度との関係を示した ものである.第8図は刃先尖角105.,送り0.1mm/rev の場合で,スラストは,切削速度20m/min付近で最 小値を示しているが,トルクは切削速度の増加ととも に減少し,切削速度30m/minをこえる点より徐々に 一定値に葉ちついてきている.このとき,いずれの切 削速度の場合もChipはすべてHowtypechipであ るが,215∼405r・pm(切削速度8.6∼16.2m/min) の場合より,530∼890r,p皿(切削速度16.2∼35.5m/ min)の場合の方がChipの排出が滑らかであったた めである. 送り0,2mmrevL〆

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890r、p、、(切削速度27.5∼35.5m/min)ではChipは

いわゆるteartypechipで,濃紺または青紫色を呈 し,相当の焼けがみられる.とくに890r・pmでは切 削温度が,送り0.1mm/〕.evの場合に比して約100°C 高くなっている. 鮒10図は刃先尖角118.,送り0.1mm/revの場合 ” あb

40[ 3of 206 100 0 100 ⑱ 5 爪1111 ロ 1 0 2 0 3 0 4 , −−>切削速度’1%、‘m 第 7 図 ルクは約1.5倍の値を示している.とくに切削速度が 増加するにつれ,その影響度は大となる(切削速度 30∼40m/minの場合は約2倍).またスラストは切 削速度17∼18m/min付近で,いずれの刃先尖角の場 合も最小値を示し,その後,漸次増加の割合も大きく なってくる(第6図).トルクも大体,スラストの場 合と似た傾向を示すが,送り0.1mm/revの場合,刃 先尖角105.,118。のドリルにおいては,切削速度の 増加とともにトルクが減少しているが,これは後述の

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卜は切削速度の増加につれ増大しているが,405r,p、m (切削速度16.2m/min)付近よりChipに焼きがみら れ,Chipは切削速度の増加とともに濃紺色を呈して くる.又,スラストは285∼690r,p、、(切削速度15.5 ∼27.5m/min)までは大体一定しており,890r、p,m (切削速度35.5m/min)になって増加しているが, 405∼690r・pm(切削速度16.2∼27.2m/min)あたり で,すでにChipは焼きがみられ,Chipの排出は比 較的良好であるが,890r、p、mになるとteartypechip となり,Chipの排出は極端に悪く,したがってトル クが増大したものと思われる. 以上の結果から,スラスト,トルクが切削速度20 m/min付近で,いずれも最小値を示すというのは, 切削速度10m/min以下では切削温度も低く(切削速 度8.6m/minで切削温度平均平均150∼120°C),し たがって切削抵抗も大きいが,20m/min付近の切削 速度のとき,他の切削条件に比らべて,Chipの排出 が滑らかであったということともに,温度の点につい て考えると,切削速度20m/min以下というのは, 大体切削温度200∼300℃の間である.この200∼ 300℃というのはこの被削材SS41では,ちょうど青 熱脆性を起し,硬度的には,常温におけるよりも硬度 を増しているはずであるにもかかわらず抵抗は小であ る.その後切削速度の増加とともに,スラスト,トル クともに増加の傾向をたどるが,この観点から考える と,切削速度の増加とともに切削温度は上昇し,被削 材はそれにつれて軟化し始めるとともに粘りを増し, そのためにドリル切刃部と切削面,或いはランドと穿 孔内壁面との摩擦抵抗の増加のためで,又切削温度 200∼300℃付近で,トルク,スラストが最小値を示 すのは,被削材は硬度的には硬くなっているが,脆性 のために粘りが少なくなっているためと考えられる. また,送り0.2mm/revの場合,総じて切削速度の 増加につれ,トルク,スラストの増加の割合が,送り 0.1mm/revの場合に比して大きくなっているのは, 送り0.2mm/revで切削速度をはやくすると,Chip はすべてteartypeとなり,排出困難で,したがって 摩擦熱により切削温度も上昇するとともに,切削抵抗 も増大してくるのである. 5 . 結 論 以上の結果より次のことが要約される. (1)SS41材においては,切削温度は送り0.1mm /rev程度では,刃先尖角の影響は左程あらわれない が,送りが倍加すると刃先尖角の影響がみられ,とく に標準ドリルの刃先尖角118。の場合は,温度上昇が 他の刃先尖角130。,150.の場合に比らべて著しい、 (2)切削抵抗としてのスラスト,トルクは,ほぼ同 じような傾向をたどるが,ともに送りの影響著しく, 送りにほぼ比例して増大する.また切削速度の増加に つれて増大するが,送りのいかんにかかわらず,ほぼ 20m/min付近での抵抗は最小値を示す5). (3)刃先尖角の大きなほど,送りによってトルク, スラスト,切削温度ともに大きく影響するので,刃先 尖角を大きくした場合は,送りを小いさくせねばなら ぬ. (4)切くずの形状'は送り0.1mm/revの場合,刃 先尖角のいかんにかかわらず,いずれも良好であるが とくに118°の場合も最も好ましく,送りが0.2mm/ revと倍加すると,切削速度30m/min付近より,む くれ型切くずを発生し,切削温度,切削抵抗の増大を もたらしている. (5)ドリル切削においては,切くずの形状ならび に排出の良否が,切削温度,切削抵抗に大きく影響 し,工具寿命,切削動力軽減のためには,切くじ形状 と排出状態よりの切削条件の選定が最も大切である. 文 献 1)A・OSchmidt&』.R・Roubik:Distribution ofHeatGeneratedmDrilling,Trans・ASME 71,(1949). 2)B、T,Chao&K、J・Trigger:CuttingTempe‐ ratureandMetalCuttingPnenomena,Trans, ASME,73,6,Aug(1951). 3)岩佐豊蔵:不二越技報,14−3(昭33-7),41. 4)山本明:精密機械,17−9(昭26),298. 18−5(昭27),164. 〃 〃19-11(昭28),408. 5)野添光夫:鹿児島大学工学部紀要,8(昭34),50,

参照

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