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友人恋人の役割期待の時間的変化について

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Academic year: 2021

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友人・恋人関係における役割期待の時間的変化について

Role expectation for a partner changes with time

熊谷 優希

,日根 恭子

Yuki Kumagai, Kyoko Hine

東京電機大学情報環境学部,豊橋技術科学大学大学院情報・知能工学系

Tokyo Denki University, Toyohashi University of Technology [email protected]

Abstract

Role expectation has an important role on building relationships. However, it was not clarified how/whether role expectation is changed with time. In the current study, we conducted the investigation in which participants answered to a questionnaire of role expectation. Also, participants were asked how long the relationship has been lasted with their partner. As a result, the score of “help, confidence” to the partner with long relationship was higher than that to the partner with short relationship. This results suggests that it is important to consider a partner especially in long relationship period in order to keep a good relationship.

Keywords – Role expectation, Cross-sectional survey, Partner

1. 背景

人は他者から抱かれる期待の影響を受け,行動を 決定することがある.この,他者から抱かれる期待 のことを役割期待いい,人間関係の質に影響してい ることが報告されている[1].したがって,どのよう な役割期待を持たれているかを明らかにすることは, 円滑な人間関係の構造を明らかにするうえで,重要 であるといえる.特に,青年期は,主たる人間関係 が親から友人や恋人に移行する時期であり,青年期 における友人や恋人に対する役割期待を明らかにす ることは,自己形成を理解するためにも必要である といえる.下斗米[3]による大学生を対象とした,友 人・恋人関係における役割期待を調査した研究にお いて,友人と恋人に対しては,役割期待が異なるこ とが報告されており,青年期における自己形成にお いて,友人と恋人が異なる役割を果たしていること が示唆されている. しかし,役割期待が時間経過とともにどのように 変化するのかに関しては,十分に検討されていない. 青年期を自己形成の過程とみなすならば,役割期待 が時間とともにどのように変化するのか明らかにす ることは,その過程を検討するためには重要である と考えられる.そこで本研究では,大学生を対象に, 友人と恋人に対する役割期待が,時間変化に伴って, どのように変化するのか調査することを目的とした.

2. 調査方法

2.1 調査対象者 東京都内の大学生11 名(女性1名,男性 10 名, 平 均年齢22 歳)と club けいはんな[2]会員 27 名(男 性9 名,女性 18 名,平均年齢 22 歳)であった. 2.2 調査内容 先行研究[3]を参考に調査内容を決定した.まず,自 分の友人を1人選んでもらい,その人との関係性は どのくらい続いているのか,どの程度その人につい て知っているかについて,回答を求めた.その後, 役割行動期待尺度[3]への回答を求めた.友人に関す る調査の後,恋人の有無を尋ねたのち,同様に恋人 に関する質問への回答が求められた. 2.3 調査方法 調査は,質問紙もしくはウェブを用いて行った. 2.4 分析方法 友人,恋人に関する調査それぞれについて,役割 期待尺度の下位尺度(「支援・信頼」,「外見的魅力」, 「他者考慮」,「積極的交流」,「相互向上」,「娯楽性」, 「力動性」,「類似性」)[3][4]ごとに評定値を算出し た.次に,友人,恋人ともに,関係性の長さが12 か 月以上かどうかで分類をした.

3. 結果・考察

友人についての 12 ヶ月未満のデータが集まらな かったため,本稿では恋人に関する結果のみ報告す る.役割期待尺度の下位尺度(「支援・信頼」,「外見 的魅力」,「他者考慮」,「積極的交流」,「相互向上」, 「娯楽性」,「力動性」,「類似性」)の平均値につい て,関係性の長さが12 か月未満と 12 か月以上で有 意な差がみられるか検討した.その結果,「支援・信 頼」について,12 ヶ月以上(4.07, SD=0.47)のほうが, 2019年度日本認知科学会第36回大会

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12 ヶ月未満(3.04,SD=0.5)よりも有意に高かった (t(18)=1.73,p=.05).結果を図1に記載する.一方,「外 見的魅力」,「他者考慮」,「積極的交流」,「相互向上」, 「娯楽性」,「力動性」,「類似性」の 7 種類について は,12 ヶ月以上と 12 ヶ月未満で有意な差が見られ なかった. 図1. 支援・信頼の平均値 (エラーバーは標準誤差) 今回の調査結果から,「支援・信頼」という役割期 待の下位尺度については,時間が経つにつれて期待 が大きくなることが示唆された.本調査で用いた質 問紙において,他の下位尺度が,観察可能な行動に ついて問うものが多い一方,「支援・信頼」に関する 質問項目は,「自分を認めてくれること」や「自分を 信頼してくれること」など,相手の内面的な部分を 聞く質問が多く,このことから,人間関係,特に恋 人関係をよりよくするためには,交際1 年未満の初 期段階でも相手から信頼をしてもらえるような行動 を心がけ,1 年以上からは関係が長くなってきてい ても,その中でも相手に対し嘘をつかないことや約 束を守るなど信頼をしてもらえるような行動であっ たり,相手が困っていることを助けてあげる行動を さらにしてあげることで,より良い関係を継続して いけると考える. 4.

参考文献

[1]蔵永瞳・片山香・樋口匡貴・深田博己. (2008). い じめ場面における傍観者の役割取得と共感が自身の いじめ関連行動に及ぼす影響. 広島大学心理学研究, (8), 41-51. [2] club けいはんな. 公益財団法人 関西文化学術研 究都市推進機構 [3] 下斗米淳. (2000). 友人関係の親密化過程におけ る満足・不満足感及び葛藤の顕在化に関する研究 役 割期待と遂行とのズレからの検討. 実験社会心理学 研究, 40(1), 1-15. [4] 髙坂康雅. (2010). 大学生における同性友人, 異 性友人, 恋人に対する期待の比較. パーソナリティ 研究, 18(2), 140-151. 2019年度日本認知科学会第36回大会

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参照

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