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英語苦手意識を克服させる授業デザイン - スポーツ学生を対象として -

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Academic year: 2021

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(1)近畿大学英語研究会紀要. 第6号2010年8月. 英語 苦手 意識 を克 服 させ る授 業 デザイ ン 一 ス ポ ー ツ学 生 を対 象 と して 一. 要旨. 貴. 眞. 牧. 野. 英 語 が 苦 手 な 学 生 に英 語 を 教 え るた め には 、 教 師 は どの よ うな 努 力 を す べ きで あ ろ うか 。 ま ず 、 学 生 の. 特 性 を と らえ 、 英 語 力 を 考 慮 し、 ク ラス にあ った 授 業 を デ ザ イ ンす る。 そ れ に 加 え て 、 教 師 と学 生 の 人 間 関 係 の 構 築 も重 要 で 、 決 して 一 方 通 行 の 指 導 で は い けな い 。 学 生 が 不 安 を 感 じず 、 積 極 的 に参 加 で き る環 境 を 整 え る こ とが 教 師 の 役 目で はな い だ ろ うか 。 また 、 授 業 に 対 す る教 師 の 熱 意 が 学 生 を 変 え るの は言 うま で もな い 。 本 稿 で は英 語 に苦 手 意 識 を 持 つ 学 生 が 多 いス ポー ツ ク ラス で の 取 り組 み を 紹 介 す る。 授 業 はア クテ ィ ビテ ィを 多 く取 り入 れ 、 学 生 が 「楽 し い」 と感 じる もの で あ った 。 その 結 果 、 学生 の 授 業 参 加 意 欲 は 向上 し、 「英語 が 苦 手 」 か ら 「英 語 が 好 き」 に変 化 して い った 。. キ ー ワー ド. スポ ー ツ学 生 、 ア クテ ィ ビテ ィ、 教 師 の 熱 意 、 意 欲 向 上. Report. on Communication. Masaki Abstract. In case a student's. the students'. character. motivation. English. Sports. I. Makino. is low, what should a teacher do? The teacher needs to consider. profile, their English ability, and design suitable lesson plans. Furthermore,. order for the teacher to have a good relationship. with the students, a teacher should try to understand. students. The teacher's. role is to create a relaxing atmosphere. clear that the teacher's. passion affects students'. attitude.. for students with low motivation.. in the. It is also. This paper presents the case of a class that has. many slow learners. The class was enjoyable with regard to the field of education with some effective activities. As a result, students'. Keywords:. sports. students,. motivation. activity,. was raised and they enjoyed learning English.. teacher's. passion,. arising. motivation.

(2) 近畿大学英語研究会紀要 1.は. 第6号. じめ に. 大 学 全 入 学 時 代 に 入 り、 大 学 生 の 学 力 低 下 が 社 会 問 題 と な る 中 、 習 熟 度 が 低 い 英 語 ク ラ ス で は 、 学 生 に い か に 授 業 参 加 を 促 す か が 教 師 の 課 題 と な って い る 。 入 試 の 多 様 化 で 、 受 験 科 目 に 英 語 が な い こ と は 珍 し くな く、 英 語 に 苦 手 意 識 を 持 つ 学 生 が 増 加 して い る 。 特 に ス ポ ー ツ 推 薦 入 試 制 度 で 入 学 し た 学 生 は 、 ク ラ ブ 活 動 中 心 の 学 生 生 活 を 送 る こ と に な り、 概 し て 英 語 で 好 成 績 を 取 る こ と を4年. 間 の 目標 に は して い な い 。 英 語 の 時 間 は 練 習 の 疲 れ. を と る 休 憩 時 間 に な りえ る よ う な 状 況 で 、 学 生 を う ま く授 業 に 参 加 さ せ る こ と が 教 師 の 力 量 とな って くる。 2009年 度 筆 者 は ス ポ ー ツ 学 生2年. 生 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ・イ ン グ リ ッ シ ュ ・Sports. Iを 担 当 し た 。 こ れ は2009年 度 に ス ポ ー ツ 副 専 攻 科 目の 一 つ と し て 新 設 さ れ た 授 業 で あ り、 筆 者 が 近 畿 大 学 に 着 任 して 初 め て の 年 で あ っ た た め 、 ス ポ ー ツ 学 生 と ど の よ う に 向 き 合 い 、 授 業 参 加 を 促 す か 試 行 錯 誤 し な が ら授 業 を 作 り上 げ て い っ た 。 ス ポ ー ツ 学 生 の 特 徴 と して 、 一 部 学 生 を 除 き 英 語 苦 手 意 識 が 強 い 、 差 し迫 っ て 英 語 を 学 ぶ 目的 が な い 、 練 習 の 疲 れ で 授 業 に 集 中 で き ず90分 の 授 業 時 間 を 非 常 に 長 く感 じ る 、 同 じ ク ラ ブ 内 で の 仲 間 意 識 が 非 常 に 強 く、 他 の ク ラ ブ の 学 生 と 交 わ り た が ら な い 、 な ど が 挙 げ られ る 。 仲 間 同 士 で の 私 語 も多 く、 授 業 が ク ラ ブ 活 動 の 延 長 と い っ た 場 面 も頻 繁 に 見 受 け られ た 。 授 業 が5時. 間 目で あ っ た た め 、 開 講 当 初 は 練 習 や 授 業 の 疲 れ で 英 語 に 集 中 で き な. い と の 意 見 や 、 空 腹 を 訴 え る な ど 、 学 習 す る と い う雰 囲 気 で は な か っ た 。 そ れ な ら、 無 理 に 静 か に さ せ て 机 に 向 か わ せ る 学 習 で は な く、 体 を 使 っ た り、 教 室 内 を 動 く と い っ た ス ポ ー ツ 学 生 に ふ さ わ し い 元 気 な 授 業 を と 、 ア ク テ ィ ビ テ ィ 中 心 の 授 業 を デ ザ イ ン した 。 結 果 、 学 生 は 予 想 以 上 に 授 業 を 楽 し み 、 積 極 的 に 英 語 に 取 り組 ん で 、 筆 者 自 身 も彼 らを 指 導 す る こ と に喜 び を 覚 え 、 毎 週 授 業 を 楽 しみ に す る よ う に な っ た 。 ま さ に教 師 と学 生 が 一 体 と な っ た 笑 い の 絶 え な い 時 間 で 、 最 終 授 業 で は 学 生 か ら 「来 年 も先 生 の 授 業 が 受 け た い 。」 と の 声 が あが った。 本 稿 で は 、 ス ポ ー ツ学 生 の 指 導 法 を 紹 介 し、 そ れ を 振 り返 る こ と で2010年 度 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン ・イ ン グ リ ッ シ ュ ・SportslIに. 2.英. お け る 指 導 の 向 上 を 図 る こ と と す る。. 語 に苦 手 意 識 を 持 つ 学 生 の 指 導 と教 師 の 役 割. 近 年 リメ デ ィアル 教 育 の研 究 が 盛 ん で 、 英 語 教 育 に お いて も、 英 語 に苦 手 意 識 を持 つ 学 生 の動 機 づ けや 指 導 法 な ど の研 究 発 表 が 多 く見 られ る。 英 語 が 苦 手 に な った 時 期 ・原 因 に つ い て の研 究 も多 く、 そ の一 つ と して 、 加 賀 田 ら(2007)が. 行 った大 学 生 を 対 象 と した英. 語 学 習 につ いて の調 査 研 究 で は、 英 語 嫌 い と回答 した学 生 の 圧 倒 的 多 数 が 中学1,2年. 生. と い う初 期 の段 階 で す で に英 語 嫌 い にな って お り、 その 第 一 の理 由が 「文 法 が 難 し くな っ たか ら」 で あ った 。 岡 田 ら(2000)の調 査 で も英 語 が嫌 い な学 生 の7割 余 りが 中学2年 生 ま 126.

(3) 英 語 苦 手 意 識 を 克 服 させ る授 業 デ ザ イ ン ー ス ポー ツ学 生 を 対 象 と して 一(牧 野). で の初 期 段 階 で 蹟 いて お り、 そ の 理 由 を 「わ か らな か っ た(難 しか った)」 と し、 そ の よ うな学 生 は大 学 に入 る まで 、 英 語 の 授 業 に た だ耐 え て き た様 子 が 窺 え た と して い る。 筆 者 が これ ま で指 導 して き た学 生 も同 じよ うに基 礎 レベ ル で 蹟 き 「英 語 が 嫌 い」 にな って い る 者 が 非 常 に多 い。 特 に習 熟 度 の低 い ク ラ スや 再 履 修 ク ラ スで は、 英 語 が 嫌 い なた め に、 授 業 開 始 当初 か らや る気 の な い態 度 や 、 常 に不 安 げ な様 子 を見 せ る もの が 多 く、 授 業 に積 極 的 に参 加 す る意 欲 が 全 く感 じ られ な い ど こ ろか 、90分 椅 子 に座 って い るだ け、 あ る い は ひ たす ら時 間 が 過 ぎ る の をつ らそ う に待 って い る とい う場 面 が 多 々 あ った。 そ の よ うな 学 生 を見 て見 ぬふ りを して 、 教 師 が 一 方 通 行 の授 業 をす るの は ど うで あ ろ うか 。 逆 に その 姿 勢 を正 そ うと して 「や る気 が 無 い」 と一 括 して も学 生 は よ り意 欲 を 低 下 させ るで あ ろ う。 田 邉(2003)は. 指 導 困 難 校 の実 情 を分 析 す る 中で 、 伝 統 的 な努 力 万 能 主 義 に よ る指 導 を 振 り. 回 し積 極 的 な授 業 参 加 を促 してみ て も、 生 徒 の無 気 力 ・無 力 感 ばか りが 教 室 内 に漂 い、 生 徒 不 在(不 参 加)に よ り授 業 が 成 立 しな い と し、 事 態 の 改 善 を図 る に は、 生 徒 の 苦 手 意 識 に見 え隠 れ す る心 理 側 面 を理 解 しよ う とす る教 師 の意 識 が 重 要 で あ る と述 べ て い る。 荒 井 (2004)が 大 学 生 の 英 語 学 習 動 機 減 退 の 調 査 を行 った 結 果 を み る と、 そ の第 一 位 の 要 因 が 教 師 で あ り、 全 体 の 半 数 近 くを 占 め た。 それ を詳 し く分 類 す る と、 「生 徒 に対 す る接 し方 」 が 最 も多 く、 具 体 的 に は 「生 徒 と コ ミュニ ケ ー シ ョ ンを取 ろ う と しな い」、 「生 徒 の間 違 い や 質 問 に対 して 不 機 嫌 に な る」 と い う記 述 が 見 られ た。 学 習 者 の 自立 を 目指 す 教 育 が 理 想 で は あ るが 、 そ の た め に教 師 が 手 を差 し伸 べ る こ と も状 況 に よ って は必 要 で あ り、 特 に リ メ デ ィアル 教 育 に お いて は教 師 の的 確 な リー ドが 学 生 の モ チベ ー シ ョ ンに大 き く影 響 を与 え る ので は な いか 。 佐 藤 ら(2008)は. 、 大 学 導 入 教 育 と して 、 これ まで 主 体 性 を 十 分 に酒. 養 され な い ま ま教 室 内で 「放 任 」 され 続 け、 それ に慣 れ た学 習 者 に対 して 、 突 如 と して 教 員 が 「大学 生 ら しさ」 や 「 大 学 生 と して望 ま しい学 習 ス タイ ル」 を一 方 的 に強要 した所 で、 両 者 の ギ ャ ップ は大 き くな る ばか りで あ り、 ご く基 礎 的 な学 習 方 法 につ いて 明 確 な手 本 を 示 し、 例 題 を数 多 く経 験 させ る こ とで 、 望 ま しい学 習 観 を早 期 に定 着 させ る必 要 が あ る と して い る。 田邉(2003)は. 授 業 につ いて 、 目の前 に い る学 習 者 を理 解 しよ うとす る 「教 師. の姿 勢 」 を基 盤 と して 、 そ の上 に ひ とつ ひ とつ の 「指 導 技 術 」 が 積 み 上 げ られ 、 両 者 が 相 対 的 に作 用 しあ うこ と に よ って成 立 され る世 界 と し、 生 徒 に と って 教 師 は よ き支 援 者 で あ る との感 情 が 生 じる よ うな関 係 づ く りを強 調 して い る。 学 習 者 に と って 教 師 が 自分 を認 め て くれ る存 在 で あれ ば、 教 室 は心 地 よ い学 習 環 境 とな り、 質 問 や 意 見 交 換 が 気 軽 に行 え る で あ ろ う。 辰 野(1981)は. 学 習 の 内 な る動 機 づ け の一 つ と して 次 の よ うに述 べ て い る。. 「愉 快 な 感 じ を 与 え る もの に 、 よ り多 くの 興 味 を 感 ず る 」 英 語 の 授 業 で 良 い 答 え を 出 して 教 師 に ほ め られ た と す る 。 す る と、 そ の 生 徒 は 快 を 経 験 す る 。 こ の よ うな こ とが た び た び あ る と 、 そ の 生 徒 は 英 語 の 時 間 に 興 味 を 持 ち 、 ま. 127.

(4) 近畿大学英語研究会紀要. 第6号. た 、 そ れ を 教 え る 教 師 に も好 意 を 持 つ よ う に な る 。 こ の 過 程 は 、 条 件 付 け と い わ れ 、 本 人 が 意 識 して も、 し な くて も起 こ る 。 しか も英 語 が 好 き に な る ば か りで な く、 他 の 学 習 に も興 味 を 示 し、 学 校 に も興 味 を 持 つ よ う に な る 。(p.139-140). 学 習 意 欲 の 低 い 学 生 の 指 導 は 、 教 師 が 熱 意 を 持 っ て 取 り組 み 、 自 ら工 夫 ・努 力 を 惜 し ま ず 、 学 生 の わ ず か な 進 歩 で も喜 び 、 で き な い 場 合 は 自 分 の 指 導 を 反 省 す べ き だ と 考 え る 。 高 橋(2007)は. 、 授 業 は 生 徒 と 教 師 の 双 方 の 努 力 に よ って 創 り上 げ る もの と し、 生 徒 が 担. うべ き 責 任 も事 実 だ が 、 一 人 ひ と り の 生 徒 が 学 ぼ う と す る 意 欲 や 態 度 を 育 て る こ と が 教 師 の 本 来 の 仕 事 で あ る と 考 え 、 自 分 の 授 業 を 内 省 し、 日 々 そ の 改 善 を 図 る こ と が 教 師 に 求 め られ る 所 以 で あ る と して い る 。 英 語 が 苦 手 な 学 生 の 指 導 に 意 欲 を 持 ち 、 自 らの 指 導 を 内 省 で き る 教 師 が 、 ど の よ う な 授 業 を す べ き で あ ろ うか 。 加 賀 田 ら(2009)は. 、 ス ロ ー ラ ー ナ ーの 指 導 につ いて 以 下 の よ う. に提 言 して い る。. 〈ス ロ ー ラ ー ナ ー に 求 め る こ と 〉 ①. 英 語 学 習 に 対 して 、 自立 的 な 学 習 者 を 育 成 す る. ②. 他 者 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 通 じて 、 自 他 理 解 を 深 め さ せ る. ③. 英 語 を 通 じて 、 世 界 観 の 広 が り を 体 感 さ せ る. ④. 簡 単 な 英 語 を 用 い て 相 手 の 意 向 を 理 解 し、 自 分 の 意 思 を 表 現 す る 能 力 を 育 成 す る. 〈指 導 上 の 配 慮 事 項 〉 ①. 音 声 中 心 の 授 業(音. ②. 自信 を つ け さ せ る 授 業(positivefeedback、. ③. メ リハ リ の あ る 授 業(90分. ④. 学 習 者 と 教 師 と の 信 頼 関 係 の 構 築(内. 筆 者 の経 験 か ら. 読 重 視) 達 成 感 、 成 就 感). の 授 業 に4-5の 活 動 を 用 意) な る 声 を 察 す る 、 傾 聴 ・受 容 ・共 感). ③ メ リハ リの あ る授 業 は集 中力 が 無 い学 生 に は非 常 に効 果 的 で 、 学 生. は時 間 の経 過 を早 く感 じる よ うで あ る。 ま た、 ④ 学 習 者 と教 師 と の信 頼 関 係 の 構 築 につ い て は、 最 優 先 事 項 で あ り、 それ が で きれ ば学 生 間 の関 係 も構 築 され 、 教 室 の 雰 囲 気 が 明 る くな る。 実 際 、 学 生 の意 見 と して 「良 い雰 囲 気 の ク ラ ス」 に は 出席 意 欲 が わ き、 結 果 的 に は欠 席 を全 く しなか っ た と い うこ と を耳 にす る。 英 語 に苦 手 意 識 を持 つ 学 生 の指 導 は、 教 師 の姿 勢 が 重 要 で 、 互 いの 信 頼 関 係 を 構 築 す れ ば、 学 生 は安 心 して 授 業 に参 加 す るで あ ろ う。 教 師 の 役 割 は学 生 の意 欲 を掻 き立 て る工 夫 を凝 ら した授 業 で 、 学 生 の英 語 学 習 意 欲 を 向上 させ 、 自立 的 な学 習 者 を育 成 す る もの で は な いか 。.

(5) ハTノ. 3.ス. 丁. ⊥. ⊂ ハ」狐. 一)、. \■入 評Jノ. ポ ー ツ副 専 攻 につ いて. 近 畿 大 学 法 学 部 で は、 ス ポ ー ツ推 薦 入 試 制 度 で 入 学 した学 生 に、 競 技 生 活 と学 業 生 活 の 両 立 を 実 現 し、 か つ 卒 業 後 に 有 益 な 知 識 が つ く よ う、 ス ポ ー ツ 副 専 攻 と い う特 別 の プ ロ グ ラ ム を 設 け て い る 。 こ れ は 他 の 入 試 制 度 で 入 学 した 学 生 は選 択 す る こ とが で き な い 。 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン ・イ ン グ リ ッ シ ュ ・SportsIは. こ の プ ロ グ ラ ム の 一 つ で あ り、2年. 生 の選. 択 必 修 科 目で あ る 。. 4.コ. ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ・イ ン グ リ ッ シ ュ ・SportsI. 授 業 は 半 期15回 、 前 期 が 法 律 学 科 、 後 期 が 政 策 法 学 科 の 学 生 が 対 象 と な っ た 。 学 生 た ち は こ れ 以 外 に 、 英 語 教 養 科 目3科. 目履 修 して お り、 合 わ せ て 週 に4時. 間 英 語 を学 ぶ こ と に. な る。 こ こ で 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ・イ ン グ リ ッ シ ュ ・SportsIの. ①. シ ラ バ ス を 紹 介 す る。. 授 業 概 要 ・方 法 等 こ の 授 業 で は 、 外 国 で の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を テ ー マ と し、 ア ク テ ィ ビテ ィ を 中 心 に 英. 語 に慣 れ 、 英 語 で 自 己表 現 す る ス キル を身 につ け る。 ま た、 さ ま ざ ま な場 面 で の 実 践 練 習 も取 り入 れ 、 英 語 表 現 だ け で は な く、 外 国 で の マ ナ ー や 文 化 に つ い て も学 ぶ 。. ②. 学 習 ・教 育 目標 お よ び到 達 目標. ・海 外 に遠 征 した時 に外 国 の選 手 た ち と簡 単 な会 話 が で き る よ うにな る ・英 語 に合 わせ た ジ ェス チ ャーや 感 情 表 現 が で き る よ うにな る ・外 国で の マ ナ ーや 、 異 文 化 知 識 を身 につ け る. ③. 授 業 計 画 の 項 目 ・内 容. 第1回. 目: オ リ エ ン テ ー シ ョ ン. 第2回. 目: Make. 第3回. 目: You're. 第4回. 目: Good. night!. 第5回. 目: Two. tickets,. 第6回. 目: Would. 第7回. 目: Do you. 第8回. 目: Can. I take. 第9回. 目: How. was. 第10回. 目: Do you. yourself. at home!. in room. 502!. please.. you. like. like. some. toast?. soccer? a message?. it?. have. any. brothers. or sisters?.

(6) 第11回. 目. What. 第12回. 目. I'm. 第13回. 目. Does. this. 第14回. 目. How. much. 第15回. 目. 定期試験. are. you. doing. tomorrow?. bus. go to the. hungry! beach?. is it?. ④. 教科書 : My first passport. ⑤. 成績評価基準. 1 (OXFORD. 定 期 試 験20%発. University. 表20%小. Press). テ ス ト20%課. 題20%授. 業 参 加20%. 前 期 授 業 は 、 筆 者 が 初 め て ス ポ ー ツ 学 生 ク ラ ス を 担 当 した こ と も あ り、 学 生 ヘ ア ン ケ ー トを 実 施 して お らず 、 学 生 か ら の 評 価 を 確 か め る こ と が で き な い 。 従 っ て 、 本 稿 で は 後 期 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン ・イ ン グ リ ッ シ ュ ・SportsIの. 5.2009年. 授 業 に つ い て 考 察 す る。. 度後期授業. 後 期 授 業 の 履 修 者 は 政 策 法 学 科2年. 生24名 、 所 属 ク ラ ブ は レ ス リ ン グ 部 、 陸 上 競 技 部 、. 弓 道 部 、 水 上 競 技 部 、 ハ ン ドボ ー ル 部 、 剣 道 部 、 ヨ ッ ト部 で あ っ た 。 学 生 へ の 調 査 で 、 ク ラ ブ 活 動 の 平 均 練 習 日数 は 週5.6日 、 平 均 練 習 時 間 は1日3.3時. 間 、 履 修 授 業 数 は 週 に15.8. で あ る こ と が わ か っ た 。 学 生 の 授 業 参 加 意 欲 を 確 認 す る た め 、 第1回 す る ア ン ケ ー トを 実 施 し た 。 結 果 は 図1、2の. 通 りで あ る 。. 英語力 自己評価 苦手 どち らか といえ ば 苦手 どち らで もな い どち らか といえ ば得 意 得意. 人 数(N=24) 図1学. 生 の 英 語 力 自己 評 価. 目授 業 で 、 英 語 に 対.

(7) 英 語 苦 手 意 識 を 克 服 させ る授 業 デ ザ イ ン ー ス ポー ツ学 生 を 対 象 と して 一(牧 野). 英語への意識 嫌い. 一. どち らか と いえ ば嫌 い どち らで もない どち らか と いえ ば好 き 好き. 図2学. 生の英語への意識. 学 生 達 の 半 数 以 上 が 英 語 に 苦 手 意 識 を 持 って お り、 英 語 に 好 感 を 持 っ て い る 者 は わ ず か 6名 で あ る と い う こ と が わ か っ た 。 ま た 、 開 講 日 よ り 「英 語 が 嫌 い 」 「週 に4日. も英 語 が. あ る の で 耐 え られ な い 」 な どや る 気 の な い 態 度 を 見 せ る 者 も お り、 ク ラ ス を ど の よ う に ま と め て い くか が 、 最 初 の 課 題 と な っ た 。. 6.授. 業実践. た と え 英 語 が 嫌 い で も、 参 加 した くな る よ うな 授 業 を 学 生 に 提 供 す る こ と を 教 師 の 課 題 と し、 各 テ ー マ ご と に 学 生 を 巻 き 込 む ア ク テ ィ ビ テ ィ を 次 の 点 に 注 意 して 考 案 し た 。 ま ず ス ポ ー ツ 学 生 の 特 徴 と し て 、 「競 争 」 さ せ る と 本 気 で 取 り組 む 。 従 っ て 、 勝 ち 負 け の あ る 競 争 を 授 業 に 取 り入 れ 、 学 生 の 闘 志 を 燃 え さ せ る。 ま た 、 英 語 に 苦 手 意 識 が 強 い こ とか ら、 英 語 授 業 で ほ め られ た 経 験 が 少 な い 。 従 っ て 、 で き た こ と を 大 げ さ に 褒 め 、 達 成 感 を 味 わ わ せ る 。 ク ラ ブ 活 動 の 疲 れ で 眠 くな らな い よ う、 動 く活 動 を 多 く取 り入 れ る 。 こ こ で そ の 指 導 実 践 と学 生 の反 応 を紹 介 す る。 ◆Speaking 旅 行 英 語 を テ ー マ に した教 科 書 で あ る ので 、 海 外 旅 行 や ホ ー ム ス テ イ に必 要 な 英 語 表 現 を覚 え る の に以 下 の ア ク テ ィ ビテ ィを行 っ た。 ①. タ イ マ ー を 使 って "C. ould. you. show. me how. to use. the. dishwasher?". を 例 に と る と 、 ま ず 学 生 を4つ. の. グ ル ー プ に 分 け 、 円 に な っ て 立 た せ る 。 ペ ン を バ ト ン と し、 そ の 表 現 を 発 話 す る と 次 の 学 生 に ペ ン を 回 して い く。 教 員 は タ イ マ ー を40秒 に セ ッ ト し、 ア ラ ー ム が な っ た 時 点 で ペ ン を 持 って い た 学 生 が1ポ. イ ン ト得 る 。 こ れ を 数 回 行 い 、 ポ イ ン ト数 が 最 も高 い 学 生 が 、 ク. ラ ス メ ー トの 前 で 英 語 を 発 表 し た り次 の 問 題 を 解 答 した りす る 。.

(8) ②. コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン じ ゃん け ん "C. A?""Yes,ofcourse."の. ouldyoushowmehowtousethe. や り と りを. じ ゃん け ん を して 行 う。. 表1単 A. dishwasher. 語 リス ト computer. microwave. name. 表 現 のAの. 箇 所 に 表1単. 語 リ ス トの 単 語 を 一 つ 入 れ て 英 語 を 話 す の だ が 、 ま ず ペ ア に な り. じ ゃ ん け ん を す る 。 勝 っ た 者 は"CouldyoushowmehowtousetheA?"と 相 手 に 聞 き 、 負 け た 者 は"Yes,ofcourse."と の 表1のname欄. 答 え る。 この 際、 負 け た学 生 は勝 った 学 生. に 自 分 の 名 前 を 記 入 す る。 パ ー トナ ー を 変 え 、 次 の 単 語 を 使 っ て 同 じ. や り と り を 行 う。 パ ー トナ ー を つ ぎ つ ぎ に 変 え 、 じ ゃ ん け ん に3回 3名 か ら サ イ ン を も ら っ た 者 か ら席 に 座 る 。 制 限 時 間 内 に3名. 勝 って 、 ク ラ ス メ ー ト. の サ イ ンが 得 られ な か っ た. 学 生 は 、 ① と 同 じ く、 次 の 問 題 で 解 答 す る こ と に な る 。. 学 生 は ア ク テ ィ ビ テ ィ を 通 して 何 度 も英 語 を 話 す う ち に 表 現 を 覚 え た 。 そ の 後 発 音 や イ ン トネ ー シ ョ ン に 注 目 し な が ら、 正 し く英 語 を 話 す 練 習 を 行 っ た 。. ◆. 音. 読. 教 科 書 を 毎 週 音 読 さ せ た が 、 最 初 は 丁 寧 に 正 し く読 も う と しな か っ た 。 発 音 も カ タ カ ナ 的 で 英 語 ら し く な く、 だ ら だ ら した 読 み 方 で あ っ た 。 そ こ で 、 ク ラ ス を4つ. の チ ー ム に分. け 、 音 読 コ ン テ ス トを 実 施 し た 。 ①. ス ピ ー ド音 読 チ ー ム 内 で 誰 が ど こ を 読 む か を 決 め 練 習 し た 後 、 何 分 で 読 め る か 時 間 を 計 り競 争 し た 。. こ の場 合 、 英 語 を違 って 発 音 す れ ば読 み 直 しをす るの で 時 間 が か か る。 従 って 事 前 に声 に 出 し て し っか り練 習 す る 必 要 が あ っ た 。. ②errorcount. チ ー ム で 教 科 書 を 順 に 読 ん で い く 中 で 、 発 音 が 違 っ た り、 読 み 誤 っ た 個 所 を 教 師 が 数 え 、 一・ 番 誤 り の 多 い チ ー ム が ア ウ トと な る 。. ③. 気 ま ぐれ 音 読 チ ー ム で 教 科 書 を 順 に 読 ん で い く が 、 ピ リオ ドで は な い と こ ろ で 適 当 に 読 む の を や め る 。.

(9) 次 に 読 む 学 生 は ど こ で 止 ま っ た か を し っか り聞 い て 、 続 き か ら 自 分 も 同 じ よ う に 読 ん で い く。 こ れ も時 間 を 計 り、 チ ー ム ご と に 競 い 合 う。. こ れ ら の ア ク テ ィ ビ テ ィ を 繰 り返 し行 っ た が 、 学 生 は 英 文 を 読 む 練 習 を 真 剣 に 行 っ た 。 結 果 、 正 し い 発 音 を 意 識 す る よ う に な り、 発 音 や イ ン トネ ー シ ョ ン に つ い て の 質 問 が 非 常 に多 く出 た。 ま た他 の学 生 の英 語 の 誤 りを見 つ け る こ と もア ク テ ィ ビテ ィ に入 れ たの で 、 ク ラ ス メ ー トの 英 語 を 聞 く姿 勢 、 そ して 誤 り を 指 摘 で き る 力 が つ い た 。. ◆Listening Listeningは. 、 わ か ら な い と言 っ て す ぐ に あ き ら め て し ま う学 生 が 多 か っ た 。 そ れ を 無. 視 し て や る 気 の あ る 学 生 に だ け 取 り組 ま せ る の は 、 よ り一 層 英 語 苦 手 意 識 を 助 長 す る 。 そ こで 、 若 者 に興 味 の あ る こ とを と、 洋 楽 の聞 き取 りを毎 週 授 業 最 後 に行 った 。 曲 は、 最 新 の も の や 、 テ レ ビCMで. 流 れ て い る な じみ の あ る 曲 を 選 び 、 聞 き 取 り シ ー トは 教 員 が 作. 成 した 。 最 初 は 歌 詞 の 一 部 を 三 択 で 選 ぶ 、 次 に()に. 入 る語 を 単 語 リス トか ら選 ぶ 、. 歌 詞 の 順 序 を ば ら ば ら に し た も の を 並 べ 替 え る 、 最 後 は()に. 単 語 を 聞 き 取 って 書. く、 と い う よ う に 、 聞 き 取 りの 難 易 度 を 少 しず つ 上 げ て い っ た 。 教 科 書 に 出 て く る Listeningに. は 興 味 を 示 さ な い 学 生 が 、 洋 楽 に は 熱 心 に 取 り組 み 、 聞 き取 れ る ま で 正 解 を. 教 え な い で ほ し い と い う声 も上 が っ た 。 ま た 、 こ の 聞 き 取 り も チ ー ム 対 抗 で 正 解 率 を 競 う と 、 予 想 以 上 に 集 中 して 、 英 語 を 聞 き 取 ろ う と い う姿 勢 が 見 え た 。. ◆. 異文化理解 シ ラ バ ス の 到 達 目標 の 一 つ が 「外 国 で の マ ナ ー や 、 異 文 化 知 識 を 身 に つ け る 」 で あ る の. で 、 外 国 に つ い て も授 業 で 紹 介 した 。 こ の 場 合 、 た だ 外 国 の 話 を す る だ け で は な く、 教 師 の 海 外 で の 体 験 を ク イ ズ に し、 答 え を グ ル ー プ で 考 え さ せ た 。 こ れ は 学 生 た ち に 非 常 に 好 評 で 、 日本 と 外 国 の 文 化 や マ ナ ー の 違 い を 教 え る の に 大 い に 有 効 で あ っ た 。 後 期 授 業 で は ハ ロ ウ ィ ー ンや ク リ ス マ ス と い っ た 行 事 も あ っ た の で 、 な ぜ そ う い っ た 行 事 が 行 わ れ る よ う に な っ た か に つ い て も学 生 が 知 る 機 会 と な り、 ま た 、 そ れ を テ ー マ に し た 英 語 学 習 を ゲ ー ム を 通 して 行 い 、 楽 し み な が ら英 語 に 触 れ る 良 い 機 会 と な っ た 。. ◆. 心理面での アプローチ 学 生 た ち は 非 常 に 元 気 で 明 る く、 授 業 開 始 直 後 か ら、 筆 者 は ク ラ ス に 好 感 を 持 っ た 。 学. 生 た ち に は 「こ の ク ラ ス の 授 業 を 毎 週 楽 し み に して い る 」 と話 し、 「英 語 が 苦 手 で も 、 嫌 い で も、 毎 週 休 ま ず に 出 席 す る こ と は 良 い 」 と ほ め た 。 あ る 課 題 で は 、 絵 を か か せ て そ れ を 英 語 で 表 現 す る と い う こ と を さ せ た が 、 返 却 前 に そ れ ぞ れ の 絵 に 筆 者 が ク レ ヨ ンで 色 を. 133.

(10) つ け た 。 返 却 時 に は 、 思 い が け な い 教 師 の 行 動 に 学 生 は 大 喜 び し、 お 互 い の 絵 を 見 せ 合 っ た り、 配 色 に つ い て 意 見 が 出 た り し た 。 人 間 関 係 構 築 の た め に は 、 学 生 た ち を ニ ッ ク ネ ー ム で 呼 ぶ よ う に努 め 、 授 業 後 ク ラ ブ 活 動 に 行 く学 生 や 夜 の 授 業 を 受 け る 学 生 に は 、 が ん ば っ て く る よ う毎 週 声 を か け 送 り 出 した 。 こ の よ う な 取 り組 み で 、 学 生 に と っ て 苦 手 な 英 語 の 授 業 が 、 サ ー ク ル 活 動 の よ う な 楽 し い 時 間 に な って い っ た 。. 7.学. 生 か ら の フ ィ ー ドバ ッ ク. 英語力 目己評価 苦手 ど ち らか と いえ ば苦 手 どち らで もない ど ち らか と いえ ば得 意 得意. 人 数(N=24) ■最 終 授 業. 図3英. ■第1回. 目授 業. 語 力 自己 評 価(上 段:最 終 授 業. 下段. 第1回. 目授 業). 英語 へ の 意 識 嫌い ど ち らか とい えば 嫌 い どち らで もな い ど ち らか とい えば 好 き 好き. 人 数(N-24) ■最 終 授業. 図4英. 語 へ の 意 識(上 段. 表2英 第1回. 最終授業. 業. 下 段:第1回. 目授 業). 語への意識 % 25.0 37.5 37.5. 最終授業 17 4 3. 嫌い. 9. ど ち らで もな い. 農) 9. 好き. 目授 業. ■第1回]授. % 70.8 16.7 12.5.

(11) 表3英 目授 業 2 8 14. 得意 ど ち らで もな い. 最終授業. 8.3 33.3 58.3. 最 終 授 業 で 学 生 た ち に 授 業 ア ン ケ ー トを 行 っ た 。 図3、4が. % 29.2 33.3. QU. 苦手. %. 7﹂ 8. 第1回. 語 力 自己 評 価. 37.5. そ の 結 果 で あ る 。 第1回. 目. 授 業 に 比 べ て 、 学 生 た ち の 英 語 へ の 意 識 が 大 き く変 わ っ た こ と が 明 らか に な っ た 。 表2、 3は 英 語 へ の 意 識 、 英 語 力 自 己 評 価 を 大 き く3つ と 、70%の. の項 目に分 けた 結 果 で あ る。 これ を 見 る. 学 生 が 英 語 を 「好 き 」 に な って お り、 「ど ち らで も な い 」 「嫌 い 」 は 大 き く減 少. し て い る。 そ れ と 同 じ く英 語 が 「得 意 」 に な っ た 学 生 も増 加 し、 「苦 手 」 な 学 生 は 減 少 し て い る。 上 記 の 質 問 に 加 え 、 学 生 た ち に10点 満 点 で い くつ か の 項 目 に つ い て 評 価 さ せ た 。 そ の 結 果 は 図5の. 通 り で あ る(こ こ でCESIは. コ ミュニ ケ ー シ ョ ン ・イ ング ッ リ シ ュ ・SPORTSI. を 表 す)。 こ れ よ り、 他 の 授 業 や ク ラ ブ 活 動 よ り も英 語 授 業 に 熱 心 に 取 り組 ん で 、 ま た 授 業 や 教 員 の 対 応 ・指 導 を 高 評 価 して い る こ とが わ か っ た 。. 学生の評価 教 員 の 対応 ・指導 に対 す る評 価 CESI授. 業 に対 す る評価. 自分 の他 授業 へ の取 り組 み 自分 のCESIへ. の取 り組 み. 自分 の クラ ブ活動 へ の取 り組 み. 図5学. 生の評価. グ ル ー プ や 個 人 で 競 い な が ら英 語 を 学 ぶ こ と に つ い て90%以. 上 の 学 生 が 「授 業 参 加 意 欲. が 向 上 す る」 と して お り、 「競 う こ と で 集 中 で き る 」、 「真 剣 に 英 語 に 取 り組 め る 」、 「楽 し め る し、 教 室 が 明 る くな る の で 良 か っ た 」 な ど の 意 見 が 出 た 。. 授 業 の感 想 を以 下 に ま と め る。 ・授 業 が 楽 し く大 好 き で し た 。 ク ラ ス の み ん な が 生 き 生 き して み え ま した 。 ・こ の 授 業 を 受 け て 英 語 を も っ と 勉 強 し た くな り ま し た 。.

(12) ・先 生 が 明 る い 人 で こ ち ら ま で 楽 し く な り ま し た 。 ・ク ラ ス の み ん な と 仲 良 く な れ ま した 。 ・大 学 で こ ん な に 楽 し く英 語 を 話 す 授 業 が あ る と 思 わ な か っ た の で 、 新 鮮 で し た 。 ・こ の 授 業 は 明 る く、 先 生 が 学 生 を ニ ッ ク ネ ー ム で 呼 ぶ な ど 明 る い 雰 囲 気 を 作 っ て くれ 楽 しか っ た で す 。 ・1日5時. 間 授 業 が 続 き ま し た が 、5時. 間 目 は しん ど くな く、 楽 しか っ た で す 。. ・今 ま で の 英 語 授 業 で は 他 の 人 に で き て 自 分 に で き な い こ と が あ り嫌 で し た が 、 こ の 授 業 は み ん な で 一 緒 に で き 、 何 よ り時 間 が 過 ぎ る の が 早 か っ た で す 。 ・先 生 が ス ポ ー ツ 生 の こ とが 好 き で 良 か っ た で す 。 ・こ の 授 業 の お か げ で 少 し嫌 い だ っ た 英 語 が 好 き に な れ ま した 。 ・こ の 授 業 を 受 け て 、 英 語 だ け で は な く も っ と広 く世 界 を 見 た い と思 う よ う に な り ま し た。 ・洋 楽 を 聴 い て リ ス ニ ン グ 能 力 が 上 が り ま し た 。 ・ク リ ス マ ス や ハ ロ ウ ィ ー ンが 楽 しか っ た で す 。 ・フ レ ン ド リ ー な 授 業 で し た 。 ・先 生 と 学 生 が フ レ ン ド リ ー な 関 係 で し た 。. 上 記 は 一 部 で あ るが 、 ほ と ん ど の 学 生 が 授 業 を 楽 しか っ た と し、 洋 楽 の リス ニ ン グ や ゲ ー ム を 行 っ た こ と を 良 い と して い る 。 ま た 、 学 生 間 の 距 離 が 縮 ま り仲 良 くな っ た と い う意 見 や 、 教 師 と 学 生 の 関 係 が 良 い と い う意 見 も多 か っ た 。. 8.ま. とめ. Jucovic(2006)は. ス ポ ー ツ 学 生 の 英 語 指 導 で は 、 学 生 の 不 安 を 取 り除 く た め 、 ペ ア や. グル ー プ学 習 で リラ ック ス させ 、 間 違 い を受 け入 れ る環 境 の 中で 、 完 全 な 英 語 で はな くと も ボ デ ィ ラ ン ゲ ー ジ な ど を 使 っ て コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン さ せ る こ と が 大 切 で あ る と し て い る 。 ま さ に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ・イ ン グ リ ッ シ ュ ・SportsIは. こ れ を 実 践 し て お り、 学 生 た. ち は 不 安 の な い リ ラ ッ ク ス し た 雰 囲 気 の 中 、 た く さ ん の 英 語 を 口 に し た 。 金 丸(2009)は ス ポ ー ツ学 生 を指 導 す る教 師 の姿 勢 につ いて 、 学 生 の 意 欲 減 退 が 学 生 に原 因 が あ る と い う 発 想 か ら脱 却 し、 教 師 が 学 生 を そ の 気 に さ せ 、 自 分 た ち の 身 の 丈 に あ っ た 英 語 を 使 って 表 現 し て み た い と 関 心 を 持 た せ 、 学 習 意 欲 を 起 こ さ せ る こ と と して い る 。 最 終 授 業 の 結 果 を 見 る と 、 学 生 は 教 師 の 態 度 を 高 評 価 して お り、 筆 者 の 英 語 授 業 へ の 情 熱 を 感 じ取 っ た と 思 わ れ る 。 ま た 、70%の. 学 生 が 英 語 を好 き にな って い る と い うこ と は、 筆 者 は この 授 業 で 学. 生 た ち の 学 習 意 欲 を 十 分 に 高 め られ た と 考 え る 。 英 語 が 苦 手 な 学 生 を教 え る た め に は、 教 師 の情 熱 と忍 耐 強 さが 授 業 を支 え る。 どん な教. 1皇A.

(13) 師 も試 行 錯 誤 し な い セ メ ス タ ー は な い で あ ろ う。 努 力 が 報 わ る 日 も あ れ ば 、 自 分 を 一 層 追 い 込 む 事 態 も発 生 し、 教 師 が 心 理 的 に 疲 労 す る こ と も少 な く な い 。 しか し、 自 らが 志 して 教 職 に 就 い た の で あ れ ば 、 何 が あ って も負 け な い 前 向 き な 姿 勢 で 教 壇 に 立 つ べ き で あ り、 学 生 を変 え る に は まず 自分 が 変 わ る、 学 生 に授 業 が 楽 しい と言 わ せ る に は 自分 が 教 え る こ と を 楽 し む べ き 、 と考 え る 。 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ・イ ン グ リ ッ シ ュ ・SportsIで. は、 学 生 の 英 語 学 習 意 欲 を 向上 さ. せ た が 、 英 語 力 が 向 上 し た か に つ い て は 定 か で は な い 。2010年 ニ ケ ー シ ョ ン ・イ ン グ リ ッ シ ュ ・SportsIお. 度 も引 き 続 き 筆 者 が コ ミュ. よ びIIを 担 当 す る の で 、 こ こ で は 意 欲 と 同. じ く学 生 の 英 語 力 を 向 上 さ せ る 授 業 デ ザ イ ン を 考 案 した い 。. 参. 考. 文. 献. Jugovic,S.(2006).MotivationintheEnglishClassroom-JapaneseSportCollege Students.β'wα 新 井 貴 和(2004).「. ん03θ'ん ε1岡ρoπCo〃 θgθBz4〃 θ'加,3,105-116. 何 が 外 国 語 学 習 者 の や る気 を失 わ せ るか 一 動 機 減 退 の 原 因 と それ に対. す る 学 習 者 の 反 応 に 関 す る 質 的 調 査 一 」 『東 洋 学 園 大 学 紀 要 』 第12号:39-46. 岡 田 圭 子 ・嶋 林 昭 治(2000).「. 英 語 を 苦 手 と す る 学 生 の 動 機 づ け と 指 導 法 」 『北 海 道 東 海. 大 学 教 育 開 発 セ ン タ ー 所 報 』 第13号:1-11. 加 賀 田 哲 也 ・小 磯 か を る ・前 田 和 彦(2007).「. 英 語 学 習 につ いて の調 査 研 究 一 大 学 生 を対. 象 に 一 」 『大 阪 商 業 大 学 論 集 」 第144号:13-32. 加 賀 田 哲 也 他(2009).「 部2009年. ス ロ ー ラ ー ナ ー の 実 態 と指 導 に つ い て 考 え る 」 『JACET関. 西支. 度 秋 季 大 会 コ ロ キ ア ム資 料 』. 金 丸 千 雪(2009).「. ス ポ ー ツ 学 部 に お け る 英 語 教 育 の 改 善 に 関 す る一 考 察 」 『九 州 共 立 大. 学 ス ポ ー ツ 学 部 研 究 紀 要 』 第3号:21-27. 佐 藤 敏 子 ・中 川 武 ・山 名 豊 美(2008).「. 英 語 学 習 に関 す る基 礎 的 調 査 一 学 習 動 機 と学 習 方. 法 」 『つ く ば 国 際 大 学 研 究 紀 要 』 第14号:43-53. 辰 野 千 寿(1981).『. 指 導 の 心 理 学 』.東 京:大. 田 邉 義 隆(2003).「. 無 気 力 な 学 生 に い か に 授 業 参 加 を 促 す か 」 『近 畿 大 学 語 学 教 育 部 紀 要 」. 第2巻. 日本 図 書.. 第2号:113-130.. 高 橋 一 幸(2007).「. よ り よ い 実 践 を 求 め て 」 『す ぐれ た 英 語 授 業 実 践 』:樋. 日 出 子 ・高 橋 一・ 幸 編:3-8.東. 京:大. 修 館 書 店.. 口忠 彦 ・緑 川.

(14) Appendix ス ポ ー ツ ク ラ ス ア ンケ ー ト. 日. 1. ク ラ ブ活 動 は1週 間 に何 日あ ります か? 時. 2. 1回 の平 均 練 習 時 間 は何 時 間 で す か? 時. 3. 1週 間 の授 業 数 は何 時 間 です か? 点. 4. 自分 の ク ラ ブ活 動 へ の取 り組 み を10点 満 点 で 評 価 す る と何 点 で す か? 点. 5. 自分 の英 語 力 を10点 満 点 で評 価 す る と何 点 で す か? 点. 6. 自分 の英 語 授業(こ の授 業)へ の取 り組 み を10点 満 点 で 評価 す る と何 点 で す か? 点. 7. 自分 の英 語 授 業 以 外 の科 目へ の 取 り組 み を10点 満 点 で 評 価 す る と何 点 で す か? 点. 8. CESI(こ. の 授 業)を10点. 満 点 で 評 価 す る と何 点 で す か?. 9. 教 員(こ の 授 業)の ス ポ ー ツ学 生 に対 す る対 応 ・指 導 につ いて10点 満 点 で 評 価 占⋮. す る と何 点 で す か? 10. グル ー プや個 人 で競 い なが ら(時 間 を はか った り、 点 数 をつ けた り)英 語 を学 ぶ こ とは 授 業 参 加 意 欲 が 向上 す る. 授業参加意欲が低下す る. 一. ど ち らで もな い. 理由. 11こ. 12こ. の授 業 を 受 けて. 1.英. 語 が:得 意. ど ち らか と言 え ば得 意. ど ち らで もな い. ど ち らか と言 え ば苦 手. 苦手. 2.英. 語 が:好. ど ち らか と言 え ば好 き. ど ち らで もな い. ど ち らか と言 え ば嫌 い. 嫌い. き. の授 業 の 感 想 を書 いて くだ さ い.

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参照

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