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自由落下回転体の空力メカニズムの研究

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Academic year: 2021

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第一工業大学研究報告 第24号(2012), pp.00-00

自由落下回転体の空力メカニズムの研究

酒 井 謙 二

第一工業大学 航空工学科 (〒899-4395 鹿児島県霧島市国分中央1-10-2) E-mail:[email protected]

The Aerodynamic Study around the Rotating Body during the free fall

Daiichi Institute of Technology

Kenji SAKAI

The aerodynamic around the rotating body during the free fall has been studied.

The result of this study shows the mechanism of the seed’s rotating motion during the free fall. This motion mechanism is a little different from the wind mill which has the variable pitch systems. The seeds have fix twist. This needs the first rotation which occurs by the disturbance during the free fall. This paper shows the seeds may have the proper twist for the free fall.

Key Words: The seed’s rotating motion, Aerodynamic study, Free fall, Proper twist 1.目的 羽根つき種のように落下しながら回転する ことで、広い範囲に種を飛ばすものがある。 一般的に風車は可変ピッチを用いることで初 期回転力を得、その後はプロペラピッチを変 えて最大回転力を得るようにコントロールし ている。本論文では、種のように固定のピッ チを持つものが、どのような空力のメカニズ ムで回転しながら落下するかを検討する。 2.自由落下回転体模型と回転運動の観察 H2 5 年 度 の 卒 業 研 究 ( 参 考 文 献 ( 1 ) 参 照)で、図1に示す4枚羽の模型を作って、自 由落下運動を観察した。 図1 4枚羽回転模型 この模型では、ブレードに一定方向に捩れを付 けることで、落下し始めは回転しないが、暫らく すると回転し、落下速度が減少することが観察で きた。また、回転方向は、常に羽が下向きの捩れ になっている方向に回転することも観察された。 3.空力解析 この現象を空力的に解明するために、回転翼素 理論によって解析を試みた。 解析モデルとしては、4枚羽の一枚をイメージ し、模型で試みたように、捩りは付け根では0°、 ブレード端で最大捩り角(γ°)となるとし、直 線的に捩り角が変化すると仮定した。 ブレードの平面形は模型とほぼ同じとし、スパ ン長は7cm、翼幅は2cmとした。 3.1平板の揚力と抵抗係数の近似式 ブレード断面は平板とし、断面空力係数(揚力 係数と抵抗係数)は(適当な平板の風試結果が見 当たらなかったため)参考文献(2)を参考に薄 翼のNACA0006の風試結果から、揚力係数 は最大迎角12°(最大揚力係数1.4)まで直 線的に変化し、その後は迎角28°まで直線的に 減少し、その後は0となるとした。 11 第一工業大学研究報告 第26号(2014)pp.11-14

自由落下回転体の空力メカニズムの研究

酒 井 謙 二

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また抵抗係数は迎角28°まではNACA0 006の風試結果(参考文献(2)参照)をベー スに揚力係数の二乗に比例するとし、以下の式 で推算した。 CD=0.006+0.00781CL2 その後は、迎角が90°の時の抵抗係数は平 板に垂直な流れがあたる時の抵抗数係数1.2 になる(参考文献(3)参照)と仮定して決め、 そこに至る間は、垂直面の大きさをベースに以 下の式で近似した。 CD=1.2sin(α) この近似は、多少の精度上の課題は残るが、 今回の目的の回転体の空力メカニズムを検討た めには問題ないと判断した。 図2に揚力係数の風洞試験結果と推算式の結 果との比較を示す。 図2 平板揚力近似分布 図3に抵抗係数の実験式と近似式との比較を 示す。 図3 平板抵抗近似特性 解析は、落下速度と回転数の両方を決めると各 スパン位置での前進速度が決まり、その値から各 スパン位置で有効迎角が求まる。有効迎角が求ま ると、それに対応する揚力係数と抵抗係数を求め ることができる。 揚力係数と抵抗係数から、回転方向とそれに垂 直な方向の分力が計算でき、スパン方向に積分す ることで全体の力の成分を求めることができる。 捩り上げ側の平板流れモデルと、捩り下げ側の 平板流れモデルを、図4と図5に示す。 今回の解析では、落下速度を1m/sと想定し た。また、ブレード端の捩り角度と回転数をパラ メトリックに変化させて力成分を解析した。 図4 捩り上げ側に進行とした時の力成分 図5 捩り下げ側に進行とした時の力成分 図4は捩り上げ側にブレードが動くときにブレ ードに掛かる空気力を表す。この図から分かるよ うに、捩り上げ側にブレードが動くと平板に大迎 角が当り、失速し大きな抵抗が働く。その結果、 回転方向と逆方向に回転力が発生することが分か った。 このことは、捩り上げ側に初期回転を与えても、 逆方向に回転することからも確認できた。 捩り下げ側に5回/秒の回転するとき、ブレー ド端の捩り角(γ°)と回転力の計算結果を図6 に示す。 この結果から、落下速度が1m/sとした時、 約12°以上の捩りがあれば、初期速度として回 転数が5回/秒があれば回転し始めるということ が分かる。 揚力 回転速度 落下による速度 合速度 回転速度 左回転 抵抗 回転方向合力 回転方向と逆方向に回転力が働く γ α 揚力 回転速度 落下による速度 合速度 回転速度 左回転 抵抗 回転方向合力 回転方向と逆方向に回転力が働く γ α CL~α 0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 0 50 100 α C L CL(推算) CL(実験) CD~α 0.000 0.200 0.400 0.600 0.800 1.000 1.200 1.400 0 20 40 α 60 80 100 C D CD推算 CD実験 12 第一工業大学研究報告 第26号(2014)

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図6 回転数が5の時の捩り角と回転力の関係 次に、捩り角度が10°、15°、20°の回 転数と回転力との解析結果を図7に示す。 図7 回転力~N この図から、捩り角が小さいほど回転力が大き くなることが分かる。すなわち、初期回転が与え られて、回転力を発生することができれば、捩り 角は小さいほうが最大回転力は大きくなることが 分かる。 同様に揚力と回転数との関係を図8に示す。 図8 揚力~N 回転力と同じ傾向を示す。 最大回転力と捩り角度の解析結果を図9に示す。 図9 最大回転力~捩り角(γ°) 最大回転力は捩り角度を増やすと減っていくこ とが分かる。 最大揚力と捩り角度との関係を図10に示す。 最大回転力と同様の傾向を示す。 図10 最大揚力~捩り角(γ°) 4.まとめ 自由落下をする種の場合、落下する時の擾乱に よって回転が得られる最低の捩り角に近くなって いる事が想像される。 模型観察でも回転を始まるまで、少し落下して、 擾乱によって回転が始まる様子が観察できている。 今回の粗い解析では、おおよそ15°程度の捩 り角度が妥当な値と考えられる。 実際の模型でも、15°以上の捩り角を付けて も十分大きな回転は得られなかったし、10°以 下では初期回転ができない場合も発生した。 今回の検討で、自由落下をする回転体がどのよ うなメカニズムで回転し始めるのか、また、自然 界で得られた種の捩り角度がどのように決められ ているのかについて興味深い結果を得ることがで きた。 今後は、捩り角などに精度よい模型を作り、垂 直風洞を使って、落下速度や回転数などの計測 を行い、今回の解析の妥当性を確認したい。

回転力~γ(N=5)

-0.0001

-0.00005

0

0.00005

0.0001

0

10

20

30

γ

回転力~N -0.0006 -0.0004 -0.0002 0 0.0002 0.0004 0 5 10 15 20 N 回転力 γ10 γ15 γ20 揚力~N -0.06 -0.04 -0.02 0 0.02 0.04 0 5 10 15 20 N 揚 力 γ10 γ15 γ20 最大回転力~γ 0.0E+00 5.0E-05 1.0E-04 1.5E-04 2.0E-04 2.5E-04 3.0E-04 5 10 15 γ 20 25 最大回転力 最大揚力~γ 0.000 0.005 0.010 0.015 0.020 0.025 5 10 15 20 25 γ 最 大 揚 力 13 酒井:自由落下回転体の空力メカニズムの研究

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5 参考文献

(1)“回転物体模型の製作と回転メカニズム の検討” 柴崎良太、酒井謙二

(H25年度卒業研究) (2)Abbott,I.H.,and von Doenhoff,

Theory of Wing Sections, Dover,New York,1949

(3)Hoerner,S.,-Fluid-Dynamic Drag, published by auther,1958

14 第一工業大学研究報告 第26号(2014)

参照

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