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インドのエネルギー政策 -- 海外権益の確保と原子力発電の推進 (特集 途上国のエネルギー政策)

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(1)

インドのエネルギー政策 -- 海外権益の確保と原子

力発電の推進 (特集 途上国のエネルギー政策)

著者

内川 秀二

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名

アジ研ワールド・トレンド

195

ページ

23-26

発行年

2011-12

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00004097

(2)

  インドでは独立後から経済改革 の始まる一九九一年まで石炭、石 油、電力といったエネルギー部門 への民間の参入が認められず、政 府が直接開発に当たってきた。し かし 、エネルギーの自給率は高 かったが、この間にエネルギー部 門の技術革新が進まず、国際的水 準から遅れてしまった。競争原理 の導入により生産性の上昇をめざ す経済改革によりエネルギー部門 にも民間企業の参入が認められ 、 価格統制、 輸入制限が撤廃された。   一九 八 〇 年 代 以 降 三 〇 年 間 に わ たり 安 定 した 経 済 成 長 を 遂 げ 、 エ ネ ル ギ ー の 国 内需要 は 急 速 に 拡大 した 。今 後 も エ ネ ル ギ ー 需 要の 急 増が 見込ま れ 、 イ ン ド 政府 は い か に安 定し た価 格 で エ ネ ル ギ ーを国 民に 保 障 し て い く かと いう 課 題 を 突き つ け ら れ て い る 。 エ ネ ルギ ー につい て は 需 給 バ ラ ン ス に 合 わ せ て価 格 を 上 げ る わ け に は い か な い 。   本稿では石炭、石油、電力の各 部門で生産の増大とともに産業構 造がどのように変化してきたかを 検証する。さらに、拡大していく エネルギー需要に応えるために海 外のエネルギー資産を取得し、原 子力発電の推進しようとしている 実態を明らかにする。

一.

経済改革とエネルギー部門   イン ドの 人 口 は二〇 〇 一 年 の 一 〇億 二 八 七 〇 万人か ら 二 〇 一 一 年 に一 二 億 一 〇 一九 万 人 に 増 大 し た 。 また 、 経 済 成 長とともに 一 人 当 た りエネ ル ギ ー が 増 大 し てい く。 統 合エネ ル ギ ー 政 策 は 、 平 均 八 % の 経済成長を遂げ る と 仮 定 し 、 二 〇 〇 一 年 の 実績 に 基 づ き 将来 の エ ネ ルギー消費量を予測し て い る 。 こ の予 測では 一 人 当 たり 商 業 一 次 エ ネル ギーは 二 〇 〇 四 年 度の 三〇 六 キロ ︵ 原 油 換 算 ︶ か ら 二 〇 三二 年 に一 一 二 四 キ ロ に 増 大 す る こ と に なっ て い る 。 この 間 に 商 業 一 次 エ ネル ギー の構 成は変 化 し 、 石 油 の 比率が 下 が る 一 方 で 、 石炭 、 天 然 ガス 、原 子 力 の 比 率 が 上 昇 してい る。こ れ は 電 力 需 要 の 増 大 に 対 し て、石 炭 お よ び 天 然 ガ ス を 燃 料 と する火 力 発 電 所の設 立 と原子 力 発 電 の 増 設 に よっ て 発 電 量 を増やし て い く戦略 に よ る もので あ る 。   では、 実際 に 石 炭、 石 油 ・ 天然ガス の 生 産 が ど の よ う に 変 化 し て き た の か を 見 て みる。 石炭の 国内生産量は一九九〇年度の二億 一四〇六万トンから二〇〇九年度 の五億三二〇六万トンへと増大し た。火力発電所による需要がこの 間に約四倍にまで増大し、石炭の 総需要に占める発電用需要のシェ アは五三・三 % から七〇 % にまで 上昇した。   一九九三年に石炭産業への民間 部門の参入が認められ、二〇〇〇 年には価格が自由化されたが、実 際には公共部門の独占状態が続い ており、マーケット・メカニズム を通しての価格決定は行われてい ない。統合エネルギー政策は石炭 産業が生産性を上げていくととも により深い地層まで採掘できる技 術が必要なことを指摘している。   また、インドの石炭は灰分が多 くカロリーが低いため、石炭の国 内輸送費を考慮すると、沿岸部に 輸入石炭を使用して発電する火力 発電所を建設した方が発電費用を 抑えることができると主張してい る。現に良質のコークスをもとめ て製鉄企業がコークス用の石炭を 輸入し、火力発電所が輸入を増や した。   一九九九年まで石油・天然ガス の上流事業 ︵探鉱 、 開発 、生産︶ は石油天然ガス公社 ︵ ONGC ︶ 表1 商業一次エネルギー需要構成の予測 水力 原子力 石炭 石油 天然ガス 2004年 2.1 1.5 51.3 36.3 8.8 2032年 2.3 6.5 55.5 22.5 13.1 (出所)Govt. of India, , 2006, p. 28. (%)

途上

政策

途上国の

エネルギー

政策

特 集

︱海外権益

原子力発電

推進︱

(3)

およびオイル・インディアの国営 企業二社にのみ認められてきた 。 一九九九年から外国企業を含む民 間部門の参入を認めた背景には石 油・天然ガス開発への投資を活性 化させるとともに、外国企業の技 術を導入し、それを資源開発に結 びつけたいという意図があった 。 一九七四年にムンバイ沖で海底油 田が発見されたあと、新たな油田 の発見には至っていない。そのた め、生産量も三四〇〇万トン前後 で推移し ︵ 図 1︶、増大する国内 需要を賄うために輸入が一九九八 年度の三九八〇万トンから二〇〇 九年度の一億五九三〇万トンまで 約四倍に増大している。   天然ガスについては二〇〇二年 に民間企業であるリライアンスが クリシュナ・ゴダベリ湾で天然ガ スの発見に成功した。さらに、二 〇〇五年にはグジャラート州石油 公社がクリシュナ・ゴダベリ湾内 の別の鉱区で天然ガスの発見に成 功し、現在開発中である。二〇〇 九年度にはリライアンスによる生 産が本格化し、天然ガスの生産量 は二〇〇八年度の三二九億立方 メートルから四七五億立方メート ルに急増した。これにより二〇〇 五年度では国営二社が天然ガス生 産の七七 % を占めていたが、二〇 〇九年度には民間企業の比率が四 六・三 % にまで高まった。天然ガ スは自動車などの燃料としても利 用されているが、おもに火力発電 所の燃料として使われている。国 内での天然ガス生産が増大したに もかかわらず、国内需要の拡大に は追いつかず、液化天然ガスの輸 入は二〇〇五年度の五〇六万トン から二〇〇九年度の八八三万トン へと増大している。   石油を精製する下流部門におい ては民間企業の参入とともに国営 企業による合併が進行した。リラ イアンスはグジャラート州のジャ ムナガル ︵ Jamnag ar ︶に精油所 を建設し、一九九九年から操業を 開始した。その後生産能力が年産 三三〇〇万トンにまで拡張され 、 インド最大規模の精油所となって いる 。エサール ︵ Essar ︶も年産 一〇五〇万トンの生産能力を持つ 精油所を建設し、二〇〇六年から 生産を開始している。国営精油所 は生産能力が小規模で内陸部に立 地するものが多く、統合された結 果、インディアン石油、ヒンドス タン石油、バーラット石油、チェ ンナイ石油の主要四社にグループ 化されている。   二〇〇二年以降は低所得層向け の公共配給用灯油を除き、石油製 品の小売価格は自由化されるはず であった。しかし、国際原油価格 が高騰する中で、国営企業は政府 からの認可なしに石油製品を値上 げすることができず、価格管理は 残存している。インド政府はイン フレが続く中で石油製品価格の値 上げが輸送費の増大につながり 、 さらにインフレを加速することを 恐れている。現に、石油製品価格 の値上げが認められた際には野党 が激しい批判を行ってきた。原料 となる原油価格が値上がりする一 方で、石油製品価格の値上げが認 められないため、国際原油価格が 急騰した二〇〇五年度および二〇 〇八年度には赤字を計上する国営 企業がでた。それに対してリライ アンスは傘下に石油化学企業があ るため、自社内で必要なナフサを 残し、他の石油製品を輸出してい る。このために、インドは原油の 輸入依存度が高いにもかかわら ず、二〇〇〇年度からは石油製品 の純輸出国となっている。

インドによる海外のエネ

ルギー資産の取得

  インドは原油の輸入に依存せざ るをえないが、海外のエネルギー 表2 企業別天然ガス生産量 年度 2005 2006 2007 2008 2009 オイル・インディア 22.7 22.7 23.4 22.7 24.2 (OIL) (7.0) (7.1) (7.2) (6.9) (5.1) 石油天然ガス公社 225.7 224.4 223.3 224.9 231.1 (ONGC) (70.1) (70.7) (68.9) (68.5) (48.6) 民間企業 73.6 70.4 77.4 80.9 219.9 (22.8) (22.2) (23.9) (24.6) (46.3) 合計 322.0 317.5 324.2 328.5 475.1 (注)括弧内は%を表す。 (出所)Govt. of India, , p. 11. (億立方メートル) 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 (100万トン) 原油国内生産 原油輸入 石油製品輸出 石油製品輸入 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999 1998 1997 1996 1995 図1 インドの原油生産と原油輸入

(4)

資産を取得することでエネルギー の安定供給を確保しようとしてい る。政府は国営の ONGC に一〇 〇 % 出資で子会社の ONGC ヴィ デシュ︵ V idesh ︶を設立させ、こ の子会社に海外での探鉱・開発に 当たらせている。 現在、 ヴィデシュ はインドで親会社の ONGC に次 ぐ探鉱 ・開発企業となっている 。 インド会計検査院 ︵ Comptroller and A uditor General of India ︶の 報告書によるとヴィデシュは二〇 一〇年三月三一日時点において一 八カ国で四五の資産を取得してい た。投資総額は五二四九億ルピー であり、二〇一〇年三月三一日時 点のレートで計算すると、約一一 六億ドルになる。これだけの金額 を投資しても、二〇〇七年度から 二〇〇九年度における実際の生産 額は原油については九資産合計で 六五〇万トン前後、天然ガスにつ いては二二億立方メートルに過ぎ ない ︵表三︶ 。二〇〇九年度にお ける国内生産に対する海外生産比 率は原油で一九・三 % 、天然ガス で五・〇 % にしか相当しない。多 額の資金を支払って資産を取得し ても、探鉱に失敗して、八資産か らは撤退している。このような投 資のリスクを一国営企業が負える のは、親企業である ONGC が国 内市場で十分に利益を確保できる ような産業構造ができているから である。   ONGC が高い収益率を維持で きる理由として二点考えられる 。 第一に 、政府からの保護である 。 ONGC は一九九三年に政府の石 油 ・ 天 然 ガ ス 委 員 会 ︵ Oil and Natural Gas Commission ︶が株式 会社化されることで発足し、国内 の石油・天然ガス資産の九〇 % を 引き継いだ。二〇〇二年に石油備 蓄 勘 定 ︵ Oil P ool Account ︶ が 廃 止されるまで、原油販売価格が政 府によって管理される代わりに 、 純固定資産と標準的な運転資本の 合計額の一五 % までの税引き後利 益が保障されていた。第二に、下 流の国営企業への販路が確立され ていることである。下流企業は石 油製品価格を政府によって管理さ れているが、 ONGC は販売価格 を値上げできる。この結果、国際 原油価格が高騰した二〇〇八年度 に石油・天然ガス省の傘下にある 一三国営企業の税引き後利益の総 額が前年の二九〇四億ルピーから 二六七三億ルピーに減少する中 で、 ONGC の税引き後利益は一 五一三億ルピーから一六一三億ル ピーに増大している。

三.原子力発電の発展

  インドでは一九四八年の電力法 により州電力局が各州の発電、送 電、配電を担ってきた。州電力局 の資金不足により発電所の新設が 需要の拡大に追いつかなかったた め、一九七五年から国営火力発電 公 社 お よ び 国 営 水 力 発 電 公 社 が 設 立され、 中央 政 府 が 電 力 部 門 の て こ 入 れ を 行 っ た。 各州電力 局 は 累 積 赤 字を抱え、 非 効 率 な 経 営 が 恒 常 化 し て い た た め 、 経 済 改 革 以 降 は 民 間 の 発 電 、 送 電 、 配 電 へ の 参 入 が 認 め ら れ、 競争原理 の 導 入 が 試 みられた。 一 九 九 八 年 か らは主要な州において州電力局の 株式会社化が実施された。 しかし、 電気料金の未収と送電中のロスに より、州電力公社は赤字を累積し 続けている。統合エネルギー政策 は電気料金請求額の四八 % 以下し か占めていない工業および商業の 消費者が料金回収額の七〇 % 以 上 になっている事実をあげ、電気料 表3 ヴィデシュによる海外資産への投資額および生産量 国 プロジェクト 投資額 (2010年3月31日) 生産 2007年度 2008年度 2009年度 石油  ロシア サハリン1 海底 17,472.96* 223.4 185.3 153.2 インペリアル 陸上 11,251.33 7.6 54.3  ベトナム 6.1 海底 1,163.44* 2.9 4.6 4.2  シリア Al Furat 陸上 1,189.11* 95.1 81.2 69.4  スーダン 5A 陸上 1,830.80 29.4 28.5 24.7 大ナイル石油プロジェクト 陸上 7,899.31 298.1 244.3 212.6  コロンビア マンサロバー 陸上 3,154.46 35.1 37 40.9  ベネズエラ サンクリストバル 陸上 832.16 67.1 70.4  ブラジル BC10 海底 2,456.06 19.2 合計 684 655.6 648.9 天然ガス  ロシア サハリン1 海底 石油に含まれる 3.45 3.72 3.9  ベトナム 6.1 海底 16.17 18.48 19.67  シリア Al Furat 陸上 0.24 合計 19.62 22.2 23.81 (注)*天然ガスへの投資額も含まれている。

(出所)Comptroller and Auditor General of India ホームページ

(http://saiindia.gov.in/english/home/Our_Products/Audit_Report/Government_Wise/union_audit/recent_reports/union_ performance/2010_2011/Commercial/Report_no_28/annexures.pdf)

(原油:億トン、天然ガス:億立方メートル)

(5)

金の未収が改革を妨げていること を強調している。   このような問題を抱えながら も、発電量は一九九〇年度の七万 七七八二ギガ・ワット時から二〇 〇九年度の一二万五三一六ギガ ・ ワット時に増大している。二〇一 一年三月三一日時点での発電能力 の構成を見てみると 、火力が六 五 % 、水力が二一・六 % 、原子力 が〇・七 % 、小規模水力発電など その他が一〇 ・ 六 % となっている。 さらに火力発電の内訳を見てみる と、石炭が五四・一 % 、天然ガス が一〇・二 % 、石油が〇・七 % と なっており 、石炭と天然ガスの シェアが高い。   現 在 世 界 か ら 注 目 さ れ て いるの はイ ン ド の原 子 力 発 電 である 。 イ ン ド で 原 子力発電 は 長 い 歴史が あ り、 一 九 六 九 年 に 開 始 さ れ た 。 現 在六 発電所 で 二 〇 基 の 原 子 炉が 稼 働し て お り 、 総 発 電 能 力は 四七 八 〇メ ガ ワ ッ ト であ る 。 イ ン ドは当 初フラ ン ス 、 アメ リカ 、 カ ナ ダ か らの 協 力 を 得 て 、 重 水 炉、高 速 増 殖試験炉 、 軽 水炉を 建 設 し た 。 し かし 、 一 九 七 四 年 に 核 実 験 を 実 施 したあ と 、 こ れ ら の諸 国 は イ ン ド から 撤 退 した 。 一 九 七 〇 年 に発 効 した 核 兵 器 不 拡 散 条 約︵ N P T ︶は 、 アメリカ 、 ロ シ ア 、 イ ギリ ス 、 フ ラ ン ス 、中国 の 五 カ 国 を﹁ 核 兵 器国 ﹂ と 定 め 、﹁核兵器 国﹂ 以外 へ の 核兵 器の 拡 散 を 防 止 す る こ と を 目 的 と して いる 。 こ の 協 定 は 、 原 子 力 の 平和的利 用 の 軍事技術 へ の 転 用を 防止 す る た め 、 非 核兵器 国 が 国 際 原 子 力 機 関 ︵ IA EA ︶ の 保 障 措 置︵ 査 察 ︶ を 受 諾 す る こ と を 条 件 に非 核 兵 器 国 に よ る平 和 的 利 用 を 認め て い る 。 イ ン ド は 核 保 有国 に 有利 な 不 平等条約 で あ る と し て N PT に 締 約 し てい ない た め 、先 進 国か ら の 協 力 を得ら れ ず 、 独 力 で 原 子 力発電 の 技術 お よ び 核 燃料サ イク ルを開 発 し て きた 。 こ の よ う な 状 況 で イ ン ド は 海外 か ら 核燃料 の供 給 を 受 け る こ とが できなか っ たため 、原 子 力 発 電は 成 長 しなか っ た。 さ ら に、 一 九 九 八 年 に は イ ン ドは再 び 核 実 験 を 実 施 した。   インドは国際社会で孤立してい たが、この状況を変えたのが印米 原子力協定である。この協定はイ ンドが二二の原子力・核関連施設 のうちインドが民生用であると判 断した一四の施設については I A E Aの査察を受け入れる代わり に、アメリカは民生用核技術協力 と核燃料の供給を保証するもので あった。軍事用核施設を持つイン ドへの核技術協力は NPT の趣旨 に反しているにもかかわらず、ア メリカが原子力発電の技術供与に 踏み切ったのは、インドを原子力 ビジネスの市場として魅力的だと 見なしたことが大きい。二〇〇八 年には印米原子力協定が発効した あと、フランス、ロシアとも原子 力協定が締結されている。とくに ロシアは積極的にインドにウラン を供給し始めた。

●まとめ

  エネルギー部門における経済改 革は必ずしも成功していない。消 費者への価格を自由に設定できな いところに難しさがある。州議会 選挙の際に農業用電気を無料にす るといった公約が出され、この公 約が実施されたこともある。 また、 石油製品価格についても野党から の批判を恐れる政府が値上げを先 延ばしにすることによって、下流 の国営企業は経営を圧迫される 。 そもそもエネルギー部門において どこまで市場が機能するのかは疑 問がある。海外のエネルギー資産 を取得するのは市場原理を超えた 国家戦略である。今後も国内のエ ネルギー需要が急増しているイン ドと中国が、探鉱に失敗するリス クを冒しても海外のエネルギー資 産の取得に積極的な姿勢は変わら ないであろう。原子力ビジネスに ついても先進国はインドに積極的 なセールスを行っている。アメリ カは NPT よりもビジネスを優先 させた。 ︵うちかわ   しゅうじ/アジア経 済研究所   研究支援部︶ ︽参考文献︾ ① Govt. of India, , 2006. ② Govt. of India, Basic Stat ist ics on Indian P etroleum & Natural Gas 2009-10. ③ Govt. of India, , 2007 and 2011. ④ 石油天然ガス・金属鉱物資源機 構 [ 二〇〇八] ﹃台頭する国営 石油会社新たな資源ナショナ リ ズ ム の 構 図 ﹄ エ ネ ル ギ ー フォーラム、東京。 ⑤ 日本エネルギー経済研究所[二 〇〇七] ﹃中国 ・ インドのエネ ルギー情勢と政策動向﹄ ︵ http:// eneken.iee j.or .jp/data/ pdf/1557.pdf ︶ 。

参照

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