第5学年○組 社会科学習指導案 指導者 ○○ ○○ 1 単元名 「工業生産を支える人々」 2 指導観 ○ 本学級の児童は,中学年のときに身近な地域(町や県)について,グラフなどの具体的な資料を 活用して調べ,社会的事象の特色や相互の関連について考える力を身に付けている。それらの力を 生かし,例えば,第5学年の 1 学期の単元「水産業のさかんな地域」では,魚市場や輸送に携わる 人々が工夫している事実を関連付け,水産業に携わる人は鮮度を落とさないために様々な取り組み をしていると考えることができた。しかし,鮮度を落とさないための工夫や水産資源を保護する取 り組みと関連付け,それらが我が国の水産業の課題を解決するための重要な役割を果たしているこ とについて考えることは十分にできたとはいえない。よって,事実と事実を関連付け,それらの意 味について考えたり,表現したりするまでには至っていないと考える。 ○ 本単元では,産業用ロボットの世界シェア第1位を誇る〇〇電機の産業用ロボットの生産や輸送 の様子,生産に携わる人々の工夫や努力について調べることを通して,ロボット工業が我が国の発 展を支える役割を果たしていることを考えることをねらいとしている。我が国の機械工業は,基幹 産業として,日本の工業生産額約300兆円の約半数である約130兆円(平成25年度)を占め, 国民の生活を支えている。このように,世界有数のものづくり大国として工業生産の質や量を高め ることができた要因として,産業用ロボットの生産や技術の向上が重要な役割を果たしている。我 が国の産業用ロボットの生産額は,約7000億円(平成28年度)と機械工業全体に占める割合 は高くないものの,自動車工業を中心とした機械工業において大量生産を可能にするなど,重要な 役割を担っている。さらに,出荷台数でも稼働台数でも世界一を誇る産業用ロボットを代表とする ロボット工業は,これから到来する少子高齢化や労働人口減少などに伴い成長への期待が大きい。 そこで,身近な地域にあり,産業用ロボットの生産台数世界一を誇る〇〇電機のロボットづくりや, それに携わる人々の工夫や努力について調べたり,将来のロボットづくりについて考えたりするこ とは,持続可能な社会の形成に参画する資質や能力の基礎を育成する上でも,意義深いと考える。 ○ 本単元の指導にあたっては,〇〇電機がロボットを生産する様子や生産・輸送に携わる人々の工 夫や努力を調べ,産業用ロボットの生産が国民生活の向上や産業の発展に果たしている役割を考え ることができるようにしたい。そのために,「課題把握」の段階では,我が国で使っている工業製品 の様子を調べたり,〇〇自動車の工場を見学し,工業生産を支える産業用ロボットがどのように生 産されているのかという問いをもったりし,学習問題を設定できるようにする。「課題解決」の段階 では,まず,〇〇電機のロボット工場を見学し,「つくり方」「製品開発の仕方」を視点に調べ学習 を行うことで,〇〇電機の産業用ロボットの生産の様子に関する事実をつかめるようにする。次に, 見学して調べたことをもとに,産業用ロボットのつくり方や輸送の仕方について事実を関連付け, 顧客のニーズに応えて利益を得るために,生産に携わる人々が工夫や努力を重ねていることを捉え ることができるようにする。また,生産された産業用ロボットが,どのように利用されているのか 調べることを通して,産業用ロボットが工業生産に果たす役割を考えるようにする。さらに,今後, 日本ではサービス用ロボットを増やしていく展望をもっているが,〇〇電機は今後も産業用ロボッ トを中心に生産を続けていく理由を考える活動を通して,〇〇電機は,今後の社会の様子を見通し て生産や開発を続けていこうと考えているという意味を考えることができるようにする。「ふり返り」 の段階では,将来の労働人口減少にかかわる,農業や水産業における課題を解決するロボットを構 想し,それをもとに「5年〇組未来ロボット会議」行うことで,社会の課題を解決し,豊かな生活 を続けていくためのロボット生産の在り方を考えていこうとする態度を身に付けられるようにする。 3 目 標 ○ 〇〇電機の産業用ロボットの生産の様子に関心をもち,それを意欲的に調べ,国民生活を支える 我が国の工業生産の在り方を考えようとしている。 (社会的事象への関心・意欲・態度) ○ 〇〇電機の産業用ロボットの生産の様子と自分たちの生活とを関連付け,産業用ロボットが国民 の生活を支えていることについて考え,適切に表現できるようになる。 (社会的な思考・判断) ○ 〇〇電機の産業用ロボット生産の様子を,各種の基礎的資料を活用して必要な情報を集めて読み 取ったりまとめたりすることができるようになる。 (観察・資料活用の技能) ○ 〇〇電機の産業用ロボットの生産は,国民生活を支える重要な役割を果たしていることを理解でき るようになる。 (社会的事象についての知識・理解)
4 学習指導計画(15時間) 次 時 学習活動 指導上の留意点 一 1 2 3 1 自分たちが使っている 工業製品のこれまでの様 子について調べる。 2 〇〇自動車九州工場を 見学し,産業用ロボット の役割への興味や関心を もつ。 3 〇〇電機の産業用ロボ ットづくりに対する問題 をつくる。 ○ 我が国の工業生産について調べていこうとする興味や関心 を高めることができるように,自動車を中心とした身近な工業 製品や,それらが発展してきた歴史がわかる資料を提示する。 ○ 自動車工場で稼働する産業用ロボットの役割に興味をもつ ことができるように,見学する際には,生産の効率化や安全性 を高めるための工夫を調べるように指示し,それらに産業用ロ ボットが大きな役割を果たしていることに気付くようにする。 ○ 産業用ロボットの世界シェア第1位の〇〇電機のロボット 生産がどのように行われているかという問題をもつことがで きるように,見学したことをもとに,〇〇電機の産業用ロボッ トづくりに対する疑問や調べたいことを交流する活動を設定 する。 二 1 2 3 4 5 6 7 8 4 〇〇電機のロボットづ く り に つ い て 調 べ る た めの学習計画を立てる。 5 ロボット工場を見学す る。 6 産業用ロボットのつく り方についてまとめる。 7 関連工場とのつながり についてまとめる。 8 輸送の仕方についてま とめる。 9 〇〇電機で生産された 産業用ロボットが,どの ように利用されているか 調べる。 ○ 見通しをもって産業用ロボットのつくり方について調べる ことができるように,「つくり方」「製品開発の仕方」やその工 夫を視点にして調べていく計画を立てる活動を設定する。 ○ 見学を通して解決を図ることができるように,見学の計画を もとに,「つくり方」「製品開発の仕方」やその工夫について解 決したいことを,見たり聞いたりして調べるよう指示する。 ○ 利益を求め,顧客のニーズに応えるために,工夫や努力をし て産業用ロボットつくっていることを理解できるように,工場 の立地条件や各工場の配置,つくるときの工程や製品の開発に ついて,「速さ」「正確性」「安全性」に分類して生産の工夫を まとめる活動を設定する ○ 関連工場とのつながりについて理解を深めることができる ように,関連工場から部品を納入したり,効率的にロボットを つくったりするための工夫や努力を調べたりまとめたりする 活動を設定する。 ○ 輸送における工夫や努力を捉えることができるように,製品 をていねいに梱包し,顧客のニーズに合わせて輸送方法を変え ていることがわかる資料を提示する。 ○ 〇〇電機が生産した産業用ロボットが,日本や世界で生産性 や安全性を高めるために多く利用され,産業用ロボット世界シ ェア1位になっていることを捉えることができるように,〇〇 電機の産業用ロボットを利用することで,工場における生産量 が増えたり作業中の事故が減ったりしている事例を紹介する。 三 1 2 本 時 10 〇〇電機のこれから のロボット生産につい て考える。 11 〇〇電機が今後も, 産業用ロボットを中心 に生産していく理由を 考える。 ○ 〇〇電機が目指すロボットづくりについて捉えることがで きるように,中期経営計画で示している目標や内容に関する資 料や,医療や介護用ロボットの開発を行っている事実を示す。 ○ 〇〇電機は,社会の課題を見通して産業用ロボットの生産・ 開発を行って利益を増やしていこうと考えていることを捉える ことができるように,産業用ロボットを導入すると生産性が上 がることがわかる資料や,日本の労働人口が減少することがわ かるグラフや人協働ロボットの資料を提示する。 四 1 2 12 農業や水産業におけ る課題を解決するロボ ットを考える。 13 「5年〇組 未来ロ ボット会議」を開く。 ○ 農業や水産業における社会の課題を解決するロボットの活 用の仕方について,具体的に考えることができるように,農業 や水産業で人手が不足している場面において活躍できるロボ ットの役割やその想像図を,絵や文などを使ってまとめるよう 指示する。 ○ 社会の課題を解決し,豊かな生活を続けていくためのロボッ ト生産の在り方を考えていこうとする態度を身に付けること できるように,それぞれが考えたロボットについて,提案する 活動を行い単元をまとめるようにする。
5 本 時 (1) 主 眼 ○ 〇〇電機が今後も産業用ロボットを中心に生産を続けていく理由を考えクラゲチャートにまと め交流する活動を通して,〇〇電機は,今後の労働人口減少の時代においても生産性を高めたり, 様々な規模や分野の工場でも活用したりしたいという顧客のニーズを見通し,さらに利益を上げ ていこうとしていることを捉えることができる。 (2) 指導の重点 工場にロボットを導入すると生産性が高まることがわかる事例,日本の労働人口の推移のグラフ, 人協働ロボットの資料を提示することで,事実を根拠にして,今後も,〇〇電機が産業用ロボットを 中心に生産していこうとしている理由を考えることができるようにする。 (3) 準 備 ①黒板掲示資料(グラフ1,図3,写真3) ②学びの足あと ③PC(動画再生) (4) 展 開 段 階 学習活動 指導上の留意点(〇)と評価(◇) 課 題 把 握 ( 5 ) 1 これからの〇〇電機のロボットづく りに対する考え方がわかる資料から,め あてを立てる。 (1)〇〇電機の生産の目標や今後の生産 に関する考え方がわかる資料から,気 付いたことを発表する。 (2)資料から,気付いたことをもとに, めあてを立てる。 ○ 今後も,〇〇電機が産業用ロボット中心に生産を 続け利益を高めようとしていることに問題意識がも てるように,前時に調べた日本のロボット産業の市 場予測や,これからの〇〇電機が目指すロボット生 産についての考え方がわかる資料を提示する。 ○ 見通しをもって追究できるように,めあてに対す る自分の考えをつくる際に,根拠を明確にすること が重要であることを確認する。 / 課 題 解 決 ( 3 0 ) 2 産業用ロボットを導入した工場の事 例や,今後の日本の労働人口の減少の資 料をもとに,理由を考える。 3 人協働ロボットの資料をもとに,産業 用ロボットの生産を中心に事業を進め ていく理由に対する考えを再構成する。 ○ めあてに対する自分の考えをつくることができる ように,前時までに捉えた事実と,産業用ロボット を導入した工場の事例と,今後の日本の労働人口の 減少の資料を関連付けて考えることを指示する。 ○ 考えを再構成することができるように,前段階で もった考えと,人協働ロボットを工場に導入するよ さとを関連付けて考えをつくるように指示する。 ○ 資料から捉えた事実を根拠として自分の考えをつ くり表現することができるように,思考ツールの「 クラゲチャート図」を活用して事実を関連付けて理 由を考え,それをペアで交流し,最後に全体で交流 する場を設定する。 ◇ 〇〇電機が産業用ロボットを中心に生産していこ うと考えている理由を,事実を根拠にクラゲチャー ト図を使って考え,記入することができたか。 / 振 り 返 り ( 1 0 ) 4 学習のふり返りをし,次時への学習の 見通しをもつ。 ○ 学習で身に付けたことや解決するよさを実感できる ように,本時の学習を通して考えの変化したところや, 友達の考えのよさを視点にふり返るように指示する。 ○ 農業や水産業における,ロボットの活用の仕方を自 分たちで考えるという問題を設定できるように,1学 期に学習した農業や水産業における課題を提示する。 めあて:〇〇電機は,なぜ産業用ロボットを中心に生産を続けていこうと考えているのだろう。 【予想される児童の考え】 ・買う人(工場)は,産業用ロボットを使うと働く人が 少なくても生産を高められる。〇〇電機は,そのニ ーズを考えて,これまでの技術を生かし,産業用ロ ボットの生産や利益を増やしたいから。 まとめ:これまでの技術を生かし,労働人口が減っても少ない人で多く生産したり,いろん な工場で使ったりしたいという買う人のニーズにこたえ,さらに生産や利益を増やし たいと考えているから。 【予想される児童の考え】 〈付け加えられる児童の考え〉 ・人協働ロボットは,多くの工場で使うことができ る。だから,これまで産業用ロボットを使えなかっ た工場からもニーズが生まれ,さらに生産量や利益 を増やしたいから。